問1民法(不法行為・損害賠償)の不法行為による損害賠償
民法の不法行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
- イ.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 709条のとおり → 正しい
民法第709条「これによって生じた損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 717条1項のとおり → 正しい
民法第717条「その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ一般不法行為は『故意又は過失』で権利侵害した者が賠償責任。工作物の瑕疵による損害はまず『占有者』が責任(709条・717条)。
解説故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う(709条)。不法行為による損害賠償を押さえる。
補足一般不法行為は故意又は過失による権利・利益侵害で成立する。土地の工作物の設置・保存の瑕疵による損害は第一次的に占有者が責任を負う(賃貸物件の管理で重要)。
問2民法(不法行為・損害賠償)の財産以外の損害の賠償
財産以外の損害の賠償及び土地の工作物の所有者の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。
- イ.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた場合、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときであっても、所有者は損害賠償の責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 710条のとおり → 正しい
民法第710条「財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 占有者が必要な注意をしたときは所有者が賠償する → 『所有者は責任を負わない』は誤り
民法第717条「所有者がその損害を賠償しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ財産侵害でも『財産以外の損害(慰謝料)』の賠償が必要。工作物責任は占有者が免責されれば『所有者が無過失責任』(710条・717条)。
解説他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない(710条)。財産以外の損害の賠償を押さえる。
補足財産権侵害の場合でも財産以外の損害(精神的損害・慰謝料)を賠償しなければならない。工作物責任は占有者が必要な注意をしたときは所有者が無過失で賠償責任を負う。
問3民法(不法行為・損害賠償)の土地の工作物等の占有者及び所有者の責任
土地の工作物等の占有者及び所有者の責任並びに使用者等の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は損害賠償の責任を負うが、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
- イ.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 717条1項のとおり → 正しい
民法第717条「所有者がその損害を賠償しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 715条1項のとおり → 正しい
民法第715条「被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ工作物責任は占有者が第一次責任、占有者が免責されれば所有者が『無過失責任』。使用者は被用者の事業執行上の加害に『使用者責任』(717条・715条)。
解説土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない(717条1項)。土地の工作物等の占有者及び所有者の責任を押さえる。
補足工作物責任は占有者が第一次的に責任を負い、占有者が免責されれば所有者が無過失で責任を負う(賃貸建物の瑕疵で重要)。使用者は被用者の事業執行上の加害について使用者責任を負う。
問4民法(不法行為・損害賠償)の使用者等の責任
使用者等の責任及び共同不法行為者の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
- イ.数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が自己の関与した部分についてのみ分割して損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 715条1項のとおり → 正しい
民法第715条「被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 共同不法行為者は各自が連帯して賠償する → 『分割して責任を負う』は誤り
民法第719条「各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ使用者は被用者の事業執行上の加害に『使用者責任』。共同不法行為者は『各自が連帯して』賠償(分割ではない)(715条・719条)。
解説ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う(715条1項)。使用者等の責任を押さえる。
補足使用者は被用者の事業執行上の加害について責任を負う(選任・監督に相当の注意をした等を証明すれば免責)。共同不法行為者は各自が連帯して損害全部を賠償する責任を負う。
問5民法(不法行為・損害賠償)の責任無能力者の監督義務者等の責任
責任無能力者の監督義務者等の責任及び共同不法行為者の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
- イ.数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 714条1項のとおり → 正しい
民法第714条「その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 719条1項のとおり → 正しい
民法第719条「各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ責任無能力者が免責されれば『監督義務者』が責任(義務を怠らなかった等の立証で免責)。共同不法行為者は『連帯』責任(714条・719条)。
解説前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う(714条1項)。責任無能力者の監督義務者等の責任を押さえる。
補足責任無能力者が免責される場合、監督義務者が責任を負う(監督義務を怠らなかったとき等は免責)。共同不法行為者は各自が連帯して損害を賠償する。
問6民法(不法行為・損害賠償)の共同不法行為者の責任
共同不法行為者の責任及び近親者に対する損害の賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。
