問1借地借家法の趣旨
借地借家法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。
- イ.借地に関する所定の節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 1条のとおり → 正しい
借地借家法第1条「この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 9条のとおり → 正しい
借地借家法第9条「この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする」e-Gov原文
ひっかけ借地借家法は借地権・建物賃貸借の特別法で、借地条件の変更等の裁判手続も定める。借地の規定に反する『借地権者に不利な特約は無効』(強行規定)(1条・9条)。
解説この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする(1条)。借地借家法の趣旨を押さえる。
補足借地借家法は借地権者・借家人の保護のための特別法で、多くの規定が片面的強行規定(借地権者・借家人に不利な特約を無効とする)である。
問2借地契約の更新後の建物の滅失による解約等
借地契約の更新後の建物の滅失及び借地に関する強行規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約の更新の後に建物の滅失があった場合においては、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
- イ.借地に関する所定の節の規定に反する特約は、借地権者に不利なものであっても、常に有効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 8条1項のとおり → 正しい
借地借家法第8条「借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 借地権者に不利な特約は無効 → 『常に有効である』は誤り
借地借家法第9条「この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする」e-Gov原文
ひっかけ更新後に建物が滅失すると借地権者は『地上権放棄・解約の申入れ』が可能。借地の規定に反する借地権者に不利な特約は『無効』(8条・9条)。
解説契約の更新の後に建物の滅失があった場合においては、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる(8条1項)。借地契約の更新後の建物の滅失による解約等を押さえる。
補足更新後の建物滅失では借地権者に解約権が認められる(申入れ等から3月で借地権消滅)。借地権者に不利な特約は強行規定により無効となる。
問3借地に関する強行規定
借地に関する強行規定及び借地権設定者の先取特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地に関する所定の節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。
- イ.借地権設定者は、弁済期の到来した最後の二年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 9条のとおり → 正しい
借地借家法第9条「この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 12条1項のとおり → 正しい
借地借家法第12条「弁済期の到来した最後の二年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する」e-Gov原文
ひっかけ借地の規定に反する借地権者に不利な特約は『無効』。借地権設定者は『最後の2年分』の地代等について借地上の建物に先取特権(9条・12条)。
解説この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする(9条)。借地に関する強行規定を押さえる。
補足借地権者・転借地権者に不利な特約は片面的強行規定により無効となる。借地権設定者は地代の滞納に備え借地上の建物に先取特権を有する(最後の2年分)。
問4借地権設定者の先取特権
借地権設定者の先取特権及び借地契約の更新後の建物の滅失に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権設定者は、弁済期の到来した最後の二年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する。
- イ.契約の更新の後に建物の滅失があった場合であっても、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 12条1項のとおり → 正しい
借地借家法第12条「弁済期の到来した最後の二年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 地上権の放棄又は解約の申入れができる → 『することはできない』は誤り
借地借家法第8条「借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる」e-Gov原文
ひっかけ借地権設定者は『最後の2年分』の地代等について先取特権。更新後の建物滅失では借地権者は『解約の申入れ』等が可能(12条・8条)。
解説借地権設定者は、弁済期の到来した最後の二年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する(12条1項)。借地権設定者の先取特権を押さえる。
補足借地権設定者の先取特権は地代の最後の2年分に及び、借地上の建物について優先弁済を受けられる(一定の登記された質権・抵当権には後れる)。
問5自己借地権
自己借地権及び借地権の対抗力等に関する強行規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権を設定する場合においては、他の者と共に有することとなるときに限り、借地権設定者が自らその借地権を有することを妨げない。
