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意匠法・第12

意匠法(権利範囲・判定・利用抵触・侵害・準用③)の問題(15問)

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この章で確認する論点

12章では、他人の登録意匠等との関係・登録意匠の範囲・登録意匠の類否判断・登録意匠の範囲についての判定・判定をする審判官の指定を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1登録意匠の範囲

登録意匠の範囲及び差止請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添附した図面に記載され又は願書に添附した写真、ひな形若しくは見本により現わされた意匠に基いて定めなければならない。
  • 意匠権者又は専用実施権者は、自己の意匠権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
24条1項のとおり → 正しい

意匠法第24条登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添附した図面に記載され又は願書に添附した写真、ひな形若しくは見本により現わされた意匠に基いて定めなければならないe-Gov原文

正しい
37条1項のとおり → 正しい

意匠法第37条意匠権者又は専用実施権者は、自己の意匠権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ登録意匠の範囲は『願書の記載及び図面等』に基いて定める。意匠権者等は『差止請求』できる(24条・37条)。

解説登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添附した図面・写真・ひな形・見本により現わされた意匠に基いて定めなければならない(24条1項)。また、意匠権者・専用実施権者は侵害者・侵害のおそれがある者に対し差止請求できる(37条1項)。登録意匠の範囲と差止請求権を押さえる。

補足意匠は図面等で特定されるため、登録意匠の範囲も願書・図面等を基準に定まる。差止は侵害のおそれの段階でも可能である。

2登録意匠の類否判断

登録意匠の類否判断及び登録意匠の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとする。
  • 登録意匠の範囲は、願書の記載及び願書に添附した図面等にかかわらず、出願人の主観的な意図に基いて定めなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
24条2項のとおり → 正しい

意匠法第24条需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとするe-Gov原文

誤り
願書の記載及び図面等に基いて定める → 『出願人の主観的意図に基いて定める』は誤り

意匠法第24条願書の記載及び願書に添附した図面に記載され又は願書に添附した写真、ひな形若しくは見本により現わされた意匠に基いて定めなければならないe-Gov原文

ひっかけ登録意匠の類否は『需要者の視覚を通じた美感』で判断。範囲は『願書の記載及び図面等』に基いて定める(24条)。

解説登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行う(24条2項)。また、登録意匠の範囲は願書の記載及び図面等に基いて定める(24条1項)。意匠の類否判断と登録意匠の範囲を押さえる。

補足意匠の類否は需要者(取引者・消費者)の視覚を通じた美感を基準に判断する。創作者や専門家の主観ではない点に注意する。

3登録意匠の範囲についての判定

登録意匠の範囲についての判定及び質権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができる。
  • 意匠権、専用実施権又は通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
25条1項のとおり → 正しい

意匠法第25条登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができるe-Gov原文

正しい
35条1項のとおり → 正しい

意匠法第35条質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができないe-Gov原文

ひっかけ登録意匠等の範囲は特許庁に『判定』を求められる。質権者は別段の定がなければ登録意匠等を『実施できない』(25条・35条)。

解説登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲については、特許庁に対し判定を求めることができる(25条1項)。また、意匠権等を目的として質権を設定したときは、質権者は契約で別段の定をした場合を除き、当該登録意匠等の実施をすることができない(35条1項)。判定と質権を押さえる。

補足判定は特許庁による登録意匠の範囲の公的見解だが、法的拘束力はない。質権者は担保のための権利者であり原則として実施できない。

4判定をする審判官の指定

判定をする審判官の指定及び判定の求めに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許庁長官は、登録意匠の範囲についての判定の求があつたときは、三名の審判官を指定して、その判定をさせなければならない。
  • 登録意匠及びこれに類似する意匠の範囲については、特許庁に対し、判定を求めることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
25条2項のとおり → 正しい

意匠法第25条三名の審判官を指定して、その判定をさせなければならないe-Gov原文

誤り
特許庁に判定を求めることができる → 『求めることができない』は誤り

意匠法第25条特許庁に対し、判定を求めることができるe-Gov原文

ひっかけ判定の求めには『三名の審判官』を指定する。登録意匠等の範囲は特許庁に『判定を求められる』(25条)。

解説特許庁長官は、登録意匠の範囲についての判定の求があったときは、三名の審判官を指定してその判定をさせなければならない(25条2項)。判定は登録意匠等の範囲について特許庁に求めることができる(25条1項)。判定の審判官の指定と判定の求めを押さえる。

補足判定は三名の審判官の合議で行われる。特許法71条3項・4項の規定が準用される(25条3項)。

5他人の登録意匠等との関係(登録意匠の利用・抵触)

