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消費者契約法・第4

消費者との取引にかかわる法規制の問題(20問)

この章を解く(20問)→

消費者取引は、取消しと条項無効を分ける

消費者取引を守る規制を集めた章です。消費者契約法による取消し(不実告知・断定的判断・困惑)と不当条項の無効、特定商取引法の訪問販売とクーリング・オフが中心です。取消事由ごとの違いと、クーリング・オフの起算点・費用負担という細部が問われます。

第4章は消費者契約法と特定商取引法です。消費者が契約を取り消せる話なのか、契約条項そのものが無効になる話なのかを切らないと失点します。

  • 不実告知、断定的判断、困惑を取消事由として見る。
  • 免責条項や違約金条項は条項無効の問題として見る。
  • クーリング・オフは取引類型と起算点を確認する。

この章で確認する論点

4章では、消費者契約法による意思表示の取消し・消費者契約法による不当条項規制・特定商取引法上の訪問販売とクーリング・オフ・特定商取引法上のクーリング・オフの効力発生時期と費用負担・消費者契約法を中心に20問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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  • 断定的判断の提供も取消事由。「賠償にとどまる」と効果を弱める誘導に乗らない。
  • 無効になるのは平均的損害を「超える部分」だけ。全部有効でも全部無効でもない。
  • クーリング・オフされても事業者は違約金を取れない。9条3項が明文で禁じている。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

消費者契約法3条4条5条7条8条9条10条

特定商取引法9条15条の324条40条49条

特定商取引に関する法律7条8条58条の1459条

割賦販売法30条の4

問題と解説を読む20問・答え付き

答え・解説つきで20問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月〜2026年6月時点の法令に準拠
1消費者契約法による意思表示の取消し(不実告知・断定的判断の提供)

消費者契約法上の消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、重要事項について事実と異なることを告げ(不実告知)、消費者がその告げられた内容が事実であると誤認して契約の申込みをしたときは、消費者はその意思表示を取り消すことができる。
  • 事業者が将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供し、消費者がその内容が確実であると誤認して契約をした場合、消費者はその契約を取り消すことはできず、損害賠償を請求し得るにとどまる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
重要事項について事実と異なる告知 → 誤認 → 取り消すことができる

消費者契約法第4条第1項第1号重要事項について事実と異なることを告げることe-Gov原文

消費者契約法第4条第1項これを取り消すことができるe-Gov原文

誤り
断定的判断の提供 → 確実と誤認 → 取り消すことができる

消費者契約法第4条第1項第2号断定的判断を提供することe-Gov原文

消費者契約法第4条第1項これを取り消すことができるe-Gov原文

ひっかけ断定的判断の提供も取消事由。「賠償にとどまる」と効果を弱める誘導に乗らない。

解説事業者が勧誘の際に重要事項について事実と異なることを告げ(不実告知)、消費者がその内容を事実だと誤認して申し込んだときは、消費者はその意思表示を取り消せる(消費者契約法4条1項1号)。アはこのとおりで正しい。イは将来の不確実な事項に断定的判断を提供された場合を『取り消せず損害賠償にとどまる』とするが、断定的判断の提供も同じ4条1項(2号)の取消事由なので誤り。効果は取消しであって、賠償に格下げされるわけではない。よってアー正、イー誤。

補足効果は無効ではなく取消し。取消権は追認できる時から1年、契約時から5年で時効消滅する(7条1項)。

2消費者契約法による不当条項規制(損害賠償額の予定・一般条項)

消費者契約法上の契約条項の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定する条項は、その額が当該消費者契約と同種の契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える場合であっても、条項の全体が有効である。
  • 法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の義務を加重する条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
超える部分について無効 → 『全体が有効』は誤り

消費者契約法第9条第1項第1号平均的な損害の額を超えるものe-Gov原文

消費者契約法第9条第1項当該各号に定める部分について、無効とするe-Gov原文

正しい
信義則違反で消費者の利益を一方的に害する → 無効

消費者契約法第10条消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重するe-Gov原文

消費者契約法第10条消費者の利益を一方的に害するものは、無効とするe-Gov原文

ひっかけ無効になるのは平均的損害を「超える部分」だけ。全部有効でも全部無効でもない。

解説解除に伴う損害賠償額を予定する条項は、その額が同種契約の解除で事業者に生じる平均的な損害の額を超える場合、超える部分が無効になる(消費者契約法9条1項1号)。アは『超えても全体が有効』とするが、超過部分は無効なので誤り。条項が丸ごと有効に残るわけではない。イは任意規定より消費者の義務を加重し、信義則(民法1条2項)に反して利益を一方的に害する条項を無効とする10条の一般条項どおりで正しい。組み合わせはアー誤、イー正。

