問1契約不適合責任(追完請求)
売買の目的物の契約不適合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないとき、買主は売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡しまたは不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
- イ.その不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は履行の追完を請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
不適合があれば常に追完を求められる、とは限りません。
売買の目的物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しないとき、買主は売主に対し、修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しという形で履行の追完を請求できる(民法562条1項)。これが契約不適合責任の基本的な救済である。ただし、その不適合が買主の責めに帰すべき事由によって生じたものであるときは、買主は追完を請求できない(同条2項)。自分の落ち度で生じた不適合まで売主に直させるのは公平でないからである。追完請求は『不適合があること』だけでなく『買主の帰責がないこと』も前提になる。
問2代金減額請求
売買の目的物が契約に適合しない場合の代金減額請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.目的物が契約に適合しない場合、買主は、履行の追完の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができるのが原則である。
- イ.不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものである場合でも、買主は代金の減額を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
「不適合があればすぐ減額できる」と考えると、アで誤ります。
契約不適合があっても、まずは追完(直す・取り替える)の機会を売主に与えるのが筋である。そこで代金減額請求は、原則として買主が相当の期間を定めて履行の追完を催告し、その期間内に追完がないときに初めてできる(民法563条1項)。追完が不能なときや売主が追完を明確に拒絶したときなどは、催告なしに直ちに減額できる(同条2項)。さらに、不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは、そもそも代金減額を請求できない(同条3項)。『追完の催告が原則前置』『買主帰責なら不可』をセットで押さえる。
問3契約不適合責任の期間制限
種類・品質に関する契約不適合の期間制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売主が種類または品質に関して契約に適合しない目的物を引き渡した場合、買主は、不適合を知った時から5年以内に通知しなければ、不適合を理由とする追完請求等ができなくなる。
- イ.売主が引渡しの時にその不適合を知り、または重大な過失によって知らなかったときは、この期間制限は適用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
期間を「5年」と覚えると、アで誤ります。
売買で種類または品質に関する契約不適合があった場合、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主へ通知しないと、買主は追完請求・代金減額・損害賠償・解除といった権利を行使できなくなる(民法566条本文)。長期間経つと不適合の有無の判断が難しくなるため、売主を早期に安定させる趣旨である。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知っていた、または重大な過失によって知らなかったときは、売主を保護する必要がないため、この期間制限は適用されない(同条ただし書)。なお数量や移転した権利の不適合には、この1年の通知制限は及ばない。
問4催告による解除
契約の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方が債務を履行しない場合、相手方が相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは、相手方は契約を解除することができる。
- イ.催告期間を経過した時の債務の不履行が、契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときも、相手方は契約を解除することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
「催告期間が過ぎれば必ず解除できる」と考えると、イで誤ります。
債務が履行されないとき、相手方はいきなり解除するのではなく、まず相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がなければ契約を解除できる(民法541条本文)。これが催告解除の原則である。ただし、催告期間を経過した時点での不履行が、契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、解除できない(同条ただし書)。解除は契約関係を一方的に消滅させる重い効果なので、ささいな不履行では認めない趣旨である。『催告して履行なし』でも『軽微なら解除不可』という歯止めがある点を押さえる。
問5催告によらない解除(無催告解除)
催告によらない契約の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務の全部の履行が不能であるときは、債権者は、履行の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
- イ.債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
催告が無意味な場面では、催告なしで解除できます。
解除は原則として相当期間を定めた催告を要するが(民法541条)、催告しても意味がない場面では催告なしに直ちに解除できる(同542条)。具体的には、債務の全部の履行が不能であるとき(1項1号)、債務者が全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき(同2号)などである。これらは履行を待っても実現が見込めないため、催告を省略して契約から離脱できる。催告解除(541条)と無催告解除(542条)の使い分け、すなわち『催告が意味を持つ場面か』が判断のポイントになる。
問6危険負担
危険負担に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、なお反対給付の履行を拒むことができない。
- イ.債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
誰の責めで履行不能になったかで、結論が逆になります。
双務契約で一方の債務が履行不能になったとき、もう一方の反対給付(多くは代金)をどう扱うかが危険負担の問題である。当事者双方の責めに帰することができない事由で履行不能になったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができる(民法536条1項)。受け取れないのに払わされるのは不当だからである。これに対し、債権者自身の責めに帰すべき事由で履行不能になったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができない(同条2項。ただし債務者は免れた利益を償還する)。『双方無責なら拒める/債権者の責めなら拒めない』と方向で覚える。
問7債務不履行による損害賠償
債務不履行による損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者は、債務の不履行が契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして自己の責めに帰することができない事由によるものであっても、損害賠償責任を免れることはできない。
- イ.債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき、または債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
「不履行があれば常に賠償責任を負う」と考えると、アで誤ります。
債務者が債務の本旨に従った履行をしないとき、または履行が不能であるときは、債権者はそれによって生じた損害の賠償を請求できる(民法415条1項本文)。これが債務不履行に基づく損害賠償の原則である。ただし、その不履行が契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、債務者は損害賠償責任を負わない(同項ただし書)。『不履行があれば必ず賠償』ではなく、債務者に帰責事由がないと判断される場合には免責される点を押さえる。
問8賃借権の譲渡・転貸の制限
賃借権の譲渡および転貸に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、または賃借物を転貸することができない。
- イ.賃借人が賃貸人の承諾を得ずに第三者に賃借物を使用または収益させた場合でも、賃貸人は契約を解除することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
「無断でも解除されない」と考えると、イで誤ります。
賃貸借は、誰に物を使わせるかという当事者間の信頼関係を基礎とする継続的契約である。そのため賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ賃借権を譲り渡したり賃借物を転貸したりすることができない(民法612条1項)。そして賃借人がこれに違反して無断で第三者に賃借物を使用・収益させたときは、賃貸人は契約を解除することができる(同条2項)。実務・判例上は、無断譲渡・転貸でも賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるときは解除が制限されるが、条文上の原則は『無断なら解除できる』である。
問9消費貸借と賃貸借の成立
契約の成立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.消費貸借は、当事者の一方が種類・品質・数量の同じ物をもって返還することを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
- イ.賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対して賃料を支払うこと等を約することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
