問1借地借家法における借地権の定義
借地借家法の借地権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権とは、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。
- イ.臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、存続期間や建物買取請求権等の規定は適用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 2条1号のとおり → 正しい
借地借家法第2条「借地権建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう」e-Gov原文
- イ.正しい
- 25条のとおり → 正しい
借地借家法第25条「臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、適用しない」e-Gov原文
ひっかけ借地権は『建物の所有を目的』とする地上権又は土地賃借権(駐車場等の資材置場目的は借地権でない)。一時使用目的は存続期間等の規定が『適用されない』(2条・25条)。
解説借地権とは、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう(2条1号)。借地権を有する者を借地権者、借地権を設定している者を借地権設定者という(同条2号3号)。借地借家法における借地権の定義を押さえる。
補足建物所有目的でない土地賃貸借(資材置場・駐車場等)は借地借家法の借地権に当たらず、民法の賃貸借の規定によることになる。賃貸経営では建物所有目的かどうかの判断が重要である。
問2借地借家法における借地権の存続期間
借地権の存続期間及び一時使用目的の借地権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
- イ.臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合であつても、存続期間や建物買取請求権等の規定が適用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 3条のとおり → 正しい
借地借家法第3条「借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 適用しない → 『適用される』は誤り
借地借家法第25条「臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、適用しない」e-Gov原文
ひっかけ借地権の存続期間は『30年』が原則(契約でより長い期間は可、短い期間は無効で30年)。一時使用目的は存続期間等の規定を『適用しない』(3条・25条)。
解説借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする(3条)。30年より短い期間を定めても無効で、存続期間は30年となる。借地借家法における借地権の存続期間を押さえる。
補足借地権の存続期間は最低30年で、これより短くはできない(借地権者保護)。建物賃貸借(借家)に存続期間の下限がない点と異なる。契約で30年より長い期間を定めることは可能である。
問3借地権の更新後の期間
借地権の更新後の期間及び建物譲渡特約付借地権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から十年(借地権の設定後の最初の更新にあつては、二十年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
- イ.借地権を設定する場合においては、その設定後三十年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- イ.正しい
- 24条1項のとおり → 正しい
借地借家法第24条「その設定後三十年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる」e-Gov原文
ひっかけ更新後の期間は『最初の更新20年・2回目以降10年』(より長い期間も可)。建物譲渡特約付借地権は設定後『30年以上』を経過した日に建物譲渡(4条・24条)。
解説当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から10年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、20年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする(4条)。借地権の更新後の期間を押さえる。
補足当初30年→最初の更新で20年→次回以降10年と段階的に短くなる(下限)。より長い期間の定めは可能である。建物譲渡特約付借地権は30年以上経過後の建物譲渡により借地権を消滅させる方式である。
問4借地契約の更新請求等
借地契約の更新請求等及び借地権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。
- イ.借地権の存続期間は、契約で定めれば、三十年より短い期間とすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 5条1項のとおり → 正しい
借地借家法第5条「建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす」e-Gov原文
- イ.誤り
- 存続期間は30年でこれより短くできない → 『30年より短い期間とすることができる』は誤り
ひっかけ『建物がある場合に限り』更新請求・使用継続で法定更新(設定者は遅滞なく正当事由ある異議で拒絶)。存続期間は30年より短くできない(5条・3条)。
解説借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない(5条1項)。存続期間満了後に借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り同様である(同条2項)。借地契約の更新請求等を押さえる。
補足法定更新は建物が存在する場合に限られる。借地権設定者が更新を拒絶するには遅滞なく異議を述べ、かつその異議に正当の事由(6条)が必要である。
問5借地契約の更新拒絶の要件
借地契約の更新拒絶の要件及び事業用定期借地権等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地契約の更新拒絶の異議は、借地権設定者及び借地権者が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。
- イ.専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がないこと等を定めることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 6条のとおり → 正しい
借地借家法第6条「正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることが」e-Gov原文
- イ.正しい
- 23条1項のとおり → 正しい
借地借家法第23条「存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては」e-Gov原文
ひっかけ更新拒絶の異議には『正当の事由』が必要(土地使用の必要性・従前の経過・立退料の申出等を考慮)。事業用定期借地権等は『事業用建物・30年以上50年未満』(6条・23条)。
解説借地契約の更新拒絶の異議は、借地権設定者及び借地権者が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過・土地の利用状況・立退料等の財産上の給付の申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない(6条)。借地契約の更新拒絶の要件を押さえる。
補足更新拒絶には正当事由が必要で、借地権者の土地使用の必要性が重視される。立退料(財産上の給付)の申出は正当事由の補完的な考慮要素である。事業用定期借地権等は居住用を除く。
問6建物の再築による借地権の期間の延長
建物の再築による借地権の期間の延長及び借地契約の更新請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失があつた場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾があつた日又は建物が築造された日のいずれか早い日から二十年間存続する。
