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犯罪による収益の移転防止に関する法律・第7

犯罪収益移転防止法(取引時確認・確認記録・取引記録・疑わしい取引の届出)の問題(15問)

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この章で確認する論点

7章では、犯罪収益移転防止法の取引時確認・高リスク取引に係る取引時確認・取引時確認に係る特定事業者の免責・確認記録の作成義務・確認記録の保存期間を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年7月時点の法令に準拠
1犯罪収益移転防止法の取引時確認

犯罪による収益の移転防止に関する法律に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、顧客等との間で特定取引を行うに際しては、当該顧客等について、本人特定事項、取引を行う目的、職業又は事業の内容、実質的支配者の本人特定事項等の確認を行わなければならない。
  • 行政庁は、特定事業者がその業務に関して取引時確認等の規定に違反していると認めるときは、当該特定事業者に対し、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
4条1項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条当該顧客等について、次に掲げる事項の確認を行わなければならないe-Gov原文

正しい
18条のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第18条当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができるe-Gov原文

ひっかけ取引時確認の確認事項は『本人特定事項・取引目的・職業事業内容・実質的支配者』の4つ。違反には行政庁の『是正命令』(4条・18条)。

解説特定事業者は、顧客等との間で特定取引を行うに際しては、主務省令で定める方法により、当該顧客等について、本人特定事項(自然人は氏名・住居・生年月日、法人は名称・所在地)、取引を行う目的、職業(法人は事業の内容)、実質的支配者の本人特定事項の確認を行わなければならない(4条1項、取引時確認)。犯罪収益移転防止法の取引時確認を押さえる。

補足貸金業者は犯罪収益移転防止法の特定事業者であり、顧客との貸付契約等の特定取引に際して取引時確認(本人確認等)が義務づけられる。マネー・ローンダリング防止のための中核的義務である。

2高リスク取引に係る取引時確認

高リスク取引に係る取引時確認及び是正命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、なりすましの疑いがある取引その他の一定の取引を行うに際しては、通常の取引時確認事項に加え、より厳格な方法により確認を行わなければならない。
  • 行政庁は、特定事業者が取引時確認等の規定に違反していると認めるときであつても、是正のため必要な措置をとるべきことを命ずることはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
4条2項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条特定業務のうち次の各号のいずれかに該当する取引を行うに際してはe-Gov原文

誤り
是正措置を命ずることができる → 『命ずることはできない』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第18条当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができるe-Gov原文

ひっかけなりすましの疑い等の『高リスク取引』は、通常の確認事項に加え『資産・収入の状況』等をより厳格な方法で確認(4条2項)。

解説特定事業者は、特定業務のうち、なりすましの疑いがある取引、取引時確認事項を偽っていた疑いがある顧客等との取引、特定国等に居住・所在する顧客等との取引等(高リスク取引)を行うに際しては、通常の確認事項に加え、当該取引が一定額を超える財産の移転を伴う場合には資産及び収入の状況等について、より厳格な方法により確認を行わなければならない(4条2項)。高リスク取引に係る取引時確認を押さえる。

補足高リスク取引では、本人特定事項の確認をより厳格な書類で行い、必要に応じて資産・収入の状況も確認する。マネロン・テロ資金供与のリスクが高い取引を重点的に監視する趣旨である。

3取引時確認に係る特定事業者の免責

取引時確認に係る特定事業者の免責及び行政庁の指導等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、顧客等又は代表者等が特定取引等を行う際に取引時確認に応じないときは、当該顧客等又は代表者等がこれに応ずるまでの間、当該特定取引等に係る義務の履行を拒むことができる。
  • 行政庁は、特定事業者による措置の適正かつ円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、特定事業者に対し、必要な指導、助言及び勧告をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
5条のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第5条当該特定取引等に係る義務の履行を拒むことができるe-Gov原文

正しい
17条のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第17条特定事業者に対し、必要な指導、助言及び勧告をすることができるe-Gov原文

