問1信用毀損行為
不正競争防止法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為は、不正競争に当たる。
- イ.不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、侵害の行為を組成したものとして主張する物又は方法の具体的態様を相手方が否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 2条1項21号のとおり → 正しい
不正競争防止法第2条「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」e-Gov原文
- イ.正しい
- 6条のとおり → 正しい
不正競争防止法第6条「相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ競争者の信用を害する『虚偽事実の告知・流布』は不正競争。否認時は相手方が『自己の具体的態様を明らかに』する(2条1項21号・6条)。
解説競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為は不正競争に当たる(2条1項21号、信用毀損行為)。また、侵害訴訟で侵害行為の具体的態様を相手方が否認するときは、相手方は自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない(6条、相当の理由がある場合を除く)。信用毀損行為と具体的態様の明示義務を押さえる。
補足信用毀損行為は競争関係を要件とする。具体的態様の明示義務は侵害立証の負担を軽減する手続規定である。
問2代理人等の商標冒用行為
代理人等の商標冒用行為及び信用毀損行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.パリ条約の同盟国等において商標に関する権利を有する者の代理人若しくは代表者等が、正当な理由がないのに、その権利を有する者の承諾を得ないで、その権利に係る商標と同一又は類似の商標を同一又は類似の商品・役務に使用する等の行為は、不正競争に当たる。
- イ.競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為は、不正競争に当たらない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 2条1項22号のとおり → 正しい
不正競争防止法第2条「正当な理由がないのに、その権利を有する者の承諾を得ないで」e-Gov原文
- イ.誤り
- 虚偽事実の告知・流布は不正競争に当たる → 『当たらない』は誤り
不正競争防止法第2条「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」e-Gov原文
ひっかけ権利者の代理人・代表者等の『無断商標使用』は不正競争。競争者の『信用毀損』も不正競争(2条1項22号・21号)。
解説パリ条約の同盟国等で商標に関する権利を有する者の代理人・代表者等が、正当な理由がないのに権利者の承諾を得ないで同一・類似の商標を同一・類似の商品役務に使用等する行為は不正競争に当たる(2条1項22号)。また、競争者の信用を害する虚偽事実の告知・流布も不正競争に当たる(2条1項21号)。代理人等の商標冒用と信用毀損を押さえる。
補足代理人等の商標冒用行為はパリ条約6条の7(代理人による商標登録)に対応する不正競争類型である。
問3技術的制限手段に対する不正競争
技術的制限手段に対する不正競争及び適用除外に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.営業上用いられている技術的制限手段により制限されている影像等の視聴等を、当該技術的制限手段の効果を妨げることにより可能とする機能を有する装置等を譲渡する等の行為は、不正競争に当たる。
- イ.差止請求権等に関する規定は、商品若しくは営業の普通名称を普通に用いられる方法で使用等する行為等には、適用しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 2条1項17号のとおり → 正しい
不正競争防止法第2条「営業上用いられている技術的制限手段」e-Gov原文
- イ.正しい
- 19条1項のとおり → 正しい
不正競争防止法第19条「次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為については、適用しない」e-Gov原文
ひっかけ技術的制限手段を『無効化する装置等の譲渡等』は不正競争。『普通名称等の使用』は適用除外(2条1項17号・19条)。
解説営業上用いられている技術的制限手段により制限されている視聴等を、その効果を妨げる機能を有する装置・プログラム等の譲渡等をする行為は不正競争に当たる(2条1項17号)。また、差止請求等の規定は普通名称・慣用表示を普通に用いられる方法で使用等する行為等には適用しない(19条1項1号)。技術的制限手段に対する不正競争と適用除外を押さえる。
補足技術的制限手段(アクセスコントロール・コピーコントロール)の無効化装置等の提供は不正競争とされる。適用除外は普通名称・自己氏名の善意使用・先使用等を定める。
問4具体的態様の明示義務
