問1保証債務の範囲
保証及び消費貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
- イ.消費貸借において、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、借主は、その物の価額を返還することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 447条1項のとおり → 正しい
民法第447条「保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 590条2項のとおり → 正しい
民法第590条「借主は、その物の価額を返還することができる」e-Gov原文
ひっかけ保証債務は主たる債務の『利息・違約金・損害賠償その他従たるすべて』を包含。契約不適合の貸与物は借主が『価額を返還』できる(447条・590条)。
解説保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する(447条1項)。保証人は、その保証債務についてのみ、違約金又は損害賠償の額を約定できる(同条2項)。保証債務の範囲を押さえる。
補足保証債務は付従性により主たる債務に従たるものすべてに及ぶ。貸金の保証では元本のほか利息・遅延損害金等も保証の範囲となる。
問2保証人の負担と主たる債務の目的又は態様
保証人の負担及び貸主の引渡義務等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときはこれを主たる債務の限度に減縮し、主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであつても、保証人の負担は加重されない。
- イ.消費貸借において、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであつても、借主は、その物の価額を返還することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 価額を返還できる → 『返還することはできない』は誤り
民法第590条「借主は、その物の価額を返還することができる」e-Gov原文
ひっかけ保証人の負担は主たる債務の限度に『減縮』され、締結後の主たる債務の加重は保証人に『及ばない』(448条)。
解説保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する(448条1項)。主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない(同条2項)。保証人の負担と主たる債務の目的又は態様を押さえる。
補足保証債務は主たる債務より重くなることはなく(付従性)、締結後に主たる債務が加重されても保証人は当初の範囲でのみ責任を負う。
問3取り消すことができる債務の保証
取り消すことができる債務の保証及び消費貸借の利息に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行為能力の制限によつて取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する。
- イ.消費貸借において、貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができず、特約があるときは、借主が金銭その他の物を受け取つた日以後の利息を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 449条のとおり → 正しい
民法第449条「保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは」e-Gov原文
- イ.正しい
- 589条のとおり → 正しい
民法第589条「貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ取消原因を『知っていた』保証人は独立の債務を負担したものと『推定』。消費貸借の利息は『特約』が必要で受取日以後(449条・589条)。
解説行為能力の制限によって取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは、主たる債務の不履行の場合又はその債務の取消しの場合においてこれと同一の目的を有する独立の債務を負担したものと推定する(449条)。取り消すことができる債務の保証を押さえる。
補足主たる債務が制限行為能力で取り消されると付従性により保証債務も消滅するのが原則だが、取消原因を知っていた保証人は独立の債務を負担したものと推定され、責任を免れない。
問4催告の抗弁及び検索の抗弁の効果
催告の抗弁及び検索の抗弁の効果並びに保証債務の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証人の催告の抗弁又は検索の抗弁による請求又は証明があつたにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠つたために主たる債務者から全部の弁済を得られなかつたときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる。
- イ.保証債務は、主たる債務の元本に限られ、利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるものは包含しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 455条のとおり → 正しい
民法第455条「債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 従たるすべてを包含する → 『元本に限られ従たるものは包含しない』は誤り
民法第447条「保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する」e-Gov原文
ひっかけ催告・検索の抗弁を主張したのに債権者が催告執行を『怠った』ときは、保証人は得られたはずの弁済の限度で『免責』。保証債務は従たるものすべてを包含(455条・447条)。
解説452条(催告の抗弁)又は453条(検索の抗弁)の規定による保証人の請求又は証明があったにもかかわらず、債権者が催告又は執行をすることを怠ったために主たる債務者から全部の弁済を得られなかったときは、保証人は、債権者が直ちに催告又は執行をすれば弁済を得ることができた限度において、その義務を免れる(455条)。催告の抗弁及び検索の抗弁の効果を押さえる。
