問1著作物の例示
著作物及び著作者の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物は、著作権法上、著作物として例示されている。
- イ.著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として、上演し、又は演奏する権利を専有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 10条1項のとおり → 正しい
著作権法第10条「小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物」e-Gov原文
ひっかけ言語の著作物(小説・論文・講演等)は著作物の例示。著作者は公に『上演・演奏』する権利を専有(10条・22条)。
解説著作物は、言語・音楽・舞踊・美術・建築・図形・映画・写真・プログラムの著作物等として例示される(10条1項)。例示であるため、これに当たらないものでも創作性があれば著作物となり得る。また、著作者は、その著作物を公に上演し、又は演奏する権利を専有する(22条、上演権・演奏権)。著作物の例示と支分権の一つを押さえる。
補足10条1項は『例示』であり限定列挙ではない。なお、事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、言語の著作物に該当しない(10条2項)。
問2時事の報道と著作物
著作物及び支分権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、言語の著作物に該当しない。
- イ.著作者は、その著作物を公に上演し、又は演奏する権利を専有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 10条2項のとおり → 正しい
著作権法第10条「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 著作者は上演・演奏権を専有する → 『専有しない』は誤り
ひっかけ事実の伝達にすぎない雑報・時事報道は『著作物でない』。著作者は上演・演奏権を『専有する』(10条・22条)。
解説事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、言語の著作物に該当しない(10条2項)。単なる事実の伝達には創作性がないからである。一方、創作性のある報道記事や論説は著作物となり得る。また、著作者は公に上演し、又は演奏する権利を専有する(22条)。著作物性の限界と支分権を押さえる。
補足「時事の報道」でも、表現に創作性があれば著作物となる。10条2項が除外するのは『事実の伝達にすぎない』ものに限られる。
問3編集著作物
編集著作物及びデータベースの著作物に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.編集物でその素材の選択又は配列によって創作性を有するものは、著作物として保護する。
- イ.データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものは、著作物として保護する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 12条1項のとおり → 正しい
著作権法第12条「その素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 12条の2第1項のとおり → 正しい
著作権法第12条の2「データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する」e-Gov原文
ひっかけ編集物は『素材の選択・配列』、データベースは『情報の選択・体系的構成』の創作性で著作物として保護(12条・12条の2)。
解説編集物でその素材の選択又は配列によって創作性を有するものは、編集著作物として保護される(12条1項)。データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものは、データベースの著作物として保護される(12条の2第1項)。素材・情報そのものでなく、その選択・配列・構成に創作性が認められる点が要点である。
補足編集著作物・データベースの著作物の保護は、構成要素である個々の著作物の権利に影響を及ぼさない(12条2項・12条の2第2項)。全体としての編集・構成と、部分の著作物の権利は別個に存続する。
問4データベースの著作物
データベースの著作物及び編集著作物に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものは、著作物として保護する。
- イ.編集物は、その素材の選択又は配列に創作性があっても、著作物として保護されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 12条の2第1項のとおり → 正しい
著作権法第12条の2「データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは、著作物として保護する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 編集物は素材の選択・配列の創作性で保護される → 『保護されない』は誤り
著作権法第12条「その素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは、著作物として保護する」e-Gov原文
ひっかけデータベースは『情報の選択・体系的構成』、編集物は『素材の選択・配列』の創作性で保護(12条の2・12条)。
解説データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するものは著作物として保護され(12条の2第1項)、編集物でその素材の選択又は配列によって創作性を有するものも著作物として保護される(12条1項)。データベースは『編集物のうちデータベースに該当するもの』として、編集著作物とは別に規定されている。両者の創作性の対象(情報の構成/素材の配列)を押さえる。
補足データベースは『論文、数値、図形その他の情報の集合物であつて、それらを電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの』をいう(2条1項10号の3)。編集物のうちデータベースに該当するものは12条の2で別に扱われる。
問5権利の目的とならない著作物
権利の目的とならない著作物及び著作権の譲渡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.憲法その他の法令は、著作権法上、この章の規定による権利の目的となることができない。
- イ.著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 13条のとおり → 正しい
著作権法第13条「次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない」e-Gov原文
著作権法第13条「憲法その他の法令」e-Gov原文
- イ.正しい
- 61条1項のとおり → 正しい
著作権法第61条「著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる」e-Gov原文
ひっかけ憲法・法令等は著作権の『目的とならない』。著作権は『全部又は一部』を譲渡できる(13条・61条)。
解説憲法その他の法令、国・地方公共団体等が発する告示・訓令・通達、裁判所の判決等は、この章の規定による権利の目的となることができない(13条)。国民が自由に利用できるべき公的な情報だからである。また、著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる(61条1項)。権利の目的とならない著作物と、著作権の譲渡性を押さえる。
