問1民法上の保証人の負担と主たる債務の目的又は態様
保証に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。
- イ.主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- イ.正しい
- 458条の3第1項のとおり → 正しい
民法第458条の3「その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ保証債務は主たる債務より重くできず主たる債務の限度に『減縮』(付従性)。主たる債務者の期限の利益喪失は『2箇月以内』に保証人へ通知(448条・458条の3)。
解説保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する(448条1項)。主たる債務の目的・態様が保証契約締結後に加重されても保証人の負担は加重されない(同条2項)。保証人の負担と主たる債務の目的又は態様を押さえる。
補足保証債務は主たる債務に付従し、主たる債務を超える負担はない。賃貸借の保証人保護のため、期限の利益喪失時には保証人への通知が義務づけられている。
問2民法上の取り消すことができる債務の保証
取り消すことができる債務の保証及び期限の利益喪失時の情報提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合等においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。
- イ.主たる債務者が期限の利益を喪失したときであつても、債権者は、保証人に対しその旨を通知する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 449条のとおり → 正しい
民法第449条「これと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 2箇月以内に通知する → 『通知する必要はない』は誤り
民法第458条の3「その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ取消し得べき債務を『取消原因を知って』保証した者は独立の債務を負担したものと推定。期限の利益喪失は保証人へ通知(449条・458条の3)。
解説行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する(449条)。取り消すことができる債務の保証を押さえる。
補足主たる債務が取り消されると保証債務も付従性により消滅するのが原則だが、取消原因を知って保証した者は独立の債務を負担したと推定され、主たる債務が取り消されても責任を負いうる。
問3民法上の保証人の要件
保証人の要件及び保証契約締結時の情報提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、行為能力者であること及び弁済をする資力を有することの要件を具備する者でなければならない。
- イ.主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、財産及び収支の状況等の所定の情報を提供しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 450条1項のとおり → 正しい
民法第450条「次に掲げる要件を具備する者でなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 465条の10第1項のとおり → 正しい
民法第465条の10「委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ『保証人を立てる義務』がある場合の保証人は『行為能力者+弁済の資力』を要する。事業債務の保証の委託時は財産・収支の状況等を情報提供(450条・465条の10)。
解説債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、行為能力者であること、弁済をする資力を有することの要件を具備する者でなければならない(450条1項)。民法上の保証人の要件を押さえる。
補足保証人を立てる義務がある場合の要件であり、債権者が特定の保証人を指名したときは適用されない。事業債務の保証では委託時の情報提供義務がある。
問4民法上の催告の抗弁及び検索の抗弁の効果
催告の抗弁及び検索の抗弁の効果並びに数人の保証人がある場合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証人の請求又は証明があつたにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠つたために主たる債務者から全部の弁済を得られなかつたときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。
- イ.数人の保証人がある場合には、各保証人は常に主たる債務の全額について保証債務を負い、分別の利益は認められない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 455条のとおり → 正しい
民法第455条「債権者が催告又は執行をすることを怠ったために」e-Gov原文
- イ.誤り
- 427条を適用し分別の利益がある → 『分別の利益は認められない』は誤り
ひっかけ催告・検索の抗弁を行使したのに債権者が『怠った』とき、保証人は得られた限度で義務を『免れる』。単純保証人には『分別の利益』(456条=427条適用)(455条・456条)。
解説452条又は453条の規定により保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる(455条)。催告の抗弁及び検索の抗弁の効果を押さえる。
補足単純保証人には催告の抗弁・検索の抗弁・分別の利益があるが、連帯保証人にはこれらがない。賃貸借の保証は連帯保証が多く、これらの抗弁がない点に注意する。
問5民法上の数人の保証人がある場合
数人の保証人がある場合及び共同保証人間の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであつても、第四百二十七条の規定を適用する。
