問1意思表示(心裡留保)e-Gov等の一次資料で確認済み
心裡留保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.表意者が真意ではないことを知ってした意思表示は、原則としてその効力を妨げられない。
- イ.相手方が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたことによる意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 表意者が真意ではないと知ってした意思表示は、そのために効力を妨げられない(民法93条1項本文)。例えば、冗談のつもりで「この車を100万円で売る」と言っても、相手が本気にして承諾すれば、原則として売買は有効になる。
民法第93条「意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 相手方が真意でないことを知り、又は知ることができたために意思表示が無効になる場合でも、その無効は善意の第三者に対抗できない(同条2項)。例えば、冗談で売ったと主張して無効を言えても、すでにその車を買った善意の第三者には無効を主張できない。
民法第93条「前項ただし書の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない」一次資料を確認
ひっかけ心裡留保の無効は「相手方との関係」では生じても「善意の第三者」には対抗できない。
解説心裡留保による意思表示は原則有効だが、相手方が表意者の真意でないことを知り又は知り得た場合は無効となる(93条1項)。もっとも、この無効は善意の第三者には対抗できない(93条2項)。取引の安全を図るため、無効の効果を第三者との関係で制限する構造になっている。
補足この93条2項の構造は、94条2項(虚偽表示の善意の第三者保護)と同様のパターンである。
問2意思表示(虚偽表示)e-Gov等の一次資料で確認済み
通謀虚偽表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効である。
- イ.通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対しても対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 本人と相手方が通じて外形だけの意思表示をした場合、当事者間では保護すべき信頼がないため無効となる。94条1項の基本効果。
民法第94条第1項「相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 94条2項は、虚偽表示を信じて取引に入った善意の第三者を保護する規定。当事者間の無効を、善意第三者にまで押し付けることはできない。
民法第94条第2項「前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」一次資料を確認
ひっかけ無効だから誰にでも主張できる、としたイが落とし穴。
解説アは民法94条1項そのもので、相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効だから正しい。仮装売買のように当事者双方に本心がないからである。イはその無効を善意の第三者にも対抗できるとするが、94条2項は逆に「善意の第三者に対抗することができない」と定めるので誤り。外観を信じて取引に入った第三者を守る趣旨である。当事者間では無効でも、善意の第三者との関係では有効として扱われる。よってアは正しく、イは誤り。
補足94条2項の第三者は「善意」でありさえすればよく、無過失までは要求されない。詐欺取消しが善意かつ無過失の第三者しか縛らないのと対照的(96条3項)。
問3意思表示(錯誤)e-Gov等の一次資料で確認済み
錯誤による意思表示に関する次のアからエまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
- イ.錯誤による意思表示は、現行民法のもとでも当然に無効である。
- ウ.錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合、いかなる場合でも取り消すことができる。
- エ.錯誤が重要なものでなくても、表意者はいつでも取り消すことができる。
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正解:ア
- ア.正しい
- 重要な錯誤 → 取消し可
民法第95条第1項「意思表示は、…錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。」一次資料を確認
- ウ.誤り
- 重過失は原則取消し不可
民法第95条第3項「錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、…取消しをすることができない。」一次資料を確認
- エ.誤り
- 重要性が要件
民法第95条第1項「…重要なものであるときは、取り消すことができる。」一次資料を確認
ひっかけ「無効」と書いたイは改正前の知識。今は取消し。
解説錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的と取引通念に照らして重要なものであるとき取り消せる(民法95条1項)。アはこの要件どおりで正しい。イの「当然に無効」は2020年施行の改正前の理解で、現行法は無効から取消しに変わっているため誤り。ウは、表意者に重大な過失があるときは原則として取り消せない(同条3項)ことを無視して「いかなる場合でも取消し可」とするので誤り。エは「重要なもの」という要件を外しており、重要でない錯誤では取り消せないから誤り。正しいのはア。
補足重要性の判断は、その錯誤がなければ意思表示をしなかったといえるか、かつ一般人を基準にしてもそういえるか、という二段で見る。単なる思い違いでは足りない。
問4意思表示(詐欺・強迫)e-Gov等の一次資料で確認済み
詐欺又は強迫による意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.詐欺による意思表示の取消しは、第三者の善意・悪意にかかわらず、常にその第三者に対抗することができる。
