問1意匠登録出願の願書・図面
意匠登録出願及び意匠権の発生に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録を受けようとする者は、所定の事項を記載した願書に意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない。
- イ.意匠権は、設定の登録により発生する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 6条1項のとおり → 正しい
意匠法第6条「意匠登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書に意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ意匠登録出願は『願書+図面』。意匠権は『設定の登録』で発生(6条・20条)。
解説意匠登録を受けようとする者は、所定の事項を記載した願書に意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない(6条1項)。意匠は物品等の形態(視覚を通じて美感を起こさせるもの)であり、図面によりその形態を特定する。また、意匠権は設定の登録により発生する(20条1項)。出願の方式(願書+図面)と権利発生時点(設定登録)を押さえる。
補足図面に代えて、経済産業省令で定める場合には写真・ひな形・見本を提出できる(6条2項)。意匠は形態の創作であり、その特定手段として図面等が中心的役割を果たす。
問2図面に代わる写真・ひな形・見本
意匠登録出願の方式及び意匠権の発生に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.経済産業省令で定める場合は、図面に代えて、意匠登録を受けようとする意匠を現わした写真、ひな形又は見本を提出することができる。
- イ.意匠権は、意匠登録出願の時に発生する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 6条2項のとおり → 正しい
意匠法第6条「前項の図面に代えて、意匠登録を受けようとする意匠を現わした写真、ひな形又は見本を提出することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 意匠権は設定の登録により発生する → 『意匠登録出願の時』は誤り
ひっかけ図面に代えて『写真・ひな形・見本』も可。意匠権の発生は『設定の登録』(6条・20条)。
解説意匠は物品等の形態であり、その特定手段として、所定の場合には図面に代えて意匠を現わした写真・ひな形又は見本を提出することができる(6条2項)。また、意匠権は設定の登録により発生する(20条1項)。出願や登録査定の時点ではなく、登録料の納付を経た設定登録によって権利が生じる。意匠の特定手段の多様性と、権利発生時点を押さえる。
補足意匠の存続期間は意匠登録出願の日から25年である(21条)。権利の発生は設定登録、存続期間の起算は出願日という点は、特許権と同様の構造である。
問3意匠登録出願の分割
意匠登録出願の分割及び拒絶査定不服審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録出願人は、意匠登録出願が審査、審判又は再審に係属している場合に限り、二以上の意匠を包含する意匠登録出願の一部を一又は二以上の新たな意匠登録出願とすることができる。
- イ.拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から3月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 10条の2第1項のとおり → 正しい
意匠法第10条の2「意匠登録出願人は、意匠登録出願が審査、審判又は再審に係属している場合に限り、二以上の意匠を包含する意匠登録出願の一部を一又は二以上の新たな意匠登録出願とすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 46条1項のとおり → 正しい
意匠法第46条「その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ出願の分割は『審査・審判・再審に係属中』に限る。拒絶査定不服審判は『3月以内』(10条の2・46条)。
解説意匠登録出願人は、出願が審査・審判又は再審に係属している場合に限り、二以上の意匠を包含する出願の一部を一又は二以上の新たな出願とすることができる(10条の2第1項、出願の分割)。意匠は一意匠一出願が原則であるため、複数の意匠を含む出願を分割する制度がある。また、拒絶査定を受けた者は、査定謄本の送達から3月以内に拒絶査定不服審判を請求できる(46条1項)。分割の時期的要件と不服申立期間を押さえる。
補足分割の対象は、係属中の出願である。査定が確定するなどして係属していない出願は分割できない。期間(3月)を徒過すると拒絶査定が確定する。
問4分割出願の出願時の遡及
意匠登録出願の分割及び出願の方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録出願の分割があったときは、新たな意匠登録出願は、もとの意匠登録出願の時にしたものとみなす。