補足9条1項2号は、支払遅延の損害金が年14.6%を超える部分を無効とする。9条は予定額、8条は免責、10条は受け皿の一般条項という役割分担。

3特定商取引法上の訪問販売とクーリング・オフ

特定商取引法上の訪問販売におけるクーリング・オフに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 訪問販売により営業所等以外の場所で売買契約の申込みをした者は、原則として法定の書面を受領した日から起算して8日を経過するまでは、その売買契約の申込みの撤回(クーリング・オフ)を行うことができる。
  • クーリング・オフによる申込みの撤回等があった場合、販売業者は、その撤回等に伴って生じた損害の賠償又は違約金の支払を購入者に対して請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
申込みの撤回等 → 書面受領日から起算して8日を経過するまで可

特定商取引法第9条第1項売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回e-Gov原文

特定商取引法第9条第1項から起算して八日を経過した場合e-Gov原文

誤り
撤回等に伴う損害賠償・違約金の請求は不可 → 『請求できる』は誤り

特定商取引法第9条第3項申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができないe-Gov原文

ひっかけクーリング・オフされても事業者は違約金を取れない。9条3項が明文で禁じている。

解説訪問販売で営業所等以外の場所で申し込んだ者は、原則として法定の書面を受領した日から起算して8日を経過するまで、申込みの撤回(クーリング・オフ)ができる(特定商取引法9条1項)。アはこのとおりで正しい。イはクーリング・オフがあったとき販売業者が損害賠償や違約金を請求できるとするが、9条3項は撤回等に伴う損害賠償・違約金の請求を明文で禁じているので誤り。無条件の離脱を保障するのが制度趣旨で、ペナルティは取れない。アー正、イー誤。

補足8日の起算点は契約日ではなく『法定書面を受領した日』。書面交付がなければ期間は進行せず、いつまでも行使できる。

4特定商取引法上のクーリング・オフの効力発生時期と費用負担

特定商取引法上の訪問販売におけるクーリング・オフの効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 訪問販売における申込みの撤回等(クーリング・オフ)は、その旨の書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。
  • クーリング・オフにより申込みの撤回等があった場合において、既に引き渡されている商品の引取りに要する費用は、販売業者の負担となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
書面・電磁的記録による通知を発した時に効力を生ずる

特定商取引法第9条第2項通知を発した時に、その効力を生ずるe-Gov原文

正しい
引取り・返還に要する費用は販売業者が負担する

特定商取引法第9条第4項その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とするe-Gov原文

ひっかけ発した時に効力が生じる。到達を待たないのが意思表示の原則との違い。

解説訪問販売のクーリング・オフは、その旨の書面または電磁的記録による通知を発した時に効力を生ずる(特定商取引法9条2項。発信主義)。アはこのとおりで正しく、消費者は通知を出しさえすれば、到達前でも8日以内なら有効に撤回できる。イは既に引き渡された商品の引取費用を販売業者の負担とするもので、9条4項どおり正しい。離脱した消費者に費用を背負わせない設計になっている。両方正しいのでアー正、イー正。

補足通常の意思表示は到達主義(民法97条1項)。クーリング・オフはあえて発信主義にして、郵送中の遅延リスクを消費者から外している。

5消費者契約法(困惑による取消し・免責条項の無効)

消費者契約法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事業者が勧誘をしている場所から消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず退去させなかったため、消費者が困惑して契約をした場合であっても、消費者はその意思表示を取り消すことはできない。
  • 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項は、消費者が契約締結時にこれに同意していれば有効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
退去妨害 → 困惑 → 取り消すことができる

消費者契約法第4条第3項第2号その場所から当該消費者を退去させないことe-Gov原文

消費者契約法第4条第3項これを取り消すことができるe-Gov原文

誤り
債務不履行責任の全部免除条項は無効 → 同意で有効化されない

消費者契約法第8条第1項第1号責任の全部を免除しe-Gov原文

消費者契約法第8条第1項次に掲げる消費者契約の条項は、無効とするe-Gov原文

ひっかけ全部免除条項は同意があっても無効。「合意したから有効」では覆らない。

解説勧誘場所から退去する旨を示したのに退去させず、消費者が困惑して契約した場合、消費者はその意思表示を取り消せる(消費者契約法4条3項2号)。アは『取り消せない』とするが、退去妨害は困惑類型の取消事由なので誤り。イは事業者の債務不履行による損害賠償責任の全部を免除する条項を『同意があれば有効』とするが、この条項は8条1項1号で無効とされ、消費者が同意しても有効化しないので誤り。あらかじめの合意で無効を覆せない強行規定。よってアー誤、イー誤。