- イ.強迫による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対しても対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 96条3項が第三者保護を定める
民法第96条「前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 96条3項が詐欺のみを対象とし強迫を除外する
民法第96条「詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる」一次資料を確認
ひっかけ第三者保護規定(96条3項)は詐欺のみに適用され、強迫には適用されない。
解説民法96条は詐欺と強迫を1項でまとめて取消し可能とするが、第三者保護規定(3項)は詐欺の場合にのみ適用され、強迫の場合には適用されない。これは、強迫を受けた表意者の帰責性が詐欺の場合より低く、より強く保護すべきという価値判断による。
補足相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合(第三者詐欺)は、相手方が悪意又は有過失のときに限り取り消せる(96条2項)。
問5代理(無権代理)e-Gov等の一次資料で確認済み
無権代理に関する次のアからエまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権を有しない者が本人の代理人としてした契約は、本人が追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
- イ.無権代理行為は、本人が追認をしても、本人に対して効力を生じることはない。
- ウ.無権代理行為は、本人の追認がなくても、当然に本人に効力が帰属する。
- エ.本人の追認は、相手方に対してしなければ、相手方がその事実を知った場合であっても一切対抗することができない。
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正解:ア
- ア.正しい
- 追認なければ効力なし
民法第113条第1項「代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 追認すれば本人に帰属
民法第113条第1項「…本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」一次資料を確認
- ウ.誤り
- 追認なしでは帰属しない
民法第113条第1項「…本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。」一次資料を確認
- エ.誤り
- 相手が知れば対抗できる
民法第113条第2項ただし書「ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ無権代理は常に効力ゼロ、と決めつけると外す。
解説代理権のない者がした代理行為は、本人が追認しなければ本人に効力を生じない(民法113条1項)。アはこの条文どおりで正しい。裏返せば本人が追認すれば効力は本人に帰属するので、イ(追認しても効力を生じない)とウ(追認がなくても当然に帰属)はどちらも追認の効果を取り違えていて誤り。効力は本人の追認しだいで宙ぶらりんという状態である。エは、追認を相手方にしなくても相手方がその事実を知ったときは対抗できるとする113条2項ただし書に反するので誤り。よってア。
補足本人が追認すると、その効力は契約の時にさかのぼって生じる(116条)。ただし、その間に登場した第三者の権利を害することはできない。
問6意思表示の効力発生時期(到達主義)e-Gov等の一次資料で確認済み
意思表示の効力発生時期について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生ずる。
- イ.相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 97条1項が到達主義を定める
民法第97条「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 97条2項が到達妨害への対応を定める
民法第97条「相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす」一次資料を確認
ひっかけ到達妨害があった場合は「通常到達すべきであった時」に到達したものとみなされる。
解説意思表示の効力発生時期は到達主義(97条1項)が原則だが、相手方が正当な理由なく到達を妨げた場合には、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす公平の規定が置かれている(97条2項)。到達を意図的に妨げることで意思表示の効力発生を阻止する行為を防ぐ趣旨である。
補足表意者が通知発信後に死亡・意思能力喪失・行為能力制限を受けても、意思表示の効力は妨げられない(97条3項)。
問7危険負担e-Gov等の一次資料で確認済み
危険負担について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者双方の責めに帰することができない事由で債務を履行できなくなったときであっても、債権者は反対給付の履行を拒むことができない。
- イ.債権者の責めに帰すべき事由で債務を履行できなくなったときも、債権者は反対給付の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 当事者双方に責任のない事由で履行不能になったときは、債権者は反対給付の履行を拒める(民法536条1項)。例えば、売買の目的の建物が引渡し前に落雷で焼失したとき、買主は代金の支払を拒める。
民法第536条「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 債権者の責めに帰すべき事由で履行不能になったときは、債権者は反対給付の履行を拒めない(同条2項前段)。例えば、買主が自分の不注意で目的の建物を燃やしたなら、買主は代金の支払を拒めない。
民法第536条「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない」一次資料を確認
ひっかけ危険負担は「誰に帰責事由があるか」で反対給付の帰趨が正反対になる。
解説危険負担(536条)は、履行不能の原因が①当事者双方に帰責事由がない場合は債権者が反対給付を拒める(1項、債務者主義的処理)、②債権者に帰責事由がある場合は債権者は反対給付を拒めない(2項前段、自己責任)という、帰責事由の所在によって結論が逆転する構造である。
