本文へ移動
金融商品取引法・第8

金融・証券業等に関する法規制の問題(20問)

この章を解く(20問)→

金融規制は、投資家保護の禁止行為として読む

金融・証券業の行為規制をあつかう章です。金融商品取引法の損失補塡の禁止、適合性の原則、断定的判断の提供の禁止、誇大広告・再勧誘の禁止、インサイダー取引規制を収録しています。投資家保護の趣旨から各規制がどう導かれるかを押さえると、似た禁止行為を区別できます。

第8章は金融商品取引法の行為規制です。損失補塡、断定的判断、適合性の原則、インサイダー取引は、どの情報格差や判断ミスを防ぐ規制かで見ると整理できます。

  • 損失補塡や特別利益の提供を禁止行為として確認する。
  • 適合性の原則は顧客の知識・経験・財産状況を見る。
  • インサイダー取引は重要事実と公表前を確認する。

この章で確認する論点

8章では、金融商品取引業者等の損失補塡の禁止と断定的判断の提供の禁止・適合性の原則と広告等の規制・インサイダー取引規制と断定的判断の提供・損失補塡の禁止と適合性の原則の趣旨・誇大広告の禁止と再勧誘の禁止を中心に20問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

金融商品取引法を他資格と横断して確認する場合は、金融商品取引法を学べる資格と無料問題も使えます。

  • 断定的な言い切りでの勧誘は努力義務やマナーの問題どまり、と思わせる。38条2号は禁止行為として正面から定める。
  • 二つの記述のどちらかに緩い例外を紛れ込ませたように見えるが、適合性原則も誇大広告禁止もそのまま条文の言い回しに乗っている。
  • 結果オーライなら勧誘も許される、という的中=適法の理屈に乗せられる。禁止は勧誘行為そのものに向く。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

金融商品取引法4条15条18条21条24条27条の227条の2329条37条37条の338条39条40条158条159条166条

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律4条5条6条

金融サービス提供法4条7条

問題と解説を読む20問・答え付き

答え・解説つきで20問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月〜2026年6月時点の法令に準拠
1金融商品取引業者等の損失補塡の禁止と断定的判断の提供の禁止

金融商品取引法上の金融商品取引業者等の行為規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業者等は、有価証券の売買等につき顧客にあらかじめ定めた額の利益が生じないこととなった場合に、自己又は第三者がその損失を補塡するため財産上の利益を提供する旨を約束する行為をしてはならない。
  • 金融商品取引業者等が、顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供して契約の締結を勧誘する行為は、特に制限されていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
損失補塡のための財産上の利益提供の約束は禁止

金融商品取引法第39条第1項あらかじめ定めた額の利益が生じないこととなつた場合には自己又は第三者がその全部又は一部を補塡しe-Gov原文

誤り
不確実な事項の断定的判断の提供は禁止行為 → 『制限なし』は誤り

金融商品取引法第38条第2号不確実な事項について断定的判断を提供しe-Gov原文

ひっかけ断定的な言い切りでの勧誘は努力義務やマナーの問題どまり、と思わせる。38条2号は禁止行為として正面から定める。

解説アは、あらかじめ定めた額の利益が生じなかった場合に自己または第三者がその損失を補塡する財産上の利益を提供すると約束する行為を禁じるもので、金融商品取引法39条1項の損失補塡等の禁止に合致し正しい。イは、不確実な事項について断定的判断を提供して契約締結を勧誘する行為が特に制限されていないとするが、これは38条2号で明確に禁止される行為なので誤り。利益保証型の補塡と『必ず上がる』式の断定的勧誘が、それぞれ別の条文でふさがれている。

補足断定的判断の提供は、消費者契約法では契約取消しの原因になるが、金商法では業者側の禁止行為として規制される点が違う。

2適合性の原則と広告等の規制

金融商品取引法上の金融商品取引業者等の業務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業者等は、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることのないように、その業務を行わなければならない。
  • 金融商品取引業者等は、その業務に関する広告等をするときは、利益の見込み等について著しく事実に相違する表示や著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
顧客の知識・経験・財産・目的に不適当な勧誘で投資者保護に欠けないように業務を行う

金融商品取引法第40条第1号顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行つて投資者の保護に欠けることとなつておりe-Gov原文