補足取消し(4条)は消費者が行使して初めて効果が出るが、無効(8〜10条)は主張を待たず最初から効力がない。両者の作動の仕方が違う。

6特定商取引法上の通信販売(法定返品権とクーリング・オフの違い)

特定商取引法上の通信販売に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 通信販売の広告に返品の可否や条件についての特約が表示されていなかった場合、購入者は、商品の引渡しを受けた日から起算して8日を経過するまでの間は、売買契約の申込みの撤回又は解除をすることができる。
  • 通信販売において申込みの撤回又は解除がされ、既に引き渡された商品の返還が必要となった場合、その返還に要する費用は販売業者の負担となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
返品特約の表示なし → 引渡しから起算して8日を経過するまで撤回・解除可

特定商取引法第15条の3第1項売買契約に係る商品の引渡しe-Gov原文

特定商取引法第15条の3第1項八日を経過するまでの間は、その売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除e-Gov原文

誤り
撤回・解除後の返還費用 → 購入者の負担(訪問販売と逆)

特定商取引法第15条の3第2項その引取り又は返還に要する費用は、購入者の負担とするe-Gov原文

ひっかけ通信販売を訪問販売のクーリング・オフと同じだと思い込むと、特約優先・返品費用は購入者負担を見落とす。

解説通信販売には、訪問販売のような無条件のクーリング・オフ制度はない。販売業者が返品についての特約を広告に表示していれば、その特約が優先される(特定商取引法15条の3第1項ただし書)。特約の表示がないときに限り、商品の引渡しを受けた日から起算して8日以内であれば撤回・解除ができる(法定返品権)。アはこの原則どおりで正しい。イは返還費用を販売業者の負担とするが、15条の3第2項は『購入者の負担とする』と定めるので誤り。訪問販売のクーリング・オフ(9条)が特約で排除できず費用も事業者負担なのと対照的である。アー正、イー誤。

補足『8日』は訪問販売も通信販売も同じだが中身が逆。訪問販売(9条)=特約で排除できない強い権利・費用は事業者負担。通信販売(15条の3)=特約があれば排除可・費用は購入者負担。

7特定商取引法上の連鎖販売取引(マルチ商法)のクーリング・オフ

特定商取引法上の連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 連鎖販売加入者は、原則として、契約書面を受領した日から起算して20日を経過するまでの間は、書面又は電磁的記録により連鎖販売契約の解除(クーリング・オフ)をすることができる。
  • 連鎖販売契約の解除(クーリング・オフ)がされ、既に引き渡された商品を引き取る場合、その引取りに要する費用は、解除をした連鎖販売加入者の負担となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
連鎖販売契約 → 契約書面受領日から起算して20日を経過するまで → 書面等で解除(クーリング・オフ)可

特定商取引法第40条第1項起算して二十日を経過したときe-Gov原文

特定商取引法第40条第1項その連鎖販売契約の解除を行うことができるe-Gov原文

誤り
連鎖販売契約の解除 → 引き渡された商品の引取り費用 → 連鎖販売業を行う者の負担(加入者の負担ではない)

特定商取引法第40条第3項その引取りに要する費用は、その連鎖販売業を行う者の負担とするe-Gov原文

ひっかけクーリング・オフ期間は取引類型で異なる。「全部8日」と覚えていると連鎖販売(20日)・特定継続的役務提供(8日)の区別で足をすくわれる。

解説連鎖販売取引(マルチ商法)は、組織への加入と特定負担(入会金・商品購入等)を伴い被害が拡大しやすいため、クーリング・オフ期間が訪問販売・電話勧誘販売の8日間より長い20日間に設定されている。起算日は原則として契約書面(37条2項書面)を受領した日だが、商品の再販売型で最初の商品引渡しが書面受領より後の場合は、その引渡日が起算日となる点も押さえておく。期間内に書面又は電磁的記録で解除すれば、損害賠償・違約金を請求されず、既に引き渡された商品の引取り費用も連鎖販売業を行う者(業者側)が負担する。覚え方は「期間20日/費用は業者持ち」。なお、連鎖販売取引では20日のクーリング・オフとは別に、加入者は中途解約・返品ルール(40条の2)も持つが、本問はクーリング・オフ(40条)の理解を問うもの。

補足アは20日間という連鎖販売特有の期間を正しく述べており妥当。イは費用負担の主体を逆にした誤り。

8特定商取引法上の電話勧誘販売(申込みの撤回・効力発生時期)

