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民法・第3

賃貸借契約(借地借家法・民法)の問題(53問)

賃貸借契約は、貸主側の解約申入れ、正当事由、立退料、対抗要件を場面ごとに分けて確認します。

この章を解く(53問)→

賃貸借契約は、更新・解約・対抗力を場面で切る

賃貸借契約そのものを定める借地借家法と民法をあつかう、この資格で最も出題の多い分野です。建物賃貸借の法定更新と正当事由、対抗力と期間、借賃増減請求権、造作買取請求権、定期建物賃貸借、賃貸人の修繕義務と賃借人の費用償還請求、敷金と原状回復、賃借権の譲渡・転貸と賃貸人たる地位の移転、保証(個人根保証の極度額・連帯保証)、使用貸借までを収録しています。賃貸人と賃借人の権利義務の切り分けが論点で、各問の根拠は借地借家法・民法の条文とe-Govで照合しています。

第3章は借地借家法と民法の賃貸借です。法定更新、解約申入れ、正当事由、対抗力、借賃増減請求、造作買取請求、定期建物賃貸借が問われます。

  • 賃貸人の解約申入れは6か月前、賃借人側の期間と混同しない。
  • 立退料は正当事由を補完する要素で、それだけで足りるとは限らない。
  • 建物賃貸借の対抗要件は引渡しで、登記必須とは限らない。

条文検索で確認されている論点

この章には、借地借家法の建物賃貸借の法定更新・解約申入れ・正当事由・対抗力・定期建物賃貸借に関する問題を収録しています。条文名だけでなく、どの要件が結論を分けるかを各選択肢の根拠と一緒に確認できます。

  • 賃貸借契約は、貸主側の解約申入れ、正当事由、立退料、対抗要件を場面ごとに分けて確認します。

この章で確認する論点

3章では、建物賃貸借の法定更新と解約の申入れ・更新拒絶・解約の正当事由・建物賃貸借の対抗力と期間・借賃増減請求権・造作買取請求権と強行規定を中心に53問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

民法を他資格と横断して確認する場合は、民法を学べる資格と無料問題も使えます。

  • 賃貸人の解約申入れは「6か月」。賃借人側の3か月と取り違えない。
  • 立退料は正当事由を「補完」する要素。これだけで正当事由が満たされるとは限らない。
  • 建物賃貸借の対抗要件は「引渡し」。登記必須とするのは誤り。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

民法446条447条452条453条454条457条458条の2465条の2494条593条593条の2595条597条598条599条600条601条602条604条605条605条の2605条の3605条の4606条607条の2608条611条612条613条614条615条616条の2617条618条619条620条621条622条の2632条636条641条644条646条648条651条656条

借地借家法26条27条28条29条30条31条32条33条34条36条37条38条39条40条

問題と解説を読む53問・答え付き

答え・解説つきで53問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月〜2026年6月時点の法令に準拠
1建物賃貸借の法定更新と解約の申入れ

建物賃貸借の更新・終了に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 期間の定めがある建物の賃貸借において、当事者が期間の満了の1年前から6か月前までの間に更新をしない旨の通知等をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。
  • 建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から3か月を経過することによって終了する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
通知を怠ると法定更新

借地借家法第26条従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなすe-Gov原文

誤り
「3か月」は誤り(6か月)

借地借家法第27条解約の申入れの日から六月を経過することによって終了するe-Gov原文

ひっかけ賃貸人の解約申入れは「6か月」。賃借人側の3か月と取り違えない。

解説期間の定めがある建物賃貸借は、満了の1年前〜6か月前に更新拒絶等の通知をしないと従前と同一条件で更新(法定更新)され、その期間は定めのないものとなる(26条)。期間の定めがない場合、賃貸人の解約申入れは6か月経過で終了(27条1項)。賃借人からの解約申入れは民法により3か月。

補足賃貸人側の更新拒絶・解約申入れには正当事由も必要(28条)。

2更新拒絶・解約の正当事由

建物賃貸借の更新拒絶等の要件(正当事由)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 建物の賃貸人による更新をしない旨の通知や解約の申入れは、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
  • 正当の事由の有無の判断においては、当事者双方が建物の使用を必要とする事情のほか、賃貸人が立退料等の財産上の給付をする旨の申出をした場合のその申出も考慮される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
正当事由がなければ不可

借地借家法第28条正当の事由があると認められる場合でなければe-Gov原文

正しい
立退料も判断要素になる

借地借家法第28条財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮してe-Gov原文

ひっかけ立退料は正当事由を「補完」する要素。これだけで正当事由が満たされるとは限らない。

解説賃貸人からの更新拒絶・解約申入れは正当事由がなければできない(28条)。正当事由は、双方の建物使用の必要性を中心に、従前の経過・利用状況・建物の現況、立退料の申出を総合考慮して判断する。立退料の提供だけで当然に正当事由が認められるわけではない。

補足賃借人からの解約・更新拒絶には正当事由は不要。

3建物賃貸借の対抗力と期間

建物賃貸借の対抗力及び期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 建物の賃貸借は、その登記がなければ、建物の引渡しを受けていても、その後その建物について物権を取得した者に対抗することができない。
  • 期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
登記がなければ対抗できないとするのは誤り

借地借家法第31条その登記がなくても、建物の引渡しがあったときはe-Gov原文

正しい
1年未満は期間の定めなし扱い

借地借家法第29条期間の定めがない建物の賃貸借とみなすe-Gov原文

ひっかけ建物賃貸借の対抗要件は「引渡し」。登記必須とするのは誤り。

解説建物賃貸借は、登記がなくても建物の引渡しを受ければ第三者に対抗できる(31条)。借地の対抗要件が借地上建物の登記であるのと対になる重要論点。期間を1年未満と定めると期間の定めのない賃貸借とみなされる(29条1項。ただし定期建物賃貸借は例外)。

補足民法604条の賃貸借期間の上限(50年)は、建物賃貸借には適用されない(29条2項)。

4借賃増減請求権

建物の借賃の増減に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合であっても、賃貸人はいつでも借賃の増額を請求することができる。
  • 建物の借賃が近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向かって借賃の額の増減を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
特約があってもいつでも増額請求できるとするのは誤り

借地借家法第32条一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従うe-Gov原文

誤り
記述の主語が逆(増減請求は可能)

借地借家法第32条将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ増額請求は特約で制限できるが、減額請求は原則として特約で奪えない(普通借家)。

解説借賃が租税・地価・近傍同種の借賃と比べ不相当になれば、当事者は将来に向かって増減請求できる(32条1項)。ただし『一定期間増額しない』特約は有効でその定めに従う。減額しない特約は賃借人に不利なため原則無効(普通借家。定期借家では減額しない特約も有効)。

補足協議が調わないときは、裁判確定まで相当と認める額を支払えば足りる(32条2項・3項)。

5造作買取請求権と強行規定

建物賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合、賃借人は、賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、賃貸人に対しその造作を時価で買い取るよう請求することができる。
  • 建物賃貸借の更新等に関する借地借家法の規定に反する特約で、建物の賃借人に不利なものは、無効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
造作買取請求権が認められる