具体的態様の明示義務及び技術的制限手段に対する不正競争に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟において、侵害の行為を組成したものとして主張する物又は方法の具体的態様を相手方が否認するときは、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない。
- イ.営業上用いられている技術的制限手段の効果を妨げる機能を有する装置等を譲渡する等の行為は、不正競争に当たらない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 6条のとおり → 正しい
不正競争防止法第6条「相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 技術的制限手段の無効化装置等の譲渡等は不正競争に当たる → 『当たらない』は誤り
不正競争防止法第2条「営業上用いられている技術的制限手段」e-Gov原文
ひっかけ侵害態様の否認時は相手方が『自己の具体的態様を明らかに』する。技術的制限手段の『無効化装置等の譲渡等』は不正競争(6条・2条1項17号)。
解説侵害訴訟で侵害行為の具体的態様を相手方が否認するときは、相手方は自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない(6条。明らかにできない相当の理由があるときを除く)。また、技術的制限手段を無効化する装置等の譲渡等は不正競争に当たる(2条1項17号)。具体的態様の明示義務と技術的制限手段の不正競争を押さえる。
補足具体的態様の明示義務は被告側に侵害行為の具体的態様の開示を求める手続で、原告の立証負担を軽減する。
問5不正競争防止法における書類の提出等
書類の提出等及び営業秘密に係る消滅時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判所は、不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、当事者に対し、当該侵害行為について立証するため、又は当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類又は電磁的記録の提出を命ずることができる。
- イ.営業秘密を使用する行為に対する差止請求権は、所定の場合には、時効によって消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 7条1項のとおり → 正しい
不正競争防止法第7条「当該侵害行為について立証するため、又は当該侵害の行為による損害の計算をするため必要な書類又は電磁的記録の提出を命ずることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 15条のとおり → 正しい
不正競争防止法第15条「次に掲げる場合には、時効によって消滅する」e-Gov原文
ひっかけ裁判所は侵害立証・損害計算のため『書類等の提出』を命じうる。営業秘密の使用行為への差止請求権は所定の場合に『時効消滅』(7条・15条)。
解説裁判所は、不正競争による侵害訴訟において、当事者の申立てにより、侵害立証又は損害計算のため必要な書類・電磁的記録の提出を命じうる(7条1項。提出を拒む正当な理由があるときを除く)。また、営業秘密を使用する行為に対する差止請求権は、所定の場合に時効によって消滅する(15条)。書類の提出と消滅時効を押さえる。
補足営業秘密の使用行為への差止請求権の消滅時効は、保有者が事実・行為者を知った時から3年、行為開始から20年で消滅する(15条)。通常の不正競争の差止請求権には特別の時効規定はない。
問6不正競争防止法における損害計算のための鑑定
損害計算のための鑑定及び書類の提出等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不正競争による侵害訴訟において、裁判所が損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない。
- イ.裁判所は、不正競争による侵害訴訟において、当事者の申立てがあつても、侵害行為の立証や損害の計算のための書類の提出を命ずることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 8条のとおり → 正しい
不正競争防止法第8条「当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 書類等の提出を命じうる → 『命ずることはできない』は誤り
不正競争防止法第7条「必要な書類又は電磁的記録の提出を命ずることができる」e-Gov原文
ひっかけ損害計算の鑑定時は当事者が鑑定人に『必要事項を説明』する。裁判所は侵害立証・損害計算のため『書類等の提出』を命じうる(8条・7条)。
解説不正競争による侵害訴訟で、裁判所が損害計算のため必要な事項について鑑定を命じたときは、当事者は鑑定人に対し当該鑑定に必要な事項について説明しなければならない(8条)。また、裁判所は当事者の申立てにより侵害立証・損害計算のための書類等の提出を命じうる(7条1項)。損害計算のための鑑定と書類の提出を押さえる。
補足損害計算の鑑定・書類提出命令は、損害立証の困難を緩和する手続規定である。特許法等の侵害訴訟にも同様の規定がある。
問7不正競争防止法における相当な損害額の認定
