問1民法(事務管理・不当利得・贈与)の事務管理
民法の事務管理・不当利得・贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、事務管理をしなければならない。
- イ.贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 697条1項のとおり → 正しい
民法第697条「その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって」e-Gov原文
- イ.正しい
- 549条のとおり → 正しい
民法第549条「相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ事務管理は『最も本人の利益に適合する方法』で行う。贈与は『無償+受諾』で成立(諾成契約)(697条・549条)。
解説義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理をしなければならない(697条1項)。事務管理を押さえる。
補足事務管理は義務なく他人の事務を管理する法定債権関係で、本人の利益に適合する方法で行う。贈与は無償・諾成の契約である。
問2民法(事務管理・不当利得・贈与)の緊急事務管理
緊急事務管理及び事務管理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
- イ.義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、本人の意思を知っているときであっても、その意思に従う必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 698条のとおり → 正しい
民法第698条「悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 本人の意思に従って事務管理をすべき → 『従う必要はない』は誤り
民法第697条「その意思に従って事務管理をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ緊急事務管理は『悪意・重過失』がなければ損害賠償責任を負わない(責任軽減)。管理者は本人の意思を知るとき『その意思に従う』(698条・697条)。
解説管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない(698条)。緊急事務管理を押さえる。
補足緊急事務管理では管理者の責任が軽減される(悪意・重過失のみ責任)。管理者は本人の意思を知り又は推知できるときはその意思に従う。
問3民法(事務管理・不当利得・贈与)の管理者の通知義務
管理者の通知義務及び管理者による事務管理の継続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでない。
- イ.管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 699条のとおり → 正しい
民法第699条「事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 700条本文のとおり → 正しい
民法第700条「管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ管理者は事務管理開始を『遅滞なく本人に通知』(本人が悪意のときを除く)。本人等が管理できるまで『事務管理を継続』(699条・700条)。
解説管理者は、事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない。ただし、本人が既にこれを知っているときは、この限りでない(699条)。管理者の通知義務を押さえる。
補足管理者は事務管理開始を本人に通知し、本人等が管理できるまで継続する(本人の意思に反し又は不利であることが明らかなときを除く)。
問4民法(事務管理・不当利得・贈与)の管理者による事務管理の継続
管理者による事務管理の継続及び緊急事務管理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。
- イ.管理者が本人の急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失がある場合であっても、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 700条本文のとおり → 正しい
民法第700条「管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 悪意又は重過失があれば責任を負う → 『悪意又は重過失があっても責任を負わない』は誤り
民法第698条「悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない」e-Gov原文
ひっかけ本人等が管理できるまで『事務管理を継続』。緊急事務管理でも『悪意・重過失』があれば損害賠償責任を負う(700条・698条)。
解説管理者は、本人又はその相続人若しくは法定代理人が管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない。ただし、事務管理の継続が本人の意思に反し、又は本人に不利であることが明らかであるときは、この限りでない(700条)。管理者による事務管理の継続を押さえる。
補足管理者は本人等が管理できるまで継続する(本人に不利等が明らかなときを除く)。緊急事務管理でも悪意・重過失があれば責任を負う。
問5民法(事務管理・不当利得・贈与)の事務管理への委任の規定の準用
事務管理への委任の規定の準用及び管理者による費用の償還請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任に関する第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する。
- イ.管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 701条のとおり → 正しい
民法第701条「第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 702条1項のとおり → 正しい
民法第702条「本人に対し、その償還を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ事務管理には委任の『報告・受取物引渡し・金銭消費の責任』が準用される。管理者は『有益な費用の償還』を請求可(701条・702条)。
解説第六百四十五条から第六百四十七条までの規定は、事務管理について準用する(701条)。事務管理への委任の規定の準用を押さえる。
補足事務管理には委任の報告義務・受取物引渡義務・金銭消費の責任が準用される。管理者は有益費用の償還を請求できる(報酬請求権はない)。
問6民法(事務管理・不当利得・贈与)の管理者による費用の償還請求等
