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領海等における外国船舶の航行に関する法律・第35

領海等における外国船舶の航行に関する法律の問題(15問)

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この章で確認する論点

35章では、領海等における外国船舶の航行に関する法律の目的・「領海等」「新内水」の定義・「外国船舶」の定義・「船長等」「水域施設等」の定義・外国船舶の航行方法を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

  • 目的規定は「なぜ定めるか(背景)」と「何を実現するか(目的)」の2段構成になっている。
  • 「領海等」は領海単独ではなく「領海+内水」という合成概念である点がひっかけになりやすい。
  • 「日本船舶以外の船舶=すべて外国船舶」ではなく、軍艦・政府公船(非商業目的)が除外される点が定義の核心。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

領海等における外国船舶の航行に関する法律1条2条3条4条5条6条7条8条9条10条12条

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年8月時点の法令に準拠
1領海等における外国船舶の航行に関する法律の目的(1条)e-Gov等の一次資料で確認済み

領海等における外国船舶の航行に関する法律の目的に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • この法律は、領海等における外国船舶の航行方法、外国船舶の航行の規制に関する措置その他の必要な事項を定めることにより、領海等における外国船舶の航行の秩序を維持するとともにその不審な行動を抑止し、もって領海等の安全を確保することを目的とする。
  • この法律の目的規定は、海に囲まれた我が国にとって海洋の安全を確保することが我が国の安全を確保する上で重要であることを、立法の背景として掲げている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
1条のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第1条「領海等における外国船舶の航行方法、外国船舶の航行の規制に関する措置その他の必要な事項を定めることにより、領海等における外国船舶の航行の秩序を維持するとともにその不審な行動を抑止し、もって領海等の安全を確保することを目的とする」一次資料を確認

正しい
1条前段のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第1条「海に囲まれた我が国にとって海洋の安全を確保することが我が国の安全を確保する上で重要であることにかんがみ」一次資料を確認

ひっかけ目的規定は「なぜ定めるか(背景)」と「何を実現するか(目的)」の2段構成になっている。

解説1条は、海に囲まれた我が国にとって海洋の安全確保が国の安全確保上重要であることを背景に、①外国船舶の航行方法・航行規制の措置等を定めて航行秩序を維持すること、②不審な行動を抑止すること、③もって領海等の安全を確保すること、を目的とする。既存の海洋汚染防止や貿易規制を目的とする法律とは異なり、あくまで「航行秩序の維持」と「不審行動の抑止」による安全確保が眼目である点を押さえる。

補足目的規定に列挙されていない事項(海洋汚染防止など)を目的として誤って読み込ませる出題に注意する。

2「領海等」「新内水」の定義(2条1号・2号)e-Gov等の一次資料で確認済み

この法律における用語の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • この法律において「領海等」とは、我が国の領海のみをいい、内水は含まれない。
  • 「新内水」とは、我が国の内水のうち、領海及び接続水域に関する法律第2条第1項に規定する直線基線により新たに我が国の内水となった部分をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
2条1号のとおり内水も含む → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第2条「領海等我が国の領海及び内水をいう」一次資料を確認

正しい
2条2号のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第2条「領海及び接続水域に関する法律(昭和五十二年法律第三十号)第二条第一項に規定する直線基線により新たに我が国の内水となった部分をいう」一次資料を確認

ひっかけ「領海等」は領海単独ではなく「領海+内水」という合成概念である点がひっかけになりやすい。

解説定義規定(2条)は、①領海等(領海+内水)、②新内水(直線基線により新たに内水となった部分)、③外国船舶、④船長等、⑤水域施設、⑥係留施設、⑦水域施設等(水域施設又は係留施設)の7類型を定める。新内水は、直線基線の採用(1996年の国連海洋法条約批准に伴う措置)によって従来は領海であった海域が内水に編入されたことに由来する概念で、この法律では新内水に限り「通過」の対象水域として扱われる。