ひっかけ顧客等が取引時確認に『応じない』ときは、特定事業者は応ずるまで『義務の履行を拒める』(免責)。行政庁は『指導・助言・勧告』ができる(5条・17条)。

解説特定事業者は、顧客等又は代表者等が特定取引等を行う際に取引時確認に応じないときは、当該顧客等又は代表者等がこれに応ずるまでの間、当該特定取引等に係る義務の履行を拒むことができる(5条、特定事業者の免責)。取引時確認に係る特定事業者の免責を押さえる。

補足顧客が本人確認に協力しない場合、特定事業者は貸付け等の債務の履行を拒める。取引時確認の実効性を確保するための規定である。監督には指導・助言・勧告(17条)と是正命令(18条)がある。

4確認記録の作成義務

確認記録の作成義務及び取引時確認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、取引時確認を行つた場合には、直ちに、主務省令で定める方法により、確認記録を作成しなければならない。
  • 特定事業者は、顧客等との間で特定取引を行うに際しても、当該顧客等の本人特定事項等について確認を行う必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
6条1項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第6条特定事業者は、取引時確認を行った場合には、直ちにe-Gov原文

誤り
確認を行わなければならない → 『確認を行う必要はない』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条当該顧客等について、次に掲げる事項の確認を行わなければならないe-Gov原文

ひっかけ取引時確認を行った場合は『直ちに』確認記録を作成。特定取引に際し取引時確認は『必須』(6条・4条)。

解説特定事業者は、取引時確認を行った場合には、直ちに、主務省令で定める方法により、当該取引時確認に係る事項、当該取引時確認のためにとった措置その他の主務省令で定める事項に関する記録(確認記録)を作成しなければならない(6条1項)。確認記録の作成義務を押さえる。

補足確認記録は取引時確認の内容を記録するもので、取引時確認を行ったら直ちに作成する。後日の検証・監督のため一定期間保存される。

5確認記録の保存期間

確認記録の保存期間及び弁護士等による相当措置に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、確認記録を、特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、七年間保存しなければならない。
  • 弁護士等による取引時確認、確認記録の作成及び保存、取引記録等の作成及び保存並びにこれらを的確に行うための措置に相当する措置については、日本弁護士連合会の会則で定めるところによる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
6条2項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第6条特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、七年間保存しなければならないe-Gov原文

正しい
12条1項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第12条日本弁護士連合会の会則で定めるところによるe-Gov原文

ひっかけ確認記録は契約終了日等から『7年間』保存。弁護士等の相当措置は『日本弁護士連合会の会則』による(6条・12条)。

解説特定事業者は、確認記録を、特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、7年間保存しなければならない(6条2項)。確認記録の保存期間を押さえる。

補足確認記録・取引記録等の保存期間はいずれも7年間である。弁護士等は職務の特殊性から、この法律の規定でなく日本弁護士連合会の会則により相当の措置を行う。

6取引記録等の作成義務

取引記録等の作成義務及び確認記録の作成義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、特定業務に係る取引を行つた場合には、少額の取引その他の政令で定める取引を除き、直ちに、主務省令で定める方法により、取引記録を作成しなければならない。
  • 特定事業者は、取引時確認を行つた場合であつても、確認記録を作成する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
7条1項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第7条特定業務に係る取引を行った場合には、少額の取引その他の政令で定める取引を除き、直ちにe-Gov原文

誤り
確認記録を作成しなければならない → 『作成する必要はない』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第6条特定事業者は、取引時確認を行った場合には、直ちにe-Gov原文

ひっかけ特定業務に係る取引は『少額取引等を除き』直ちに取引記録を作成。取引時確認を行えば確認記録も作成(7条・6条)。

解説特定事業者は、特定業務に係る取引を行った場合には、少額の取引その他の政令で定める取引を除き、直ちに、主務省令で定める方法により、顧客等の確認記録を検索するための事項、当該取引の期日及び内容その他の事項に関する記録(取引記録)を作成しなければならない(7条1項)。取引記録等の作成義務を押さえる。

