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特許法・実用新案法の問題(15問)

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1産業上利用可能性(特許法29条1項柱書)

特許法・実用新案法上の産業上利用可能性に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 発明が特許を受けるためには、それが産業上利用することができる発明であることを要し、産業上利用することができない発明は他の要件を満たしても特許を受けることができない。
  • 実用新案登録を受けるには、産業上利用することができる考案であって、物品の形状、構造又は組合せに係るものであることを要する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
柱書が『産業上利用することができる発明』を要求 → 欠ければ特許不可

特許法第29条産業上利用することができる発明をした者e-Gov原文

正しい
実用新案は方法の考案を保護せず物品の形状等に限定 → 特許より対象が狭い

実用新案法第3条産業上利用することができる考案であつて物品の形状、構造又は組合せに係るものe-Gov原文

ひっかけ特許は『発明』全般を対象とするが、実用新案は『物品の形状、構造又は組合せに係る考案』に限定される。

解説産業上利用可能性(29条1項柱書)は新規性・進歩性の前に判断される前提要件。特許は方法の発明も保護対象だが、実用新案は物品の形状・構造・組合せに係る考案に限られ、方法や材料そのものは保護されない。人間を手術・治療・診断する方法が産業上利用可能性を欠くとされる扱いは審査基準・判例によるもので、条文上の明文ではない点も区別して押さえる。

補足産業上利用可能性は『業として実施できる』ことを意味し、市販・流通の現実性までは要しない。

2新規性(特許法29条1項各号)

特許法上の新規性に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明は、新規性を欠き、原則として特許を受けることができない。
  • 頒布された刊行物に記載された発明が新規性を失うのは、その刊行物が日本国内において頒布された場合に限られ、外国で頒布された刊行物に記載された発明は新規性を失わない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
1号は『日本国内又は外国において』と規定 → 外国での公知も新規性喪失

特許法第29条特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明e-Gov原文

誤り
3号は刊行物公知・電気通信回線公知をいずれも内外無差別で規定 → 国内限定は誤り

特許法第29条頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明e-Gov原文

ひっかけ新規性喪失事由(公知・公用・刊行物等公知)は平成11年改正以降いずれも『日本国内又は外国において』=世界公知主義。

解説29条1項は1号(公然知られた=公知)、2号(公然実施=公用)、3号(頒布された刊行物記載・電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった=刊行物等公知)の3類型を定める。いずれも国内外を問わない。『外国の刊行物だから新規性を失わない』は典型的な誤り。電気通信回線(インターネット等)を通じた公開も3号に含まれる点も近年頻出。

補足『公然知られた』は内容が現実に第三者に知られた状態、『公然実施』は内容を知り得る状況での実施を指す。

3進歩性(特許法29条2項)

特許法及び実用新案法における進歩性(容易性)の判断に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許法上、進歩性が否定されるのは、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、出願前の公知発明等に基づいてきわめて容易に発明をすることができたときに限られる。
  • 実用新案登録においては、当業者が出願前の公知考案等に基づいてきわめて容易に考案をすることができたときは、その考案について実用新案登録を受けることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
特許法29条2項は『容易に』 → 『きわめて容易に』は実用新案法3条2項の文言

特許法第29条前項各号に掲げる発明に基いて容易に発明をすることができたときe-Gov原文

正しい
実用新案は『きわめて容易に』が基準 → 特許より登録のハードルが低い

実用新案法第3条前項各号に掲げる考案に基いてきわめて容易に考案をすることができたときe-Gov原文

ひっかけ進歩性の文言は特許=『容易に』、実用新案=『きわめて容易に』。一字違いで水準が異なる。

解説進歩性(容易性)の判断主体はいずれも『その発明(考案)の属する技術の分野における通常の知識を有する者』=当業者。特許法29条2項は『容易に発明をすることができたとき』、実用新案法3条2項は『きわめて容易に考案をすることができたとき』と規定し、実用新案の方が拒絶・無効の要件が厳しい(=登録は受けやすい)。引用発明は29条1項各号(公知・公用・刊行物等公知)の発明である点も確認。

