問1民法(連帯債務等)の分割債権及び分割債務
民法の多数当事者の債権及び債務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
- イ.連帯債務では、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 427条のとおり → 正しい
民法第427条「それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 436条のとおり → 正しい
民法第436条「その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ多数当事者の債権債務は原則『分割』(等しい割合)。連帯債務では債権者は一人に対しても『全部の履行を請求』できる(427条・436条)。
解説数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う(427条)。分割債権及び分割債務を押さえる。
補足多数当事者の債権債務は原則分割される(別段の意思表示・不可分・連帯を除く)。連帯債務では債権者は各債務者に全部の履行を請求できる(共同賃借人の連帯債務等)。
問2民法(連帯債務等)の不可分債権
不可分債権及び連帯債務者に対する履行の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債権の規定(所定の規定を除く。)は、債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する。
- イ.連帯債務では、債権者は連帯債務者の一人に対しては全部の履行を請求できず、全員に対して同時にのみ請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 428条のとおり → 正しい
民法第428条「債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 一人に対しても全部の履行を請求できる → 『一人には請求できず全員に同時にのみ』は誤り
民法第436条「その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ不可分債権には『連帯債権の規定』が準用される。連帯債務では債権者は一人に対しても『全部の履行を請求』できる(428条・436条)。
解説次款(連帯債権)の規定(第四百三十三条及び第四百三十五条の規定を除く。)は、債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する(428条)。不可分債権を押さえる。
補足不可分債権には連帯債権の規定が準用される(更改・混同の規定を除く)。連帯債務では債権者が一人に全部の履行を請求できる。
問3民法(連帯債務等)の不可分債務
不可分債務及び連帯債権者による履行の請求等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務の規定(所定の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。
- イ.連帯債権では、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 430条のとおり → 正しい
民法第430条「債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 432条のとおり → 正しい
民法第432条「各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ」e-Gov原文
ひっかけ不可分債務には『連帯債務の規定』が準用(混同を除く)。連帯債権では各債権者が『全部又は一部の履行を請求』できる(430条・432条)。
解説第四款(連帯債務)の規定(第四百四十条の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する(430条)。不可分債務を押さえる。
補足不可分債務には連帯債務の規定が準用される(混同の絶対効を除く)。連帯債権では各債権者が全部の履行を請求できる。
問4民法(連帯債務等)の可分債権又は可分債務への変更
可分債権又は可分債務への変更及び不可分債権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う。
- イ.不可分債権については、連帯債権の規定が準用されることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 431条のとおり → 正しい
民法第431条「各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ」e-Gov原文
- イ.誤り
- 連帯債権の規定を準用する → 『準用されることはない』は誤り
民法第428条「債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する」e-Gov原文
ひっかけ不可分が可分に変われば『自己の部分・負担部分についてのみ』。不可分債権には『連帯債権の規定』が準用(431条・428条)。
解説不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う(431条)。可分債権又は可分債務への変更を押さえる。
補足不可分が可分になれば各自の部分に縮小する。不可分債権には連帯債権の規定が準用される。
問5民法(連帯債務等)の連帯債権者による履行の請求等
連帯債権者による履行の請求等及び連帯債務者の一人についての法律行為の無効等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債権では、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。
- イ.連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 432条のとおり → 正しい
民法第432条「各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ」e-Gov原文
- イ.正しい
- 437条のとおり → 正しい
民法第437条「連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない」e-Gov原文
ひっかけ連帯債権では各債権者が『全部又は一部の履行を請求』できる。連帯債務者の一人の無効・取消しは『他の債務に影響しない』(独立性)(432条・437条)。
解説連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない(437条)。連帯債権者による履行の請求等を押さえる。
補足連帯債権では各債権者が全部の履行を請求できる。連帯債務は各債務が独立し、一人の無効・取消しは他の債務に影響しない。
問6民法(連帯債務等)の連帯債務者に対する履行の請求
連帯債務者に対する履行の請求及び不可分債務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務では、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
- イ.不可分債務については、連帯債務の規定が準用されることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 436条のとおり → 正しい
