問1意思表示(心裡留保)e-Gov等の一次資料で確認済み
心裡留保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.表意者が真意ではないことを知ってした意思表示は、原則としてその効力を妨げられない。
- イ.相手方の悪意を理由とする意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 心裡留保は、表意者だけが内心では真意でないと分かっている意思表示。相手方から見ると通常の意思表示と区別できないため、原則として表示どおり有効に扱い、表意者が後から「本気ではなかった」と言って効力を否定することを認めない。
民法第93条「意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 相手方が悪意又は有過失なら当事者間では無効になり得るが、その外形を信頼して後から取引関係に入った善意の第三者まで害するのは取引安全に反する。そこで93条2項は、ただし書による無効を善意の第三者には主張できないとする。
民法第93条「前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない」一次資料を確認
ひっかけ心裡留保の無効は「相手方との関係」では生じても「善意の第三者」には対抗できない。
解説心裡留保による意思表示は原則有効だが、相手方が表意者の真意でないことを知り又は知り得た場合は無効となる(93条1項)。もっとも、この無効は善意の第三者には対抗できない(93条2項)。取引の安全を図るため、無効の効果を第三者との関係で制限する構造になっている。
補足この93条2項の構造は、94条2項(虚偽表示の善意の第三者保護)と同様のパターンである。
問2意思表示(虚偽表示)e-Gov等の一次資料で確認済み
通謀虚偽表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効である。
- イ.通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対しても対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 本人と相手方が通じて外形だけの意思表示をした場合、当事者間では保護すべき信頼がないため無効となる。94条1項の基本効果。
民法第94条第1項「相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 94条2項は、虚偽表示を信じて取引に入った善意の第三者を保護する規定。当事者間の無効を、善意第三者にまで押し付けることはできない。
民法第94条第2項「前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」一次資料を確認
ひっかけ無効だから誰にでも主張できる、としたイが落とし穴。
解説アは民法94条1項そのもので、相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効だから正しい。仮装売買のように当事者双方に本心がないからである。イはその無効を善意の第三者にも対抗できるとするが、94条2項は逆に「善意の第三者に対抗することができない」と定めるので誤り。外観を信じて取引に入った第三者を守る趣旨である。当事者間では無効でも、善意の第三者との関係では有効として扱われる。よってアー正、イー誤。
補足94条2項の第三者は「善意」でありさえすればよく、無過失までは要求されない。詐欺取消しが善意かつ無過失の第三者しか縛らないのと対照的(96条3項)。
問3意思表示(錯誤)e-Gov等の一次資料で確認済み
錯誤による意思表示に関する次のアからエまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
- イ.錯誤による意思表示は、現行民法のもとでも当然に無効である。
- ウ.錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合、いかなる場合でも取り消すことができる。
- エ.錯誤が重要なものでなくても、表意者はいつでも取り消すことができる。
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正解:ア
- ア.正しい
- 重要な錯誤 → 取消し可
民法第95条第1項「意思表示は、…錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。」一次資料を確認
- ウ.誤り
- 重過失は原則取消し不可
民法第95条第3項「錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、…取消しをすることができない。」一次資料を確認
- エ.誤り
- 重要性が要件
民法第95条第1項「…重要なものであるときは、取り消すことができる。」一次資料を確認
ひっかけ「無効」と書いたイは改正前の知識。今は取消し。
解説錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的と取引通念に照らして重要なものであるとき取り消せる(民法95条1項)。アはこの要件どおりで正しい。イの「当然に無効」は2020年施行の改正前の理解で、現行法は無効から取消しに変わっているため誤り。ウは、表意者に重大な過失があるときは原則として取り消せない(同条3項)ことを無視して「いかなる場合でも取消し可」とするので誤り。エは「重要なもの」という要件を外しており、重要でない錯誤では取り消せないから誤り。正しいのはア。
補足重要性の判断は、その錯誤がなければ意思表示をしなかったといえるか、かつ一般人を基準にしてもそういえるか、という二段で見る。単なる思い違いでは足りない。
問4意思表示(詐欺・強迫)e-Gov等の一次資料で確認済み
詐欺又は強迫による意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.詐欺による意思表示の取消しは、第三者の善意・悪意にかかわらず、常にその第三者に対抗することができる。
- イ.強迫による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対しても対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 96条3項が第三者保護を定める
民法第96条「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 96条3項が詐欺のみを対象とし強迫を除外する
民法第96条「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる」一次資料を確認
ひっかけ第三者保護規定(96条3項)は詐欺のみに適用され、強迫には適用されない。
解説民法96条は詐欺と強迫を1項でまとめて取消し可能とするが、第三者保護規定(3項)は詐欺の場合にのみ適用され、強迫の場合には適用されない。これは、強迫を受けた表意者の帰責性が詐欺の場合より低く、より強く保護すべきという価値判断による。
補足相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合(第三者詐欺)は、相手方が悪意又は有過失のときに限り取り消せる(96条2項)。
問5代理(無権代理)e-Gov等の一次資料で確認済み
無権代理に関する次のアからエまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権を有しない者が本人の代理人としてした契約は、本人が追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
- イ.無権代理行為は、本人が追認をしても、本人に対して効力を生じることはない。
- ウ.無権代理行為は、本人の追認がなくても、当然に本人に効力が帰属する。
- エ.本人の追認は、相手方に対してしなければ、相手方がその事実を知った場合であっても一切対抗することができない。
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正解:ア
- ア.正しい
- 追認なければ効力なし
民法第113条第1項「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 追認すれば本人に帰属
民法第113条第1項「…本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」一次資料を確認
- ウ.誤り
- 追認なしでは帰属しない
民法第113条第1項「…本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」一次資料を確認
- エ.誤り
- 相手が知れば対抗できる
民法第113条第2項ただし書「ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ無権代理は常に効力ゼロ、と決めつけると外す。
解説代理権のない者がした代理行為は、本人が追認しなければ本人に効力を生じない(民法113条1項)。アはこの条文どおりで正しい。裏返せば本人が追認すれば効力は本人に帰属するので、イ(追認しても効力を生じない)とウ(追認がなくても当然に帰属)はどちらも追認の効果を取り違えていて誤り。効力は本人の追認しだいで宙ぶらりんという状態である。エは、追認を相手方にしなくても相手方がその事実を知ったときは対抗できるとする113条2項ただし書に反するので誤り。よってア。
補足本人が追認すると、その効力は契約の時にさかのぼって生じる(116条)。ただし、その間に登場した第三者の権利を害することはできない。
問6意思表示の効力発生時期(到達主義)e-Gov等の一次資料で確認済み
意思表示の効力発生時期について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生ずる。
- イ.相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 97条1項が到達主義を定める
