問1私的独占の意義と不当な取引制限の禁止
独占禁止法上の私的独占及び不当な取引制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.私的独占とは、事業者が他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。
- イ.不当な取引制限(いわゆるカルテル)として複数の事業者が共同して対価を決定する行為は、独占禁止法上は禁止されておらず、公正取引委員会の許可を受ければ自由に行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 他の事業者の事業活動の排除・支配 → 競争の実質的制限
独占禁止法第2条第5項「他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより」e-Gov原文
独占禁止法第2条第5項「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」e-Gov原文
- イ.誤り
- 事業者は私的独占・不当な取引制限をしてはならない
独占禁止法第3条「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない」e-Gov原文
ひっかけ『公取委の許可を受ければカルテルも自由』という許可制は存在しない。3条が正面から禁じている。
解説私的独占とは、事業者が他の事業者の事業活動を排除し、又は支配することにより、公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう(独占禁止法2条5項)。アはこの定義どおりで正しい。一方、不当な取引制限(カルテル)は同3条で正面から禁止されており、公正取引委員会の許可を受ければ自由に対価を共同決定できる、という制度は存在しない。だからイの『許可を受ければ自由に行える』は誤り。許可制と取り違えさせるのがこの問いの仕掛けで、3条の禁止に例外的な事前許可枠は用意されていない。
補足カルテルが摘発されると、課徴金納付命令(独占禁止法7条の2)の対象になる。罰則だけでなく金銭的な不利益処分が課される。
問2不公正な取引方法の禁止と事業者団体の規制
独占禁止法上の規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不公正な取引方法を用いることは、独占禁止法上は当然には禁止されておらず、景品表示法に違反しない限り自由に行うことができる。
- イ.事業者団体は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる行為をしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 事業者は不公正な取引方法を用いてはならない
独占禁止法第19条「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 事業者団体は競争を実質的に制限する行為をしてはならない
独占禁止法第8条「事業者団体は、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない」e-Gov原文
独占禁止法第8条第1号「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」e-Gov原文
ひっかけ不公正な取引方法を景表法だけの話に押し込めると外す。禁じているのは独禁法19条そのもの。
解説不公正な取引方法は、独占禁止法19条が『事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない』と定めて当然に禁止している。景品表示法に違反しない限り自由、という切り分けは条文にないので、アは誤り。イは事業者団体に向けた8条1号の規律そのもので、団体が一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為は禁止される。よって正しい。アで主体は『事業者』、イで主体は『事業者団体』と入れ替わっている点が読み分けの勘所になる。
補足8条1号の主体は『事業者団体』。同種の競争制限でも、団体が主体なら8条、個々の事業者が主体なら3条と、適用条文が分かれる。
問3独占禁止法上の基本的な禁止行為
独占禁止法上の事業者に対する禁止行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない。
- イ.事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 事業者は私的独占・不当な取引制限をしてはならない
独占禁止法第3条「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 事業者は不公正な取引方法を用いてはならない
独占禁止法第19条「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない」e-Gov原文
ひっかけ3条と19条、どちらも条文どおりの正しい記述。条番号の対応さえ崩れていなければ両方が正になる。
解説アは独占禁止法3条(事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない)、イは19条(事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない)の条文そのままで、どちらも正しい。私的独占・不当な取引制限を扱うのが3条、不公正な取引方法を扱うのが19条という条番号の対応が、この問題で問われている全てになる。