契約の成立に『物の交付』が要るかは契約類型で異なります。
契約の成立要件は類型によって異なる。消費貸借は、当事者の一方が種類・品質・数量の同じ物をもって返還することを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって効力を生ずる(民法587条)。すなわち目的物の交付が必要な要物契約である(ただし書面でする消費貸借は合意のみで成立する諾成的消費貸借)。これに対し賃貸借は、使用収益させる約束と賃料支払等の約束という合意のみで効力を生ずる諾成契約である(同601条)。物の交付の要否で契約の成立時期が変わる点を押さえる。
問10虚偽表示
意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効である。
- イ.虚偽表示による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
無効でも『第三者には主張できない』場面があります。
相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)は、当事者間では無効である(民法94条1項)。もっとも、その外観を信頼して取引に入った善意の第三者を保護するため、虚偽表示の無効は善意の第三者に対抗することができない(同条2項)。たとえば、仮装の売買で名義を移した不動産を、事情を知らない第三者が買い受けた場合、真の所有者は第三者に無効を主張できない。外観への信頼を保護する典型例である。
問11錯誤
錯誤による意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意思表示は、法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要な錯誤に基づくものであるときは、取り消すことができる。
- イ.錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、相手方が悪意であった等の例外を除き、原則として取消しをすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
錯誤なら必ず取り消せる、わけではありません。
錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的および取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる(民法95条1項)。ささいな思い違いでは取り消せない。さらに、その錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、相手方が表意者の錯誤を知り又は重過失で知らなかったとき、相手方が同一の錯誤に陥っていたときを除き、原則として取消しができない(同条3項)。錯誤取消しは『重要性』と『重過失の不存在』が要件になる。
問12詐欺・強迫
詐欺又は強迫による意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.強迫による意思表示は、初めから無効である。
- イ.詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
「強迫=無効」と覚えると、アで誤ります。
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる(民法96条1項)。当然に無効となるわけではない。詐欺による取消しは、取引の安全のため、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない(同条3項)。一方、強迫の場合は被害者保護がより強く、第三者保護の制限規定がないため、善意の第三者にも取消しを対抗できる。詐欺と強迫で第三者保護の扱いが異なる点も押さえる。
問13表見代理
表見代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。
- イ.代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、本人が責任を負うことがある。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
表見代理は『本人にも落ち度がある外観』を保護します。
無権代理であっても、本人に帰責性のある外観があり、相手方がそれを正当に信頼した場合には、本人に責任を負わせて取引の安全を図る制度が表見代理である。代表的な類型として、第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した場合(民法109条1項)、代理人が権限外の行為をしたが第三者に権限があると信ずべき正当な理由がある場合(同110条)などがある。いずれも本人側の外観への関与と、相手方の正当な信頼が要件になる。
問14無権代理
無権代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権を有しない者が本人の代理人としてした契約は、本人が追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
- イ.無権代理行為は、本人が追認しなくても、当然に本人に対して効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
無権代理は『当然に有効』ではありません。
代理権を有しない者が本人の代理人として契約をしても、本人が追認をしなければ、その契約は本人に対して効力を生じない(民法113条1項)。本人は追認することも追認を拒絶することもでき、追認すれば原則として契約時にさかのぼって有効となる。なお、相手方には催告権や取消権が認められ、無権代理人自身は一定の場合に履行又は損害賠償の責任を負う(同117条)。無権代理は『当然有効』でも『当然無効』でもなく、本人の追認にかかる不確定な状態である。
問15売買と手付
売買契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.買主が売主に手付を交付した場合、相手方が契約の履行に着手した後であっても、買主はいつでも手付を放棄して契約を解除することができる。
- イ.売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方が代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
手付による解除は『いつでも』ではありません。
売買は、当事者の一方が財産権を移転することを約し、相手方が代金を支払うことを約することによって効力を生ずる諾成契約である(民法555条)。手付が交付された場合、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して契約を解除できる(解約手付。同557条1項本文)。ただし、相手方が履行に着手した後はこの手付解除はできない(同項ただし書)。手付解除には時的限界がある点を押さえる。
問16請負と注文者の帰責による不適合
請負契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
- イ.注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じた契約不適合についても、注文者は常に請負人に対して担保責任を追及することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
不適合が注文者側の原因なら、請負人を責められません。
請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方が仕事の結果に対して報酬を支払うことを約することによって効力を生ずる(民法632条)。仕事の目的物に契約不適合があれば、注文者は売買の規定を準用して追完請求・報酬減額・損害賠償・解除ができる。ただし、その不適合が注文者の供した材料の性質又は注文者の与えた指図によって生じたものであるときは、原則として注文者はこれらを請求できない(同636条本文。請負人が材料・指図の不適当を知りながら告げなかったときは例外)。不適合の原因が注文者側にある場合の責任制限を押さえる。
問17委任と受任者の注意義務
委任契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
- イ.受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
委任を受けたら『プロとしての注意』が求められます。
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる(民法643条。事実行為の委託は準委任)。受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負う(善管注意義務。同644条)。これは報酬の有無にかかわらず課される高度の注意義務である。会社と取締役の関係が委任に従う(会社法330条)ため、取締役も善管注意義務を負う、という形でビジネス法務に直結する。
問18委任の解除
委任の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任を解除した者は、相手方に不利な時期に委任を解除した場合であっても、やむを得ない事由の有無にかかわらず、相手方の損害を賠償する義務を一切負わない。
- イ.委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
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正解:3(アー誤、イー正)
いつでも解除できますが、タイミングによっては賠償が要ります。
委任は当事者間の信頼関係を基礎とするため、各当事者はいつでも委任を解除することができる(民法651条1項)。ただし、相手方に不利な時期に解除したとき、または委任者が受任者の利益(報酬を得ることのみによるものを除く)をも目的とする委任を解除したときは、やむを得ない事由があった場合を除き、相手方の損害を賠償しなければならない(同条2項)。『いつでも解除できる』が、不利な時期の解除には賠償が伴いうる点を押さえる。
問19同時履行の抗弁権
双務契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
- イ.同時履行の抗弁は、相手方の債務が弁済期にあるか否かを問わず、常に主張することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
「先に履行しろ」と言える権利ですが、限界もあります。