補足債権者に帰責事由がある場合、債務者は自己の債務を免れたことで得た利益(例:材料費の節約分)を債権者に償還しなければならない(536条2項後段)。
問8債務不履行による損害賠償e-Gov等の一次資料で確認済み
債務不履行による損害賠償について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであっても、債権者は損害賠償を請求できる。
- イ.債務者が債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、債権者は債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 415条1項ただし書が免責事由を定める
民法第415条「その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 415条2項2号が填補賠償の要件を定める
民法第415条「債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき」一次資料を確認
ひっかけ損害賠償請求には債務者の帰責事由が前提(帰責事由なしは免責)。
解説債務不履行による損害賠償(415条1項)は、債務者に帰責事由がないことを債務者側が立証すれば免責される構造である(1項ただし書)。また、履行不能・履行拒絶の明確な意思表示・契約解除等の場合には、履行に代わる損害賠償(填補賠償)を請求できる(2項各号)。
補足填補賠償は、履行不能(1号)・履行拒絶の意思表示(2号)・契約解除又は解除権発生(3号)の3類型で認められる。
問9解除の効果(原状回復義務)e-Gov等の一次資料で確認済み
契約解除の効果について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方が解除権を行使したときは、各当事者はその相手方を原状に復させる義務を負う。
- イ.原状回復として金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 解除権を行使したときは、各当事者が相手方を原状に復させる義務を負う(民法545条1項本文)。例えば、売買契約を解除したら、売主は受け取った代金を返し、買主は受け取った商品を返す。
民法第545条「当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う」一次資料を確認
- イ.正しい
- 原状回復として金銭を返還するときは、受領の時から利息を付けなければならない(同条2項)。解除の時からではない。例えば、10万円を受け取った売主が解除で返すときは、その10万円に、受け取った日からの利息を付ける。
民法第545条「前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない」一次資料を確認
ひっかけ金銭の原状回復には「受領の時から」の利息が必要(解除時からではない)。
解説契約解除による原状回復義務(545条1項)は、①金銭を返還する場合は受領の時から利息を付す(2項)、②金銭以外の物を返還する場合は受領時以後に生じた果実も返還する(3項)という具体的な内容を伴う。原状回復は第三者の権利を害することができない点(1項ただし書)も重要な限定である。
補足解除権の行使は損害賠償の請求を妨げない(545条4項、解除と損害賠償の両立)。
問10売買の契約不適合責任(追完請求)e-Gov等の一次資料で確認済み
売買の契約不適合責任について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであっても、買主は履行の追完を請求できる。
- イ.売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 562条2項が追完請求権の制限を定める
民法第562条「前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 562条1項ただし書が売主の選択権を定める
民法第562条「売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる」一次資料を確認
ひっかけ追完請求権には「売主の方法選択権」と「買主の帰責事由による制限」の2つの制約がある。
解説買主の追完請求権(562条1項)には、①売主が買主に不相当な負担を課さない範囲で異なる方法による追完を選択できる(1項ただし書)、②不適合が買主の帰責事由による場合は追完請求自体ができない(2項)、という2つの制限がある。
補足追完方法には修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しの3類型があり、買主はいずれかを選択して請求できる(562条1項本文)。
問11不法行為による損害賠償e-Gov等の一次資料で確認済み
一般の不法行為について、次のアからエまでのうち最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
- イ.不法行為が成立するには加害者の故意が必要で、過失だけでは責任を負わない。
- ウ.現実に損害が発生していなくても、権利侵害があれば不法行為が成立する。
- エ.権利侵害がなければ、法律上保護される利益の侵害があっても不法行為は成立しない。
解答・解説を見る
正解:ア
- ア.正しい
- 民法709条の規定どおり
民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 故意「又は過失」で足りる
民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
- ウ.誤り
- 「これによって生じた損害」=損害の発生が要件
民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
- エ.誤り
- 「権利又は法律上保護される利益」=利益侵害でも成立
民法709条「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
ひっかけ過失でも成立し、対象は権利に限らず保護に値する利益に及び、しかも現実の損害が要る。709条はこの3点を一度に問える。
