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金融商品取引法・第8章

金融・証券業等に関する法規制の問題(42問)

この章を解く(42問)→

金融商品取引法の行為規制(損失補塡・適合性の原則・インサイダー取引)

金融・証券業の行為規制をあつかう章です。金融商品取引法の損失補塡の禁止、適合性の原則、断定的判断の提供の禁止、誇大広告・再勧誘の禁止、インサイダー取引規制を収録しています。投資家保護の趣旨から各規制がどう導かれるかを押さえると、似た禁止行為を区別できます。

第8章は金融商品取引法の行為規制です。損失補塡、断定的判断、適合性の原則、インサイダー取引は、どの情報格差や判断ミスを防ぐ規制かで見ると整理できます。

  • 損失補塡や特別利益の提供を禁止行為として確認する。
  • 適合性の原則は顧客の知識・経験・財産状況を見る。
  • インサイダー取引は重要事実と公表前を確認する。

この章で確認する論点

第8章は42問を収録し、主な論点は「金融商品取引業者等の損失補塡の禁止と断定的判断の提供の禁止」「適合性の原則と広告等の規制」「インサイダー取引規制と断定的判断の提供」「損失補塡の禁止と適合性の原則の趣旨」「誇大広告の禁止と再勧誘の禁止」です。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

他の資格との比較は、金融商品取引法を学べる資格と無料問題も参照できます。

  • 断定的な言い切りでの勧誘は努力義務やマナーの問題どまり、と思わせる。38条2号は、断定的判断の提供を禁止行為として明文で定めている。
  • 二つの記述のどちらかに緩い例外を紛れ込ませたように見えるが、適合性原則も誇大広告禁止もそのまま条文の言い回しに乗っている。
  • 結果オーライなら勧誘も許される、という的中=適法の理屈に乗せられる。禁止は勧誘行為そのものに向く。
ビジネス実務法務検定2級の参考書・問題集7冊を比較する →

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

金融商品取引法:4条・15条・16条・17条・18条・19条・21条・24条・25条・27条の2・27条の3・27条の23(ほか20条)

金融商品取引法の残り20条を開く

29条・36条・37条・37条の2・37条の3・37条の4・37条の6・38条・39条・40条・40条の2・157条・158条・159条・163条・164条・166条・167条・175条・197条の2

金融サービス提供法:2条・4条・7条・10条・11条・12条

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律:4条・5条・6条

問題と解説を読む全42問・答え付き

答え・解説つきで42問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年6月〜2026年10月時点の法令に準拠
問1金融商品取引業者等の損失補塡の禁止と断定的判断の提供の禁止e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の金融商品取引業者等の行為規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、有価証券の売買等につき顧客にあらかじめ定めた額の利益が生じないこととなった場合に、自己又は第三者がその損失を補塡するため財産上の利益を提供する旨を約束する行為をしてはならない。
  • イ.金融商品取引業者等が、顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供して契約の締結を勧誘する行為は、特に制限されていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
損失補塡のための財産上の利益提供の約束は禁止

金融商品取引法第39条第1項「あらかじめ定めた額の利益が生じないこととなつた場合には自己又は第三者がその全部又は一部を補塡し」一次資料を確認

イ.誤り
不確実な事項の断定的判断の提供は禁止行為 → 『制限なし』は誤り

金融商品取引法第38条第2号「不確実な事項について断定的判断を提供し」一次資料を確認

ひっかけ断定的な言い切りでの勧誘は努力義務やマナーの問題どまり、と思わせる。38条2号は、断定的判断の提供を禁止行為として明文で定めている。

解説アは、あらかじめ定めた額の利益が生じなかった場合に自己または第三者がその損失を補塡する財産上の利益を提供すると約束する行為を禁じるもので、金融商品取引法39条1項の損失補塡等の禁止に合致し正しい。イは、不確実な事項について断定的判断を提供して契約締結を勧誘する行為が特に制限されていないとするが、これは38条2号で明確に禁止される行為なので誤り。利益保証型の補塡と『必ず上がる』式の断定的勧誘が、それぞれ別の条文でふさがれている。

補足断定的判断の提供は、消費者契約法では契約取消しの原因になるが、金商法では業者側の禁止行為として規制される点が違う。

問2適合性の原則と広告等の規制e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の金融商品取引業者等の業務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることのないように、その業務を行わなければならない。
  • イ.金融商品取引業者等は、その業務に関する広告等をするときは、利益の見込み等について著しく事実に相違する表示や著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
顧客の知識・経験・財産・目的に不適当な勧誘で投資者保護に欠けないように業務を行う

金融商品取引法第40条第1号「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行つて投資者の保護に欠けることとなつており」一次資料を確認

イ.正しい
利益の見込み等について著しく事実に相違・誤認させる広告は禁止

金融商品取引法第37条第2項「著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない」一次資料を確認

ひっかけ二つの記述のどちらかに緩い例外を紛れ込ませたように見えるが、適合性原則も誇大広告禁止もそのまま条文の言い回しに乗っている。

解説アは、顧客の知識・経験・財産の状況・契約締結の目的に照らして不適当な勧誘で投資者保護に欠けることのないよう業務を行うべきとするもので、40条1号の適合性の原則に合致し正しい。イは、業務に関する広告等で利益の見込み等について著しく事実に相違する表示や著しく人を誤認させる表示をしてはならないとするもので、37条2項の広告規制どおりで正しい。入口の勧誘相手を選ぶ適合性原則と、広く撒く広告の中身を縛る誇大広告規制が、どちらも業者の側にかかる。

補足適合性原則を著しく逸脱した勧誘は、行政規制にとどまらず不法行為としても違法になりうる(最判平成17年7月14日)。

問3インサイダー取引規制と断定的判断の提供e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等が、顧客に対し不確実な事項について断定的判断を提供して契約の締結を勧誘する行為は、その判断が結果的に的中した場合には適法となる。
  • イ.上場会社等の会社関係者であって、その業務等に関する重要事実をその職務に関し知った者は、当該重要事実の公表がされた後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等をしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
断定的判断の提供は結果を問わず禁止 → 『的中すれば適法』は誤り

金融商品取引法第38条第2号「不確実な事項について断定的判断を提供し」一次資料を確認

イ.正しい
会社関係者は重要事実の公表後でなければ売買等をしてはならない

金融商品取引法第166条第1項「重要事実の公表がされた後でなければ」一次資料を確認

ひっかけ結果オーライなら勧誘も許される、という的中=適法の理屈に乗せられる。禁止は勧誘行為そのものに向く。

解説アは、不確実な事項について断定的判断を提供して締結を勧誘する行為が、その判断が結果的に的中すれば適法になるとするが誤り。38条2号の禁止は勧誘の時点でとらえる規律で、後から相場が当たったかどうかは違法性に影響しない。イは、上場会社等の会社関係者が職務に関し知った重要事実について、その公表後でなければ特定有価証券等の売買等をしてはならないとするもので、166条1項のインサイダー取引規制に合致し正しい。読みが当たれば免責される、という発想がアの誤りどころ。

補足規制が及ぶのは会社関係者本人だけでなく、そこから重要事実の伝達を受けた情報受領者にも及ぶ(166条3項)。

問4損失補塡の禁止と適合性の原則の趣旨e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の金融商品取引業者等の行為規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、顧客に生じた損失を補塡する旨を約束する行為であっても、顧客保護のために行うものであれば許される。
  • イ.金融商品取引業者等は、顧客の知識や経験等に照らして不適当と認められる勧誘を行っても、契約内容を書面で交付していれば投資者の保護に欠けることにはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
損失補塡は禁止行為 → 『顧客保護のためなら許される』は誤り

金融商品取引法第39条第1項「あらかじめ定めた額の利益が生じないこととなつた場合には自己又は第三者がその全部又は一部を補塡し」一次資料を確認

イ.誤り
顧客属性に不適当な勧誘は投資者保護に欠ける → 書面交付で適法化されない

金融商品取引法第40条第1号「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行つて投資者の保護に欠けることとなつており」一次資料を確認

ひっかけ『顧客のため』『書面さえ渡せば』という、もっともらしい免罪符を二つ差し出してくる。どちらも効かない。

解説アは、顧客に生じた損失を補塡すると約束する行為でも顧客保護のためなら許されるとするが、39条1項は損失補塡等を禁じており、顧客保護という名目で正当化される余地はないので誤り。イは、顧客の知識・経験等に照らして不適当な勧誘でも契約内容を書面で交付すれば投資者保護に欠けないとするが、これも誤り。40条1号の適合性の原則は勧誘の中身と相手の適合性を問う規律で、書面を渡したからといって不適当な勧誘が適法化されるわけではない。名目や手続では消せない禁止・規律が二つ並ぶ。