民法第436条「その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 連帯債務の規定を準用する → 『準用されることはない』は誤り
民法第430条「債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する」e-Gov原文
ひっかけ連帯債務では債権者は一人に対しても『全部の履行を請求』可。不可分債務には『連帯債務の規定』が準用(436条・430条)。
解説債務の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる(436条)。連帯債務者に対する履行の請求を押さえる。
補足連帯債務では債権者はいずれの債務者にも全部の履行を請求できる(共同賃借人の連帯債務等)。不可分債務には連帯債務の規定が準用される。
問7民法(連帯債務等)の連帯債務者の一人についての法律行為の無効等
連帯債務者の一人についての法律行為の無効等及び相対的効力の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務者の一人について生じた事由は、更改・相殺・混同以外の事由であっても、常に他の連帯債務者に対してその効力を生ずる。
- イ.連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 原則として効力を生じない(相対的効力) → 『常に効力を生ずる』は誤り
民法第441条「他の連帯債務者に対してその効力を生じない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 437条のとおり → 正しい
民法第437条「連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない」e-Gov原文
ひっかけ連帯債務は原則『相対的効力』(一人の事由は他に影響しない)。一人の無効・取消しも『他の債務に影響しない』(441条・437条)。
解説第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない(441条)。連帯債務者の一人についての法律行為の無効等を押さえる。
補足連帯債務では更改・相殺・混同が絶対効で、それ以外(請求・免除・時効等)は相対的効力にとどまる。一人の無効・取消しは他の債務に影響しない。
問8民法(連帯債務等)の連帯債務者の一人との間の更改
連帯債務者の一人との間の更改及び連帯債務者間の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務者の一人が弁済をして共同の免責を得たときであっても、その免責を得た額が自己の負担部分を超えなければ、他の連帯債務者に対して求償することはできない。
- イ.連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 負担部分を超えるかどうかにかかわらず求償できる → 『負担部分を超えなければ求償できない』は誤り
民法第442条「その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず」e-Gov原文
- イ.正しい
- 438条のとおり → 正しい
民法第438条「連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する」e-Gov原文
ひっかけ連帯債務者は共同の免責を得れば『負担部分を超えるかどうかにかかわらず求償』可。一人との更改は『全員の利益のために債権消滅』(絶対効)(442条・438条)。
解説連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する(438条)。連帯債務者の一人との間の更改を押さえる。
補足連帯債務者は共同の免責を得れば負担部分を超えなくても各自の負担部分に応じて求償できる。更改は絶対効で債権が全員のために消滅する。
問9民法(連帯債務等)の連帯債務者の一人による相殺等
連帯債務者の一人による相殺等及び連帯債務者の一人との間の混同に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときであっても、その連帯債務者は、弁済をしたものとはみなされない。
- イ.連帯債務者の一人が債権者に対して有する債権をその連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 混同があったとき弁済をしたものとみなす → 『みなされない』は誤り
民法第440条「連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす」e-Gov原文
- イ.正しい
- 439条2項のとおり → 正しい
民法第439条「その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる」e-Gov原文
ひっかけ連帯債務者の一人と債権者間の混同は『弁済したものとみなす』(絶対効)。反対債権を持つ債務者が相殺しない間は他の債務者は『負担部分の限度で履行拒絶』可(440条・439条)。
解説前項の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる(439条2項)。連帯債務者の一人による相殺等を押さえる。
補足連帯債務者の一人の相殺は絶対効で全員のために債権が消滅する。反対債権者が相殺しない間、他の債務者はその負担部分の限度で履行を拒める。混同は弁済擬制となる。
問10民法(連帯債務等)の連帯債務者の一人との間の混同
連帯債務者の一人との間の混同及び分割債権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。
- イ.数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 440条のとおり → 正しい
民法第440条「連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす」e-Gov原文
- イ.正しい
- 427条のとおり → 正しい
民法第427条「それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ連帯債務者の一人と債権者間の混同は『弁済したものとみなす』(絶対効)。多数当事者は原則『分割』(440条・427条)。
解説連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす(440条)。連帯債務者の一人との間の混同を押さえる。
補足連帯債務では混同が絶対効で弁済擬制となり、混同した債務者は他の債務者に求償できる。多数当事者の債権債務は原則分割である。
問11民法(連帯債務等)の相対的効力の原則
相対的効力の原則及び連帯債務者の一人による相殺等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所定の場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。
- イ.連帯債務者の一人が債権者に対して有する債権をその連帯債務者が相殺を援用しない間は、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 441条のとおり → 正しい
民法第441条「他の連帯債務者に対してその効力を生じない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 負担部分の限度で履行を拒める → 『拒むことはできない』は誤り
民法第439条「その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる」e-Gov原文
