問1弁済による債権の消滅
債権の消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する。
- イ.債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権が第三者の権利の目的である場合を除き、その債権は、消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 473条のとおり → 正しい
民法第473条「債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 520条のとおり → 正しい
民法第520条「債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ弁済をすれば債権は『消滅』。債権と債務が同一人に帰属すれば『混同』で消滅(第三者の権利の目的を除く)(473条・520条)。
解説債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する(473条)。弁済は債権消滅の最も基本的な原因である。弁済による債権の消滅を押さえる。
補足債権は、弁済・相殺・更改・免除・混同・供託等により消滅する。貸金業では貸付債権が弁済によって消滅する場面が中心となる。
問2弁済として引き渡した物の消費又は譲渡がされた場合の弁済の効力
弁済の効力及び混同に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済をした者が弁済として物を引き渡した場合において、債権者が弁済として受領した物を善意で消費し、又は譲り渡したときは、その弁済は、有効とする。
- イ.債権及び債務が同一人に帰属したときであつても、その債権は当然には消滅しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 476条のとおり → 正しい
民法第476条「債権者が弁済として受領した物を善意で消費し、又は譲り渡したときは、その弁済は、有効とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 混同により消滅する → 『当然には消滅しない』は誤り
民法第520条「債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ債権者が受領物を善意で消費・譲渡したときは弁済は『有効』。混同では債権は原則『消滅』(476条・520条)。
解説弁済をした者が弁済として物を引き渡した場合において、債権者が弁済として受領した物を善意で消費し、又は譲り渡したときは、その弁済は、有効とする。この場合に債権者が第三者から賠償の請求を受けたときは、弁済をした者に対する求償を妨げない(476条)。弁済として引き渡した物の消費又は譲渡がされた場合の弁済の効力を押さえる。
補足本来無効となりうる弁済でも、債権者が善意で受領物を処分した場合は取引の安全のため弁済を有効とし、当事者間は求償で調整する。
問3弁済の場所及び時間
弁済の場所及び時間並びに債務の免除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。
- イ.債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 484条1項のとおり → 正しい
民法第484条「その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 519条のとおり → 正しい
民法第519条「債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ弁済の場所は別段の意思表示がなければ『債権者の現在の住所』(持参債務が原則)。免除の意思表示で債権は『消滅』(484条・519条)。
解説弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない(484条1項)。弁済の場所及び時間を押さえる。
補足金銭債務等は原則として債権者の現在の住所で弁済する持参債務である。貸金の返済も特約がなければ債権者(貸金業者)の住所地で行うのが原則である。
問4弁済の費用
弁済の費用及び債務の免除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。
- イ.債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示しても、その債権は、消滅しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 免除により消滅する → 『消滅しない』は誤り
民法第519条「債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ弁済の費用は原則『債務者の負担』(債権者の行為で増えた分は債権者負担)。免除で債権は『消滅』(485条・519条)。
解説弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする(485条)。弁済の費用を押さえる。
補足弁済に要する費用(送金手数料等)は原則として債務者が負担する。ただし債権者の都合で費用が増えた分は債権者負担とする公平の規定である。
問5受取証書の交付請求等
受取証書の交付請求及び債権者の交替による更改に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる。
- イ.債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 486条1項のとおり → 正しい
民法第486条「弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 515条1項のとおり → 正しい
民法第515条「更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができる」e-Gov原文
ひっかけ弁済者は弁済と『引換えに』受取証書の交付を請求できる(同時履行)。債権者の交替による更改は『三者の契約』(486条・515条)。
解説弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる(486条1項)。受取証書は電磁的記録の提供による請求も可能である(同条2項)。受取証書の交付請求等を押さえる。
補足受取証書(領収書)の交付請求は弁済と同時履行の関係に立ち、弁済者は受取証書と引換えでなければ弁済を拒める。全部弁済したときは債権証書の返還も請求できる(487条)。
問6債権証書の返還請求
債権証書の返還請求及び受取証書の交付請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる。
- イ.弁済をする者は、弁済と引換えであつても、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 受取証書の交付を請求できる → 『請求することはできない』は誤り
民法第486条「弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ『全部』弁済をしたときは債権証書の返還を請求できる(一部弁済では不可)。受取証書は弁済と引換えに交付請求できる(487条・486条)。