補足損失補塡の禁止にも例外はあり、事故(業者側のミス等)に起因する損失は、あらかじめ内閣総理大臣の確認を受ければ補塡できる(事故確認制度)。

問5誇大広告の禁止と再勧誘の禁止e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の勧誘・広告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、その業務に関する広告等において、金融商品取引行為による利益の見込みについて著しく事実に相違する表示をしてはならない。
  • イ.金融商品取引契約の締結の勧誘を受けた顧客が当該契約を締結しない旨の意思を表示した場合であっても、金融商品取引業者等はその後さらに勧誘を継続することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
利益の見込みについて著しく事実に相違する表示は禁止

金融商品取引法第37条第2項「著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない」一次資料を確認

イ.誤り
契約しない旨の意思表示後の勧誘継続は禁止 → 『継続できる』は誤り

金融商品取引法第38条第6号「を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続する行為」一次資料を確認

ひっかけ断られても改めて勧誘し直すのは自由、と読ませる。38条6号は拒否後の勧誘継続を禁止行為に含める。

解説アは、業務に関する広告等で金融商品取引行為による利益の見込みについて著しく事実に相違する表示をしてはならないとするもので、37条2項の広告規制に合致し正しい。イは、締結しない旨の意思を表示した顧客に対してさらに勧誘を継続できるとするが、38条6号の再勧誘の禁止に反するので誤り。いったん『契約しない』と告げた相手への勧誘継続は、それ自体が禁止行為にあたる。広告の中身規制と、断った相手への押し売り規制が別々にかかっている。

補足38条はこのほか、顧客の求めなしに訪問・電話で勧誘する不招請勧誘も一定の取引で禁じており、勧誘の入口から事後まで複数段で縛っている。

問6有価証券の募集・売出しの届出義務と目論見書の交付e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の発行開示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.有価証券の募集又は売出しは、原則として、発行者が当該有価証券の募集又は売出しに関し内閣総理大臣に届出をしているものでなければ、することができない。
  • イ.発行者等は、届出の対象となる有価証券を募集又は売出しにより取得させ、又は売り付ける場合には、目論見書をあらかじめ又は同時に交付しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
発行者が届出をしていなければ募集・売出しはできない(発行開示)

金融商品取引法第4条第1項「内閣総理大臣に届出をしているものでなければ、することができない」一次資料を確認

イ.正しい
取得させ・売り付ける際は目論見書を交付しなければならない

金融商品取引法第15条第2項「目論見書をあらかじめ又は同時に交付しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ届出と目論見書はどちらか一方で足りる、あるいは目論見書は事後で構わない、と読ませたくなるが、発行開示は両輪でかかる。

解説アは、有価証券の募集又は売出しが原則として発行者の内閣総理大臣への届出を前提とするとするもので、4条1項の届出義務に合致し正しい。イは、その有価証券を取得させ又は売り付ける場合に目論見書をあらかじめ又は同時に交付しなければならないとするもので、15条2項に合致し正しい。投資判断の材料を行政に開示させる届出と、投資家本人の手元に届ける目論見書の交付が、入口と現場の二段で組み合わさって発行開示を支える。

補足目論見書は届出書とは別物で、届出書は公衆縦覧(EDINETでの公開)により広く開示され、目論見書は個々の取得者・買主に直接交付される点で役割が分かれる。

問7契約締結前の情報の提供義務e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の契約締結前の情報の提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、金融商品取引契約を締結しようとするときは、原則として、あらかじめ、顧客に対し、契約の概要等の一定の事項に係る情報を提供しなければならない。
  • イ.顧客が行う金融商品取引行為について相場その他の指標に係る変動により損失が生ずるおそれがあるときであっても、その旨は情報として提供する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
契約を締結しようとするときは、あらかじめ顧客へ一定事項の情報を提供する義務がある

金融商品取引法第37条の3第1項「あらかじめ、顧客に対し、次に掲げる事項に係る情報を提供しなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
相場等の変動による損失リスクは提供すべき事項 → 『提供不要』は誤り

金融商品取引法第37条の3第1項第5号「相場その他の指標に係る変動により損失が生ずることとなるおそれがあるときは」一次資料を確認

ひっかけ情報提供は形式的な手続で、損失リスクのような核心はかえって除いてよい、と読ませてくる。リスクこそ提供事項の中心に置かれている。

解説アは、金融商品取引契約を締結しようとするときに、あらかじめ顧客へ契約の概要等の一定事項に係る情報を提供しなければならないとするもので、37条の3第1項に合致し正しい。イは、相場等の変動により損失が生ずるおそれがある旨は提供不要とするが、同項第5号がまさにこの損失リスクを提供事項として明示しているので誤り。なお同条はかつて『契約締結前交付書面』の交付義務として置かれていたが、現行法は書面に限らず情報を提供する義務として整理されている。

補足37条の3第2項は、提供した情報について顧客の知識・経験・財産の状況や契約目的(顧客属性)に照らして理解されるために必要な方法・程度で説明することも求めており、提供と説明が重ねてかかる。

問8風説の流布の禁止と相場操縦行為(仮装売買)の禁止e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の不公正取引の規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.有価証券の相場の変動を図る目的をもって風説を流布する行為が禁止されるのは、金融商品取引業者等に限られ、一般の投資家には適用されない。
  • イ.何人も、取引が繁盛に行われていると他人に誤解させる目的等をもって、権利の移転を目的としない仮装の有価証券の売買をしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
名宛人は『何人も』 → 『業者に限られる』は誤り

金融商品取引法第158条「風説を流布し、偽計を用い」一次資料を確認

イ.正しい
他人に誤解させる目的の仮装売買は禁止行為

金融商品取引法第159条第1項「権利の移転を目的としない仮装の有価証券の売買」一次資料を確認

ひっかけ規制対象を業者だけに絞り込ませる一方、仮装売買のほうは適法に見せかけてくる。名宛人と禁止行為の両方を取り違えさせる作り。

解説アは、相場変動を図る目的の風説の流布の禁止が業者に限られるとするが、158条は『何人も』を名宛人としており一般の投資家にも及ぶので誤り。イは、取引が繁盛に行われていると他人に誤解させる目的等での仮装の有価証券の売買を禁じるもので、159条1項の相場操縦規制(仮装売買)に合致し正しい。市場の公正は、誰が行うかを問わない広い名宛人と、見せかけの取引を封じる具体的禁止の両面で守られている。

補足158条はこのほか偽計・暴行・脅迫も禁じ、159条は仮装売買だけでなく馴れ合い売買や現実の取引による相場の変動操作(現実取引による相場操縦)も対象に含む。

問9大量保有報告書(5%ルール)e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の大量保有報告書(いわゆる5%ルール)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引所に上場されている株券等の保有者は、その株券等保有割合が100分の3を超えることとなった場合に、大量保有報告書を提出しなければならない。
  • イ.大量保有者となった場合でも、大量保有報告書をいつまでに提出すべきかについては、法令上特段の期限の定めはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
上場株券等の保有者は、株券等保有割合が100分の5を超えることとなった場合に、大量保有報告書を提出しなければならない(金融商品取引法27条の23第1項)。基準は3%ではなく5%である。例えば、保有割合が4.9%から5.1%になったときに、提出義務が生じる。

金融商品取引法第27条の23第1項「百分の五を超えるもの」一次資料を確認

イ.誤り
大量保有報告書は、大量保有者となった日から5日以内に提出しなければならない(同項)。期限の定めはある。例えば、5.1%に達した日から5日以内(日曜日などの休日を除く)に提出する。期限に法令上の定めがないとする点が誤りである。

金融商品取引法第27条の23第1項「大量保有者となつた日から五日」一次資料を確認

ひっかけ基準の割合と提出期限という、5%ルールの二つの数字を同時に揺さぶってくる。どちらも条文がはっきり定めている。

解説アは、提出義務の基準を株券等保有割合100分の3超とするが、27条の23第1項は『百分の五を超える』場合に提出義務を課すので誤り。イは、提出期限について法令上特段の定めがないとするが、同項は大量保有者となった日から原則5日以内の提出を求めており期限が定められているので誤り。発行体の支配権に影響しうる大口保有を、しきい値(5%超)と提出のスピード(5日以内)の両方で速やかに開示させる仕組みである。

補足5%ルールはその後保有割合が1%以上増減した場合などに変更報告書の提出も求めており、最初の報告だけで終わらず継続的な開示が続く。

問10金融サービス提供法の説明義務と損害賠償責任e-Gov等の一次資料で確認済み

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)上の金融商品の販売に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品販売業者等は、金融商品の販売等を業として行うときは、金融商品の販売が行われるまでの間に、顧客に対し、重要事項について説明をしなければならない。
  • イ.金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったことにより顧客に損害が生じても、当該業者は当該損害を賠償する責任を負わない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
販売が行われるまでの間に顧客へ重要事項を説明しなければならない