管理者による費用の償還請求等及び管理者の通知義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる。
- イ.管理者は、事務管理を始めたことを本人に通知する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 702条1項のとおり → 正しい
民法第702条「本人に対し、その償還を請求することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 事務管理開始を遅滞なく通知すべき → 『通知する必要はない』は誤り
民法第699条「事務管理を始めたことを遅滞なく本人に通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ管理者は『有益な費用の償還』を請求可(本人の意思に反する管理は現存利益の限度)。管理者は開始を『遅滞なく通知』(702条・699条)。
解説管理者は、本人のために有益な費用を支出したときは、本人に対し、その償還を請求することができる(702条1項)。管理者による費用の償還請求等を押さえる。
補足管理者は有益費用を償還請求できるが、本人の意思に反する事務管理では本人が現に利益を受けている限度に限られる。管理者は開始を遅滞なく通知する。
問7民法(事務管理・不当利得・贈与)の債務の不存在を知ってした弁済
債務の不存在を知ってした弁済及び管理者による事務管理の継続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、本人が管理をすることができるようになる前であっても、いつでも自由に事務管理を中止することができる。
- イ.債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 本人等が管理できるまで継続すべき → 『いつでも自由に中止できる』は誤り
民法第700条「管理をすることができるに至るまで、事務管理を継続しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 705条のとおり → 正しい
民法第705条「その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ管理者は本人等が管理できるまで『継続』(中止できない)。債務不存在を『知って弁済』した者は返還請求できない(非債弁済)(700条・705条)。
解説債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない(705条)。債務の不存在を知ってした弁済を押さえる。
補足債務がないことを知りながら弁済した者は返還を請求できない(非債弁済)。ただし知らずに弁済したときは不当利得として返還請求できる。
問8民法(事務管理・不当利得・贈与)の期限前の弁済
期限前の弁済及び管理者による費用の償還請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.管理者は、本人のために有益な費用を支出したときであっても、本人に対しその償還を請求することはできない。
- イ.債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 有益な費用の償還を請求できる → 『請求することはできない』は誤り
民法第702条「本人に対し、その償還を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 706条のとおり → 正しい
民法第706条「弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ管理者は『有益な費用の償還』を請求可。弁済期前の弁済は『返還請求できない』(錯誤なら債権者は得た利益を返還)(702条・706条)。
解説債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない(706条)。期限前の弁済を押さえる。
補足弁済期前の弁済も有効で返還請求できない(期限の利益の放棄)。錯誤で給付したときは債権者は中間利息等の得た利益を返還する。
問9民法(事務管理・不当利得・贈与)の他人の債務の弁済
他人の債務の弁済及び債務の不存在を知ってした弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務の弁済として給付をした者は、給付の時に債務が存在しないことを知っていたときであっても、その給付したものの返還を請求することができる。
- イ.債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において、債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は、返還の請求をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 債務不存在を知って弁済した者は返還を請求できない → 『返還を請求できる』は誤り
民法第705条「その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 707条1項のとおり → 正しい
民法第707条「その弁済をした者は、返還の請求をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ債務不存在を『知って弁済』した者は返還請求できない。他人の債務を錯誤で弁済し債権者が善意で証書滅失等をしたときも『返還請求できない』(求償は可)(705条・707条)。
解説債務者でない者が錯誤によって債務の弁済をした場合において、債権者が善意で証書を滅失させ若しくは損傷し、担保を放棄し、又は時効によってその債権を失ったときは、その弁済をした者は、返還の請求をすることができない(707条1項)。他人の債務の弁済を押さえる。
補足他人の債務を錯誤で弁済し債権者が善意で証書滅失・担保放棄・時効消滅させたときは返還請求できない(債権者保護)。弁済者は債務者に求償できる。
問10民法(事務管理・不当利得・贈与)の不法原因給付
不法原因給付及び事務管理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
- イ.義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、事務管理をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 708条のとおり → 正しい
民法第708条「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 697条1項のとおり → 正しい
民法第697条「その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって」e-Gov原文
ひっかけ不法な原因の給付は『返還請求できない』(受益者にのみ不法原因があるときを除く)。事務管理は『本人の利益に適合する方法』で行う(708条・697条)。
解説不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない(708条)。不法原因給付を押さえる。