民法第97条「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 97条2項が到達妨害への対応を定める
民法第97条「相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす」一次資料を確認
ひっかけ到達妨害があった場合は「通常到達すべきであった時」に到達したものとみなされる。
解説意思表示の効力発生時期は到達主義(97条1項)が原則だが、相手方が正当な理由なく到達を妨げた場合には、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす公平の規定が置かれている(97条2項)。到達を意図的に妨げることで意思表示の効力発生を阻止する行為を防ぐ趣旨である。
補足表意者が通知発信後に死亡・意思能力喪失・行為能力制限を受けても、意思表示の効力は妨げられない(97条3項)。
問7同時履行の抗弁権e-Gov等の一次資料で確認済み
同時履行の抗弁権について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
- イ.相手方の債務が弁済期にないときであっても、同時履行の抗弁権を行使できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 同時履行の抗弁(民法533条本文)
民法533条本文「相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 相手方の債務が弁済期にないときは行使できない(533条ただし書)
民法533条ただし書「ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ同時履行の抗弁は、互いの債務が弁済期にあって対等なときの話。自分が先払いの約束なら出てこない。
解説双務契約では当事者が対等で、自分だけ先に履行させられるのは不公平になる。そこで相手がその債務の履行を提供するまで、自分の債務の履行を拒める同時履行の抗弁権が認められる(民法533条本文)。これは履行を一時拒める「抗弁」にとどまり、契約自体を消す効果はない。ただし、相手の債務がまだ弁済期にない、つまり自分が先に履行すべき関係にある場合には使えない(同条ただし書)。よってイの「弁済期前でも行使できる」は誤り。アは533条本文どおりで正しい。
補足533条が拒める「相手の債務の履行」には、履行に代わる損害賠償の債務の履行も含まれる(同条括弧書き)。
問8危険負担e-Gov等の一次資料で確認済み
危険負担について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者双方の責めに帰することができない事由で債務を履行できなくなったときであっても、債権者は反対給付の履行を拒むことができない。
- イ.債権者の責めに帰すべき事由で債務を履行できなくなったときも、債権者は反対給付の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 536条1項が債権者の履行拒絶権を定める
民法第536条「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 536条2項前段が債権者の履行拒絶権を否定する
民法第536条「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない」一次資料を確認
ひっかけ危険負担は「誰に帰責事由があるか」で反対給付の帰趨が正反対になる。
解説危険負担(536条)は、履行不能の原因が①当事者双方に帰責事由がない場合は債権者が反対給付を拒める(1項、債務者主義的処理)、②債権者に帰責事由がある場合は債権者は反対給付を拒めない(2項前段、自己責任)という、帰責事由の所在によって結論が逆転する構造である。
補足債権者に帰責事由がある場合、債務者は自己の債務を免れたことで得た利益(例:材料費の節約分)を債権者に償還しなければならない(536条2項後段)。
問9債務不履行による損害賠償e-Gov等の一次資料で確認済み
債務不履行による損害賠償について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであっても、債権者は損害賠償を請求できる。
- イ.債務者が債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、債権者は債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 415条1項ただし書が免責事由を定める
民法第415条「その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 415条2項2号が填補賠償の要件を定める
民法第415条「債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき」一次資料を確認
ひっかけ損害賠償請求には債務者の帰責事由が前提(帰責事由なしは免責)。
解説債務不履行による損害賠償(415条1項)は、債務者に帰責事由がないことを債務者側が立証すれば免責される構造である(1項ただし書)。また、履行不能・履行拒絶の明確な意思表示・契約解除等の場合には、履行に代わる損害賠償(填補賠償)を請求できる(2項各号)。
補足填補賠償は、履行不能(1号)・履行拒絶の意思表示(2号)・契約解除又は解除権発生(3号)の3類型で認められる。
問10契約の解除(催告による解除)e-Gov等の一次資料で確認済み
催告による契約の解除について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.催告期間を経過した時の債務の不履行が、契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときであっても、相手方は契約を解除できる。
- イ.催告による契約解除は、相手方が相当の期間を定めて催告することなく、直ちに行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 541条ただし書が軽微性による解除制限を定める
民法第541条「その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 541条本文が催告手続を要件とする
民法第541条「相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる」一次資料を確認
ひっかけ催告解除には「催告手続」と「不履行の非軽微性」の両方が必要。
解説催告による契約解除(541条)は、①相当の期間を定めた催告、②その期間内の不履行、という手続的要件(本文)に加え、③不履行が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微でないこと、という実質的要件(ただし書)を満たす必要がある。軽微性の判断は個別の契約内容・取引慣行等を踏まえて行われる。
補足無催告解除(542条)は、履行不能や履行拒絶の明確な意思表示等、催告が無意味な場合に限り認められる別の制度である。
問11解除の効果(原状回復義務)e-Gov等の一次資料で確認済み
契約解除の効果について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方が解除権を行使したときは、各当事者はその相手方を原状に復させる義務を負う。
- イ.原状回復として金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 545条1項本文が原状回復義務を定める
民法第545条「当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う」一次資料を確認
- イ.正しい
- 545条2項が利息付与を定める
民法第545条「前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない」一次資料を確認
ひっかけ金銭の原状回復には「受領の時から」の利息が必要(解除時からではない)。
解説契約解除による原状回復義務(545条1項)は、①金銭を返還する場合は受領の時から利息を付す(2項)、②金銭以外の物を返還する場合は受領時以後に生じた果実も返還する(3項)という具体的な内容を伴う。原状回復は第三者の権利を害することができない点(1項ただし書)も重要な限定である。
補足解除権の行使は損害賠償の請求を妨げない(545条4項、解除と損害賠償の両立)。
問12手付(解約手付)e-Gov等の一次資料で確認済み
手付による解除について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.買主が手付を交付したとき、相手方が契約の履行に着手する前であれば、買主は手付を放棄して契約を解除できる。
- イ.相手方が契約の履行に着手した後でも、手付による解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 解約手付(民法557条1項本文)
民法557条1項本文「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 相手方が履行に着手した後はできない(557条1項ただし書)
民法557条1項ただし書「ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ手付があっても無制限ではない。相手が履行に動き出した後は、もう手付では抜けられない。
解説売買で買主が交付する手付は、特約がなくても解約手付と推定される。相手が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約を解除できる(民法557条1項本文)。これに対し、相手がすでに契約の履行に着手した後は、その期待を保護するため手付による解除はできない(同項ただし書)。したがってイの「着手後でも解除できる」は誤り。アは557条1項本文どおりで正しい。