金融サービス提供法第4条第1項「金融商品の販売が行われるまでの間に、顧客に対し」一次資料を確認

イ.誤り
説明をしなかったことで生じた損害は賠償責任 → 『責任を負わない』は誤り

金融サービス提供法第6条「当該顧客の損害を賠償する責めに任ずる」一次資料を確認

ひっかけ説明はあくまで努力義務で、怠っても民事の責任までは負わない、と思わせる。金融サービス提供法は説明義務違反を損害賠償に直結させている。

解説アは、金融商品販売業者等が販売を業として行うとき、販売が行われるまでの間に顧客へ重要事項を説明しなければならないとするもので、4条1項の説明義務に合致し正しい。イは、説明をしなかったことで顧客に損害が生じても賠償責任を負わないとするが、6条は説明義務違反によって生じた損害を賠償する責めに任ずると定めるので誤り。重要事項の説明という入口の義務と、それを怠ったときの損害賠償という出口の責任が、同じ法律の中で結び付けられている。

補足金融サービス提供法6条の損害賠償責任については、元本欠損額が顧客に生じた損害の額と推定される(7条の損害額の推定)ため、顧客は損害額の立証負担が軽くなる点に特徴がある。

問11公開買付け(TOB)の規制e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の公開買付け(TOB)の規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.有価証券報告書を提出しなければならない発行者等の株券等について、その買付け等の後における株券等所有割合が一定の割合を超えることとなる場合の買付け等は、原則として公開買付けによらなければならない。
  • イ.公開買付けとは、不特定かつ多数の者に対する勧誘によることなく、特定の少数の者との相対の交渉のみによって株券等を買い付けることをいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
買付け後の所有割合が一定割合を超える買付け等は公開買付けによらなければならない

金融商品取引法第27条の2第1項「公開買付けによらなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
定義は『不特定かつ多数の者に対し公告により』 → 『相対の交渉のみ』は誤り

金融商品取引法第27条の2第6項「不特定かつ多数の者に対し、公告により株券等の買付け等の申込み」一次資料を確認

ひっかけ公開買付けを、水面下で少数の相手と進める相対取引のように描いて誤らせる。条文の定義は逆に『不特定かつ多数』へ広く呼びかける手続を指す。

解説アは、有価証券報告書提出会社等の株券等について、買付け後の株券等所有割合が一定割合を超える買付け等は原則として公開買付けによらなければならないとするもので、27条の2第1項に合致し正しい。イは、公開買付けを特定少数との相対交渉に限るとするが、同条6項は『不特定かつ多数の者に対し、公告により』買付け等の申込み等の勧誘を行い市場外で買い付けるものと定義しており誤り。市場を通さない大口の買い集めを、広く公告して株主に等しく機会を与える手続に乗せる点に制度の狙いがある。

補足公開買付けでは買付期間や買付価格の均一性など手続のルールも定められており、特定の株主だけを有利に扱うことは認められない。

問12有価証券報告書による継続開示e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の有価証券報告書(継続開示)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引所に上場されている有価証券の発行者である会社は、内閣府令で定めるところにより、事業年度ごとに有価証券報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
  • イ.内国会社が有価証券報告書を提出すべき期限は、原則として当該事業年度経過後3か月以内とされている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
上場有価証券の発行会社は事業年度ごとに有価証券報告書を内閣総理大臣に提出

金融商品取引法第24条第1項「内閣総理大臣に提出しなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
内国会社は当該事業年度経過後3月以内に提出するのが原則

金融商品取引法第24条第1項「内国会社にあつては当該事業年度経過後三月以内」一次資料を確認

ひっかけ提出義務の有無と提出期限のどちらかに誤りを潜ませたように見えるが、どちらも条文どおりで、継続開示の基本がそのまま問われている。

解説アは、上場有価証券の発行会社等が事業年度ごとに有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないとするもので、24条1項に合致し正しい。イは、内国会社の提出期限を原則として事業年度経過後3か月以内とするもので、同項の『当該事業年度経過後三月以内』という定めに合致し正しい。発行時の届出(発行開示)に対し、上場後も毎期決まった期限で会社情報を開示し続けさせるのが有価証券報告書による継続開示である。

補足有価証券報告書は発行時の届出書とは別物で、上場している限り毎事業年度提出が続く点が継続開示の特徴である。

問13金融商品取引業の登録e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の金融商品取引業の登録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業は、内閣総理大臣に対する届出を行えば足り、登録を受けていなくても行うことができる。
  • イ.金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
登録を受けた者でなければ行えない → 『届出で足りる』は誤り

金融商品取引法第29条「内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない」一次資料を確認

イ.正しい
金融商品取引業は内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行えない

金融商品取引法第29条「内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない」一次資料を確認

ひっかけ届出さえ出せば営業できるかのように緩めて誤らせる。金融商品取引業は事前の登録を受けて初めて行える業務である。

解説アは、金融商品取引業は届出で足り登録は不要とするが、29条は『内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない』と定めており、登録を要するので誤り。イは、その登録がなければ金融商品取引業を行えないとするもので、同条に合致し正しい。誰でも自由に始められる業務ではなく、参入時に登録という関門を置いて投資者を保護する仕組みである。

補足金融商品取引業は業の種別(第一種・第二種金融商品取引業など)ごとに登録が求められ、登録を受けずに営業することは認められない。

問14虚偽記載のある有価証券届出書等による損害賠償責任e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法上の有価証券届出書の虚偽記載に基づく損害賠償責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.有価証券届出書のうちに重要な事項について虚偽の記載があるときは、当該有価証券届出書の届出者は、その募集又は売出しに応じて当該有価証券を取得した者に対し、損害賠償の責めに任ずる。
  • イ.有価証券届出書を提出した会社の役員は、虚偽記載があった場合、相当な注意を用いても虚偽であることを知ることができなかったことを証明したときであっても、損害賠償責任を免れることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
届出者は募集・売出しに応じた取得者に対し損害賠償の責めに任ずる

金融商品取引法第18条第1項「当該募集又は売出しに応じて取得した者に対し、損害賠償の責めに任ずる」一次資料を確認

イ.誤り
相当な注意を尽くしたこと等を証明すれば免責 → 『免れられない』は誤り

金融商品取引法第21条第2項「相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかつたこと」一次資料を確認

ひっかけ届出者の責任の重さに引きずられて、役員も一切言い訳できないと思わせる。役員には相当な注意を尽くしたことを示せば責任を免れる余地がある。

解説アは、虚偽記載のある有価証券届出書の届出者が、募集・売出しに応じた取得者に対し損害賠償の責めに任ずるとするもので、18条1項に合致し正しい。イは、役員が相当な注意を用いても虚偽を知り得なかったことを証明しても免責されないとするが、21条2項1号は、記載の虚偽を知らず、かつ相当な注意を用いても知ることができなかったことを証明すれば賠償責任を免れると定めており誤り。発行体(届出者)には重い責任を課しつつ、役員等には注意義務を尽くしたかどうかで責任の有無を分ける構造になっている。

補足監査証明をした公認会計士・監査法人や元引受けをした金融商品取引業者も、21条により一定の損害賠償責任を負いうるが、いずれも故意・過失や相当な注意に関する免責規定が用意されている。

問15金融サービス提供法の断定的判断の提供等の禁止と損害賠償責任e-Gov等の一次資料で確認済み

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)上の金融商品の販売に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品販売業者等が、金融商品の販売に係る事項について、不確実な事項について断定的判断を提供する行為は、望ましくないとされるにとどまり、法律上禁止されているわけではない。
  • イ.金融商品販売業者等が断定的判断の提供等の禁止に違反した場合でも、それによって顧客に生じた損害を賠償する責任までは法律上定められていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
断定的判断の提供等は5条で禁止 → 『禁止されていない』は誤り

金融サービス提供法第5条「不確実な事項について断定的判断を提供し」一次資料を確認

イ.誤り
違反により生じた損害は賠償責任 → 『定められていない』は誤り

金融サービス提供法第6条「前条の規定に違反して断定的判断の提供等を行ったとき」一次資料を確認

金融サービス提供法第6条「当該顧客の損害を賠償する責めに任ずる」一次資料を確認

ひっかけ断定的な言い切りでの勧誘を、マナー違反どまりで損害賠償にはつながらない、と二段階で軽く見せる。金融サービス提供法は禁止と賠償責任を直結させている。

解説アは、不確実な事項について断定的判断を提供する行為が法律上禁止されていないとするが、5条は金融商品販売業者等による『断定的判断の提供等』を明確に禁止しており誤り。イは、その禁止に違反しても損害賠償責任は定められていないとするが、6条は前条(5条)に違反して断定的判断の提供等を行ったときに生じた顧客の損害を賠償する責めに任ずると定めており誤り。『必ず儲かる』式の言い切りを禁じたうえで、違反すれば賠償まで負わせることで、説明義務違反と同じ枠組みで顧客を保護している。