- イ.借地権の対抗力等に関する第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 15条1項のとおり → 正しい
借地借家法第15条「他の者と共に有することとなるときに限り、借地権設定者が自らその借地権を有することを妨げない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 16条のとおり → 正しい
借地借家法第16条「第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする」e-Gov原文
ひっかけ自己借地権は『他の者と共に有する』場合に限り認められる(借地権設定者が単独では不可)。対抗力等の規定に反する不利な特約は『無効』(15条・16条)。
解説借地権を設定する場合においては、他の者と共に有することとなるときに限り、借地権設定者が自らその借地権を有することを妨げない(15条1項)。自己借地権を押さえる。
補足自己借地権は分譲マンションの敷地利用権設定等のため、借地権設定者が他者と共同で借地権を有する場合に限り認められる(混同の例外)。
問6借地権の対抗力等に関する強行規定
借地権の対抗力等に関する強行規定及び借地条件の変更等に関する強行規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権の対抗力等に関する第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。
- イ.借地条件の変更、再築の許可等に関する所定の規定に反する特約は、借地権者又は転借地権者に不利なものであっても、有効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 16条のとおり → 正しい
借地借家法第16条「第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 借地権者等に不利な特約は無効 → 『有効である』は誤り
借地借家法第21条「第十七条から第十九条までの規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする」e-Gov原文
ひっかけ借地権の対抗力等(10・13・14条)の規定に反する不利な特約は『無効』。借地条件の変更・再築許可等(17〜19条)の規定に反する不利な特約も『無効』(16条・21条)。
解説第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする(16条)。借地権の対抗力等に関する強行規定を押さえる。
補足借地権の対抗力(10条)・建物買取請求権(13条)等の規定は片面的強行規定である。借地条件の変更・再築許可等の規定も同様に強行規定である。
問7借地条件の変更及び増改築の許可
借地条件の変更の許可及び借地権の対抗力等に関する強行規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権の対抗力等に関する所定の規定に反する特約は、借地権者に不利なものであっても、常に有効である。
- イ.建物の種類等を制限する借地条件がある場合において、事情の変更によりその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 借地権者等に不利な特約は無効 → 『常に有効である』は誤り
借地借家法第16条「第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 17条1項のとおり → 正しい
借地借家法第17条「裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる」e-Gov原文
ひっかけ対抗力等の規定に反する不利な特約は『無効』。事情変更で借地条件の変更が相当なのに協議が調わないときは『裁判所が借地条件を変更』(16条・17条)。
解説建物の種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合において、事情の変更によりその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる(17条1項)。借地条件の変更及び増改築の許可を押さえる。
補足事情変更により借地条件が実情に合わなくなり協議が調わない場合、裁判所が借地条件を変更できる(借地非訟事件)。増改築の許可も同様に裁判所が判断する。
問8借地契約の更新後の建物の再築の許可
借地契約の更新後の建物の再築の許可及び借地上の建物の賃借人の保護に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地上の建物の賃借人が借地権の存続期間の満了をその一年前までに知らなかった場合であっても、裁判所が土地の明渡しにつき相当の期限を許与することはできない。
- イ.契約の更新の後において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、所定の場合を除き、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 裁判所は明渡しの期限を許与できる → 『許与することはできない』は誤り
借地借家法第35条「裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 18条1項のとおり → 正しい
借地借家法第18条「借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず」e-Gov原文
ひっかけ借地上の建物の賃借人(期間満了を1年前までに知らなかった者)は裁判所に『明渡しの期限の許与』を請求可。更新後の再築はやむを得ない事情があれば裁判所が『承諾に代わる許可』(35条・18条)。
解説契約の更新の後において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、所定の場合を除き、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(18条1項)。借地契約の更新後の建物の再築の許可を押さえる。
補足更新後の再築は原則借地権設定者の承諾を要するが、やむを得ない事情があれば裁判所が承諾に代わる許可を与える(借地非訟事件)。
