問1民法(売買)の売買
民法の売買に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
- イ.売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 555条のとおり → 正しい
民法第555条「相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 558条のとおり → 正しい
民法第558条「売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する」e-Gov原文
ひっかけ売買は『財産権移転+代金支払』の約定で成立(諾成契約)。売買契約の費用は『双方が等しい割合』で負担(555条・558条)。
解説売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる(555条)。売買を押さえる。
補足売買は諾成・双務・有償の契約である。売買契約に関する費用は当事者双方が等しく負担する。
問2民法(売買)の売買の一方の予約
売買の一方の予約及び手付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。
- イ.買主が売主に手付を交付したとき、買主はその手付を放棄して契約を解除できるが、売主はその倍額を現実に提供しても契約を解除することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 556条1項のとおり → 正しい
民法第556条「売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 売主は倍額を現実に提供して解除できる → 『倍額を提供しても解除できない』は誤り
民法第557条「売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ一方の予約は『完結の意思表示』で売買の効力発生。手付解除は買主は『放棄』・売主は『倍額の現実の提供』(556条・557条)。
解説売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる(556条1項)。売買の一方の予約を押さえる。
補足一方の予約は予約完結権の行使(完結の意思表示)で売買が成立する。手付解除は買主は手付放棄、売主は手付の倍額を現実に提供して行う。
問3民法(売買)の手付
手付及び権利移転の対抗要件に係る売主の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。
- イ.売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 557条1項のとおり → 正しい
民法第557条「その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 560条のとおり → 正しい
民法第560条「登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ手付解除は『相手方が履行に着手する前』まで。売主は『対抗要件を備えさせる義務』を負う(557条・560条)。
解説買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない(557条1項)。手付を押さえる。
補足手付解除は相手方が履行に着手した後はできない。売主は登記・登録等の対抗要件を買主に備えさせる義務を負う。
問4民法(売買)の売買契約に関する費用
売買契約に関する費用及び有償契約への準用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。
- イ.売買に関するこの節の規定は、売買以外の有償契約については準用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 558条のとおり → 正しい
民法第558条「売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 売買以外の有償契約について準用する → 『準用されない』は誤り
民法第559条「この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する」e-Gov原文
ひっかけ売買契約の費用は『双方が等しい割合』で負担。売買の規定は『売買以外の有償契約に準用』(558条・559条)。
解説売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する(558条)。売買契約に関する費用を押さえる。
補足売買契約の費用は双方が等しく負担する。売買の規定は賃貸借・請負等の有償契約に広く準用される(性質が許さないときを除く)。
問5民法(売買)の有償契約への準用
有償契約への準用及び買主の追完請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売買に関するこの節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
- イ.引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 559条のとおり → 正しい
民法第559条「この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 562条1項のとおり → 正しい
民法第562条「目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ売買の規定は『有償契約に準用』。契約不適合のとき買主は『修補・代替物・不足分の引渡し』の追完を請求できる(559条・562条)。
解説この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない(559条)。有償契約への準用を押さえる。
補足売買の規定は有償契約に準用される。契約不適合のとき買主は履行の追完(修補・代替物・不足分の引渡し)を請求できる。
問6民法(売買)の権利移転の対抗要件に係る売主の義務
権利移転の対抗要件に係る売主の義務及び他人の権利の売買における売主の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。
- イ.他人の権利を売買の目的としたときは、その売買契約は無効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 560条のとおり → 正しい
民法第560条「登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 他人物売買は有効で売主に移転義務が生じる → 『無効である』は誤り
民法第561条「売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ売主は『対抗要件を備えさせる義務』を負う。他人物売買も『有効』で売主に『取得・移転義務』(560条・561条)。
解説他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う(561条)。権利移転の対抗要件に係る売主の義務を押さえる。