補足同じ6条は、重要事項の説明義務違反による損害賠償責任も定めており、断定的判断の提供等と説明義務違反が並んで賠償責任の対象とされている。

問16金融商品取引業の登録と広告規制e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引業の登録と広告規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行うことができない。
  • イ.金融商品取引業者等の広告では、登録番号を表示する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
金融商品取引業は投資者保護に直結するため、誰でも自由に営業できるものではない。内閣総理大臣の登録を受けた者だけが行える。

金融商品取引法第29条「内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない」一次資料を確認

イ.誤り
広告は投資者が業者を識別する入口になるため、登録番号等の表示が求められる。登録を受けているかを確認できる情報を省いてよいわけではない。

金融商品取引法第37条第1項第2号「金融商品取引業者等である旨及び当該金融商品取引業者等の登録番号」一次資料を確認

ひっかけ業者を規制するのは登録だけ、と考えるとイを取り違える。広告にも登録番号など業者を識別する表示が要る。

解説金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行うことができない登録制である(金融商品取引法29条)。アはこのとおりで正しい。さらに、金融商品取引業者等が広告等をするときは、金融商品取引業者等である旨とその登録番号を表示しなければならない(37条1項2号)。イは登録番号を表示する必要はないとした点で誤り。登録制と広告の表示義務は、業者規制の基本としてセットで押さえる。

補足広告等には、登録番号のほか、顧客が支払うべき手数料や、元本欠損・元本超過損が生じるおそれといった重要事項も表示しなければならず、著しく事実に相違する誇大広告も禁止される(37条)。

問17契約締結前交付情報と適合性説明e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引契約の締結前情報提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、金融商品取引契約を締結しようとするとき、原則としてあらかじめ顧客に一定事項の情報を提供しなければならない。
  • イ.情報提供時の説明方法は全顧客で一律でよく、顧客の知識・経験・財産状況や契約目的を考慮する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
締結前情報提供

金融商品取引法第37条の3第1項「あらかじめ、顧客に対し、次に掲げる事項に係る情報を提供しなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
顧客属性

金融商品取引法第37条の3第2項「顧客の知識、経験、財産の状況及び当該金融商品取引契約を締結しようとする目的」一次資料を確認

ひっかけ締結前の情報は全顧客に同じ渡し方でよい、と考えるとイを正しいと誤る。顧客の知識・経験・財産・目的に応じた説明が要る。

解説金融商品取引業者等は、金融商品取引契約を締結しようとするときは、原則としてあらかじめ顧客に一定事項の情報を提供しなければならない(金融商品取引法37条の3第1項。かつての契約締結前交付書面が改正で情報提供義務に整理された)。アはこのとおりで正しい。そして情報を提供するときは、顧客の知識・経験・財産の状況および契約を締結しようとする目的に照らして、顧客に理解されるために必要な方法および程度で説明しなければならない(同条2項)。イは全顧客一律でよく顧客属性を考慮する必要はないとした点で誤り。

補足この顧客属性に応じた説明の考え方は、あとに出てくる適合性の原則(40条1号)と根を同じくし、顧客に不適当な勧誘・販売を避ける規律として連なっている。

問18断定的判断の提供と適合性の原則e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引業者等の禁止行為と適合性の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、不確実な事項について断定的判断を提供し、顧客に確実であると誤解させるおそれのあることを告げて勧誘してはならない。
  • イ.適合性の原則は、顧客の財産状況だけを考慮すれば足り、投資目的や知識・経験は考慮対象ではない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
勧誘方法そのものの禁止を問う肢。不確実な事項を確実であるかのように伝える点が、顧客の投資判断をゆがめる。

金融商品取引法第38条第2号「不確実な事項について断定的判断を提供し」一次資料を確認

イ.誤り
適合性を財産状況だけに狭める誤り。条文は知識・経験・財産・契約目的を総合して見る構造を採っている。

金融商品取引法第40条第1号「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的」一次資料を確認

ひっかけ適合性の原則は顧客の財産状況だけを見る、と考えるとイを正しいと誤る。知識・経験・目的まで含めて判断する。

解説断定的判断の提供は勧誘の言い方を規制するルール、適合性の原則は勧誘の相手と商品の合い方を規制するルールである。前者では『不確実なことを確実と言う』点を、後者では『財産状況だけでなく知識・経験・目的も見る』点を押さえる。適合性を資力審査のように狭く理解すると、イのような誤りに引っかかる。

補足断定的判断の提供の禁止(38条2号)は勧誘の「方法」の規制、適合性の原則(40条1号)は勧誘の「相手方への適合」の規制で、両者は別の角度から不当な勧誘を防いでいる。

問19相場操縦とインサイダー取引e-Gov等の一次資料で確認済み

市場の公正を害する取引規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.何人も、有価証券の売買等の取引を誘引する目的をもって、相場を変動させるべき一連の売買等をしてはならない。
  • イ.会社関係者によるインサイダー取引規制は、重要事実の公表前に限らず、公表後の売買にも同じく適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
相場操縦の成立要素を確認する肢。取引誘引目的と、相場を変動させる一連の売買等という組合せが条文の軸になる。

金融商品取引法第159条第2項第1号「相場を変動させるべき一連の有価証券売買等」一次資料を確認

イ.誤り
インサイダー規制の時間的限界を問う肢。重要事実の公表前を禁止する規律であり、公表後まで同じ禁止が及ぶとはいえない。

金融商品取引法第166条第1項「当該業務等に関する重要事実の公表がされた後でなければ」一次資料を確認

ひっかけ重要事実を知っていれば公表後の売買もインサイダー取引、と考えるとイを正しいと誤る。規制されるのは公表前の取引。

解説相場操縦は『市場価格そのものをゆがめて他人の取引を誘う行為』、インサイダー取引は『未公表の重要事実を知る者が情報格差を利用して取引する行為』である。両者は市場の公正を守る点では共通するが、規制対象の切り口が違う。インサイダー規制では公表前か公表後かが決定的で、公表後にも同じ禁止が残ると考えない。

補足相場操縦もインサイダー取引も、課徴金納付命令のほか刑事罰の対象になり、市場の公正と投資者の信頼を守る中核的な規制になっている。

問20金融サービス提供法の説明義務と損害額推定e-Gov等の一次資料で確認済み

金融サービス提供法上の顧客保護に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品販売業者等は、重要事項について顧客に説明しなければならない。
  • イ.説明義務違反による損害賠償では、元本欠損額は損害額と推定されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
顧客が金融商品のリスクを理解して判断できるようにする入口規制を問う肢。重要事項説明義務の有無が焦点になる。

金融サービス提供法第4条第1項「重要事項」という。)について説明をしなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
説明義務違反後の救済を問う肢。元本欠損額を損害額と推定することで、顧客側の立証負担を軽くしている。

金融サービス提供法第7条第1項「元本欠損額は、金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったこと」一次資料を確認

ひっかけ説明を怠っても損害額は被害者が全部立証しなければならない、と考えるとイを正しいと誤る。元本欠損額が損害額と推定される。

解説金融サービス提供法は、金融商品販売の入口で重要事項説明義務を置き、違反があった場合には損害賠償責任と損害額推定で顧客を保護する。説明義務は行為規制、元本欠損額の推定は救済場面の立証負担を軽くする規定である。『説明義務はあるが、損害額は常に顧客が全部証明する』という理解は誤り。

補足元本欠損額は、顧客が支払った金銭等の額から、その契約により顧客が取得した金銭等の額を差し引いた額をいう。実損の立証が難しい顧客を保護するための推定規定である。

問21金融商品取引契約の書面等による解除e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法37条の6の書面等による解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.政令で定める金融商品取引契約を締結した顧客は、契約の成立に係る情報の提供を受けた日として政令で定める日から政令で定める日数を経過するまでの間、書面又は電磁的記録により契約を解除することができ、書面による解除は当該書面を発した時に効力を生ずる。
  • イ.顧客がこの規定により契約を解除した場合、金融商品取引業者等は、解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を、契約で定めた額であれば制限なく請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
対象の契約は、契約後に考え直す機会が与えられる

金融商品取引法第37条の6第1項「書面又は電磁的記録により当該金融商品取引契約の解除を行うことができる」一次資料を確認

金融商品取引法第37条の6第2項第1号「一書面当該書面を発した時」一次資料を確認

イ.誤り
違約金で解除を事実上封じさせない

金融商品取引法第37条の6第3項「内閣府令で定める金額を超えて当該金融商品取引契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない」一次資料を確認