特定商取引法上の電話勧誘販売における申込みの撤回等(クーリング・オフ)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 電話勧誘販売における申込みの撤回等(クーリング・オフ)は、その旨の通知が販売業者に到達した時に、その効力を生ずる。
  • 電話勧誘販売で申込みの撤回等がされ、既に商品が引き渡されている場合、その商品の引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
電話勧誘販売の撤回通知 → 発した時に効力発生(発信主義) → 到達時ではない

特定商取引法第24条第2項通知を発した時に、その効力を生ずるe-Gov原文

正しい
撤回等あり+商品引渡し済み → 引取り・返還費用は販売業者の負担

特定商取引法第24条第4項その引取り又は返還に要する費用は、販売業者の負担とするe-Gov原文

ひっかけクーリング・オフの効力発生時期は「到達主義」ではなく「発信主義」。これは取引類型を問わず特定商取引法に共通する重要ルール。

解説電話勧誘販売は、事業者が電話で勧誘し郵便等で申込み・契約をさせる類型で、訪問販売と並んでクーリング・オフ期間は契約書面(19条書面等)受領日から起算して8日間。ここで頻出の論点が効力発生時期で、民法上の意思表示は到達主義が原則だが、クーリング・オフは消費者保護のため発信主義を採り、撤回・解除の通知を発した時点で効力が生じる(24条2項)。郵送なら投函した日が基準であり、業者への到達日や受領確認は不要。さらに、撤回後に既に引き渡された商品の引取り・返還費用は販売業者の負担であり(24条4項)、これは訪問販売(9条4項)と同じ扱い。なお通信販売の法定返品権では返品費用が購入者負担となる点(15条の3第2項)と混同しないこと。

補足イは費用負担の主体を販売業者と正しく述べており妥当。アは到達主義としている点が発信主義に反し誤り。

9特定商取引法上の特定継続的役務提供の中途解約と損害賠償額の制限

特定商取引法上の特定継続的役務提供(エステティックサロン・語学教室等)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定継続的役務の提供を受ける者は、クーリング・オフ期間(契約書面を受領した日から起算して8日)を経過した後であっても、将来に向かってその特定継続的役務提供契約を解除(中途解約)することができる。
  • 中途解約がされた場合、役務提供事業者は、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときでも、法律が定める一定の額に法定利率による遅延損害金を加算した金額を超える額の金銭の支払を請求することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
クーリング・オフ期間(8日)経過後 → なお将来に向かって解除(中途解約)可

特定商取引法第49条第1項起算して八日を経過した後e-Gov原文

特定商取引法第49条第1項将来に向かつてその特定継続的役務提供契約の解除を行うことができるe-Gov原文

正しい
中途解約 → 違約金等の定めがあっても法定上限額+遅延損害金まで → それを超える請求は不可

特定商取引法第49条第2項損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいてもe-Gov原文

特定商取引法第49条第2項金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける者に対して請求することができないe-Gov原文

ひっかけ特定継続的役務提供の特徴は「クーリング・オフ(8日)」と「中途解約(期間後も可)」が二段構えになっている点。片方しか知らないと足元をすくわれる。

解説特定継続的役務提供は、エステ・美容医療・語学教室・家庭教師・学習塾・パソコン教室・結婚相手紹介の7類型で、一定期間・一定金額を超える契約が対象。消費者保護は二段構えで、まず契約書面受領日から起算して8日間はクーリング・オフ(無条件解約)ができ、その期間を過ぎても役務の提供を受ける者は将来に向かって中途解約ができる(49条1項)。中途解約は将来効(既に提供された役務分は対価が発生し、遡及的な巻き戻しではない)である点が重要。そして事業者が請求できる損害賠償・違約金には法定の上限が課され(49条2項)、高額な解約金条項で消費者を縛ることを防いでいる。エステ等で前払いした関連商品(化粧品等)についても連動して解約できる仕組みがある(49条5項)。

補足アはクーリング・オフ後も将来に向けた中途解約が可能である点を正しく述べており妥当。イは違約金等の上限規制を正しく述べており妥当。

10消費者契約法の過量契約の取消し

消費者契約法上のいわゆる過量契約(通常の分量等を著しく超える契約)の取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 過量契約として意思表示を取り消すことができるのは、契約の目的物の分量等が客観的に通常の分量等を著しく超えていれば足り、事業者がそのことを知っていたかどうかは問われない。
  • 消費者が既に同種の契約を締結しているために、新たな契約の分量等とこれを合算すると通常の分量等を著しく超える場合には、過量契約として取り消すことはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
過量契約取消し → 分量等が通常を著しく超える+事業者がそれを知っていた → 客観的過量だけでは足りない