借地借家法第33条その造作を時価で買い取るべきことを請求することができるe-Gov原文

正しい
賃借人保護の強行規定

借地借家法第30条建物の賃借人に不利なものは、無効とするe-Gov原文

ひっかけ造作買取請求権を排除する特約は有効。30条の強行規定がすべての条文に及ぶわけではない。

解説賃貸人の同意を得て付加した造作は、終了時に時価での買取りを請求できる(造作買取請求権、33条)。更新・存続期間等に関する規定に反し賃借人に不利な特約は無効(30条)。ただし造作買取請求権(33条)は任意規定とされ、これを排除する特約は有効である点に注意。

補足対抗力(31条)・転借人保護(34条)等は37条で強行規定とされている。

6定期建物賃貸借

定期建物賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 定期建物賃貸借(契約の更新がないこととする旨を定める建物賃貸借)は、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、することができる。
  • 定期建物賃貸借をしようとするときは、賃貸人は、更新がなく期間の満了により賃貸借が終了する旨を口頭で説明すれば足り、書面を交付する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
書面によることが要件

借地借家法第38条公正証書による等書面によって契約をするときに限りe-Gov原文

誤り
口頭で足りるとするのは誤り

借地借家法第38条その旨を記載した書面を交付して説明しなければならないe-Gov原文

ひっかけ契約書面とは別に、事前説明の書面交付が必要。口頭説明だけは不可。

解説定期建物賃貸借は、書面(公正証書による等)で契約し、更新がない旨を定める(38条1項)。賃貸人は契約前に、更新がなく期間満了で終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければならず(同3項)、この説明を欠くと更新がない旨の定めは無効となる(同5項)。

補足期間1年以上の定期借家では、賃貸人は期間満了の1年前〜6か月前に終了通知を要する。

7賃貸人の修繕義務

賃貸人の修繕義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
  • 賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときであっても、賃借人はこれを拒むことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
修繕義務は賃貸人

民法第606条賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負うe-Gov原文

誤り
拒めるとするのは誤り

民法第606条賃借人は、これを拒むことができないe-Gov原文

ひっかけ賃貸人の保存行為(修繕等)を賃借人は拒めない。受忍義務がある。

解説賃貸人は賃貸物の使用収益に必要な修繕義務を負うが、賃借人の責めに帰すべき事由による修繕は除かれる(606条1項)。賃貸人の保存行為を賃借人は拒めない(同2項)。賃借人は、修繕が必要な旨を通知し又は賃貸人が知ったのに相当期間内に修繕しないとき等は、自ら修繕できる(607条の2)。

補足賃借人の帰責事由で必要になった修繕は、賃貸人の義務ではない。

8賃借人の費用償還請求権

賃借人の費用償還請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。
  • 賃借人が有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、その償還をしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
必要費は即時償還

民法第608条直ちにその償還を請求することができるe-Gov原文

正しい
有益費は終了時償還

民法第608条賃貸借の終了の時にe-Gov原文

ひっかけ必要費は『直ちに』、有益費は『終了時』。償還の時期が異なる。

解説賃借人が支出した必要費(保存に必要な費用)は直ちに償還を請求でき(608条1項)、有益費(価値を増加させる費用)は賃貸借終了の時にその価値の増加が現存する限度で償還される(同2項)。有益費の償還については、裁判所が相当の期限を許与することがある。

補足費用償還請求権は、賃貸物の返還を受けた時から1年以内に行使する必要がある(622条・600条)。

9敷金

敷金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃貸人は、賃貸借が終了して賃貸物の返還を受ける前であっても、受け取った敷金の全額を賃借人に返還しなければならない。
  • 賃貸人は、賃借人が賃料債務その他の債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
返還前の全額返還とするのは誤り

民法第622条の2賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたときe-Gov原文

正しい
賃貸人からの充当は可

民法第622条の2敷金をその債務の弁済に充てることができるe-Gov原文

ひっかけ敷金返還は『明渡し後』。同時履行ではなく明渡しが先。

解説敷金は賃料債務等を担保する目的で交付される金銭(622条の2)。賃貸借が終了し賃貸物の返還を受けたとき、又は賃借人が適法に賃借権を譲渡したときに、未払債務を控除した残額が返還される。明渡しが敷金返還より先履行である。賃貸人は債務不履行時に敷金を充当できるが、賃借人から充当を請求することはできない。

補足賃借人の側から『敷金を未払賃料に充てよ』と請求することはできない。

10賃借人の原状回復義務

賃借人の原状回復義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借人は、賃貸借が終了したときは、通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗や経年変化についても、原状に復する義務を負う。
  • 賃借物の損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであっても、賃借人は原状回復義務を負う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
通常損耗も回復義務とするのは誤り

民法第621条通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除くe-Gov原文

誤り
帰責事由がなくても義務とするのは誤り

民法第621条賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときe-Gov原文

ひっかけ通常損耗・経年変化は賃借人の負担ではない(賃料に織り込まれている)。

解説賃借人の原状回復義務は、賃借物を受け取った後に生じた損傷を対象とするが、通常の使用による損耗(通常損耗)と経年変化は除かれる(621条)。また、損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるときは義務を負わない。賃貸管理の現場では、原状回復ガイドラインと併せて理解する。

補足通常損耗を賃借人負担とする特約は、明確に合意されていれば有効となりうる(判例)。

11賃貸借の存続期間

民法上の賃貸借の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃貸借の存続期間は50年を超えることができず、契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は50年とされる。
  • 賃貸借の存続期間を更新する場合、更新後の期間に上限はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
50年が上限

民法第604条五十年を超えることができないe-Gov原文

誤り
上限なしとするのは誤り

民法第604条更新の時から五十年を超えることができないe-Gov原文

ひっかけ民法の上限50年は、借地借家法が適用される建物賃貸借には及ばない。

解説民法上の賃貸借の存続期間は50年が上限で、更新後も更新の時から50年を超えられない(604条)。ただし、借地借家法が適用される建物賃貸借には存続期間の上限がなく(借地借家法29条2項により民法604条は不適用)、1年未満の定めが期間の定めなしとされる点に注意。

補足駐車場(更地)など建物所有目的でない土地賃貸借には、民法604条が適用される。

12賃借物の一部滅失による賃料の減額等

賃借物の一部滅失等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借物の一部が賃借人の責めに帰することができない事由により使用及び収益をすることができなくなった場合でも、賃料が減額されることはない。
  • 賃借物の一部滅失等により残存する部分のみでは賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は契約の解除をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
減額されないとするのは誤り

民法第611条部分の割合に応じて、減額されるe-Gov原文

正しい
目的不達なら解除可

民法第611条賃借人は、契約の解除をすることができるe-Gov原文

ひっかけ一部使用不能の賃料減額は『当然に』生じる。賃借人の請求は不要。

解説賃借物の一部が賃借人の帰責によらず使用収益できなくなったときは、その割合に応じて賃料が『当然に』減額される(611条1項、改正前の請求による減額から変更)。残存部分では目的を達せないときは、賃借人は契約を解除できる(同2項)。全部滅失等のときは賃貸借が当然に終了する(616条の2)。