問9建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可
建物競売等の場合の土地の賃借権の譲渡の許可及び更新後の建物の再築の許可に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約の更新の後に借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造する場合、借地権設定者が承諾しないときであっても、裁判所が承諾に代わる許可を与えることはできない。
- イ.第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 裁判所は承諾に代わる許可を与えうる → 『許可を与えることはできない』は誤り
借地借家法第18条「借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず」e-Gov原文
- イ.正しい
- 20条1項のとおり → 正しい
借地借家法第20条「第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において」e-Gov原文
ひっかけ更新後の再築はやむを得ない事情があれば裁判所が『承諾に代わる許可』。競売・公売で建物を取得した第三者も、設定者に不利のおそれがなければ裁判所が賃借権譲渡の『承諾に代わる許可』(18条・20条)。
解説第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(20条1項)。建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可を押さえる。
補足借地上の建物を競売・公売で取得した第三者は、賃借権の譲渡について設定者の承諾に代わる裁判所の許可を得られる(申立ては建物代金支払後2月以内)。
問10借地条件の変更等に関する強行規定
借地条件の変更等に関する強行規定及び借地上の建物の賃借人の保護に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地条件の変更、再築の許可等に関する第十七条から第十九条までの規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。
- イ.借地上の建物の賃借人が借地権の存続期間の満了をその一年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、これを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 21条のとおり → 正しい
借地借家法第21条「第十七条から第十九条までの規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 35条1項のとおり → 正しい
借地借家法第35条「裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる」e-Gov原文
ひっかけ借地条件の変更・再築許可等(17〜19条)に反する不利な特約は『無効』。借地上の建物の賃借人(期間満了を1年前までに知らなかった者)は『明渡しの期限の許与』を請求可(21条・35条)。
解説第十七条から第十九条までの規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする(21条)。借地条件の変更等に関する強行規定を押さえる。
補足借地条件の変更・増改築許可・再築許可の規定は片面的強行規定である。借地権の期間満了で建物賃借人が明渡しを迫られる場合、賃借人保護のため明渡しの猶予が認められ得る。
問11借地上の建物の賃借人の保護
借地上の建物の賃借人の保護及び借地非訟事件の手続代理人の資格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地上の建物の賃借人が借地権の存続期間の満了をその一年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、これを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
- イ.借地非訟事件においては、弁護士でない者も、裁判所の許可を得ることなく手続代理人となることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 35条1項のとおり → 正しい
借地借家法第35条「裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 原則弁護士でなければ手続代理人となれない → 『許可なく手続代理人となれる』は誤り
借地借家法第44条「弁護士でなければ手続代理人となることができない」e-Gov原文
ひっかけ借地上の建物の賃借人には『明渡しの期限の許与』(最長1年)。借地非訟事件の手続代理人は原則『弁護士』(簡裁は許可制)(35条・44条)。
解説借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において、建物の賃借人が借地権の存続期間の満了を一年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、これを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる(35条1項)。借地上の建物の賃借人の保護を押さえる。
補足借地権消滅により建物賃借人が突然明渡しを迫られる不利益を防ぐため、明渡しの期限の許与が認められる。借地非訟事件の手続代理人は原則弁護士に限られる。
問12借地非訟事件の手続代理人の資格
借地非訟事件の手続代理人の資格及び譲渡又は転貸の許可の裁判の失効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権設定者の承諾に代わる賃借権の譲渡の許可の裁判は、その効力を生じた後、期間の制限なく効力を有し、失効することはない。