正しい
利益の見込み等について著しく事実に相違・誤認させる広告は禁止

金融商品取引法第37条第2項著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならないe-Gov原文

ひっかけ二つの記述のどちらかに緩い例外を紛れ込ませたように見えるが、適合性原則も誇大広告禁止もそのまま条文の言い回しに乗っている。

解説アは、顧客の知識・経験・財産の状況・契約締結の目的に照らして不適当な勧誘で投資者保護に欠けることのないよう業務を行うべきとするもので、40条1号の適合性の原則に合致し正しい。イは、業務に関する広告等で利益の見込み等について著しく事実に相違する表示や著しく人を誤認させる表示をしてはならないとするもので、37条2項の広告規制どおりで正しい。入口の勧誘相手を選ぶ適合性原則と、広く撒く広告の中身を縛る誇大広告規制が、どちらも業者の側にかかる。

補足適合性原則を著しく逸脱した勧誘は、行政規制にとどまらず不法行為としても違法になりうる(最判平成17年7月14日)。

3インサイダー取引規制と断定的判断の提供

金融商品取引法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業者等が、顧客に対し不確実な事項について断定的判断を提供して契約の締結を勧誘する行為は、その判断が結果的に的中した場合には適法となる。
  • 上場会社等の会社関係者であって、その業務等に関する重要事実をその職務に関し知った者は、当該重要事実の公表がされた後でなければ、当該上場会社等の特定有価証券等に係る売買等をしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
断定的判断の提供は結果を問わず禁止 → 『的中すれば適法』は誤り

金融商品取引法第38条第2号不確実な事項について断定的判断を提供しe-Gov原文

正しい
会社関係者は重要事実の公表後でなければ売買等をしてはならない

金融商品取引法第166条第1項重要事実の公表がされた後でなければe-Gov原文

ひっかけ結果オーライなら勧誘も許される、という的中=適法の理屈に乗せられる。禁止は勧誘行為そのものに向く。

解説アは、不確実な事項について断定的判断を提供して締結を勧誘する行為が、その判断が結果的に的中すれば適法になるとするが誤り。38条2号の禁止は勧誘の時点でとらえる規律で、後から相場が当たったかどうかは違法性に影響しない。イは、上場会社等の会社関係者が職務に関し知った重要事実について、その公表後でなければ特定有価証券等の売買等をしてはならないとするもので、166条1項のインサイダー取引規制に合致し正しい。読みが当たれば免責される、という発想がアの誤りどころ。

補足規制が及ぶのは会社関係者本人だけでなく、そこから重要事実の伝達を受けた情報受領者にも及ぶ(166条3項)。

4損失補塡の禁止と適合性の原則の趣旨

金融商品取引法上の金融商品取引業者等の行為規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業者等は、顧客に生じた損失を補塡する旨を約束する行為であっても、顧客保護のために行うものであれば許される。
  • 金融商品取引業者等は、顧客の知識や経験等に照らして不適当と認められる勧誘を行っても、契約内容を書面で交付していれば投資者の保護に欠けることにはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
損失補塡は禁止行為 → 『顧客保護のためなら許される』は誤り

金融商品取引法第39条第1項あらかじめ定めた額の利益が生じないこととなつた場合には自己又は第三者がその全部又は一部を補塡しe-Gov原文

誤り
顧客属性に不適当な勧誘は投資者保護に欠ける → 書面交付で適法化されない

金融商品取引法第40条第1号顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行つて投資者の保護に欠けることとなつておりe-Gov原文

ひっかけ『顧客のため』『書面さえ渡せば』という、もっともらしい免罪符を二つ差し出してくる。どちらも効かない。

解説アは、顧客に生じた損失を補塡すると約束する行為でも顧客保護のためなら許されるとするが、39条1項は損失補塡等を禁じており、顧客保護という名目で正当化される余地はないので誤り。イは、顧客の知識・経験等に照らして不適当な勧誘でも契約内容を書面で交付すれば投資者保護に欠けないとするが、これも誤り。40条1号の適合性の原則は勧誘の中身と相手の適合性を問う規律で、書面を渡したからといって不適当な勧誘が適法化されるわけではない。名目や手続では消せない禁止・規律が二つ並ぶ。

