問1法定労働時間(1週40時間・1日8時間)
労働基準法上の労働時間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、原則として、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない。
- イ.使用者は、原則として、労働者に、休憩時間を除き1日について7時間を超えて労働させてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 1週40時間が原則
労働基準法第32条「一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 「7時間」は誤り、正しくは8時間
労働基準法第32条「一日について八時間を超えて、労働させてはならない」e-Gov原文
ひっかけ法定労働時間は「1週40時間・1日8時間」。週と日の両方に上限がある。
解説労基法32条は、1週間40時間(1項)・1日8時間(2項)を法定労働時間として定める。いずれも休憩時間を除いて計算する。これを超えて労働させるには、三六協定の締結・届出と割増賃金の支払が必要。なお、商業・映画演劇・保健衛生・接客娯楽のうち常時10人未満の特例措置対象事業場では週44時間の特例があるが、原則は週40時間である。
補足1週40時間・1日8時間はいずれも上限であり、どちらか一方でも超えれば時間外労働となる。
問2休憩時間(6時間超で45分・8時間超で1時間)
労働基準法上の休憩に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、労働時間が8時間を超える場合においては、少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
- イ.使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 8時間超で1時間は正しい
労働基準法第34条「八時間を超える場合においては少くとも一時間」e-Gov原文
- イ.正しい
- 6時間超で45分は正しい
労働基準法第34条「労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分」e-Gov原文
ひっかけ休憩は「6時間超で45分・8時間超で1時間」。ちょうど6時間・8時間では付与義務はない。
解説労基法34条1項は、労働時間が6時間を超える場合に少なくとも45分、8時間を超える場合に少なくとも1時間の休憩を労働時間の途中に与えることを義務づける。「超える」場合なので、6時間ちょうど・8時間ちょうどでは休憩付与義務は生じない。休憩は原則として一斉に与え(2項)、自由に利用させなければならない(3項)。
補足休憩は労働時間の「途中」に与える必要があり、始業前や終業後にまとめて与えることはできない。
問3休日(毎週1回・4週4日の変形休日制)
労働基準法上の休日に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも2回の休日を与えなければならない。
- イ.4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者については、毎週少なくとも1回の休日を与えるべきとする規定は適用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 「毎週2回」は誤り、正しくは毎週1回
労働基準法第35条「毎週少くとも一回の休日を与えなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 変形休日制で正しい
労働基準法第35条「四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない」e-Gov原文
ひっかけ法定休日は「毎週少なくとも1回」。例外として「4週4日以上」の変形休日制が認められる。
解説労基法35条1項は毎週少なくとも1回の休日を義務づける(週休制の原則)。ただし2項により、4週間を通じ4日以上の休日を与える使用者にはこの原則は適用されない(変形休日制)。なお「毎週1回」の休日は曜日を特定する必要はなく、国民の祝日を休日とすることまでは義務づけられていない。
補足4週4日制を採用するには、就業規則等で4週間の起算日を定めておく必要がある。
問4時間外・休日労働の協定(三六協定)と限度時間
労働基準法上の時間外及び休日の労働に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、労働者の過半数代表者等との書面による協定(いわゆる三六協定)を締結すれば、これを行政官庁に届け出ていなくても、その協定の定めるところにより労働時間を延長することができる。
- イ.時間外労働の限度時間は、臨時的な特別の事情がある場合を除き、原則として1箇月について45時間及び1年について320時間である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 届出を欠けば延長できず誤り
労働基準法第36条「これを行政官庁に届け出た場合においては」e-Gov原文
- イ.誤り
- 「年320時間」は誤り、原則は360時間
労働基準法第36条「一箇月について四十五時間及び一年について三百六十時間」e-Gov原文
ひっかけ三六協定は「締結+届出」で効力。限度時間は原則「月45時間・年360時間」。