補足減額の割合や要否をめぐっては、当事者間の協議や実務上の基準が用いられる。

13期間の定めのない賃貸借の解約と全部滅失

賃貸借の終了に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 当事者が賃貸借の期間を定めなかった場合、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1年を経過することによって終了する。
  • 賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合でも、賃貸借は当然には終了しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
「1年」は誤り(3か月)

民法第617条建物の賃貸借三箇月e-Gov原文

誤り
当然には終了しないとするのは誤り

民法第616条の2賃貸借は、これによって終了するe-Gov原文

ひっかけ民法の建物解約は『3か月』。借地借家法が適用される建物では賃貸人側は6か月+正当事由。

解説期間の定めのない賃貸借は、各当事者がいつでも解約の申入れができ、土地は1年、建物は3か月、動産・貸席は1日の経過で終了する(民法617条)。ただし建物賃貸借では借地借家法が優先し、賃貸人からの解約申入れは6か月+正当事由が必要。全部滅失等で使用収益できなくなれば賃貸借は当然終了する(616条の2)。

補足民法617条が適用されるのは、借地借家法が適用されない賃貸借(一時使用等)。

14賃貸借契約の意義

民法上の賃貸借契約の意義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約終了時に返還することを約することによって、その効力を生ずる。
  • 賃貸借において、賃借人は、引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
601条の定義

民法第601条その賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することe-Gov原文

正しい
返還義務は賃貸借の要素

民法第601条引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することe-Gov原文

ひっかけ賃貸借は『諾成契約』。目的物の引渡しは成立要件ではない。

解説賃貸借は、賃貸人が物の使用収益をさせ、賃借人が賃料を支払い、契約終了時に目的物を返還する諾成・双務・有償契約(601条)。改正民法で『返還の合意』が定義に明記された。賃貸住宅管理では、この基本構造を前提に、修繕・費用・敷金・原状回復・終了の各論点が組み合わさる。

補足使用貸借(無償)と異なり、賃貸借は賃料の支払が要素となる有償契約。

15賃借権の譲渡及び転貸の制限

賃借権の譲渡及び転貸の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
  • 賃借人が賃貸人に無断で第三者に賃借物を使用又は収益させたときであっても、賃貸人は契約を解除することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
無断譲渡・転貸は不可

民法第612条賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡しe-Gov原文

誤り
解除できないとするのは誤り

民法第612条賃貸人は、契約の解除をすることができるe-Gov原文

ひっかけ無断転貸は原則解除可。ただし信頼関係を破壊しない特段の事情があれば制限される。

解説賃借権の譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要で(612条1項)、無断であれば賃貸人は解除できる(同2項)。ただし判例上、背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは解除が制限される(信頼関係破壊の法理)。賃貸管理では、転貸・サブリースの可否判断に直結する。

補足適法に転貸されたときは、転借人は賃貸人に対し直接義務を負う(613条)。

16転貸の効果

適法な転貸の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。
  • 賃借人が適法に賃借物を転貸した場合、賃貸人は、賃借人との間の賃貸借を合意により解除したことをもって、転借人に対抗することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
転借人の直接履行義務

民法第613条賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負うe-Gov原文

誤り
対抗できるとするのは誤り

民法第613条合意により解除したことをもって転借人に対抗することができないe-Gov原文

ひっかけ原賃貸借の『合意解除』は転借人に対抗できない。債務不履行解除なら対抗できる。

解説適法な転貸では、転借人は原賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲で賃貸人に直接義務を負い、賃料の前払を賃貸人に対抗できない(613条1項)。賃貸人と賃借人が原賃貸借を合意解除しても、これを転借人に対抗できない(同3項本文)。ただし賃借人の債務不履行による解除権があったときは対抗できる(同ただし書)。

補足転借人は賃貸人からの賃料請求に応じる義務を負うが、二重払いにはならない範囲に限られる。

17賃貸人たる地位の移転と対抗要件

賃貸不動産が譲渡された場合の賃貸人たる地位の移転に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃貸借の対抗要件を備えた不動産が譲渡されたときは、賃借人の承諾がなければ、賃貸人たる地位は譲受人に移転しない。
  • 賃貸人たる地位の移転は、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
賃借人の承諾を要するとするのは誤り

民法第605条の2その不動産の賃貸人たる地位は、その譲受人に移転するe-Gov原文

正しい
登記が対抗要件

民法第605条の2所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができないe-Gov原文

ひっかけ地位の移転は『当然』だが、賃借人への対抗には『登記』が必要。

解説対抗要件を備えた賃貸借では、不動産の譲渡により賃貸人たる地位は当然に譲受人へ移転する(承諾不要、605条の2第1項)。もっとも、譲受人が賃料請求等をするには所有権移転登記が必要(同3項)。費用償還債務・敷金返還債務も譲受人が承継する(同4項)。オーナーチェンジの基本。

補足賃貸人と譲受人の合意で、賃貸人たる地位を譲渡人に留保することもできる(605条の2第2項)。

18居住用建物の賃借権の承継

居住用建物の賃借権の承継に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 居住用建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合、その内縁の配偶者である同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継することはできない。
  • 承継の対象となる同居者であっても、相続人なしに死亡したことを知った後はいつでも反対の意思を表示すれば承継を免れることができ、その期間に制限はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
承継できないとするのは誤り

借地借家法第36条その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継するe-Gov原文

誤り
期間制限がないとするのは誤り

借地借家法第36条一月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときe-Gov原文

ひっかけ承継は『相続人なし』が前提。承継拒否は『1月以内』。

解説居住用建物の賃借人が相続人なしに死亡したとき、内縁の配偶者など事実上夫婦・養親子と同様の関係にあった同居者は、賃借人の権利義務を承継する(借地借家法36条)。承継を望まない同居者は、死亡を知った後1月以内に賃貸人へ反対の意思を表示する。相続人がいる場合はこの規定は適用されない。

補足相続人がいる場合の同居者の居住は、相続人の賃借権の援用等で保護される(判例)。

19賃借人による妨害の停止・返還の請求

賃借人による妨害排除等の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 対抗要件を備えた不動産の賃借人は、その不動産の占有を第三者が妨害しているときは、その第三者に対して妨害の停止を請求することができる。
  • 対抗要件を備えた不動産の賃借人であっても、その不動産を第三者が占有しているときに、その第三者に対して返還を請求することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
賃借人の妨害停止請求権

民法第605条の4その第三者に対する妨害の停止の請求e-Gov原文

誤り
返還請求できないとするのは誤り

民法第605条の4その第三者に対する返還の請求e-Gov原文

ひっかけ対抗要件を備えた賃借権には、妨害停止・返還請求権が明文で認められる。

解説対抗要件(建物の引渡し・賃借権の登記等)を備えた不動産の賃借人は、占有を妨害する第三者に妨害停止を、占有する第三者に返還を請求できる(605条の4、賃借権に基づく妨害排除等)。改正前は占有訴権や債権者代位によっていたが、改正で明文化された。賃貸管理上の不法占有者対応に関わる。