消費者契約法第4条第4項著しく超えるものであることを知っていた場合e-Gov原文

誤り
同種契約あり → 合算した分量等が通常を著しく超える+事業者が認識 → 過量契約として取消可

消費者契約法第4条第4項合算した分量等が当該消費者にとっての通常の分量等を著しく超えるものe-Gov原文

ひっかけ過量契約は「客観的に多すぎれば取り消せる」と思いがちだが、要件には事業者側の主観(知っていたこと)が必要。さらに「合算」のケースも見落としやすい。

解説過量契約取消しは、いわゆる次々販売・大量購入被害を救済するための制度で、消費者契約法4条4項に定められている。要件は、(1)契約の目的物の分量・回数・期間(分量等)が、その消費者にとっての通常の分量等を著しく超えること、(2)その勧誘の際に事業者がそのこと(著しい過量)を知っていたこと、の2点で、単に客観的に過量というだけでは足りず、事業者の認識という主観要件が必要になる。加えて、1回の契約では過量でなくても、消費者が既に締結した同種契約と合算すると過量になる場合(次々販売の典型)も、事業者がその合算過量を知っていれば取消しの対象となる(同項後段)。困惑類型や不実告知(同条1項〜3項)と違い、勧誘行為の違法性ではなく「分量の過大さ+事業者の認識」で取消しを認める点が特徴。

補足アは事業者の認識という主観要件を不要とした点で誤り。イは合算による過量も取消対象である点を見落とした誤り。よって両方とも誤り。

11割賦販売法の抗弁の対抗(包括信用購入あっせん)

割賦販売法上の包括信用購入あっせん(クレジットカード等を利用したあっせん)における抗弁の対抗に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 包括信用購入あっせんを利用して商品を購入した者は、その支払分の支払請求を受けたとき、販売業者に対して生じている事由をもって、支払請求をするあっせん業者に対抗することができる。
  • 抗弁の対抗に関する規定に反する特約であっても、購入者に不利な内容のものを当事者間で合意して定めた場合には、その特約は有効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
包括信用購入あっせんで購入 → 販売業者への抗弁事由(不引渡し等) → 支払請求するあっせん業者に対抗可

割賦販売法第30条の4第1項に対して生じている事由をもつてe-Gov原文

割賦販売法第30条の4第1項包括信用購入あつせん業者に対抗することができるe-Gov原文

誤り
抗弁の対抗の規定に反する特約+購入者に不利 → 無効(合意があっても効力なし)

割賦販売法第30条の4第2項購入者又は役務の提供を受ける者に不利なものは、無効とするe-Gov原文

ひっかけクレジット取引では「売買契約」と「立替払(与信)契約」が別主体で結ばれるため、商品トラブルを与信業者にぶつけられるかが論点になる。抗弁の対抗はこれを可能にする。

解説包括信用購入あっせんとは、クレジットカード等であらかじめ与信枠を設定し、その範囲で商品購入の代金をあっせん業者(カード会社等)が立替払いする仕組み。購入者から見ると、売買契約は販売店と、立替払契約はカード会社と結ぶため、本来は別契約で抗弁が遮断されかねない。そこで割賦販売法30条の4は、購入者が販売業者に対して持つ抗弁事由(商品の不引渡し、品質不良による解除、販売契約の取消し等)を、支払請求をするあっせん業者にも対抗(支払停止)できるとし、消費者がクレジット会社からの請求に対抗できるようにしている。さらに、この抗弁の対抗を奪うような購入者に不利な特約は無効(30条の4第2項)であり、契約書の特約で骨抜きにできない。ただし政令で定める少額(支払総額が一定額未満)の取引には適用されない(同条4項)。個別信用購入あっせんにも同趣旨の規定(35条の3の19)がある。

補足アは販売業者への抗弁事由をあっせん業者に対抗できる点を正しく述べており妥当。イは購入者に不利な特約は無効である点を見落とした誤り。

12特定商取引法上の訪問購入(押し買い)のクーリング・オフ

特定商取引法上の訪問購入(購入業者が営業所等以外の場所で物品の購入を行う取引)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 購入業者が営業所等以外の場所において物品につき売買契約の申込みを受けた場合、その申込みをした者は、原則として法定の書面を受領した日から起算して8日を経過するまでは、書面又は電磁的記録によりその売買契約の申込みの撤回又は解除(クーリング・オフ)を行うことができる。
  • 訪問購入の売買契約について申込みの撤回又は解除があった場合、購入業者は、その申込みの撤回等に伴って生じた損害の賠償又は違約金の支払を申込者等に対して請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
営業所等以外で申込み → 書面で撤回・解除 → 8日間可