- イ.借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物の有無にかかわらず、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 7条1項のとおり → 正しい
借地借家法第7条「借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から二十年間存続する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 建物がある場合に限り → 『建物の有無にかかわらず』は誤り
借地借家法第5条「建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ存続期間満了前に建物滅失し『設定者の承諾を得て』残存期間を超える建物を再築すると、借地権は承諾日又は築造日の早い日から『20年間』存続。法定更新は建物がある場合に限る(7条・5条)。
解説借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その築造につき借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から20年間存続する(7条1項)。建物の再築による借地権の期間の延長を押さえる。
補足存続期間中の建物滅失後、設定者の承諾を得て再築すると借地権が20年延長される。承諾がない場合や更新後の再築(8条)では扱いが異なる。
問7借地権の対抗力
借地権の対抗力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権は、その登記がなければ、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有していても、これをもつて第三者に対抗することができない。
- イ.借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもつて第三者に対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 建物の登記があれば借地権の登記がなくても対抗できる → 『対抗できない』は誤り
借地借家法第10条「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 10条1項のとおり → 正しい
借地借家法第10条「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる」e-Gov原文
ひっかけ借地権は、その登記がなくても『借地上に借地権者名義で登記された建物』を所有すれば第三者に対抗できる(10条)。
解説借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる(10条1項)。建物の滅失があっても、一定事項を土地の見やすい場所に掲示すれば、滅失日から2年間は対抗力が維持される(同条2項)。借地権の対抗力を押さえる。
補足借地権の登記は借地権設定者の協力が必要で困難なため、借地権者が自己名義で登記した建物を所有することで対抗力が認められる。建物の登記名義が借地権者本人であることが必要である。
問8借地の地代等増減請求権
借地の地代等増減請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地代等が経済事情の変動等により不相当となつたときであつても、当事者は、将来に向かつて地代等の額の増減を請求することはできない。
- イ.地代等が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の変動その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となつたときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かつて地代等の額の増減を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 将来に向かって増減を請求できる → 『請求することはできない』は誤り
借地借家法第11条「当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 11条1項のとおり → 正しい
借地借家法第11条「当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ地代等が公課の増減・土地価格の変動・近傍類似との比較で不相当となったときは、契約の条件にかかわらず『将来に向かって』増減を請求できる(11条)。
解説地代又は土地の借賃(地代等)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる(11条1項)。借地の地代等増減請求権を押さえる。
補足地代等増減請求は形成権で、請求により将来に向かって効力を生じる。一定期間増額しない旨の特約があれば増額請求はできない。借家の借賃増減請求(32条)と同様の趣旨である。
問9借地権者の建物買取請求権
借地権者の建物買取請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときであつても、借地権者は、借地権設定者に対し、建物を時価で買い取るべきことを請求することはできない。
- イ.借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 建物買取請求ができる → 『請求することはできない』は誤り
借地借家法第13条「借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 13条1項のとおり → 正しい
借地借家法第13条「借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ存続期間満了で『契約の更新がない』ときは、借地権者は建物その他附属物を『時価で買い取るべきこと』を請求できる(建物買取請求権)(13条)。
解説借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる(13条1項、建物買取請求権)。借地権者の建物買取請求権を押さえる。
補足建物買取請求権は形成権で、行使により売買契約が成立する。借地権者が投下資本を回収し、社会経済上有用な建物の取壊しを防ぐ趣旨である。定期借地権等では建物買取請求をしない旨を定められる。
問10第三者の建物買取請求権
第三者の建物買取請求権及び借地権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原によつて土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
- イ.借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 14条のとおり → 正しい
借地借家法第14条「その第三者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 3条のとおり → 正しい
借地借家法第3条「借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする」e-Gov原文
ひっかけ借地上の建物を取得した第三者は、設定者が賃借権の譲渡・転貸を承諾しないとき、建物を『時価で買い取るべきこと』を請求できる(14条)。
解説第三者が賃借権の目的である土地の上の建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる(14条)。第三者の建物買取請求権を押さえる。
補足借地上の建物を競売等で取得した第三者は、設定者が賃借権の譲渡・転貸を承諾しなければ土地を使用できないため、建物買取請求権が認められる。設定者の承諾に代わる裁判所の許可(20条・借地非訟)とあわせて理解する。
問11土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可
土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可及び借地権の対抗力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権者が借地上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
- イ.借地権は、その登記がなければ、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有していても、これをもつて第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 19条1項のとおり → 正しい