解説故意または過失によって他人の権利・法律上保護される利益を侵害し、損害を生じさせた者は、その損害を賠償する責任を負う(民法709条)。要件は、(1)故意または過失、(2)権利・利益の侵害、(3)損害の発生、(4)因果関係の4つ。アはこの条文そのままで正しい。イは「過失だけでは責任を負わない」とするが、条文は「故意又は過失」で足りるから誤り。ウは損害がなくても成立するとするが、「これによって生じた損害」が要件であり誤り。エは権利侵害がなければ成立しないとするが、保護対象は権利に限らず「法律上保護される利益」も含むため誤り。よってア。
補足この賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で時効消滅する(724条)。
問12使用者責任e-Gov等の一次資料で確認済み
使用者責任について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
- イ.使用者は、被用者の選任及び事業の監督について相当の注意をしたことを証明しても、使用者責任を免れない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 使用者責任(民法715条1項本文)
民法715条1項本文「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 選任・監督に相当の注意をしたときは免責される(715条1項ただし書)
民法715条1項ただし書「使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ使用者責任は無条件ではない。選任と監督に相当の注意を尽くしたと証明できれば、条文上は免れる道がある。
解説被用者が事業の執行について第三者に損害を加えたとき、被害者保護と報償責任(利益を得る者が損失も負う)の趣旨から、使用者も賠償責任を負う(民法715条1項本文)。ただし、使用者が被用者の選任および事業の監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは免責される(同項ただし書)。したがってイの「証明しても免れない」は誤り。アは715条1項本文どおりで正しい。条文上は免責の余地があるが、実務上この免責はそう簡単には認められていない。
補足使用者に代わって現場を監督する者も同じ責任を負い(715条2項)、賠償した使用者は被用者に求償できる(同条3項)。
問13代理行為の効力(顕名)e-Gov等の一次資料で確認済み
代理について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
- イ.代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示についての規定は、第三者が代理人に対してした意思表示についても準用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 99条1項が顕名主義を定める
民法第99条「代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 99条2項が受働代理への準用を定める
民法第99条「前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する」一次資料を確認
ひっかけ代理の効果帰属規定は「能働代理」だけでなく「受働代理」にも準用される。
解説代理には、代理人が本人のために第三者に意思表示をする「能働代理」(99条1項)と、第三者が代理人に対して意思表示をする「受働代理」(99条2項)の両方があり、いずれも顕名(本人のためにすることを示す)を要件として本人に直接効力が帰属する。
補足顕名がない場合は、代理人が自己のためにしたものとみなされる(100条本文、ただし相手方が悪意・有過失なら99条を準用)。
問14代理人の行為能力e-Gov等の一次資料で確認済み
代理人の行為能力について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
- イ.制限行為能力者は代理人になることができず、その代理行為はすべて取り消すことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限を理由には取り消せない(民法102条本文)。代理行為の効果は本人に生じ、代理人自身は不利益を受けないためである。例えば、未成年者が本人の代理人として結んだ契約を、未成年者であることを理由に取り消すことはできない。
民法102条本文「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 制限行為能力者も代理人になれ、その代理行為は行為能力の制限を理由には取り消せない(同条本文)。「代理人になれない」「すべて取り消せる」とする点が条文に反する。
民法102条本文「制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。」一次資料を確認
ひっかけ制限行為能力者も代理人になれ、その行為は行為能力の制限を理由には取り消せない。
解説制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない(民法102条本文)。代理行為の効果は本人に帰属し、代理人自身が不利益を負うわけではないから、代理人に行為能力は要らない。能力に不安のある者をあえて代理人に選んだ以上、そのリスクは本人が負うべきという趣旨である。アはこの本文どおりで正しい。イは「代理人になれず、その代理行為はすべて取り消せる」とするが本文に反し、誤り。なお、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は例外として取り消せる(同条ただし書)。
補足ただし書が外すのは法定代理の場面。本人が代理人を選んだわけではない法定代理では、行為能力の制限を理由に取り消せる。
問15自己契約・双方代理e-Gov等の一次資料で確認済み
自己契約・双方代理について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一の法律行為について当事者双方の代理人としてした行為は、常に有効な代理行為として本人に効果が帰属する。