補足確認記録(取引時確認の記録)と取引記録(個々の取引の記録)は別のものである。取引記録は少額取引等を除き作成し、いずれも7年間保存する。

7取引記録等の保存期間

取引記録等の保存期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、取引記録等を、当該取引又は特定受任行為の代理等の行われた日から三年間保存しなければならない。
  • 特定事業者は、取引記録等を、当該取引又は特定受任行為の代理等の行われた日から七年間保存しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
7年間保存 → 『三年間保存』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第7条当該取引又は特定受任行為の代理等の行われた日から七年間保存しなければならないe-Gov原文

正しい
7条3項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第7条当該取引又は特定受任行為の代理等の行われた日から七年間保存しなければならないe-Gov原文

ひっかけ取引記録等は取引の行われた日から『7年間』保存(確認記録の保存期間と同じ)(7条3項)。

解説特定事業者は、取引記録等(7条1項・2項の記録)を、当該取引又は特定受任行為の代理等の行われた日から7年間保存しなければならない(7条3項)。取引記録等の保存期間を押さえる。

補足確認記録(6条2項)も取引記録等(7条3項)もいずれも7年間の保存が必要である。保存期間の起算点は、確認記録は契約終了日等、取引記録は取引の行われた日である。

8疑わしい取引の届出

疑わしい取引の届出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、特定業務に係る取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあると認められる場合であつても、行政庁に届け出る必要はない。
  • 特定事業者は、特定業務に係る取引において収受した財産が犯罪による収益である疑い等があると認められる場合には、速やかに、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
行政庁に届け出なければならない → 『届け出る必要はない』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第8条速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならないe-Gov原文

正しい
8条1項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第8条速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならないe-Gov原文

ひっかけ収受財産が犯罪収益である疑い等があると認められる場合は、『速やかに』行政庁に『疑わしい取引の届出』(8条)。

解説特定事業者は、特定業務に係る取引について、当該取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるかどうか、又は顧客等が当該取引に関し組織的犯罪処罰法・麻薬特例法の罪に当たる行為を行っている疑いがあるかどうかを判断し、これらの疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならない(8条1項、疑わしい取引の届出)。疑わしい取引の届出を押さえる。

補足疑わしい取引の届出は、取引時確認の結果・取引の態様・犯罪収益移転危険度調査書の内容等を勘案して判断する。マネロン・テロ資金供与の疑いのある取引を当局に通報する制度である。

9疑わしい取引の届出に係る情報の漏えいの禁止

疑わしい取引の届出に係る情報の漏えいの禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者(その役員及び使用人を含む。)は、疑わしい取引の届出を行おうとすることを、当該疑わしい取引の届出に係る顧客等に知らせることができる。
  • 特定事業者(その役員及び使用人を含む。)は、疑わしい取引の届出を行おうとすること又は行つたことを、当該疑わしい取引の届出に係る顧客等又はその者の関係者に漏らしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
漏らしてはならない → 『顧客等に知らせることができる』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第8条行おうとすること又は行ったことを当該疑わしい取引の届出に係る顧客等又はその者の関係者に漏らしてはならないe-Gov原文

正しい
8条4項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第8条行おうとすること又は行ったことを当該疑わしい取引の届出に係る顧客等又はその者の関係者に漏らしてはならないe-Gov原文

ひっかけ疑わしい取引の届出を『行おうとすること・行ったこと』を、当該顧客等又はその関係者に『漏らしてはならない』(8条4項)。

解説特定事業者(その役員及び使用人を含む)は、疑わしい取引の届出を行おうとすること又は行ったことを、当該疑わしい取引の届出に係る顧客等又はその者の関係者に漏らしてはならない(8条4項)。疑わしい取引の届出に係る情報の漏えいの禁止を押さえる。

補足届出の事実が顧客に漏れると証拠隠滅や捜査妨害につながるため、届出の情報漏えいが厳しく禁止される。役員・使用人にも及ぶ義務である。

10外国所在為替取引業者との契約締結の際の確認

外国所在為替取引業者との契約締結の際の確認及び取引時確認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 所定の特定事業者は、外国所在為替取引業者との間で、為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際しては、当該外国所在為替取引業者について所定の確認を行わなければならない。
  • 特定事業者は、顧客等との間で特定取引を行うに際しては、当該顧客等について本人特定事項等の確認を行わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
9条のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第9条為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際してはe-Gov原文