補足「領海等」「内水」「新内水」の3語は範囲が異なるため、条文の文言単位で正確に区別する。

3「外国船舶」の定義(2条3号)e-Gov等の一次資料で確認済み

この法律における「外国船舶」の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 「外国船舶」とは、船舶法第1条に規定する日本船舶以外の船舶をいうが、軍艦や各国政府が所有・運航する船舶で非商業的目的のみに使用されるものは、この定義から除かれる。
  • 各国政府が所有し又は運航する船舶であって非商業的目的のみに使用されるものも、外国船舶に含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
2条3号のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第2条「船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第一条に規定する日本船舶以外の船舶(軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であって非商業的目的のみに使用されるものを除く。)をいう」一次資料を確認

誤り
2条3号かっこ書で除外 → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第2条「軍艦及び各国政府が所有し又は運航する船舶であって非商業的目的のみに使用されるものを除く」一次資料を確認

ひっかけ「日本船舶以外の船舶=すべて外国船舶」ではなく、軍艦・政府公船(非商業目的)が除外される点が定義の核心。

解説「外国船舶」は船舶法1条の日本船舶(日本国籍船)以外の船舶を出発点にしつつ、軍艦及び各国政府所有・運航の非商業目的専用船舶を除外して確定する。これは主権免除(sovereign immunity)の考え方を反映したもので、公船・軍艦にはこの法律の航行規制(通報義務・立入検査等)が及ばない。

補足軍艦・政府公船の除外は国際法上の主権免除の原則を国内法に反映したものと理解すると記憶しやすい。

4「船長等」「水域施設等」の定義(2条4号・7号)e-Gov等の一次資料で確認済み

この法律における「船長等」及び「水域施設等」の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 「船長等」とは、船長として選任された者のみをいい、船長に代わって船舶を指揮する者は含まれない。
  • 「水域施設等」とは、水域施設と係留施設の双方に該当する施設のみをいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
2条4号のとおり代行者も含む → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第2条「船長等船長又は船長に代わって船舶を指揮する者をいう」一次資料を確認

誤り
2条7号のとおり「又は」でよい → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第2条「水域施設等水域施設又は係留施設をいう」一次資料を確認

ひっかけ「等」が付く用語は範囲が広がる方向で定義されることが多いという読み筋を意識する。

解説「水域施設」(泊地等・停留/びょう泊用)と「係留施設」(岸壁等・係留用)はいずれも国土交通省令で個別に指定される施設・場所で、両者を包括した概念が「水域施設等」(2条5号〜7号)。船長等(2条4号)は実務上の指揮者を広く捕捉する定義であり、正式な船長辞令の有無を問わない。

補足定義規定の「又は」と「及び」の違いは、択一(いずれか一方でよい)か累積(両方必要)かを分ける重要なポイント。

5外国船舶の航行方法(3条)e-Gov等の一次資料で確認済み

領海等における外国船舶の航行方法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 領海等における外国船舶の航行は、通過又は水域施設等との往来を目的として継続的かつ迅速に行われるものでなければならない。
  • 内水における「通過」に該当するのは、新内水に係るものに限られる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
3条のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第3条「領海等における外国船舶の航行は、通過(内水においては、新内水に係るものに限る。)又は水域施設等との往来を目的として継続的かつ迅速に行われるものでなければならない」一次資料を確認

正しい
3条かっこ書のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第3条「通過(内水においては、新内水に係るものに限る。)」一次資料を確認

ひっかけ3条は「目的」(通過・往来)と「態様」(継続的・迅速)の2要件で航行を縛る規定。

解説3条は、外国船舶の領海等における航行を「通過」又は「水域施設等との往来」という目的に限定し、かつその航行が「継続的かつ迅速」に行われることを求める。ここでいう「通過」は、内水では新内水(直線基線により新たに内水化した部分)に係るものに限られ、旧来からの内水(湾奥部等)では通過の概念自体が想定されていない。この態様要件(継続的・迅速)に反する航行の代表例が、次条(4条)で禁止される「停留等」及び「はいかい等」である。