売買などの双務契約では、当事者は対価的な債務を負う。そこで、当事者の一方は、相手方がその債務の履行(履行に代わる損害賠償を含む)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる(同時履行の抗弁権。民法533条本文)。これは公平を図る抗弁である。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、自分の方が先に履行すべき場合なので、同時履行の抗弁を主張できない(同条ただし書)。
問20贈与
贈与契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.贈与は、当事者の一方が財産を無償で与える意思を表示するだけで、相手方の受諾がなくても、その効力を生ずる。
- イ.贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
贈与も『相手の受諾』があって初めて成立します。
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって効力を生ずる(民法549条)。無償契約だが、契約である以上、あげる側の一方的意思だけでなく、もらう側の受諾が必要な諾成契約である。なお、書面によらない贈与は、各当事者が解除できる(ただし履行の終わった部分は除く。同550条)。無償でも契約として成立要件がある点を押さえる。
問21契約解除の効果(原状回復)
契約の解除の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。
- イ.解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
解除しても損害賠償は別に請求できます。
解除権を行使すると、各当事者は相手方を原状に復させる義務(原状回復義務)を負う(民法545条1項本文。ただし第三者の権利を害せない)。金銭を返還するときは受領時から利息を付し(同条2項)、物を返還するときは受領時以後の果実も返還する(同条3項)。そして、解除権の行使は損害賠償の請求を妨げない(同条4項)。契約をなかったことにする原状回復と、不履行による損害の賠償は両立する点を押さえる。
問22弁済の提供と受領遅滞
弁済の提供等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者は、弁済の提供の時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れる。
- イ.債権者が受領を拒んだことによって履行の費用が増加した場合、その増加額は債務者の負担となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
きちんと弁済の準備をして提供すれば、債務者は責任を免れます。
債務者が弁済の提供をすると、その時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任(遅延損害金等)を免れる(民法492条)。また、債権者が受領を拒み又は受領できないこと(受領遅滞)によって履行の費用が増加したときは、その増加額は債権者の負担となる(同413条2項)。弁済の提供をしても債権者が受け取らない場合、債務者は供託(同494条)によって債務を免れることができる。
問23第三者のためにする契約
第三者のためにする契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約したときは、その第三者は、債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する。
- イ.第三者のためにする契約において、第三者の権利は、その第三者が債務者に対して契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
契約の当事者でない第三者が、直接権利を得る契約類型です。
第三者のためにする契約とは、契約により当事者の一方(諾約者)が第三者に対してある給付をすることを約する契約で、その第三者は債務者に対して直接にその給付を請求する権利を有する(民法537条1項)。第三者は契約時に存在・特定していなくてもよい(同条2項)。そして第三者の権利は、その第三者が債務者に対して契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する(同条3項)。生命保険や代金の第三者への支払合意などが例である。
問24代物弁済
代物弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代物弁済は、当事者が本来の給付に代えて他の給付をする旨を約しさえすれば、現実に他の給付をしなくても、その時点で債務が消滅する。
- イ.代物弁済による給付がされても、それは本来の弁済とは異なるため、弁済としての効力を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
代物弁済は『約束』だけでなく『現物を渡す』ことで効力が生じます。
代物弁済とは、弁済をすることができる者(弁済者)が、債権者との間で、本来の給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨を契約し、その弁済者が実際に当該他の給付をしたときに、その給付が弁済と同一の効力を有するものをいう(民法482条)。重要なのは、合意(諾成)だけでなく、現実に他の給付をすることで弁済の効力が生じる点である。
問25使用貸借
使用貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用貸借は、当事者の一方が相手方に物を有償で使用収益させることを内容とする契約である。
- イ.使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用収益をして、契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
使用貸借は『タダで貸す』契約です(賃貸借は有償)。
使用貸借は、当事者の一方(貸主)がある物を引き渡すことを約し、相手方(借主)がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約終了時に返還をすることを約することによって効力を生ずる(民法593条)。賃料の支払を伴う賃貸借(同601条)と異なり、無償である点が本質的な違いである。無償であるため、貸主の引渡義務や担保責任は賃貸借より軽減されている。
問26寄託と使用貸借
寄託・使用貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
- イ.使用貸借は、無償で物を使用収益させる契約である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
寄託は『預かる』契約、使用貸借は『タダで貸す』契約です。
寄託は、当事者の一方が物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる契約である(民法657条。倉庫寄託や預金(消費寄託)などが例)。使用貸借は、無償で物を使用収益させ、契約終了時に返還する契約である(同593条)。いずれも物の引渡しを伴うが、寄託は『保管』、使用貸借は『無償の利用』という目的の違いを押さえる。
問27賃貸借の存続期間
賃貸借の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃貸借の存続期間は、当事者が契約で定めれば、50年を超えることもできる。
- イ.賃貸借の存続期間は50年を超えることができず、契約でこれより長い期間を定めても、その期間は50年とされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
賃貸借は最長50年です(更新後も50年が上限)。
賃貸借の存続期間は、50年を超えることができず、契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は50年とされる(民法604条1項)。存続期間は更新することができるが、更新の時から50年を超えることはできない(同条2項)。なお、建物所有目的の土地賃貸借や建物賃貸借には借地借家法の特則があり、民法の50年の上限とは異なる規律が適用される。
問28転貸の効果
賃借物の転貸に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人・賃借人間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う。
- イ.賃借人が適法に賃借物を転貸した場合、賃貸人は、賃借人との賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
適法な転貸では、転借人にも一定の保護があります。
賃借人が賃貸人の承諾を得て適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人・賃借人間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務(賃料支払等)を直接履行する義務を負う(民法613条1項)。一方、賃貸人は、賃借人との賃貸借を合意により解除したことをもって転借人に対抗することができない(同条3項本文。ただし合意解除当時に賃借人の債務不履行による解除権を有していたときは別)。転借人の直接義務と保護をあわせて押さえる。
問29賃借人の原状回復義務
賃借人の原状回復義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借人は、賃借物を受け取った後に生じた損傷がある場合において、賃貸借が終了したときは、原則としてその損傷を原状に復する義務を負う。
- イ.通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗(通常損耗)や経年変化についても、賃借人は原状回復義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
通常の使用による傷みや経年劣化は、借主が負担しません。
賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う(民法621条本文)。ただし、通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗(通常損耗)並びに賃借物の経年変化は、原状回復義務の対象から除かれる。また、損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときも義務を負わない。敷金の精算をめぐる紛争で重要な論点である。
問30賃貸借の更新
賃貸借の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃貸借の存続期間は、更新することができない。
- イ.賃貸借の存続期間は更新することができるが、その期間は、更新の時から50年を超えることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