補足損失補塡の禁止にも例外はあり、事故(業者側のミス等)に起因する損失は、あらかじめ内閣総理大臣の確認を受ければ補塡できる(事故確認制度)。

5誇大広告の禁止と再勧誘の禁止

金融商品取引法上の勧誘・広告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業者等は、その業務に関する広告等において、金融商品取引行為による利益の見込みについて著しく事実に相違する表示をしてはならない。
  • 金融商品取引契約の締結の勧誘を受けた顧客が当該契約を締結しない旨の意思を表示した場合であっても、金融商品取引業者等はその後さらに勧誘を継続することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
利益の見込みについて著しく事実に相違する表示は禁止

金融商品取引法第37条第2項著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならないe-Gov原文

誤り
契約しない旨の意思表示後の勧誘継続は禁止 → 『継続できる』は誤り

金融商品取引法第38条第6号を表示したにもかかわらず、当該勧誘を継続する行為e-Gov原文

ひっかけ断られても改めて勧誘し直すのは自由、と読ませる。38条6号は拒否後の勧誘継続を禁止行為に含める。

解説アは、業務に関する広告等で金融商品取引行為による利益の見込みについて著しく事実に相違する表示をしてはならないとするもので、37条2項の広告規制に合致し正しい。イは、締結しない旨の意思を表示した顧客に対してさらに勧誘を継続できるとするが、38条6号の再勧誘の禁止に反するので誤り。いったん『契約しない』と告げた相手への勧誘継続は、それ自体が禁止行為にあたる。広告の中身規制と、断った相手への押し売り規制が別々にかかっている。

補足38条はこのほか、顧客の求めなしに訪問・電話で勧誘する不招請勧誘も一定の取引で禁じており、勧誘の入口から事後まで複数段で縛っている。

6有価証券の募集・売出しの届出義務と目論見書の交付

金融商品取引法上の発行開示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 有価証券の募集又は売出しは、原則として、発行者が当該有価証券の募集又は売出しに関し内閣総理大臣に届出をしているものでなければ、することができない。
  • 発行者等は、届出の対象となる有価証券を募集又は売出しにより取得させ、又は売り付ける場合には、目論見書をあらかじめ又は同時に交付しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
発行者が届出をしていなければ募集・売出しはできない(発行開示)

金融商品取引法第4条第1項内閣総理大臣に届出をしているものでなければ、することができないe-Gov原文

正しい
取得させ・売り付ける際は目論見書を交付しなければならない

金融商品取引法第15条第2項目論見書をあらかじめ又は同時に交付しなければならないe-Gov原文

ひっかけ届出と目論見書はどちらか一方で足りる、あるいは目論見書は事後で構わない、と読ませたくなるが、発行開示は両輪でかかる。

解説アは、有価証券の募集又は売出しが原則として発行者の内閣総理大臣への届出を前提とするとするもので、4条1項の届出義務に合致し正しい。イは、その有価証券を取得させ又は売り付ける場合に目論見書をあらかじめ又は同時に交付しなければならないとするもので、15条2項に合致し正しい。投資判断の材料を行政に開示させる届出と、投資家本人の手元に届ける目論見書の交付が、入口と現場の二段で組み合わさって発行開示を支える。

補足目論見書は届出書とは別物で、届出書は公衆縦覧(EDINETでの公開)により広く開示され、目論見書は個々の取得者・買主に直接交付される点で役割が分かれる。

7契約締結前の情報の提供義務

金融商品取引法上の契約締結前の情報の提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業者等は、金融商品取引契約を締結しようとするときは、原則として、あらかじめ、顧客に対し、契約の概要等の一定の事項に係る情報を提供しなければならない。
  • 顧客が行う金融商品取引行為について相場その他の指標に係る変動により損失が生ずるおそれがあるときであっても、その旨は情報として提供する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
契約を締結しようとするときは、あらかじめ顧客へ一定事項の情報を提供する義務がある