相当な損害額の認定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不正競争による侵害訴訟において、損害が生じたことが認められる場合に、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときであつても、裁判所は損害額を認定することができず、その請求を棄却しなければならない。
- イ.不正競争による侵害訴訟において、損害が生じたことが認められる場合において、損害額を立証するために必要な事実を立証することが当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 相当な損害額を認定できる → 『認定できず棄却すべき』は誤り
不正競争防止法第9条「相当な損害額を認定することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 9条のとおり → 正しい
不正競争防止法第9条「口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき、相当な損害額を認定することができる」e-Gov原文
ひっかけ損害額の立証が極めて困難でも、裁判所は『相当な損害額を認定』できる(9条)。
解説不正競争による侵害訴訟において、損害が生じたことが認められる場合に、損害額の立証が当該事実の性質上極めて困難であるときは、裁判所は口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき相当な損害額を認定することができる(9条)。相当な損害額の認定を押さえる。
補足相当な損害額の認定は、損害の発生は認められるが額の立証が困難な場合に、裁判所が裁量で相当額を認定する規定である。
問8不正競争防止法における秘密保持命令
秘密保持命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.裁判所は、不正競争による侵害訴訟において、その当事者が保有する営業秘密について、当事者等に対し、当該営業秘密の使用又は開示を禁止する秘密保持命令を発することはできない。
- イ.裁判所は、所定の事由について疎明があつた場合には、当事者の申立てにより、決定で、当事者等、訴訟代理人又は補佐人に対し、当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し、又は所定の者以外の者に開示してはならない旨を命ずることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 秘密保持命令を発しうる → 『発することはできない』は誤り
不正競争防止法第10条「当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し」e-Gov原文
- イ.正しい
- 10条1項のとおり → 正しい
不正競争防止法第10条「当該営業秘密を当該訴訟の追行の目的以外の目的で使用し」e-Gov原文
ひっかけ裁判所は所定の疎明があれば、営業秘密の目的外使用・開示を禁止する『秘密保持命令』を発しうる(10条1項)。
解説裁判所は、不正競争による侵害訴訟において、当事者が保有する営業秘密について所定の事由の疎明があった場合に、当事者の申立てにより、決定で、当事者等・訴訟代理人・補佐人に対し、当該営業秘密の目的外使用・開示を禁止する秘密保持命令を発しうる(10条1項)。秘密保持命令を押さえる。
補足秘密保持命令は訴訟で営業秘密が開示される際に、その目的外使用・第三者開示を禁止して秘密を保護する制度である。違反には罰則がある。
問9秘密保持命令の取消し
秘密保持命令の取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.秘密保持命令を受けた者は、秘密保持命令の要件を欠くに至つたときであつても、秘密保持命令の取消しの申立てをすることはできない。
- イ.秘密保持命令の申立てをした者又は秘密保持命令を受けた者は、所定の要件を欠くこと又はこれを欠くに至つたことを理由として、秘密保持命令の取消しの申立てをすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 取消しの申立てをすることができる → 『することはできない』は誤り
不正競争防止法第11条「秘密保持命令の取消しの申立てをすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 11条1項のとおり → 正しい
不正競争防止法第11条「秘密保持命令の取消しの申立てをすることができる」e-Gov原文
ひっかけ命令の申立人・被命令者は、要件を欠くこと等を理由に秘密保持命令の『取消し』を申し立てられる(11条1項)。
解説秘密保持命令の申立てをした者又は秘密保持命令を受けた者は、訴訟記録の存する裁判所等に対し、秘密保持命令の要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、秘密保持命令の取消しを申し立てることができる(11条1項)。秘密保持命令の取消しを押さえる。
補足秘密保持命令は要件を欠くに至れば取消しを申し立てられる。取消しの裁判が確定すると命令は効力を失う。
問10当事者尋問等の公開停止