- イ.意匠登録出願は、願書に図面その他意匠を特定する書面等を添付することを要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 10条の2第2項のとおり → 正しい
意匠法第10条の2「前項の規定による意匠登録出願の分割があつたときは、新たな意匠登録出願は、もとの意匠登録出願の時にしたものとみなす」e-Gov原文
- イ.誤り
- 願書に図面を添付して提出する → 『図面等の添付を要しない』は誤り
意匠法第6条「意匠登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書に意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ分割した新出願は『もとの出願の時にした』ものとみなす(遡及効)。出願には図面等の添付が必要(10条の2・6条)。
解説意匠登録出願の分割があったときは、新たな出願はもとの出願の時にしたものとみなされる(10条の2第2項、遡及効)。これにより、分割しても新規性等の判断基準時が原出願時に維持される。また、意匠登録出願は願書に意匠を記載した図面(又は写真等)を添付して提出しなければならない(6条1項)。分割の遡及効と出願の方式を押さえる。
補足分割の遡及効には例外があり、新規性喪失の例外の証明書提出やパリ条約優先権の手続については遡及しない(10条の2第2項ただし書)。原則として原出願時にしたものとみなされる点を押さえる。
問5特許出願から意匠登録出願への変更
出願の変更及び意匠登録無効審判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特許出願人は、その特許出願を意匠登録出願に変更することができる。
- イ.意匠登録が一定の無効理由に該当するときは、その意匠登録を無効にすることについて意匠登録無効審判を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 13条1項のとおり → 正しい
意匠法第13条「特許出願人は、その特許出願を意匠登録出願に変更することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 48条1項のとおり → 正しい
意匠法第48条「意匠登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その意匠登録を無効にすることについて意匠登録無効審判を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ特許出願は意匠登録出願に『変更』できる。無効理由があれば『意匠登録無効審判』を請求できる(13条・48条)。
解説特許出願人は、その特許出願を意匠登録出願に変更することができる(13条1項)。実用新案登録出願も意匠登録出願に変更できる(13条2項)。出願の種類を誤った場合等に出願日を維持しつつ適切な権利の出願に乗り換える制度である。また、意匠登録が無効理由に該当するときは、意匠登録無効審判を請求できる(48条1項)。出願の変更と無効審判を押さえる。
補足特許出願から意匠登録出願への変更には時期的制限がある(拒絶査定謄本送達から3月経過後はできない・13条1項ただし書)。出願の変更があったときは、もとの出願は取り下げたものとみなされる(13条4項)。
問6出願の変更の効果
出願の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特許出願又は実用新案登録出願から意匠登録出願への出願の変更があったときは、もとの出願は、取り下げたものとみなす。
- イ.実用新案登録出願人は、その実用新案登録出願を意匠登録出願に変更することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 13条4項のとおり → 正しい
意匠法第13条「第一項又は第二項の規定による出願の変更があつたときは、もとの出願は、取り下げたものとみなす」e-Gov原文
- イ.誤り
- 実用新案登録出願は意匠登録出願に変更できる → 『変更できない』は誤り
意匠法第13条「実用新案登録出願人は、その実用新案登録出願を意匠登録出願に変更することができる」e-Gov原文
ひっかけ出願の変更でもとの出願は『取下げみなし』。特許出願も実用新案登録出願も意匠登録出願に変更できる(13条)。
解説特許出願又は実用新案登録出願から意匠登録出願への出願の変更があったときは、もとの出願は取り下げたものとみなされる(13条4項)。新旧2つの出願が併存することはない。特許出願人も実用新案登録出願人も、その出願を意匠登録出願に変更することができる(13条1項・2項)。出願の変更の主体と、もとの出願の取下げみなしの効果を押さえる。
補足出願の変更は、出願日を維持しながら適切な権利の種類の出願に乗り換える制度である。もとの出願が取り下げたものとみなされることで、同一の創作について重複した権利が生じないようにしている。
問7補正の却下(意匠法)
補正の却下に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.願書の記載又は願書に添付した図面等についてした補正が要旨を変更するものであっても、審査官は、その補正を却下することはできない。