補足手付解除には545条4項が適用されず(557条2項)、手付の放棄・倍返しで清算が完結するため、別途の損害賠償は請求できない。
問13売買の契約不適合責任(追完請求)e-Gov等の一次資料で確認済み
売買の契約不適合責任について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであっても、買主は履行の追完を請求できる。
- イ.売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 562条2項が追完請求権の制限を定める
民法第562条「前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 562条1項ただし書が売主の選択権を定める
民法第562条「売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる」一次資料を確認
ひっかけ追完請求権には「売主の方法選択権」と「買主の帰責事由による制限」の2つの制約がある。
解説買主の追完請求権(562条1項)には、①売主が買主に不相当な負担を課さない範囲で異なる方法による追完を選択できる(1項ただし書)、②不適合が買主の帰責事由による場合は追完請求自体ができない(2項)、という2つの制限がある。
補足追完方法には修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しの3類型があり、買主はいずれかを選択して請求できる(562条1項本文)。
問14不法行為による損害賠償e-Gov等の一次資料で確認済み
一般の不法行為について、次のアからエまでのうち最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
- イ.不法行為が成立するには加害者の故意が必要で、過失だけでは責任を負わない。
- ウ.現実に損害が発生していなくても、権利侵害があれば不法行為が成立する。
- エ.権利侵害がなければ、法律上保護される利益の侵害があっても不法行為は成立しない。
解答・解説を見る
正解:ア
- ア.正しい
- 民法709条の規定どおり
民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 故意「又は過失」で足りる
民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
- ウ.誤り
- 「これによって生じた損害」=損害の発生が要件
民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
- エ.誤り
- 「権利又は法律上保護される利益」=利益侵害でも成立
民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
ひっかけ過失でも成立し、対象は権利に限らず保護に値する利益に及び、しかも現実の損害が要る。709条はこの3点を一度に問える。
解説故意または過失によって他人の権利・法律上保護される利益を侵害し、損害を生じさせた者は、その損害を賠償する責任を負う(民法709条)。要件は、(1)故意または過失、(2)権利・利益の侵害、(3)損害の発生、(4)因果関係の4つ。アはこの条文そのままで正しい。イは「過失だけでは責任を負わない」とするが、条文は「故意又は過失」で足りるから誤り。ウは損害がなくても成立するとするが、「これによって生じた損害」が要件であり誤り。エは権利侵害がなければ成立しないとするが、保護対象は権利に限らず「法律上保護される利益」も含むため誤り。よってア。
補足この賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効消滅する(724条)。
問15使用者責任e-Gov等の一次資料で確認済み
使用者責任について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
- イ.使用者は、被用者の選任及び事業の監督について相当の注意をしたことを証明しても、使用者責任を免れない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 使用者責任(民法715条1項本文)
民法715条1項本文「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 選任・監督に相当の注意をしたときは免責される(715条1項ただし書)
民法715条1項ただし書「使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ使用者責任は無条件ではない。選任と監督に相当の注意を尽くしたと証明できれば、条文上は免れる道がある。
解説被用者が事業の執行について第三者に損害を加えたとき、被害者保護と報償責任(利益を得る者が損失も負う)の趣旨から、使用者も賠償責任を負う(民法715条1項本文)。ただし、使用者が被用者の選任および事業の監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは免責される(同項ただし書)。したがってイの「証明しても免れない」は誤り。アは715条1項本文どおりで正しい。条文上は免責の余地があるが、実務上この免責はそう簡単には認められていない。
補足使用者に代わって現場を監督する者も同じ責任を負い(715条2項)、賠償した使用者は被用者に求償できる(同条3項)。
問16代理行為の効力(顕名)e-Gov等の一次資料で確認済み
代理について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
- イ.代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示についての規定は、第三者が代理人に対してした意思表示についても準用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 99条1項が顕名主義を定める
民法第99条「代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 99条2項が受働代理への準用を定める
民法第99条「前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する」一次資料を確認
ひっかけ代理の効果帰属規定は「能働代理」だけでなく「受働代理」にも準用される。
解説代理には、代理人が本人のために第三者に意思表示をする「能働代理」(99条1項)と、第三者が代理人に対して意思表示をする「受働代理」(99条2項)の両方があり、いずれも顕名(本人のためにすることを示す)を要件として本人に直接効力が帰属する。
補足顕名がない場合は、代理人が自己のためにしたものとみなされる(100条本文、ただし相手方が悪意・有過失なら99条を準用)。
問17代理人の行為能力e-Gov等の一次資料で確認済み
代理人の行為能力について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
- イ.制限行為能力者は代理人になることができず、その代理行為はすべて取り消すことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 代理人に行為能力は不要(民法102条本文)
民法102条本文「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 制限行為能力者も代理人になれ、行為能力の制限では取り消せない(102条)
民法102条本文「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。」一次資料を確認
ひっかけ制限行為能力者も代理人になれ、その行為は行為能力の制限を理由には取り消せない。
解説制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない(民法102条本文)。代理行為の効果は本人に帰属し、代理人自身が不利益を負うわけではないから、代理人に行為能力は要らない。能力に不安のある者をあえて代理人に選んだ以上、そのリスクは本人が負うべきという趣旨である。アはこの本文どおりで正しい。イは「代理人になれず、その代理行為はすべて取り消せる」とするが本文に反し、誤り。なお、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は例外として取り消せる(同条ただし書)。
補足ただし書が外すのは法定代理の場面。本人が代理人を選んだわけではない法定代理では、行為能力の制限を理由に取り消せる。
問18自己契約・双方代理e-Gov等の一次資料で確認済み
自己契約・双方代理について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一の法律行為について当事者双方の代理人としてした行為は、常に有効な代理行為として本人に効果が帰属する。
- イ.債務の履行や本人があらかじめ許諾した行為であっても、双方代理は無権代理とみなされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 双方代理では、同じ代理人が取引の両側に立つため、どちらの利益を優先するのかが衝突しやすい。そこで民法108条1項本文は、本人保護のため、原則として代理権を有しない者がした行為、つまり無権代理行為とみなす。
民法第108条「同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす」一次資料を確認
- イ.誤り
- 利益相反のおそれが小さい債務の履行や、本人があらかじめ許諾してリスクを受け入れている行為まで無権代理扱いにする必要はない。108条1項ただし書は、このような場面を例外として無権代理とみなさない。
民法第108条「ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ自己契約・双方代理の無効は「原則」であり、債務の履行等の場合は「例外」として有効。