補足対抗要件を備えていない賃借権では、占有訴権等によることになる。

20建物賃貸借終了時の転借人の保護

建物賃貸借が終了した場合の転借人の保護に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 建物の転貸借がされている場合に、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときは、建物の賃貸人は、転借人にその旨の通知をしなくても、その終了を転借人に対抗することができる。
  • 建物の賃貸人が転借人に終了の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から6か月を経過することによって終了する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
通知なしで対抗できるとするのは誤り

借地借家法第34条その旨の通知をしなければ、その終了を建物の転借人に対抗することができないe-Gov原文

正しい
通知後6か月の猶予

借地借家法第34条その通知がされた日から六月を経過することによって終了するe-Gov原文

ひっかけ原賃貸借終了でも、転借人には『通知+6か月』の保護がある。

解説建物の転貸借があるときに原賃貸借が期間満了・解約申入れで終了する場合、賃貸人は転借人に通知しなければその終了を転借人に対抗できず(借地借家法34条1項)、通知をしても転貸借は6か月経過まで存続する(同2項)。サブリースの原賃貸借終了時の入居者(転借人)保護に直結する。

補足原賃貸借が賃借人の債務不履行で解除された場合は、転借人は保護されないのが原則(判例)。

21賃借人の費用償還等の請求の期間制限

賃貸借終了後の費用償還等の期間制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借人が支出した費用の償還は、賃貸借が終了した後であればいつでも請求でき、期間の制限はない。
  • 契約の本旨に反する使用によって生じた損害賠償の請求権は、貸主が返還を受けた時から1年を経過する前であっても、時効が完成することがある。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
期間制限がないとするのは誤り

民法第600条貸主が返還を受けた時から一年以内に請求しなければならないe-Gov原文

誤り
時効が完成しうるとするのは誤り

民法第600条一年を経過するまでの間は、時効は、完成しないe-Gov原文

ひっかけ用法違反の損害賠償・費用償還は『返還から1年以内』。短期の権利行使期間。

解説賃貸借終了に伴う、用法違反による損害賠償及び賃借人の費用償還は、賃貸人が目的物の返還を受けた時から1年以内に請求しなければならない(600条1項、622条で賃貸借に準用)。この損害賠償請求権は、返還を受けた時から1年を経過するまで時効が完成しない(同2項)。原状回復・敷金精算の実務に関わる。

補足賃借人の原状回復義務・収去義務も、使用貸借の規定(599条等)が準用される(622条)。

22賃貸人たる地位の留保

賃貸人たる地位の留保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃貸借の対抗要件を備えた不動産が譲渡された場合でも、譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及びその不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は譲受人に移転しない。
  • 賃貸人たる地位を留保した場合において、譲渡人と譲受人との間の賃貸借が終了したときは、譲渡人に留保されていた賃貸人たる地位は、譲受人又はその承継人に移転する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
留保特約による地位の据置き

民法第605条の2賃貸人たる地位は、譲受人に移転しないe-Gov原文

正しい
留保の終了で地位が移る

民法第605条の2譲渡人に留保されていた賃貸人たる地位は、譲受人又はその承継人に移転するe-Gov原文

ひっかけ留保には『地位の留保+譲受人から譲渡人への賃貸』の両合意が必要。

解説不動産譲渡の際、譲渡人・譲受人が地位の留保と譲受人から譲渡人への賃貸(リースバック型)を合意すれば、賃貸人たる地位は譲受人に移転しない(605条の2第2項前段)。その後この賃貸借が終了すれば、留保されていた地位は譲受人等に移転する(同後段)。サブリース等で原賃貸人を変えずに所有権だけ移す場面に対応する。

補足留保された地位が将来移転したときも、敷金返還債務等は新賃貸人が承継する。

23委任における受任者の注意義務と受取物の引渡し

民法上の委任(賃貸住宅の管理受託契約に関連する)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
  • 受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を、委任者に引き渡さなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
委任は善良な管理者の注意義務を負う

民法第644条善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負うe-Gov原文

正しい
受取物の引渡義務がある

民法第646条受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければならないe-Gov原文

ひっかけ管理受託は準委任。善管注意義務+受取金銭の引渡義務。

解説賃貸住宅の管理受託契約は、法律行為でない事務の委託として準委任に当たり、委任の規定が準用される。受任者(管理業者)は善管注意義務を負い(644条)、賃料等として受け取った金銭を委任者(賃貸人)に引き渡す義務を負う(646条)。分別管理が求められる根拠でもある。

補足報酬の有無にかかわらず善管注意義務を負う(無償でも軽減されない)。

24委任における受任者の報酬

民法上の委任における報酬に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない。
  • 報酬を受けるべき受任者は、期間によって報酬を定めた場合等を除き、委任事務を履行する前に報酬を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
報酬は特約があって初めて請求できる

民法第648条特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができないe-Gov原文

誤り
報酬は事務を履行した後でなければ請求できない

民法第648条委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができないe-Gov原文

ひっかけ委任の報酬は『特約が必要』『後払いが原則』。

解説委任は原則無償で、報酬は特約があって初めて請求できる(648条1項)。報酬は委任事務を履行した後に請求する後払いが原則(648条2項)。委任者の責めによらず履行不能となった場合や中途終了の場合は、既履行の割合に応じた報酬を請求できる(648条3項)。

補足管理受託契約では通常、管理報酬の特約があり、その内容は契約書面で明示される。

25委任の解除と準委任

民法上の委任の解除及び準委任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 委任は、やむを得ない事由がある場合に限り、各当事者がその解除をすることができる。
  • 委任の規定は、法律行為でない事務の委託(準委任)について準用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
信頼関係が基礎なのでいつでも解除可

民法第651条委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができるe-Gov原文

正しい
事実行為の委託にも委任規定が及ぶ

民法第656条この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用するe-Gov原文

ひっかけ委任は『いつでも解除可』。管理受託は『準委任』。

解説委任は当事者間の信頼関係を基礎とするため、各当事者がいつでも解除できる(651条1項)。ただし相手方に不利な時期の解除や、受任者の利益をも目的とする委任の解除では、やむを得ない事由がなければ損害賠償が必要(同2項)。賃貸住宅の管理受託(事実行為の委託)は準委任として委任の規定が準用される(656条)。

補足不利な時期の解除等では損害賠償義務が生じうる(651条2項)。

26請負の意義と注文者による契約の解除

民法上の請負(原状回復工事等に関連する)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 請負人が仕事を完成しない間であっても、注文者は、請負人の同意がなければ請負契約を解除することができない。
  • 請負は、当事者の一方が仕事を完成することを約しさえすれば、報酬の支払を約さなくても、その効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
完成前は注文者が任意に解除できる

民法第641条請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができるe-Gov原文

誤り
報酬を約さなければ請負は成立しない

民法第632条相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずるe-Gov原文

ひっかけ請負は『仕事完成+報酬』が要素。完成前は注文者がいつでも解除可。

解説請負は、仕事の完成と報酬支払の約定によって成立する有償・双務契約(632条)。原状回復工事や修繕工事は請負に当たる。仕事の完成前は、注文者がいつでも損害を賠償して契約を解除できる(641条。注文者の都合で不要になった工事を続けさせない趣旨)。