解説労基法36条1項により、法定労働時間を超える時間外労働や法定休日労働をさせるには、過半数労働組合(ないときは過半数代表者)との書面協定を締結し、行政官庁へ届け出る必要がある(締結だけでは足りない)。時間外労働の限度時間は原則として1箇月45時間・1年360時間(4項)。臨時的な特別の事情がある場合の特別条項でも、年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間以内等の上限を超えることはできない。
補足三六協定を締結・届出しても、時間外・休日労働に対する割増賃金の支払義務は別途生じる。
問5労働時間等に関する規定の適用除外
労働基準法上の労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用除外に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者については、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されない。
- イ.監視又は断続的労働に従事する者は、使用者が行政官庁の許可を受けていなくても、当然に労働時間等に関する規定の適用を除外される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 管理監督者は適用除外で正しい
労働基準法第41条「監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」e-Gov原文
- イ.誤り
- 許可なしに当然除外とはならず誤り
労働基準法第41条「使用者が行政官庁の許可を受けたもの」e-Gov原文
ひっかけ適用除外には「管理監督者(許可不要)」と「監視・断続的労働(許可必要)」がある。除外されるのは労働時間・休憩・休日のみ。
解説労基法41条は、農業・畜産水産業の従事者(1号)、監督・管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者(2号)、行政官庁の許可を受けた監視・断続的労働従事者(3号)について、労働時間・休憩・休日に関する規定を適用しないと定める。管理監督者は許可不要だが、監視・断続的労働は行政官庁の許可が必要である。適用が除外されるのは労働時間・休憩・休日の規定だけで、深夜業の割増賃金や年次有給休暇の規定は適用される。
補足いわゆる「名ばかり管理職」は実態で判断され、肩書だけでは管理監督者にはあたらない。
問6最低年齢(児童の使用制限)
労働基準法における最低年齢に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、原則として、児童が満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで、これを使用してはならない。
- イ.映画の製作又は演劇の事業については、満13歳に満たない児童を、いかなる場合も使用することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 最低年齢は満15歳到達後の最初の3月31日が基準 → 記述は条文どおり → 正
労働基準法第56条「児童が満十五歳に達した日以後の最初の三月三十一日が終了するまで」e-Gov原文
- イ.誤り
- 映画・演劇は満13歳未満も許可で使用可 → 「いかなる場合も不可」は言い過ぎ → 誤
労働基準法第56条「満十三歳に満たない児童についても、同様とする」e-Gov原文
ひっかけ最低年齢の原則は「満15歳に達した日以後の最初の3月31日」まで。映画・演劇は満13歳未満も許可で例外的に使用可。
解説労基法56条は、児童を満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで使用してはならないとするのが原則(1項)。例外として、別表第一の一部の事業以外で健康・福祉に有害でなく労働が軽易なものは、行政官庁の許可を受けて満13歳以上の児童を修学時間外に使用でき、映画製作・演劇の事業については満13歳未満の児童も同様に使用できる(2項)。「満15歳の年度末まで原則禁止」「映画・演劇は満13歳未満も許可で例外」の2点をセットで押さえる。
補足児童を使用する場合でも、修学時間外に限られ、行政官庁の許可が前提となる。
問7年少者の年齢証明書等の備付け
労働基準法における年少者の証明書に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、満18歳に満たない者について、その年齢を証明する住民票記載事項の証明書を事業場に備え付けなければならない。
- イ.使用者は、満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間にある児童を使用する場合には、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を事業場に備え付けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 条文は「戸籍証明書」を要求 → 「住民票記載事項の証明書」は誤り → 誤
労働基準法第57条「その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 児童使用時は学校長証明書と親権者等同意書の備付けが必要 → 条文どおり → 正
労働基準法第57条「修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書及び親権者又は後見人の同意書を事業場に備え付けなければならない」e-Gov原文