金融商品取引法第37条の3第1項あらかじめ、顧客に対し、次に掲げる事項に係る情報を提供しなければならないe-Gov原文

誤り
相場等の変動による損失リスクは提供すべき事項 → 『提供不要』は誤り

金融商品取引法第37条の3第1項第5号相場その他の指標に係る変動により損失が生ずることとなるおそれがあるときはe-Gov原文

ひっかけ情報提供は形式的な手続で、損失リスクのような核心はかえって除いてよい、と読ませてくる。リスクこそ提供事項の中心に置かれている。

解説アは、金融商品取引契約を締結しようとするときに、あらかじめ顧客へ契約の概要等の一定事項に係る情報を提供しなければならないとするもので、37条の3第1項に合致し正しい。イは、相場等の変動により損失が生ずるおそれがある旨は提供不要とするが、同項第5号がまさにこの損失リスクを提供事項として明示しているので誤り。なお同条はかつて『契約締結前交付書面』の交付義務として置かれていたが、現行法は書面に限らず情報を提供する義務として整理されている。

補足37条の3第2項は、提供した情報について顧客の知識・経験・財産の状況や契約目的(顧客属性)に照らして理解されるために必要な方法・程度で説明することも求めており、提供と説明が重ねてかかる。

8風説の流布の禁止と相場操縦行為(仮装売買)の禁止

金融商品取引法上の不公正取引の規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 有価証券の相場の変動を図る目的をもって風説を流布する行為が禁止されるのは、金融商品取引業者等に限られ、一般の投資家には適用されない。
  • 何人も、取引が繁盛に行われていると他人に誤解させる目的等をもって、権利の移転を目的としない仮装の有価証券の売買をしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
名宛人は『何人も』 → 『業者に限られる』は誤り

金融商品取引法第158条風説を流布し、偽計を用いe-Gov原文

正しい
他人に誤解させる目的の仮装売買は禁止行為

金融商品取引法第159条第1項権利の移転を目的としない仮装の有価証券の売買e-Gov原文

ひっかけ規制対象を業者だけに絞り込ませる一方、仮装売買のほうは適法に見せかけてくる。名宛人と禁止行為の両方を取り違えさせる作り。

解説アは、相場変動を図る目的の風説の流布の禁止が業者に限られるとするが、158条は『何人も』を名宛人としており一般の投資家にも及ぶので誤り。イは、取引が繁盛に行われていると他人に誤解させる目的等での仮装の有価証券の売買を禁じるもので、159条1項の相場操縦規制(仮装売買)に合致し正しい。市場の公正は、誰が行うかを問わない広い名宛人と、見せかけの取引を封じる具体的禁止の両面で守られている。

補足158条はこのほか偽計・暴行・脅迫も禁じ、159条は仮装売買だけでなく馴れ合い売買や現実の取引による相場の変動操作(現実取引による相場操縦)も対象に含む。

9大量保有報告書(5%ルール)

金融商品取引法上の大量保有報告書(いわゆる5%ルール)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引所に上場されている株券等の保有者は、その株券等保有割合が100分の3を超えることとなった場合に、大量保有報告書を提出しなければならない。
  • 大量保有者となった場合でも、大量保有報告書をいつまでに提出すべきかについては、法令上特段の期限の定めはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
基準は『百分の五を超える』 → 『100分の3』は誤り

金融商品取引法第27条の23第1項百分の五を超えるものe-Gov原文

誤り
提出期限は『なった日から5日以内』 → 『期限の定めはない』は誤り

金融商品取引法第27条の23第1項大量保有者となつた日から五日e-Gov原文

ひっかけ基準の割合と提出期限という、5%ルールの二つの数字を同時に揺さぶってくる。どちらも条文がはっきり定めている。

解説アは、提出義務の基準を株券等保有割合100分の3超とするが、27条の23第1項は『百分の五を超える』場合に提出義務を課すので誤り。イは、提出期限について法令上特段の定めがないとするが、同項は大量保有者となった日から原則5日以内の提出を求めており期限が定められているので誤り。発行体の支配権に影響しうる大口保有を、しきい値(5%超)と提出のスピード(5日以内)の両方で速やかに開示させる仕組みである。

補足5%ルールはその後保有割合が1%以上増減した場合などに変更報告書の提出も求めており、最初の報告だけで終わらず継続的な開示が続く。

10金融サービス提供法の説明義務と損害賠償責任

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)上の金融商品の販売に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品販売業者等は、金融商品の販売等を業として行うときは、金融商品の販売が行われるまでの間に、顧客に対し、重要事項について説明をしなければならない。
  • 金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったことにより顧客に損害が生じても、当該業者は当該損害を賠償する責任を負わない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
販売が行われるまでの間に顧客へ重要事項を説明しなければならない