解説自己契約・双方代理は、本人の利益が害されるおそれがあるため原則として無権代理行為とみなされる(108条1項本文)が、①債務の履行、②本人があらかじめ許諾した行為、については本人の利益が害されるおそれが小さいため例外的に有効な代理行為として扱われる(同項ただし書)。さらに、代理人と本人の利益相反行為についても同様の規律が及ぶ(108条2項)。
補足108条2項は、自己契約・双方代理に該当しない場合でも、代理人と本人の利益が相反する行為には同様の規律が及ぶことを定める(本人の事前許諾があれば例外)。
問19表見代理e-Gov等の一次資料で確認済み
表見代理について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人が権限外の行為をした場合、第三者が代理人の権限の有無を調査すべき義務はなく、常に表見代理が成立する。
- イ.代理権の消滅後にその代理権の範囲内で第三者との間でした行為については、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対して責任を負うが、第三者が過失によってその事実を知らなかったときはこの限りでない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 110条が正当理由の要件を定める
民法第110条「代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるとき」一次資料を確認
- イ.正しい
- 112条1項が善意無過失の要件を定める
民法第112条「他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ表見代理はいずれの類型でも「第三者の信頼に落ち度がないこと」が要件となる。
解説表見代理は、①権限外の行為の表見代理(110条:第三者の正当な理由)、②代理権消滅後の表見代理(112条:第三者の善意無過失)等、類型ごとに第三者保護の要件が定められている。いずれも本人の帰責性と第三者の信頼保護のバランスを図る制度であり、第三者側の落ち度(悪意・過失)があれば保護されない点で共通する。
補足112条2項は、代理権消滅後にその範囲外の行為をした場合の複合的な表見代理(110条の準用)についても定める。
問20契約の成立e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約は、申込みの意思表示に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
- イ.契約は、必ず契約書を作成しなければ成立しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法第522条第1項の「契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示」と一致するため正しい。
民法第522条第1項「契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
民法第522条第1項「契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示」一次資料を確認
ひっかけ契約は契約書がないと成立しない、と考えるとイを正しいと誤る。契約は申込みと承諾の合致で成立し、書面は原則不要。
解説契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(申込み)に対して、相手方が承諾をしたときに成立する(民法522条1項)。アはこのとおりで正しい。イは必ず契約書を作成しなければ成立しないとするが、契約は原則として申込みと承諾の合致という当事者の意思表示だけで成立し(諾成主義)、契約書の作成は成立要件ではないため誤り。保証契約など一部の契約が書面を要するのは例外である。日常の売買が口頭でも成立するのはこのためである。
補足申込みと承諾が合致すれば、口頭でも契約は成立する。ただし、保証契約のように、法令が書面(電磁的記録を含む)を要求する契約もあり、その場合は書面がなければ効力を生じない。
問21契約不適合責任(追完請求権)e-Gov等の一次資料で確認済み
売買の目的物が契約の内容に適合しない場合の買主の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しないとき、買主は売主に対し、修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
- イ.売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 562条1項本文:買主の追完請求権
民法第562条第1項本文「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 562条1項ただし書:売主の選択余地
民法第562条第1項ただし書「ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。」一次資料を確認
ひっかけ追完の方法は、買主が指定しても売主が別方法に変えられる場合がある。
解説引き渡された物が種類・品質・数量で契約内容に適合しないとき、買主は修補・代替物・不足分の引渡しによる追完を請求できる(562条1項本文)。だからアは正しい。もっとも、売主側にも一定の選択余地があり、買主に不相当な負担を課さなければ、買主の指定と異なる方法で追完できる(同項ただし書)。だからイも正しい。結論はアー正、イー正。
補足不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは、買主は追完を請求できない(562条2項)。
問22同時履行の抗弁e-Gov等の一次資料で確認済み
双務契約における同時履行の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.双務契約の当事者の一方は、相手方が履行を提供する前であっても、自己の債務を先に履行しなければならない。
- イ.相手方の債務がまだ弁済期にない場合でも、同時履行の抗弁を主張して自己の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 533条本文:同時履行の抗弁
民法第533条本文「双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行…を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 533条ただし書:先履行義務の場面
民法第533条ただし書「ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ同時履行の抗弁は『公平に同時に』。先履行を強いる原則ではない。
解説双務契約では、当事者の公平を図るため、相手方が履行を提供するまで自分の履行を拒める(民法533条本文・同時履行の抗弁)。だから『先に履行しなければならない』とするアは誤り。ただし、相手方の債務がまだ弁済期にないとき(自分が先に履行すべき約束のとき)は、この抗弁は使えない(同条ただし書)。だから『弁済期前でも抗弁できる』とするイも誤り。結論はアー誤、イー誤。
補足同時履行の関係に立つと、履行を拒んでも履行遅滞の責任を負わない(抗弁の存在効果)。
問23債務不履行による契約解除(催告解除)e-Gov等の一次資料で確認済み
債務不履行を理由とする契約の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方が債務を履行しない場合、相手方は催告をしなくても直ちに契約を解除することができる。
- イ.催告期間を経過した時の債務の不履行が、契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、契約を解除することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 541条本文:相当の期間を定めた催告が必要
民法第541条本文「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 541条ただし書:軽微な不履行の除外
民法第541条ただし書「ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ催告解除には『相当の期間を定めた催告』が原則として要る。
解説債務不履行を理由に契約を解除するには、原則として相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないことが必要である(民法541条本文・催告解除)。だから『催告なしで直ちに解除できる』とするアは誤り。さらに、催告期間経過時の不履行が契約や取引通念に照らして軽微なときは解除できない(同条ただし書)。だからイは正しい。結論はアー誤、イー正。
補足履行不能や明確な履行拒絶など一定の場合は、催告をせずに解除できる(無催告解除・542条)。
問24売買契約と手付e-Gov等の一次資料で確認済み
売買契約における手付(解約手付)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売主が手付による解除をするには、買主から受け取った手付と同額を買主に提供すれば足りる。
- イ.買主が既に履行に着手していても、売主がまだ履行に着手していなければ、買主は手付による解除をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 同額では足りない(倍額が必要)
民法第557条第1項「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 解除を封じるのは『相手方』の着手
民法第557条第1項ただし書「ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ手付解除を封じるのは『相手方』の着手であって、自分の着手ではない。