補足賭博資金の貸付等の不法原因給付は返還請求できない(クリーンハンズの原則)。給付者に不法の原因がなく受益者にのみあるときは返還請求できる。
問11民法(事務管理・不当利得・贈与)の贈与
贈与及び債務の不存在を知ってした弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
- イ.債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときであっても、その給付したものの返還を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 549条のとおり → 正しい
民法第549条「相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 債務不存在を知って弁済した者は返還を請求できない → 『返還を請求できる』は誤り
民法第705条「その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ贈与は『無償+受諾』で成立(諾成契約)。債務不存在を『知って弁済』した者は返還請求できない(549条・705条)。
解説贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる(549条)。贈与を押さえる。
補足贈与は無償・諾成・片務の契約である。債務不存在を知りながら弁済した者は返還請求できない(非債弁済)。
問12民法(事務管理・不当利得・贈与)の書面によらない贈与の解除
書面によらない贈与の解除及び不法原因給付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができる。
- イ.書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 不法な原因の給付は返還請求できない → 『返還を請求できる』は誤り
民法第708条「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 550条のとおり → 正しい
民法第550条「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ不法な原因の給付は『返還請求できない』。書面によらない贈与は『各当事者が解除』可(履行の終わった部分を除く)(708条・550条)。
解説書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない(550条)。書面によらない贈与の解除を押さえる。
補足書面によらない贈与は履行前なら各当事者が解除できる(軽率な贈与の防止・履行の終わった部分は解除できない)。不法原因給付は返還請求できない。
問13民法(事務管理・不当利得・贈与)の贈与者の引渡義務等
贈与者の引渡義務等及び事務管理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.贈与者は、贈与の目的である物を、常にその契約時の完全な状態で引き渡す義務を負う。
- イ.義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、自己の利益に最も適合する方法によって事務を管理すればよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 特定した時の状態で引き渡すと推定される → 『常に契約時の完全な状態で引き渡す義務を負う』は誤り
民法第551条「贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 最も本人の利益に適合する方法による → 『自己の利益に適合する方法でよい』は誤り
ひっかけ贈与者は『特定した時の状態』で引き渡すと推定(無償ゆえ軽い責任)。事務管理は『本人の利益に適合する方法』(697条・551条)。
解説贈与者は、贈与の目的である物又は権利を、贈与の目的として特定した時の状態で引き渡し、又は移転することを約したものと推定する(551条1項)。贈与者の引渡義務等を押さえる。
補足贈与者は目的物を特定した時の状態で引き渡せば足りると推定される(無償契約ゆえ担保責任が軽減)。事務管理は本人の利益に適合する方法で行う。
問14民法(事務管理・不当利得・贈与)の定期贈与
定期贈与及び贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者が死亡してもその効力を失わず、当然にその相続人に承継される。
- イ.贈与は、当事者の一方が財産を無償で相手方に与える意思を表示するだけで、相手方の受諾がなくてもその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 贈与者又は受贈者の死亡によって効力を失う → 『効力を失わず相続人に承継される』は誤り
民法第552条「贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 相手方の受諾によって効力を生ずる → 『受諾がなくても効力を生ずる』は誤り
民法第549条「相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ定期贈与は当事者(贈与者又は受贈者)の『死亡で効力を失う』(相続されない)。贈与は『受諾』で成立(552条・549条)。
解説定期の給付を目的とする贈与は、贈与者又は受贈者の死亡によって、その効力を失う(552条)。定期贈与を押さえる。
補足定期贈与は当事者間の個人的関係に基づくため、贈与者・受贈者いずれかの死亡で効力を失う(別段の意思表示があるときを除く)。贈与は受諾により成立する。
問15民法(事務管理・不当利得・贈与)の負担付贈与
負担付贈与及び書面によらない贈与の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.負担付贈与については、その性質に反しない場合であっても、双務契約に関する規定は準用されない。
- イ.書面によらない贈与は、履行の終わった部分についても含めて、各当事者がいつでも解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- その性質に反しない限り双務契約の規定を準用する → 『準用されない』は誤り
- イ.誤り
- 履行の終わった部分は解除できない → 『履行の終わった部分も含めて解除できる』は誤り
民法第550条「履行の終わった部分については、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけ負担付贈与には『双務契約の規定』が準用される(同時履行・解除等)。書面によらない贈与でも『履行の終わった部分は解除できない』(553条・550条)。
解説負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する(553条)。負担付贈与を押さえる。
補足負担付贈与には双務契約の規定(同時履行の抗弁・危険負担・解除等)が準用される。書面によらない贈与でも履行の終わった部分は解除できない。