補足請負人の報酬は、原則として仕事の目的物の引渡しと同時に支払う。

27請負人の担保責任の制限

民法上の請負人の担保責任の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 請負人が契約の内容に適合しない仕事の目的物を引き渡した場合でも、その不適合が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じたものであるときは、注文者は、原則として履行の追完や損害賠償の請求等をすることができない。
  • もっとも、請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら注文者に告げなかったときは、注文者は履行の追完等を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
注文者側に起因する不適合は請負人を免責

民法第636条注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができないe-Gov原文

正しい
悪意の不告知があれば請負人は責任を負う

民法第636条請負人がその材料又は指図が不適当であることを知りながら告げなかったときは、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ注文者の材料・指図による不適合は免責。ただし請負人が知りつつ黙れば責任あり。

解説請負人の担保責任(契約不適合責任)は、その不適合が注文者の供した材料の性質や注文者の指図によって生じたものであれば、原則として制限される(636条本文)。ただし、請負人がその材料・指図の不適当を知りながら告げなかったときは、専門家として免責されない(同ただし書)。

補足契約不適合を知った時から1年以内に通知しないと、原則として担保責任を追及できない。

28賃借人による修繕

民法上の賃借人による修繕に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借物の修繕が必要である場合において、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときは、賃借人は、その修繕をすることができる。
  • 急迫の事情がある場合であっても、賃借人は、あらかじめ賃貸人に通知しなければ、自ら修繕をすることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
賃貸人が修繕しないときは賃借人が自ら修繕可

民法第607条の2賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないときe-Gov原文

誤り
急迫時は事前通知が不要

民法第607条の2急迫の事情があるときe-Gov原文

ひっかけ賃借人の修繕は『通知後・相当期間不修繕』か『急迫の事情』。急迫なら通知不要。

解説賃借物の修繕は本来賃貸人の義務だが、①賃借人の通知(又は賃貸人の認識)後、相当の期間内に賃貸人が修繕しないとき、②急迫の事情があるとき、は賃借人が自ら修繕できる(607条の2)。急迫の場合は事前通知が不要な点に注意。

補足賃借人が支出した必要費は、賃貸人に直ちに償還請求できる(608条1項)。

29賃借人の通知義務

民法上の賃借人の通知義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、賃貸人が既にこれを知っている場合であっても、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。
  • 賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、原則として、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
賃貸人が知っていれば通知の必要はない

民法第615条賃貸人が既にこれを知っているときは、この限りでないe-Gov原文

正しい
賃貸人が適切に対応できるよう通知が必要

民法第615条賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は、遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならないe-Gov原文

ひっかけ賃借人は修繕の必要・第三者の権利主張を通知。賃貸人が既知なら不要。

解説賃借人は、賃借物が修繕を要するときや、賃借物について権利を主張する者があるときは、遅滞なく賃貸人に通知しなければならない(615条)。賃貸人が修繕や権利保全の対応をとれるようにするため。ただし、賃貸人が既に知っているときは通知不要。

補足賃貸住宅管理では、入居者からの連絡を受けた管理業者が賃貸人に報告する実務がこれに対応する。

30賃貸借の更新の推定と担保

民法上の賃貸借の更新の推定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃貸借の期間が満了した後、賃借人が賃借物の使用又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議を述べないときは、従前の賃貸借より賃借人に不利な条件で更新したものとみなされる。
  • 更新が推定された場合、従前の賃貸借について当事者が供していた担保(敷金を除く)は、期間の満了後も当然に存続する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
同一条件での更新が推定される

民法第619条従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をしたものと推定するe-Gov原文

誤り
保証等の担保は期間満了で消滅する

民法第619条その担保は、期間の満了によって消滅するe-Gov原文

ひっかけ黙示の更新は『同一条件で推定』。従前の担保は消滅(敷金は除く)。

解説賃貸借の期間満了後も賃借人が使用収益を継続し、賃貸人が知りつつ異議を述べないときは、従前と同一条件での更新が推定される(黙示の更新。619条1項)。ただし更新後は期間の定めのない賃貸借となり、解約申入れができる。従前の担保(保証等)は期間満了で消滅するが、敷金は引き継がれる(619条2項)。

補足借地借家法が適用される建物賃貸借では、法定更新(借地借家法26条)が優先的に問題となる。

31建物賃貸借の更新拒絶の通知と使用継続

借地借家法上の建物賃貸借契約の更新に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 期間の定めがある建物の賃貸借において、当事者が期間の満了の1年前から6か月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。
  • 更新をしない旨の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後に建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときは、契約を更新したものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
通知期間内に更新拒絶しないと法定更新

借地借家法第26条期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなすe-Gov原文

正しい
使用継続に異議を述べないと更新される

借地借家法第26条建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とするe-Gov原文

ひっかけ法定更新は『通知しない場合』と『使用継続に異議なしの場合』の2段構え。

解説建物賃貸借の法定更新には2つの場面がある。①期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶等の通知をしないと従前と同一条件で更新(ただし期間は定めなし)、②通知をしても期間満了後に賃借人が使用を継続し賃貸人が遅滞なく異議を述べないと更新(26条)。賃貸管理で更新事務を扱う際の基本。

補足更新拒絶の通知や解約申入れには、正当事由が必要(28条)。

32解約による建物賃貸借の終了と借地借家法の強行規定

借地借家法上の建物賃貸借の解約及び強行規定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6か月を経過することによって終了する。
  • 建物賃貸借の対抗力や建物賃貸借終了時の転借人の保護に関する規定に反する特約は、建物の賃借人又は転借人に有利なものであっても、無効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
解約申入れから6月で終了

借地借家法第27条建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了するe-Gov原文

誤り
不利な特約のみ無効・有利な特約は有効

借地借家法第37条建物の賃借人又は転借人に不利なものは、無効とするe-Gov原文

ひっかけ解約は『賃貸人6月・賃借人3月』。強行規定が無効にするのは『不利な特約』だけ。

解説期間の定めのない建物賃貸借では、賃貸人からの解約申入れの日から6か月で終了する(27条1項。正当事由が必要)。なお賃借人からの解約は民法617条により3か月。借地借家法の主要規定(対抗力31条・転借人保護34条等)は片面的強行規定で、賃借人・転借人に不利な特約のみ無効となり、有利な特約は有効(37条)。

補足賃借人からの解約申入れによる終了は民法の規定(617条1項)により3か月後。

33取壊し予定の建物の賃貸借と一時使用目的の建物賃貸借

借地借家法上の取壊し予定の建物の賃貸借及び一時使用目的の建物賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合であっても、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることはできない。
  • 借地借家法の建物の賃貸借に関する規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
取壊し時終了の特約は有効に定められる

借地借家法第39条建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができるe-Gov原文

正しい
一時使用なら借家保護規定は不適用

借地借家法第40条一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しないe-Gov原文

ひっかけ取壊し予定は『終了特約OK』、一時使用は『借家規定の適用なし』。

解説取壊し予定の建物の賃貸借(39条)は、法令・契約で一定期間後の取壊しが明らかな場合に、取壊し時に終了する旨の特約を書面で定められる。一時使用目的の建物賃貸借(40条)は、一時使用が明らかなら借地借家法の借家保護規定が適用されず、期間や更新は当事者の合意による。いずれも通常の借家保護の例外。