解説解約手付では、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を現実に提供して契約を解除できる(民法557条1項)。だからアの『同額で足りる』は誤り。倍額が必要である。次に、解除ができなくなるのは『相手方』が履行に着手した後である(同項ただし書)。判例法理として、自分が履行に着手していても相手方が未着手なら解除は妨げられない。だからイの『自分が着手していれば解除できない』も誤り。封じるのは相手方の着手である。結論はアー誤、イー誤。
補足『現実に提供』が必要なので、口頭で『倍額返す』と伝えるだけでは足りない。実際に提供する点が問われやすい。
問25意思表示(心裡留保)と意思表示(虚偽表示)の横断確認e-Gov等の一次資料で確認済み
意思表示(心裡留保)と意思表示(虚偽表示)を横断して確認する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.表意者が真意ではないことを知ってした意思表示は、原則としてその効力を妨げられない。
- イ.通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対しても対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 心裡留保は、表意者だけが内心では真意でないと分かっている意思表示。相手方から見ると通常の意思表示と区別できないため、原則として表示どおり有効に扱い、表意者が後から「本気ではなかった」と言って効力を否定することを認めない。
民法第93条「意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 94条2項は、虚偽表示を信じて取引に入った善意の第三者を保護する規定。当事者間の無効を、善意第三者にまで押し付けることはできない。
民法第94条第2項「前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」一次資料を確認
ひっかけ異なる制度の要件や法律効果を一つのルールとして混同しない。
解説意思表示(心裡留保)と意思表示(虚偽表示)は、根拠条文と法律効果を分けて整理する。
補足各記述に付したe-Gov根拠を個別に確認する。
問26承諾期間を定めた申込みの撤回e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.承諾期間を定めた申込みは、申込者が撤回権を留保した場合を除き、撤回できない。
- イ.承諾期間を定めた申込みでも、申込者は常に自由に撤回できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法523条1項は、承諾期間を定めた申込みについて、申込者が撤回権を留保した場合を除き、その期間中は撤回できないと定めるため。
民法第523条「承諾の期間を定めてした申込みは、撤回することができない。ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 承諾期間は相手が期限内に承諾できる状態を保障するため、撤回権の留保がないのに申込者が常に自由に撤回できるとはいえないため。
民法第523条「承諾の期間を定めてした申込みは、撤回することができない。」一次資料を確認
ひっかけ申込みは承諾前ならいつでも撤回できると一般化するのがひっかけ。承諾期間の有無と撤回権留保の表示を確認する。
解説承諾期間を定めた申込みは、その期間中は原則として撤回できない。ただし、申込者が撤回権を留保した場合は例外となる。
補足まず承諾期間が定められているかを確認し、次に申込者が撤回権を留保したかを見て523条1項の原則・例外へ当てはめる。
問27承諾期間経過による申込みの失効e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.申込者が承諾期間内に承諾通知を受けなかったとき、申込みは効力を失う。
- イ.承諾通知が期間後に到達しても、当初の申込みは当然に効力を維持する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法523条2項は、申込者が定めた承諾期間内に承諾通知を受けなかったとき、その申込みが効力を失うと定めているため。
民法第523条「申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 期間後に承諾が到達しても当初申込みは既に失効しており、遅延承諾を新たな申込みと扱う余地とは区別されるため。
民法第523条「同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。」一次資料を確認
ひっかけ遅延承諾を当然の承諾としない。
解説発信時ではなく通知を受けた時点を見る。
補足523条2項を確認する。
問28遅延承諾を新たな申込みとみなす権限e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。
- イ.遅延した承諾は常に無意味で、新たな申込みとして扱う余地はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法524条は遅れて到達した承諾について、申込者が新たな申込みとみなす選択を認めており、法的効果が常にゼロになるわけではないため。
民法第524条「申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 遅延承諾では当初の申込みどおり契約が成立しなくても、申込者の判断で新たな申込みとして扱えるため、常に無意味という断定は誤りであるため。
民法第524条「遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。」一次資料を確認
ひっかけ遅れた承諾は無効だから何の効果も持ち得ないと考えるのがひっかけ。当初契約の成立と、新たな申込みとして扱う効果を区別する。
解説承諾が申込期間後に到達した場合、当初の申込みに対する適時の承諾とはならないが、申込者は民法524条により、その遅延承諾を新たな申込みとみなすことができる。
補足まず承諾が遅延したかを確認し、当初申込みへの承諾としての効果と、申込者が新規申込みとみなす選択を分けて検討する。
問29期間の定めのない申込みの撤回制限e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.承諾期間を定めない申込みは、原則として承諾通知を受けるのに相当な期間が経過するまで撤回できない。
- イ.申込者が撤回権を留保した場合にも、相当期間が経過するまで絶対に撤回できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法525条1項は、承諾期間の定めがない申込みでも、承諾通知を受けるのに相当な期間が経過するまでは原則撤回できないと定めるため。
民法第525条「承諾の期間を定めないでした申込みは、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同項は申込者が撤回権を留保した場合を例外としており、その表示があれば相当期間中も絶対に撤回できないとはいえないため。
民法第525条「ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ期間を明記していないから申込者は自由、または相当期間中は例外なく撤回不能という両極端がひっかけ。
解説承諾期間を定めない申込みは即時撤回できるわけではなく、承諾通知を受けるのに相当な期間は原則として拘束される。ただし撤回権留保があれば例外である。
補足期間の定め、承諾に通常必要な時間、撤回権留保の有無を確認し、相当期間が経過したかを事案ごとに判断する。
問30対話中の申込みの撤回e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.対話者に対する申込みは、対話が継続している間、いつでも撤回できる。
- イ.対話者への申込みも、相当期間が経過するまで一切撤回できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法525条2項は、対話者に対する申込みについて、対話が続いている間は申込者がいつでも撤回できるという特則を置いているため。
民法第525条「対話者に対してした前項の申込みは、同項の規定にかかわらず、その対話が継続している間は、いつでも撤回することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 対話中の申込みには同項の即時的な撤回ルールがあり、隔地者への申込みと同じく相当期間中は一切撤回できないとはいえないため。
民法第525条「その対話が継続している間は、いつでも撤回することができる。」一次資料を確認
ひっかけ申込みは一定期間撤回できないという一般的な印象だけで処理し、対話中の特則を落とすのが誤り。申込期間を定めた場合など別の条件とも区別する。
解説対話者への申込みは、民法525条2項により対話が継続している間いつでも撤回できる。相手と即時に応答できる対話の場面と、通知に時間を要する隔地者の場面を分ける。
補足問題文で当事者が対話中か、対話が終了したか、申込者が別の意思を表示したかを確認し、525条の各項を対応させる。
問31対話終了時の申込みの失効e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.対話中に承諾通知を受けなければ、原則として対話終了時に申込みは効力を失う。
- イ.申込者が対話終了後も効力を失わない旨を表示していても、必ず失効する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法525条3項本文は、対話中に承諾通知を受けなかった申込みが原則として対話終了時に効力を失うと定めているため。
民法第525条「対話が継続している間に申込者が承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同項ただし書は申込者が対話終了後も効力を失わない旨を表示した場合を除いており、その表示があっても必ず失効するとはいえないため。