更新できますが、更新後も最長50年です。
賃貸借の存続期間は更新することができる(民法604条2項前段)。ただし、更新後の期間も、更新の時から50年を超えることはできない(同項後段)。すなわち、当初も更新後も『その時点から最長50年』という上限が適用される。なお、建物所有目的の土地賃貸借や建物賃貸借については借地借家法に存続期間・更新に関する特則があり、民法の50年上限とは異なる扱いとなる。
問31贈与
贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
- イ.贈与は、当事者の一方がある財産を有償で相手方に与える契約である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
贈与は『タダであげる』契約です。
贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって効力を生ずる(民法549条。諾成・無償・片務契約)。書面によらない贈与は、各当事者が解除できるが、履行の終わった部分については解除できない(同550条)。負担付贈与(同553条)や定期贈与・死因贈与等の特殊な贈与もある。売買等の有償契約と異なり無償である点が本質的特徴である。
問32手付
売買契約における手付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。
- イ.手付による解除は、相手方が契約の履行に着手した後であっても、することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
手付があれば、相手が動き出すまでは解除できます。
買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる(解約手付。民法557条1項本文)。ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、手付による解除はできない(同項ただし書)。手付解除は当事者の債務不履行を理由としないため、解除に伴う損害賠償(同545条4項)の規定は適用されない(同557条2項)。不動産売買等で重要な論点である。
問33消費貸借
消費貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.消費貸借は、当事者が合意するだけで成立し、目的物の交付がなくてもその効力を生ずる。
- イ.消費貸借は、借主が種類・品質・数量の同じ物を返還することを約して、相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
金銭の貸し借り(消費貸借)は、原則お金を受け取って成立します。
消費貸借は、当事者の一方が種類・品質・数量の同じ物をもって返還をすることを約して、相手方から金銭その他の物を受け取ることによって効力を生ずる(民法587条。原則として要物契約)。金銭の貸し借りが典型例である。ただし、書面でする消費貸借は、合意のみで成立する諾成的消費貸借として認められる(同587条の2)。使用貸借・賃貸借が借りた物自体を返すのに対し、消費貸借は同種・同等・同量の別の物を返す点が特徴である。
問34賃貸借の成立
賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと等を約することによって、その効力を生ずる。
- イ.賃貸借は有償契約である点で、無償の使用貸借と区別される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
賃貸借は賃料を払って物を借りる有償契約です。
賃貸借は、当事者の一方(賃貸人)がある物の使用及び収益を相手方(賃借人)にさせることを約し、相手方がこれに対して賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約終了時に返還することを約することによって効力を生ずる(民法601条。諾成・有償・双務契約)。無償の使用貸借(同593条)と異なり、賃料の支払を伴う点が本質的特徴である。建物所有目的の土地賃貸借や建物賃貸借には借地借家法の特則が適用される。
問35委任
委任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任は、当事者の一方が事実行為をすることを相手方に委託する契約であり、法律行為をすることの委託は含まれない。
- イ.委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
委任は『法律行為』の委託、事実行為の委託は準委任です。
委任は、当事者の一方(委任者)が法律行為をすることを相手方(受任者)に委託し、相手方がこれを承諾することによって効力を生ずる(民法643条。諾成契約)。受任者は善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務(善管注意義務。同644条)を負う。法律行為でない事務(事実行為)の委託は準委任として委任の規定が準用される(同656条)。委任は原則無償だが特約で有償となり、各当事者がいつでも解除できる(同651条)等の特徴がある。
問36組合契約
組合契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.組合契約において、出資は金銭に限られ、労務を出資の目的とすることはできない。
- イ.組合契約は、当事者の一方のみが出資をすれば成立する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
組合は『全員が出資』、出資は労務でもよいです。
組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって効力を生ずる(民法667条1項)。すなわち、当事者全員が出資し、共同事業を営む点が特徴である。出資は金銭に限らず、労務をその目的とすることができる(同条2項。労務出資)。組合財産は組合員の共有に属し(同668条)、組合の業務執行や組合員の責任等が定められている。共同事業の法形態として実務で用いられる。
問37絶対的商行為
絶対的商行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.利益を得て譲渡する意思をもってする動産・不動産・有価証券の有償取得(投機購買)等は、営業として行うか否かを問わず、商行為(絶対的商行為)とされる。
- イ.絶対的商行為は、商人が営業として行う場合に限り、商行為となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
投機目的の売買等は、一回だけでも『商行為』です。
絶対的商行為は、その行為の客観的性質から、営業として行うか否か(営業性)を問わず商行為とされる行為である(商法501条)。(1) 利益を得て譲渡する意思でする動産・不動産・有価証券の有償取得又はその譲渡(投機購買とその実行行為)、(2) 他人から取得する動産・有価証券の供給契約とその履行のための有償取得(投機売却とその実行行為)、(3) 取引所においてする取引、(4) 手形その他の商業証券に関する行為、が該当する。営業として行うときに商行為となる営業的商行為(同502条)と区別される。
問38営業的商行為
営業的商行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃貸する意思をもってする動産等の有償取得や、運送・保険・両替その他の銀行取引等は、一回限りの行為であっても当然に商行為となる。
- イ.賃貸借・運送・保険・銀行取引・寄託の引受け等の行為(営業的商行為)は、営業として行うときに商行為となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
運送・保険・銀行業等は、営業として行うと商行為になります。
営業的商行為は、営業として(反復継続して)行うときに商行為となる行為である(商法502条)。賃貸を目的とする有償取得・賃借、他人のための製造・加工、電気・ガスの供給、運送、作業・労務の請負、出版・印刷・撮影、場屋取引、両替その他の銀行取引、保険、寄託の引受け、仲立ち・取次ぎ、商行為の代理の引受け、信託の引受け等が該当する。ただし、専ら賃金を得る目的で物を製造し又は労務に従事する者の行為は除かれる。
問39附属的商行為
附属的商行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人がその営業のためにする行為は、商行為とされる。
- イ.商人の行為は、その営業のためにするものと推定される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
商人が営業のためにする行為は、補助的なものも商行為です。
商人がその営業のためにする行為は、商行為とされる(附属的商行為。商法503条1項)。営業資金の借入れ、営業用設備の購入等、営業に附属・補助する行為が該当する。そして、商人の行為は、その営業のためにするものと推定される(同条2項)ため、商人の行為は原則として商行為と扱われ、商行為に関する規定(迅速性・取引安全を重視する特則)が適用される。商行為には商事法定利率・商事消滅時効(廃止され民法に統一)等の特則がかつて適用されたが、現在は民法改正で多くが統一されている。
問40商行為の代理(非顕名主義)
商行為の代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでした行為であっても、その行為は、本人に対してその効力を生ずる。
- イ.商行為の代理においても民法の顕名主義が適用され、本人のためにすることを示さなければ、代理の効果は本人に帰属しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
商行為の代理は『誰のためか言わなくても』本人に効果が及びます。
商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合であっても、その行為は、本人に対してその効力を生ずる(商法504条本文。非顕名主義)。民法では代理の効果が本人に帰属するには顕名(本人のためにすることを示すこと)が必要(民法99条)だが、迅速性・反復性が求められる商取引では顕名を不要とした特則である。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知らなかったときは、相手方は代理人に対して履行の請求をすることもできる(同504条ただし書)。
問41契約の申込みを受けた者の諾否通知義務
商人の諾否通知義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたとき、諾否の通知をしなくても、その申込みを承諾したものとみなされることはない。
- イ.商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく諾否の通知を発しなければならず、これを怠れば承諾したものとみなされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