補足3条の一般原則を受けて、4条が具体的な禁止行為(停留・びょう泊・係留・はいかい等)を列挙する構造を意識する。

6停留等の禁止行為(4条1項本文・各号)e-Gov等の一次資料で確認済み

外国船舶の船長等が領海等において伴わせてはならない「停留等」に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 外国船舶の船長等が領海等において伴わせてはならない「停留等」には、停留及びびょう泊の2類型のみが含まれ、係留やはいかい等は含まれない。
  • 「はいかい等」とは、気象、海象、船舶交通の状況、進路前方の障害物の有無その他周囲の事情に照らして、船舶の航行において通常必要なものとは認められない進路又は速力による進行をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
4条1項3号・4号で係留・はいかい等も含む → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第4条「三係留(係留施設にするものを除く。)四はいかい等」一次資料を確認

正しい
4条1項4号のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第4条「はいかい等(気象、海象、船舶交通の状況、進路前方の障害物の有無その他周囲の事情に照らして、船舶の航行において通常必要なものとは認められない進路又は速力による進行をいう。)」一次資料を確認

ひっかけ「停留等」は停留・びょう泊だけでなく係留・はいかい等まで含む4類型の総称である点を押さえる。

解説4条1項は、①停留(水域施設におけるものを除く)、②びょう泊(水域施設におけるものを除く)、③係留(係留施設にするものを除く)、④はいかい等、の4類型を「停留等」と定義し、これらを伴う航行を原則禁止する。いずれも水域施設・係留施設という指定区域内で行う場合は除外される点が共通しており、指定区域外での不審な滞留・徘徊行動を規制の対象としている。

補足各号のかっこ書(水域施設・係留施設を除く)は、正規の停泊区域内での通常の停泊行為までは規制しないという趣旨を示す。

7停留等禁止の例外事由(4条1項ただし書)e-Gov等の一次資料で確認済み

停留等の禁止の例外事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 当該停留等について荒天、海難その他の危難を避ける場合や、人命、他の船舶若しくは航空機を救助する場合には、停留等の禁止は適用されない。
  • 停留等禁止の例外事由は法律上列挙されたものに限られ、国土交通省令で追加されることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
4条1項ただし書のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第4条「当該停留等について荒天、海難その他の危難を避ける場合、人命、他の船舶又は航空機を救助する場合、海上衝突予防法(昭和五十二年法律第六十二号)その他の法令の規定を遵守する場合その他の国土交通省令で定めるやむを得ない理由がある場合は、この限りでない」一次資料を確認

誤り
4条1項ただし書で省令追加を許容 → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第4条「その他の国土交通省令で定めるやむを得ない理由がある場合は、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけただし書の例外事由は「法律列挙型」と「省令委任型」が併存する構造になっている。

解説4条1項ただし書は、①荒天・海難その他の危難を避ける場合、②人命・他の船舶・航空機を救助する場合、③海上衝突予防法その他の法令の規定を遵守する場合、④その他の国土交通省令で定めるやむを得ない理由がある場合、の4類型を例外として定める。④の受け皿規定により、法律制定時に想定しきれない具体的な緊急事態にも省令で機動的に対応できる仕組みになっている。

補足「法律に列挙された事由に限られる」という決めつけは、こうした省令委任の受け皿規定を見落とすひっかけになりやすい。

8内水における通過航行の禁止(4条2項)e-Gov等の一次資料で確認済み

内水における通過航行の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 内水における通過航行の禁止は、新内水を含む内水全体に適用される。
  • 内水における通過航行禁止の例外事由は、第1項ただし書に規定する場合と同じである。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
4条2項かっこ書で新内水を除く → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第4条「内水(新内水を除く。以下同じ。)において、当該外国船舶に水域施設等に到着し、又は水域施設等から出発するための航行以外の航行(以下「通過航行」という。)をさせてはならない」一次資料を確認

正しい
4条2項ただし書のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第4条「ただし、同項ただし書に規定する場合は、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ「内水」という語が3条・4条1項(新内水を含む)と4条2項(新内水を除く)とで指す範囲が異なる点に注意する。