金融サービス提供法第4条第1項金融商品の販売が行われるまでの間に、顧客に対しe-Gov原文

誤り
説明をしなかったことで生じた損害は賠償責任 → 『責任を負わない』は誤り

金融サービス提供法第6条当該顧客の損害を賠償する責めに任ずるe-Gov原文

ひっかけ説明はあくまで努力義務で、怠っても民事の責任までは負わない、と思わせる。金融サービス提供法は説明義務違反を損害賠償に直結させている。

解説アは、金融商品販売業者等が販売を業として行うとき、販売が行われるまでの間に顧客へ重要事項を説明しなければならないとするもので、4条1項の説明義務に合致し正しい。イは、説明をしなかったことで顧客に損害が生じても賠償責任を負わないとするが、6条は説明義務違反によって生じた損害を賠償する責めに任ずると定めるので誤り。重要事項の説明という入口の義務と、それを怠ったときの損害賠償という出口の責任が、同じ法律の中で結び付けられている。

補足金融サービス提供法6条の損害賠償責任については、元本欠損額が顧客に生じた損害の額と推定される(7条の損害額の推定)ため、顧客は損害額の立証負担が軽くなる点に特徴がある。

11公開買付け(TOB)の規制

金融商品取引法上の公開買付け(TOB)の規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 有価証券報告書を提出しなければならない発行者等の株券等について、その買付け等の後における株券等所有割合が一定の割合を超えることとなる場合の買付け等は、原則として公開買付けによらなければならない。
  • 公開買付けとは、不特定かつ多数の者に対する勧誘によることなく、特定の少数の者との相対の交渉のみによって株券等を買い付けることをいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
買付け後の所有割合が一定割合を超える買付け等は公開買付けによらなければならない

金融商品取引法第27条の2第1項公開買付けによらなければならないe-Gov原文

誤り
定義は『不特定かつ多数の者に対し公告により』 → 『相対の交渉のみ』は誤り

金融商品取引法第27条の2第6項不特定かつ多数の者に対し、公告により株券等の買付け等の申込みe-Gov原文

ひっかけ公開買付けを、水面下で少数の相手と進める相対取引のように描いて誤らせる。条文の定義は逆に『不特定かつ多数』へ広く呼びかける手続を指す。

解説アは、有価証券報告書提出会社等の株券等について、買付け後の株券等所有割合が一定割合を超える買付け等は原則として公開買付けによらなければならないとするもので、27条の2第1項に合致し正しい。イは、公開買付けを特定少数との相対交渉に限るとするが、同条6項は『不特定かつ多数の者に対し、公告により』買付け等の申込み等の勧誘を行い市場外で買い付けるものと定義しており誤り。市場を通さない大口の買い集めを、広く公告して株主に等しく機会を与える手続に乗せる点に制度の狙いがある。

補足公開買付けでは買付期間や買付価格の均一性など手続のルールも定められており、特定の株主だけを有利に扱うことは認められない。

12有価証券報告書による継続開示

金融商品取引法上の有価証券報告書(継続開示)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引所に上場されている有価証券の発行者である会社は、内閣府令で定めるところにより、事業年度ごとに有価証券報告書を作成し、内閣総理大臣に提出しなければならない。
  • 内国会社が有価証券報告書を提出すべき期限は、原則として当該事業年度経過後3か月以内とされている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
上場有価証券の発行会社は事業年度ごとに有価証券報告書を内閣総理大臣に提出

金融商品取引法第24条第1項内閣総理大臣に提出しなければならないe-Gov原文

正しい
内国会社は当該事業年度経過後3月以内に提出するのが原則

金融商品取引法第24条第1項内国会社にあつては当該事業年度経過後三月以内e-Gov原文

ひっかけ提出義務の有無と提出期限のどちらかに誤りを潜ませたように見えるが、どちらも条文どおりで、継続開示の基本がそのまま問われている。

解説アは、上場有価証券の発行会社等が事業年度ごとに有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないとするもので、24条1項に合致し正しい。イは、内国会社の提出期限を原則として事業年度経過後3か月以内とするもので、同項の『当該事業年度経過後三月以内』という定めに合致し正しい。発行時の届出(発行開示)に対し、上場後も毎期決まった期限で会社情報を開示し続けさせるのが有価証券報告書による継続開示である。