補足著作権の譲渡契約で翻案権(27条)・二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(28条)が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は譲渡した者に留保されたものと推定される(61条2項)。
問6上演権及び演奏権
上演権・演奏権及び権利の目的とならない著作物に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として、上演し、又は演奏する権利を専有する。
- イ.憲法その他の法令も、著作権法上、この章の規定による権利の目的となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 憲法その他の法令は権利の目的とならない → 『権利の目的となる』は誤り
著作権法第13条「次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない」e-Gov原文
ひっかけ著作者は『上演・演奏権』を専有。憲法・法令等は権利の目的と『ならない』(22条・13条)。
解説著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(公に)上演し、又は演奏する権利を専有する(22条、上演権・演奏権)。一方、憲法その他の法令等は、この章の規定による権利の目的となることができない(13条)。支分権(上演・演奏)と、著作権の目的とならない著作物を押さえる。
補足「公に」とは、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的とすることをいう(22条かっこ書)。著作者の権利(支分権)と、そもそも権利の対象とならない著作物(13条)を区別して整理する。
問7上映権
上映権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有しない。
- イ.著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 著作者は上映権を専有する → 『専有しない』は誤り
著作権法第22条の2「著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 22条の2のとおり → 正しい
著作権法第22条の2「著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する」e-Gov原文
ひっかけ著作者は、その著作物を公に『上映する権利』を専有する(22条の2)。
解説著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する(22条の2、上映権)。かつては映画の著作物に限られていたが、現在は著作物一般について上映権が及ぶ。スクリーン等への映写による公の上映が対象である。著作者の支分権の一つとして押さえる。
補足上映とは、著作物を映写幕その他の物に映写することをいい、これに伴って映画の著作物に固定されている音を再生することを含む(2条1項17号)。上演(生の実演)・演奏とは区別される。
問8口述権
口述権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有しない。
- イ.著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 著作者は口述権を専有する → 『専有しない』は誤り
著作権法第24条「著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 24条のとおり → 正しい
著作権法第24条「著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する」e-Gov原文
ひっかけ著作者は、その言語の著作物を公に『口述する権利』を専有する(24条)。
解説著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する(24条、口述権)。口述とは、朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く)をいう。小説の朗読会など、言語の著作物を声で公衆に伝える行為が対象である。支分権の一つとして押さえる。
補足口述権は『言語の著作物』に特有の支分権である。上演・演奏(22条)、上映(22条の2)、口述(24条)と、伝達の態様により支分権が分かれている点を整理する。
問9展示権
展示権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、その美術の著作物を、その複製物により公に展示する権利を専有する。
- イ.著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物を、これらの原作品により公に展示する権利を専有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 展示権は原作品による展示に及ぶ → 『複製物により展示』は誤り
著作権法第25条「その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 25条のとおり → 正しい
著作権法第25条「その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する」e-Gov原文
ひっかけ展示権は『美術の著作物・未発行写真』を『原作品』により公に展示する権利(複製物ではない)(25条)。
解説著作者は、その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物を、これらの原作品により公に展示する権利を専有する(25条、展示権)。展示権は『原作品』による展示に限られ、対象も美術の著作物・未発行の写真の著作物に限定される。支分権の対象と態様(原作品)を正確に押さえる。
補足美術の著作物等の原作品の所有者は、これを原作品により公に展示することができる(45条1項)。展示権は著作者にあるが、原作品を譲り受けた所有者の展示は一定範囲で許される(権利制限)。
問10頒布権
頒布権及び営利を目的としない上演等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、その映画の著作物を、その複製物により頒布する権利を専有する。
- イ.公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 26条1項のとおり → 正しい
著作権法第26条「著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 38条1項のとおり → 正しい
著作権法第38条「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる」e-Gov原文
ひっかけ著作者は『映画の著作物』を複製物により頒布する権利を専有。営利目的でなく無料・無報酬なら公表著作物を上演等できる(26条・38条)。
解説著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する(26条1項、頒布権)。頒布権は映画の著作物について特に認められている。一方、公表された著作物は、営利を目的とせず、聴衆等から料金を受けない場合には、公に上演・演奏・上映・口述することができる(38条1項、権利制限。ただし実演家等に報酬が支払われる場合を除く)。支分権と権利制限を押さえる。
補足頒布権は映画の著作物に特有の支分権で、いったん適法に譲渡された複製物のその後の譲渡には及ばないとされる場合がある(消尽の議論)。38条1項は、非営利・無料・無報酬の3要件を満たす上演等を許容する。
問11貸与権
貸与権及び頒布権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物の貸与により公衆に提供する権利を専有する。
- イ.著作者は、その映画の著作物を、その複製物により頒布する権利を専有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 26条の3のとおり → 正しい