補足3条と19条はいずれも『事業者』を名宛人とする禁止規定。8条が名宛人を『事業者団体』とするのと対になる。
問4私的独占・不当な取引制限の要件
独占禁止法上の私的独占及び不当な取引制限の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.私的独占は、単独の事業者による行為に限られ、他の事業者と結合し、又は通謀して行われる場合は私的独占に含まれない。
- イ.不当な取引制限が成立するためには、当該行為が公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限することを要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 単独でも結合・通謀でも私的独占は成立し得る
独占禁止法第2条第5項「単独に、又は他の事業者と結合し、若しくは通謀し」e-Gov原文
- イ.誤り
- 公共の利益に反する競争の実質的制限が必要 → 『要しない』は誤り
独占禁止法第2条第6項「公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」e-Gov原文
ひっかけアは『単独に限る』、イは『競争の実質的制限は不要』。どちらも条文の文言を1つ削って誤らせている。
解説私的独占は、単独によるか、他の事業者と結合し若しくは通謀して行うかを問わず成立し得る(独占禁止法2条5項)。『単独行為に限られる』としたアは、この『結合・通謀』の文言を切り落としているので誤り。イは、不当な取引制限の成立に『公共の利益に反して一定の取引分野における競争を実質的に制限すること』を要しないとするが、これはまさに2条6項が課す要件であって、要しないという結論は条文と逆になる。よってイも誤り。アは要件の入口(単独限定)を、イは要件の核(競争の実質的制限)を、それぞれ削って誤りに仕立てている。
補足『一定の取引分野における競争を実質的に制限すること』は、私的独占(2条5項)と不当な取引制限(2条6項)に共通して置かれた要件。
問5事業者団体の禁止行為と私的独占
独占禁止法上の事業者団体及び私的独占に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業者団体は、構成事業者に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにしてはならない。
- イ.私的独占は、競争を実質的に制限する場合であっても、結果として価格を引き下げる効果がある限り、独占禁止法上は問題とならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 事業者団体は構成事業者に不公正な取引方法をさせてはならない
独占禁止法第8条「事業者団体は、次の各号のいずれかに該当する行為をしてはならない」e-Gov原文
独占禁止法第8条第5号「事業者に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにすること」e-Gov原文
- イ.誤り
- 私的独占は3条で禁止 → 価格引下げで適法化されない
独占禁止法第3条「事業者は、私的独占又は不当な取引制限をしてはならない」e-Gov原文
ひっかけ『価格が下がるなら私的独占も問題なし』は通らない。判断の起点は競争の実質的制限の有無。
解説事業者団体は、構成事業者に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにしてはならない(独占禁止法8条5号)。アはこの規律どおりで正しい。イは、私的独占でも価格を引き下げる効果があれば独禁法上問題にならないとするが、私的独占は3条で禁止されており、結果として価格が下がったからといって適法化される仕組みはない。よってイは誤り。判断の起点は競争の実質的制限の有無であって、価格が上がったか下がったかではない。
補足8条は団体自身の競争制限(1号)だけでなく、構成事業者に不公正な取引方法をさせる教唆型(5号)も禁じている。
問6取適法(旧下請法)の支払期日と受領拒否の禁止
中小受託取引適正化法(取適法。令和8年1月施行の改正で旧下請法から改称)上の委託事業者の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委託事業者は、製造委託等代金の支払期日を、中小受託事業者の給付を受領した日から起算して60日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において定めなければならない。
- イ.委託事業者は、中小受託事業者の責めに帰すべき理由がない場合であっても、自由に中小受託事業者の給付の受領を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 給付を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内
取適法(旧下請法)第3条「委託事業者が中小受託事業者の給付を受領した日」e-Gov原文
取適法(旧下請法)第3条「六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 中小受託事業者の責めに帰すべき理由なき受領拒否は禁止
取適法(旧下請法)第5条第1項第1号「中小受託事業者の責めに帰すべき理由がないのに、中小受託事業者の給付の受領を拒むこと」e-Gov原文
ひっかけ受領を『自由に拒める』はない。中小受託側に落ち度がなければ受け取りを拒めない。