特定商取引法第58条の14第1項書面又は電磁的記録によりその売買契約の申込みの撤回又はその売買契約の解除e-Gov原文

特定商取引法第58条の14第1項ただし書から起算して八日を経過した場合e-Gov原文

誤り
撤回等 → 購入業者は損害賠償・違約金を請求できない

特定商取引法第58条の14第4項その申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができないe-Gov原文

ひっかけ訪問購入のクーリング・オフ期間は8日。費用負担や損害賠償の可否で引っかけてくる。

解説訪問購入(いわゆる押し買い)は、購入業者が消費者の自宅などを訪問して貴金属等の物品を買い取る取引。営業所等以外の場所で物品の売買契約の申込みを受け、又は締結した場合、申込者等は法定書面を受領した日から起算して8日間は、書面又は電磁的記録により申込みの撤回・契約解除(クーリング・オフ)ができる(特定商取引法58条の14第1項)。アはこのとおりで正しい。撤回・解除があったとき、購入業者は撤回等に伴う損害賠償や違約金の支払を請求することができず(同条4項)、代金返還に要する費用や利息も購入業者の負担となる(同条5項)。イは「損害賠償・違約金を請求できる」とするが、請求できないので誤り。よってアー正、イー誤。

補足クーリング・オフは通知を発した時に効力を生ずる(発信主義、同条2項)。申込者等は引渡しの期日が定められていても物品の引渡しを拒むことができる(58条の15)。

13特定商取引法上のネガティブオプション(送りつけ商法)

特定商取引法上の売買契約に基づかないで送付された商品(いわゆる送りつけ商法・ネガティブオプション)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 販売業者が、売買契約の申込みをしていない者に対して一方的に商品を送付した場合、その送付を受けた者は、送付の日から14日間が経過するまでは当該商品を自由に処分することができず、販売業者は当該商品の返還を請求することができる。
  • 売買契約に基づかないで送付された商品に関する規定は、その商品の送付を受けた者が営業のために又は営業として締結することとなる売買契約の申込みについては適用されず、事業者間の取引はこの規制の対象外となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
一方的送付 → 販売業者は返還請求できない

特定商取引法第59条第1項その送付した商品の返還を請求することができないe-Gov原文

正しい
営業のための申込み → 59条は適用しない

特定商取引法第59条第2項その商品の送付を受けた者が営業のために又は営業として締結することとなる売買契約の申込みについてはe-Gov原文

特定商取引法第59条第2項適用しないe-Gov原文

ひっかけ送りつけ商法は2021年改正で『直ちに処分可・返還請求不可』に。旧制度の14日待機で引っかけてくる。

解説ネガティブオプション(送りつけ商法)は、注文していない商品を一方的に送りつけて代金を請求する手口。特定商取引法59条1項は、販売業者が申込者等以外の者に一方的に商品を送付した場合などには、その送付した商品の返還を請求することができないと定める。2021年の改正により、送付を受けた消費者は保管義務を負わず直ちに処分でき、販売業者は返還を請求できない(改正前は一定期間の保管が必要だった)。アは「14日間処分できず返還請求できる」とするが、現行法では返還請求できないので誤り。一方、同条2項により、商品の送付を受けた者が営業のために又は営業として締結することとなる売買契約の申込みについてはこの規定は適用されず、事業者間の取引は対象外となる。イは正しい。よってアー誤、イー正。

補足一方的に送りつけられた商品の代金支払義務はなく、消費者は直ちに処分してよい。

14消費者契約法の取消権の行使期間(7条)

消費者契約法上の取消権(4条の規定による消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消権)の行使期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 消費者契約法4条の規定による取消権は、追認をすることができる時から1年間行わないときは、時効によって消滅する。
  • 消費者契約法4条の規定による取消権は、当該消費者契約の締結の時から5年を経過したときも、時効によって消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
取消権 → 追認できる時から1年 → 時効消滅

消費者契約法第7条第1項追認をすることができる時から一年間e-Gov原文

消費者契約法第7条第1項時効によって消滅するe-Gov原文

正しい
契約時から5年 → 同様に時効消滅

消費者契約法第7条第1項当該消費者契約の締結の時から五年e-Gov原文

消費者契約法第7条第1項を経過したときも、同様とするe-Gov原文

ひっかけ原則は『追認できる時から1年・契約時から5年』。霊感商法(3年・10年)の例外と混同させてくる。

解説消費者契約法4条による取消権は、追認をすることができる時から1年間行使しないと時効によって消滅し、契約締結の時から5年を経過したときも同様に消滅する(同法7条1項)。アもイもこの原則どおりで正しい。よってアー正、イー正。なお、いわゆる霊感商法(4条3項8号)に係る取消権だけは例外的に『追認できる時から3年・契約時から10年』と期間が伸長されている。一般の取消事由とこの例外を取り違えないことが要点。