- イ.債務の履行や本人があらかじめ許諾した行為であっても、双方代理は無権代理とみなされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 当事者双方の代理人としてした行為(双方代理)は、代理権を有しない者がした行為とみなされる(民法108条1項本文)。例えば、同じ人が売主の代理人と買主の代理人を兼ねて売買契約を結ぶと、原則として無権代理になる。
民法第108条「同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす」一次資料を確認
- イ.誤り
- 債務の履行や、本人があらかじめ許諾した行為は、例外として無権代理とみなされない(同項ただし書)。例えば、本人が「双方の代理人を務めてよい」とあらかじめ許したうえで行った契約は、無権代理とみなされない。
民法第108条「ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ自己契約・双方代理の無効は「原則」であり、債務の履行等の場合は「例外」として有効。
解説自己契約・双方代理は、本人の利益が害されるおそれがあるため原則として無権代理行為とみなされる(108条1項本文)が、①債務の履行、②本人があらかじめ許諾した行為、については本人の利益が害されるおそれが小さいため例外的に有効な代理行為として扱われる(同項ただし書)。さらに、代理人と本人の利益相反行為についても同様の規律が及ぶ(108条2項)。
補足108条2項は、自己契約・双方代理に該当しない場合でも、代理人と本人の利益が相反する行為には同様の規律が及ぶことを定める(本人の事前許諾があれば例外)。
問16表見代理e-Gov等の一次資料で確認済み
表見代理について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人が権限外の行為をした場合、第三者が代理人の権限の有無を調査すべき義務はなく、常に表見代理が成立する。
- イ.代理権の消滅後にその代理権の範囲内で第三者との間でした行為については、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対して責任を負うが、第三者が過失によってその事実を知らなかったときはこの限りでない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 110条が正当理由の要件を定める
民法第110条「代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるとき」一次資料を確認
- イ.正しい
- 112条1項が善意無過失の要件を定める
民法第112条「他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ表見代理はいずれの類型でも「第三者の信頼に落ち度がないこと」が要件となる。
解説表見代理は、①権限外の行為の表見代理(110条:第三者の正当な理由)、②代理権消滅後の表見代理(112条:第三者の善意無過失)等、類型ごとに第三者保護の要件が定められている。いずれも本人の帰責性と第三者の信頼保護のバランスを図る制度であり、第三者側の落ち度(悪意・過失)があれば保護されない点で共通する。
補足112条2項は、代理権消滅後にその範囲外の行為をした場合の複合的な表見代理(110条の準用)についても定める。
問17契約の成立e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約は、申込みの意思表示に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
- イ.契約は、必ず契約書を作成しなければ成立しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法第522条第1項の「契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示」と一致するため正しい。
民法第522条第1項「契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
民法第522条第1項「契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示」一次資料を確認
ひっかけ契約は契約書がないと成立しない、と考えるとイを正しいと誤る。契約は申込みと承諾の合致で成立し、書面は原則不要。
解説契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(申込み)に対して、相手方が承諾をしたときに成立する(民法522条1項)。アはこのとおりで正しい。イは必ず契約書を作成しなければ成立しないとするが、契約は原則として申込みと承諾の合致という当事者の意思表示だけで成立し(諾成主義)、契約書の作成は成立要件ではないため誤り。保証契約など一部の契約が書面を要するのは例外である。日常の売買が口頭でも成立するのはこのためである。
補足申込みと承諾が合致すれば、口頭でも契約は成立する。ただし、保証契約のように、法令が書面(電磁的記録を含む)を要求する契約もあり、その場合は書面がなければ効力を生じない。
問18契約不適合責任(追完請求権)e-Gov等の一次資料で確認済み
売買の目的物が契約の内容に適合しない場合の買主の権利に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しないとき、買主は売主に対し、修補・代替物の引渡し・不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。
- イ.売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 562条1項本文:買主の追完請求権
民法第562条第1項本文「引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 562条1項ただし書:売主の選択余地
民法第562条第1項ただし書「ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。」一次資料を確認
ひっかけ追完の方法は、買主が指定しても売主が別方法に変えられる場合がある。
解説引き渡された物が種類・品質・数量で契約内容に適合しないとき、買主は修補・代替物・不足分の引渡しによる追完を請求できる(562条1項本文)。だからアは正しい。もっとも、売主側にも一定の選択余地があり、買主に不相当な負担を課さなければ、買主の指定と異なる方法で追完できる(同項ただし書)。だからイも正しい。結論はアー正、イー正。