- イ.願書の記載又は願書に添付した図面、写真、ひな形若しくは見本についてした補正がこれらの要旨を変更するものであるときは、審査官は、決定をもってその補正を却下しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 要旨変更の補正は却下しなければならない → 『却下できない』は誤り
意匠法第17条の2「願書の記載又は願書に添付した図面、写真、ひな形若しくは見本についてした補正がこれらの要旨を変更するものであるときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 17条の2第1項のとおり → 正しい
意匠法第17条の2「願書の記載又は願書に添付した図面、写真、ひな形若しくは見本についてした補正がこれらの要旨を変更するものであるときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ願書・図面等の補正が要旨を変更するなら、審査官は決定でその補正を『却下』する(17条の2)。
解説願書の記載又は願書に添付した図面・写真・ひな形若しくは見本についてした補正が、これらの要旨を変更するものであるときは、審査官は決定をもってその補正を却下しなければならない(17条の2第1項)。意匠は図面等で特定されるため、要旨を変更する補正を認めると出願の同一性が損なわれる。要旨変更補正の却下を押さえる。
補足補正の却下決定があったときは、決定謄本の送達から3月を経過するまでは当該出願について査定をしてはならない(17条の2第3項)。却下決定に不服があれば補正却下決定不服審判を請求できる。
問8意匠権の設定の登録による発生
意匠権の発生に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権は、登録をすべき旨の査定があった時に発生する。
- イ.意匠権は、設定の登録により発生する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 意匠権は設定の登録により発生する → 『登録査定があった時』は誤り
ひっかけ意匠権の発生時点は『設定の登録』。登録査定の時ではない(20条)。
解説意匠権は、設定の登録により発生する(20条1項)。登録をすべき旨の査定(登録査定)があっても、第1年分の登録料の納付を経た設定登録によって初めて意匠権が生じる(20条2項)。査定(行政処分)と権利発生(設定登録)が別である点は、特許権・商標権と同様である。権利発生時点を正確に押さえる。
補足意匠登録出願は出願審査請求を要せず全件が審査される。登録査定後に登録料を納付して設定登録がされると、意匠権が発生し、意匠公報に掲載される(20条3項)。
問9関連意匠の意匠権の移転制限
関連意匠の意匠権の移転に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.基礎意匠の意匠権とその関連意匠の意匠権は、それぞれ分離して移転することができる。
- イ.基礎意匠及びその関連意匠の意匠権は、分離して移転することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 基礎意匠と関連意匠の意匠権は分離移転できない → 『分離して移転できる』は誤り
意匠法第22条「基礎意匠及びその関連意匠の意匠権は、分離して移転することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 22条1項のとおり → 正しい
意匠法第22条「基礎意匠及びその関連意匠の意匠権は、分離して移転することができない」e-Gov原文
ひっかけ基礎意匠と関連意匠の意匠権は『分離して移転できない』(一体で移転)(22条1項)。
解説基礎意匠及びその関連意匠の意匠権は、分離して移転することができない(22条1項)。関連意匠は、基礎意匠に類似する意匠について同一人が登録を受けるものであり、互いに類似する意匠権が別々の者に帰属すると権利関係が混乱するため、一体としてのみ移転できる。関連意匠制度における移転の制限を押さえる。
補足基礎意匠の意匠権が消滅・無効審決の確定・放棄により失われたときも、その基礎意匠に係る関連意匠の意匠権は分離して移転することができない(22条2項)。類似する意匠権群を一体として扱う趣旨が貫かれている。
問10先使用による通常実施権(意匠法)
先使用による通常実施権及び登録料の追納に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録出願に係る意匠を知らないで自らその意匠の創作をした者が、意匠登録出願の際現に日本国内においてその意匠の実施である事業をしているときは、その実施をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、その意匠登録出願に係る意匠権について通常実施権を有する。
- イ.意匠権者は、登録料を所定の期間内に納付することができないときは、その期間の経過後6月以内にその登録料を追納することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 29条のとおり → 正しい