ひっかけ年齢証明は「戸籍証明書」。「住民票記載事項の証明書」に置き換える引っかけに注意。
解説労基法57条は、満18歳未満の者については年齢を証明する戸籍証明書の備付けを義務付ける(1項)。さらに56条2項により児童を使用する場合は、修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書と親権者又は後見人の同意書も備え付けなければならない(2項)。「対象は満18歳未満」「書類は戸籍証明書(児童は加えて学校長証明書・同意書)」を整理して覚える。
補足これらの証明書類はいずれも事業場に備え付けることが求められる。
問8年少者の深夜業の制限
労働基準法における年少者の深夜業に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、原則として、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。
- イ.交替制によって使用する満16歳以上の男性については、深夜業の制限は適用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 深夜業の制限は満18歳未満が対象で午後10時〜午前5時 → 条文どおり → 正
労働基準法第61条「満十八才に満たない者を午後十時から午前五時までの間において使用してはならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 交替制の満16歳以上の男性はただし書で例外 → 条文どおり → 正
労働基準法第61条「交替制によつて使用する満十六才以上の男性については」e-Gov原文
ひっかけ深夜業の制限は満18歳未満が対象。例外は「交替制・満16歳以上・男性」の3条件がそろう場合。
解説労基法61条は、満18歳未満の者を午後10時から午前5時までの間に使用することを原則禁止する(1項本文)。ただし、交替制によって使用する満16歳以上の男性は例外として使用できる(1項ただし書)。さらに交替制による事業では行政官庁の許可を受けて午後10時30分まで(又は午前5時30分から)労働させることもできる。「対象は満18歳未満」「例外は交替制・満16歳以上・男性」をセットで押さえる。
補足交替制をとる事業については、行政官庁の許可により深夜の時刻を一部繰り下げ・繰り上げできる。
問9年少者の危険有害業務の就業制限
労働基準法における年少者の危険有害業務の就業制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.満18歳に満たない者を就かせてはならない危険有害業務の範囲は、厚生労働省令で定めるものとされている。
- イ.危険有害業務の就業制限は満16歳に満たない者にのみ適用され、満16歳以上の年少者には適用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 就業制限の対象業務の範囲は省令委任 → 条文どおり → 正
労働基準法第62条「前項に規定する業務の範囲は、厚生労働省令で定める」e-Gov原文
- イ.誤り
- 就業制限の対象は満18歳未満 → 「満16歳未満のみ」は誤り → 誤
ひっかけ危険有害業務の就業制限の対象は満18歳未満。具体的な業務の範囲は厚生労働省令で定める。
解説労基法62条は、満18歳に満たない者を一定の危険な業務や有害な業務に就かせることを制限する(1項・2項)。就業を制限される業務の具体的な範囲は厚生労働省令に委任されている(3項)。年齢基準は深夜業や坑内労働と同じく「満18歳未満」である点を、最低年齢(満15歳)と混同しないよう整理しておく。
補足危険有害業務の制限は、年少者の安全・衛生・福祉の確保を目的とする。
問10年少者の坑内労働の禁止
労働基準法における年少者の坑内労働に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.坑内労働の禁止は、満18歳に満たない女性についてのみ適用される。
- イ.使用者は、満16歳以上の男性であれば、満18歳に満たない者であっても坑内で労働させることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 対象は満18歳未満の者全員 → 「女性のみ」は誤り → 誤
労働基準法第63条「満十八才に満たない者を坑内で労働させてはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 坑内労働は満18歳未満を一律禁止 → 深夜業の例外(満16歳以上男性)を流用するのは誤り → 誤
労働基準法第63条「満十八才に満たない者を坑内で労働させてはならない」e-Gov原文
ひっかけ坑内労働の禁止は満18歳未満の者すべてが対象。深夜業の「交替制・満16歳以上・男性」の例外を混同させる引っかけに注意。
解説労基法63条は、満18歳に満たない者を坑内で労働させることを一律に禁止する。深夜業の制限(61条)にある「交替制によって使用する満16歳以上の男性」という例外は坑内労働には適用されない。年少者保護では、61条(深夜業・一部例外あり)と63条(坑内労働・例外なしの一律禁止)の違いを区別して押さえることが重要である。
補足なお満18歳以上の女性の坑内業務については、別途64条の2が一定の業務を制限している。
問11妊産婦等の坑内業務・危険有害業務の就業制限
労働基準法上の女性労働者の坑内業務及び危険有害業務の就業制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、妊娠中の女性を、坑内で行われるすべての業務に就かせてはならない。