解説アは、製造委託等代金の支払期日を給付受領日から60日の期間内で、かつできる限り短い期間内に定めなければならないとする。取適法3条のとおりで正しい。イは、帰責理由がなくても委託事業者が自由に受領を拒めるとするが、取適法5条1項1号は中小受託事業者の責めに帰すべき理由がないのに受領を拒むことを禁じるため誤り。60日の上限と受領拒否の禁止が論点。
補足令和8年1月から旧下請法が取適法に改称され、親事業者は委託事業者、下請事業者は中小受託事業者と呼び名が変わった。
問7取適法(旧下請法)の代金減額の禁止と買いたたきの禁止
中小受託取引適正化法(取適法・旧下請法)上の委託事業者の禁止行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委託事業者は、中小受託事業者の責めに帰すべき理由がないのに、製造委託等代金の額を減ずる行為をしてはならない。
- イ.委託事業者は、中小受託事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い製造委託等代金の額を不当に定める行為(買いたたき)をしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 中小受託事業者の責めに帰すべき理由なき代金減額は禁止
取適法(旧下請法)第5条第1項第3号「中小受託事業者の責めに帰すべき理由がないのに、製造委託等代金の額を減ずること」e-Gov原文
- イ.正しい
- 通常の対価に比し著しく低い代金を不当に定める買いたたきは禁止
取適法(旧下請法)第5条第1項第5号「通常支払われる対価に比し著しく低い製造委託等代金の額を不当に定めること」e-Gov原文
ひっかけ減額と買いたたきはどちらも禁止。片方だけ正解だと早合点して取りこぼさないこと。
解説アは、帰責理由がないのに代金額を減ずる行為の禁止で、取適法5条1項3号(減額の禁止)どおり正しい。イは、同種・類似の給付に通常支払われる対価に比べ著しく低い代金を不当に定める買いたたきの禁止で、取適法5条1項5号どおり正しい。減額も買いたたきも委託事業者の禁止行為にあたり、ア・イとも正となる。
補足減額は一度合意した代金を後から引き下げる行為、買いたたきは発注時点で相場より著しく低く決める行為で、禁止される局面が違う。
問8取適法(旧下請法)の支払遅延の禁止と書面等による明示義務
中小受託取引適正化法(取適法・旧下請法)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委託事業者は、製造委託等代金をその支払期日の経過後になお支払わない行為も、特に禁止されていない。
- イ.委託事業者は、中小受託事業者に対し製造委託等をした場合は、直ちに、給付の内容、製造委託等代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を、書面又は電磁的方法により中小受託事業者に明示しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 支払期日経過後なお支払わない行為は禁止 → 『禁止なし』は誤り
取適法(旧下請法)第5条第1項第2号「製造委託等代金をその支払期日の経過後なお支払わないこと」e-Gov原文
- イ.正しい
- 製造委託等をしたら直ちに所定事項を書面・電磁的方法で明示
取適法(旧下請法)第4条「中小受託事業者の給付の内容、製造委託等代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を、書面又は電磁的方法」e-Gov原文
取適法(旧下請法)第4条「明示しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ『支払遅延は禁止されていない』はわざと逆を書いている。期日を過ぎた不払いそのものが禁止行為。
解説アは、支払期日経過後もなお代金を支払わない行為は特に禁止されていないとするが、取適法5条1項2号は支払期日経過後の不払い(支払遅延)を禁じるため誤り。イは、製造委託等をしたら直ちに給付内容・代金額・支払期日・支払方法その他の事項を書面又は電磁的方法で明示しなければならないとする義務で、取適法4条どおり正しい。
補足明示義務(4条)は紙の書面に限らず、電子メール等の電磁的方法でも果たせる。改正で電磁的方法による明示が正面から認められた。
問9取適法(旧下請法)の返品の禁止と報復措置の禁止
中小受託取引適正化法(取適法・旧下請法)上の委託事業者の禁止行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委託事業者は、中小受託事業者の責めに帰すべき理由がない場合であっても、給付を受領した後にその給付に係る物を中小受託事業者に引き取らせる(返品する)ことができる。
- イ.委託事業者は、中小受託事業者が違反事実を公正取引委員会等に知らせたことを理由として、取引の数量を減じ、又は取引を停止するなど不利益な取扱いをすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 帰責理由なく受領後に給付物を引き取らせる返品は禁止
取適法(旧下請法)第5条第1項第4号「中小受託事業者の責めに帰すべき理由がないのに、中小受託事業者の給付を受領した後、中小受託事業者にその給付に係る物を引き取らせること」e-Gov原文
- イ.誤り
- 公取委等への通報を理由とする取引削減・停止等の報復は禁止
取適法(旧下請法)第5条第1項第7号「その事実を知らせたことを理由として、取引の数量を減じ、取引を停止し、その他不利益な取扱いをすること」e-Gov原文