意匠法第29条「その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、その意匠登録出願に係る意匠権について通常実施権を有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 44条1項のとおり → 正しい
意匠法第44条「その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその登録料を追納することができる」e-Gov原文
ひっかけ出願前から実施・準備していた者は『先使用権』。登録料は所定期間経過後『6月以内』に追納できる(29条・44条)。
解説意匠登録出願に係る意匠を知らないで自らその意匠を創作した者等が、出願の際現に日本国内でその意匠の実施である事業をしている者又はその準備をしている者は、その範囲内で通常実施権を有する(29条、先使用権)。また、意匠権者は、登録料を所定期間内に納付できないときは、その期間の経過後6月以内に割増登録料とともに追納することができる(44条1項)。先使用者保護と登録料追納の救済を押さえる。
補足先使用権は無償の法定通常実施権で、登録なくして意匠権者に対抗できる。登録料の追納期間(6月)を徒過すると、意匠権は納付すべきであった期間の経過時にさかのぼって消滅したものとみなされる。
問11先出願による通常実施権
先出願による通常実施権及び先使用による通常実施権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録出願に係る意匠を知らないで自らその意匠の創作をした者が、意匠権の設定の登録の際現に日本国内においてその意匠の実施である事業をしている等一定の場合には、その実施をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、通常実施権を有する。
- イ.先使用による通常実施権は、意匠登録出願の際に現にその意匠の実施である事業をしている場合に限られ、その事業の準備をしているにすぎない者には認められない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 29条の2のとおり → 正しい
意匠法第29条の2「意匠権の設定の登録の際現に日本国内においてその意匠又はこれに類似する意匠の実施である事業をしている者又はその事業の準備をしている者」e-Gov原文
- イ.誤り
- 先使用権は事業の準備をしている者にも認められる → 『準備中の者には認められない』は誤り
意匠法第29条「その実施又は準備をしている意匠及び事業の目的の範囲内において、その意匠登録出願に係る意匠権について通常実施権を有する」e-Gov原文
ひっかけ先使用権(29条)・先出願権(29条の2)は、いずれも『事業の準備をしている者』にも認められる。基準時が異なる。
解説意匠を独自に創作した者等が、意匠権の設定の登録の際現に日本国内でその意匠の実施である事業をしている等一定の場合には、その範囲内で通常実施権を有する(29条の2、先出願による通常実施権)。先使用による通常実施権(29条)が『意匠登録出願の際』を基準とするのに対し、先出願による通常実施権は『設定の登録の際』を基準とする。いずれも事業の実施だけでなくその準備をしている者にも認められる点を押さえる。
補足29条(出願の際が基準)と29条の2(設定登録の際が基準)は、保護される者の範囲・基準時が異なる。いずれも独自創作者を保護する法定通常実施権であり、事業の準備中の者も対象となる。
問12登録料の追納
登録料の追納に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権者は、登録料を所定の期間内に納付することができなかったときは、追納することは一切できず、意匠権は当然に消滅する。
- イ.意匠権者は、登録料を所定の期間内に納付することができないときは、その期間の経過後6月以内にその登録料を追納することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 6月以内に追納できる → 『追納は一切できず当然に消滅』は誤り
意匠法第44条「その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその登録料を追納することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 44条1項のとおり → 正しい
意匠法第44条「その期間が経過した後であつても、その期間の経過後六月以内にその登録料を追納することができる」e-Gov原文
ひっかけ登録料は所定期間内に納付できなくても『6月以内』に追納できる(44条1項)。
解説意匠権者は、登録料を所定の期間内に納付することができないときは、その期間の経過後6月以内に、割増登録料とともにその登録料を追納することができる(44条1項・2項)。納付期間を徒過しても直ちに権利が失われるわけではなく、追納期間内の救済が用意されている。期間(6月)と割増登録料の納付を押さえる。
補足責めに帰することができない理由により期間内に納付できなかったときは、割増登録料の納付を要しない(44条2項ただし書)。追納期間内に追納がないと、意匠権は遡って消滅したものとみなされる。
問13拒絶査定不服審判
拒絶査定不服審判及び意匠登録出願の分割に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があっても、拒絶査定不服審判を請求することはできない。