民法第525条「ただし、申込者が対話の終了後もその申込みが効力を失わない旨を表示したときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ本文の原則だけを覚えて、対話終了後は例外なく失効すると断定するのがひっかけ。525条3項のただし書にある申込者の表示を確認する。
解説対話者への申込みは、対話中に承諾されなければ対話終了時に失効するのが原則である。ただし、申込者が終了後も効力を維持する旨を表示した場合は例外となる。
補足対話終了の有無、対話中の承諾通知の有無、終了後も効力を維持する表示の有無を順に確認して結論を出す。
問32申込者死亡後の申込みの効力e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.申込者が通知発信後に死亡しても、申込みが常に当然失効するわけではない。
- イ.相手方が承諾通知を発する前に申込者の死亡を知ったときは、申込みは効力を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法526条は申込者の死亡後も申込みが当然には失効しない構造を取り、申込者の反対意思や相手方の認識など条件によって効力が変わるため。
民法第526条「申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、又はその相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 相手方が承諾通知を発する前に申込者の死亡を知った場合は、同条の条件により申込みが効力を有しないため。
民法第526条「その相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。」一次資料を確認
ひっかけ死亡すれば必ず失効、または通知発信後なら必ず存続とする両極端がひっかけ。526条は当事者の認識と申込者の意思を条件にする。
解説申込者が申込み通知を発した後に死亡しても、申込みが常に失効するわけではない。申込者の意思表示と、相手方が承諾前に死亡を知ったかを確認する。
補足申込みの発信時点、死亡時点、相手方が死亡を知った時点、承諾通知の発信時点を時系列に並べて効力を判断する。
問33承諾通知不要時の契約成立e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取引慣習により承諾通知が不要な場合、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に契約が成立する。
- イ.承諾通知が不要な場合でも、書面が相手に到達するまで契約は成立しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法527条は、取引上の慣習により承諾通知を必要としない場合、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に契約が成立すると定めるため。
民法第527条「契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同条の場面では通知や書面の到達に代えて承諾相当の事実を成立時点とするため、書面到達を一律の必須条件にはしていないため。
民法第527条「承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。」一次資料を確認
ひっかけ契約は常に承諾通知が相手へ到達した時だけ成立すると考えるのが誤り。527条は通知不要の慣習がある特別な場面を扱っている。
解説取引慣習により承諾通知が不要な場合は、承諾の意思を客観的に示す事実があった時に契約が成立する。通知到達ではなく、商品の発送など承諾相当の行為の時点を見る。
補足通知不要となる取引慣習があるか、どの行為が承諾の意思表示と認められるか、その事実がいつ生じたかを順に確認する。
問34条件付き承諾の法的扱いe-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.申込みに条件を付けた承諾は、元の申込みの拒絶と新たな申込みをしたものとみなされる。
- イ.申込みに内容変更を加えても、常に元の申込みどおり契約が成立する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法528条は、申込みに条件を付けるなど変更を加えた承諾を、元の申込みの拒絶と同時に新たな申込みをしたものとみなすため。
民法第528条「その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 変更付きの回答は元の申込みへの無条件の承諾ではなく、相手方が新条件を承諾するまでは元の内容どおり契約が成立しないため。
民法第528条「承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。」一次資料を確認
ひっかけ承諾という名称だけで成立と判断しない。
解説鏡像的な承諾か変更付きかを確認する。
補足528条を確認する。
問35懸賞広告を知らない行為者の報酬請求e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.懸賞広告の行為をした者は、広告を知らなかった場合でも報酬を受け得る。
- イ.広告を知らずに行為をした者には、懸賞広告者は報酬義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法529条は、指定された行為をした者が懸賞広告を知っていたかどうかにかかわらず、広告者が報酬を与える義務を負うと定めるため。
民法第529条「その行為をした者がその広告を知っていたかどうかにかかわらず、その者に対してその報酬を与える義務を負う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同条は広告を知っていたことを報酬請求の要件としておらず、知らずに指定行為をした者も一律に除外されるわけではないため。
民法第529条「その広告を知っていたかどうかにかかわらず」一次資料を確認
ひっかけ広告を見て動いた人だけが報酬を請求できると考えるのがひっかけ。民法529条は認識の有無にかかわらないことを明示している。
解説懸賞広告では、指定行為を完成した者が広告を認識していたか否かは報酬義務を左右しない。通常の申込みへの承諾という発想と区別する。
補足広告が指定した行為と報酬条件を確認し、行為の完成者を特定したうえで、広告を知った時期を不要な要件として加えない。
問36異なる方法による懸賞広告の撤回e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.懸賞広告は、前の広告と異なる方法によっても撤回できる。
- イ.異なる方法による撤回は、撤回を知った者に対してのみ効力を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 民法530条2項は、懸賞広告を前の広告と異なる方法でも撤回できるとし、同一方法だけに撤回手段を限定していないため。
民法第530条「広告の撤回は、前の広告と異なる方法によっても、することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 異なる方法による撤回は、その撤回を知った者に対してのみ効力を有すると定められ、撤回可能性と効力範囲が区別されるため。
民法第530条「ただし、その撤回は、これを知った者に対してのみ、その効力を有する。」一次資料を確認
ひっかけ異なる方法なら撤回自体が無効、または全員に当然効力が及ぶと考えるのがひっかけ。方法と、誰に対抗できるかは別の論点である。
解説懸賞広告は前の広告と異なる方法でも撤回できるが、その場合の効力は撤回を知った者に限られる。同一方法による撤回と、異なる方法による撤回の到達範囲を分ける。
補足撤回方法が元の広告と同じかを確認し、異なる場合は相手が撤回を知っていたかまで検討して効力を判断する。
問37懸賞広告の同時達成者e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人が同時に広告所定の行為をした場合、原則として各自が等しい割合で報酬を受ける。
- イ.報酬が分割に適しない場合でも、必ず物理的に等分しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法531条2項は、数人が同時に懸賞広告所定の行為を完成した場合、原則として各自が等しい割合で報酬を受けると定めているため。
民法第531条「数人が同時に前項の行為をした場合には、各自が等しい割合で報酬を受ける権利を有する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 報酬が性質上分割に適さない場合は抽選で受領者を定める例外があり、必ず現物を物理的に等分するわけではないため。
民法第531条「ただし、報酬がその性質上分割に適しないとき、又は広告において一人のみがこれを受けるものとしたときは、抽選でこれを受ける者を定める。」一次資料を確認
ひっかけ同時達成なら必ず現物を切り分けると考えるのがひっかけ。報酬の性質と、広告で別の方法を定めていないかを確認する。
解説懸賞広告の所定行為を数人が同時に完成した場合は、各自が等しい割合で報酬を受けるのが原則である。ただし、報酬が分割に適さなければ抽選で受領者を定める。
補足同時達成者の有無、報酬の分割可能性、広告上の別段の定めを順に確認し、原則等分か抽選かを判断する。
問38第三者のためにする契約の第三者未特定e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者のためにする契約は、成立時に第三者が現存しなくても、その効力を妨げられない。
- イ.成立時に第三者が特定していなければ、契約は当然無効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法537条2項は、第三者のためにする契約について、契約成立時に第三者が現存または特定していなくても契約の効力を妨げないと定めるため。