他人の登録意匠等との関係(利用・抵触)及び損害の額の推定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その登録意匠がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠を利用するものであるとき等は、業としてその登録意匠の実施をすることができない。
  • 意匠権者又は専用実施権者が侵害者に損害賠償を請求する場合において、侵害者が侵害の行為を組成した物品を譲渡したときは、所定の各号に掲げる額の合計額を、意匠権者又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
26条1項のとおり → 正しい

意匠法第26条業としてその登録意匠の実施をすることができないe-Gov原文

正しい
39条1項のとおり → 正しい

意匠法第39条次の各号に掲げる額の合計額を、意匠権者又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができるe-Gov原文

ひっかけ登録意匠が出願前の他人の権利を利用・抵触すると『業として実施できない』。侵害組成物品の譲渡から『損害額を算定』できる(26条・39条)。

解説意匠権者・専用実施権者・通常実施権者は、その登録意匠が出願日前の出願に係る他人の登録意匠・特許発明等を利用するとき、又は他人の特許権・商標権・著作権等と抵触するときは、業としてその登録意匠の実施をすることができない(26条1項)。また、侵害者が侵害組成物品を譲渡したときは所定の額の合計額を損害の額とすることができる(39条1項)。利用・抵触と損害額の算定を押さえる。

補足利用・抵触関係にある意匠権は、自己の権利でも先願・先生じの他人の権利を侵害するため実施できない。実施には相手方の許諾又は裁定(33条)が必要である。

6他人の登録意匠等との関係(登録意匠に類似する意匠の利用・抵触)

登録意匠に類似する意匠の利用・抵触及び差止請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その登録意匠に類似する意匠がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠を利用するものであるとき等は、業としてその登録意匠に類似する意匠の実施をすることができない。
  • 意匠権者又は専用実施権者は、自己の意匠権を侵害するおそれがある者に対しては、侵害の予防を請求することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
26条2項のとおり → 正しい

意匠法第26条業としてその登録意匠に類似する意匠の実施をすることができないe-Gov原文

誤り
侵害のおそれがある者に予防を請求できる → 『請求できない』は誤り

意匠法第37条侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ登録意匠に類似する意匠が他人の権利を利用・抵触すると『業として実施できない』。侵害のおそれがある者にも『予防請求』できる(26条2項・37条)。

解説意匠権者等は、その登録意匠に類似する意匠が出願日前の出願に係る他人の登録意匠等を利用するとき、又は他人の意匠権・特許権・商標権・著作権等と抵触するときは、業としてその登録意匠に類似する意匠の実施をすることができない(26条2項)。また、侵害のおそれがある者にも差止(予防)を請求できる(37条1項)。登録意匠に類似する意匠の利用・抵触と差止請求権を押さえる。

補足利用・抵触の制限は登録意匠そのもの(26条1項)だけでなく登録意匠に類似する意匠(26条2項)にも及ぶ。意匠権の効力は類似範囲に及ぶためである。

7意匠権についての通常実施権の設定の裁定

通常実施権の設定の裁定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠権者又は専用実施権者は、その登録意匠又はこれに類似する意匠が利用・抵触の関係に該当するときであっても、相手方である他人に対し、通常実施権の許諾について協議を求めることはできない。
  • 意匠権者又は専用実施権者は、その登録意匠又はこれに類似する意匠が利用・抵触の関係に該当するときは、相手方である他人に対し、その登録意匠等の実施をするための通常実施権等の許諾について協議を求めることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
協議を求めることができる → 『求めることはできない』は誤り

意匠法第33条協議を求めることができるe-Gov原文

正しい
33条1項のとおり → 正しい

意匠法第33条その登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をするための通常実施権又は特許権若しくは実用新案権についての通常実施権の許諾について協議を求めることができるe-Gov原文

ひっかけ利用・抵触に該当する意匠権者等は、相手方に通常実施権の許諾について『協議を求められる』(33条1項)。

解説意匠権者又は専用実施権者は、その登録意匠又はこれに類似する意匠が26条の利用・抵触の関係に該当するときは、相手方である他人に対し、その登録意匠等の実施をするための通常実施権等の許諾について協議を求めることができる(33条1項)。協議が成立しない等のときは特許庁長官の裁定を求めうる。通常実施権の設定の裁定を押さえる。

補足利用・抵触により自己の意匠を実施できない場合、まず相手方と協議し、協議が調わないときは裁定により通常実施権の設定を受ける道がある。

8意匠権等を目的とする質権

意匠権等を目的とする質権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定をしなくても、当該登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができる。
  • 意匠権、専用実施権又は通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
別段の定をした場合を除き実施できない → 『別段の定なく実施できる』は誤り

意匠法第35条質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができないe-Gov原文

正しい
35条1項のとおり → 正しい

意匠法第35条質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、当該登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができないe-Gov原文