- イ.数人の保証人のうち一人が、主たる債務が不可分であるため又は全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときは、共同保証人間の求償の規定が準用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- イ.正しい
- 465条1項のとおり → 正しい
民法第465条「その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する」e-Gov原文
ひっかけ数人の単純保証人は『分別の利益』(各自の負担部分のみ)。全額弁済等をした共同保証人は他の保証人に『求償』できる(456条・465条)。
解説数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、427条の規定を適用する(456条、分別の利益)。数人の保証人がある場合を押さえる。
補足単純保証人が複数いる場合は分別の利益により各自の負担部分(頭割り)のみ責任を負う。連帯保証人にはこの利益がなく各自全額の責任を負う。
問6民法上の連帯保証人について生じた事由の効力
連帯保証人について生じた事由の効力及び保証人の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.更改、相殺、混同及び連帯債務者の一人との間の免除等に関する規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。
- イ.債務者が保証人を立てる義務を負う場合であつても、その保証人は、行為能力者であることや弁済をする資力を有することを要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 458条のとおり → 正しい
民法第458条「主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 要件を具備する者を要する → 『要件を要しない』は誤り
民法第450条「次に掲げる要件を具備する者でなければならない」e-Gov原文
ひっかけ連帯保証人について生じた『更改・相殺・混同』等は主たる債務者にも効力(絶対効)。保証人を立てる義務がある場合の保証人は『行為能力者+資力』(458条・450条)。
解説438条(更改)、439条1項(相殺)、440条(混同)及び441条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人(連帯保証人)について生じた事由について準用する(458条)。連帯保証人について生じた事由の効力を押さえる。
補足連帯保証人について生じた更改・相殺・混同は主たる債務者にも効力が及ぶ(絶対効)。単なる履行の請求等は原則相対効である。
問7民法上の委託を受けた保証人の求償権
委託を受けた保証人の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者の委託を受けて保証をした保証人は、主たる債務者に代わって債務の消滅行為をしても、主たる債務者に対して求償することはできない。
- イ.主たる債務者の委託を受けて保証をした保証人が、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為をしたときは、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額の求償権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 求償できる → 『求償することはできない』は誤り
民法第459条「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において」e-Gov原文
- イ.正しい
- 459条1項のとおり → 正しい
民法第459条「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において」e-Gov原文
ひっかけ委託を受けた保証人が債務の消滅行為(弁済等)をしたときは、主たる債務者に『支出財産の額』を求償できる(459条)。
解説保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為(債務の消滅行為)をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し、そのために支出した財産の額の求償権を有する(459条1項)。委託を受けた保証人の求償権を押さえる。
補足委託を受けた保証人は弁済等の額を求償でき(459条)、弁済期前の弁済は主たる債務者が利益を受けた限度で求償できる(459条の2)。求償の範囲は委託の有無で異なる。
問8民法上の委託を受けた保証人の事前の求償権
委託を受けた保証人の事前の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者の委託を受けて保証をした保証人は、いかなる場合であつても、あらかじめ求償権を行使することはできない。
- イ.主たる債務者の委託を受けて保証をした保証人は、主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき等は、主たる債務者に対して、あらかじめ求償権を行使することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 所定の場合に事前求償できる → 『いかなる場合も行使できない』は誤り
民法第460条「主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 460条のとおり → 正しい
民法第460条「主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる」e-Gov原文
ひっかけ委託を受けた保証人は、主たる債務者の破産・弁済期到来等の所定の場合には『事前の求償権』を行使できる(460条)。
