問1民法(時効)の時効の効力
時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.時効の効力は、その起算日にさかのぼる。
- イ.時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- イ.正しい
- 145条のとおり → 正しい
民法第145条「が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ時効の効力は『起算日にさかのぼる』(遡及効)。時効は当事者の『援用』がなければ裁判所は裁判できない(144条・145条)。
解説時効の効力は、その起算日にさかのぼる(144条)。時効の効力を押さえる。
補足時効は起算日にさかのぼって効力を生ずる。もっとも、当事者が援用しなければ裁判所は時効を前提とした裁判ができない(援用の意思表示が必要)。
問2民法(時効)の時効の援用
時効の援用及び時効の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。
- イ.時効の効力は、その起算日にさかのぼることはなく、時効が完成した時から将来に向かってのみ生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 145条のとおり → 正しい
民法第145条「が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 起算日にさかのぼる(遡及効) → 『将来に向かってのみ生ずる』は誤り
ひっかけ消滅時効の援用権者には『保証人・物上保証人・第三取得者』等も含む。時効の効力は『起算日にさかのぼる』(遡及効)(145条・144条)。
解説時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む。)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない(145条)。時効の援用を押さえる。
補足消滅時効は債務者のほか保証人・物上保証人・第三取得者等の正当な利益を有する者も援用できる。時効の効力は起算日に遡及する。
問3民法(時効)の時効の利益の放棄
時効の利益の放棄及び承認による時効の更新に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。
- イ.時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 146条のとおり → 正しい
民法第146条「時効の利益は、あらかじめ放棄することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 152条1項のとおり → 正しい
民法第152条「時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める」e-Gov原文
ひっかけ時効の利益は『あらかじめ放棄できない』(完成後の放棄は可)。権利の『承認』があると時効は更新(新たに進行)(146条・152条)。
解説時効の利益は、あらかじめ放棄することができない(146条)。時効の利益の放棄を押さえる。
補足時効完成前の時効利益の放棄は債権者による濫用を防ぐため禁止される(完成後の放棄は可能)。債務の承認は時効の更新事由である。
問4民法(時効)の裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新
裁判上の請求等による時効の完成猶予及び時効の援用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判上の請求、支払督促、所定の和解若しくは調停、破産手続参加等の事由がある場合には、その事由が終了するまでの間は、時効は、完成しない。
- イ.時効は、当事者が援用しなくても、裁判所が職権でこれによって裁判をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 147条1項のとおり → 正しい
民法第147条「次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 援用しなければ裁判できない → 『職権で裁判できる』は誤り
民法第145条「が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ裁判上の請求等の間は時効は『完成猶予』され、確定判決で権利確定すると『更新』。時効は当事者の『援用』が必要(147条・145条)。
解説次に掲げる事由(裁判上の請求、支払督促、所定の和解・調停、破産手続参加等)がある場合には、その事由が終了する(確定判決等により権利が確定することなく終了した場合は終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない(147条1項)。裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新を押さえる。
補足裁判上の請求等は時効の完成を猶予し、確定判決等で権利が確定すると時効が更新される。裁判が権利確定なく終了した場合は終了時から6箇月の猶予がある。
問5民法(時効)の強制執行等による時効の完成猶予及び更新
強制執行等による時効の更新及び仮差押え等による時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.強制執行、担保権の実行等の事由がある場合には、その事由が終了するまでの間は時効は完成せず、その事由が終了した時から時効は新たにその進行を始める。
- イ.仮差押え又は仮処分の事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 148条のとおり → 正しい
民法第148条「時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める」e-Gov原文
- イ.正しい
- 149条のとおり → 正しい
民法第149条「その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」e-Gov原文
ひっかけ強制執行・担保権の実行等は完成猶予+『更新』(終了時から新たに進行)。仮差押え・仮処分は『完成猶予のみ』(終了時から6箇月)(148条・149条)。
解説強制執行等の事由がある場合には、その事由が終了するまでの間は時効は完成せず、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める(148条)。強制執行等による時効の完成猶予及び更新を押さえる。
補足強制執行・担保権の実行は完成猶予と更新の効力を持つが、仮差押え・仮処分は完成猶予の効力のみを持つ(本執行の準備にすぎないため)。
問6民法(時効)の仮差押え等による時効の完成猶予
仮差押え等による時効の完成猶予及び承認による時効の更新に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.仮差押え又は仮処分の事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
- イ.時効は、権利の承認があっても、その時から新たにその進行を始めることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 149条のとおり → 正しい