補足進歩性は新規性が認められること(公知発明そのものでないこと)を前提に、公知発明からの容易想到性を判断する。

4拡大された先願の地位(特許法29条の2)

特許法第29条の2(拡大された先願の地位)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 第29条の2が適用されるためには、先願(他の特許出願等)が後願の出願時までに出願公開又は特許掲載公報の発行がされていることを要する。
  • 拡大先願の地位の基礎となる発明は、先願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載された発明に限られ、明細書又は図面にのみ記載された発明は含まれない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
条文は『当該特許出願後に…発行若しくは出願公開…がされたもの』 → 後願出願時の公開は不要

特許法第29条の2当該特許出願後に第六十六条第三項の規定によりe-Gov原文

誤り
条文は明細書・特許請求の範囲・図面に記載された発明又は考案を基礎とする → 請求の範囲に限定は誤り

特許法第29条の2願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面e-Gov原文

ひっかけ29条の2の先願は『後願出願後に公開された』ものでよく、基礎は当初明細書・請求の範囲・図面の全体。

解説拡大された先願の地位(29条の2)は、後願の出願後に出願公開・特許掲載公報発行された先願の当初明細書等(願書に最初に添付した明細書・特許請求の範囲・図面)に記載された発明と同一の後願を拒絶する制度。29条1項の新規性(出願前公知)と異なり、後願の出願時には先願が未公開でもよい。発明者同一の場合(その発明をした者が後願発明者と同一)と、後願出願時に出願人同一の場合は適用が除外される。39条の先願主義が『同一発明』のクレーム同士を調整するのに対し、29条の2は先願の明細書記載事項にまで地位を拡大する点が違い。

補足発明者同一・出願人同一の例外により、自社の連続出願が互いに29条の2で拒絶されることは原則ない。

5先願主義(特許法39条)

特許法第39条(先願)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一の発明について異なった日に二以上の特許出願があったときは、最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる。
  • 同一の発明について同日に二以上の特許出願があった場合において、出願人の協議が成立しないときは、特許庁長官が定めた一の出願人がその発明について特許を受けることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
39条1項は異日出願で最先の出願人のみ → 後願は同一発明で特許不可

特許法第39条最先の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができるe-Gov原文

誤り
39条2項は協議不成立なら全員拒絶 → 長官が一人を定める制度ではない

特許法第39条協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その発明について特許を受けることができないe-Gov原文

ひっかけ同日出願で協議不成立なら『全員拒絶』。先願の地位は放棄・取下げ・却下・拒絶確定で初めからなかったものとみなされる。

解説先願主義(39条)は同一発明の重複特許を排除する。異日出願は最先の出願人のみ(1項)、同日出願は協議により定めた一人のみで、協議不成立なら全員が特許を受けられない(2項)。特許出願が放棄・取下げ・却下され、又は拒絶査定・審決が確定したときは、その出願は先願の地位について初めからなかったものとみなされる(5項)。これは公開されれば取下げ後も地位が残りうる29条の2の先願との重要な違い。特許出願と実用新案登録出願の間でも調整される(3項・4項)。

補足39条は『同一発明』のクレーム同士の調整であり、先願明細書に記載された別発明にまでは及ばない(その範囲は29条の2が担う)。

6願書・明細書・特許請求の範囲(特許法36条)

特許出願の願書及びその添付書類に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許出願の願書には、明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書を添付しなければならない。
  • 特許請求の範囲においては、一の請求項に係る発明と他の請求項に係る発明とが同一である記載となることは認められない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
要約書も必須の添付書類 → 図面のみ『必要な』もの → 記述は正しい

特許法第36条明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書を添付しなければならないe-Gov原文

誤り
条文は『妨げない』と明記 → 『認められない』は逆 → 記述は誤り

特許法第36条同一である記載となることを妨げないe-Gov原文

ひっかけ要約書は願書の必須添付書類。図面のみ『必要な』もの。請求項間の同一記載は『妨げない』=許される。

解説願書の添付書類は『明細書・特許請求の範囲・必要な図面・要約書』。図面だけが『必要な』ものとされ、明細書・特許請求の範囲・要約書は省略できない(36条2項)。特許請求の範囲は請求項に区分し、各請求項ごとに発明特定事項のすべてを記載する(36条5項前段)が、複数請求項間で発明が同一となる記載は『妨げない』(36条5項後段)。多項制では同一発明を別の請求項で重ねて記載してもよい点を押さえる。

