問1輸出してはならない貨物を輸出する罪
関税法の罰則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.輸出してはならない貨物のうち麻薬等の所定のものを輸出した者は、十年以下の拘禁刑若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- イ.密輸出入罪等の犯罪に係る貨物、その犯罪行為の用に供した船舶若しくは航空機等は、没収の対象となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 108条の4第1項のとおり → 正しい
関税法第108条の4「当該違反行為をした者は、十年以下の拘禁刑若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 118条のとおり → 正しい
関税法第118条「その犯罪行為の用に供した船舶若しくは航空機」e-Gov原文
ひっかけ輸出してはならない貨物(麻薬・児童ポルノ等)の輸出は最も重い『10年以下の拘禁刑又は3000万円以下の罰金』。犯罪貨物・供した船舶航空機は『没収』(108条の4・118条)。
解説69条の2第1項第1号(輸出してはならない貨物)に掲げる貨物を輸出した場合には、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは3000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(108条の4第1項)。輸出してはならない貨物を輸出する罪を押さえる。
補足輸出してはならない貨物(麻薬・覚醒剤・児童ポルノ・偽造通貨等)の密輸出は最も重い罰則の対象で、犯罪貨物や犯罪に供した船舶・航空機は没収される。
問2輸入してはならない貨物を輸入する罪
輸入してはならない貨物を輸入する罪及び犯罪貨物等の没収に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.輸入してはならない貨物のうち麻薬等の所定のものを輸入した者は、十年以下の拘禁刑若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- イ.密輸出入罪等の犯罪に係る貨物であつても、その犯罪行為の用に供した船舶又は航空機を没収することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 109条1項のとおり → 正しい
関税法第109条「当該違反行為をした者は、十年以下の拘禁刑若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 犯罪に供した船舶航空機も没収の対象 → 『没収することはできない』は誤り
関税法第118条「その犯罪行為の用に供した船舶若しくは航空機」e-Gov原文
ひっかけ輸入してはならない貨物(麻薬等)の輸入は『10年以下の拘禁刑又は3000万円以下の罰金』。犯罪に供した『船舶・航空機』も没収の対象(109条・118条)。
解説69条の11第1項第1号から第6号まで(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物を輸入した場合には、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは3000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(109条1項)。輸入してはならない貨物を輸入する罪を押さえる。
補足輸入してはならない貨物の密輸入は最も重い罰則で、罰金は貨物の種類により3000万円以下(1号〜6号)等と異なる。犯罪貨物・船舶・航空機は没収の対象である。
問3輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪
輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪及び税関長の権限の委任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.輸入してはならない貨物のうち所定のものを、外国貨物を置く場所の制限に違反して保税地域に置き、又は保税運送ができない貨物を外国貨物のまま運送した者は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- イ.税関長は、政令で定めるところにより、その権限の一部を税関の支署その他の税関官署の長に委任することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 109条の2第1項のとおり → 正しい
関税法第109条の2「当該違反行為をした者は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 107条のとおり → 正しい
関税法第107条「その権限の一部を税関の支署その他の税関官署の長に委任することができる」e-Gov原文
ひっかけ輸入してはならない貨物を保税地域に置く・運送する罪は『10年以下の拘禁刑又は1000万円以下の罰金』(輸入の罪より罰金は低い)。税関長は権限の一部を支署長等に『委任』(109条の2・107条)。
解説輸入してはならない貨物のうち所定のものを、30条2項(外国貨物を置く場所の制限)に違反して保税地域に置き、又は65条の3(保税運送ができない貨物)に違反して外国貨物のまま運送した場合には、当該違反行為をした者は、10年以下の拘禁刑若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(109条の2第1項)。輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪を押さえる。
補足輸入の完成前の段階(保税地域への蔵置・運送)でも処罰される。税関長の権限は政令により税関支署長等に委任され、実務が行われる。
問4密輸貨物の運搬等をする罪
密輸貨物の運搬等をする罪及び許可を受けないで不開港に出入する罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.密輸出入罪等の犯罪に係る貨物について、情を知つてこれを運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し、又は処分の媒介若しくはあつせんをした者は、処罰される。
- イ.許可を受けないで外国貿易船等を不開港に出入させた船長又は機長は、いかなる罰則の対象ともならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 112条のとおり → 正しい