取引先からの申込みに返事をしないと、承諾したことになります。
商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく、その諾否の通知を発しなければならない(商法509条1項)。この通知を怠ったときは、その商人は申込みを承諾したものとみなされる(同条2項)。民法では申込みに対し沈黙していても承諾とはならないのが原則だが、継続的取引関係にある商人間では、迅速な取引の要請から沈黙に承諾の効果を認めた特則である。
問42商人の報酬請求権
商人の報酬請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる。
- イ.商人は、特約がなくても相当な報酬を請求できる点で、原則として無償である民法上の委任と異なる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
商人の仕事は、特約がなくても報酬を請求できます。
商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる(商法512条)。民法上の委任は原則として無償で、特約がなければ報酬を請求できない(民法648条1項)のに対し、営業として有償で役務を提供する商人については、報酬の特約がなくても相当な報酬を請求できるとした特則である。商人の営業の有償性を前提とする規定である。
問43商人間の金銭消費貸借と利息
商人間の金銭消費貸借における利息請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人間において金銭の消費貸借をしたときであっても、貸主は、利息の特約がなければ利息を請求することができない。
- イ.商人間において金銭の消費貸借をしたときは、貸主は、特約がなくても法定利息を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
商人どうしの金の貸し借りは、特約がなくても利息が付きます。
商人間において金銭の消費貸借をしたときは、貸主は、法定利息を請求することができる(商法513条1項)。民法では消費貸借は特約がなければ無利息が原則(民法589条)だが、営利を目的とする商人間では当然に法定利息を請求できるとした特則である。また、商人がその営業の範囲内で他人のために金銭の立替えをしたときも、立替日以後の法定利息を請求できる(商法513条2項)。商行為の有償性を前提とする規定である。
問44商人間の留置権
商人間の留置権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、一定の物又は有価証券を留置することができる。
- イ.商人間の留置権は、当事者が別段の意思表示をしても、これを排除することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
商人間では、債権と関係のない占有物も担保として留置できます。
商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者所有の物又は有価証券を留置することができる(商人間の留置権・商事留置権。商法521条本文)。民事留置権(民法295条)と異なり、被担保債権と留置物との個別的な牽連関係を要しない点が特徴である。ただし、当事者の別段の意思表示があるときは生じない(任意規定。同521条ただし書)。
問45附属的商行為と商行為の代理(総合)
商行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人の行為は、その営業のためにするものと推定されることはなく、営業のための行為であることは常に主張する側が立証しなければならない。
- イ.商行為の代理人が本人のためにすることを示さなかった場合、その行為の効力は本人に帰属しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
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正解:4(アー誤、イー誤)
「営業のためと推定されない」「顕名がないと本人に帰属しない」はどちらも誤りです。
商法は商取引の特性に応じた民法の特則を多く置く。商人の行為は営業のためにするものと推定され(商法503条2項。附属的商行為の推定)、商行為の代理は本人のためにすることを示さなくても本人に効力を生ずる(同504条本文。非顕名主義)。いずれも商取引の迅速性・取引安全を重視した規定で、民法の原則(顕名主義等)の例外として押さえる。
問46商人間の留置権(総合)
商人間の留置権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人間の留置権は、被担保債権と留置する物との間に個別的な牽連関係があることを要する。
- イ.商人間の留置権は、被担保債権が弁済期にあるか否かにかかわらず行使することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
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正解:4(アー誤、イー誤)
商事留置権は牽連性不要ですが、弁済期到来は必要です。
商人間の留置権(商法521条)は、(1) 当事者双方が商人であること、(2) 双方のために商行為となる行為によって生じた債権であること、(3) その債権が弁済期にあること、(4) 商行為によって自己の占有に属した債務者所有の物・有価証券であること、を要件とする。民事留置権(民法295条)と異なり、被担保債権と留置物との個別的牽連関係を要しない点が特徴だが、被担保債権が弁済期にあることは必要である。要件を正確に区別して押さえる。
問47商人の定義
商法上の商人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商法上の「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう。
- イ.店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者は、商行為を業としない限り、商人とみなされることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
店を構えて物を売る人は、商行為をしていなくても商人です。
商法上の商人には2種類ある。固有の商人は、自己の名をもって商行為をすることを業とする者である(商法4条1項)。擬制商人は、店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者又は鉱業を営む者で、商行為を行うことを業としない者であっても商人とみなされる(同条2項)。商人に該当すると、商号・商業帳簿・商業登記・支配人等に関する商法の規定が適用される。
問48商号の選定
商号の選定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人(会社等を除く)は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる。
- イ.商人は、その商号の登記をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
個人商人は、原則として自由に商号を決められます。
商人(会社及び外国会社を除く)は、その氏、氏名その他の名称をもってその商号とすることができる(商号選定の自由。商法11条1項)。営業の実態と異なる名称も原則として選べる(ただし不正競争防止法・会社法の規制等の例外あり)。個人商人の商号の登記は任意である(同条2項)が、会社は商号が必要的登記事項である。なお、不正の目的をもって他の商人と誤認されるおそれのある名称・商号の使用は禁止される(同12条)。
問49名板貸人の責任
名板貸しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.自己の商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した商人は、その商人が営業を行うものと誤認して取引をした者に対し、その他人と連帯して、その取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。
- イ.名板貸しをした商人は、許諾を受けた他人がした取引について、一切責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
名前を貸すと、その名義での取引の責任を負わされることがあります。
自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人(名板貸人)は、当該商人が営業を行うものと誤認して当該他人(名板借人)と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、その取引によって生じた債務を弁済する責任を負う(名板貸人の責任。商法14条)。営業主体を誤認させる外観を作出した者に、その外観を信頼した取引相手に対する責任を負わせる、外観法理(禁反言)に基づく規定である。会社法9条にも同様の規定がある。
問50支配人の代理権
支配人の代理権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.支配人は、商人に代わってその営業に関する裁判外の行為のみをする権限を有し、裁判上の行為をする権限はない。
- イ.支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
支配人は、その営業について何でもできる包括的な代理権を持ちます。
支配人は、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する(商法21条1項。包括的代理権)。また、他の使用人を選任・解任することもできる(同条2項)。支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない(同条3項)。営業の包括的な代理を任された商業使用人であり、その権限の範囲を内部的に制限しても善意の第三者には主張できない点に注意する(会社法11条も同旨)。
問51支配人の競業の禁止
支配人の競業の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.支配人は、商人の許可を受けなければ、自ら営業を行うことや、自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること等をしてはならない。
- イ.支配人が競業避止義務に違反して取引をしたときは、その取引によって支配人又は第三者が得た利益の額が、商人に生じた損害の額と推定される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
支配人は、許可なく副業や競業をしてはいけません。