補足取壊し予定建物の終了特約は、取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならない(39条2項)。

34取壊し予定建物の特約の方式と転貸借への法定更新の準用

借地借家法上の建物賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 取壊し予定の建物の賃貸借において建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定める特約は、建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならない。
  • 建物の転貸借がされている場合において、建物の転借人がする使用の継続は、建物の賃借人がする使用の継続とはみなされず、賃借人と賃貸人との間に法定更新の規定は適用されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
終了特約は書面でしなければならない

借地借家法第39条建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならないe-Gov原文

誤り
転借人の使用継続も法定更新に反映される

借地借家法第26条建物の転借人がする建物の使用の継続を建物の賃借人がする建物の使用の継続とみなしてe-Gov原文

ひっかけ取壊し終了特約は『書面』。転借人の使用継続も『賃借人の使用継続とみなす』。

解説取壊し予定建物の終了特約は書面(取壊し事由を記載)が必要(39条2項)。法定更新の使用継続(26条2項)は、転貸借があるときは転借人の使用継続を賃借人の使用継続とみなして適用される(26条3項)。転借人を保護しつつ、原賃貸借の更新に転借人の事情を反映させる仕組み。

補足電磁的記録によって特約がされたときは、書面によってされたものとみなされる(39条3項)。

35解約申入れによる終了時の使用継続規定の準用と法定更新後の期間

借地借家法上の建物賃貸借の終了及び更新に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 建物の賃貸借が解約の申入れによって終了した場合には、賃借人の使用継続及び賃貸人の異議に関する規定は準用されない。
  • 更新拒絶の通知がないことにより建物賃貸借が法定更新された場合、更新後の契約はその期間の定めがないものとなる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
解約申入れの場合も使用継続による更新あり

借地借家法第27条前条第二項及び第三項の規定は、建物の賃貸借が解約の申入れによって終了した場合に準用するe-Gov原文

正しい
法定更新後は期間の定めがなくなる

借地借家法第26条その期間は、定めがないものとするe-Gov原文

ひっかけ解約申入れ終了も『使用継続で更新』。法定更新後は『期間の定めなし』。

解説解約申入れにより建物賃貸借が終了する場合も、使用継続・異議の規定(26条2項3項)が準用され、賃借人が使用を継続し賃貸人が遅滞なく異議を述べなければ更新される(27条2項)。法定更新された契約は従前と同一条件だが、期間だけは定めのないものとなる(26条1項ただし書)ため、その後は解約申入れによって終了させることになる。

補足期間の定めのない契約となるため、以後の終了には正当事由を伴う解約申入れが必要。

36個人根保証契約の極度額

賃貸借契約における保証(個人根保証契約)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借人の債務を主たる債務とする個人根保証契約は、極度額を定めなければ、その効力を生じない。
  • 個人根保証契約の保証人は、極度額の定めにかかわらず、主たる債務の元本及び利息等の全額について履行する責任を負う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
465条の2第2項が極度額を効力要件とする

民法第465条の2個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じないe-Gov原文

誤り
465条の2第1項が責任を極度額の範囲に限定

民法第465条の2その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負うe-Gov原文

ひっかけ個人根保証は『極度額』の定めが必須。なければ無効。

解説一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約のうち保証人が個人であるものを個人根保証契約という。賃料債務の保証はこれに当たることが多い。①保証人の責任は元本・利息・損害賠償等の全部に係る極度額を限度とする(465条の2第1項)、②極度額を定めなければ効力を生じない(同条2項)、③極度額の定めは書面(電磁的記録)でしなければならない(同条3項・446条2項3項準用)。

補足保証人が法人である根保証契約には、この極度額の規制は適用されない(465条の2は『個人』根保証契約の規律)。

37賃料の支払時期

民法上の賃料の支払時期に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。なお、当事者間に特約はないものとする。

  • 建物の賃料は、毎月末に支払わなければならない。
  • 収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく賃料を支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
614条本文が建物の賃料を毎月末払いとする

民法第614条賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末にe-Gov原文

正しい
614条ただし書が収穫期のある場合の特則を定める

民法第614条収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならないe-Gov原文

ひっかけ民法の原則は『後払い(末払い)』。前払いは特約による。

解説民法上、賃料は後払いが原則で、動産・建物・宅地は毎月末、その他の土地は毎年末に支払う(614条本文)。収穫の季節があるものは、その季節の後に遅滞なく支払う(同条ただし書)。もっとも実務では『当月分を前月末までに前払い』とする特約が一般的で、614条は任意規定のため特約が優先する。

補足614条は任意規定なので、賃貸借契約で前払いの特約をすればその特約が優先する。

38賃貸借の解除の効力(将来効)

民法上の賃貸借の解除の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃貸借の解除をした場合には、その解除は、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。
  • 賃貸借の解除をした場合であっても、損害賠償の請求は妨げられない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
620条前段が解除の遡及効を否定する

民法第620条賃貸借の解除をした場合には、その解除は、将来に向かってのみその効力を生ずるe-Gov原文

正しい
620条後段が損害賠償請求を妨げないとする

民法第620条損害賠償の請求を妨げないe-Gov原文

ひっかけ賃貸借の解除は『将来効』。契約時に遡らない。

解説賃貸借のような継続的契約の解除には遡及効がなく、将来に向かってのみ効力を生ずる(620条前段。講学上は『解約告知』)。既に経過した期間の賃料関係などは清算されず有効に存続する。解除をしても、債務不履行による損害賠償の請求は妨げられない(同条後段)。

補足使用貸借の解除にも同様の将来効の規定が準用される(622条で620条を準用)。

39賃貸借終了時の収去義務・収去権

賃貸借が終了した場合の賃借人の収去に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、賃貸借が終了したときであっても、その附属させた物を収去する義務を負わない。
  • 賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに附属させた物を、収去する権利を有しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
599条1項(622条で準用)が収去義務を定める

民法第599条その附属させた物を収去する義務を負うe-Gov原文

誤り
599条2項(622条で準用)が収去権を定める

民法第599条借用物を受け取った後にこれに附属させた物を収去することができるe-Gov原文

ひっかけ附属物は『収去する義務』も『収去する権利』も両方ある。

解説賃貸借が終了したとき、賃借人は賃借物に附属させた物について、①収去する義務を負い(599条1項。ただし分離できない物や過分の費用を要する物は除く)、②収去する権利も有する(同条2項)。これらは使用貸借の規定が622条により賃貸借に準用されるものである。なお賃借人は損傷を原状に復する義務も負う(621条)。

補足賃借物から分離できない物や、分離に過分の費用を要する物については、収去義務を負わない(599条1項ただし書)。

40保証契約の方式と保証債務の範囲

賃貸借契約における保証に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保証契約は、口頭の合意によっても、その効力を生ずる。
  • 保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
446条2項が保証契約に書面を要求

民法第446条保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じないe-Gov原文

正しい
447条1項が保証債務の範囲を定める

民法第447条保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含するe-Gov原文

ひっかけ保証契約は『書面』が必須。範囲は利息・損害賠償等も含む。

解説保証契約は書面(又は電磁的記録)でしなければ効力を生じない(446条2項3項、要式契約)。保証債務は主たる債務に関する利息・違約金・損害賠償その他従たるすべてのものを包含する(447条1項)。賃貸借では、賃料のほか原状回復費や遅延損害金も保証の対象となりうる(個人根保証なら極度額の範囲内)。