補足不適合が買主の責めに帰すべき事由によるときは、買主は追完を請求できない(562条2項)。
問19同時履行の抗弁e-Gov等の一次資料で確認済み
双務契約における同時履行の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.双務契約の当事者の一方は、相手方が履行を提供する前であっても、自己の債務を先に履行しなければならない。
- イ.相手方の債務がまだ弁済期にない場合でも、同時履行の抗弁を主張して自己の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 533条本文:同時履行の抗弁
民法第533条本文「双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行…を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 533条ただし書:先履行義務の場面
民法第533条ただし書「ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ同時履行の抗弁は『公平に同時に』。先履行を強いる原則ではない。
解説双務契約では、当事者の公平を図るため、相手方が履行を提供するまで自分の履行を拒める(民法533条本文・同時履行の抗弁)。だから『先に履行しなければならない』とするアは誤り。ただし、相手方の債務がまだ弁済期にないとき(自分が先に履行すべき約束のとき)は、この抗弁は使えない(同条ただし書)。だから『弁済期前でも抗弁できる』とするイも誤り。結論はアー誤、イー誤。
補足同時履行の関係に立つと、履行を拒んでも履行遅滞の責任を負わない(抗弁の存在効果)。
問20債務不履行による契約解除(催告解除)e-Gov等の一次資料で確認済み
債務不履行を理由とする契約の解除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方が債務を履行しない場合、相手方は催告をしなくても直ちに契約を解除することができる。
- イ.催告期間を経過した時の債務の不履行が、契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、契約を解除することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 541条本文:相当の期間を定めた催告が必要
民法第541条本文「当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 541条ただし書:軽微な不履行の除外
民法第541条ただし書「ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ催告解除には『相当の期間を定めた催告』が原則として要る。
解説債務不履行を理由に契約を解除するには、原則として相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないことが必要である(民法541条本文・催告解除)。だから『催告なしで直ちに解除できる』とするアは誤り。さらに、催告期間経過時の不履行が契約や取引通念に照らして軽微なときは解除できない(同条ただし書)。だからイは正しい。結論はアー誤、イー正。
補足履行不能や明確な履行拒絶など一定の場合は、催告をせずに解除できる(無催告解除・542条)。
問21売買契約と手付e-Gov等の一次資料で確認済み
売買契約における手付(解約手付)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売主が手付による解除をするには、買主から受け取った手付と同額を買主に提供すれば足りる。
- イ.買主が既に履行に着手していても、売主がまだ履行に着手していなければ、買主は手付による解除をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 同額では足りない(倍額が必要)
民法第557条第1項「買主が売主に手付を交付したときは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 解除を封じるのは『相手方』の着手
民法第557条第1項ただし書「ただし、その相手方が契約の履行に着手した後は、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ手付解除を封じるのは『相手方』の着手であって、自分の着手ではない。
解説解約手付では、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を現実に提供して契約を解除できる(民法557条1項)。だからアの『同額で足りる』は誤り。倍額が必要である。次に、解除ができなくなるのは『相手方』が履行に着手した後である(同項ただし書)。判例(最大判昭40.11.24)は、自分が履行に着手していても、相手方が履行に着手するまでは解除できるとしている。だからイの『自分が着手していれば解除できない』も誤り。封じるのは相手方の着手である。結論はアー誤、イー誤。
補足『現実に提供』が必要なので、口頭で『倍額返す』と伝えるだけでは足りない。実際に提供する点が問われやすい。
問22意思表示(心裡留保)と意思表示(虚偽表示)の横断確認e-Gov等の一次資料で確認済み
意思表示(心裡留保)と意思表示(虚偽表示)を横断して確認する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.表意者が真意ではないことを知ってした意思表示は、原則としてその効力を妨げられない。
- イ.通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対しても対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 心裡留保は、表意者だけが内心では真意でないと分かっている意思表示。相手方から見ると通常の意思表示と区別できないため、原則として表示どおり有効に扱い、表意者が後から「本気ではなかった」と言って効力を否定することを認めない。
民法第93条「意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 94条2項は、虚偽表示を信じて取引に入った善意の第三者を保護する規定。当事者間の無効を、善意第三者にまで押し付けることはできない。