補足有価証券報告書は発行時の届出書とは別物で、上場している限り毎事業年度提出が続く点が継続開示の特徴である。

13金融商品取引業の登録

金融商品取引法上の金融商品取引業の登録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業は、内閣総理大臣に対する届出を行えば足り、登録を受けていなくても行うことができる。
  • 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
登録を受けた者でなければ行えない → 『届出で足りる』は誤り

金融商品取引法第29条内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができないe-Gov原文

正しい
金融商品取引業は内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行えない

金融商品取引法第29条内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができないe-Gov原文

ひっかけ届出さえ出せば営業できるかのように緩めて誤らせる。金融商品取引業は事前の登録を受けて初めて行える業務である。

解説アは、金融商品取引業は届出で足り登録は不要とするが、29条は『内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない』と定めており、登録を要するので誤り。イは、その登録がなければ金融商品取引業を行えないとするもので、同条に合致し正しい。誰でも自由に始められる業務ではなく、参入時に登録という関門を置いて投資者を保護する仕組みである。

補足金融商品取引業は業の種別(第一種・第二種金融商品取引業など)ごとに登録が求められ、登録を受けずに営業することは認められない。

14虚偽記載のある有価証券届出書等による損害賠償責任

金融商品取引法上の有価証券届出書の虚偽記載に基づく損害賠償責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 有価証券届出書のうちに重要な事項について虚偽の記載があるときは、当該有価証券届出書の届出者は、その募集又は売出しに応じて当該有価証券を取得した者に対し、損害賠償の責めに任ずる。
  • 有価証券届出書を提出した会社の役員は、虚偽記載があった場合、相当な注意を用いても虚偽であることを知ることができなかったことを証明したときであっても、損害賠償責任を免れることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
届出者は募集・売出しに応じた取得者に対し損害賠償の責めに任ずる

金融商品取引法第18条第1項当該募集又は売出しに応じて取得した者に対し、損害賠償の責めに任ずるe-Gov原文

誤り
相当な注意を尽くしたこと等を証明すれば免責 → 『免れられない』は誤り

金融商品取引法第21条第2項相当な注意を用いたにもかかわらず知ることができなかつたことe-Gov原文

ひっかけ届出者の責任の重さに引きずられて、役員も一切言い訳できないと思わせる。役員には相当な注意を尽くしたことを示せば責任を免れる余地がある。

解説アは、虚偽記載のある有価証券届出書の届出者が、募集・売出しに応じた取得者に対し損害賠償の責めに任ずるとするもので、18条1項に合致し正しい。イは、役員が相当な注意を用いても虚偽を知り得なかったことを証明しても免責されないとするが、21条2項1号は、記載の虚偽を知らず、かつ相当な注意を用いても知ることができなかったことを証明すれば賠償責任を免れると定めており誤り。発行体(届出者)には重い責任を課しつつ、役員等には注意義務を尽くしたかどうかで責任の有無を分ける構造になっている。

補足監査証明をした公認会計士・監査法人や元引受けをした金融商品取引業者も、21条により一定の損害賠償責任を負いうるが、いずれも故意・過失や相当な注意に関する免責規定が用意されている。

15金融サービス提供法の断定的判断の提供等の禁止と損害賠償責任

金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)上の金融商品の販売に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品販売業者等が、金融商品の販売に係る事項について、不確実な事項について断定的判断を提供する行為は、望ましくないとされるにとどまり、法律上禁止されているわけではない。
  • 金融商品販売業者等が断定的判断の提供等の禁止に違反した場合でも、それによって顧客に生じた損害を賠償する責任までは法律上定められていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
断定的判断の提供等は5条で禁止 → 『禁止されていない』は誤り

金融サービス提供法第5条不確実な事項について断定的判断を提供しe-Gov原文

誤り
違反により生じた損害は賠償責任 → 『定められていない』は誤り

金融サービス提供法第6条前条の規定に違反して断定的判断の提供等を行ったときe-Gov原文

金融サービス提供法第6条当該顧客の損害を賠償する責めに任ずるe-Gov原文

ひっかけ断定的な言い切りでの勧誘を、マナー違反どまりで損害賠償にはつながらない、と二段階で軽く見せる。金融サービス提供法は禁止と賠償責任を直結させている。

解説アは、不確実な事項について断定的判断を提供する行為が法律上禁止されていないとするが、5条は金融商品販売業者等による『断定的判断の提供等』を明確に禁止しており誤り。イは、その禁止に違反しても損害賠償責任は定められていないとするが、6条は前条(5条)に違反して断定的判断の提供等を行ったときに生じた顧客の損害を賠償する責めに任ずると定めており誤り。『必ず儲かる』式の言い切りを禁じたうえで、違反すれば賠償まで負わせることで、説明義務違反と同じ枠組みで顧客を保護している。