関税法第112条「情を知つてこれを運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し」e-Gov原文
- イ.誤り
- 3年以下の拘禁刑等の対象 → 『罰則の対象とならない』は誤り
関税法第113条「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ密輸貨物を『情を知って』運搬・保管・取得・処分の媒介等をした者は処罰(5年以下の拘禁刑等)。無許可で不開港に出入させた船長は『3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金』(112条・113条)。
解説108条の4等の犯罪に係る貨物について、情を知ってこれを運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し、又は処分の媒介若しくはあっせん(運搬等)をした場合には、当該違反行為をした者は、5年以下の拘禁刑若しくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(112条)。密輸貨物の運搬等をする罪を押さえる。
補足密輸貨物と知りながら運搬・保管・取得等をする行為(密輸のほう助的行為)も独立に処罰される。「情を知って」(悪意)が要件である。
問5許可を受けないで不開港に出入する罪
許可を受けないで不開港に出入する罪及び官公署等への協力要請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不開港への出入の許可を受けないで外国貿易船等を不開港に出入させた船長又は機長は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
- イ.税関職員は、職務を執行するため必要があるときは、官公署又は政府関係機関に、当該職務に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 113条のとおり → 正しい
関税法第113条「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 105条の3のとおり → 正しい
関税法第105条の3「当該職務に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる」e-Gov原文
ひっかけ無許可で不開港に出入させた船長等は『3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金』。税関職員は職務執行のため官公署等に『協力要請』できる(113条・105条の3)。
解説20条1項(不開港への出入)の規定に違反して外国貿易船等を不開港に出入させた船長又は機長は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する(113条)。許可を受けないで不開港に出入する罪を押さえる。
補足外国貿易船等は原則として開港に出入すべきで、不開港への出入には税関長の許可が必要である。無許可の出入は密輸の温床となるため処罰される。
問6関税法の入港手続に係る報告等を怠つた罪
入港手続に係る報告等を怠つた罪及び特殊船舶等の入港手続に係る罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.入港手続の規定による報告をせず、又は偽つた報告をして入港した船長又は機長等は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- イ.特殊船舶等の入港手続の規定による報告をせず、又は偽つた報告をして入港した船長又は機長であつても、罰則の対象とならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 114条のとおり → 正しい
関税法第114条「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 1年以下の拘禁刑等の対象 → 『罰則の対象とならない』は誤り
関税法第115条「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ入港手続の報告義務違反は『1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金』(114条)。特殊船舶等は『30万円以下』(115条)。
解説入港手続(15条)の規定による報告をせず、又は偽った報告をして入港した船長又は機長等は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する(114条)。関税法の入港手続に係る報告等を怠った罪を押さえる。
補足外国貿易船等の入港時の報告・書類提出義務の違反は罰則の対象である。船舶の種類(一般の外国貿易船か特殊船舶か)により罰金額が異なる。
問7積荷に関する事項の報告を怠つた等の罪
積荷に関する事項の報告を怠つた等の罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.積荷に関する事項の報告をせず、又は偽つた報告をした者等であつても、罰則の対象とならない。
- イ.積荷に関する事項の報告をせず、又は偽つた報告をした者等は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 1年以下の拘禁刑等の対象 → 『罰則の対象とならない』は誤り
関税法第114条の2「当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 114条の2のとおり → 正しい
関税法第114条の2「当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ積荷に関する事項の報告義務違反等は『1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金』(114条の2)。
解説入港手続の報告のほか、15条の2第2項(積荷に関する事項の報告)の規定による報告をせず、又は偽った報告をした者等は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する(114条の2)。積荷に関する事項の報告を怠った等の罪を押さえる。
補足船舶・航空機の積荷に関する事項の報告(マニフェスト情報等)の義務違反も罰則の対象である。事前の積荷情報はセキュリティ・密輸防止に重要である。
問8特殊船舶等の入港手続に係る罪