ひっかけ意匠権等の質権者は、契約で別段の定をした場合を除き、登録意匠等を『実施できない』(35条1項)。

解説意匠権・専用実施権・通常実施権を目的として質権を設定したときは、質権者は契約で別段の定をした場合を除き、当該登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をすることができない(35条1項)。質権は担保のための権利であり、原則として質権者自身は実施できない。質権を押さえる。

補足質権者は担保価値の把握者であって実施者ではない。物上代位や登録の効果に関する特許法の規定が準用される(35条2項・3項)。

9意匠権の差止請求権

意匠権の差止請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠権者又は専用実施権者は、自己の意匠権を現に侵害する者に対しては侵害の停止を請求できるが、侵害するおそれがある者に対しては侵害の予防を請求することができない。
  • 意匠権者又は専用実施権者は、自己の意匠権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
侵害のおそれがある者に予防を請求できる → 『請求できない』は誤り

意匠法第37条侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができるe-Gov原文

正しい
37条1項のとおり → 正しい

意匠法第37条侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ侵害する者だけでなく『侵害するおそれがある者』に対しても侵害の停止又は予防を請求できる(37条1項)。

解説意匠権者又は専用実施権者は、自己の意匠権又は専用実施権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる(37条1項)。差止に際し侵害組成物品の廃棄等を請求できる(37条2項)。差止請求権を押さえる。

補足差止請求は侵害のおそれの段階でも認められる予防的請求である。差止に際し廃棄・除却等の付帯請求もできる。

10意匠権侵害の損害の額の推定等

意匠権侵害の損害の額の推定等及び再審に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意匠権者又は専用実施権者が侵害者に損害賠償を請求する場合において、侵害者が侵害の行為を組成した物品を譲渡したときは、所定の各号に掲げる額の合計額を、意匠権者又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができる。
  • 特許法第百七十三条及び第百七十四条第五項の規定は、意匠法における再審に準用する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
39条1項のとおり → 正しい

意匠法第39条次の各号に掲げる額の合計額を、意匠権者又は専用実施権者が受けた損害の額とすることができるe-Gov原文

正しい
58条1項のとおり → 正しい

意匠法第58条特許法第百七十三条及び第百七十四条第五項の規定は、再審に準用するe-Gov原文

ひっかけ侵害組成物品の譲渡から『損害額を算定』できる。再審には『特許法の規定が準用』される(39条・58条)。

解説意匠権者・専用実施権者が侵害者に損害賠償を請求する場合に、侵害者が侵害組成物品を譲渡したときは、所定の各号の額の合計額を損害の額とすることができる(39条1項)。また、特許法の再審に関する規定(173条・174条5項)は意匠法の再審に準用される(58条1項)。損害額の算定と再審の準用を押さえる。

補足意匠法は侵害・審判・再審等の手続の多くを特許法の準用で構成している。損害額の算定は立証の困難を緩和する規定である。

11意匠権についての特許法の準用(効力が及ばない範囲・共有・放棄)

意匠権についての特許法の準用及び登録意匠に類似する意匠の利用・抵触に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許権の効力が及ばない範囲、共有、相続人がない場合の特許権の消滅、放棄並びに登録の効果に関する特許法の規定は、意匠権に準用する。
  • 意匠権者は、その登録意匠に類似する意匠が出願日前の出願に係る他人の登録意匠を利用するものであつても、業としてその登録意匠に類似する意匠の実施を自由にすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
36条のとおり → 正しい

意匠法第36条特許法第六十九条第一項及び第二項e-Gov原文

意匠法第36条の規定は、意匠権に準用するe-Gov原文

誤り
利用・抵触すると業として実施できない → 『自由に実施できる』は誤り

意匠法第26条業としてその登録意匠に類似する意匠の実施をすることができないe-Gov原文

ひっかけ効力範囲・共有・放棄・登録の効果に関する特許法の規定は意匠権に『準用』。登録意匠に類似する意匠の利用・抵触では『実施できない』(36条・26条2項)。

解説特許権の効力が及ばない範囲(69条1項2項)・共有(73条)・相続人がない場合の消滅(76条)・放棄(97条1項)・登録の効果(98条1項1号2項)に関する特許法の規定は、意匠権に準用される(36条)。また、登録意匠に類似する意匠が他人の権利を利用・抵触するときは業として実施できない(26条2項)。意匠権への特許法の準用を押さえる。

補足意匠法は意匠権の共有・放棄・効力の制限等を特許法の準用で定める。意匠固有の規定と準用される特許法規定を整理しておく。

12意匠登録出願の審査における特許法の準用

意匠登録出願の審査における特許法の準用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 審査官の資格、審査官の除斥、拒絶理由の通知、査定の方式及び訴訟との関係に関する特許法の規定は、意匠登録出願の審査には準用されない。
  • 審査官の資格、拒絶理由の通知、査定の方式等に関する特許法の規定は、意匠登録出願の審査に準用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
意匠登録出願の審査に準用する → 『準用されない』は誤り