当事者尋問等の公開停止及び外国の国旗等の商業上の使用禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不正競争による侵害訴訟における当事者等が、侵害の有無の判断の基礎となる営業秘密に該当する事項について尋問を受ける場合に、所定の要件があるときは、裁判所は、裁判官の全員一致により、その尋問を公開しないで行うことができる。
- イ.何人も、外国国旗等類似記章を商標として使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する等の行為をしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 13条のとおり → 正しい
不正競争防止法第13条「裁判所は、裁判官の全員一致により」e-Gov原文
- イ.正しい
- 16条のとおり → 正しい
不正競争防止法第16条「又は外国国旗等類似記章を商標として使用した商品を譲渡し、引き渡し」e-Gov原文
ひっかけ所定の要件があれば『裁判官の全員一致』で当事者尋問等の公開を停止できる。外国国旗等類似記章の商標使用等は『禁止』(13条・16条)。
解説不正競争による侵害訴訟で、営業秘密に該当する事項について当事者等が尋問を受ける場合に、公開で陳述すると事業活動に著しい支障を生ずること等が明らかなときは、裁判所は裁判官の全員一致により公開を停止できる(13条)。また、何人も外国国旗等類似記章を商標として使用等する行為をしてはならない(16条)。当事者尋問等の公開停止と外国国旗等の使用禁止を押さえる。
補足当事者尋問等の公開停止は、憲法の裁判公開原則の例外で、営業秘密保護のため裁判官全員一致で決する。外国国旗等の使用禁止はパリ条約6条の3に対応する。
問11営業秘密に係る差止請求権の消滅時効
営業秘密に係る差止請求権の消滅時効及び当事者尋問等の公開停止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.営業秘密を使用する行為に対する差止請求権は、その行為を継続する場合において、営業秘密保有者がその事実及びその行為を行う者を知った時から三年間行わないとき等は、時効によつて消滅する。
- イ.不正競争による侵害訴訟においては、営業秘密に該当する事項についての当事者尋問等は、いかなる場合も公開を停止することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 15条のとおり → 正しい
不正競争防止法第15条「その事実及びその行為を行う者を知った時から三年間行わないとき」e-Gov原文
- イ.誤り
- 全員一致で公開を停止できる → 『いかなる場合も停止できない』は誤り
不正競争防止法第13条「裁判所は、裁判官の全員一致により」e-Gov原文
ひっかけ営業秘密の使用行為への差止請求権は知った時から『3年』で時効消滅。当事者尋問等は所定の要件で『公開停止できる』(15条・13条)。
解説営業秘密を使用する行為に対する差止請求権は、保有者がその事実及び行為者を知った時から3年間行わないとき、又は行為開始から20年を経過したときは時効によって消滅する(15条)。また、当事者尋問等は所定の要件があるとき裁判官の全員一致により公開を停止できる(13条)。消滅時効と公開停止を押さえる。
補足営業秘密の使用行為への差止請求権には3年(主観的起算点)・20年(客観的起算点)の消滅時効がある。長期の使用継続による法律関係の安定を図る。
問12外国の国旗等の商業上の使用禁止
外国の国旗等の商業上の使用禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.何人も、外国国旗等類似記章を商標として使用した商品を譲渡する行為を、自由に行うことができる。
- イ.何人も、外国国旗等と同一若しくは類似のものを商標として使用し、又は外国国旗等類似記章を商標として使用した商品を譲渡する等の行為をしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 外国国旗等類似記章の商標使用等は禁止 → 『自由に行うことができる』は誤り
不正競争防止法第16条「又は外国国旗等類似記章を商標として使用した商品を譲渡し、引き渡し」e-Gov原文
- イ.正しい
- 16条のとおり → 正しい
不正競争防止法第16条「又は外国国旗等類似記章を商標として使用した商品を譲渡し、引き渡し」e-Gov原文
ひっかけ外国国旗等類似記章を商標として使用等する行為は『禁止』(16条)。
解説何人も、外国の国旗・紋章等であって所定のものと同一・類似のもの(外国国旗等類似記章)を商標として使用し、又はそれを商標として使用した商品を譲渡・輸出入等する行為をしてはならない(16条。権限ある官庁の許可を受けた場合等を除く)。外国の国旗等の商業上の使用禁止を押さえる。
補足外国国旗等の使用禁止は、パリ条約6条の3(国の紋章等の保護)に対応する。国際機関の標章(17条)も同様に保護される。
問13国際機関の標章の商業上の使用禁止
国際機関の標章の商業上の使用禁止及び信用毀損行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.何人も、国際機関と関係があると誤認させるような方法で、国際機関類似標章を商標として使用する行為を、自由に行うことができる。
- イ.競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為は、不正競争に当たらない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 国際機関類似標章の誤認的な商標使用等は禁止 → 『自由に行うことができる』は誤り