解説保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が破産手続開始の決定を受け債権者が配当に加入しないとき、債務が弁済期にあるとき等は、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる(460条)。委託を受けた保証人の事前の求償権を押さえる。
補足事前求償権は委託を受けた保証人にのみ認められ、主たる債務者の破産等の一定の場合に限られる。委託を受けない保証人には事前求償権がない。
問9民法上の委託を受けない保証人の求償権
委託を受けない保証人の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度を超えても、そのために支出した財産の額の全額について求償権を有する。
- イ.主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 現に利益を受けている限度でのみ求償できる → 『全額求償できる』は誤り
民法第462条「主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 462条2項のとおり → 正しい
民法第462条「主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する」e-Gov原文
ひっかけ主たる債務者の『意思に反して』保証をした者は、主たる債務者が『現に利益を受けている限度』でのみ求償できる(委託を受けた保証人より狭い)(462条)。
解説主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する(462条2項)。委託を受けない保証人の求償権を押さえる。
補足求償の範囲は、委託を受けた保証人(支出額)>委託を受けない保証人(弁済時の利益)>意思に反する保証人(現存利益)と狭くなる。委託の有無・意思の反否で求償範囲が異なる。
問10民法上の通知を怠った保証人の求償の制限等
通知を怠った保証人の求償の制限及び保証人の負担に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者の委託を受けて保証をした保証人が、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる。
- イ.保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 463条1項のとおり → 正しい
民法第463条「主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる」e-Gov原文
ひっかけ委託を受けた保証人が『事前通知を怠って』弁済等をすると、主たる債務者は債権者に対抗できた事由(相殺等)をその保証人に対抗できる(463条)。
解説保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる(463条1項)。通知を怠った保証人の求償の制限等を押さえる。
補足保証人が弁済等をする前に主たる債務者へ通知しないと、主たる債務者が有していた抗弁(相殺等)を対抗され求償が制限される。二重弁済等を防ぐため事前・事後の通知が求められる。
問11民法上の個人貸金等根保証契約の元本確定期日
個人貸金等根保証契約及び委託を受けない保証人の求償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人根保証契約であってその主たる債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務が含まれるものは、個人貸金等根保証契約として、元本確定期日の定めに所定の制限がある。
- イ.主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けているか否かにかかわらず、そのために支出した財産の額の全額について求償権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 465条の3のとおり → 正しい
民法第465条の3「金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務」e-Gov原文
- イ.誤り
- 現に利益を受けている限度でのみ求償できる → 『全額求償できる』は誤り
民法第462条「主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する」e-Gov原文
ひっかけ主たる債務に『貸金等債務』を含む個人根保証は『個人貸金等根保証契約』で、元本確定期日の定めに制限がある。意思に反する保証人の求償は『現存利益』のみ(465条の3・462条)。
解説個人根保証契約であってその主たる債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(貸金等債務)が含まれるもの(個人貸金等根保証契約)において、元本確定期日の定めがある場合に契約締結日から5年を経過する日より後の日と定めたときはその定めは無効とする等の制限がある(465条の3)。個人貸金等根保証契約の元本確定期日を押さえる。
補足賃貸借の保証は個人根保証だが貸金等債務を含まないため、元本確定期日の制限(465条の3)は適用されない。個人根保証には極度額の定めが必要(465条の2)である点は共通する。
問12民法上の個人根保証契約の元本の確定事由
個人根保証契約の元本の確定事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人根保証契約における主たる債務の元本は、いかなる事由によっても確定することはない。
- イ.債権者が保証人の財産について金銭の支払を目的とする債権についての強制執行を申し立て、その手続の開始があつたとき等の所定の場合には、個人根保証契約における主たる債務の元本は確定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 所定の事由で元本は確定する → 『いかなる事由によっても確定しない』は誤り
民法第465条の4「個人根保証契約における主たる債務の元本は、確定する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 465条の4のとおり → 正しい
民法第465条の4「個人根保証契約における主たる債務の元本は、確定する」e-Gov原文