特殊船舶等の入港手続に係る罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特殊船舶等の入港手続の規定による報告をせず、又は偽つた報告をして入港した船長は、五年以下の拘禁刑に処する。
- イ.特殊船舶等の入港手続の規定による報告をせず、又は偽つた報告をして入港した船長又は機長等は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金 → 『5年以下の拘禁刑』は誤り
関税法第115条「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 115条のとおり → 正しい
関税法第115条「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ特殊船舶等の入港手続に係る報告義務違反は『1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金』(114条の50万円より軽い)(115条)。
解説15条の3第1項(特殊船舶等の入港手続)の規定による報告をせず、又は偽った報告をして入港した船長又は機長等は、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する(115条)。特殊船舶等の入港手続に係る罪を押さえる。
補足特殊船舶等(貨物を積んでいない船舶等)の入港手続違反は、一般の外国貿易船(114条・50万円)より軽い30万円以下の罰金である。罰金額の違いに注意する。
問9関税法に係る帳簿の記載を怠つた等の罪
帳簿の記載を怠つた等の罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特例輸入者等に係る帳簿の備付け、記載又は保存の義務に違反した者等であつても、罰則の対象とならない。
- イ.特例輸入者等に係る帳簿の備付け、記載又は保存の義務に違反した者等は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 1年以下の拘禁刑等の対象 → 『罰則の対象とならない』は誤り
関税法第115条の2「当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 115条の2のとおり → 正しい
関税法第115条の2「当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する」e-Gov原文
ひっかけ特例輸入者・特定輸出者等の『帳簿の備付け・記載・保存』の義務違反は『1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金』(115条の2)。
解説7条の9第1項(特例輸入者に係る帳簿の備付け等)、67条の8第1項(特定輸出者に係る帳簿の備付け等)又は94条1項(帳簿の備付け等)等の規定に違反した者等は、1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処する(115条の2)。関税法に係る帳簿の記載を怠った等の罪を押さえる。
補足特例輸入者・特定輸出者等は帳簿の備付け・記載・保存が義務づけられ、違反は罰則の対象である。事後調査等の適正性を確保するための義務である。
問10関税法における重大な過失による罪
重大な過失による罪及び輸出してはならない貨物を輸出する罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.重大な過失により、許可を受けないで輸出入する等の罪、報告を怠つた等の罪等の所定の罪を犯した場合には、当該違反行為をした者は、当該各条の罰金刑を科する。
- イ.輸出してはならない貨物のうち所定のものを輸出した者は、十年以下の拘禁刑若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 116条のとおり → 正しい
関税法第116条「当該違反行為をした者は、当該各条の罰金刑を科する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 108条の4第1項のとおり → 正しい
関税法第108条の4「当該違反行為をした者は、十年以下の拘禁刑若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」e-Gov原文
ひっかけ『重大な過失』により所定の罪(無許可輸出入・報告義務違反等)を犯した場合も『当該各条の罰金刑』を科す(過失犯処罰)(116条)。
解説重大な過失により、111条1項2号(許可を受けないで輸出入する等の罪)、113条(許可を受けないで不開港に出入する罪)、114条、114条の2、115条(報告を怠った等の罪)又は115条の2(帳簿の記載を怠った等の罪)の罪を犯した場合には、当該違反行為をした者は、当該各条の罰金刑を科する(116条)。関税法における重大な過失による罪を押さえる。
補足関税法は故意犯処罰が原則だが、無許可輸出入・報告義務違反等の一定の罪は重大な過失があれば過失犯として各条の罰金刑が科される。
問11関税法の両罰規定
関税法の両罰規定及び重大な過失による罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産について、所定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
- イ.重大な過失により報告を怠つた等の所定の罪を犯した場合には、いかなる罰則も科されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 117条のとおり → 正しい
関税法第117条「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務又は財産について」e-Gov原文
- イ.誤り
- 各条の罰金刑を科する → 『いかなる罰則も科されない』は誤り
関税法第116条「当該違反行為をした者は、当該各条の罰金刑を科する」e-Gov原文
ひっかけ違反行為は『行為者を罰するほか』法人又は人にも罰金刑(両罰規定)。重大な過失による所定の罪も『各条の罰金刑』(117条・116条)。
解説法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産について、108条の4から112条の2まで等の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する(117条)。関税法の両罰規定を押さえる。
補足両罰規定は行為者と法人・事業主の双方を罰する。密輸出入罪等については、法人に対しより重い罰金額を科す規定が置かれている場合がある。