不正競争防止法第17条「と関係があると誤認させるような方法で」e-Gov原文
- イ.誤り
- 虚偽事実の告知・流布は不正競争に当たる → 『当たらない』は誤り
不正競争防止法第2条「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し、又は流布する行為」e-Gov原文
ひっかけ国際機関と誤認させる方法での国際機関類似標章の商標使用等は『禁止』。競争者の『信用毀損』も不正競争(17条・2条1項21号)。
解説何人も、国際機関と関係があると誤認させるような方法で、国際機関類似標章を商標として使用し、又はそれを使用した商品を譲渡等する行為をしてはならない(17条)。また、競争者の信用を害する虚偽事実の告知・流布は不正競争に当たる(2条1項21号)。国際機関の標章の使用禁止と信用毀損行為を押さえる。
補足国際機関の標章の使用禁止は、外国国旗等(16条)と同様にパリ条約6条の3に対応する。誤認させる方法での使用が禁止対象である。
問14不正競争防止法の適用除外(普通名称等)
不正競争防止法の適用除外及び損害計算のための鑑定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.差止請求権等に関する不正競争防止法の規定は、商品若しくは営業の普通名称を普通に用いられる方法で使用等する行為に対しても、適用される。
- イ.不正競争による侵害訴訟において、裁判所が損害の計算をするため必要な事項について鑑定を命じたときであつても、当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 適用しないとされる → 『適用される』は誤り
不正競争防止法第19条「次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為については、適用しない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 鑑定人に必要事項を説明すべき → 『説明する必要はない』は誤り
不正競争防止法第8条「当事者は、鑑定人に対し、当該鑑定をするため必要な事項について説明しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ『普通名称等の使用』は不正競争防止法の適用除外。損害計算の鑑定時は当事者が鑑定人に『説明』する(19条・8条)。
解説差止請求・損害賠償等に関する不正競争防止法の規定は、商品・営業の普通名称・慣用表示を普通に用いられる方法で使用等する行為、自己の氏名の善意使用、先使用等の所定の行為には適用しない(19条1項)。また、損害計算の鑑定時は当事者が鑑定人に必要事項を説明しなければならない(8条)。適用除外と鑑定の説明義務を押さえる。
補足適用除外(19条)は、普通名称・慣用表示の使用、自己氏名の善意使用、先使用、形態模倣の3年経過、営業秘密の善意取得等を定める。
問15外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止
外国公務員等に対する不正の利益の供与等の禁止及び具体的態様の明示義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.何人も、外国公務員等に対し、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、その職務に関する行為をさせること等を目的として、金銭その他の利益を供与する行為を、自由に行うことができる。
- イ.不正競争による侵害訴訟において、侵害の行為を組成したものとして主張する物又は方法の具体的態様を相手方が否認するときであつても、相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにする必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 外国公務員等への利益供与等は禁止 → 『自由に行うことができる』は誤り
不正競争防止法第18条「金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をしてはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 自己の具体的態様を明らかにすべき → 『明らかにする必要はない』は誤り
不正競争防止法第6条「相手方は、自己の行為の具体的態様を明らかにしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ外国公務員等への『不正の利益の供与等は禁止』。侵害態様の否認時は相手方が『自己の具体的態様を明らかに』する(18条・6条)。
解説何人も、外国公務員等に対し、国際的な商取引に関して営業上の不正の利益を得るために、その職務に関する行為をさせること等を目的として、金銭その他の利益を供与し、又はその申込み・約束をしてはならない(18条1項、外国公務員贈賄の禁止)。また、侵害態様の否認時は相手方が自己の具体的態様を明らかにする(6条)。外国公務員贈賄の禁止と具体的態様の明示義務を押さえる。
補足外国公務員贈賄の禁止はOECD外国公務員贈賄防止条約に基づく規定で、違反には罰則がある。営業秘密侵害等とは性格の異なる規制である。