補足売主は対抗要件を備えさせる義務を負う。他人物売買も有効で、売主は権利を取得して買主に移転する義務を負う。
問7民法(売買)の他人の権利の売買における売主の義務
他人の権利の売買における売主の義務及び権利移転の対抗要件に係る売主の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売主は、買主に対し、売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負わない。
- イ.他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 対抗要件を備えさせる義務を負う → 『義務を負わない』は誤り
民法第560条「登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 561条のとおり → 正しい
民法第561条「売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ売主は『対抗要件を備えさせる義務』を負う。他人物売買では売主が『取得・移転義務』を負う(560条・561条)。
解説他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う(561条)。他人の権利の売買における売主の義務を押さえる。
補足他人物売買も有効で売主は権利を取得して移転する義務を負う。売主は対抗要件を備えさせる義務を負う。
問8民法(売買)の買主の追完請求権
買主の追完請求権及び担保責任の期間の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合、買主はその不適合を知った時から五年以内にその旨を売主に通知すれば足りる。
- イ.引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、履行の追完を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 不適合を知った時から一年以内に通知すべき → 『五年以内で足りる』は誤り
民法第566条「買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは」e-Gov原文
- イ.正しい
- 562条1項のとおり → 正しい
民法第562条「目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ種類・品質の不適合は『知った時から一年以内に通知』しないと追完請求等ができない。契約不適合のとき買主は『追完請求』可(566条・562条)。
解説引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる(562条1項)。買主の追完請求権を押さえる。
補足契約不適合のとき買主は履行の追完を請求できる。種類・品質の不適合は知った時から一年以内に通知しないと追完請求等ができなくなる(数量・権利の不適合は除く)。
問9民法(売買)の買主の代金減額請求権
買主の代金減額請求権及び買主の損害賠償請求等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売主が契約の内容に適合しない目的物を引き渡した場合、買主は代金の減額を請求することができるが、これとは別に損害賠償の請求や解除権の行使をすることはできない。
- イ.契約の内容に適合しない場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 損害賠償請求や解除権の行使は妨げられない → 『することはできない』は誤り
民法第564条「第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 563条1項のとおり → 正しい
民法第563条「買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ代金減額は原則『相当の期間を定めた追完の催告→追完なし』が必要。追完・減額とは別に『損害賠償・解除』も可(563条・564条)。
解説前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる(563条1項)。買主の代金減額請求権を押さえる。
補足代金減額は原則追完の催告を要する(追完不能等の場合は無催告で可)。契約不適合では追完・減額のほか損害賠償・解除もできる。
問10民法(売買)の買主の損害賠償請求及び解除権の行使
買主の損害賠償請求及び解除権の行使並びに売買に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.追完請求及び代金減額請求の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。
- イ.売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 564条のとおり → 正しい
民法第564条「第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 555条のとおり → 正しい
民法第555条「相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ契約不適合では追完・減額に加え『損害賠償・解除』もできる。売買は『財産権移転+代金支払』の約定で成立(564条・555条)。
解説前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない(564条)。買主の損害賠償請求及び解除権の行使を押さえる。
補足契約不適合では追完請求・代金減額のほか、債務不履行の損害賠償・解除もできる。売買は諾成契約である。
問11民法(売買)の移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任
移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任及び買主の追完請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.買主の追完請求権等に関する前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合について準用する。
- イ.引き渡された目的物が品質に関して契約の内容に適合しないものであるときであっても、買主は、売主に対し、履行の追完を請求することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 565条のとおり → 正しい
民法第565条「前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合」e-Gov原文
- イ.誤り
- 契約不適合のとき追完を請求できる → 『請求することはできない』は誤り
民法第562条「目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ権利の契約不適合にも『追完・減額・損賠・解除の規定を準用』。物の契約不適合では買主は『追完請求』可(565条・562条)。
解説前三条の規定は、売主が買主に移転した権利が契約の内容に適合しないものである場合(権利の一部が他人に属する場合においてその権利の一部を移転しないときを含む。)について準用する(565条)。移転した権利が契約の内容に適合しない場合における売主の担保責任を押さえる。