ひっかけ返品も報復も『できる』と書いてあれば疑ってよい。中小受託側に落ち度がなければ返せず、通報を理由に締め上げることもできない。
解説アは、帰責理由がなくても受領後に給付物を引き取らせる(返品する)ことができるとするが、取適法5条1項4号は中小受託事業者の責めに帰すべき理由がないのに受領後の返品をすることを禁じるため誤り。イは、違反事実を公正取引委員会等に知らせたことを理由に取引数量を減らし、又は取引を停止する不利益な取扱いができるとするが、取適法5条1項7号がこの報復措置を禁じるため誤り。ア・イとも誤。
補足報復措置の禁止は、不利益を恐れずに違反を申告できる環境を確保するためのもので、申告先には公正取引委員会のほか中小企業庁長官も含まれる。
問10取適法(旧下請法)の遅延利息と支払期日の上限
中小受託取引適正化法(取適法・旧下請法)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委託事業者は、製造委託等代金を支払期日までに支払わなかったときは、中小受託事業者に対し、給付を受領した日から起算して60日を経過した日から支払をする日までの期間について、遅延利息を支払わなければならない。
- イ.製造委託等代金の支払期日は、中小受託事業者の給付を受領した日から起算して90日以内であれば、自由に定めることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 代金未払い → 給付受領日から60日経過後の期間に遅延利息
取適法(旧下請法)第6条第1項「中小受託事業者の給付を受領した日から起算して六十日を経過した日から支払をする日までの期間」e-Gov原文
取適法(旧下請法)第6条第1項「遅延利息として支払わなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 支払期日は受領日から60日以内 → 『90日以内』は誤り
取適法(旧下請法)第3条「六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない」e-Gov原文
ひっかけ支払期日の上限を90日とすり替えてくる。正しくは受領日から60日以内。
解説アは、代金を支払期日までに支払わなかったとき、給付受領日から起算して60日を経過した日から支払日までの期間について遅延利息を支払わなければならないとする。取適法6条1項どおり正しい。イは、支払期日を受領日から90日以内なら自由に定められるとするが、取適法3条は60日の期間内かつできる限り短い期間内で定めるよう求めるため誤り。上限は90日ではなく60日。
補足支払期日の上限(3条)も遅延利息の起算(6条)もともに『受領日から60日』が基準で、遅延利息はこの60日を過ぎた分につき発生する。
問11不公正な取引方法(優越的地位の濫用)
独占禁止法上の不公正な取引方法(優越的地位の濫用)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に一定の行為をすることは、独占禁止法上の不公正な取引方法の一類型(優越的地位の濫用)として規定されている。
- イ.継続して取引する相手方に対し、自己のために金銭その他の経済上の利益を提供させる行為は、相手方の同意があれば、優越的地位の濫用には当たらず不公正な取引方法に該当しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 地位優越の利用+正常な商慣習に照らし不当 → 優越的地位の濫用(2条9項5号)
独占禁止法第2条第9項第5号「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に」e-Gov原文
- イ.誤り
- 経済上の利益の提供強要も濫用類型 → 同意があれば不該当とする例外はない → 誤り
独占禁止法第2条第9項第5号「自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること」e-Gov原文
ひっかけ『相手方が同意していれば優越的地位の濫用にならない』という同意による免責は条文にない。
解説優越的地位の濫用は、自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に行われる一定の行為で、独占禁止法2条9項5号が不公正な取引方法の一類型として定めている。アはこの枠組みのとおりで正しい。一方、同号ロは『自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること』を濫用行為として挙げており、相手方の同意があれば免責される、という例外は規定されていない。優越的地位にある側からの要請は相手方が事実上断りにくいため、形式的な同意があっても、正常な商慣習に照らして不当であれば濫用に当たりうる。だから『同意があれば該当しない』とするイは誤り。
補足優越的地位の濫用は19条が禁止する不公正な取引方法に当たり、公正取引委員会による排除措置命令の対象となりうる。
問12不公正な取引方法(再販売価格の拘束)
独占禁止法上の不公正な取引方法(再販売価格の拘束)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.メーカーが、自己の供給する商品を購入する小売業者に対し、その商品の販売価格を定めてこれを維持させることは、正当な理由の有無にかかわらず、独占禁止法上当然に許される。
- イ.再販売価格の拘束には、取引の相手方の販売価格を直接拘束する場合だけでなく、その相手方をして、相手方から当該商品を購入する事業者の販売価格を維持させる場合も含まれる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 正当な理由なく販売価格を拘束 → 不公正な取引方法 → 『当然に許される』は誤り