補足発明の詳細な説明は、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載しなければならない(36条4項1号・実施可能要件)。

7手続補正の制限・新規事項追加の禁止(特許法17条の2)

願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の補正に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 拒絶理由通知を受けた後であっても、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前であれば、明細書、特許請求の範囲又は図面についていつでも補正をすることができる。
  • 明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をするときは、誤訳訂正書を提出してする場合を除き、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
通知後は『各号に限り』補正可 → 『いつでも』ではない → 記述は誤り

特許法第17条の2次に掲げる場合に限り、補正をすることができるe-Gov原文

正しい
条文が範囲内に限定 → 新規事項追加は不可 → 記述は正しい

特許法第17条の2記載した事項の範囲内においてしなければならないe-Gov原文

ひっかけ拒絶理由通知後の補正は『時期』が制限される。内容は当初明細書等の範囲内=新規事項追加は禁止。

解説補正には『時期的制限』と『内容的制限』の2つがある。時期的制限:特許査定謄本送達前は原則自由だが、拒絶理由通知を受けた後は17条の2第1項各号(最初の通知への応答期間内・拒絶査定不服審判の請求と同時等)に限られる。内容的制限:誤訳訂正書による場合を除き、願書に最初に添付した明細書等に記載した事項の範囲内でしなければならない(17条の2第3項=新規事項追加の禁止)。さらに最後の拒絶理由通知後等は目的が限定される(17条の2第5項=請求項削除・限定的減縮・誤記訂正・釈明)。

補足外国語書面出願で誤訳の訂正を目的に補正するときは、誤訳訂正書を提出しなければならない(17条の2第2項)。

8特許出願の分割(特許法44条)

特許出願の分割に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 適法にされた特許出願の分割による新たな特許出願は、原則として、もとの特許出願の時にしたものとみなされる。
  • 特許出願の分割は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達があった日から三十日以内にもすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
出願日が原出願に遡及 → 原則どおり → 記述は正しい

特許法第44条もとの特許出願の時にしたものとみなすe-Gov原文

正しい
条文が査定後30日以内を明記 → 補正可能期間に限られない → 記述は正しい

特許法第44条の謄本の送達があつた日から三十日以内にするときe-Gov原文

ひっかけ分割は『補正可能期間だけ』ではない。特許査定後30日以内・拒絶査定後3月以内も可。効果は出願日遡及。

解説分割の時期は44条1項各号に限定される。1号=補正をすることができる時又は期間内、2号=特許をすべき旨の査定の謄本の送達があった日から30日以内、3号=拒絶をすべき旨の最初の査定の謄本の送達があった日から3月以内。特許査定後でも30日以内なら分割でき、拒絶査定後でも3月以内なら分割できる点が頻出。効果は44条2項本文の出願日遡及だが、29条の2の他の特許出願(拡大先願)等の適用については遡及しない例外がある(44条2項ただし書)ので『原則として』と押さえる。

補足分割出願をする者がその責めに帰することができない理由で期間内にできないときは、救済規定により一定期間内に分割できる(44条7項)。

9出願の変更(特許法46条)

出願の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 実用新案登録出願を特許出願に変更したときも、もとの実用新案登録出願は取り下げたものとはみなされず、特許出願と併存する。
  • 意匠登録出願人は、その意匠登録出願を特許出願に変更することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
条文がもとの出願の取下げ擬制を定める → 併存しない → 記述は誤り