補足取消しの効果は無効ではなく取消し。この期間制限は消費者契約法が独自に定めるもので、要件を満たす限り民法の詐欺取消し等と選択的に主張できる。

15特定商取引法上の行政規制(指示・業務停止命令)

特定商取引法上の訪問販売に対する行政規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 主務大臣は、訪問販売を行う販売業者が法定の規定に違反した場合であっても、是正のための指示を行うことができるにとどまり、訪問販売に関する業務の全部又は一部の停止を命ずることはできない。
  • 主務大臣は、訪問販売を行う販売業者に対して指示をし、又は業務の停止を命じたときであっても、その旨を公表してはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
違反 → 2年以内の業務停止命令を命じ得る

特定商取引法第8条第1項訪問販売に関する業務の全部又は一部を停止すべきことを命ずることができるe-Gov原文

特定商取引法第8条第1項二年以内の期間を限りe-Gov原文

誤り
命令・指示 → その旨を公表しなければならない

特定商取引法第7条第2項その旨を公表しなければならないe-Gov原文

特定商取引法第8条第3項その旨を公表しなければならないe-Gov原文

ひっかけ違反業者には指示にとどまらず業務停止命令まで可能。『公表しなければならない』を『してはならない』にすり替えてくる。

解説訪問販売について、主務大臣は、販売業者等が一定の規定に違反し取引の公正・購入者の利益が害されるおそれがあるときは是正のための指示ができ(特定商取引法7条)、その違反等により利益が著しく害されるおそれがあるとき、又は指示に従わないときは、2年以内の期間を限り訪問販売に関する業務の全部又は一部の停止を命ずることができる(同法8条1項)。アは『停止を命じられず指示にとどまる』とするが、業務停止命令まで可能なので誤り。また主務大臣は、指示や業務停止命令をしたときはその旨を公表しなければならない(7条2項・8条3項)。イは『公表してはならない』とするが逆であり誤り。よってアー誤、イー誤。

補足業務停止を命ずる場合、対象法人の役員等に対して新たな業務開始を禁ずる業務禁止命令(8条の2)を併せて命ずることもできる。

16消費者契約法の努力義務

消費者契約法上の事業者及び消費者の努力義務に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事業者は、消費者契約の条項が明確で平易なものになるよう配慮するよう努めなければならない。
  • 消費者は、事業者から提供された情報を活用し、契約内容について理解するよう努めるものとされている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
事業者の努力義務

消費者契約法第3条第1項第1号明確なもので、かつ、消費者にとって平易なものになるよう配慮することe-Gov原文

正しい
3条2項

消費者契約法第3条第2項事業者から提供された情報を活用し、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容について理解するよう努めるe-Gov原文

ひっかけ努力義務を負うのは事業者だけ、と考えるとイを取り違える。消費者にも情報を活用し理解する努力義務がある。

解説消費者契約法は、事業者と消費者の双方に努力義務を課す。事業者は、消費者契約の条項を明確で消費者にとって平易なものになるよう配慮するよう努めなければならない(消費者契約法3条1項1号)。アはこのとおりで正しい。また消費者も、事業者から提供された情報を活用し、契約内容を理解するよう努めるものとされる(同条2項)。イもこの消費者の努力義務どおりで正しい。

補足これらは「努力義務」であり、違反しても直ちに契約が無効になるわけではない。もっとも、事業者の情報提供のあり方は、後に出てくる不当勧誘(取消し)や不当条項(無効)の判断において考慮される。

17媒介受託者等による勧誘

消費者契約法上の媒介受託者等に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事業者から媒介の委託を受けた第三者が消費者に不実告知等をした場合にも、取消規定が準用される。
  • 消費者契約の締結に係る代理人は、取消規定の適用上、消費者・事業者等とみなされることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
消費者を勧誘するのが事業者本人ではなく媒介受託者等でも、勧誘による誤認リスクは同じ。5条1項は4条の取消規定を受託者等にも及ぼす。