- イ.使用者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性を、妊娠、出産等に有害な業務に就かせてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 64条の2第1号は妊娠中の女性に坑内すべての業務を禁止 → 申出の有無を問わない → 記述は条文どおりで正しい
労働基準法第64条の2第1号「坑内で行われるすべての業務」e-Gov原文
- イ.正しい
- 64条の3は妊娠中の女性と産後1年以内の女性をあわせ妊産婦と定義 → その妊産婦に有害業務を禁止 → 記述は条文どおりで正しい
労働基準法第64条の3第1項「妊娠中の女性及び産後一年を経過しない女性」e-Gov原文
ひっかけ坑内業務(64条の2)と危険有害業務(64条の3)は対象範囲が違う。坑内業務で『すべての業務』が禁止されるのは妊娠中の女性で、産後1年以内の女性は『坑内業務に従事しない旨を申し出た』場合に禁止される点を取り違えやすい。
解説女性の就業制限は、対象者と業務範囲の組み合わせで整理すると混乱しない。坑内業務(64条の2)は、(1)妊娠中の女性は坑内のすべての業務が禁止、(2)坑内業務に従事しない旨を申し出た産後1年以内の女性も坑内のすべての業務が禁止、(3)それ以外の満18歳以上の女性は人力による掘削の業務など厚生労働省令で定める業務に限り禁止、という三段構成になっている。一方、危険有害業務(64条の3)は、妊娠中の女性と産後1年を経過しない女性をあわせて『妊産婦』と定義し、その妊産婦を妊娠・出産・哺育等に有害な業務に就かせてはならないとする。なお、有害業務の具体的な範囲は厚生労働省令(女性労働基準規則)に委ねられており、法律本文は範囲を省令で定めると規定している点もあわせて押さえたい。
補足危険有害業務の就業制限のうち、女性の妊娠又は出産に係る機能に有害である業務については、厚生労働省令により妊産婦以外の女性にも準用することができる(64条の3第2項)。
問12産前産後の休業
労働基準法上の産前産後の休業に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、6週間(多胎妊娠の場合にあっては14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合においては、その者を就業させてはならない。
- イ.使用者は、産後8週間を経過しない女性については、本人が請求し医師が支障がないと認めた業務であっても、一切就業させてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 65条1項は産前6週間(多胎14週間)以内で休業請求があれば就業禁止 → 請求が要件 → 記述は条文どおりで正しい
労働基準法第65条第1項「六週間(多胎妊娠の場合にあつては、十四週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合」e-Gov原文
- イ.誤り
- 65条2項ただし書は産後6週間経過+請求+医師がよしとした業務なら就業可 → 8週間まるごと絶対禁止ではない → 記述は誤り
労働基準法第65条第2項「産後六週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務」e-Gov原文
ひっかけ産前は『6週間・請求があれば』、産後は『8週間・請求の有無を問わず原則禁止(ただし6週間経過後は請求+医師でゆるむ)』。産前=請求制、産後=原則強制という非対称を押さえる。
解説産前産後の休業(65条)は、産前と産後で仕組みが異なる点が最大のポイントである。産前は、6週間(多胎妊娠は14週間)以内に出産予定の女性が『休業を請求した場合』に就業させてはならない(請求がなければ就業させても違法ではない)。これに対し産後は、本人の請求の有無にかかわらず、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならないのが原則である。ただし、産後6週間を経過した女性が請求し、医師が支障がないと認めた業務については就かせて差し支えない。つまり産後6週間までは絶対的に就業禁止、6週間経過後8週間までは本人の請求と医師の判断で就業できる余地がある、という二段構えになっている。『6週・8週』『請求の要否』を入れ替えるひっかけが頻出である。
補足使用者は、妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない(65条3項)。これも本人の請求が要件である。
問13妊産婦の時間外・休日・深夜業の制限
労働基準法上の妊産婦の労働時間等の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.変形労働時間制を採用している事業場では、妊産婦が請求した場合であっても、法定労働時間を超えて労働させることができる。
- イ.使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 66条1項は変形労働時間制の規定にかかわらず法定超えを禁止 → 妊産婦の請求があれば超過不可 → 記述は誤り
労働基準法第66条第1項「第三十二条の二第一項、第三十二条の四第一項及び第三十二条の五第一項の規定にかかわらず」e-Gov原文
- イ.正しい
- 66条3項は妊産婦の請求があれば深夜業を禁止 → 記述は条文どおりで正しい