独占禁止法第2条第9項第4号「自己の供給する商品を購入する相手方に、正当な理由がないのに」e-Gov原文
独占禁止法第2条第9項第4号「その販売する当該商品の販売価格を定めてこれを維持させること」e-Gov原文
- イ.正しい
- 4号ロ=相手方をして次段階事業者の価格決定を拘束させる → 間接的拘束も含む → 正しい
独占禁止法第2条第9項第4号「相手方をして当該事業者の当該商品の販売価格の自由な決定を拘束させること」e-Gov原文
ひっかけ『価格を維持させても正当な理由を問わず常にOK』ではない。原則は禁止で、例外的に正当な理由がある場合に許される。
解説再販売価格の拘束は、自己の供給する商品を購入する相手方に、正当な理由がないのに、その販売価格を定めて維持させる等の拘束条件を付けて供給する行為で、独占禁止法2条9項4号が不公正な取引方法とする。アは『正当な理由の有無にかかわらず当然に許される』とするが、条文は『正当な理由がないのに』拘束する行為を違法とするから、正当な理由がなければ違法で、アは誤り。イについて、同号は相手方の販売価格を直接拘束する場合(イ)だけでなく、相手方をして、その相手方から商品を購入する次段階の事業者の販売価格を維持させる場合(ロ)も再販売価格の拘束に含めている。したがってイは正しい。
補足正当な理由(ブランド間競争の促進など)が認められる例外的な場合にのみ拘束が許容されうるが、原則として再販売価格の拘束は不公正な取引方法として禁止される。
問13不公正な取引方法(不当廉売・差別対価)
独占禁止法上の不公正な取引方法(不当廉売・差別対価)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.正当な理由がないのに、商品をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある行為であっても、独占禁止法上の不公正な取引方法に該当することはない。
- イ.地域又は相手方により差別的な対価をもって商品を継続して供給する行為は、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれの有無を問わず、当然に不公正な取引方法に該当する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 原価を著しく下回る継続供給+困難化のおそれ → 3号該当 → 『該当しない』は誤り
独占禁止法第2条第9項第3号「商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給すること」e-Gov原文
独占禁止法第2条第9項第3号「他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの」e-Gov原文
- イ.誤り
- 2号は困難化のおそれを要件とする → おそれ不問で当然該当は誤り
独占禁止法第2条第9項第2号「地域又は相手方により差別的な対価をもつて」e-Gov原文
独占禁止法第2条第9項第2号「他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの」e-Gov原文
ひっかけ不当廉売も差別対価も、丸暗記の方向を一段ずらして問う。『該当しない』と『おそれを問わず当然該当』はどちらも条文の要件を外している。
解説不当廉売(2条9項3号)は、正当な理由がないのに、商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがある行為で、不公正な取引方法に当たる。アはこの行為が『該当することはない』とするので誤り。差別対価(2条9項2号)は、地域又は相手方により差別的な対価で継続供給する行為のうち『他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの』を不公正な取引方法とする。困難化のおそれが要件であり、イのように『おそれの有無を問わず当然に該当する』わけではないから、イも誤り。
補足両類型とも『他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれ』という競争への悪影響が要件で、単に価格が安いことや価格差があることだけで直ちに違法になるわけではない。
問14不公正な取引方法(共同の取引拒絶と公正取引委員会の指定)
独占禁止法上の不公正な取引方法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.正当な理由がないのに、競争者と共同して、ある事業者に対し、供給を拒絶し、又は供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限することは、不公正な取引方法に該当する。
- イ.法律が個別に列挙する行為類型のほか、公正な競争を阻害するおそれがある行為のうち、公正取引委員会が指定するものも、不公正な取引方法に含まれる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 競争者との共同+正当な理由なき供給拒絶 → 1号該当 → 正しい
独占禁止法第2条第9項第1号「正当な理由がないのに、競争者と共同して」e-Gov原文
独占禁止法第2条第9項第1号「ある事業者に対し、供給を拒絶し、又は供給に係る商品若しくは役務の数量若しくは内容を制限すること」e-Gov原文
- イ.正しい
- 6号=公取委指定の余地 → 列挙外でも指定で該当 → 正しい