民法第149条「その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 承認があったとき新たに進行を始める(更新) → 『新たに進行を始めることはない』は誤り
民法第152条「時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める」e-Gov原文
ひっかけ仮差押え・仮処分は『完成猶予のみ』(終了時から6箇月)。権利の『承認』は時効の更新(新たに進行)(149条・152条)。
解説仮差押え又は仮処分の事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(149条)。仮差押え等による時効の完成猶予を押さえる。
補足仮差押え・仮処分は暫定的措置なので完成猶予の効力のみを持つ。債務の承認(一部弁済・支払猶予の申入れ等)は時効を更新する。
問7民法(時効)の催告による時効の完成猶予
催告による時効の完成猶予及び裁判上の請求等による時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判上の請求等の事由があっても、その事由が終了するまでの間、時効の完成が猶予されることはない。
- イ.催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 事由が終了するまで時効は完成しない(完成猶予される) → 『猶予されることはない』は誤り
民法第147条「次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 150条1項のとおり → 正しい
民法第150条「催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」e-Gov原文
ひっかけ裁判上の請求等の間は時効は『完成猶予』。催告は『6箇月』の完成猶予(再度の催告は効力なし)(147条・150条)。
解説催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(150条1項)。催告による時効の完成猶予を押さえる。
補足催告(裁判外の請求)は6箇月間の完成猶予の効力を持つ。ただし猶予中の再度の催告には猶予の効力がない(催告の繰り返しによる引き延ばしは不可)。
問8民法(時効)の協議を行う旨の合意による時効の完成猶予
協議を行う旨の合意による時効の完成猶予及び仮差押え等による時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.仮差押え又は仮処分の事由があっても、その事由が終了した時から時効の完成が猶予されることはない。
- イ.権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、所定の時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 終了時から6箇月完成猶予される → 『猶予されることはない』は誤り
民法第149条「その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 151条1項のとおり → 正しい
民法第151条「権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない」e-Gov原文
ひっかけ仮差押え・仮処分は終了時から『6箇月』完成猶予。協議を行う旨の合意は『書面』でされたとき完成猶予(口頭は不可)(149条・151条)。
解説権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない(151条1項)。協議を行う旨の合意による時効の完成猶予を押さえる。
補足協議を行う旨の合意による完成猶予は書面(又は電磁的記録)を要件とし、当事者間の協議による解決を促す制度である。合意時から1年等の猶予がある。
問9民法(時効)の承認による時効の更新
承認による時効の更新及び協議を行う旨の合意による時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.権利についての協議を行う旨の合意が口頭でされたときであっても、所定の期間、時効の完成が猶予される。
- イ.時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 書面でされたときに猶予される → 『口頭でされたときも猶予される』は誤り
民法第151条「権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、次に掲げる時のいずれか早い時までの間は、時効は、完成しない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 152条1項のとおり → 正しい
民法第152条「時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める」e-Gov原文
ひっかけ協議を行う旨の合意は『書面』が要件(口頭は不可)。権利の『承認』は時効を更新(新たに進行)(151条・152条)。
解説時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める(152条1項)。承認による時効の更新を押さえる。
補足債務の承認(一部弁済・利息の支払・支払猶予の申入れ等)は時効を更新する。承認をするには相手方の権利についての処分の行為能力・権限は要しない。
問10民法(時効)の未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予
未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予及び時効の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その者が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その者に対して、時効は、完成しない。
- イ.時効の効力は、その起算日にさかのぼる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 158条1項のとおり → 正しい
民法第158条「その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない」e-Gov原文
ひっかけ満了前6箇月以内に未成年者等に法定代理人がなければ、行為能力者となった時等から『6箇月』は時効は完成しない(権利保全の機会確保)。時効の効力は起算日に遡及(158条・144条)。
解説時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その者が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その者に対して、時効は、完成しない(158条1項)。未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予を押さえる。
補足制限行為能力者に法定代理人がない場合、権利保全の機会を確保するため時効の完成が猶予される。時効の効力は起算日に遡及する。