支配人は、商人の許可を受けなければ、(1) 自ら営業を行うこと、(2) 自己又は第三者のためにその商人の営業の部類に属する取引をすること(競業取引)、(3) 他の商人・会社等の使用人となること、(4) 会社の取締役・執行役・業務執行社員となること、をしてはならない(競業避止義務・精力分散防止義務。商法23条1項)。違反して競業取引をしたときは、その取引によって支配人又は第三者が得た利益の額が、商人に生じた損害の額と推定される(同条2項)。取締役の競業避止義務(会社法356条)と類似する規律である。
問52代理商の通知義務
代理商に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理商は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、商人に対して、その旨の通知を発しなければならない。
- イ.代理商とは、商人のためにその営業の部類に属する取引の代理等をする、その商人の使用人をいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
代理商は社員(使用人)ではなく、独立した事業者です。
代理商とは、商人のためにその平常の営業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その商人の使用人でないものをいう(商法27条かっこ書)。すなわち、特定の商人のために継続的に取引の代理・媒介をするが、その商人に雇用された使用人ではなく、独立した商人である点が特徴である。代理商は、取引の代理・媒介をしたときは遅滞なく商人に通知する義務(同27条)、競業避止義務(同28条)等を負い、報酬請求権や留置権を有する。
問53表見支配人
表見支配人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.会社の本店・支店の事業の主任者であることを示す名称を付した使用人であっても、実際に支配人として選任されていなければ、その者がした裁判外の行為について会社が責任を負うことはない。
- イ.支店長等の名称を付した使用人は、実際の代理権の有無にかかわらず、その事業に関し一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなされる(相手方が悪意の場合を除く)。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
『支店長』の肩書を信じた相手は、保護されます。
会社の本店又は支店の事業の主任者であることを示す名称(支店長・営業所長等)を付した使用人は、たとえ実際には支配人としての代理権がなくても、当該本店・支店の事業に関し、一切の裁判外の行為をする権限を有するものとみなされる(表見支配人。会社法13条本文)。ただし、相手方が悪意(権限がないことを知っていた)であったときは、この限りでない(同条ただし書)。名称を信頼した善意の相手方を保護する外観法理に基づく規定で、商法24条にも同様の規定がある。
問54支配人の選任(商人・会社)
支配人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商人は、支配人を選任し、その営業所において、その営業を行わせることができる。
- イ.会社も、支配人を選任し、その本店又は支店において、その事業を行わせることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
個人商人も会社も、支配人を選任できます。
支配人は、商人(商法20条)も会社(会社法10条)も選任でき、その営業所・本店・支店において営業・事業を行わせることができる。支配人は包括的代理権を有する商業使用人で、その選任・代理権・競業避止義務等が商法・会社法に定められている。個人商人は商法、会社は会社法に同趣旨の規定が置かれている点を押さえる。
問55支配人の代理権の制限
支配人の権限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.支配人の代理権に加えた内部的な制限は、善意の第三者に対しても対抗することができる。
- イ.支配人は、他の使用人を選任することはできるが、解任することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
支配人の権限を社内で制限しても、善意の取引相手には主張できません。
支配人の代理権は包括的で、これに加えた内部的な制限(一定額以上の取引には承認を要する等)は、善意の第三者に対抗することができない(商法21条3項)。取引の安全を図る趣旨で、代表取締役の代表権の制限(会社法349条5項)と同様である。また、支配人は他の使用人を選任し、又は解任することができる(商法21条2項)。支配人の包括的権限の内容を正確に押さえる。
問56支配人の競業避止義務(総合)
支配人の競業避止義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.支配人は、商人の許可がなくても、自己のためにその商人の営業の部類に属する取引をすることができる。
- イ.支配人が競業避止義務に違反して取引をしても、商人に生じた損害の額が推定されることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
「許可なく競業できる」「損害額は推定されない」はどちらも誤りです。
支配人は商人の許可を受けなければ競業取引等をしてはならず(競業避止義務。商法23条1項)、違反して競業取引をしたときは、その取引によって支配人又は第三者が得た利益の額が、商人に生じた損害の額と推定される(同条2項)。損害額の立証は困難なため、違反者の得た利益を損害額と推定して、商人の立証負担を軽減する規定である。取締役の競業避止義務違反(会社法423条2項)にも同様の推定がある。
問57売買
売買に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
- イ.売買は、財産権の移転を約するだけで成立し、代金を支払うことの合意は売買の要素ではない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
売買は『財産権の移転』と『代金支払』の合意で成立します。
売買は、当事者の一方(売主)がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方(買主)がこれに対してその代金を支払うことを約することによって効力を生ずる(民法555条。諾成・有償・双務契約)。代金(金銭)の支払を約する点が要素であり、無償なら贈与(同549条)、金銭以外の財産権との交換なら交換(同586条)となる。売主は財産権移転義務・契約不適合責任(同562条等)を負い、有償契約には売買の規定が準用される(同559条)。
問58請負
請負に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.請負は、当事者の一方がある仕事に従事することを約する契約であり、仕事の完成は契約の要素ではない。
- イ.請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
請負は『仕事を完成させる』ことが目的の契約です。
請負は、当事者の一方(請負人)がある仕事を完成することを約し、相手方(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約することによって効力を生ずる(民法632条)。仕事の完成という結果が目的(結果債務)である点で、事務処理自体を目的とする委任(手段債務的)と区別される。報酬は仕事の目的物の引渡しと同時に支払う(同633条)のが原則で、請負人は契約不適合責任を負う(同636条等)。建築・製作・運送等が典型例である。
問59受任者の注意義務
委任における受任者の注意義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
- イ.委任が無償である場合、受任者は自己の財産に対するのと同一の注意をもって処理すれば足り、善管注意義務までは負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
受任者は、タダで引き受けても『善管注意義務』を負います。
受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意(善管注意義務)をもって、委任事務を処理する義務を負う(民法644条)。重要なのは、委任が無償であっても、受任者は善管注意義務を負う点である(無償寄託の受寄者が自己の財産と同一の注意で足りる(同659条)のと対照的)。受任者はそのほか、報告義務(同645条)、受取物引渡義務(同646条)等を負う。専門家(弁護士・医師等)の委任では高度の注意義務が求められる。
問60委任の解除
委任の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任契約は、やむを得ない事由がある場合に限り、解除することができる。
- イ.委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
委任は信頼関係が基礎なので、いつでも解除できます。
委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる(任意解除権。民法651条1項)。委任が当事者間の信頼関係を基礎とするためである。ただし、(1) 相手方に不利な時期に解除したとき、(2) 委任者が受任者の利益(報酬を得ることによるものを除く)をも目的とする委任を解除したときは、やむを得ない事由があった場合を除き、相手方の損害を賠償しなければならない(同条2項)。任意解除権が原則だが、損害賠償義務を伴う場合がある点を押さえる。
問61委任の解除(総合)
委任の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任を解除した者は、相手方に不利な時期に解除したときであっても、相手方の損害を賠償する必要はない。
- イ.委任は、当事者の一方が解除を申し出ても、相手方の同意がなければ解除することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
「不利な時期でも賠償不要」「相手の同意が必要」はどちらも誤りです。
委任は各当事者がいつでも(相手方の同意なく)解除できる(任意解除権。民法651条1項)が、(1) 相手方に不利な時期に解除したとき、(2) 委任者が受任者の利益をも目的とする委任を解除したときは、やむを得ない事由がない限り、相手方の損害を賠償しなければならない(同条2項)。任意解除を認めつつ、相手方の不測の損害には賠償で配慮する仕組みである。
問62債務不履行による損害賠償の要件
債務不履行による損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであっても、債権者は損害賠償を請求することができる。