特許法第46条もとの出願は、取り下げたものとみなすe-Gov原文

誤り
条文が変更を認める → 『できない』は逆 → 記述は誤り

特許法第46条その意匠登録出願を特許出願に変更することができるe-Gov原文

ひっかけ出願変更でもとの出願は取下げ擬制(併存しない)。意匠→特許の変更も期間制限付きで認められる。

解説特許出願への変更は、実用新案登録出願からの変更(46条1項、原則として実用新案登録出願の日から3年以内)と、意匠登録出願からの変更(46条2項、最初の拒絶査定謄本送達から3月経過後又は意匠登録出願の日から3年経過後はできない)の2系統がある。いずれも変更によりもとの出願は取り下げたものとみなされる(46条4項)。また分割の遡及効等の規定(44条2項〜4項)が出願変更に準用される(46条6項)ため、変更後の特許出願はもとの出願の時にしたものとみなされる。

補足出願変更の効果には44条2項から4項までの規定が準用され、変更後の特許出願は原則としてもとの出願の時にしたものとみなされる(46条6項)。

10特許出願等に基づく優先権(国内優先権・特許法41条)

特許出願等に基づく優先権(国内優先権)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国内優先権の主張を伴う特許出願は、先の出願に記載されていない新たな発明も含め、出願全体について先の出願の時にされたものとみなされる。
  • 国内優先権の主張は、原則として、その特許出願が先の出願の日から一年以内にされたものでなければすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文が遡及対象を発明のうち記載されたものに限定 → 新規発明は対象外 → 記述は誤り

特許法第41条優先権の主張を伴う特許出願に係る発明のうちe-Gov原文

正しい
条文が1年以内でない場合を除外 → 原則1年以内が必要 → 記述は正しい

特許法第41条先の出願の日から一年以内にされたものe-Gov原文

ひっかけ国内優先権の遡及は『先の出願に記載された発明』に限る。新規追加発明は通常の出願日で判断。主張は原則1年以内。

解説国内優先権(41条)は、自己の先の出願を基礎に、改良発明等を加えてまとめ直す制度。主張の主な要件は、先の出願の日から1年以内の特許出願であること(41条1項1号、故意でない徒過の救済あり)、先の出願が分割・変更に係る出願等でないこと(同項2号)、先の出願が放棄・取下げ・却下されていないこと(同項3号)等。効果(41条2項)は、優先権を伴う出願に係る発明のうち先の出願の当初明細書等に記載された発明についてのみ、新規性・進歩性等の判断時を先の出願時とみなすもので、先の出願に記載のない新規追加発明には及ばない。遡及の対象範囲を取り違えないことが重要。

補足国内優先権を主張しようとする者は、その旨及び先の出願の表示を記載した書面を経済産業省令で定める期間内に特許庁長官に提出しなければならない(41条4項)。

11出願審査請求の請求権者・期間・取下げ

特許法上の出願審査の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許出願があったときは、何人も、その日から三年以内に、特許庁長官にその特許出願について出願審査の請求をすることができる。
  • 出願審査の請求は、出願人が必要と認める場合には、いつでも取り下げることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
請求権者は『何人も』、期間は出願日から3年以内

特許法第48条の3何人も、その日から三年以内にe-Gov原文

誤り
『取り下げることができる』は誤り(取下げ不可)

特許法第48条の3出願審査の請求は、取り下げることができないe-Gov原文

ひっかけ『取り下げることができない』(第3項)を『できる』に入れ替える改変が頻出。

解説出願審査請求は、(1)請求権者が出願人に限らず『何人も』、(2)請求期間が出願日から三年以内、(3)一度した請求は取下げ不可、(4)期間内に請求がなければ出願は取り下げたものとみなされる、の4点をセットで押さえる。請求権者と期間、取下げの可否が頻出。

補足請求期間内に出願審査の請求がないと、その特許出願は取り下げたものとみなされる(48条の3第4項)。

12特許権の効力と専用実施権設定時の専有範囲

特許権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。
  • その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、特許権者は実施をする権利を専有しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
原則どおり特許権者が実施権を専有する

特許法第68条業として特許発明の実施をする権利を専有するe-Gov原文

正しい
ただし書により専用実施権者の専有範囲は特許権者から外れる

特許法第68条専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ専用実施権を設定しても特許権者は当然に実施できる、という記述は誤り。