独占禁止法第2条第9項第6号「公正な競争を阻害するおそれがあるもののうち、公正取引委員会が指定するもの」e-Gov原文
ひっかけ不公正な取引方法は法律の列挙だけで閉じていない。公正取引委員会の指定(一般指定)という受け皿がある。
解説共同の取引拒絶(2条9項1号)は、正当な理由がないのに、競争者と共同して、ある事業者への供給を拒絶し、又は供給する商品・役務の数量・内容を制限する行為で、不公正な取引方法に当たる。アは条文どおりで正しい。さらに同項6号は、各号に列挙された行為のほか、公正な競争を阻害するおそれがある行為のうち公正取引委員会が指定するものも不公正な取引方法に含めている。法定類型に当てはまらなくても、公正取引委員会の指定によって規制対象になりうるので、イも正しい。
補足6号に基づく公正取引委員会の指定には、すべての業種に適用される一般指定と、特定の事業分野に適用される特殊指定がある。
問15不当な取引制限に対する課徴金納付命令
独占禁止法上の不当な取引制限に対する課徴金納付命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業者が、商品若しくは役務の対価に係る不当な取引制限をしたときは、公正取引委員会は、所定の手続に従い、当該事業者に対し、課徴金を国庫に納付することを命じなければならない。
- イ.課徴金の額が百万円未満であるときであっても、公正取引委員会は、当該事業者に対し課徴金の納付を命じなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 対価カルテル等 → 7条の2第1項により課徴金納付命令(義務的)→ 正しい
独占禁止法第7条の2第1項「課徴金を国庫に納付することを命じなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 額が百万円未満 → ただし書により命令不可 → 『命じなければならない』は誤り
独占禁止法第7条の2第1項「その額が百万円未満であるときは、その納付を命ずることができない」e-Gov原文
ひっかけ課徴金は『命じなければならない』が原則だが、少額(百万円未満)には例外がある。原則だけ覚えると例外で足をすくわれる。
解説対価に係る不当な取引制限(価格カルテル等)をした事業者に対しては、公正取引委員会は所定の手続に従い課徴金を国庫に納付することを命じなければならない(7条の2第1項)。これは裁量ではなく義務的な命令なので、アは正しい。もっとも、同項ただし書は、課徴金の額が百万円未満であるときはその納付を命ずることができないとしている。したがって、百万円未満でも必ず命じなければならないとするイは誤り。
補足課徴金の算定率は原則として売上額等の百分の十だが、一定の中小企業については百分の四に軽減される(7条の2)。
問16独占禁止法上の事業者団体
独占禁止法上の事業者団体に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業者団体とは、事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする二以上の事業者の結合体又はその連合体をいう。
- イ.事業者団体は、一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 事業者団体は、単なる任意グループではなく、事業者としての共通利益を増進する目的を持つ二以上の事業者の結合体・連合体をいう。
独占禁止法第2条「事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする二以上の事業者の結合体又はその連合体」e-Gov原文
- イ.誤り
- 事業者団体は、構成事業者間の調整を通じて競争制限を起こしやすい。そのため8条1号は、一定の取引分野における競争の実質的制限を禁止している。
独占禁止法第8条第1号「一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」e-Gov原文
ひっかけ事業者団体なら独禁法の外で自由に活動できる、と考えるとイを正しいと誤る。事業者団体による競争の実質的制限は禁止される。
解説事業者団体とは、事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする、2以上の事業者の結合体またはその連合体をいう(独占禁止法2条2項)。アはこのとおりで正しい。事業者団体は、一定の取引分野における競争を実質的に制限する行為をしてはならないので(8条1号)、これを「することができる」とするイは誤り。
補足業界団体(事業者団体)による価格協定や参入制限も、個々の事業者による不当な取引制限と同じく独占禁止法の規制対象になる。8条は、競争の実質的制限のほか、構成事業者の数の制限や機能・活動の不当な制限なども禁じている。
問17排除措置命令
独占禁止法上の排除措置命令に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.私的独占又は不当な取引制限があるとき、公正取引委員会は差止め等の必要な措置を命ずることができる。
- イ.違反行為が既になくなっている場合には、公正取引委員会は一切の措置を命ずることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 排除措置命令
独占禁止法第7条「当該行為の差止め、事業の一部の譲渡その他」e-Gov原文
ひっかけ違反行為がもう終わっていれば措置は命じられない、と考えるとイを正しいと誤る。既往の違反にも特に必要なら命令できる。