正しい
4条1項のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条当該顧客等について、次に掲げる事項の確認を行わなければならないe-Gov原文

ひっかけ外国所在為替取引業者と継続反復の為替取引契約を結ぶ際は、その業者の体制等を『確認』(コルレス契約の確認)(9条)。

解説所定の特定事業者(銀行等)は、外国所在為替取引業者との間で、為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際しては、主務省令で定める方法により、当該外国所在為替取引業者について、取引時確認等の的確な実施のために必要な体制の整備状況等を確認しなければならない(9条)。外国所在為替取引業者との契約締結の際の確認を押さえる。

補足外国の為替取引業者とのコルレス契約では、相手方のマネロン対策体制等を確認する必要がある。国際的な資金移動を通じたマネロンを防ぐ趣旨である(貸金業者は主に4条以下の取引時確認等が中心)。

11外国為替取引に係る通知義務

外国為替取引に係る通知義務及び外国所在為替取引業者との契約締結の際の確認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、顧客と本邦から外国へ向けた支払に係る為替取引を行う場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者に委託するときは、当該顧客及び当該顧客の支払の相手方に係る本人特定事項等を通知しなければならない。
  • 所定の特定事業者は、外国所在為替取引業者との間で為替取引を継続的に又は反復して行う契約を締結する際であつても、当該外国所在為替取引業者について確認を行う必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
10条のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第10条当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者e-Gov原文

誤り
確認を行わなければならない → 『確認を行う必要はない』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第9条為替取引を継続的に又は反復して行うことを内容とする契約を締結するに際してはe-Gov原文

ひっかけ外国向け支払の為替取引を他の事業者に委託するときは、顧客及び相手方の『本人特定事項等を通知』(10条)。

解説特定事業者は、顧客と本邦から外国へ向けた支払に係る為替取引を行う場合において、当該支払を他の特定事業者又は外国所在為替取引業者に委託するときは、当該顧客及び当該顧客の支払の相手方に係る本人特定事項その他の主務省令で定める事項を、委託先に通知しなければならない(10条)。外国為替取引に係る通知義務を押さえる。

補足国際送金では、送金人・受取人の情報を仲介する各事業者に引き継ぐことで、資金の流れの追跡可能性を確保する(トラベルルール)。マネロン・テロ資金供与対策の国際基準に対応する。

12取引時確認等を的確に行うための措置

取引時確認等を的確に行うための措置に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特定事業者は、取引時確認等の措置を的確に行うため、使用人に対する教育訓練の実施や取引時確認等の措置の実施に関する規程の作成等の措置を講ずる義務を一切負わない。
  • 特定事業者は、取引時確認等の措置を的確に行うため、確認した事項に係る情報を最新の内容に保つための措置を講ずるほか、使用人に対する教育訓練の実施等の措置を講ずるように努めなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
措置を講ずるように努めなければならない → 『義務を一切負わない』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第11条次に掲げる措置を講ずるように努めなければならないe-Gov原文

正しい
11条のとおり → 正しい

犯罪による収益の移転防止に関する法律第11条次に掲げる措置を講ずるように努めなければならないe-Gov原文

ひっかけ取引時確認等を的確に行うため、情報の更新のほか『教育訓練・規程作成・統括管理者の選任』等の措置を講ずる努力義務(11条)。

解説特定事業者は、取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置(取引時確認等の措置)を的確に行うため、確認した事項に係る情報を最新の内容に保つための措置を講ずるものとするほか、使用人に対する教育訓練の実施、取引時確認等の措置の実施に関する規程の作成、取引時確認等の措置の的確な実施のために必要な監査等の体制の整備等の措置を講ずるように努めなければならない(11条)。取引時確認等を的確に行うための措置を押さえる。

補足情報を最新に保つ措置は「講ずるものとする」(義務的な色彩が強い)が、教育訓練・規程作成・統括管理者の選任等は努力義務である。組織的なマネロン対策体制の整備を求める。