借地借家法第19条「裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 建物の登記があれば対抗できる → 『対抗することができない』は誤り
借地借家法第10条「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる」e-Gov原文
ひっかけ借地上建物の譲渡に伴う賃借権の譲渡転貸を設定者が承諾しないとき、不利がなければ裁判所が『承諾に代わる許可』を与えられる(借地非訟)(19条)。
解説借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(19条1項)。土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可を押さえる。
補足土地賃借権(借地権)の譲渡・転貸には設定者の承諾が必要だが(民法612条)、不利がなければ裁判所が承諾に代わる許可を与えられる(借地非訟事件)。建物所有を目的とする借地権の流通性を確保する趣旨である。
問12定期借地権
定期借地権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.存続期間を三十年以上として借地権を設定する場合においては、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、建物買取請求をしないこととする旨を定めることができる。
- イ.存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに建物買取請求をしないこととする旨を定めることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 50年以上 → 『三十年以上』は誤り
借地借家法第22条「存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては」e-Gov原文
- イ.正しい
- 22条のとおり → 正しい
借地借家法第22条「存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては」e-Gov原文
ひっかけ(一般)定期借地権は存続期間『50年以上』で更新なし・買取請求なし等を定める(公正証書等の書面による)(22条)。
解説存続期間を50年以上として借地権を設定する場合においては、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに建物買取請求をしないこととする旨を定めることができる。この特約は、公正証書による等書面によってしなければならない(22条、定期借地権)。定期借地権を押さえる。
補足定期借地権(一般)は50年以上、事業用定期借地権等(23条)は30年以上50年未満(10年以上30年未満を含む2類型)、建物譲渡特約付借地権(24条)は30年以上と、存続期間の要件が異なる。定期借地権の書面は公正証書に限られない(事業用定期借地権等は公正証書に限る)。
問13事業用定期借地権等
事業用定期借地権等及び借地権の更新後の期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.専ら居住の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においても、事業用定期借地権等として契約の更新等がない旨を定めることができる。
- イ.借地契約を更新する場合の期間は、更新の日から一律に十年とし、当事者がこれより長い期間を定めることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 居住用を除く事業用建物に限る → 『居住用建物についても定められる』は誤り
借地借家法第23条「存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては」e-Gov原文
- イ.誤り
- 最初の更新は20年・より長い期間も定められる → 『一律10年で長い期間を定められない』は誤り
ひっかけ事業用定期借地権等は『専ら事業用の建物(居住用を除く)』の所有目的・30年以上50年未満(及び10年以上30年未満)で、公正証書によることが必要(23条)。
解説専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く)の所有を目的とし、かつ、存続期間を30年以上50年未満として借地権を設定する場合においては、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、建物買取請求をしないこととする旨を定めることができる(23条1項)。事業用定期借地権等を押さえる。
補足事業用定期借地権等は居住用建物には設定できず、公正証書によって設定しなければならない(23条3項)。ロードサイド店舗・倉庫等の事業用地の活用に用いられる。
問14建物譲渡特約付借地権
建物譲渡特約付借地権及び借地契約の更新拒絶の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.建物譲渡特約付借地権は、借地権の設定後十年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めるものである。
- イ.借地契約の更新拒絶の異議は、正当の事由がなくても、借地権設定者が述べることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 設定後30年以上 → 『十年以上』は誤り
借地借家法第24条「その設定後三十年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 正当の事由が必要 → 『正当の事由がなくても述べられる』は誤り
借地借家法第6条「正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることが」e-Gov原文
ひっかけ建物譲渡特約付借地権は設定後『30年以上』を経過した日に建物を設定者に譲渡(借地権消滅)。更新拒絶には『正当の事由』が必要(24条・6条)。
解説借地権を設定する場合においては、借地権を消滅させるため、その設定後30年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる(24条1項、建物譲渡特約付借地権)。建物譲渡特約付借地権を押さえる。
補足建物譲渡特約付借地権は、設定後30年以上経過後に建物を設定者に譲渡することで借地権を消滅させる方式である。建物使用継続者の請求により建物賃貸借とみなされる場合がある(24条2項)。
問15一時使用目的の借地権
一時使用目的の借地権及び建物の再築による借地権の期間の延長に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合であつても、存続期間や建物買取請求権等の借地権に関する規定が適用される。
- イ.借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失があつた場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者の承諾がなくても、借地権は当然に二十年間存続する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 適用しない → 『適用される』は誤り
借地借家法第25条「臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、適用しない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 設定者の承諾がある場合に限り20年間存続 → 『承諾がなくても当然に20年間存続する』は誤り
借地借家法第7条「借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から二十年間存続する」e-Gov原文
ひっかけ一時使用目的の借地権には存続期間・更新・建物買取請求権等の規定が『適用されない』。再築による20年延長は『設定者の承諾がある場合に限る』(25条・7条)。
解説第3条から第8条まで、第13条、第17条、第18条及び第22条から第24条までの規定は、臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、適用しない(25条)。一時使用目的の借地権を押さえる。
補足工事現場の資材置場・仮設事務所等、一時使用が明らかな借地権には、借地権者を厚く保護する存続期間・更新・建物買取請求権等の規定が適用されない。当事者の合意した期間で終了する。