ひっかけ連帯債務は原則『相対的効力』(更改・相殺・混同を除く)。反対債権者が相殺しない間、他の債務者は『負担部分の限度で履行拒絶』可(441条・439条)。
解説第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない(441条)。相対的効力の原則を押さえる。
補足連帯債務では更改・相殺・混同が絶対効で、請求・免除・時効等は相対的効力にとどまる。反対債権者が相殺しない間は他の債務者が負担部分の限度で履行を拒める。
問12民法(連帯債務等)の連帯債務者間の求償権
連帯債務者間の求償権及び連帯債権者による履行の請求等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債権では、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することはできない。
- イ.連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 全部又は一部の履行を請求できる → 『請求することはできない』は誤り
民法第432条「各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ」e-Gov原文
- イ.正しい
- 442条1項のとおり → 正しい
民法第442条「連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは」e-Gov原文
ひっかけ連帯債権では各債権者が『全部又は一部の履行を請求』可。連帯債務者は共同の免責を得れば『負担部分に応じた求償』(負担部分超過は不要)(432条・442条)。
解説連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分に応じた額の求償権を有する(442条1項)。連帯債務者間の求償権を押さえる。
補足連帯債務者は共同の免責を得れば、負担部分を超えなくても各債務者に負担部分に応じて求償できる。連帯債権では各債権者が全部の履行を請求できる。
問13民法(連帯債務等)の通知を怠った連帯債務者の求償の制限
通知を怠った連帯債務者の求償の制限及び分割債権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他の連帯債務者があることを知りながら通知しないで弁済等をした連帯債務者に対し、対抗できる事由を有していた他の連帯債務者であっても、その事由をもって免責を得た連帯債務者に対抗することはできない。
- イ.数人の債権者又は債務者がある場合、別段の意思表示がないときであっても、各債権者又は各債務者が等しい割合で権利義務を負うことはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 対抗できる事由をもって対抗できる → 『対抗することはできない』は誤り
民法第443条「他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし」e-Gov原文
- イ.誤り
- 等しい割合で権利を有し義務を負う → 『負うことはない』は誤り
民法第427条「それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ事前通知を怠った弁済者には他の債務者が対抗事由を『対抗できる』(求償の制限)。多数当事者は原則『分割』(443条・427条)。
解説他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる(443条)。通知を怠った連帯債務者の求償の制限を押さえる。
補足事前通知を怠って弁済した連帯債務者は、他の債務者が有していた抗弁の対抗を受け求償が制限される。多数当事者の債権債務は原則分割である。
問14民法(連帯債務等)の償還をする資力のない者の負担部分の分担
償還をする資力のない者の負担部分の分担及び連帯債務者に対する履行の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者が単独で負担する。
- イ.連帯債務では、債権者は連帯債務者の一人に対して全部の履行を請求することはできず、各債務者に負担部分についてのみ請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 求償者及び他の資力のある者で分割して負担する → 『求償者が単独で負担する』は誤り
民法第444条「求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 一人に対しても全部の履行を請求できる → 『負担部分についてのみ請求できる』は誤り
民法第436条「その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ無資力の連帯債務者の負担部分は『求償者+他の資力のある者』で負担部分に応じて分割負担(求償者単独ではない)。連帯債務は一人にも『全部の履行を請求』可(444条・436条)。
解説連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する(444条1項)。償還をする資力のない者の負担部分の分担を押さえる。
補足無資力者がいると、その負担部分は求償者と他の資力ある者が負担割合に応じて分担する。連帯債務では債権者が一人に全部の履行を請求できる。
問15民法(連帯債務等)の連帯債務者の一人との間の免除等と求償権
連帯債務者の一人との間の免除等と求償権及び連帯債務者の一人との間の更改に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務者の一人に対して債務の免除がされた場合には、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、求償権を行使することはできない。
- イ.連帯債務者の一人と債権者との間に更改があっても、債権は、他の連帯債務者との関係では消滅しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 免除がされても他の連帯債務者は求償権を行使できる → 『行使することはできない』は誤り
民法第445条「他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、第四百四十二条第一項の求償権を行使することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 更改があったとき債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅する → 『他の連帯債務者との関係では消滅しない』は誤り
民法第438条「連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する」e-Gov原文
ひっかけ連帯債務者の一人への免除・時効完成後も他の債務者は『求償権を行使』できる(免除・時効は相対効)。更改は『全員のために債権消滅』(絶対効)(445条・438条)。
解説連帯債務者の一人に対して債務の免除がされ、又は連帯債務者の一人のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、第四百四十二条第一項の求償権を行使することができる(445条)。連帯債務者の一人との間の免除等と求償権を押さえる。
補足免除・時効完成は相対的効力で他の債務者は全額を負担するが、免除等を受けた債務者にも負担部分に応じて求償できる。更改は絶対効で債権が消滅する。