- イ.他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合には、損害の賠償をする必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 719条1項のとおり → 正しい
民法第719条「各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 近親者固有の慰謝料請求権があり財産権侵害がなくても賠償すべき → 『賠償をする必要はない』は誤り
民法第711条「その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ共同不法行為者は『連帯』責任(加害者不明のときも同様)。生命侵害では近親者(父母・配偶者・子)に『固有の慰謝料』(719条・711条)。
解説数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする(719条1項)。共同不法行為者の責任を押さえる。
補足共同不法行為者は各自が連帯して損害全部を賠償し、加害者が不明のときも同様である。生命侵害では被害者の父母・配偶者・子に固有の慰謝料請求権が認められる。
問7民法(不法行為・損害賠償)の近親者に対する損害の賠償
近親者に対する損害の賠償及び財産以外の損害の賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.損害賠償の責任を負う者は、他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合であっても、財産以外の損害については賠償の責任を負わない。
- イ.他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 財産以外の損害(慰謝料)も賠償すべき → 『財産以外の損害については賠償の責任を負わない』は誤り
民法第710条「財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 711条のとおり → 正しい
民法第711条「その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ身体・自由・名誉の侵害では『財産以外の損害(慰謝料)』も賠償。生命侵害では近親者に『固有の慰謝料』(710条・711条)。
解説他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない(711条)。近親者に対する損害の賠償を押さえる。
補足身体・自由・名誉・財産権の侵害いずれでも財産以外の損害(慰謝料)を賠償する。生命侵害では被害者の父母・配偶者・子に固有の慰謝料請求権が認められる。
問8民法(不法行為・損害賠償)の責任能力(未成年者)
責任能力(未成年者)及び責任無能力者の監督義務者等の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.責任無能力者がその責任を負わない場合であっても、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、損害を賠償する責任を負わない。
- イ.未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 責任無能力者が免責される場合は監督義務者が責任を負う → 『責任を負わない』は誤り
民法第714条「その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 712条のとおり → 正しい
民法第712条「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」e-Gov原文
ひっかけ未成年者は『責任弁識能力』がなければ免責される。その場合『監督義務者』が責任を負う(712条・714条)。
解説未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない(712条)。責任能力(未成年者)を押さえる。
補足未成年者は責任弁識能力(おおむね12歳前後)を欠くときは不法行為責任を負わない。責任無能力者が免責される場合は監督義務者が責任を負う。
問9民法(不法行為・損害賠償)の動物の占有者等の責任
動物の占有者等の責任及び注文者の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害について、注文又は指図に過失があるか否かにかかわらず、常に賠償する責任を負う。
- イ.動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 注文者は原則として賠償責任を負わない → 『常に賠償する責任を負う』は誤り
民法第716条「注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 718条1項のとおり → 正しい
民法第718条「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ注文者は請負人の加害について『原則責任なし』(注文・指図に過失があれば別)。動物の占有者は加害損害を『賠償』(相当の注意で免責)(716条・718条)。
解説動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは、この限りでない(718条1項)。動物の占有者等の責任を押さえる。
補足動物の占有者は動物の加害損害を賠償する(種類・性質に従い相当の注意をもって管理したときは免責)。注文者は請負人の加害について原則責任を負わない(注文・指図に過失があれば責任)。
問10民法(不法行為・損害賠償)の不法行為による損害賠償請求権の消滅時効
不法行為による損害賠償請求権の消滅時効及び不法行為による損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。
- イ.故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 724条1号のとおり → 正しい
民法第724条「損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき」e-Gov原文
- イ.正しい
- 709条のとおり → 正しい
民法第709条「これによって生じた損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ不法行為の損害賠償請求権は『知った時から三年間』又は『不法行為の時から二十年間』で時効消滅。一般不法行為は『故意又は過失』で成立(724条・709条)。
解説不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。二 不法行為の時から二十年間行使しないとき(724条)。不法行為による損害賠償請求権の消滅時効を押さえる。
補足不法行為の損害賠償請求権は、損害及び加害者を知った時から三年間(人の生命・身体の侵害は五年間)、又は不法行為の時から二十年間で時効消滅する。一般不法行為は故意又は過失で成立する。
問11民法(不法行為・損害賠償)の注文者の責任
注文者の責任及び動物の占有者等の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない。