著作権法第26条の3「の貸与により公衆に提供する権利を専有する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 著作者は映画の著作物の頒布権を専有する → 『専有しない』は誤り
著作権法第26条「著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する」e-Gov原文
ひっかけ著作者は『複製物の貸与』により公衆に提供する権利(貸与権)を専有。映画の著作物には『頒布権』(26条の3・26条)。
解説著作者は、その著作物(映画の著作物を除く)をその複製物の貸与により公衆に提供する権利を専有する(26条の3、貸与権)。映画の著作物については、貸与を含む頒布権(26条1項)が及ぶ。貸与権は映画以外の著作物(書籍・CD等)のレンタルに及ぶ。映画は頒布権、映画以外は貸与権という対応を押さえる。
補足貸与権は、書籍・雑誌・CD等のレンタルを念頭に置いた支分権である。映画の著作物については、貸与も含めて頒布権(26条)で規律されるため、貸与権の対象から除かれている。
問12試験問題としての複製
試験問題としての複製に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公表された著作物であっても、入学試験その他人の学識技能に関する試験の問題として複製することはできない。
- イ.公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 試験問題として複製できる → 『複製することはできない』は誤り
著作権法第36条「公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製し」e-Gov原文
- イ.正しい
- 36条1項のとおり → 正しい
著作権法第36条「公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製し」e-Gov原文
ひっかけ公表著作物は、試験・検定の目的上必要な限度で『試験問題として複製』できる(36条)。
解説公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製し、又は公衆送信を行うことができる(36条1項、権利制限。ただし著作権者の利益を不当に害する場合を除く)。試験の性質上、事前に許諾を得ると問題が漏れるおそれがあるため認められる権利制限である。
補足営利を目的として試験・検定の問題として複製等を行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない(36条2項)。非営利の複製と営利の複製で扱いが異なる。
問13営利を目的としない上演等
営利を目的としない上演等及び口述権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合であっても、公に上演することはできない。
- イ.著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 営利目的でなく無料なら上演等できる → 『上演することはできない』は誤り
著作権法第38条「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 著作者は口述権を専有する → 『権利を有しない』は誤り
著作権法第24条「著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する」e-Gov原文
ひっかけ営利目的でなく無料・無報酬なら公表著作物を『上演等できる』。著作者は『口述権』を専有(38条・24条)。
解説公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演・演奏・上映・口述することができる(38条1項。ただし実演家等に報酬が支払われる場合を除く)。非営利・無料・無報酬の3要件を満たす場合の権利制限である。一方、著作者は言語の著作物を公に口述する権利を専有する(24条)。権利制限と支分権を押さえる。
補足38条1項の権利制限は、非営利・無料・無報酬の3要件をすべて満たす必要がある。学校の文化祭での無料の上演など、対価を伴わない利用を許容するものである。
問14学校その他の教育機関における複製
学校その他の教育機関における複製及び展示権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.営利を目的として設置されている教育機関においても、授業を担任する者は、授業の過程における利用に供するため、必要と認められる限度で公表された著作物を複製することができる。
- イ.著作者は、まだ発行されていない写真の著作物を、その原作品により公に展示する権利を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 営利目的の教育機関は除かれる → 『営利目的の機関でも複製できる』は誤り
著作権法第35条「学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く」e-Gov原文
- イ.誤り
- 著作者は未発行写真の展示権を専有する → 『権利を有しない』は誤り
著作権法第25条「その美術の著作物又はまだ発行されていない写真の著作物をこれらの原作品により公に展示する権利を専有する」e-Gov原文
ひっかけ教育機関の複製の権利制限は『営利目的の機関を除く』。著作者は未発行写真の『展示権』を専有(35条・25条)。
解説学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における利用に供することを目的とする場合に、必要と認められる限度で公表された著作物を複製等できる(35条1項、権利制限)。営利目的の教育機関(予備校等の一部)は除かれる点に注意する。一方、著作者は美術・未発行写真の著作物の原作品による展示権を専有する(25条)。
補足35条の権利制限の対象は『非営利の教育機関』に限られる。授業の過程での利用が前提であり、著作権者の利益を不当に害することとなる場合は適用されない。公衆送信を行う場合は補償金の支払が必要となる(35条2項)。
問15著作権の譲渡
著作権の譲渡及び時事の報道に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作権は、その全部を譲渡することができるが、一部を譲渡することはできない。
- イ.事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道も、言語の著作物に該当する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 著作権は全部又は一部を譲渡できる → 『一部を譲渡できない』は誤り
著作権法第61条「著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 事実伝達にすぎない報道は著作物でない → 『言語の著作物に該当する』は誤り
著作権法第10条「事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない」e-Gov原文
ひっかけ著作権は『全部又は一部』を譲渡できる。事実の伝達にすぎない雑報・時事報道は『著作物でない』(61条・10条)。
解説著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる(61条1項)。支分権ごとの一部譲渡も可能である。また、事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、言語の著作物に該当しない(10条2項)。著作権の譲渡の自由(全部・一部)と、著作物性の限界を押さえる。
補足著作権の譲渡では、翻案権(27条)・二次的著作物の利用に関する原著作者の権利(28条)が特掲されていないと譲渡人に留保されたものと推定される(61条2項)。著作者人格権は譲渡できない(59条、一身専属)点とあわせて整理する。