ひっかけ個人根保証契約の元本は『保証人への強制執行等』『保証人の破産手続開始』『主たる債務者又は保証人の死亡』等で確定する(465条の4)。
解説次に掲げる場合には、個人根保証契約における主たる債務の元本は、確定する。すなわち、債権者が保証人の財産について強制執行等を申し立て手続の開始があったとき(強制執行等の開始があったときに限る)、保証人が破産手続開始の決定を受けたとき、主たる債務者又は保証人が死亡したとき等である(465条の4)。個人根保証契約の元本の確定事由を押さえる。
補足賃貸借の保証(個人根保証)では、保証人の死亡等により元本が確定し、以後発生する賃料債務等は保証の対象外となる。極度額とともに保証人保護の仕組みである。
問13民法上の保証契約締結時の情報の提供義務
保証契約締結時の情報の提供義務及び取り消すことができる債務の保証に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証の委託をするときであつても、委託を受ける者に対し、財産及び収支の状況等の情報を提供する必要はない。
- イ.行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時にその取消しの原因を知っていたときであつても、独立の債務を負担したものとは推定されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 情報を提供しなければならない → 『提供する必要はない』は誤り
民法第465条の10「委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 独立の債務を負担したものと推定する → 『推定されない』は誤り
民法第449条「これと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する」e-Gov原文
ひっかけ『事業債務』の保証の委託時、主たる債務者は財産・収支の状況・他の債務・担保の状況を情報提供。取消し得べき債務を知って保証した者は独立の債務を推定(465条の10・449条)。
解説主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又は主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、財産及び収支の状況、主たる債務以外に負担している債務の有無・額・履行状況、担保の状況等の情報を提供しなければならない(465条の10第1項)。保証契約締結時の情報の提供義務を押さえる。
補足事業債務の保証は保証人のリスクが大きいため、主たる債務者に情報提供義務が課される。情報提供義務違反により保証人が誤認して保証した場合、保証契約を取り消しうる。
問14主たる債務者が期限の利益を喪失した場合における情報の提供義務
期限の利益喪失時の情報提供義務及び数人の保証人がある場合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者が期限の利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から六箇月以内に、その旨を通知すれば足りる。
- イ.数人の保証人がある場合には、各保証人は分別の利益を有さず、常に主たる債務の全額を弁済しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 2箇月以内に通知 → 『六箇月以内で足りる』は誤り
民法第458条の3「その利益の喪失を知った時から二箇月以内に、その旨を通知しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 分別の利益がある → 『分別の利益を有さず全額を弁済する』は誤り
ひっかけ主たる債務者の期限の利益喪失は『2箇月以内』に保証人へ通知(6箇月ではない)。単純保証人には『分別の利益』(458条の3・456条)。
解説主たる債務者が期限の利益を有する場合において、その利益を喪失したときは、債権者は、保証人(個人に限る)に対し、その利益の喪失を知った時から2箇月以内に、その旨を通知しなければならない。期間内に通知をしなかったときは、期限の利益喪失時から通知時までの遅延損害金を保証人に請求できない(458条の3)。主たる債務者が期限の利益を喪失した場合における情報の提供義務を押さえる。
補足期限の利益喪失の通知を怠ると、遅延損害金が保証人に請求できなくなる。保証人(特に賃貸借の保証人)が知らないうちに遅延損害金が膨らむのを防ぐ趣旨である。
問15民法上の共同保証人間の求償権
共同保証人間の求償権及び催告の抗弁等の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人の保証人のうち一人が、全額を弁済すべき旨の特約があるため自己の負担部分を超える額を弁済したときであつても、他の保証人に対して求償することはできない。
- イ.保証人の請求又は証明があつたにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠つた場合であつても、保証人はその義務を免れることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 共同保証人間で求償できる → 『他の保証人に求償できない』は誤り
民法第465条「その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 得られた限度で義務を免れる → 『義務を免れることはない』は誤り
民法第455条「債権者が催告又は執行をすることを怠ったために」e-Gov原文
ひっかけ共同保証人の一人が『負担部分を超えて』弁済したときは他の保証人に『求償』できる。催告・検索の抗弁を行使したのに債権者が怠れば保証人は義務を『免れる』(465条・455条)。
解説442条から444条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する(465条1項)。共同保証人間の求償権を押さえる。
補足連帯保証や全額弁済特約のある共同保証人が全額弁済したときは、他の共同保証人に負担部分に応じて求償できる。連帯債務者間の求償の規定が準用される。