13弁護士等による取引時確認等に相当する措置

弁護士等による取引時確認等に相当する措置及び特定事業者の免責に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 弁護士等による取引時確認等に相当する措置については、日本弁護士連合会の会則によることなく、この法律の規定が直接適用される。
  • 特定事業者は、顧客等が取引時確認に応じないときであつても、当該特定取引等に係る義務の履行を拒むことはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
日本弁護士連合会の会則による → 『この法律の規定が直接適用される』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第12条日本弁護士連合会の会則で定めるところによるe-Gov原文

誤り
義務の履行を拒むことができる → 『拒むことはできない』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第5条当該特定取引等に係る義務の履行を拒むことができるe-Gov原文

ひっかけ弁護士等の相当措置は『日本弁護士連合会の会則』による(法の直接適用ではない)。顧客が確認に応じなければ義務の履行を『拒める』(12条・5条)。

解説弁護士等による取引時確認、確認記録の作成及び保存、取引記録等の作成及び保存並びにこれらを的確に行うための措置に相当する措置については、第2条2項46号に掲げる特定事業者の例に準じて、日本弁護士連合会の会則で定めるところによる(12条1項)。弁護士等による取引時確認等に相当する措置を押さえる。

補足弁護士・弁護士法人は職務の独立性・守秘義務の特殊性から、この法律の規定でなく日本弁護士連合会の会則により、相当する措置を自主規制として行う。

14犯罪収益移転防止法に基づく行政庁の指導等

行政庁の指導等及び確認記録の保存期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 行政庁は、特定事業者による措置の適正かつ円滑な実施を確保するため必要があると認めるときであつても、特定事業者に対し、指導、助言及び勧告をすることはできない。
  • 特定事業者は、確認記録を、特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、三年間保存すれば足りる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
指導・助言・勧告をすることができる → 『することはできない』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第17条特定事業者に対し、必要な指導、助言及び勧告をすることができるe-Gov原文

誤り
7年間保存 → 『三年間保存すれば足りる』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第6条特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、七年間保存しなければならないe-Gov原文

ひっかけ行政庁は特定事業者に『指導・助言・勧告』ができる。確認記録の保存は『7年間』(3年間ではない)(17条・6条)。

解説行政庁は、この法律に定める特定事業者による措置の適正かつ円滑な実施を確保するため必要があると認めるときは、特定事業者に対し、必要な指導、助言及び勧告をすることができる(17条)。犯罪収益移転防止法に基づく行政庁の指導等を押さえる。

補足行政庁による監督は、指導・助言・勧告(17条、緩やかな行政指導)と是正命令(18条、法的拘束力のある命令)の段階がある。貸金業者の行政庁は内閣総理大臣(金融庁長官等)である。

15犯罪収益移転防止法に基づく是正命令

是正命令及び高リスク取引に係る取引時確認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 行政庁は、特定事業者が取引時確認等の規定に違反していると認めるときであつても、是正命令を発することはできず、指導、助言及び勧告をすることができるにとどまる。
  • 特定事業者は、なりすましの疑いがある取引等の高リスク取引を行うに際しても、通常の取引と同様の方法で取引時確認を行えば足りる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
是正措置を命ずることができる → 『是正命令を発することはできない』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第18条当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができるe-Gov原文

誤り
より厳格な方法で確認する → 『通常と同様の方法で足りる』は誤り

犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条特定業務のうち次の各号のいずれかに該当する取引を行うに際してはe-Gov原文

ひっかけ行政庁は違反を認めれば『是正命令』を発することができる(指導助言勧告にとどまらない)。高リスク取引は『より厳格な確認』(18条・4条)。

解説行政庁は、特定事業者がその業務に関して取引時確認・確認記録の作成保存・取引記録等の作成保存・疑わしい取引の届出等の規定に違反していると認めるときは、当該特定事業者に対し、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる(18条、是正命令)。犯罪収益移転防止法に基づく是正命令を押さえる。

補足是正命令は指導・助言・勧告(17条)より重い監督処分で、違反の是正を法的に義務づける。是正命令に違反すると罰則の対象となる。