- イ.意匠登録出願の分割は、その出願が特許庁に係属していない場合であっても、いつでもすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 3月以内に請求できる → 『請求できない』は誤り
意匠法第46条「その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 分割は係属中に限りできる → 『係属していなくてもいつでもできる』は誤り
意匠法第10条の2「意匠登録出願が審査、審判又は再審に係属している場合に限り」e-Gov原文
ひっかけ拒絶査定には『3月以内』に不服審判を請求できる。出願の分割は『係属中』に限る(46条・10条の2)。
解説拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定の謄本の送達があった日から3月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる(46条1項)。また、意匠登録出願の分割は、出願が審査・審判又は再審に係属している場合に限りすることができる(10条の2第1項)。不服申立てや分割は、いずれも時期的な制約の中で行う必要がある。手続の期間・時期的要件を正確に押さえる。
補足拒絶査定不服審判(3月以内)も出願の分割(係属中)も、期間・時期を徒過すると手続ができなくなる。弁理士実務では、これらの期間管理が極めて重要である。
問14意匠登録無効審判
意匠登録無効審判及び出願の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠登録に無効理由があっても、何人も意匠登録無効審判を請求することはできず、特許庁長官の職権によってのみ意匠登録が無効とされる。
- イ.特許出願人は、その特許出願を意匠登録出願に変更することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 無効審判を請求できる → 『請求できず職権のみ』は誤り
意匠法第48条「意匠登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その意匠登録を無効にすることについて意匠登録無効審判を請求することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 特許出願は意匠登録出願に変更できる → 『変更できない』は誤り
意匠法第13条「特許出願人は、その特許出願を意匠登録出願に変更することができる」e-Gov原文
ひっかけ無効理由があれば『無効審判』を請求できる(職権のみではない)。特許出願は意匠登録出願に『変更』できる(48条・13条)。
解説意匠登録が無効理由(3条・3条の2・9条等の違反)に該当するときは、その意匠登録を無効にすることについて意匠登録無効審判を請求することができる(48条1項)。職権のみで無効とされるのではなく、請求に基づく審判による。また、特許出願人はその特許出願を意匠登録出願に変更することができる(13条1項)。無効審判の請求と出願の変更を押さえる。
補足意匠登録無効審判は、原則として利害関係人が請求できる。無効審決が確定すると、意匠権は原則として初めから存在しなかったものとみなされる(49条)。
問15関連意匠の移転制限(基礎意匠消滅後)
関連意匠の意匠権の移転及び意匠登録出願の方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.基礎意匠の意匠権が消滅し、又は無効にすべき旨の審決が確定した後は、その基礎意匠に係る関連意匠の意匠権は、自由に分離して移転することができる。
- イ.意匠登録出願において、図面に代えて写真、ひな形又は見本を提出することは、いかなる場合もできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 基礎意匠消滅後も関連意匠は分離移転できない → 『自由に分離移転できる』は誤り
意匠法第22条「当該基礎意匠に係る関連意匠の意匠権は、分離して移転することができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 所定の場合は写真等を提出できる → 『いかなる場合もできない』は誤り
意匠法第6条「前項の図面に代えて、意匠登録を受けようとする意匠を現わした写真、ひな形又は見本を提出することができる」e-Gov原文
ひっかけ基礎意匠の意匠権が消滅・無効になった後も、関連意匠の意匠権は『分離して移転できない』(22条2項)。
解説基礎意匠の意匠権が登録料不納付による消滅・無効審決の確定・放棄により失われたときも、その基礎意匠に係る関連意匠の意匠権は、分離して移転することができない(22条2項)。基礎意匠がなくなっても、互いに類似する関連意匠の意匠権群を一体として扱う趣旨が維持される。また、意匠登録出願では所定の場合に図面に代えて写真等を提出できる(6条2項)。関連意匠の移転制限の徹底と、出願方式の柔軟性を押さえる。
補足関連意匠制度では、互いに類似する意匠が別々の者に帰属して権利が錯綜することを防ぐため、基礎意匠の存否にかかわらず一体での移転が求められる。これにより、類似意匠権群の権利の一体性が確保される。