金融商品取引法第37条の6第5項「前各項の規定に反する特約で顧客に不利なものは、無効とする」一次資料を確認

ひっかけ金融商品取引法にもクーリング・オフ(37条の6)がある。対象契約と日数は政令で定められる。

解説金融商品取引法37条の6は、契約の内容などを勘案して契約の内容などを勘案して政令で定める金融商品取引契約について、顧客が、契約成立時の情報の提供を受けた日から政令で定める日数を経過するまで、書面又は電磁的記録で契約を解除できるとする。書面による解除は書面を発した時に効力を生じ(2項)、業者は解除までの対価として内閣府令で定める金額を超えて損害賠償・違約金を請求できず(3項)、前払いの対価は返還しなければならない(4項)。これらに反する顧客に不利な特約は無効である(5項)。

補足電磁的記録を記録媒体で送った場合は、その記録媒体を発送した時に効力を生ずる(37条の6第2項2号)。

問22不招請勧誘の禁止と勧誘受諾意思の確認e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法38条の禁止行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.投資者の保護を図ることが特に必要なものとして政令で定める金融商品取引契約については、勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問し又は電話をかけて契約の締結の勧誘をする行為が禁止されている。
  • イ.政令で定める金融商品取引契約については、勧誘に先立って、顧客に対し、その勧誘を受ける意思の有無を確認しないで勧誘をする行為が禁止されている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
リスクの高い取引への飛び込み勧誘を防ぐ

金融商品取引法第38条第4号「締結の勧誘の要請をしていない顧客に対し、訪問し又は電話をかけて、金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為」一次資料を確認

イ.正しい
望まない勧誘を始めさせない

金融商品取引法第38条第5号「その勧誘に先立つて、顧客に対し、その勧誘を受ける意思の有無を確認することをしないで勧誘をする行為」一次資料を確認

ひっかけ38条の勧誘規制は三段階:要請のない訪問・電話勧誘の禁止(4号)、勧誘前の意思確認(5号)、断った後の再勧誘の禁止(6号)。

解説金融商品取引法38条は、金融商品取引業者等とその役員・使用人の禁止行為を列挙する。虚偽告知(1号)、断定的判断の提供(2号)に加え、政令で定める契約については、勧誘の要請をしていない顧客への訪問・電話による勧誘(4号、不招請勧誘の禁止)、勧誘に先立って勧誘を受ける意思を確認しないで勧誘すること(5号)、締結しない旨の意思を表示した顧客への勧誘の継続(6号)が禁止される。4号から6号は、投資者の保護に欠けるおそれのないものとして内閣府令で定めるものが除かれる。

補足4号の対象は『投資者の保護を図ることが特に必要なもの』、5号・6号の対象は『投資者の保護を図ることが必要なもの』として、それぞれ政令で定められる。

問23上場会社の役員等の短期売買利益の返還e-Gov等の一次資料で確認済み

上場会社等の役員等の短期売買利益の返還(金融商品取引法164条)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.上場会社等の役員又は主要株主が、その会社の特定有価証券等について自己の計算において買付け等をした後1年以内に売付け等をして利益を得た場合に、会社はその利益の提供を請求することができる。
  • イ.株主が会社に対し利益の提供の請求を行うべき旨を要求した日の後60日以内に会社が請求を行わない場合には、当該株主は、会社に代位してその請求を行うことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
1年以内とする点が誤り

金融商品取引法第164条第1項「自己の計算においてそれに係る買付け等をした後六月以内に売付け等をし、又は売付け等をした後六月以内に買付け等をして利益を得た場合」一次資料を確認

イ.正しい
役員と会社のなれ合いで請求が放置されるのを防ぐ

金融商品取引法第164条第2項「上場会社等に代位して、その請求を行うことができる」一次資料を確認

ひっかけ短期売買利益の返還は『6月以内の売買』『株主の代位は60日』『請求権は2年で消滅』。

解説金融商品取引法164条は、上場会社等の役員や主要株主が職務・地位により取得した秘密を不当に利用することを防ぐため、その会社の特定有価証券等を自己の計算で買い付けた後6月以内に売り付け、又は売り付けた後6月以内に買い付けて利益を得た場合に、会社がその利益の提供を請求できるとする(1項)。株主が請求を要求した後60日以内に会社が請求しないときは、株主が会社に代位して請求できる(2項)。この請求権は、利益の取得があった日から2年間行わないときは消滅する(3項)。

補足請求できる株主には、保険契約者である社員、出資者、投資主なども含まれる(164条2項括弧書き)。

問24インサイダー取引の罰則と短期売買利益の請求期限e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法の罰則等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.会社関係者のインサイダー取引規制(166条1項)に違反した者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処され、又はこれらが併科される。
  • イ.上場会社等の役員の短期売買利益の提供を請求する権利は、利益の取得があった日から2年間行わないときは消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
市場の公正を害する重大な違反

金融商品取引法第197条の2「当該違反行為をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」一次資料を確認

金融商品取引法第197条の2第13号「第百六十六条第一項若しくは第三項若しくは第百六十七条第一項若しくは第三項の規定に違反したとき」一次資料を確認

イ.正しい
請求の期限を区切る

金融商品取引法第164条第3項「利益の取得があつた日から二年間行わないときは、消滅する」一次資料を確認

ひっかけインサイダー取引は『5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金・併科あり』。独占禁止法の私的独占・カルテル(5年・500万円)と数字が近いので混同に注意(併科の有無が違う)。

解説金融商品取引法197条の2は、会社関係者のインサイダー取引(166条1項・3項)や公開買付者等関係者の取引(167条1項・3項)などに違反した者を、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又は併科する。164条3項は、上場会社等の役員・主要株主の短期売買利益の提供を請求する権利が、利益の取得があった日から2年間行わないときに消滅するとする。

補足インサイダー取引規制は、公開買付け等の事実を知った者の取引(167条)にも及ぶ。

問25金融サービス提供法の説明の程度と説明が不要な場合e-Gov等の一次資料で確認済み

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)4条の重要事項の説明に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.重要事項の説明は、顧客の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に照らして、当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度によるものでなければならない。
  • イ.顧客が重要事項について説明を要しない旨の意思を表明した場合であっても、金融商品販売業者等の説明義務が免除されることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
形式的に説明しただけでは足りない

金融サービス提供法第4条第2項「当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度によるものでなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
免除されることはないとする点が誤り

金融サービス提供法第4条第7項第2号「重要事項について説明を要しない旨の顧客の意思の表明があったとき」一次資料を確認

ひっかけ説明義務の例外は『特定顧客』と『説明不要の意思表明』。ただし商品関連市場デリバティブ取引等では意思表明による免除はない。

解説金融サービス提供法4条1項は、金融商品販売業者等に、金融商品の販売までに元本欠損や当初元本を上回る損失が生ずるおそれなどの重要事項を説明する義務を課す。2項は、その説明が、顧客の知識、経験、財産の状況及び契約の目的に照らして、顧客に理解されるために必要な方法及び程度でなければならないとする。7項は、顧客が専門的知識・経験を有する特定顧客である場合や、商品関連市場デリバティブ取引等でない場合に顧客が説明を要しない旨の意思を表明したときには、説明義務の規定を適用しないとする。

補足説明義務に違反したときの損害賠償責任(6条)では、元本欠損額が損害の額と推定される(7条1項)。

問26顧客等の最善の利益を勘案した誠実公正義務e-Gov等の一次資料で確認済み

金融サービス提供法2条の誠実公正義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融サービスの提供等に係る業務を行う者は、政令で定める業務を行うときは、顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行しなければならない。
  • イ.この誠実公正義務の対象は金融商品取引業を行う者に限られ、銀行業を行う者は対象とならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
業者の都合ではなく顧客の利益を軸に業務を行わせる

金融サービス提供法第2条第1項「顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に、その業務を遂行しなければならない」一次資料を確認

イ.誤り
金融商品取引業に限るとする点が誤り

金融サービス提供法第2条第2項第3号「銀行法第二条第二項に規定する銀行業に係る業務当該業務を行う者並びにその役員及び使用人」一次資料を確認

ひっかけ『顧客等の最善の利益を勘案した誠実公正義務』は、金融商品取引業者だけでなく銀行・保険など業態を横断して課される。

解説金融サービス提供法2条1項は、金融サービスの提供等に係る業務を行う者が、顧客等の保護を確保することが必要と認められるものとして政令で定める業務を行うときは、顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に業務を遂行しなければならないとする。2項は、その者を業務の区分ごとに定め、金融サービス仲介業、金融商品取引業、銀行業などに係る業務を行う者とその役員・使用人を挙げている。