- イ.借地非訟事件においては、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ手続代理人となることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 六月以内に譲渡しないと効力を失う → 『期間の制限なく効力を有し失効しない』は誤り
借地借家法第59条「その効力を生じた後六月以内に借地権者が建物の譲渡をしないときは、その効力を失う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 44条1項のとおり → 正しい
借地借家法第44条「弁護士でなければ手続代理人となることができない」e-Gov原文
ひっかけ賃借権の譲渡の許可の裁判は『6月以内』に建物を譲渡しないと失効。借地非訟事件の手続代理人は原則『弁護士』(59条・44条)。
解説法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ手続代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を手続代理人とすることができる(44条1項)。借地非訟事件の手続代理人の資格を押さえる。
補足譲渡の許可の裁判は6月以内に建物を譲渡しないと失効する(期間は伸長・短縮可)。借地非訟事件の手続代理人は原則弁護士に限られる。
問13借地非訟事件の鑑定委員会
借地非訟事件の鑑定委員会及び借地条件の変更の許可に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地非訟事件の鑑定委員会は、一人の委員で組織する。
- イ.建物の種類等を制限する借地条件がある場合において、事情の変更により異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は借地条件を変更することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 三人以上の委員で組織する → 『一人の委員で組織する』は誤り
借地借家法第47条「鑑定委員会は、三人以上の委員で組織する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 裁判所は借地条件を変更できる → 『変更することはできない』は誤り
借地借家法第17条「裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる」e-Gov原文
ひっかけ借地非訟事件の鑑定委員会は『三人以上』の委員で組織。事情変更で借地条件の変更が相当なのに協議が調わないときは『裁判所が借地条件を変更』(47条・17条)。
解説鑑定委員会は、三人以上の委員で組織する(47条1項)。借地非訟事件の鑑定委員会を押さえる。
補足借地非訟事件では裁判所が鑑定委員会(三人以上)の意見を聴いて借地条件の変更・各種許可等を判断する。
問14借地非訟事件の手続の中止
借地非訟事件の手続の中止及び借地権設定者の先取特権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判所は、借地権の目的である土地に関する権利関係について訴訟その他の事件が係属するときであっても、借地非訟事件の手続を中止することはできない。
- イ.借地権設定者は、弁済期の到来した最後の五年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 手続を中止することができる → 『中止することはできない』は誤り
借地借家法第48条「その事件が終了するまで、第四十一条の事件の手続を中止することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 最後の二年分について先取特権 → 『最後の五年分』は誤り
借地借家法第12条「弁済期の到来した最後の二年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する」e-Gov原文
ひっかけ裁判所は関連訴訟が係属するとき借地非訟事件の手続を『中止できる』。借地権設定者の先取特権は『最後の2年分』(5年分ではない)(48条・12条)。
解説裁判所は、借地権の目的である土地に関する権利関係について訴訟その他の事件が係属するときは、その事件が終了するまで、第四十一条の事件の手続を中止することができる(48条)。借地非訟事件の手続の中止を押さえる。
補足借地の権利関係について訴訟等が係属する場合、裁判所は借地非訟事件の手続を中止できる(判断の重複・矛盾を避ける)。設定者の先取特権は最後の2年分の地代等に及ぶ。
問15譲渡又は転貸の許可の裁判の失効
譲渡又は転貸の許可の裁判の失効及び自己借地権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権設定者の承諾に代わる賃借権の譲渡の許可の裁判は、その効力を生じた後、期間の制限なく効力を有し、失効することはない。
- イ.借地権を設定する場合において、借地権設定者が自らその借地権を有することは、他の者と共に有する場合を含め、一切認められない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 六月以内に譲渡しないと効力を失う → 『期間の制限なく効力を有し失効しない』は誤り
借地借家法第59条「その効力を生じた後六月以内に借地権者が建物の譲渡をしないときは、その効力を失う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 他の者と共に有するときに限り自己借地権が認められる → 『一切認められない』は誤り
借地借家法第15条「他の者と共に有することとなるときに限り、借地権設定者が自らその借地権を有することを妨げない」e-Gov原文
ひっかけ賃借権の譲渡の許可の裁判は『6月以内』に建物を譲渡しないと失効。自己借地権は『他の者と共に有する』場合に限り認められる(59条・15条)。
解説第十九条第一項の規定による裁判は、その効力を生じた後六月以内に借地権者が建物の譲渡をしないときは、その効力を失う。ただし、この期間は、その裁判において伸長し、又は短縮することができる(59条)。譲渡又は転貸の許可の裁判の失効を押さえる。
補足借地権設定者の承諾に代わる譲渡の許可の裁判は、6月以内に建物を譲渡しないと失効する。自己借地権は他者と共同で有する場合に限られる。