解説4条2項は、内水(新内水を除く)において、水域施設等への到着・出発以外の航行(通過航行)をさせることを禁止する。新内水では通過そのものが3条・4条1項の枠組みで扱われるのに対し、それ以外の内水(湾奥部等)では通過という概念自体が想定されず、水域施設等への到着・出発目的以外の航行が一律禁止される、という住み分けになっている。

補足同じ条文中でも「内水」の指す範囲が項によって異なることがあるため、かっこ書の限定を条ごとに読み分ける。

9外国船舶の通報義務(5条1項)e-Gov等の一次資料で確認済み

外国船舶の通報義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 外国船舶の船長等は、領海等において当該外国船舶に停留等をさせ、又は内水において通過航行をさせる必要があるときは、あらかじめ、当該外国船舶の名称、船籍港、停留等又は通過航行をさせようとする理由その他の事項を最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない。
  • 停留等又は通過航行をさせようとする理由が明らかである場合として国土交通省令で定める場合には、あらかじめの通報義務は適用されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
5条1項のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第5条「外国船舶の船長等は、領海等において当該外国船舶に停留等をさせ、又は内水において当該外国船舶に通過航行をさせる必要があるときは」一次資料を確認

正しい
5条1項ただし書のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第5条「ただし、停留等又は通過航行をさせようとする理由が明らかである場合として国土交通省令で定める場合は、この限りでない」一次資料を確認

ひっかけ5条1項は「原則あらかじめ通報」を定めつつ、ただし書で理由が明らかな場合の適用除外を認める構造。

解説5条1項は、外国船舶の船長等に対し、停留等(領海等)又は通過航行(内水)の必要があるときは、名称・船籍港・理由その他の事項(通報事項)をあらかじめ最寄りの海上保安庁の事務所に通報する義務を課す。ただし書は、理由が明らかである場合として省令で定める場合(例えば定期航路の寄港等、通常想定される往来)まで一律に通報を求めるのは過剰規制になるため設けられた適用除外である。

補足通報の相手方は「最寄りの海上保安庁の事務所」であり、国土交通省本省や港湾管理者ではない点に注意する。

10急迫した危険による事後通報等(5条2項・3項)e-Gov等の一次資料で確認済み

通報義務の特則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 急迫した危険を避けるためあらかじめ通報することができなかったときは、当該通報義務そのものが免除される。
  • 第1項・第2項の規定により外国船舶の船長等がしなければならない通報は、当該外国船舶の所有者又は船長等若しくは所有者の代理人もすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
5条2項で事後通報義務が課される → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第5条「急迫した危険を避けるためあらかじめ通報することができないときは、外国船舶の船長等は、当該危険を避けた後直ちに、通報事項を最寄りの海上保安庁の事務所に通報しなければならない」一次資料を確認

正しい
5条3項のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第5条「前二項の規定により外国船舶の船長等がしなければならない通報は、当該外国船舶の所有者又は船長等若しくは所有者の代理人もすることができる」一次資料を確認

ひっかけ「あらかじめの通報ができない=義務なし」ではなく「事後直ちに通報」に切り替わる点が急迫時特則の要点。

解説5条2項は、急迫した危険を避けるため事前通報ができなかった場合に、危険を避けた後直ちに通報する義務を課す事後通報の特則である。あらかじめの通報義務がそのまま消滅するのではなく、時点が「事後直ちに」へ後倒しされるにとどまる。また5条3項により、通報主体は船長等に限られず、船舶所有者又は船長等若しくは所有者の代理人でも行うことができ、実務上の柔軟性が確保されている。