補足同じ法律の4条以下には、金融商品の販売に関する重要事項の説明義務と、違反した場合の損害賠償責任が定められている。

問27金融商品販売業者等の勧誘方針の策定と公表e-Gov等の一次資料で確認済み

金融サービス提供法10条の勧誘方針に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品販売業者等は、業として行う金融商品の販売等に係る勧誘をしようとするときは、あらかじめ、勧誘に関する方針(勧誘方針)を定めなければならない。
  • イ.金融商品販売業者等は、勧誘方針を定めたときは、政令で定める方法により速やかにこれを公表しなければならず、変更したときも同様である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
どう勧誘するかを業者自身に決めさせ、示させる

金融サービス提供法第10条第1項「あらかじめ、当該勧誘に関する方針(以下この条及び第百五十四条において「勧誘方針」という。)を定めなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
顧客が業者の姿勢を確かめられるようにする

金融サービス提供法第10条第3項「速やかに、これを公表しなければならない。これを変更したときも、同様とする」一次資料を確認

ひっかけ勧誘方針は『あらかじめ策定』『速やかに公表(変更時も)』。特定顧客だけを相手にする業者などは除かれる。

解説金融サービス提供法10条は、金融商品販売業者等に、勧誘をしようとするときは、あらかじめ勧誘方針を定めることを求める(1項)。勧誘方針には、勧誘の対象となる者の知識、経験、財産の状況及び契約を締結する目的に照らし配慮すべき事項、勧誘の方法及び時間帯に関し配慮すべき事項、その他勧誘の適正の確保に関する事項を定める(2項)。定めたとき・変更したときは、速やかに公表しなければならない(3項)。国・地方公共団体など政令で定める者や、特定顧客のみを顧客とする者は除かれる。

補足勧誘方針で定める事項には、勧誘の『時間帯』への配慮も含まれる(10条2項2号)。

問28最良執行方針等の策定・公表と執行e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法40条の2の最良執行方針等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、顧客の注文を最良の取引の条件で執行するための方針及び方法を定めなければならないが、これを公表する義務までは負わない。
  • イ.金融商品取引業者等は、最良執行方針等に従い、有価証券等取引に関する注文を執行しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
公表義務はないとする点が誤り

金融商品取引法第40条の2第2項「金融商品取引業者等は、内閣府令で定めるところにより、最良執行方針等を公表しなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
定めた方針を実際の執行で守らせる

金融商品取引法第40条の2第3項「最良執行方針等に従い、有価証券等取引に関する注文を執行しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ最良執行方針等は『策定・公表・事前の情報提供・方針どおりの執行・事後の説明』の5点セット。

解説金融商品取引法40条の2は、金融商品取引業者等に、有価証券の売買やデリバティブ取引の顧客の注文について、最良の取引の条件で執行するための方針及び方法(最良執行方針等)を定め(1項)、公表し(2項)、それに従って執行することを求める(3項)。上場有価証券などの注文を受けるときは、あらかじめ最良執行方針等に係る情報を顧客に提供し(4項)、執行後に顧客から求められたときは、方針等に従って執行した旨の説明などの情報を提供しなければならない(5項)。

補足既に最良執行方針等に係る情報を提供している場合は、注文のたびに改めて提供する必要はない(40条の2第4項ただし書)。

問29契約締結時の情報提供と利益相反の管理体制e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法の業者の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、金融商品取引契約が成立したときその他内閣府令で定めるときは、遅滞なく、顧客に対し、当該金融商品取引契約に関する事項などに係る情報を提供しなければならない。
  • イ.有価証券関連業を行う第一種金融商品取引業者などの特定金融商品取引業者等は、グループ内の取引に伴って顧客の利益が不当に害されることのないよう、情報を適正に管理し、業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
契約前(37条の3)だけでなく、成立後にも内容を確かめられるようにする

金融商品取引法第37条の4「金融商品取引契約が成立したときその他内閣府令で定めるときは、内閣府令で定めるところにより、遅滞なく、顧客に対し」一次資料を確認

イ.正しい
グループ会社との取引で顧客が損をしないように

金融商品取引法第36条第1項「当該金融商品関連業務に関する情報を適正に管理し、かつ、当該金融商品関連業務の実施状況を適切に監視するための体制の整備その他必要な措置を講じなければならない」一次資料を確認

ひっかけ情報提供は『契約締結前』(37条の3)と『契約締結時等』(37条の4)の二段階。

解説金融商品取引法37条の4は、金融商品取引契約が成立したときなどに、遅滞なく、契約に関する事項などの情報を顧客に提供することを求める(契約締結時等の情報の提供。契約締結前の情報提供は37条の3)。36条1項は、有価証券関連業を行う第一種金融商品取引業者など政令で定める特定金融商品取引業者等に、自ら又は親・子金融機関等が行う取引に伴って、金融商品関連業務に係る顧客の利益が不当に害されることのないよう、情報の適正な管理と業務の監視のための体制の整備その他必要な措置を講じることを求める(利益相反管理体制)。

補足特定金融商品取引業者等の範囲は36条2項で、親金融機関等・子金融機関等の範囲は同条3項・4項で定められている。

問30有価証券取引等に関する不正行為の禁止e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法157条の不正行為の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.有価証券の売買その他の取引について不正の手段、計画又は技巧をすることの禁止は、金融商品取引業者等を対象とするものであり、一般の投資者は対象とならない。
  • イ.有価証券の取引を誘引する目的をもって虚偽の相場を利用することは、相場操縦の規定に当たらない限り、金融商品取引法上禁止されていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
業者に限るとする点が誤り

金融商品取引法第157条第1号「何人も、次に掲げる行為をしてはならない。一有価証券の売買その他の取引又はデリバティブ取引等について、不正の手段、計画又は技巧をすること」一次資料を確認

イ.誤り
禁止されていないとする点が誤り

金融商品取引法第157条第3号「有価証券の売買その他の取引又はデリバティブ取引等を誘引する目的をもつて、虚偽の相場を利用すること」一次資料を確認

ひっかけ157条は市場の不正行為の一般条項で、主語は『何人も』。風説の流布(158条)・相場操縦(159条)と並ぶ規定。

解説金融商品取引法157条は、何人も、①有価証券の売買その他の取引又はデリバティブ取引等について不正の手段・計画・技巧をすること、②重要な事項について虚偽の表示があり、又は誤解を生じさせないために必要な重要な事実の表示が欠けている文書その他の表示を使用して金銭その他の財産を取得すること、③取引を誘引する目的で虚偽の相場を利用すること、を禁止する。個別の類型に当たらない不正行為も捕捉する一般的な規定である。

補足風説の流布・偽計(158条)や相場操縦(159条)は、157条とは別の条文で禁止されている。

問31公開買付者等関係者の取引規制e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法167条の公開買付者等関係者の禁止行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.公開買付者等関係者であって、公開買付け等の実施に関する事実又は中止に関する事実を所定の方法で知った者は、その事実の公表がされた後でなければ、対象となる株券等の買付け等をしてはならない。
  • イ.公開買付けの実施に関する事実は、上場会社の業務等に関する重要事実(166条)にも当たらないため、これを知って取引をしても金融商品取引法上の規制は及ばない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
TOBの情報は株価に大きく影響する → 先回りの売買を禁止

金融商品取引法第167条第1項「当該公開買付け等の実施に関する事実又は公開買付け等の中止に関する事実の公表がされた後でなければ」一次資料を確認

イ.誤り
規制が及ばないとする点が誤り

金融商品取引法第167条第1項「(公開買付者等関係者の禁止行為)」一次資料を確認

ひっかけインサイダー取引規制は二本立て:会社関係者の重要事実(166条)と、公開買付者等関係者の公開買付け等事実(167条)。

解説金融商品取引法167条1項は、上場等株券等の公開買付け等をする者(公開買付者等)の関係者が、公開買付け等の実施に関する事実又は中止に関する事実を所定の方法で知ったとき、その事実の公表がされた後でなければ、対象の株券等の買付け等(中止の事実の場合は売付け等)をしてはならないとする。違反には、166条違反と同じく5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金又は併科が定められている(197条の2第13号)。

補足167条の対象は、公開買付け等の『実施』に関する事実と『中止』に関する事実の両方である。

問32インサイダー取引に対する課徴金の算定e-Gov等の一次資料で確認済み

インサイダー取引に対する課徴金(金融商品取引法175条)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.インサイダー取引規制に違反した者には刑事罰が定められているだけで、課徴金の納付が命じられることはない。
  • イ.重要事実の公表前6月以内に自己の計算で売付け等をした場合の課徴金は、売付け等の価格に数量を乗じた額から、重要事実の公表後2週間における最も低い価格に数量を乗じた額を控除した額とされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
課徴金はないとする点が誤り

金融商品取引法第175条第1項「第百六十六条第一項又は第三項の規定に違反して、同条第一項に規定する売買等をした者があるときは」一次資料を確認

金融商品取引法第175条第1項「課徴金を国庫に納付することを命じなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
公表で下がる前に売って避けた損失分を吐き出させる

