問1民法(多数当事者)の分割債権及び分割債務
民法の多数当事者の債権及び債務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
- イ.連帯債権では、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 427条のとおり → 正しい
民法第427条「それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 432条のとおり → 正しい
民法第432条「各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ」e-Gov原文
ひっかけ多数当事者の債権債務は原則『分割債権・分割債務』(等しい割合)。連帯債権では各債権者が『全部又は一部の履行を請求』できる(427条・432条)。
解説数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う(427条)。分割債権及び分割債務を押さえる。
補足多数当事者の債権債務は原則として分割債権・分割債務となる(別段の意思表示・不可分・連帯の場合を除く)。連帯債権では各債権者が全部の履行を請求できる。
問2民法(多数当事者)の不可分債権
不可分債権及び分割債権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債権の規定(所定の規定を除く。)は、債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する。
- イ.数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときであっても、各債権者又は各債務者が等しい割合で権利を有し義務を負うことはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 428条のとおり → 正しい
民法第428条「債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 等しい割合で権利を有し義務を負う → 『負うことはない』は誤り
民法第427条「それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ不可分債権には『連帯債権の規定』が準用される。多数当事者の債権債務は原則『分割』(等しい割合)(428条・427条)。
解説次款(連帯債権)の規定(第四百三十三条及び第四百三十五条の規定を除く。)は、債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する(428条)。不可分債権を押さえる。
補足不可分債権には連帯債権の規定が準用される(更改・免除・混同の規定を除く)。多数当事者の債権債務は原則分割される。
問3民法(多数当事者)の不可分債権者の一人との間の更改又は免除
不可分債権者の一人との間の更改又は免除及び不可分債務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不可分債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があった場合においても、他の不可分債権者は、債務の全部の履行を請求することができる。
- イ.連帯債務の規定(所定の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 429条のとおり → 正しい
民法第429条「他の不可分債権者は、債務の全部の履行を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 430条のとおり → 正しい
民法第430条「債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する」e-Gov原文
ひっかけ不可分債権では一人と債務者間に更改・免除があっても他の債権者は『全部の履行を請求』可。不可分債務には『連帯債務の規定』が準用(429条・430条)。
解説不可分債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があった場合においても、他の不可分債権者は、債務の全部の履行を請求することができる(429条)。不可分債権者の一人との間の更改又は免除を押さえる。
補足不可分債権では一人との更改・免除も他の債権者の全部請求を妨げない(利益償還を要する)。不可分債務には連帯債務の規定が準用される。
問4民法(多数当事者)の不可分債務
不可分債務及び不可分債権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務の規定(所定の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。
- イ.不可分債権については、連帯債権の規定が準用されることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 430条のとおり → 正しい
民法第430条「債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 連帯債権の規定を準用する → 『準用されることはない』は誤り
民法第428条「債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する」e-Gov原文
ひっかけ不可分債務には『連帯債務の規定』が準用(混同の規定を除く)。不可分債権には『連帯債権の規定』が準用(430条・428条)。
解説第四款(連帯債務)の規定(第四百四十条の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する(430条)。不可分債務を押さえる。
補足不可分債務には連帯債務の規定が準用される(混同の絶対効の規定を除く)。不可分債権には連帯債権の規定が準用される。
問5民法(多数当事者)の可分債権又は可分債務への変更
可分債権又は可分債務への変更及び連帯債権者の一人との間の混同に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う。
- イ.連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 431条のとおり → 正しい
民法第431条「各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ」e-Gov原文
- イ.正しい
- 435条のとおり → 正しい
民法第435条「連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ不可分が可分に変われば『自己の部分・負担部分についてのみ』。連帯債権者の一人と債務者間の混同は『弁済したものとみなす』(絶対効)(431条・435条)。
解説不可分債権が可分債権となったときは、各債権者は自己が権利を有する部分についてのみ履行を請求することができ、不可分債務が可分債務となったときは、各債務者はその負担部分についてのみ履行の責任を負う(431条)。可分債権又は可分債務への変更を押さえる。
補足不可分が可分になれば各自の部分に縮小する。連帯債権では混同が絶対効(弁済擬制)となる。
問6民法(多数当事者)の連帯債権者による履行の請求等
連帯債権者による履行の請求等及び不可分債権者の一人との間の更改又は免除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債権では、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。
- イ.不可分債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があった場合には、他の不可分債権者は、債務の全部の履行を請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 432条のとおり → 正しい
民法第432条「各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ」e-Gov原文
- イ.誤り
- 他の不可分債権者は全部の履行を請求できる → 『請求することができない』は誤り