- イ.債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
原則だけ覚えてただし書を忘れると失点する
損害賠償請求の出発点は債務の本旨に従った履行がないこと、または履行不能であること。ただし契約や取引上の社会通念に照らして債務者に帰責できない事由による不履行なら、債務者は責任を免れる。原則の成立要件と免責のただし書は必ずセットで理解する。
問63履行に代わる損害賠償(填補賠償)
履行に代わる損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務の履行が不能であるときは、債権者は、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
- イ.債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、債権者は、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
填補賠償が認められる場面は限定列挙
履行に代わる損害賠償(填補賠償)は、損害賠償請求ができる場合のうち、履行不能のとき、債務者が履行拒絶の意思を明確に表示したとき、契約が解除されまたは解除権が発生したときに認められる。単なる履行遅滞とは区別して、これらの限定的な場面で填補賠償が請求できる点を押さえる。
問64同時履行の抗弁
同時履行の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相手方の債務が弁済期にないときであっても、当事者の一方は自己の債務の履行を拒むことができる。
- イ.双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
先履行義務がある場合は抗弁を主張できない
同時履行の抗弁は、双務契約の当事者が相手方の履行提供まで自己の履行を拒める権利。ただし相手方の債務がまだ弁済期にないとき、つまり自分が先に履行すべき立場のときは主張できない。原則と弁済期に関する例外をセットで理解する。
問65同時履行の抗弁の対象
同時履行の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同時履行の抗弁は、片務契約の当事者の一方が相手方の履行提供まで自己の債務の履行を拒むことを認める制度である。
- イ.同時履行の抗弁における相手方の債務の履行には、債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行も含まれる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
双務契約か片務契約かで適用の有無が変わる
同時履行の抗弁は双務契約、つまり当事者双方が対価的な債務を負う契約で機能する。相手方が提供すべき債務の履行には、本来の給付だけでなく履行に代わる損害賠償の債務の履行も含まれる。主体が双務契約であること、対象が填補賠償も含むことを押さえる。
問66危険負担(債務者主義)
危険負担に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。
- イ.当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
効果を逆に覚えると失点する
危険負担では、当事者双方に帰責できない事由で一方の債務が履行不能になったとき、債権者は反対給付の履行を拒むことができる。たとえば売買目的物が双方無責で滅失したら、買主は代金支払を拒める。効果を逆に覚えやすいので、債権者が反対給付を拒める点を正確に押さえる。
問67危険負担(債権者の帰責事由)
危険負担に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権者の責めに帰すべき事由による履行不能の場合、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときでも、これを債権者に償還する必要はない。
- イ.債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
償還義務の見落としに注意
債権者の帰責事由で債務が履行不能になったときは、債権者は反対給付の履行を拒めない。たとえば買主の責めで目的物が滅失しても、買主は代金を支払う必要がある。ただし債務者が履行を免れたことで利益を得たら、その利益を債権者に償還しなければならない。反対給付の処理と償還義務を一体で理解する。
問68催告による解除
催告による契約の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方がその債務を履行しない場合、相手方は、催告をすることなく直ちに契約の解除をすることができる。
- イ.履行の催告をした場合でも、その期間を経過した時における債務の不履行が契約および取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、契約の解除をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
催告解除は催告が前提
催告による解除では、まず相手方が相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないことが必要。催告なしに直ちに解除はできない。さらに期間経過時の不履行が契約や取引上の社会通念に照らして軽微なときは解除できない。催告の要件と軽微性の例外を押さえる。
問69催告によらない解除(全部)
催告によらない契約の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、債権者は、相当の期間を定めて催告をした後でなければ契約の解除をすることができない。
- イ.債務の全部の履行が不能であるときは、債権者は、催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
無催告解除事由は限定列挙
催告によらない解除では、債務の全部の履行が不能なとき、または債務者が全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときなどに、催告なしで直ちに解除できる。これらは催告しても無意味な場面なので、催告を不要とした。無催告解除が認められる限定的な事由を押さえる。
問70催告によらない解除(一部・定期行為)
催告によらない契約の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務の一部の履行が不能である場合は、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないときに限らず、債権者は常に無催告で契約全部の解除をすることができる。
- イ.特定の日時に履行をしなければ契約の目的を達することができない場合に、債務者が履行をしないでその時期を経過したときは、債権者は催告をすることなく直ちに解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
一部不能は無条件ではない
一部の履行不能の場合は、残存部分のみでは契約の目的を達することができないときに限り無催告で全部解除できる。常に解除できるわけではない。一方、特定の日時や一定期間内に履行しなければ目的を達せない定期行為で、その時期を徒過したときは無催告で解除できる。要件の限定に注意する。
問71解除制度の横断整理
契約の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者が債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合は、残存する部分のみで契約目的を達せられるかにかかわらず、債権者は催告によらず直ちに全部の解除をすることができる。
- イ.催告による解除の場合、催告において相手方が定めるべきは相当の期間であり、その期間内に履行がないことが解除の前提となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
一部不能・一部拒絶は目的達成不能が要件
催告による解除は、相当の期間を定めた催告と、その期間内に履行がないことが前提になる。無催告解除のうち一部の履行拒絶の類型では、残存部分のみでは契約の目的を達せられないことが要件で、これを満たさなければ全部解除はできない。一部不能・一部拒絶では目的達成不能の要件が共通する点を押さえる。
問72代理行為の要件及び効果
代理人がした意思表示の効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、まず代理人に効力が生じ、その後本人へ移転する。
- イ.代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 条文は『直接に』効力を生ずるとし、移転構成を採らない。(根拠:民法第99条第1項)
効果帰属の経路に注意
代理の核心は効果の本人への直接帰属である。代理人に効果がいったん生じる構成ではない。要件は権限内であることと顕名である。両者がそろえば本人に直接効力が生ずる。
問73本人のためにすることを示さない意思表示
顕名のない意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときであっても、その意思表示は常に代理人自身のためにしたものとみなされる。
- イ.代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、原則として自己のためにしたものとみなされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- ただし書により相手方が知り又は知り得たときは本人効果となる。(根拠:民法第100条)
- イ.正しい
- 顕名がなければ相手方は本人効果を予期できないため。(根拠:民法第100条)
ただし書の例外に注意
顕名を欠く意思表示は原則として代理人自身のためにしたものとみなされる。しかし例外がある。相手方が代理人の本人のための意思を知り又は知り得たときは本人効果となる。原則だけでなくただし書まで押さえる必要がある。
問74代理権授与の表示による表見代理
代理権授与の表示による表見代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権授与の表示があった場合、第三者がその他人が代理権を与えられていないことを過失によって知らなかったときであっても、表示をした者は責任を負う。
- イ.第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
ただし書の主観要件に注意
代理権授与の表示をした者は表示の範囲内の行為に責任を負う。ただし保護されるのは善意無過失の第三者に限られる。第三者が代理権不存在を知り又は過失で知らなかったときは表示者は責任を負わない。本文とただし書の両方を押さえる。
問75権限外の行為の表見代理
権限外の行為の表見代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、表見代理の規定が準用される。