消費者契約法第5条第1項受託者等e-Gov原文

誤り
代理人を使えば取消規定を回避できるとすると、消費者保護が空洞化する。5条2項は、代理人を消費者・事業者・受託者等とみなして4条の適用をつなげている。

消費者契約法第5条第2項それぞれ消費者、事業者及び受託者等とみなすe-Gov原文

ひっかけ取消しができるのは事業者本人が勧誘した場合だけ、と考えるとイを正しいと誤る。委託を受けた第三者や代理人も対象になる。

解説事業者から消費者契約の締結の媒介の委託を受けた第三者(受託者等)が消費者に不実告知などをした場合にも、消費者契約法の取消規定が準用される(消費者契約法5条1項)。アはこのとおりで正しい。さらに、消費者契約の締結に係る代理人は、取消規定の適用上、それぞれ消費者・事業者・受託者等とみなされる(同条2項)。したがって「代理人が消費者・事業者等とみなされることはない」とするイは誤り。

補足これは、事業者が第三者や代理人を使って勧誘した場合に、その者の不当な勧誘についても消費者が契約を取り消せるようにして、消費者保護に抜け穴が生じないようにする趣旨である。

18事業者の責任免除条項

消費者契約法上の責任免除条項に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害賠償責任の全部を免除する条項は、無効とされる。
  • 事業者の故意又は重大な過失による債務不履行について、責任の一部を免除する条項は有効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
消費者契約で事業者が債務不履行責任を全部免れる条項を置くと、消費者の救済が空になる。8条1項1号はこの全部免責を無効にする。

消費者契約法第8条第1項第1号事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除e-Gov原文

誤り
一部免責でも、事業者の故意・重過失による債務不履行まで軽くする条項は消費者に不当に不利益。8条1項2号はこれも無効にする。

消費者契約法第8条第1項第2号故意又は重大な過失によるものに限るe-Gov原文

ひっかけ一部免除ならどんな場合でも有効、と考えるとイを正しいと誤る。故意・重過失による責任の一部免除も無効になる。

解説事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項は無効である(消費者契約法8条1項1号)。アはこのとおりで正しい。また、事業者の故意または重大な過失による債務不履行について、責任の一部を免除する条項も無効となる(同項2号)。したがって「故意又は重大な過失による…責任の一部を免除する条項は有効」とするイは誤り。

補足逆に、事業者の軽過失(故意・重過失でない過失)による損害についての一部免除は、8条では無効とされない。全部免除は常に無効、一部免除は故意・重過失の場合に無効、という切り分けを押さえる。

19損害賠償額の予定と年14.6%

消費者が支払う損害賠償額の予定に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 解除に伴う損害賠償額の予定や違約金は、平均的な損害額を超える部分について無効となる。
  • 金銭支払遅延に係る損害賠償額の予定は、年20%を超える部分が無効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
9条1号

消費者契約法第9条第1号平均的な損害の額を超えるものe-Gov原文

誤り
20%ではない

消費者契約法第9条第2号年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるものe-Gov原文

ひっかけ遅延損害金の上限を年20%と混同するとイを正しいと誤る。消費者契約法の上限は年14.6%。

解説消費者が支払う損害賠償額の予定について、解除に伴う損害賠償額の予定や違約金は、事業者に生ずべき平均的な損害の額を超える部分が無効となる(消費者契約法9条1号)。アはこのとおりで正しい。また、金銭の支払遅延に係る損害賠償額の予定は、年14.6パーセントの割合を超える部分が無効となる(同条2号)。したがって上限を「年20%」とするイは誤り。

補足年14.6%は消費者契約法9条2号が定める上限で、利息制限法など他の法律の上限とは別に、消費者契約について特に定められたものである。

20消費者の利益を一方的に害する条項

消費者契約法10条に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 消費者の権利を制限し又は義務を加重する条項で、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効となる。
  • 消費者の不作為をもって新たな契約申込みとみなす条項は、10条の対象として明示されていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
10条

消費者契約法第10条消費者の利益を一方的に害するものは、無効とするe-Gov原文

誤り
明示されている

消費者契約法第10条消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項e-Gov原文

ひっかけ10条は具体的に列挙された条項だけを無効にする、と考えるとイを正しいと誤る。不作為を申込みとみなす条項も対象として明示されている。

解説消費者の権利を制限し、または義務を加重する消費者契約の条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効となる(消費者契約法10条)。アはこのとおりで正しい。10条は、消費者の不作為をもって新たな契約の申込み・承諾の意思表示をしたものとみなす条項を、一方的に害する条項の例として明示している。したがって「10条の対象として明示されていない」とするイは誤り。

補足10条は、8条・9条のような個別列挙に当てはまらない不当条項も広く無効にできる受け皿(一般条項)で、消費者を守る「最後の砦」と呼ばれる。

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