補足同じ6条は、重要事項の説明義務違反による損害賠償責任も定めており、断定的判断の提供等と説明義務違反が並んで賠償責任の対象とされている。

16金融商品取引業の登録と広告規制

金融商品取引業の登録と広告規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行うことができない。
  • 金融商品取引業者等の広告では、登録番号を表示する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
金融商品取引業は投資者保護に直結するため、誰でも自由に営業できるものではない。内閣総理大臣の登録を受けた者だけが行える。

金融商品取引法第29条内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができないe-Gov原文

誤り
広告は投資者が業者を識別する入口になるため、登録番号等の表示が求められる。登録を受けているかを確認できる情報を省いてよいわけではない。

金融商品取引法第37条第1項第2号金融商品取引業者等である旨及び当該金融商品取引業者等の登録番号e-Gov原文

ひっかけ業者を規制するのは登録だけ、と考えるとイを取り違える。広告にも登録番号など業者を識別する表示が要る。

解説金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行うことができない登録制である(金融商品取引法29条)。アはこのとおりで正しい。さらに、金融商品取引業者等が広告等をするときは、金融商品取引業者等である旨とその登録番号を表示しなければならない(37条1項2号)。イは登録番号を表示する必要はないとした点で誤り。登録制と広告の表示義務は、業者規制の基本としてセットで押さえる。

補足広告等には、登録番号のほか、顧客が支払うべき手数料や、元本欠損・元本超過損が生じるおそれといった重要事項も表示しなければならず、著しく事実に相違する誇大広告も禁止される(37条)。

17契約締結前交付情報と適合性説明

金融商品取引契約の締結前情報提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業者等は、金融商品取引契約を締結しようとするとき、原則としてあらかじめ顧客に一定事項の情報を提供しなければならない。
  • 情報提供時の説明方法は全顧客で一律でよく、顧客の知識・経験・財産状況や契約目的を考慮する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
締結前情報提供

金融商品取引法第37条の3第1項あらかじめ、顧客に対し、次に掲げる事項に係る情報を提供しなければならないe-Gov原文

誤り
顧客属性

金融商品取引法第37条の3第2項顧客の知識、経験、財産の状況及び当該金融商品取引契約を締結しようとする目的e-Gov原文

ひっかけ締結前の情報は全顧客に同じ渡し方でよい、と考えるとイを正しいと誤る。顧客の知識・経験・財産・目的に応じた説明が要る。

解説金融商品取引業者等は、金融商品取引契約を締結しようとするときは、原則としてあらかじめ顧客に一定事項の情報を提供しなければならない(金融商品取引法37条の3第1項。かつての契約締結前交付書面が改正で情報提供義務に整理された)。アはこのとおりで正しい。そして情報を提供するときは、顧客の知識・経験・財産の状況および契約を締結しようとする目的に照らして、顧客に理解されるために必要な方法および程度で説明しなければならない(同条2項)。イは全顧客一律でよく顧客属性を考慮する必要はないとした点で誤り。

補足この顧客属性に応じた説明の考え方は、あとに出てくる適合性の原則(40条1号)と根を同じくし、顧客に不適当な勧誘・販売を避ける規律として連なっている。

18断定的判断の提供と適合性の原則

金融商品取引業者等の禁止行為と適合性の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品取引業者等は、不確実な事項について断定的判断を提供し、顧客に確実であると誤解させるおそれのあることを告げて勧誘してはならない。
  • 適合性の原則は、顧客の財産状況だけを考慮すれば足り、投資目的や知識・経験は考慮対象ではない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
勧誘方法そのものの禁止を問う肢。不確実な事項を確実であるかのように伝える点が、顧客の投資判断をゆがめる。