民法第537条「その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 第三者未特定は契約そのものを当然無効にせず、契約成立と第三者が受益意思表示により権利を取得する段階は区別されるため。
民法第537条「第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。」一次資料を確認
ひっかけ受益者がその場で氏名まで決まっていなければ契約無効と考えるのがひっかけ。将来生まれる者や後に特定される者を対象にできる。
解説第三者のためにする契約は、成立時に受益者がまだ存在せず、または特定していなくても有効に成立し得る。契約の効力と第三者の権利取得を分ける。
補足まず要約者と諾約者の契約成立を確認し、その後に第三者の特定と受益意思表示による権利取得を検討する。
問39第三者の権利発生時期e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者のためにする契約では、第三者が債務者へ利益享受の意思を表示した時に第三者の権利が発生する。
- イ.第三者の権利は、契約当事者が合意した瞬間に例外なく発生し、第三者の意思表示を要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法537条3項は、第三者が債務者へ契約利益を享受する意思を表示した時に、その第三者の権利が発生すると定めるため。
民法第537条「第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要約者と諾約者の契約成立だけでは第三者の権利発生時期にならず、第三者から債務者への受益意思表示を要するため。
民法第537条「その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。」一次資料を確認
ひっかけ契約当事者が合意した瞬間に、第三者の意思に関係なく権利が発生すると考えるのがひっかけ。意思表示の相手方も確認する。
解説第三者のためにする契約では、当事者間の契約成立と第三者の権利発生を分ける。第三者が債務者へ受益意思を表示した時に権利を取得する。
補足要約者・諾約者・第三者を特定し、契約成立後に第三者が諾約者へ受益意思を表示したか、その時点を確認する。
問40第三者の権利発生後の変更禁止e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者の権利が発生した後、契約当事者はその権利を変更・消滅させることができない。
- イ.第三者の権利発生後も、契約当事者だけの合意で自由に消滅させられる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法538条は、第三者の権利が発生した後は、契約当事者がその権利を変更または消滅させることができないと明記しているため。
民法第538条「前条の規定により第三者の権利が発生した後は、当事者は、これを変更し、又は消滅させることができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 第三者が取得した権利は契約当事者だけの合意では消滅させられず、受益者を除外して自由に処分できるという扱いは同条に反するため。
民法第538条「当事者は、これを変更し、又は消滅させることができない。」一次資料を確認
ひっかけ契約を結んだのは当事者二人だから、後でも二人の合意だけで第三者の権利を動かせると考えるのがひっかけである。
解説第三者のためにする契約では、第三者の権利発生前後を分ける。権利発生後は、要約者と諾約者だけでその権利を変更・消滅できない。
補足第三者の受益意思表示と権利発生時点を確認し、その後の変更合意が誰の権利へ影響するか、第三者を含めて検討する。
問41優等懸賞広告の応募期間要件e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.優等者だけに報酬を与える懸賞広告は、応募期間を定めた場合に限り効力を有する。
- イ.優等懸賞広告は応募期間を定めなくても常に有効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 応募期間の設定が効力要件である。
民法第532条「その広告は、応募の期間を定めたときに限り、その効力を有する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 期間なしでも常に有効ではない。
民法第532条「その広告は、応募の期間を定めたときに限り、その効力を有する。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説応募期間の設定が効力要件である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問42優等懸賞広告の判定者e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.判定者を定めなかった場合は、応募者全員の全会一致で判定する。
- イ.優等者の判定者を広告で定めなかったときは、懸賞広告者が判定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 応募者の全会一致を要しない。
民法第532条「広告中に判定をする者を定めなかったときは懸賞広告者が判定する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 判定者未指定時は広告者が判定する。
民法第532条「広告中に判定をする者を定めなかったときは懸賞広告者が判定する。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説判定者未指定時は広告者が判定する。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問43優等懸賞広告の判定への異議e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.応募者は、優等者についての判定に異議を述べることができない。
- イ.応募者は、理由を示さずいつでも判定を取り消せる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法532条2項は、優等者について同条1項に基づき行われた判定に対し、応募者は異議を述べることができないと定めるため。
民法第532条「応募者は、前項の判定に対して異議を述べることができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同条は応募者へ判定を自由に取り消す権利を与えておらず、理由なくいつでも取消し可能とする記述は条文の効果に反するため。
民法第532条「応募者は、前項の判定に対して異議を述べることができない。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説判定への異議は認められない。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問44第三者権利発生後の契約解除e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者の権利発生後も、契約相手方は第三者に知らせず自由に解除できる。
- イ.第三者の権利発生後に債務者が履行しない場合、契約相手方は第三者の承諾なく解除できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 当事者だけで自由に解除できない。
民法第538条「その第三者の承諾を得なければ、契約を解除することができない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 第三者の承諾が解除に必要である。
民法第538条「その第三者の承諾を得なければ、契約を解除することができない。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説第三者の承諾が解除に必要である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問45第三者契約における債務者の抗弁e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者は、契約に基づく抗弁を受益第三者に対抗できる。
- イ.受益第三者には、元の契約に基づく抗弁を一切対抗できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 契約に基づく抗弁の対抗が認められる。
民法第539条「債務者は、第五百三十七条第一項の契約に基づく抗弁をもって、その契約の利益を受ける第三者に対抗することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 第三者だけが常に無条件で保護されるわけではない。
民法第539条「債務者は、第五百三十七条第一項の契約に基づく抗弁をもって、その契約の利益を受ける第三者に対抗することができる。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説契約に基づく抗弁の対抗が認められる。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問46解除権行使の方法e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.解除権は、裁判所の確定判決がなければ一切行使できない。
- イ.解除権は、相手方への意思表示によって行使する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 確定判決を必須としていない。
民法第540条「その解除は、相手方に対する意思表示によってする。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 相手方への意思表示が行使方法である。