補足催告の抗弁・検索の抗弁は普通保証人の権利で、連帯保証人にはない。抗弁を主張したのに債権者が怠ると、その分保証人は責任を免れる。
問5通知を怠った保証人の求償の制限等
通知を怠った保証人の求償の制限等及び準消費貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもつてその保証人に対抗することができる。
- イ.金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによつて成立したものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 463条1項のとおり → 正しい
民法第463条「主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは」e-Gov原文
- イ.正しい
- 588条のとおり → 正しい
民法第588条「金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ委託を受けた保証人が事前通知せず弁済等をすると、主たる債務者は『対抗できた事由』をもって保証人に対抗できる。既存債務を消費貸借の目的とすれば『準消費貸借』が成立(463条・588条)。
解説保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもってその保証人に対抗することができる(463条1項、事前通知を怠った保証人の求償の制限)。通知を怠った保証人の求償の制限等を押さえる。
補足委託を受けた保証人には事前通知・事後通知の義務があり、怠ると求償が制限される。準消費貸借は、売買代金債務等の既存債務を貸金債務に切り替える場合に用いられる。
問6共同保証人間の求償権
共同保証人間の求償権及び取り消すことができる債務の保証に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときは、連帯債務者間の求償に関する規定が準用される。
- イ.行為能力の制限によつて取り消すことができる債務を保証した者は、保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときであつても、独立の債務を負担したものと推定されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 465条1項のとおり → 正しい
民法第465条「数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が」e-Gov原文
- イ.誤り
- 独立の債務を負担したものと推定される → 『推定されない』は誤り
民法第449条「保証契約の時においてその取消しの原因を知っていたときは」e-Gov原文
ひっかけ共同保証人の一人が全額等を弁済すると『連帯債務の求償規定』が準用され他の保証人に求償できる。取消原因を知っていた保証人は独立の債務を『推定』(465条・449条)。
解説442条から444条まで(連帯債務者間の求償権等)の規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約(連帯保証・保証連帯)があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する(465条1項)。共同保証人間の求償権を押さえる。
補足共同保証では分別の利益(各保証人は頭数で分割した額のみ負担)が原則だが、連帯保証・保証連帯・不可分債務の場合は分別の利益がなく、全額弁済した保証人は他の保証人に求償できる。
問7個人貸金等根保証契約の元本確定期日
個人貸金等根保証契約の元本確定期日に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人貸金等根保証契約において、主たる債務の元本確定期日を、その契約の締結の日から十年を経過する日と定めることができる。
- イ.個人貸金等根保証契約において、主たる債務の元本確定期日をその契約の締結の日から五年を経過する日より後の日と定めたときは、その元本確定期日の定めは、その効力を生じない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 5年を経過する日より後は無効 → 『10年を経過する日と定められる』は誤り
民法第465条の3「その元本確定期日がその個人貸金等根保証契約の締結の日から五年を経過する日より後の」e-Gov原文
- イ.正しい
- 465条の3のとおり → 正しい
民法第465条の3「その元本確定期日がその個人貸金等根保証契約の締結の日から五年を経過する日より後の」e-Gov原文
ひっかけ個人貸金等根保証契約の元本確定期日は契約締結日から『5年以内』に限られる(5年経過日より後の定めは無効・定めがなければ3年)(465条の3)。
解説個人根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるもの(個人貸金等根保証契約)において、元本確定期日をその契約の締結の日から5年を経過する日より後の日と定めたときは、その元本確定期日の定めは効力を生じない(465条の3第1項)。元本確定期日の定めがないときは締結の日から3年を経過する日が元本確定期日となる(同条2項)。個人貸金等根保証契約の元本確定期日を押さえる。
補足個人が貸金等の根保証をする場合、保証人保護のため元本確定期日は最長5年に制限される。定めがなければ3年で元本が確定する。極度額の定めも必要である(465条の2)。
問8個人根保証契約の元本の確定事由
個人根保証契約の元本の確定事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者又は保証人が死亡したときであつても、個人根保証契約における主たる債務の元本は確定しない。
- イ.個人根保証契約において、保証人が破産手続開始の決定を受けたとき、主たる債務者又は保証人が死亡したとき等には、主たる債務の元本は確定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 死亡により元本が確定する → 『確定しない』は誤り
民法第465条の4「三主たる債務者又は保証人が死亡したとき」e-Gov原文
- イ.正しい
- 465条の4のとおり → 正しい
民法第465条の4「個人根保証契約における主たる債務の元本は、確定する」e-Gov原文
ひっかけ個人根保証の元本は、保証人の財産への強制執行等の申立て・保証人の破産・主たる債務者又は保証人の『死亡』により確定する(465条の4)。