民法第94条第2項「前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。」一次資料を確認
ひっかけ異なる制度の要件や法律効果を一つのルールとして混同しない。
解説意思表示(心裡留保)と意思表示(虚偽表示)は、根拠条文と法律効果を分けて整理する。
補足各記述に付したe-Gov根拠を個別に確認する。
問23承諾期間を定めた申込みの撤回e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.承諾期間を定めた申込みは、申込者が撤回権を留保した場合を除き、撤回できない。
- イ.承諾期間を定めた申込みでも、申込者は常に自由に撤回できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法523条1項は、承諾期間を定めた申込みについて、申込者が撤回権を留保した場合を除き、その期間中は撤回できないと定めるため。
民法第523条「承諾の期間を定めてした申込みは、撤回することができない。ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 承諾期間は相手が期限内に承諾できる状態を保障するため、撤回権の留保がないのに申込者が常に自由に撤回できるとはいえないため。
民法第523条「承諾の期間を定めてした申込みは、撤回することができない。」一次資料を確認
ひっかけ申込みは承諾前ならいつでも撤回できると一般化するのがひっかけ。承諾期間の有無と撤回権留保の表示を確認する。
解説承諾期間を定めた申込みは、その期間中は原則として撤回できない。ただし、申込者が撤回権を留保した場合は例外となる。
補足まず承諾期間が定められているかを確認し、次に申込者が撤回権を留保したかを見て523条1項の原則・例外へ当てはめる。
問24承諾期間経過による申込みの失効e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.申込者が承諾期間内に承諾通知を受けなかったとき、申込みは効力を失う。
- イ.承諾通知が期間後に到達しても、当初の申込みは当然に効力を維持する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法523条2項は、申込者が定めた承諾期間内に承諾通知を受けなかったとき、その申込みが効力を失うと定めているため。
民法第523条「申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 期間後に承諾が到達しても当初申込みは既に失効しており、遅延承諾を新たな申込みと扱う余地とは区別されるため。
民法第523条「同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。」一次資料を確認
ひっかけ遅延承諾を当然の承諾としない。
解説発信時ではなく通知を受けた時点を見る。
補足523条2項を確認する。
問25遅延承諾を新たな申込みとみなす権限e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。
- イ.遅延した承諾は常に無意味で、新たな申込みとして扱う余地はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法524条は遅れて到達した承諾について、申込者が新たな申込みとみなす選択を認めており、法的効果が常にゼロになるわけではないため。
民法第524条「申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 遅延承諾では当初の申込みどおり契約が成立しなくても、申込者の判断で新たな申込みとして扱えるため、常に無意味という断定は誤りであるため。
民法第524条「遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる。」一次資料を確認
ひっかけ遅れた承諾は無効だから何の効果も持ち得ないと考えるのがひっかけ。当初契約の成立と、新たな申込みとして扱う効果を区別する。
解説承諾が申込期間後に到達した場合、当初の申込みに対する適時の承諾とはならないが、申込者は民法524条により、その遅延承諾を新たな申込みとみなすことができる。
補足まず承諾が遅延したかを確認し、当初申込みへの承諾としての効果と、申込者が新規申込みとみなす選択を分けて検討する。
問26期間の定めのない申込みの撤回制限e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.承諾期間を定めない申込みは、原則として承諾通知を受けるのに相当な期間が経過するまで撤回できない。
- イ.申込者が撤回権を留保した場合にも、相当期間が経過するまで絶対に撤回できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法525条1項は、承諾期間の定めがない申込みでも、承諾通知を受けるのに相当な期間が経過するまでは原則撤回できないと定めるため。
民法第525条「承諾の期間を定めないでした申込みは、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同項は申込者が撤回権を留保した場合を例外としており、その表示があれば相当期間中も絶対に撤回できないとはいえないため。
民法第525条「ただし、申込者が撤回をする権利を留保したときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ期間を明記していないから申込者は自由、または相当期間中は例外なく撤回不能という両極端がひっかけ。
解説承諾期間を定めない申込みは即時撤回できるわけではなく、承諾通知を受けるのに相当な期間は原則として拘束される。ただし撤回権留保があれば例外である。
補足期間の定め、承諾に通常必要な時間、撤回権留保の有無を確認し、相当期間が経過したかを事案ごとに判断する。
問27対話中の申込みの撤回e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.対話者に対する申込みは、対話が継続している間、いつでも撤回できる。