補足賃貸借の保証人は、賃料だけでなく、賃借人の債務不履行に基づく損害賠償債務も保証の対象となりうる。

41賃料の受領拒否と弁済供託

賃料の供託(弁済供託)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 賃借人(弁済者)は、賃料の弁済の提供をした場合において賃貸人(債権者)がその受領を拒んだときは、賃貸人のために弁済の目的物を供託することができる。
  • 賃借人が賃料を供託しても、賃貸人がその供託を受諾するまでは、賃料債権は消滅しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
494条1項が受領拒否時の供託を認める

民法第494条債権者のために弁済の目的物を供託することができるe-Gov原文

誤り
494条1項が供託時の債権消滅を定める

民法第494条弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅するe-Gov原文

ひっかけ供託は『した時』に債権消滅。賃貸人の受諾は不要。

解説賃借人は、①賃貸人が賃料の受領を拒んだとき、②賃貸人が受領できないとき、③過失なく賃貸人を確知できないとき(賃貸人死亡・相続争い等)に、賃料を供託できる(494条)。供託をした時に賃料債権は消滅するため、賃借人は債務不履行(賃料不払い)の責任を免れる。

補足賃貸人を確知できないことについて賃借人に過失があるときは、確知不能を理由とする供託はできない(494条2項ただし書)。

42使用貸借の意義

民法上の使用貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生ずる。
  • 使用貸借は、借主が貸主に賃料を支払うことを内容とする契約である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
593条が使用貸借を定義する

民法第593条相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずるe-Gov原文

誤り
593条が使用貸借を無償契約とする

民法第593条無償で使用及び収益をしてe-Gov原文

ひっかけ使用貸借は『無償』。賃料を支払う賃貸借とは別の契約。

解説使用貸借は、借主が無償で物を使用収益し、契約終了時に返還する契約である(593条)。賃料を支払う賃貸借(601条)と異なり無償である点が本質的な違いである。無償ゆえ、借主の地位は賃借人より弱く、対抗力(借地借家法等の保護)もない。賃貸管理では、無償の貸借か有償の賃貸借かで適用法理が大きく異なる。

補足令和2年施行の改正で、使用貸借は要物契約から諾成契約に変更された。

43借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除

民法上の借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 貸主は、借主が借用物を受け取るまでは、契約の解除をすることができる。
  • 書面による使用貸借については、貸主は、借主が借用物を受け取る前であっても、契約を解除することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
593条の2本文が引渡し前の貸主の解除を認める

民法第593条の2貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができるe-Gov原文

正しい
593条の2ただし書が書面の場合を例外とする

民法第593条の2書面による使用貸借については、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ口頭の使用貸借は引渡し前に貸主が解除可。書面なら解除不可。

解説使用貸借は諾成契約だが、無償契約であることから、貸主は借主が借用物を受け取るまでは契約を解除できる(593条の2本文)。ただし、書面による使用貸借については、引渡し前であっても解除できない(同条ただし書)。書面の有無で引渡し前の拘束力が異なる点に注意する。

補足書面によらない贈与の解除(550条)と同様、無償契約の引渡し前の拘束力を限定する趣旨である。

44借用物の費用の負担

民法上の使用貸借における借用物の費用の負担に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用貸借における借用物の通常の必要費は、貸主が負担する。
  • 使用貸借における借用物の通常の必要費は、借主が負担する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
595条1項が通常の必要費を借主負担とする

民法第595条借主は、借用物の通常の必要費を負担するe-Gov原文

正しい
595条1項が通常の必要費を借主負担とする

民法第595条借主は、借用物の通常の必要費を負担するe-Gov原文

ひっかけ使用貸借の『通常の必要費』は借主負担。賃貸借では賃貸人に償還請求できる。

解説使用貸借では、借主が借用物の通常の必要費を負担する(595条1項)。これに対し、賃貸借では、賃借人が支出した必要費を賃貸人に償還請求できる(608条1項)。無償で借りる使用貸借では借主が通常の維持費を負担する点が、有償の賃貸借と異なる。通常の必要費以外の費用(特別の必要費・有益費)は、賃貸借の費用償還の規定(583条2項)が準用される(595条2項)。

補足通常の必要費以外の費用(有益費等)は、賃貸借の費用償還の規定が準用される(595条2項)。

45使用貸借の終了

民法上の使用貸借の終了に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 使用貸借は、貸主の死亡によって終了する。
  • 当事者が使用貸借の期間を定めたときであっても、その期間が満了しても使用貸借は終了しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
597条3項が借主の死亡を終了事由とする

民法第597条使用貸借は、借主の死亡によって終了するe-Gov原文

誤り
597条1項が期間満了を終了事由とする

民法第597条使用貸借は、その期間が満了することによって終了するe-Gov原文

ひっかけ使用貸借は『借主の死亡』で終了。賃貸借の賃借権は相続される。

解説使用貸借は、①期間を定めたときはその期間の満了(597条1項)、②期間を定めず使用収益の目的を定めたときはその目的に従った使用収益の終了(同条2項)、③借主の死亡(同条3項)によって終了する。借主の死亡で終了する点は、賃借権が原則として相続される賃貸借と大きく異なる。

補足賃貸借は賃借人の死亡では当然には終了せず、賃借権は相続人に承継される。

46使用貸借の解除と借主の収去・原状回復義務

民法上の使用貸借の解除及び借主の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 当事者が使用貸借の期間並びに使用及び収益の目的を定めなかったときは、貸主は、いつでも契約の解除をすることができる。
  • 借主は、使用貸借が終了しても、借用物を受け取った後に生じた損傷を原状に復する義務を負わない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
598条2項が貸主の任意解除を認める

民法第598条貸主は、いつでも契約の解除をすることができるe-Gov原文

誤り
599条3項が借主の原状回復義務を定める

民法第599条その損傷を原状に復する義務を負うe-Gov原文

ひっかけ期間も目的もない使用貸借は貸主がいつでも解除可。借主は原状回復義務を負う。

解説使用貸借では、期間も目的も定めないときは貸主がいつでも解除でき(598条2項)、借主はいつでも解除できる(同条3項)。借主は、借用物に附属させた物の収去義務(599条1項)と、生じた損傷の原状回復義務(同条3項。借主の責めに帰せない損傷を除く)を負う。賃貸借の原状回復(621条)と同様の規律である。

補足賃貸借でも、賃借人は通常損耗・経年変化を除き原状回復義務を負う(621条)。

47短期賃貸借

民法上の短期賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 処分の権限を有しない者がする建物の賃貸借は、5年を超えることができない。
  • 処分の権限を有しない者がする土地の賃貸借(樹木の栽植・伐採を目的とする山林を除く)は、5年を超えることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
602条3号が建物の短期賃貸借を3年とする