金融商品取引法第175条第1項第1号「業務等に関する重要事実の公表がされた後二週間における最も低い価格に当該有価証券の売付け等の数量を乗じて得た額」一次資料を確認

ひっかけインサイダー取引は刑事罰(197条の2)と課徴金(175条)の両方の対象。

解説金融商品取引法175条1項は、166条1項・3項に違反して売買等をした者に、内閣総理大臣が課徴金の納付を命じなければならないとする。自己の計算で売付け等をした場合(重要事実の公表日以前6月以内のもの)は、売付け等の価格に数量を乗じた額から、公表後2週間における最も低い価格に数量を乗じた額を控除した額が課徴金となる(1号)。公表で株価が下がる前に売り抜けて避けた損失に相当する額を、課徴金として納付させる仕組みである。

補足買付け等をした場合については、別の号で、公表後2週間における最も高い価格を基準に算定する。

問33公開買付開始公告と公開買付届出書e-Gov等の一次資料で確認済み

公開買付けの手続(金融商品取引法27条の3)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.公開買付けによって株券等の買付け等を行わなければならない者は、公開買付けの目的、買付け等の価格、買付予定の株券等の数、買付け等の期間などを公告しなければならない。
  • イ.公開買付開始公告を行った者は、公開買付開始公告を行った日に、公開買付届出書を内閣総理大臣に提出しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
株主が応じるかどうかを判断できる情報を示す

金融商品取引法第27条の3第1項「その目的、買付け等の価格、買付予定の株券等の数」一次資料を確認

金融商品取引法第27条の3第1項「買付け等の期間その他の内閣府令で定める事項を公告しなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
公告と同時に詳細を届け出させる

金融商品取引法第27条の3第2項「当該公開買付開始公告を行つた日に、次に掲げる事項を記載した書類」一次資料を確認

ひっかけ公開買付けは『開始公告』と『公開買付届出書(公告の日に提出)』がセット。

解説金融商品取引法27条の2第1項により公開買付けによらなければならない買付け等をする者は、27条の3第1項により、公開買付けの目的、買付け等の価格、買付予定の株券等の数、買付け等の期間などを公告し(公開買付開始公告)、2項により、公告を行った日に、所定の事項を記載した公開買付届出書を内閣総理大臣に提出しなければならない。

補足提出日が日曜日など内閣府令で定める日に当たるときの扱いは、27条の3第2項ただし書に定められている。

問34金融サービス仲介業の範囲と登録e-Gov等の一次資料で確認済み

金融サービス提供法上の金融サービス仲介業に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融サービス仲介業は、有価証券等仲介業務と貸金業貸付媒介業務に限られ、保険媒介業務や預金等媒介業務は含まれない。
  • イ.金融サービス仲介業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
保険・預金を含まないとする点が誤り

金融サービス提供法第11条第1項「預金等媒介業務、保険媒介業務、有価証券等仲介業務又は貸金業貸付媒介業務のいずれかを業として行うことをいう」一次資料を確認

イ.正しい
登録を受けた者だけが行える

金融サービス提供法第12条「金融サービス仲介業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない」一次資料を確認

ひっかけ金融サービス仲介業は『預金・保険・有価証券・貸金』の4分野の仲介を、一つの登録で行える業種。

解説金融サービス提供法11条1項は、金融サービス仲介業を、預金等媒介業務、保険媒介業務、有価証券等仲介業務又は貸金業貸付媒介業務のいずれかを業として行うことと定義する。12条は、金融サービス仲介業は内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行えないとする。

補足預金等媒介業務は、銀行代理業者その他政令で定める者以外の者が預金等の受入れを内容とする契約の締結の媒介などを行う業務と定義される(11条2項)。

問35元会社関係者と情報受領者のインサイダー規制e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法166条のインサイダー取引規制の対象者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.業務等に関する重要事実を所定の方法で知った会社関係者は、会社関係者でなくなった後1年以内であれば、なおその重要事実の公表前に特定有価証券等の売買等をしてはならない。
  • イ.会社関係者から重要事実の伝達を受けた者は、重要事実の公表がされた後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等の売買等をしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
辞めた直後に知った情報で売買させない

金融商品取引法第166条第1項後段「当該各号に掲げる会社関係者でなくなつた後一年以内のものについても、同様とする」一次資料を確認

イ.正しい
会社関係者から聞いて売買すれば同じく不公正

金融商品取引法第166条第3項「当該業務等に関する重要事実の公表がされた後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等をしてはならない」一次資料を確認

ひっかけインサイダー規制の対象は、会社関係者・元会社関係者(1年以内)・情報受領者(伝達を受けた者)。

解説金融商品取引法166条1項は、上場会社等の役員・従業員や契約締結者などの会社関係者が、職務等に関して業務等に関する重要事実を知ったとき、その公表前に特定有価証券等の売買等をすることを禁止し、後段で、会社関係者でなくなった後1年以内の者にも同様の規制を及ぼす。3項は、会社関係者から重要事実の伝達を受けた者(いわゆる第一次情報受領者)と、職務上伝達を受けた者が所属する法人の他の役員等で職務に関しその事実を知った者にも、公表前の売買等を禁止する。

補足会社関係者が重要事実を他人に伝達したり取引を勧めたりする行為も、一定の目的があれば別の規定(167条の2)で禁止されている。

問36取引態様の事前明示義務e-Gov等の一次資料で確認済み

取引態様の事前明示義務に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等は、顧客から有価証券の売買に関する注文を受けたときは、取引が成立した後に、自己が相手方となるか媒介等をするかの別を明らかにすれば足りる。
  • イ.金融商品取引業者等は、顧客から店頭デリバティブ取引に関する注文を受けたときも、あらかじめ、取引態様の別を明らかにしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
37条の2

金融商品取引法第37条の2「あらかじめ、その者に対し自己がその相手方となつて当該売買若しくは取引を成立させるか」一次資料を確認

イ.正しい
37条の2

金融商品取引法第37条の2「顧客から有価証券の売買又は店頭デリバティブ取引に関する注文を受けたとき」一次資料を確認

ひっかけ取引態様(自己が相手方か、媒介・取次ぎ・代理か)は、注文を受けたときにあらかじめ顧客へ明らかにする。

解説金融商品取引業者等は、顧客から有価証券の売買または店頭デリバティブ取引に関する注文を受けたときは、あらかじめ、その者に対し、自己がその相手方となって売買もしくは取引を成立させるか、または媒介、取次ぎもしくは代理して成立させるかの別を明らかにしなければならない(金融商品取引法37条の2)。成立後でよいとするアは誤り。店頭デリバティブ取引の注文も対象となるため、イは正しい。

補足37条の2が定める明示の内容は、自己が相手方となるか、媒介・取次ぎ・代理のいずれで成立させるかの別である。

問37金融商品取引業者等の禁止行為e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引業者等の禁止行為に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.金融商品取引業者等又はその役員若しくは使用人は、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為をしてはならない。
  • イ.38条の禁止行為のうち、内閣府令で定めるものが除外される例外は、第一号から第三号までに掲げる行為に適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
38条1号

金融商品取引法第38条第1号「金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為」一次資料を確認

イ.誤り
38条ただし書

金融商品取引法第38条ただし書「ただし、第四号から第六号までに掲げる行為にあつては、投資者の保護に欠け、取引の公正を害し、又は金融商品取引業の信用を失墜させるおそれのないものとして内閣府令で定めるものを除く」一次資料を確認

ひっかけ禁止行為の一部には、内閣府令で定めるものを除くという例外があるが、虚偽告知や断定的判断の提供には例外がない。

解説金融商品取引業者等またはその役員もしくは使用人は、金融商品取引契約の締結またはその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為をしてはならない(金融商品取引法38条1号)。アは正しい。ただし、投資者の保護に欠けるおそれ等のないものとして内閣府令で定めるものが除かれるのは、第四号から第六号までに掲げる行為である(同条ただし書)。第一号から第三号とするイは誤り。

補足第四号から第六号は、勧誘の要請をしていない顧客への訪問・電話による勧誘、勧誘の受諾意思の確認をしない勧誘、契約を締結しない旨を示した顧客への勧誘の継続である。

問38上場会社等の役員及び主要株主の売買報告書e-Gov等の一次資料で確認済み

上場会社等の役員及び主要株主の売買報告書に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.上場会社等の役員及び主要株主は、自己の計算において当該上場会社等の特定有価証券等の買付け等又は売付け等をした場合には、原則として、その売買等に関する報告書を売買等があった日の属する月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない。
  • イ.主要株主とは、自己又は他人の名義をもって総株主等の議決権の百分の十以上の議決権を保有している株主をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
163条1項

金融商品取引法第163条第1項「売買等があつた日の属する月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない」一次資料を確認