解説次に掲げる場合には、個人根保証契約における主たる債務の元本は確定する。すなわち、債権者が保証人の財産について強制執行又は担保権の実行を申し立てたとき(開始があったときに限る)、保証人が破産手続開始の決定を受けたとき、主たる債務者又は保証人が死亡したときである(465条の4第1項)。個人根保証契約の元本の確定事由を押さえる。
補足保証人の死亡は元本確定事由だが、主たる債務者の破産・死亡は貸金等根保証(465条の4第2項)でのみ元本確定事由となる点に注意する。保証人保護のための規定である。
問9公正証書の作成と保証の効力
公正証書の作成と保証の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約は、公正証書によることなく、保証人になろうとする者が口頭で保証債務を履行する意思を表示すれば、その効力を生ずる。
- イ.事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 公正証書で意思表示していなければ効力を生じない → 『口頭で足りる』は誤り
民法第465条の6「公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 465条の6のとおり → 正しい
民法第465条の6「その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない」e-Gov原文
ひっかけ事業のための貸金等債務の個人保証は、締結前『1箇月以内』に作成した『公正証書』で保証意思を表示しなければ効力を生じない(465条の6)。
解説事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前1箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない(465条の6第1項)。公正証書の作成と保証の効力を押さえる。
補足個人が事業のための貸金等債務を保証する場合、安易な保証による保証人の被害を防ぐため、公証人による保証意思の確認(保証意思宣明公正証書)が効力要件とされる。
問10保証に係る公正証書の方式の特則
保証に係る公正証書の方式の特則及び保証債務の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業のために負担する貸金等債務の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が口がきけない者である場合には、公証人の前で、通訳人の通訳により申述し、又は自書して、口授に代えることができる。
- イ.保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 465条の7のとおり → 正しい
民法第465条の7「前条第一項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が口がきけない者である場合には、公証人の前で」e-Gov原文
- イ.正しい
- 447条1項のとおり → 正しい
民法第447条「保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する」e-Gov原文
ひっかけ口がきけない保証人になろうとする者は、公証人の前で『通訳人の通訳による申述又は自書』で口授に代えられる(465条の7)。
解説465条の6第1項の保証契約又は根保証契約の保証人になろうとする者が口がきけない者である場合には、公証人の前で、契約の区分に応じた事項を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、口授に代えなければならない(465条の7第1項)。保証に係る公正証書の方式の特則を押さえる。
補足保証意思宣明公正証書は原則として保証人になろうとする者が口授するが、口がきけない者・耳が聞こえない者については通訳・自書等の代替手段が認められる。
問11公正証書の作成と保証の効力に関する規定の適用除外
公正証書の作成に関する規定の適用除外及び通知を怠った保証人の求償の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業のために負担する貸金等債務の保証意思を公正証書で表示すべき規定は、保証人になろうとする者が主たる債務者である法人の理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者である保証契約については、適用しない。
- イ.保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときであつても、主たる債務者は、債権者に対抗することができた事由をもつてその保証人に対抗することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 465条の9のとおり → 正しい
民法第465条の9「保証人になろうとする者が次に掲げる者である保証契約については、適用しない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 対抗事由をもって対抗できる → 『対抗することはできない』は誤り
民法第463条「主たる債務者にあらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたときは」e-Gov原文
ひっかけ法人の取締役等が保証人になる場合は公正証書作成(保証意思宣明)の規定は『適用除外』(経営者保証)(465条の9)。
解説465条の6から465条の8までの規定(公正証書の作成と保証の効力等)は、保証人になろうとする者が主たる債務者である法人の理事・取締役・執行役等である場合、主たる債務者の総株主の議決権の過半数を有する者等である場合等には、適用しない(465条の9)。公正証書の作成と保証の効力に関する規定の適用除外を押さえる。
補足経営者(取締役・支配株主等)や主たる債務者と共同事業を行う者・配偶者等は、事業の状況を把握できる立場にあるため、保証意思宣明公正証書の作成義務が免除される。
問12保証契約締結時の情報の提供義務
保証契約締結時の情報の提供義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証の委託をするときであつても、委託を受ける者に対し、財産及び収支の状況等の情報を提供する必要はない。