民法第429条「他の不可分債権者は、債務の全部の履行を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ連帯債権では各債権者が『全部又は一部の履行を請求』できる。不可分債権では一人との更改・免除後も他の債権者が『全部の履行を請求』可(432条・429条)。
解説債権の目的がその性質上可分である場合において、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債権を有するときは、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる(432条)。連帯債権者による履行の請求等を押さえる。
補足連帯債権では各債権者が全部の履行を請求でき、債務者はいずれの債権者にも履行できる。不可分債権では一人との更改・免除も他の債権者の全部請求を妨げない。
問7民法(多数当事者)の連帯債権者の一人との間の更改又は免除
連帯債権者の一人との間の更改又は免除及び不可分債務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不可分債務については、連帯債務の規定が準用されることはない。
- イ.連帯債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があったときは、その連帯債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益に係る部分については、他の連帯債権者は、履行を請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 連帯債務の規定を準用する → 『準用されることはない』は誤り
民法第430条「債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 433条のとおり → 正しい
民法第433条「その連帯債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益に係る部分については、他の連帯債権者は、履行を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ不可分債務には『連帯債務の規定』が準用。連帯債権では一人との更改・免除により他の債権者はその『分与されるべき利益に係る部分』は請求できない(430条・433条)。
解説連帯債権者の一人と債務者との間に更改又は免除があったときは、その連帯債権者がその権利を失わなければ分与されるべき利益に係る部分については、他の連帯債権者は、履行を請求することができない(433条)。連帯債権者の一人との間の更改又は免除を押さえる。
補足連帯債権では一人との更改・免除は絶対効を持ち、その者の分与利益部分は他の債権者も請求できなくなる(不可分債権では準用されない)。
問8民法(多数当事者)の連帯債権者の一人との間の相殺
連帯債権者の一人との間の相殺及び連帯債権者による履行の請求等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債権では、各債権者は、全ての債権者のために全部の履行を請求することはできず、自己の分与されるべき部分についてのみ請求することができる。
- イ.債務者が連帯債権者の一人に対して債権を有する場合において、その債務者が相殺を援用したときは、その相殺は、他の連帯債権者に対しても、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 全部又は一部の履行を請求できる → 『全部の履行を請求できず自己の部分のみ』は誤り
民法第432条「各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ」e-Gov原文
- イ.正しい
- 434条のとおり → 正しい
民法第434条「その相殺は、他の連帯債権者に対しても、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ連帯債権では各債権者が『全部又は一部の履行を請求』可。債務者が連帯債権者の一人に対する債権で相殺すれば他の連帯債権者にも『効力』(絶対効)(432条・434条)。
解説債務者が連帯債権者の一人に対して債権を有する場合において、その債務者が相殺を援用したときは、その相殺は、他の連帯債権者に対しても、その効力を生ずる(434条)。連帯債権者の一人との間の相殺を押さえる。
補足連帯債権では相殺が絶対効を持ち、債務者が一人の連帯債権者に対する債権で相殺すると他の債権者にも効力が及ぶ。各債権者は全部の履行を請求できる。
問9民法(多数当事者)の連帯債権者の一人との間の混同
連帯債権者の一人との間の混同及び相殺に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者が連帯債権者の一人に対して債権を有する場合において、その債務者が相殺を援用しても、その相殺は、他の連帯債権者に対してはその効力を生じない。
- イ.連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 他の連帯債権者に対しても効力を生ずる → 『効力を生じない』は誤り
民法第434条「その相殺は、他の連帯債権者に対しても、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 435条のとおり → 正しい
民法第435条「連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ連帯債権では相殺が『絶対効』(他の債権者にも効力)。連帯債権者の一人と債務者間の混同は『弁済したものとみなす』(絶対効)(434条・435条)。
解説連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす(435条)。連帯債権者の一人との間の混同を押さえる。
補足連帯債権では相殺・混同が絶対効を持つ(更改・免除も絶対効だが分与利益部分に限る)。混同があると弁済擬制で債権が消滅する。
問10民法(多数当事者)の相対的効力の原則(連帯債権)
相対的効力の原則及び分割債権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所定の場合を除き、連帯債権者の一人の行為又は一人について生じた事由は、他の連帯債権者に対してその効力を生じない。
- イ.数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 435条の2のとおり → 正しい
民法第435条の2「他の連帯債権者に対してその効力を生じない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 427条のとおり → 正しい
民法第427条「それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ連帯債権では一人に生じた事由は原則『他の債権者に効力を生じない』(相対的効力、請求・更改免除・相殺・混同を除く)。多数当事者は原則『分割』(435条の2・427条)。
解説第四百三十二条から前条までに規定する場合を除き、連帯債権者の一人の行為又は一人について生じた事由は、他の連帯債権者に対してその効力を生じない(435条の2)。相対的効力の原則を押さえる。
補足連帯債権では履行請求・更改免除・相殺・混同が絶対効で、それ以外は相対的効力にとどまる。多数当事者の債権債務は原則分割される。
問11民法(多数当事者)の連帯債務者の一人についての法律行為の無効等
連帯債務者の一人についての法律行為の無効等及び通知を怠った連帯債務者の求償の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない。
- イ.他の連帯債務者があることを知りながら連帯債務者の一人が通知しないで弁済等をした場合において、他の連帯債務者が対抗できる事由を有していたときであっても、その事由をもって免責を得た連帯債務者に対抗することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 437条のとおり → 正しい