問12関税法に係る犯罪貨物等の没収及び追徴
犯罪貨物等の没収及び追徴に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.密輸出入罪等の犯罪に係る貨物であつても、犯罪貨物等を没収し、又はその価額を追徴することはできない。
- イ.密輸出入罪等の犯罪に係る貨物、その犯罪行為の用に供した船舶若しくは航空機等は、没収し、又は没収することができない場合にはその価額を追徴することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 没収・追徴できる → 『没収・追徴することはできない』は誤り
関税法第118条「その犯罪行為の用に供した船舶若しくは航空機」e-Gov原文
- イ.正しい
- 118条のとおり → 正しい
関税法第118条「その犯罪行為の用に供した船舶若しくは航空機」e-Gov原文
ひっかけ密輸出入罪等の『犯罪貨物・犯罪に供した船舶航空機』は没収、没収できないときは『価額を追徴』(118条)。
解説108条の4から111条まで等の犯罪に係る貨物、その犯罪行為の用に供した船舶若しくは航空機又は112条の犯罪に係る貨物(犯罪貨物等)は、没収する。没収することができない場合又は没収しない場合には、その価額を追徴することができる(118条)。関税法に係る犯罪貨物等の没収及び追徴を押さえる。
補足犯罪貨物・犯罪に供した船舶航空機は没収され、没収できないときは価額が追徴される。犯罪による利得を剥奪する趣旨である。
問13関税法に基づく官公署等への協力要請
官公署等への協力要請及び税関長の権限の委任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税関職員は、職務を執行するため必要があるときであつても、官公署又は政府関係機関に、当該職務に関し参考となるべき物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることはできない。
- イ.税関長は、その権限については、いかなる部分も他の税関官署の長に委任することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 協力を求めうる → 『求めることはできない』は誤り
関税法第105条の3「当該職務に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 権限の一部を委任できる → 『委任することはできない』は誤り
関税法第107条「その権限の一部を税関の支署その他の税関官署の長に委任することができる」e-Gov原文
ひっかけ税関職員は職務執行のため官公署等に『協力要請』できる。税関長は権限の一部を税関の支署等に『委任』できる(105条の3・107条)。
解説税関職員は、この法律又は関税定率法その他関税に関する法律の規定により職務を執行するため必要があるときは、官公署又は政府関係機関に、当該職務に関し参考となるべき帳簿書類その他の物件の閲覧又は提供その他の協力を求めることができる(105条の3)。関税法に基づく官公署等への協力要請を押さえる。
補足税関は関税の適正な確保のため、他の官公署・政府関係機関に協力を求めることができる。行政機関相互の連携を図る規定である。
問14関税法に基づく税関長の権限の委任
税関長の権限の委任及び輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税関長は、その権限の一部であつても、税関の支署その他の税関官署の長に委任することはできない。
- イ.輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪を犯した者は、いかなる罰則の対象ともならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 権限の一部を委任できる → 『委任することはできない』は誤り
関税法第107条「その権限の一部を税関の支署その他の税関官署の長に委任することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 10年以下の拘禁刑等の対象 → 『罰則の対象とならない』は誤り
関税法第109条の2「当該違反行為をした者は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」e-Gov原文
ひっかけ税関長は権限の一部を税関の支署等に『委任』できる。輸入してはならない貨物を保税地域に置く等の罪は『10年以下の拘禁刑又は1000万円以下の罰金』(107条・109条の2)。
解説税関長は、政令で定めるところにより、その権限の一部を税関の支署その他の税関官署の長に委任することができる(107条)。関税法に基づく税関長の権限の委任を押さえる。
補足税関長の広範な権限は政令により税関支署長等に委任され、迅速な実務が行われる。輸入してはならない貨物を保税地域に置く行為も重い罰則の対象である。
問15外国税関当局の職員の立会い
外国税関当局の職員の立会い及び密輸貨物の運搬等をする罪に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.財務大臣は、税関職員が行う質問に際し、外国税関当局から職員の立会いの要請があつた場合であつても、これを認めることはできない。
- イ.密輸出入罪等の犯罪に係る貨物について、情を知つてこれを運搬し、又は保管等をした者であつても、罰則の対象とならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 立会いを認めることができる → 『認めることはできない』は誤り
関税法第108条の3「当該外国税関当局の職員の立会いの要請があつた場合において」e-Gov原文
- イ.誤り
- 情を知って運搬保管等をした者は処罰される → 『罰則の対象とならない』は誤り
関税法第112条「情を知つてこれを運搬し、保管し、有償若しくは無償で取得し」e-Gov原文
ひっかけ財務大臣は外国税関当局の職員の立会いの要請を相当と認めるとき『認めることができる』。密輸貨物を情を知って運搬保管等をした者は『処罰』(108条の3・112条)。
解説財務大臣は、税関職員が行う質問に際し、外国税関当局から、その職務の遂行に資するために必要であるとして、当該外国税関当局の職員の立会いの要請があった場合において、当該要請に応ずることが相当であると認めるときは、これを認めることができる(108条の3)。外国税関当局の職員の立会いを押さえる。
補足国際的な税関相互協力の一環として、外国税関当局の職員の立会いを認めることができる。ただし関税法令の適正な執行に支障がある場合等は認められない。