解説債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときは、その証書の返還を請求することができる(487条)。債権証書の返還請求を押さえる。
補足債権証書(借用証書等)の返還請求は全部弁済が要件で、受取証書の交付請求(弁済と引換え・一部弁済でも可)とは要件が異なる。返還請求は同時履行の関係には立たない(弁済が先)。
問7民法上の供託の方法
供託の方法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済者による供託は、債権者の現在の住所地の供託所にしなければならない。
- イ.弁済者による供託は、債務の履行地の供託所にしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 債務の履行地の供託所 → 『債権者の現在の住所地の供託所』は誤り
民法第495条「前条の規定による供託は、債務の履行地の供託所にしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 495条1項のとおり → 正しい
民法第495条「前条の規定による供託は、債務の履行地の供託所にしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ供託は『債務の履行地』の供託所にする。供託をした者は遅滞なく債権者に供託の通知をする(495条)。
解説供託(494条)は、債務の履行地の供託所にしなければならない(495条1項)。供託をした者は、遅滞なく、債権者に供託の通知をしなければならない(同条3項)。民法上の供託の方法を押さえる。
補足債権者が受領を拒む等の場合、弁済者は債務の履行地の供託所に弁済の目的物を供託して債務を免れることができる。供託後は遅滞なく債権者へ通知する。
問8弁済による代位の効果
弁済による代位の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済によって債権者に代位した者は、債権の効力及び担保として債権者が有していた権利を行使することはできない。
- イ.弁済によって債権者に代位した者は、債権の効力及び担保として債権者が有していた一切の権利を行使することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 一切の権利を行使できる → 『行使することはできない』は誤り
民法第501条「債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 501条1項のとおり → 正しい
民法第501条「債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる」e-Gov原文
ひっかけ弁済による代位者は、債権の効力及び担保として債権者が有していた『一切の権利』を行使できる(求償権の範囲内)(501条)。
解説弁済による代位(499条・500条)により債権者に代位した者は、債権の効力及び担保としてその債権者が有していた一切の権利を行使することができる(501条1項)。この権利行使は、代位者が自己の権利に基づいて債務者に求償できる範囲内で行える(同条2項)。弁済による代位の効果を押さえる。
補足保証人等が債務者に代わって弁済すると、債権者が有していた抵当権等の担保権も代位者に移転し、求償権を確保できる。ただし求償できる範囲内に限られる。
問9相殺の方法及び効力
相殺の方法及び効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相殺の意思表示の効力は、相殺の意思表示をした時から将来に向かつて生ずる。
- イ.相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によつてする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 相殺適状の時にさかのぼって生ずる → 『将来に向かって生ずる』は誤り
民法第506条「双方の債務が互いに相殺に適するようになった時にさかのぼってその効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 506条1項のとおり → 正しい
民法第506条「相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする」e-Gov原文
ひっかけ相殺は『一方的意思表示』(条件・期限を付せない)。効力は相殺適状の時に『さかのぼって』生ずる(遡及効)(506条)。
解説相殺は、当事者の一方から相手方に対する意思表示によってする。この場合において、その意思表示には、条件又は期限を付することができない(506条1項)。相殺の意思表示は、双方の債務が互いに相殺に適するようになった時(相殺適状)にさかのぼってその効力を生ずる(同条2項)。相殺の方法及び効力を押さえる。
補足相殺は相手方の同意を要しない単独行為(一方的意思表示)で、条件・期限を付せない。効力は相殺適状時に遡及するため、利息計算等に影響する。
問10相殺の充当
相殺の充当及び弁済による債権の消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権者が相殺の意思表示をした場合において、当事者が別段の合意をしなかつたときは、債権者の有する債権とその負担する債務は、相殺に適するようになつた時期の順序に従つて、その対当額について相殺によつて消滅する。
- イ.債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 512条1項のとおり → 正しい
民法第512条「相殺に適するようになった時期の順序に従って、その対当額について相殺によって消滅する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 473条のとおり → 正しい
民法第473条「債務者が債権者に対して債務の弁済をしたときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ相殺の充当は別段の合意がなければ『相殺適状となった時期の順序』による。弁済で債権は消滅(512条・473条)。
解説債権者が相殺の意思表示をした場合において、当事者が別段の合意をしなかったときは、債権者の有する債権とその負担する債務は、相殺に適するようになった時期の順序に従って、その対当額について相殺によって消滅する(512条1項)。相殺の充当を押さえる。
補足複数の債権・債務がある場合、別段の合意がなければ相殺適状となった時期の順に相殺される。弁済の充当(488条以下)と類似の考え方である。
問11民法上の更改
更改に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が従前の債務に代えて、給付の内容について重要な変更をするもの等の新たな債務を発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によつて消滅する。
- イ.債務者の交替による更改は、更改前の債務者の意思に反するときは、することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 513条のとおり → 正しい