民法第540条「その解除は、相手方に対する意思表示によってする。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説相手方への意思表示が行使方法である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問47解除意思表示の撤回禁止e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相手方にした解除の意思表示は撤回できない。
- イ.解除の意思表示は、相手方の承諾なしにいつでも撤回できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法540条2項が解除の意思表示は撤回できないと定め、相手方へ到達した解除の法的状態を一方的に覆せないようにしているため。
民法第540条「前項の意思表示は、撤回することができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 解除後に気が変わっただけでは相手方の承諾なく効力を戻せず、いつでも自由に撤回できるという扱いは同項に反するため。
民法第540条「前項の意思表示は、撤回することができない。」一次資料を確認
ひっかけ解除原因が消えた、当事者が取引継続を望んだという事情だけで、過去の解除表示が自動的に撤回されると考えるのがひっかけ。
解説解除権の行使は相手方への意思表示で行い、その解除意思表示は撤回できない。解除するかの判断段階と行使後を区別する。
補足解除通知の内容、相手方、到達時点を確認する。取引関係を改めて整える場合は撤回と決めつけず別の合意として検討する。
問48全部履行不能時の無催告解除e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務全部が履行不能でも、必ず相当期間の催告をしなければ解除できない。
- イ.債務全部の履行が不能なら、債権者は催告なく直ちに解除できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法542条1項1号は債務全部の履行不能を無催告解除事由とするため、必ず相当期間を定めて催告しなければならないという記述は誤りであるため。
- イ.正しい
- 債務全部が履行不能なら、催告しても履行される余地がないため、債権者は相当期間の催告を経ず直ちに契約を解除できるため。
ひっかけ解除なら常に催告が必要、または履行が少し遅れただけでも全部履行不能と同じと考えるのがひっかけである。
解説解除は催告解除が原則だが、債務全部の履行不能では催告を要しない。履行を促す意味が残るかどうかで制度趣旨を理解する。
補足不能の対象が債務の全部か一部か、客観的に履行可能性が残るかを確認し、542条のどの無催告事由に当たるかを特定する。
問49全部履行拒絶時の無催告解除e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者が全部履行を拒絶する意思を明確に示したときは、催告なく解除できる。
- イ.履行拒絶が明確でも、無催告解除は一切認められない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 明確な全部拒絶は無催告解除事由である。
民法第542条「債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 無催告解除を否定できない。
民法第542条「債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説明確な全部拒絶は無催告解除事由である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問50定期行為の時期経過と無催告解除e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.履行時期が契約目的に不可欠でも、時期経過後に必ず再度同じ履行を待たなければならない。
- イ.特定時期の履行が契約目的に不可欠で、その時期を過ぎた場合は催告なく解除できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 時期を過ぎた後の再履行待ちは必須でない。
民法第542条「特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 定期行為の時期経過は無催告解除事由である。
民法第542条「特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説定期行為の時期経過は無催告解除事由である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問51債権者帰責事由と解除制限e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるとき、債権者は解除できない。
- イ.不履行を債権者自身が生じさせても、債権者は常に解除できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 債権者帰責の場合は解除が制限される。
民法第543条「債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 自己の帰責事由を無視して解除できない。
民法第543条「債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説債権者帰責の場合は解除が制限される。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問52解除権の不可分的行使e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が数人でも、一人だけが一人だけに対して自由に契約全部を解除できる。
- イ.当事者の一方が数人なら、解除はその全員から又は全員に対して行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 一部当事者間だけの全部解除としない。
民法第544条「契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみ、することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 解除権は原則不可分的に行使する。
民法第544条「契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみ、することができる。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説解除権は原則不可分的に行使する。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問53解除後の金銭返還と利息e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.解除後に金銭を返還するときは、受領時から利息を付す。
- イ.解除後の金銭返還には、受領時から返還時まで一切利息を付さない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法545条2項は、解除に伴って金銭を返還するとき、受領した時から利息を付さなければならないと明記しているため。
民法第545条「金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 解除による原状回復は受領額だけの無利息返還ではなく、受領時からの利息も付すため、一切利息不要という記述は誤りとなるため。
民法第545条「金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説受領時から利息を付す必要がある。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問54解除と損害賠償請求の併存e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約を解除すると、損害賠償請求権は必ず消滅する。
- イ.解除権を行使しても、損害賠償請求は妨げられない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 解除だけで賠償請求が消滅するわけではない。
民法第545条「解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 解除と損害賠償請求は併存し得る。
民法第545条「解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説解除と損害賠償請求は併存し得る。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問55解除確答催告と解除権消滅e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.解除権行使期間の定めがない場合、確答催告の期間内に解除通知がなければ解除権は消滅する。
- イ.確答催告を受けても回答しなければ、解除権は永久に存続する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 期間内に解除通知がなければ権利は消滅する。
民法第547条「その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 無回答で永久存続とはならない。
民法第547条「その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説期間内に解除通知がなければ権利は消滅する。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。