労働基準法第66条第3項「妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない」e-Gov原文
ひっかけ妊産婦の労働時間等の制限(66条)は、すべて『妊産婦が請求した場合』が要件。請求がなければ制限はかからない点と、変形労働時間制でも超過は不可という点が問われる。
解説妊産婦(妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性)の労働時間等の制限は66条にまとまっている。(1)1項は、妊産婦が請求した場合、変形労働時間制(1か月単位・1年単位・1週間単位)を採用していても、1週間・1日の法定労働時間を超えて労働させてはならないとする。(2)2項は、妊産婦が請求した場合、災害等による臨時の必要(33条)や36協定(36条)があっても、時間外労働をさせてはならず、休日に労働させてもならないとする。(3)3項は、妊産婦が請求した場合、深夜業をさせてはならないとする。いずれも『請求した場合』が共通の要件であり、請求がなければ通常どおり働かせても違法ではない。『請求がなくても当然に制限される』と書き換えるひっかけに注意する。
補足この制限の対象は妊娠中の女性に限らず、産後1年を経過しない女性(あわせて妊産婦)も含まれる。年少者(満18歳未満)の深夜業の原則禁止(61条)とは制度が別なので混同しないこと。
問14育児時間
労働基準法上の育児時間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.生後満1年に達しない生児を育てる女性は、休憩時間のほか、1日1回少なくとも60分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
- イ.使用者は、育児時間中であっても、業務の都合により、その女性を使用することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 67条1項は1日2回各々少なくとも30分 → 『1日1回60分』は回数・配分が条文と異なる → 記述は誤り
労働基準法第67条第1項「一日二回各々少なくとも三十分」e-Gov原文
- イ.誤り
- 67条2項は育児時間中の使用を禁止 → 業務の都合で使用できるとはならない → 記述は誤り
労働基準法第67条第2項「その女性を使用してはならない」e-Gov原文
ひっかけ育児時間は『生後満1年に達しない生児』『1日2回・各々少なくとも30分』『請求できる』『使用者は使用してはならない』が4点セット。回数と1回の長さを『1回60分』に変える書き換えが定番。
解説育児時間(67条)は、生後満1年に達しない生児を育てる女性が請求できる制度である。回数と長さは『1日2回・各々少なくとも30分』で、34条の休憩時間とは別に与えられる。請求するかどうかは本人の任意だが、女性が請求した育児時間中は、使用者はその女性を使用してはならない(2項)。『1日1回60分』と回数・配分を入れ替える、『使用者は使用できる』と禁止を打ち消す、といった書き換えが典型的なひっかけである。育児時間を有給とするか無給とするかは法律上の定めがなく、就業規則等に委ねられる点もあわせて理解しておくとよい。
補足育児時間は1日の労働時間の途中に限らず、勤務時間の始め又は終わりに請求することも妨げられないと解されている。対象は女性であり、1日2回を一括して与えることも可能とされる。
問15生理日の措置
労働基準法上の生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。
- イ.使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性に対しては、本人の請求がなくても、当然に生理日の休暇を与えなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 68条は本人が休暇を請求したときに生理日の就業を禁止 → 記述は条文どおりで正しい
労働基準法第68条「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したとき」e-Gov原文
- イ.誤り
- 68条は『休暇を請求したとき』が要件 → 請求がなくても当然付与とはならない → 記述は誤り
労働基準法第68条「休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」e-Gov原文
ひっかけ生理日の措置(68条)は『就業が著しく困難』かつ『本人が休暇を請求したとき』が要件。請求を不要にする、対象を『生理日のすべての女性』に広げる書き換えがひっかけ。
解説生理日の措置(68条)は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときに、その者を生理日に就業させてはならないとする制度である。ポイントは、(1)対象は『就業が著しく困難』な女性に限られ、生理日の女性すべてではないこと、(2)本人の『請求』があって初めて就業させられなくなること(請求が要件)である。請求がないのに使用者が当然に休暇を与えなければならないわけではない。なお、休暇を有給とするか無給とするかは法律上の定めがなく、就業規則等に委ねられる。請求できる休暇の日数や時間単位の取得を制限することはできないと解されている。
補足生理日の措置による休暇は、必ずしも暦日単位(1日)に限られず、半日や時間単位での請求も認められると解されている。請求の手続を就業規則で過度に厳格化することはできない。