補足移転した権利の契約不適合にも追完請求・代金減額・損害賠償・解除の規定が準用される。物の契約不適合でも買主は追完を請求できる。
問12民法(売買)の目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限
目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限及び売買の一方の予約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示しても、売買の効力を生じない。
- イ.売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 完結の意思表示で売買の効力を生ずる → 『効力を生じない』は誤り
民法第556条「売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 566条のとおり → 正しい
民法第566条「買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは」e-Gov原文
ひっかけ一方の予約は『完結の意思表示』で売買成立。種類・品質の不適合は『知った時から一年以内に通知』しないと権利を失う(556条・566条)。
解説売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない(566条)。目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限を押さえる。
補足種類・品質の不適合は買主が不適合を知った時から一年以内に通知しないと権利を失う(数量・権利の不適合は消滅時効の一般原則による)。一方の予約は完結の意思表示で成立する。
問13民法(売買)の担保責任を負わない旨の特約
担保責任を負わない旨の特約及び売買に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売主は、担保の責任を負わない旨の特約をしたときは、知りながら告げなかった事実についても、その責任を免れることができる。
- イ.売買は、当事者の一方が財産権を移転することを約するだけで、相手方が代金を支払うことを約さなくてもその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 知りながら告げなかった事実については責任を免れることができない → 『免れることができる』は誤り
民法第572条「知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 代金支払の約定によって効力を生ずる → 『代金を約さなくても効力を生ずる』は誤り
民法第555条「相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ担保責任免除の特約をしても『知りながら告げなかった事実』等は免責されない。売買は『財産権移転+代金支払』の約定で成立(572条・555条)。
解説売主は、第五百六十二条第一項本文又は第五百六十五条に規定する場合における担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実及び自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない(572条)。担保責任を負わない旨の特約を押さえる。
補足担保責任免除の特約は有効だが、売主が知りながら告げなかった事実や自ら設定・譲渡した権利については免責されない。売買は諾成・双務・有償の契約である。
問14民法(売買)の果実の帰属及び代金の利息の支払
果実の帰属及び代金の利息の支払並びに売買契約に関する費用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、買主に帰属する。
- イ.売買契約に関する費用は、買主が全額を負担する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 引渡し前の目的物の果実は売主に帰属する → 『買主に帰属する』は誤り
民法第575条「まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 当事者双方が等しい割合で負担する → 『買主が全額を負担する』は誤り
民法第558条「売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する」e-Gov原文
ひっかけ引渡し前の目的物の果実は『売主に帰属』(買主は引渡日から代金利息を支払う)。売買契約の費用は『双方が等しい割合』(575条・558条)。
解説まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う(575条)。果実の帰属及び代金の利息の支払を押さえる。
補足引渡し前の目的物の果実は売主に帰属し、買主は引渡日から代金の利息を支払う(果実と利息を清算不要とする趣旨)。売買契約の費用は双方が等しく負担する。
問15民法(売買)の権利を取得することができない等のおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶
権利を取得することができない等のおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶及び手付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売買の目的について権利を主張する者があること等の事由により、買主がその買い受けた権利を失うおそれがあるときであっても、買主は、代金の支払を拒むことはできない。
- イ.買主が売主に手付を交付したときは、売主が契約の履行に着手した後であっても、買主はその手付を放棄して契約の解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 危険の程度に応じて代金の支払を拒める → 『拒むことはできない』は誤り
民法第576条「買主は、その危険の程度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 相手方が履行に着手した後は手付解除できない → 『売主が着手した後も解除できる』は誤り
民法第557条「その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけ権利を失うおそれがあれば買主は『危険の程度に応じて代金支払を拒絶』できる。手付解除は『相手方が履行に着手する前』まで(576条・557条)。
解説売買の目的について権利を主張する者があることその他の事由により、買主がその買い受けた権利の全部若しくは一部を取得することができず、又は失うおそれがあるときは、買主は、その危険の程度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる(576条)。権利を取得することができない等のおそれがある場合の買主による代金の支払の拒絶を押さえる。
補足買主は権利を失うおそれがあれば危険の程度に応じて代金支払を拒める(売主が担保を供したときを除く)。手付解除は相手方が履行に着手した後はできない。