解説私的独占または不当な取引制限があるときは、公正取引委員会は、その行為の差止めや事業の一部の譲渡など、違反を排除するために必要な措置を命ずることができる(排除措置命令。独占禁止法7条1項)。アはこのとおりで正しい。しかも、違反行為が既になくなっている場合であっても、特に必要があると認めるときは措置を命ずることができる(同条2項)。したがって「一切の措置を命ずることができない」とするイは誤り。
補足排除措置命令は違反状態を将来に向けて除くための行政処分で、これとは別に、一定の違反行為には課徴金納付命令(7条の2以下)による金銭的な負担が科される。
問18不公正な取引方法に対する措置
不公正な取引方法に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。
- イ.不公正な取引方法に対して、公正取引委員会が契約条項の削除等を命ずることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 19条
独占禁止法第19条「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 20条
独占禁止法第20条「契約条項の削除その他当該行為を排除するために必要な措置を命ずることができる」e-Gov原文
ひっかけ不公正な取引方法には契約条項の是正までは命じられない、と考えるとイを正しいと誤る。契約条項の削除などの排除措置を命じられる。
解説事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない(独占禁止法19条)。アはこのとおりで正しい。そして、不公正な取引方法があるときは、公正取引委員会は、契約条項の削除その他その行為を排除するために必要な措置を命ずることができる(20条)。したがって「契約条項の削除等を命ずることはできない」とするイは誤り。
補足不公正な取引方法には、共同の取引拒絶、差別対価、不当廉売、再販売価格の拘束、優越的地位の濫用などの類型があり、法定のものと公正取引委員会の指定によるものからなる(2条9項)。
問19取適法の支払期日
取適法上の代金支払期日に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.製造委託等代金の支払期日は、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、できる限り短い期間内に定めなければならない。
- イ.支払期日が定められなかったときは、給付受領日から起算して60日を経過した日が支払期日とみなされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 支払期日
下請法第3条第1項「六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内」e-Gov原文
- イ.誤り
- 60日後ではない
下請法第3条第2項「製造委託等代金の支払期日が定められなかつたときは委託事業者が中小受託事業者の給付を受領した日」e-Gov原文
ひっかけ支払期日を決めなければ支払いは60日後でよい、と単純化するとイを取り違える。期日未定なら受領日そのものが支払期日になる。
解説委託事業者は、製造委託等代金の支払期日を、中小受託事業者の給付を受領した日から起算して60日の期間内で、かつできる限り短い期間内に定めなければならない(取適法3条1項)。アはこのとおりで正しい。一方、支払期日が定められなかったときは、給付を受領した日が支払期日とみなされる(同条2項)。したがって「60日を経過した日が支払期日とみなされる」とするイは誤り(受領日から60日を経過した日がみなし期日になるのは、60日を超える期日を定めた場合である)。
補足取適法は、2026年1月に下請法(下請代金支払遅延等防止法)が約20年ぶりの大改正で改称・拡充されたものである。親事業者は委託事業者、下請事業者は中小受託事業者と呼び方も変わった。
問20取適法の書類保存と遅延利息
取適法上の書類保存及び遅延利息に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委託事業者は、製造委託等をした場合、給付・代金支払等に関する書類又は電磁的記録を作成し、保存しなければならない。
- イ.支払期日までに代金を支払わなかった場合でも、委託事業者が遅延利息を支払う義務はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 取適法は、委託内容・給付内容・代金支払をあとから検証できるよう、委託事業者に書類または電磁的記録の作成保存を求めている。口頭管理だけでは足りない。
- イ.誤り
- 支払期日を過ぎても利息不要とすると、支払遅延を抑止できない。取適法6条1項は、遅れた場合の遅延利息支払義務を明示している。
下請法第6条第1項「遅延利息として支払わなければならない」e-Gov原文
ひっかけ支払が遅れても遅延利息までは要らない、と考えるとイを正しいと誤る。支払遅延には遅延利息の支払義務がある。
解説委託事業者は、製造委託等をした場合、給付や代金の支払等に関する書類または電磁的記録を作成し、保存しなければならない(取適法7条)。アはこのとおりで正しい。また、委託事業者が支払期日までに代金を支払わなかったときは、遅延利息を支払わなければならない(6条)。したがって「遅延利息を支払う義務はない」とするイは誤り。
補足作成した書類・電磁的記録は、原則として2年間保存しなければならない。遅延利息のほか、代金の減額、買いたたき、受領拒否、報復措置なども、委託事業者の禁止行為として定められている(5条)。