民法第602条建物の賃貸借三年e-Gov原文

正しい
602条2号が土地の短期賃貸借を5年とする

民法第602条前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借五年e-Gov原文

ひっかけ短期賃貸借は『山林10年・土地5年・建物3年・動産6か月』。

解説処分の権限を有しない者(権限の定めのない代理人、後見監督人がいる場合の後見人等)がする賃貸借は、短期賃貸借として期間が制限される。①樹木の栽植・伐採目的の山林は10年、②それ以外の土地は5年、③建物は3年、④動産は6か月を超えることができない(602条)。これより長い期間を定めても、この期間に短縮される。

補足処分の権限のある所有者が締結する賃貸借には、この期間制限は適用されない。

48保証人の催告の抗弁と検索の抗弁

賃借人の債務を保証した保証人の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。
  • 保証人が検索の抗弁を行使するには、主たる債務者に弁済の資力があることを証明すれば足り、執行が容易であることまで証明する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
452条が催告の抗弁を定める

民法第452条保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができるe-Gov原文

誤り
453条が検索の抗弁の要件を定める

民法第453条保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならないe-Gov原文

ひっかけ検索の抗弁は『資力+執行の容易性』の双方を証明して初めて主張できる。

解説(単純)保証人には、まず主たる債務者に催告せよと求める催告の抗弁(452条)と、主たる債務者に弁済の資力があり執行も容易であることを証明して、まず主たる債務者の財産から執行せよと求める検索の抗弁(453条)がある。検索の抗弁は『資力』と『執行の容易性』の両方の証明が必要な点に注意。

補足賃貸借の保証は連帯保証とされることが多く、その場合これらの抗弁は使えない(454条)。

49連帯保証の特則

賃借人の債務についての連帯保証に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、催告の抗弁を有しない。
  • 連帯保証人は、検索の抗弁も有しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
454条が連帯保証人に前二条の権利を認めない

民法第454条保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しないe-Gov原文

正しい
454条の「前二条の権利」に検索の抗弁も含まれる

民法第454条保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しないe-Gov原文

ひっかけ連帯保証人は催告の抗弁・検索の抗弁の『両方とも』使えない。

解説連帯保証人は、催告の抗弁(452条)も検索の抗弁(453条)も有しない(454条)。そのため、債権者は主たる債務者にまず請求・執行することなく、いきなり連帯保証人に全額を請求できる。賃貸借の保証はほとんどが連帯保証なので、保証人の責任は重い。

補足個人が賃借人の債務を連帯保証する根保証契約では、極度額を定めなければ効力を生じない(465条の2)。

50主たる債務者について生じた事由の効力

賃借人(主たる債務者)について生じた事由の保証人に対する効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 主たる債務者に対する履行の請求による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対してはその効力を生じない。
  • 主たる債務者が債権者に対して相殺権を有するときは、保証人は、その相殺によって主たる債務者が債務を免れるべき限度で、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
457条1項が主債務者に生じた時効の効力を保証人に及ぼす

民法第457条主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずるe-Gov原文

正しい
457条3項が保証人の履行拒絶権を定める

民法第457条保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができるe-Gov原文

ひっかけ主債務者に生じた時効の完成猶予・更新は『保証人にも及ぶ』(付従性)。

解説保証債務は主たる債務に従たるものなので、主たる債務者に生じた時効の完成猶予・更新は保証人にも効力が及ぶ(457条1項)。また、保証人は主たる債務者の抗弁を援用でき(同条2項)、主たる債務者が相殺権・取消権・解除権を有する限度で、保証人は債務の履行を拒むことができる(同条3項)。

補足逆に、保証人について生じた事由は、弁済等を除き原則として主たる債務者に影響しない。

51主たる債務の履行状況に関する情報提供義務

保証人に対する主たる債務の履行状況に関する情報提供義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 委託を受けた保証人から請求があったときは、債権者は、遅滞なく、主たる債務の元本や利息等の不履行の有無、残額及び弁済期が到来している額に関する情報を提供しなければならない。
  • この情報提供義務は、主たる債務者の委託を受けずに保証をした保証人から請求があった場合にも、債権者に課される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
458条の2が情報提供義務を定める

民法第458条の2保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なくe-Gov原文

誤り
458条の2は委託を受けた保証を要件とする

民法第458条の2保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なくe-Gov原文

ひっかけ履行状況の情報提供を請求できるのは『委託を受けた』保証人だけ。

解説委託を受けた保証人から請求があれば、債権者は遅滞なく主たる債務の不履行の有無・残額・弁済期到来額などの履行状況を提供しなければならない(458条の2)。保証人が知らないうちに延滞が膨らむのを防ぐ趣旨で、賃貸保証では家賃滞納状況の把握に関わる。委託を受けない保証人にはこの請求権がない点が要注意。

補足主たる債務者が期限の利益を喪失したときは、債権者は個人保証人に対し2か月以内にその旨を通知する義務がある(458条の3)。

52不動産賃貸借の対抗力

不動産賃貸借の対抗力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不動産の賃貸借は、これを登記しなくても、当然に、その不動産について物権を取得した第三者に対抗することができる。
  • 不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
605条が登記を対抗要件とする

民法第605条不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができるe-Gov原文

正しい
605条が賃借権の登記による対抗力を定める

民法第605条不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができるe-Gov原文

ひっかけ民法は『賃借権の登記』が対抗要件。建物賃貸借は引渡しでも対抗できる(借地借家法31条)。

解説民法上、不動産賃貸借を第三者に対抗するには賃借権の登記が必要だが(605条)、賃借権の登記には賃貸人の協力が必要で実際にはまれ。そこで借地借家法は、建物の引渡しを受ければ建物賃借権を対抗できるとし(借地借家法31条)、賃借人を厚く保護している。建物賃貸借では引渡しが実質的な対抗要件となる。

補足賃借人が対抗要件を備えた不動産が譲渡されると、賃貸人たる地位は原則として譲受人に移転する(605条の2)。

53賃貸人たる地位の移転の合意と解約権の留保

賃貸人たる地位の移転及び解約権の留保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不動産の譲渡人が賃貸人である場合、その賃貸人たる地位を譲受人に移転するには、賃借人の承諾を得なければならない。
  • 期間を定めた賃貸借において、当事者が期間内に解約をする権利を留保していても、その期間内に解約の申入れをすることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
605条の3が合意による地位移転を認める

民法第605条の3その賃貸人たる地位は、賃借人の承諾を要しないで、譲渡人と譲受人との合意により、譲受人に移転させることができるe-Gov原文

誤り
618条が解約権留保の場合に617条を準用する

民法第618条その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、前条の規定を準用するe-Gov原文

ひっかけ地位の移転は『賃借人の承諾不要』。解約権を留保すれば期間内でも解約申入れ可。

解説賃貸人たる地位の移転は、賃借人にとって誰が賃貸人でも履行内容が変わらないため、賃借人の承諾なく譲渡人・譲受人の合意で移転できる(605条の3)。また、期間を定めた賃貸借でも、解約権を留保していれば期間内に解約の申入れができ、期間の定めのない賃貸借の解約申入れの規定(617条)が準用される(618条)。

補足合意で地位を移転した後、賃借人に賃料を請求するには、譲受人が所有権移転登記を備える必要がある(605条の3後段・605条の2第3項)。

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