民法第437条「連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 対抗できる事由をもって対抗できる → 『対抗することはできない』は誤り
民法第443条「他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし」e-Gov原文
ひっかけ連帯債務者の一人に無効・取消原因があっても『他の債務は妨げられない』(独立性)。事前通知を怠った弁済者には他の債務者が対抗事由を『対抗できる』(求償の制限)(437条・443条)。
解説連帯債務者の一人について法律行為の無効又は取消しの原因があっても、他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない(437条)。連帯債務者の一人についての法律行為の無効等を押さえる。
補足連帯債務は各債務が独立し、一人の無効・取消しは他の債務に影響しない。事前通知を怠って弁済した連帯債務者は求償が制限される。
問12民法(多数当事者)の通知を怠った連帯債務者の求償の制限
通知を怠った連帯債務者の求償の制限及び相対的効力の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債権者の一人について生じた事由は、所定の場合を除くほか、常に他の連帯債権者に対してもその効力を生ずる。
- イ.他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済等をした場合において、他の連帯債務者が対抗できる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもって免責を得た連帯債務者に対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 原則として効力を生じない(相対的効力) → 『常に効力を生ずる』は誤り
民法第435条の2「他の連帯債権者に対してその効力を生じない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 443条のとおり → 正しい
民法第443条「他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし」e-Gov原文
ひっかけ連帯債権では一人に生じた事由は原則『相対的効力』(効力を生じない)。事前通知を怠った弁済者には他の債務者が対抗事由を『対抗できる』(435条の2・443条)。
解説他の連帯債務者があることを知りながら、連帯債務者の一人が共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得た場合において、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもってその免責を得た連帯債務者に対抗することができる(443条)。通知を怠った連帯債務者の求償の制限を押さえる。
補足事前通知を怠って弁済した連帯債務者は、他の債務者が有していた抗弁の対抗を受け求償が制限される。連帯債権は相対的効力が原則である。
問13民法(多数当事者)の償還をする資力のない者の負担部分の分担
償還をする資力のない者の負担部分の分担及び分割債権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者が単独で負担する。
- イ.数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときであっても、各債権者又は各債務者は等しい割合で権利を有し義務を負うわけではない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 求償者及び他の資力のある者の間で分割して負担する → 『求償者が単独で負担する』は誤り
民法第444条「求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 等しい割合で権利を有し義務を負う → 『負うわけではない』は誤り
民法第427条「それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ無資力の連帯債務者の負担部分は『求償者+他の資力のある者』で負担部分に応じて分割負担(求償者単独ではない)。多数当事者は原則『分割』(444条・427条)。
解説連帯債務者の中に償還をする資力のない者があるときは、その償還をすることができない部分は、求償者及び他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する(444条1項)。償還をする資力のない者の負担部分の分担を押さえる。
補足無資力者がいると、その負担部分は求償者と他の資力ある者が負担割合に応じて分担する(求償者だけが損をしない)。多数当事者の債権債務は原則分割である。
問14民法(多数当事者)の併存的債務引受における引受人の抗弁等
併存的債務引受における引受人の抗弁及び連帯債権者による履行の請求等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.併存的債務引受の引受人は、併存的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することはできない。
- イ.連帯債権者の一人は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 抗弁をもって債権者に対抗できる → 『対抗することはできない』は誤り
民法第471条「債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 全部又は一部の履行を請求できる → 『請求することはできない』は誤り
民法第432条「各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ」e-Gov原文
ひっかけ併存的債務引受の引受人は債務者が主張できた『抗弁をもって対抗』できる。連帯債権者の一人は『全部又は一部の履行を請求』できる(471条・432条)。
解説引受人は、併存的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる(471条1項)。併存的債務引受における引受人の抗弁等を押さえる。
補足併存的債務引受の引受人は原債務者と連帯債務者の関係に立ち、原債務者の抗弁を援用できる。連帯債権者は各自が全部の履行を請求できる。
問15民法(多数当事者)の免責的債務引受における引受人の抗弁等
免責的債務引受における引受人の抗弁及び連帯債権者の一人との間の混同に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.免責的債務引受の引受人は、免責的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することはできない。
- イ.連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときであっても、債務者は、弁済をしたものとはみなされない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 抗弁をもって債権者に対抗できる → 『対抗することはできない』は誤り
民法第472条の2「債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 混同があったとき弁済をしたものとみなす → 『みなされない』は誤り
民法第435条「連帯債権者の一人と債務者との間に混同があったときは、債務者は、弁済をしたものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ免責的債務引受の引受人も債務者が主張できた『抗弁をもって対抗』できる。連帯債権者の一人と債務者間の混同は『弁済したものとみなす』(472条の2・435条)。
解説引受人は、免責的債務引受により負担した自己の債務について、その効力が生じた時に債務者が主張することができた抗弁をもって債権者に対抗することができる(472条の2第1項)。免責的債務引受における引受人の抗弁等を押さえる。
補足免責的債務引受の引受人は原債務者の抗弁を援用できるが、原債務者は債務を免れる(併存的引受と異なり原債務者は残らない)。連帯債権では混同が絶対効となる。