補足「あらかじめ」(原則)と「危難回避後直ちに」(特則)という2つの通報タイミングを対比して覚える。

11通報を受けた海上保安庁事務所の長の助言・指導(5条4項)e-Gov等の一次資料で確認済み

通報を受けた海上保安庁の事務所の長の対応に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 第1項又は第2項の規定による通報を受けた海上保安庁の事務所の長は、必要があると認めるときは、当該通報に係る外国船舶の船長等に対して、助言又は指導をするものとする。
  • 海上保安庁の事務所の長は、通報を受けたときは、必要の有無にかかわらず必ず助言又は指導をしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
5条4項のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第5条「第一項又は第二項の規定による通報(前項の規定によりされたものを含む。次条第一項において同じ。)を受けた海上保安庁の事務所の長は、必要があると認めるときは、当該通報に係る外国船舶の船長等に対して、助言又は指導をするものとする」一次資料を確認

誤り
5条4項で必要性を要件とする → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第5条「必要があると認めるときは、当該通報に係る外国船舶の船長等に対して、助言又は指導をするものとする」一次資料を確認

ひっかけ5条4項の助言・指導は通報を受けたことへの機械的な対応ではなく、事務所の長の必要性判断を介する点に注意。

解説5条4項は、通報(第1項・第2項の通報のほか、第3項により所有者・代理人がした通報も含む)を受けた海上保安庁の事務所の長に対し、必要と認めるときに船長等へ助言・指導を行う権限(努力義務的な「ものとする」規定)を与える。第6条以下の立入検査・勧告・退去命令のような強制的措置とは異なり、この助言・指導は非強制的な行政指導の性格を持つ。

補足「ものとする」は文脈により義務・努力義務の両方で使われるが、ここでは「必要があると認めるとき」という要件を伴う裁量的対応として理解する。

12外国船舶に対する立入検査(6条)e-Gov等の一次資料で確認済み

外国船舶に対する立入検査に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈することができる。
  • 立入検査をする海上保安官は、制服を着用していれば、関係者から請求があっても身分証明書を提示する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
6条3項で明確に否定 → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第6条「第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」一次資料を確認

誤り
6条2項で請求時の提示義務あり → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第6条「制服を着用し、又はその身分を示す証明書を携帯し、かつ、関係者の請求があるときは、これを提示しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ立入検査は「行政調査」であって「犯罪捜査」ではないという性格づけが条文上明記されている点が重要。

解説6条1項は、通報義務違反や虚偽通報の疑いがあり、かつ4条違反の疑いがある外国船舶について、海上保安官による立入検査・質問を認める。同条2項は検査官に制服着用又は証明書携帯を求め、関係者の請求時は証明書提示を義務付ける。同条3項は、この立入検査権限が犯罪捜査のためのものではないと明示することで、行政調査としての性格(令状なしの立入りが許容される根拠)を明確化している。

補足「犯罪捜査のためのものと解釈してはならない」という規定は、行政調査と刑事手続を峻別する典型的な条文パターンとして他法令にも見られる。

13外国船舶に対する勧告(7条)e-Gov等の一次資料で確認済み

外国船舶に対する勧告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 海上保安官は、領海等において現に停留等を伴う航行を行っている外国船舶と認められる船舶があり、当該船舶の船長等が第4条第1項の規定に違反していることが明らかであると認められるときは、当該船長等に対し、停留等を伴わない航行をさせるべきことを勧告することができる。
  • 第7条の勧告は、当該船舶の外観、航海の態様、乗組員等の挙動その他周囲の事情から合理的に判断して行われる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
7条のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第7条「海上保安官は、領海等において現に停留等を伴う航行を行っている外国船舶と認められる船舶があり、当該船舶の外観、航海の態様、乗組員等の挙動その他周囲の事情から合理的に判断して、当該船舶の船長等が第四条第一項の規定に違反していることが明らかであると認められるときは、当該船長等に対し、領海等において当該船舶に停留等を伴わない航行をさせるべきことを勧告することができる」一次資料を確認

正しい
7条のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第7条「当該船舶の外観、航海の態様、乗組員等の挙動その他周囲の事情から合理的に判断して」一次資料を確認