民法第513条「新たな債務であって次に掲げるものを発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によって消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 債権者と新債務者の契約でできる → 『更改前の債務者の意思に反するときはできない』は誤り
民法第514条「債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる」e-Gov原文
ひっかけ更改は従前の債務に代えて新債務を発生させ従前の債務を『消滅』させる。債務者の交替による更改は『債権者と新債務者の契約』でできる(旧債務者の意思に反しても可)(513条・514条)。
解説当事者が従前の債務に代えて、給付の内容について重要な変更をするもの、従前の債務者が第三者と交替するもの、又は従前の債権者が第三者と交替するものを内容とする新たな債務を発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によって消滅する(513条)。民法上の更改を押さえる。
補足更改は新旧債務の同一性がなく従前の債務が消滅する点で、債務引受や債権譲渡(同一性が維持される)と異なる。担保・抗弁は原則として引き継がれない。
問12債務者の交替による更改
債務者の交替による更改に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得する。
- イ.債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によつてすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 求償権を取得しない → 『求償権を取得する』は誤り
民法第514条「更改前の債務者に対して求償権を取得しない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 514条1項のとおり → 正しい
民法第514条「債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる」e-Gov原文
ひっかけ債務者の交替による更改は『債権者と新債務者の契約』でできる。更改後の新債務者は旧債務者に『求償権を取得しない』(514条)。
解説債務者の交替による更改は、債権者と更改後に債務者となる者との契約によってすることができる。この場合において、更改は、債権者が更改前の債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる(514条1項)。更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない(同条2項)。債務者の交替による更改を押さえる。
補足債務者の交替による更改は債権者と新債務者の契約でき、旧債務者の関与を要しない(免責的債務引受に類似)。新債務者は旧債務者に求償できない点が特徴である。
問13債権者の交替による更改
債権者の交替による更改及び債権証書の返還請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によらなくても、第三者に対抗することができる。
- イ.債権に関する証書がある場合において、弁済をした者が全部の弁済をしたときであつても、その証書の返還を請求することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 確定日付証書でなければ対抗できない → 『よらなくても対抗できる』は誤り
民法第515条「確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 返還を請求できる → 『請求することはできない』は誤り
ひっかけ債権者の交替による更改は『確定日付のある証書』でなければ第三者に対抗できない。全部弁済者は債権証書の『返還請求』ができる(515条・487条)。
解説債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができる(515条1項)。債権者の交替による更改は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない(同条2項)。債権者の交替による更改を押さえる。
補足債権者の交替による更改は三者契約でき、第三者対抗要件として確定日付のある証書を要する(債権譲渡の対抗要件と類似の趣旨)。
問14民法上の債務の免除
債務の免除及び弁済の場所に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときであつても、その債権は、消滅しない。
- イ.弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡し以外の弁済は、債務者の現在の住所においてしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 免除により消滅する → 『消滅しない』は誤り
民法第519条「債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 債権者の現在の住所でする(持参債務) → 『債務者の現在の住所』は誤り
民法第484条「その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ免除の意思表示で債権は『消滅』(単独行為)。弁済の場所は特定物以外なら『債権者の現在の住所』(持参債務)(519条・484条)。
解説債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する(519条)。免除は債権者の一方的意思表示(単独行為)による。民法上の債務の免除を押さえる。
補足免除は債権者の一方的意思表示で成立する単独行為で、債務者の同意を要しない。免除により債権が消滅し、債務者は債務を免れる。
問15混同による債権の消滅
混同による債権の消滅及び弁済の費用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権及び債務が同一人に帰属したときであつても、その債権は、消滅しない。
- イ.弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債権者の負担とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 混同により消滅する → 『消滅しない』は誤り
民法第520条「債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ債権と債務が同一人に帰属すれば『混同』で消滅(第三者の権利の目的を除く)。弁済の費用は原則『債務者の負担』(520条・485条)。
解説債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない(520条)。混同による債権の消滅を押さえる。
補足混同は、債権者が債務者を相続した場合等、債権と債務が同一人に帰属して債権を存続させる意味がなくなったときに債権を消滅させる。ただし第三者の権利(質権等)の目的である債権は消滅しない。