問11民法(時効)の所有権の取得時効
所有権の取得時効及び所有権以外の財産権の取得時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
- イ.所有権以外の財産権を自己のためにする意思をもって平穏かつ公然に行使する者であっても、時効によってその権利を取得することはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 162条1項のとおり → 正しい
民法第162条「二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 20年又は10年経過後その権利を取得する → 『取得することはない』は誤り
民法第163条「前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する」e-Gov原文
ひっかけ所有権の取得時効は原則『20年』(善意無過失なら10年)。所有権以外の財産権(賃借権等)も同様に取得時効の対象(162条・163条)。
解説二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する(162条)。所有権の取得時効を押さえる。
補足所有権の取得時効は占有開始時に善意無過失なら10年、そうでなければ20年である。地上権・賃借権等の所有権以外の財産権も取得時効により取得できる。
問12民法(時効)の所有権以外の財産権の取得時効
所有権以外の財産権の取得時効及び未成年者等と時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者に法定代理人がないときであっても、その未成年者に対して時効は完成する。
- イ.所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 行為能力者となった時等から6箇月は時効は完成しない → 『時効は完成する』は誤り
民法第158条「その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 163条のとおり → 正しい
民法第163条「前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する」e-Gov原文
ひっかけ満了前6箇月以内に未成年者等に法定代理人がなければ、行為能力者となった時等から6箇月は時効は『完成しない』。所有権以外の財産権も『取得時効』の対象(158条・163条)。
解説所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する(163条)。所有権以外の財産権の取得時効を押さえる。
補足地上権・永小作権・賃借権等の所有権以外の財産権も、20年又は(善意無過失なら)10年の継続的な権利行使により取得時効が成立する。
問13民法(時効)の債権等の消滅時効
債権等の消滅時効及び所有権の取得時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
- イ.二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者であっても、その所有権を取得することはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 主観的起算点は知った時から五年 → 『十年間』は誤り
民法第166条「債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき」e-Gov原文
- イ.誤り
- 20年占有で所有権を取得する → 『取得することはない』は誤り
民法第162条「二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する」e-Gov原文
ひっかけ債権の消滅時効は『知った時から5年』又は『行使できる時から10年』のいずれか早い方。所有権の取得時効は20年(善意無過失なら10年)(166条・162条)。
解説債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき、又は権利を行使することができる時から十年間行使しないときは、時効によって消滅する(166条1項)。債権等の消滅時効を押さえる。
補足債権は主観的起算点(知った時)から5年、客観的起算点(行使できる時)から10年のいずれか早い方の経過で時効消滅する。賃料債権も原則5年で消滅時効にかかる。
問14民法(時効)の定期金債権の消滅時効
定期金債権の消滅時効及び催告による時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.定期金の債権者は、時効の更新の証拠を得るためであっても、その債務者に対して承認書の交付を求めることはできない。
- イ.催告があったときは、その時から一年を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 承認書の交付を求めることができる → 『求めることはできない』は誤り
民法第168条「定期金の債権者は、時効の更新の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 催告は六箇月の完成猶予 → 『一年を経過するまで』は誤り
民法第150条「催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない」e-Gov原文
ひっかけ定期金の債権者は時効更新の証拠のため『承認書の交付を求めうる』。催告の完成猶予は『6箇月』(1年ではない)(168条・150条)。
解説定期金の債権者は、時効の更新の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる(168条2項)。定期金債権の消滅時効を押さえる。
補足定期金債権は各債権を行使できることを知った時から10年、行使できる時から20年で時効消滅する。債権者は更新の証拠として承認書の交付を求めることができる。
問15民法(時効)の判決で確定した権利の消滅時効
判決で確定した権利の消滅時効及び時効の利益の放棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるときは、その短い時効期間による。
- イ.時効の利益は、あらかじめ放棄することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 確定した権利の時効期間は十年とする → 『短い時効期間による』は誤り
- イ.誤り
- あらかじめ放棄することができない → 『放棄することができる』は誤り
民法第146条「時効の利益は、あらかじめ放棄することができない」e-Gov原文
ひっかけ確定判決等で確定した権利は、短い時効期間の定めがあっても時効期間は『10年』に統一。時効の利益は『あらかじめ放棄できない』(169条・146条)。
解説確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする(169条1項)。判決で確定した権利の消滅時効を押さえる。
補足短期消滅時効の債権も確定判決で確定すると時効期間が10年に延長される(再度の時効管理の負担を軽減する趣旨)。ただし確定時に弁済期未到来の債権には適用されない。