- イ.動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害について、いかなる場合も賠償責任を免れることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 716条のとおり → 正しい
民法第716条「注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 相当の注意をもって管理したときは責任を負わない → 『いかなる場合も免れることはできない』は誤り
民法第718条「動物の種類及び性質に従い相当の注意をもってその管理をしたとき」e-Gov原文
ひっかけ注文者は請負人の加害について『原則責任なし』(注文・指図の過失があれば別)。動物の占有者は『相当の注意』で免責されうる(716条・718条)。
解説注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない(716条)。注文者の責任を押さえる。
補足注文者は請負人の加害について原則責任を負わない(注文・指図に過失があれば責任を負う)。動物の占有者は種類・性質に従い相当の注意をもって管理したときは免責される。
問12民法(不法行為・損害賠償)の過失相殺
不法行為における過失相殺及び損害賠償請求権の消滅時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から十年間行使しないときに、時効によって消滅する。
- イ.不法行為による損害賠償について、被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 損害及び加害者を知った時から三年間で時効消滅する → 『十年間』は誤り
民法第724条「損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき」e-Gov原文
- イ.正しい
- 722条2項のとおり → 正しい
民法第722条「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる」e-Gov原文
ひっかけ不法行為の時効は『知った時から三年間』(十年ではない)。被害者に過失があれば裁判所は考慮して賠償額を定められる(過失相殺は任意的)(724条・722条)。
解説被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる(722条2項)。過失相殺を押さえる。
補足不法行為の損害賠償請求権は損害及び加害者を知った時から三年間で時効消滅する。不法行為の過失相殺は任意的で、裁判所は被害者の過失を考慮して賠償額を定めることができる(債務不履行の過失相殺は必要的)。
問13民法(不法行為・損害賠償)の責任能力(精神上の障害)
責任能力(精神上の障害)及び不法行為による損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、常にその賠償の責任を負う。
- イ.故意又は過失によって他人の権利を侵害した者であっても、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 責任弁識能力を欠く状態での加害は賠償責任を負わない → 『常にその賠償の責任を負う』は誤り
- イ.誤り
- 故意又は過失による権利侵害は賠償責任を負う → 『責任を負わない』は誤り
民法第709条「これによって生じた損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ精神上の障害で『責任弁識能力を欠く』間の加害は賠償責任なし(一時的に自招したときは別)。故意・過失の権利侵害は『賠償責任あり』(713条・709条)。
解説精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない(713条)。責任能力(精神上の障害)を押さえる。
補足精神上の障害で責任弁識能力を欠く間の加害は賠償責任を負わない(飲酒等で故意・過失により一時的にその状態を招いたときは責任を負う)。故意・過失による権利侵害は賠償責任を負う。
問14民法(不法行為・損害賠償)の正当防衛及び緊急避難
不法行為における正当防衛及び緊急避難並びに土地の工作物の占有者の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、常に損害賠償の責任を負う。
- イ.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときであっても、その工作物の占有者は損害賠償の責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 正当防衛のためやむを得ずした加害行為は賠償責任を負わない → 『常に損害賠償の責任を負う』は誤り
- イ.誤り
- 工作物の瑕疵による損害はまず占有者が責任を負う → 『占有者は責任を負わない』は誤り
民法第717条「その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ他人の不法行為に対しやむを得ずした加害は『正当防衛』で賠償責任なし。工作物の瑕疵による損害はまず『占有者』が責任(720条・717条)。
解説他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない(720条1項)。正当防衛及び緊急避難を押さえる。
補足正当防衛(他人の不法行為に対しやむを得ずした加害)は損害賠償責任を負わない。工作物の設置・保存の瑕疵による損害はまず占有者が責任を負い、占有者が免責されれば所有者が負う。
問15民法(不法行為・損害賠償)の名誉毀損における原状回復
名誉毀損における原状回復及び使用者等の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることはできず、損害賠償を命ずるほかない。
- イ.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 名誉毀損では原状回復処分(謝罪広告等)を命じられる → 『適当な処分を命ずることはできない』は誤り
民法第723条「名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 使用者は被用者の事業執行上の加害について責任を負う → 『責任を負わない』は誤り
民法第715条「被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」e-Gov原文
ひっかけ名誉毀損では損害賠償のほか『名誉回復の適当な処分(謝罪広告等)』も命じられる。使用者は被用者の事業執行上の加害に『使用者責任』(723条・715条)。
解説他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、又は損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる(723条)。名誉毀損における原状回復を押さえる。
補足名誉毀損では裁判所は被害者の請求により損害賠償に代えて又はともに名誉回復に適当な処分(謝罪広告等)を命じられる。使用者は被用者の事業執行上の加害について使用者責任を負う。