- イ.代理人がその権限外の行為をした場合には、第三者が権限があると信ずべき正当な理由を有していなくても、本人は当然に責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 基本代理権ある者の越権を信頼した第三者を保護する。(根拠:民法第110条)
- イ.誤り
- 正当な理由が準用の要件であり、それを欠けば保護されない。(根拠:民法第110条)
正当理由の要否に注意
権限外の行為の表見代理は第三者に正当な理由があるときに限り準用される。正当な理由を欠けば本人は責任を負わない。当然に責任が生じるわけではない。正当理由という主観的要件が成立の鍵である。
問76代理権消滅後の表見代理
代理権消滅後の表見代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。
- イ.代理権消滅後の行為について、第三者が過失によって代理権消滅の事実を知らなかったときであっても、本人は責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
ただし書の過失要件に注意
代理権消滅後の表見代理は消滅前の代理権の範囲内の行為が対象である。本人は消滅の事実を知らなかった第三者に責任を負う。ただし第三者が過失によって知らなかったときは責任を負わない。善意だけでなく無過失まで要する。
問77代理行為の要件と顕名
代理行為の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、相手方の認識を問わず一切本人に効力を生じない。
- イ.代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- ただし書により例外的に本人効果が認められる。(根拠:民法第100条)
顕名を欠く場合の例外に注意
顕名があり権限内であれば効果は本人に直接帰属する。顕名を欠く場合は原則として代理人効果となる。しかし相手方が本人のための意思を知り又は知り得たときは前条第一項が準用され本人効果となる。一切生じないわけではない。
問78表見代理規定の準用関係
表見代理規定の準用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.権限外の行為の表見代理は、代理権授与の表示による表見代理の本文の規定を準用する形で定められている。
- イ.代理権授与の表示による表見代理の責任は、第三者が代理権不存在を過失によって知らなかった場合にも常に発生する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 授権表示型の責任構造を越権型にも及ぼす立法形式である。(根拠:民法第110条)
準用と主観要件を混同しない
権限外行為の表見代理は授権表示型の本文規定を準用する立法形式である。もっとも準用されても第三者の主観要件は外せない。第三者が過失によって権限不存在を知らなかったときは責任は発生しない。準用と免責は別の論点である。
問79表見代理の主観要件
表見代理の主観要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権授与の表示による表見代理では、第三者が代理権を与えられていないことを知っていたときであっても、表示をした者は責任を負う。
- イ.代理権消滅後の表見代理では、第三者が過失によって代理権消滅の事実を知らなかったときは、本人は責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
善意と無過失を切り分ける
表見代理で保護される第三者は善意かつ無過失でなければならない。第三者が代理権不存在を知っていれば授権表示者は責任を負わない。代理権消滅後も第三者が過失で消滅を知らなければ本人は責任を負わない。善意と無過失の両方が要件である。
問80代理の効果帰属と顕名の例外
代理の効果帰属に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、相手方が善意無過失であっても、常に本人に対して直接効力を生ずる。
- イ.代理人がその権限外の行為をした場合に、第三者に正当な理由があるときは、第三者との間でした行為について本人が責任を負いうる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 本人効果は相手方が悪意・有過失のとき例外的に生ずるにすぎない。(根拠:民法第100条)
- イ.正しい
- 基本代理権者の越権を信頼した第三者を保護する。(根拠:民法第110条)
原則と例外を逆転させない
顕名を欠く意思表示は原則として代理人自身のためにしたものとみなされる。常に本人効果になるわけではない。一方で権限外行為でも第三者に正当な理由があれば本人が責任を負いうる。場面ごとに原則と例外を取り違えないことが重要である。
問81無権代理と本人の追認の効力
代理権を有しない者がした契約と本人の追認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人が追認をしなくても、当然に本人に対してその効力を生ずる。
- イ.無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
当然有効と書かれていたら疑う
無権代理行為は本人を当然には拘束しない。本人の追認があってはじめて効力が生じる。追認は別段の意思表示がなければ契約の時にさかのぼる。遡及効の原則を押さえる。
問82追認の遡及効と第三者の権利
無権代理行為の追認の遡及効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.追認の遡及効によって第三者の権利を害することはできない。
- イ.追認は、別段の意思表示がない場合でも、追認をした時から将来に向かってのみ効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
将来効のみと書かれたら疑う
追認は契約の時にさかのぼるのが原則である。もっとも第三者の権利を害することはできない。遡及効と第三者保護のバランスを押さえる。原則と例外を切り分けて理解する。
問83追認の相手方への対抗
無権代理行為の追認またはその拒絶の対抗に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.追認またはその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。
- イ.相手方が追認の事実を知ったときであっても、本人は相手方に対して追認を対抗することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
事実を知っても対抗不可と書かれたら疑う
追認や拒絶は相手方に対してしなければ対抗できないのが原則である。ただし相手方がその事実を知ったときは対抗できる。原則とただし書を一体で覚える。例外を見落とさない。
問84無権代理人の責任の内容
無権代理人の責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したとき、又は本人の追認を得たときを除き、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
- イ.無権代理人の責任は、本人の追認を得たときであっても免れることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
追認を得ても責任ありと書かれたら疑う
無権代理人は相手方の選択に従い履行または損害賠償の責任を負う。ただし代理権を証明したときや本人の追認を得たときは除かれる。選択権が相手方にある点を押さえる。除外事由を正確に覚える。
問85無権代理人の責任の選択権
無権代理人の責任における選択に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.無権代理人が履行または損害賠償のいずれの責任を負うかは、無権代理人自身の選択に従う。
- イ.他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明したときは、相手方に対して履行または損害賠償の責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
無権代理人が選ぶと書かれたら疑う
履行か損害賠償かの選択権は相手方にある。無権代理人の側にはない。また自己の代理権を証明できれば責任を負わない。選択権の主体と除外事由を区別して押さえる。
問86無権代理人の責任が生じない場合
無権代理人の責任が適用されない場合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、無権代理人の責任の規定は適用しない。
- イ.他人の代理人として契約をした者が行為能力の制限を受けていたときであっても、無権代理人の責任の規定が適用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
制限行為能力でも適用ありと書かれたら疑う
無権代理人の責任規定には適用除外がある。相手方が代理権のないことを知っていたとき、または無権代理人が行為能力の制限を受けていたときは適用されない。除外事由を正確に区別する。条文の各号を押さえる。
問87無権代理と無権代理人の責任の総合
無権代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
- イ.他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたときであっても、無権代理人は相手方に対して履行または損害賠償の責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
悪意でも責任ありと書かれたら疑う
無権代理行為は本人の追認がなければ本人に効力を生じない。また無権代理人の責任には適用除外があり、相手方が代理権のないことを知っていたときは責任を負わない。効力の問題と責任の問題を区別する。除外事由を押さえる。
問88追認の遡及効と本人の効力の総合
無権代理行為とその追認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.無権代理行為の追認は、別段の意思表示があっても、常に契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。
- イ.代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約について、本人が追認をすると、本人に対してその効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
常に遡及と書かれたら疑う
追認は別段の意思表示がないときに契約の時にさかのぼる。別段の意思表示があれば遡及しない。また本人が追認すれば無権代理行為も本人に効力を生ずる。原則と例外を切り分けて理解する。