意匠法第19条の規定は、意匠登録出願の審査に準用するe-Gov原文

正しい
19条のとおり → 正しい

意匠法第19条特許法第四十七条第二項e-Gov原文

意匠法第19条の規定は、意匠登録出願の審査に準用するe-Gov原文

ひっかけ拒絶理由の通知・査定の方式等に関する特許法の規定は、意匠登録出願の審査に『準用』される(19条)。

解説審査官の資格(特許法47条2項)・審査官の除斥(48条)・拒絶理由の通知(50条)・査定の方式(52条)・訴訟との関係(54条)に関する特許法の規定は、意匠登録出願の審査に準用される(19条)。意匠登録出願の審査における特許法の準用を押さえる。

補足意匠登録出願の審査も、拒絶理由通知・意見書提出の機会の付与等、特許の審査と同様の手続が準用により適用される。

13意匠権侵害に係る特許法の準用

意匠権侵害に係る特許法の準用及び登録意匠の類否判断に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 信用回復の措置等に関する特許法の規定は、意匠権又は専用実施権の侵害には準用されない。
  • 登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美感ではなく、専ら専門家の評価に基づいて行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
意匠権又は専用実施権の侵害に準用する → 『準用されない』は誤り

意匠法第41条の規定は、意匠権又は専用実施権の侵害に準用するe-Gov原文

誤り
需要者の視覚を通じた美感で判断する → 『専ら専門家の評価による』は誤り

意匠法第24条需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとするe-Gov原文

ひっかけ信用回復の措置等に関する特許法の規定は意匠権侵害に『準用』。類否判断は『需要者の視覚を通じた美感』(41条・24条2項)。

解説具体的態様の明示義務・権利行使の制限・損害計算のための鑑定・信用回復の措置等に関する特許法の規定は、意匠権又は専用実施権の侵害に準用される(41条)。また、登録意匠の類否判断は需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行う(24条2項)。意匠権侵害の準用と類否判断を押さえる。

補足意匠権侵害の救済(信用回復措置・損害計算の鑑定等)は特許法の準用で構成される。類否判断は需要者の美感が基準である。

14意匠登録出願における特許法の準用(共同出願・優先権主張)

意匠登録出願における特許法の準用及び登録意匠の利用・抵触に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 共同出願及びパリ条約による優先権主張の手続に関する特許法の規定は、意匠登録出願には準用されない。
  • 意匠権者は、その登録意匠が出願日前の出願に係る他人の登録意匠を利用するものであつても、業としてその登録意匠の実施を自由にすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
意匠登録出願に準用する → 『準用されない』は誤り

意匠法第15条の規定は、意匠登録出願に準用するe-Gov原文

誤り
利用・抵触すると業として実施できない → 『自由に実施できる』は誤り

意匠法第26条業としてその登録意匠の実施をすることができないe-Gov原文

ひっかけ共同出願・優先権主張に関する特許法の規定は意匠登録出願に『準用』。登録意匠の利用・抵触では『実施できない』(15条・26条1項)。

解説共同出願(特許法38条)及びパリ条約による優先権主張の手続等に関する特許法の規定は、意匠登録出願に準用される(15条。優先権主張の期間等は意匠用に読み替え)。また、登録意匠が出願前の他人の権利を利用・抵触するときは業として実施できない(26条1項)。意匠登録出願の準用と利用・抵触を押さえる。

補足意匠登録出願も共同出願・優先権主張等の手続が特許法の準用で適用される。利用・抵触の制限は自己の意匠権でも他人の先行権利を侵害する場合に及ぶ。

15意匠法における再審についての特許法の準用

再審についての特許法の準用及び判定をする審判官の指定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 特許法第百七十三条及び第百七十四条第五項の規定は、意匠法における再審には準用されない。
  • 特許庁長官は、登録意匠の範囲についての判定の求があつたときは、一名の審判官を指定して、その判定をさせなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
再審に準用する → 『準用されない』は誤り

意匠法第58条特許法第百七十三条及び第百七十四条第五項の規定は、再審に準用するe-Gov原文

誤り
三名の審判官を指定する → 『一名の審判官を指定する』は誤り

意匠法第25条三名の審判官を指定して、その判定をさせなければならないe-Gov原文

ひっかけ特許法の再審の規定は意匠法の再審に『準用』。判定の求めには『三名の審判官』を指定(58条・25条2項)。

解説特許法の再審に関する規定(173条・174条5項)は意匠法の再審に準用される(58条1項。拒絶査定不服審判の確定審決に対する再審等も準用で構成)。また、判定の求があったときは三名の審判官を指定して判定をさせる(25条2項)。再審の準用と判定の審判官の指定を押さえる。

補足意匠法は再審・審判の手続を特許法の準用で構成している。判定は三名の審判官の合議で行われる。