ひっかけ勧告(7条)は立入検査(6条)を前提とせず、外観等からの合理的判断のみで発することができる点が退去命令(8条)との違い。

解説7条の勧告は、海上保安官が現に停留等を伴う航行をしている外国船舶について、外観・航海の態様・乗組員等の挙動その他周囲の事情から合理的に判断して4条1項違反が明らかであると認めるときに発することができる。6条の立入検査を経て確認する必要はなく、外部から観察できる事情のみで発動できる点で、より迅速な初動対応の手段として位置づけられている。

補足「勧告」(7条・任意的な行政指導的措置)と「退去命令」(8条・より強い措置)の違いは、船長等が勧告に従わない場合に退去命令へ発展する関係(8条2項)で結び付いている。

14外国船舶に対する退去命令(8条)e-Gov等の一次資料で確認済み

外国船舶に対する退去命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 海上保安庁長官は、立入検査を経ることなく、第4条の規定に違反している疑いのみで直ちに退去命令を発することができる。
  • 第7条の勧告を受けた船長等が当該勧告に従わない場合であって、領海等における外国船舶の航行の秩序を維持するために必要があると認めるときも、海上保安庁長官は退去命令を発することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
8条1項で立入検査の結果を要件とする → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第8条「第六条第一項の規定による立入検査の結果、当該船舶の船長等が第四条の規定に違反していると認めるときは、当該船長等に対し、当該船舶を領海等から退去させるべきことを命ずることができる」一次資料を確認

正しい
8条2項のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第8条「前条の勧告を受けた船長等が当該勧告に従わない場合であって、領海等における外国船舶の航行の秩序を維持するために必要があると認めるときは、当該船長等に対し、当該船舶を領海等から退去させるべきことを命ずることができる」一次資料を確認

ひっかけ退去命令には「立入検査結果に基づく類型」(8条1項)と「勧告不遵守に基づく類型」(8条2項)の2ルートがある。

解説8条は、①6条1項の立入検査の結果4条違反と認められる場合(1項)、②7条の勧告に従わない船長等について航行秩序維持の必要が認められる場合(2項)、の2つの経路で退去命令を発しうることを定める。いずれも命令の名宛人は船長等であり、命ずる内容は「当該船舶を領海等から退去させるべきこと」で共通する。

補足退去命令違反には12条により一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金という罰則が科される(次条参照)。

15雑則(権限の委任・行政手続法の適用除外・国際約束の履行)及び罰則(9条〜13条)e-Gov等の一次資料で確認済み

この法律の雑則及び罰則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 海上保安庁長官の権限に属する事項は、国土交通省令で定めるところにより管区海上保安本部長に行わせることができ、また第8条の規定による命令については行政手続法第3章の規定は適用されない。
  • 第8条の規定による命令に違反した船長等は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処せられる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
9条・10条のとおり → 正しい

領海等における外国船舶の航行に関する法律第9条「この法律の規定により海上保安庁長官の権限に属する事項は、国土交通省令で定めるところにより、管区海上保安本部長に行わせることができる」一次資料を確認

領海等における外国船舶の航行に関する法律第10条「第八条の規定による命令については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない」一次資料を確認

誤り
12条の正しい量刑と異なる → 誤り

領海等における外国船舶の航行に関する法律第12条「第八条の規定による命令に違反した船長等は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」一次資料を確認

ひっかけ雑則(9条〜11条)は権限配分・手続の適用除外・条約遵守という運用面の規定、罰則(12条・13条)は違反行為への刑罰という構造。

解説雑則は、①海上保安庁長官の権限を管区海上保安本部長に委任できること(9条)、②8条の退去命令には行政手続法第3章(不利益処分の手続)が適用されないこと(10条)、③この法律の施行にあたり条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げないよう留意すること(11条)、を定める。罰則は、退去命令違反(12条・一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金)と、立入検査の拒否・妨害・忌避や虚偽陳述等(13条・六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金)の2類型で構成され、退去命令違反の方が重い法定刑となっている。

補足罰則の軽重(12条>13条)は、行政指導段階を経た退去命令への違反の方が、検査への非協力よりも重く扱われる構造として整理すると覚えやすい。

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