- イ.主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又はその債務が含まれる根保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、財産及び収支の状況、主たる債務以外に負担している債務の有無等の情報を提供しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 情報を提供しなければならない → 『提供する必要はない』は誤り
民法第465条の10「委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 465条の10のとおり → 正しい
民法第465条の10「委託を受ける者に対し、次に掲げる事項に関する情報を提供しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ事業のための債務の保証の委託時は、主たる債務者が委託を受ける者に『財産・収支の状況』『他の債務の状況』等を情報提供しなければならない(465条の10)。
解説主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証又は主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証の委託をするときは、委託を受ける者に対し、財産及び収支の状況、主たる債務以外に負担している債務の有無並びにその額及び履行状況、主たる債務の担保として他に提供するもの等に関する情報を提供しなければならない(465条の10第1項)。保証契約締結時の情報の提供義務を押さえる。
補足主たる債務者が情報提供義務に違反し、保証人が誤認して保証契約をした場合、債権者がその事実を知り又は知り得たときは、保証人は保証契約を取り消すことができる(465条の10第2項)。
問13準消費貸借
準消費貸借及び保証債務の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときであつても、消費貸借は成立しない。
- イ.保証債務は、主たる債務の元本のみを包含し、利息や損害賠償を包含しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 準消費貸借が成立する → 『消費貸借は成立しない』は誤り
民法第588条「消費貸借は、これによって成立したものとみなす」e-Gov原文
- イ.誤り
- 従たるすべてを包含する → 『元本のみを包含し利息等を包含しない』は誤り
民法第447条「保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する」e-Gov原文
ひっかけ既存債務を消費貸借の目的とする約定で『準消費貸借』が成立。保証債務は利息・損害賠償等『従たるすべて』を包含(588条・447条)。
解説金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借はこれによって成立したものとみなす(588条、準消費貸借)。準消費貸借を押さえる。
補足準消費貸借は、既存の債務(売掛金・立替金等)を目的として、その物を消費貸借上の債務に切り替える契約である。新旧債務の同一性は原則として維持される(判例)。
問14消費貸借の利息
消費貸借の利息及び保証人の負担に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.消費貸借において、貸主は、特約がなくても、当然に借主に対して利息を請求することができる。
- イ.保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときであつても、これを主たる債務の限度に減縮することはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 特約がなければ利息を請求できない → 『特約がなくても当然に請求できる』は誤り
民法第589条「貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 主たる債務の限度に減縮する → 『減縮することはない』は誤り
ひっかけ消費貸借は原則『無利息』で、利息には『特約』が必要(利息付きが原則ではない)。保証人の負担は主たる債務の限度に『減縮』(589条・448条)。
解説貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない(589条1項)。利息の特約があるときは、貸主は借主が金銭その他の物を受け取った日以後の利息を請求することができる(同条2項)。消費貸借の利息を押さえる。
補足民法上の消費貸借は無利息が原則で、利息を取るには特約が必要である。商人間の金銭消費貸借は特約がなくても法定利息を請求できる(商法513条)。貸金業では利息制限法・出資法による上限規制がある。
問15貸主の引渡義務等
貸主の引渡義務等及び消費貸借の利息に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.消費貸借において、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときであつても、借主は、その物と同種、同等及び同量の物を返還しなければならない。
- イ.消費貸借において、利息の特約があるときであつても、貸主は、借主が金銭その他の物を受け取つた日より前の期間について利息を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 価額を返還できる → 『同種同等同量の物を返還しなければならない』は誤り
民法第590条「借主は、その物の価額を返還することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 受け取った日以後の利息 → 『受け取った日より前の期間について請求できる』は誤り
民法第589条「借主が金銭その他の物を受け取った日以後の利息を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ契約不適合の貸与物は借主が『価額を返還』できる(同種同量の物でなくてよい)。利息は金銭等を『受け取った日以後』の期間について請求(590条・589条)。
解説消費貸借において、貸主から引き渡された物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、借主は、その物の価額を返還することができる(590条2項)。利息の特約がある場合、貸主は借主が金銭その他の物を受け取った日以後の利息を請求できる(589条2項)。貸主の引渡義務等を押さえる。
補足消費貸借は借りた物と同種同等同量の物を返還するのが原則だが、契約不適合の物が引き渡された場合は価額返還が認められる。利息は現実に交付を受けた日から発生する。