イ.正しい
163条1項

金融商品取引法第163条第1項「総株主等の議決権の百分の十以上の議決権」一次資料を確認

ひっかけ売買報告書の提出義務は、役員と、議決権の10%以上を持つ主要株主に課される。短期売買利益の返還(164条)と区別して整理する。

解説上場会社等の役員及び主要株主は、自己の計算において当該上場会社等の特定有価証券等の買付け等または売付け等をした場合には、売買等に関する報告書を売買等があった日の属する月の翌月十五日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない(金融商品取引法163条1項本文)。アは正しい。主要株主とは、自己または他人の名義をもって総株主等の議決権の百分の十以上を保有している株主をいう(同項)。イも正しい。

補足163条1項ただし書は、買付け等または売付け等の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合を、報告書の提出義務から除いている。

問39違反行為者の賠償責任と虚偽記載のある目論見書を使用した者の免責e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法における有価証券の募集又は売出しに関する賠償責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.届出の効力発生前の取引禁止及び目論見書の交付に関する規定に違反して有価証券を取得させた者は、これを取得した者に対し、その違反行為によって生じた損害を賠償する責任を負う。
  • イ.虚偽の記載がある目論見書を使用して有価証券を取得させた者は、その虚偽の記載を知らず、かつ、相当な注意を用いても知ることができなかったことを証明しても、賠償の責任を免れない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

ア.正しい
届出の効力発生前の取引禁止や目論見書の交付に関する15条に違反して有価証券を取得させた者は、これを取得した者に対し、その違反行為によって生じた損害を賠償する責任を負う(金融商品取引法16条)。

金融商品取引法第16条「前条の規定に違反して有価証券を取得させた者は、これを取得した者に対し当該違反行為に因り生じた損害を賠償する責に任ずる」一次資料を確認

イ.誤り
虚偽の記載がある目論見書等を使用して有価証券を取得させた者は、取得者の損害を賠償する責任を負う。ただし、虚偽であることを知らず、かつ、相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかったことを証明したときは、この限りでない(金融商品取引法17条)。

金融商品取引法第17条ただし書「相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかつたことを証明したときは、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ虚偽記載のある目論見書を使った者は、事情にかかわらず賠償責任を負う、と考えるとイを正しいとしやすい。17条には、知らず、かつ相当な注意を用いても知ることができなかったことを証明したときは責任を負わない、というただし書がある。

解説15条に違反して有価証券を取得させた者は、取得者に対し、損害を賠償する責任を負う(金融商品取引法16条)。重要な事項について虚偽の記載がある目論見書等を使用して有価証券を取得させた者は、取得者の損害を賠償する責任を負うが、虚偽であることを知らず、かつ相当な注意を用いても知ることができなかったことを証明したときは、この限りでない(17条)。アは正しく、イは誤り。

補足有価証券の募集又は売出しをする発行者は、その際に目論見書を作成しなければならない(13条1項)。

問40届出書・有価証券報告書等の公衆縦覧の期間e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法における有価証券届出書等の公衆縦覧に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.有価証券報告書及びその添付書類は、受理した日から3年を経過する日までの間、公衆の縦覧に供される。
  • イ.自己株券買付状況報告書及びその訂正報告書は、受理した日から1年を経過する日までの間、公衆の縦覧に供される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

ア.誤り
有価証券報告書及びその添付書類並びにこれらの訂正報告書は、受理した日から5年を経過する日までの間、公衆の縦覧に供される(金融商品取引法25条1項3号)。期間は3年ではなく5年である。

金融商品取引法第25条第1項第3号「有価証券報告書及びその添付書類並びにこれらの訂正報告書五年」一次資料を確認

イ.正しい
自己株券買付状況報告書及びその訂正報告書は、受理した日から1年を経過する日までの間、公衆の縦覧に供される(金融商品取引法25条1項9号)。有価証券報告書などの5年より短い。

金融商品取引法第25条第1項第9号「自己株券買付状況報告書及びその訂正報告書一年」一次資料を確認

ひっかけ開示書類の縦覧期間は、すべて同じ期間と考えるとア・イの片方を誤りやすい。有価証券届出書、有価証券報告書、半期報告書、臨時報告書などは5年で、自己株券買付状況報告書だけが1年である。

解説内閣総理大臣は、有価証券届出書、発行登録書、有価証券報告書、確認書、内部統制報告書、半期報告書、臨時報告書、親会社等状況報告書などを、受理した日から5年を経過する日までの間、公衆の縦覧に供する。自己株券買付状況報告書は、受理した日から1年である(金融商品取引法25条1項)。アは誤り、イは正しい。

補足有価証券の発行者は、縦覧書類の写しを本店及び主要な支店に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない(25条2項)。

問41虚偽記載のある届出書の賠償責任額と値下り以外の事情の証明e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法における虚偽記載のある有価証券届出書等に係る賠償責任額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.賠償の責めに任ずべき額は、請求権者が有価証券の取得について支払った額から、損害賠償を請求する時における市場価額(市場価額がないときは、その時における処分推定価額)を控除した額とされる。
  • イ.賠償の責めに任ずべき者は、請求権者が受けた損害の額の全部又は一部が、虚偽記載による値下り以外の事情により生じたことを証明した場合には、その全部又は一部について賠償の責めに任じない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

ア.正しい
賠償の責めに任ずべき額は、請求権者が有価証券の取得について支払った額から、損害賠償を請求する時における市場価額(市場価額がないときは処分推定価額)を控除した額である(金融商品取引法19条1項1号)。請求時より前に処分した場合は、その処分価額を控除する(同項2号)。

金融商品取引法第19条第1項「請求権者が当該有価証券の取得について支払つた額から次の各号の一に掲げる額を控除した額とする」一次資料を確認

イ.正しい
損害の全部又は一部が、虚偽記載等による値下り以外の事情により生じたことを賠償責任者が証明したときは、その全部又は一部について賠償の責任を負わない(金融商品取引法19条2項)。

金融商品取引法第19条第2項「値下り以外の事情により生じたことを証明した場合においては、その全部又は一部については、賠償の責めに任じない」一次資料を確認

ひっかけ虚偽記載があれば、取得に支払った額の全額を賠償しなければならない、と考えるとアを誤りとしやすい。賠償額は、取得のために支払った額から請求時の市場価額等を控除した額である。イは、値下りが虚偽記載以外の事情による分は、賠償責任者が証明すれば免れる点を押さえる。

解説虚偽記載のある届出書等に係る賠償の責めに任ずべき額は、請求権者が有価証券の取得について支払った額から、請求時の市場価額(なければ処分推定価額)、又は請求時前に処分した場合はその処分価額を控除した額である(金融商品取引法19条1項)。賠償責任者は、損害の全部又は一部が値下り以外の事情により生じたことを証明したときは、その全部又は一部について責任を負わない(同条2項)。ア・イとも正しい。

補足届出者が賠償責任を負う場合の規定は、18条に置かれている。

問42届出の効力発生前の取引禁止と目論見書の交付時期e-Gov等の一次資料で確認済み

金融商品取引法における有価証券の募集又は売出しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ア.届出の対象となる有価証券の募集については、届出の効力が生ずる前であっても、売出しにより売り付けることは禁止されない。
  • イ.有価証券を募集又は売出しにより取得させ、又は売り付ける場合には、原則として、目論見書を取得させた後に遅滞なく交付すればよい。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

ア.誤り
募集又は売出しにつき届出の規定の適用を受ける有価証券は、届出がその効力を生じているのでなければ、募集又は売出しにより取得させ、又は売り付けてはならない(金融商品取引法15条1項)。募集だけでなく売出しも対象である。

金融商品取引法第15条第1項「これらの規定による届出がその効力を生じているのでなければ、これを募集又は売出しにより取得させ、又は売り付けてはならない」一次資料を確認

イ.誤り
有価証券を募集又は売出しにより取得させ、又は売り付ける場合には、目論見書をあらかじめ又は同時に交付しなければならない(金融商品取引法15条2項)。取得させた後ではない。

金融商品取引法第15条第2項「目論見書をあらかじめ又は同時に交付しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ届出の効力発生前の取引禁止は募集だけが対象と考えるとアを正しいとしやすい。条文は「募集又は売出し」としており、売出しも禁止される。イは、目論見書の交付が、取得させる前(あらかじめ)又は同時であることを押さえる。

解説発行者、売出しをする者、引受人、金融商品取引業者などは、募集又は売出しにつき届出の規定の適用を受ける有価証券については、届出がその効力を生じているのでなければ、募集又は売出しにより取得させ、又は売り付けてはならない(金融商品取引法15条1項)。また、有価証券を募集又は売出しにより取得させ、又は売り付ける場合には、目論見書をあらかじめ又は同時に交付しなければならない(同条2項)。ア・イとも誤り。

補足15条に違反して有価証券を取得させた者は、取得者の損害を賠償する責任を負う(16条)。

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