金融商品取引法第38条第2号不確実な事項について断定的判断を提供しe-Gov原文

誤り
適合性を財産状況だけに狭める誤り。条文は知識・経験・財産・契約目的を総合して見る構造を採っている。

金融商品取引法第40条第1号顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的e-Gov原文

ひっかけ適合性の原則は顧客の財産状況だけを見る、と考えるとイを正しいと誤る。知識・経験・目的まで含めて判断する。

解説断定的判断の提供は勧誘の言い方を規制するルール、適合性の原則は勧誘の相手と商品の合い方を規制するルールである。前者では『不確実なことを確実と言う』点を、後者では『財産状況だけでなく知識・経験・目的も見る』点を押さえる。適合性を資力審査のように狭く理解すると、イのような誤りに引っかかる。

補足断定的判断の提供の禁止(38条2号)は勧誘の「方法」の規制、適合性の原則(40条1号)は勧誘の「相手方への適合」の規制で、両者は別の角度から不当な勧誘を防いでいる。

19相場操縦とインサイダー取引

市場の公正を害する取引規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 何人も、有価証券の売買等の取引を誘引する目的をもって、相場を変動させるべき一連の売買等をしてはならない。
  • 会社関係者によるインサイダー取引規制は、重要事実の公表前に限らず、公表後の売買にも同じく適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
相場操縦の成立要素を確認する肢。取引誘引目的と、相場を変動させる一連の売買等という組合せが条文の軸になる。

金融商品取引法第159条第2項第1号相場を変動させるべき一連の有価証券売買等e-Gov原文

誤り
インサイダー規制の時間的限界を問う肢。重要事実の公表前を禁止する規律であり、公表後まで同じ禁止が及ぶとはいえない。

金融商品取引法第166条第1項当該業務等に関する重要事実の公表がされた後でなければe-Gov原文

ひっかけ重要事実を知っていれば公表後の売買もインサイダー取引、と考えるとイを正しいと誤る。規制されるのは公表前の取引。

解説相場操縦は『市場価格そのものをゆがめて他人の取引を誘う行為』、インサイダー取引は『未公表の重要事実を知る者が情報格差を利用して取引する行為』である。両者は市場の公正を守る点では共通するが、規制対象の切り口が違う。インサイダー規制では公表前か公表後かが決定的で、公表後にも同じ禁止が残ると考えない。

補足相場操縦もインサイダー取引も、課徴金納付命令のほか刑事罰の対象になり、市場の公正と投資者の信頼を守る中核的な規制になっている。

20金融サービス提供法の説明義務と損害額推定

金融サービス提供法上の顧客保護に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 金融商品販売業者等は、重要事項について顧客に説明しなければならない。
  • 説明義務違反による損害賠償では、元本欠損額は損害額と推定されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
顧客が金融商品のリスクを理解して判断できるようにする入口規制を問う肢。重要事項説明義務の有無が焦点になる。

金融サービス提供法第4条第1項重要事項」という。)について説明をしなければならないe-Gov原文

誤り
説明義務違反後の救済を問う肢。元本欠損額を損害額と推定することで、顧客側の立証負担を軽くしている。

金融サービス提供法第7条第1項元本欠損額は、金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったことe-Gov原文

ひっかけ説明を怠っても損害額は被害者が全部立証しなければならない、と考えるとイを正しいと誤る。元本欠損額が損害額と推定される。

解説金融サービス提供法は、金融商品販売の入口で重要事項説明義務を置き、違反があった場合には損害賠償責任と損害額推定で顧客を保護する。説明義務は行為規制、元本欠損額の推定は救済場面の立証負担を軽くする規定である。『説明義務はあるが、損害額は常に顧客が全部証明する』という理解は誤り。

補足元本欠損額は、顧客が支払った金銭等の額から、その契約により顧客が取得した金銭等の額を差し引いた額をいう。実損の立証が難しい顧客を保護するための推定規定である。

関連する章

同じ論点や根拠法でつながる章です。級をまたいで深さを変えたり、関連する法律を横断して確認できます。

読み終えたら、解いて採点

この章の20問を、根拠条文つきで採点します。選択肢ごとの正誤を自分で判断してから答え合わせできます。

この章を解く(20問)→

登録不要・無料。各問に根拠条文の原文つき。 ビジネス実務法務検定2級の過去問の公開状況も確認できます。

この章を解く(20問)→