解説特許権の効力は『業として特許発明の実施をする権利を専有する』(68条本文)。ただし専用実施権を設定すると、その範囲では専用実施権者が専有し(同条ただし書)、特許権者自身も実施できなくなる。専用実施権設定範囲での特許権者の実施制限が重要。

補足専用実施権はその設定の登録によって効力を生じ、設定範囲では特許権者自身も業としての実施ができなくなる。

13専用実施権の再許諾と通常実施権の性質

専用実施権及び通常実施権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 専用実施権者は、特許権者の承諾を得ることなく、その専用実施権について他人に通常実施権を許諾することができる。
  • 通常実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
『承諾を得ることなく』は誤り(承諾が必要)

特許法第77条特許権者の承諾を得た場合に限りe-Gov原文

誤り
『専有する』は誤り(通常実施権は独占権でない)

特許法第78条業としてその特許発明の実施をする権利を有するe-Gov原文

ひっかけ通常実施権を『専有する』、専用実施権者の再許諾を『承諾不要』とする改変が頻出。

解説専用実施権は独占的(『専有』)で設定範囲では特許権者も実施できない。通常実施権は非独占的で『実施をする権利を有する』にとどまる。専用実施権者が質権設定や他人への通常実施権許諾を行うには特許権者の承諾が必要(77条4項)。『専有』と『有する』、承諾の要否を対比して押さえる。

補足専用実施権の移転は、実施の事業とともにする場合・特許権者の承諾を得た場合・一般承継の場合に限られる(77条3項)。

14間接侵害(専用品型と多機能品型の主観的要件)

特許権の侵害とみなす行為(間接侵害)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産に用いる物(日本国内において広く一般に流通しているものを除く。)であってその発明による課題の解決に不可欠なものについては、その物がその発明の実施に用いられることを知らないときであっても、業としてその生産、譲渡等をする行為は侵害とみなされる。
  • 特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産にのみ用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為は、当該特許権を侵害するものとみなされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
『知らないときであっても侵害』は誤り(知りながらが要件)

特許法第101条その発明の実施に用いられることを知りながらe-Gov原文

正しい
『のみ』要件を満たす専用品は主観的要件なしに間接侵害

特許法第101条その物の生産にのみ用いる物の生産e-Gov原文

特許法第101条侵害するものとみなすe-Gov原文

ひっかけ多機能品型(2号・5号)から『知りながら』を外す改変に注意。専用品型(1号)には主観的要件がない。

解説間接侵害には、(1)『のみ』品型(101条1号・4号)=主観的要件不要、(2)多機能品型(101条2号・5号)=『課題の解決に不可欠』かつ『特許発明であること及び実施に用いられることを知りながら』という主観的要件が必要、(3)所持型(101条3号・6号)がある。多機能品型の主観的要件の有無が頻出論点。

補足多機能品型では『日本国内において広く一般に流通しているもの』は除かれる。

15実用新案の無審査主義と技術評価の請求権者

実用新案登録出願の審査及び実用新案技術評価に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 実用新案権は設定の登録により発生し、実用新案登録出願があったときは、その出願が放棄され、取り下げられ、又は却下された場合を除き、実用新案権の設定の登録がされる。
  • 実用新案技術評価の請求は、実用新案登録出願人又は実用新案権者でなければすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
実体審査を経ず設定登録される(無審査登録主義)

実用新案法第14条実用新案権は、設定の登録により発生するe-Gov原文

実用新案法第14条放棄され、取り下げられ、又は却下された場合を除きe-Gov原文

誤り
『出願人・権者でなければ』は誤り(何人も請求可)

実用新案法第12条何人も、特許庁長官にe-Gov原文

ひっかけ技術評価の請求権者『何人も』を出願人・権者に限定する改変に注意。

解説実用新案法は無審査登録主義を採り、基礎的要件(物品性・方式等、6条の2の補正命令の対象)のみをチェックして設定登録する。実体的な新規性・進歩性等は登録後の実用新案技術評価書(12条)で評価し、その請求は何人もできる。権利行使に先立つ技術評価書の提示が前提となる点も押さえる。

補足実用新案技術評価の請求は、取り下げることができない(12条6項)。

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