- イ.対話者への申込みも、相当期間が経過するまで一切撤回できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法525条2項は、対話者に対する申込みについて、対話が続いている間は申込者がいつでも撤回できるという特則を置いているため。
民法第525条「対話者に対してした前項の申込みは、同項の規定にかかわらず、その対話が継続している間は、いつでも撤回することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 対話中の申込みには同項の即時的な撤回ルールがあり、隔地者への申込みと同じく相当期間中は一切撤回できないとはいえないため。
民法第525条「その対話が継続している間は、いつでも撤回することができる。」一次資料を確認
ひっかけ申込みは一定期間撤回できないという一般的な印象だけで処理し、対話中の特則を落とすのが誤り。申込期間を定めた場合など別の条件とも区別する。
解説対話者への申込みは、民法525条2項により対話が継続している間いつでも撤回できる。相手と即時に応答できる対話の場面と、通知に時間を要する隔地者の場面を分ける。
補足問題文で当事者が対話中か、対話が終了したか、申込者が別の意思を表示したかを確認し、525条の各項を対応させる。
問28対話終了時の申込みの失効e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.対話中に承諾通知を受けなければ、原則として対話終了時に申込みは効力を失う。
- イ.申込者が対話終了後も効力を失わない旨を表示していても、必ず失効する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法525条3項本文は、対話中に承諾通知を受けなかった申込みが原則として対話終了時に効力を失うと定めているため。
民法第525条「対話が継続している間に申込者が承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同項ただし書は申込者が対話終了後も効力を失わない旨を表示した場合を除いており、その表示があっても必ず失効するとはいえないため。
民法第525条「ただし、申込者が対話の終了後もその申込みが効力を失わない旨を表示したときは、この限りでない。」一次資料を確認
ひっかけ本文の原則だけを覚えて、対話終了後は例外なく失効すると断定するのがひっかけ。525条3項のただし書にある申込者の表示を確認する。
解説対話者への申込みは、対話中に承諾されなければ対話終了時に失効するのが原則である。ただし、申込者が終了後も効力を維持する旨を表示した場合は例外となる。
補足対話終了の有無、対話中の承諾通知の有無、終了後も効力を維持する表示の有無を順に確認して結論を出す。
問29申込者死亡後の申込みの効力e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.申込者が通知発信後に死亡しても、申込みが常に当然失効するわけではない。
- イ.相手方が承諾通知を発する前に申込者の死亡を知ったときは、申込みは効力を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 申込者が申込みの通知を発した後に死亡しても、申込みは当然には失効しない(民法526条)。例えば、売主が売却の申込みを出した後に亡くなっても、①申込者が「死亡したら申込みは無効」と表示していたか、②買主が承諾の通知を発するまでに死亡を知ったか、のどちらにも当たらなければ、申込みは有効なまま残る。
民法第526条「申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、又はその相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 相手方が承諾の通知を発するまでに申込者の死亡を知ったときは、申込みは効力を有しない(同条)。例えば、買主が承諾の通知を出す前に売主の死亡を知ったなら、その申込みに承諾しても契約は成立しない。
民法第526条「その相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。」一次資料を確認
ひっかけ死亡すれば申込みは必ず失効する、と思い込みやすい。失効するのは、申込者があらかじめ失効の意思を表示していたときと、相手方が承諾の通知を発するまでに死亡を知ったときの2つだけ。
解説申込者が申込みの通知を発した後に死亡し、意思能力を有しない常況にある者となり、又は行為能力の制限を受けた場合でも、申込みは当然には効力を失わない。効力を失うのは、①申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、②相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったとき、のいずれかである(民法526条)。
補足526条の対象は、死亡だけでなく、申込者が意思能力を有しない常況にある者となった場合と、行為能力の制限を受けた場合にも及ぶ。例えば、申込みの後に申込者が成年被後見人となっても、①②のどちらにも当たらなければ、申込みは有効に残る。
問30承諾通知不要時の契約成立e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取引慣習により承諾通知が不要な場合、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に契約が成立する。
- イ.承諾通知が不要な場合でも、書面が相手に到達するまで契約は成立しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法527条は、取引上の慣習により承諾通知を必要としない場合、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に契約が成立すると定めるため。
民法第527条「契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同条の場面では通知や書面の到達に代えて承諾相当の事実を成立時点とするため、書面到達を一律の必須条件にはしていないため。
民法第527条「承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立する。」一次資料を確認
ひっかけ契約は常に承諾通知が相手へ到達した時だけ成立すると考えるのが誤り。527条は通知不要の慣習がある特別な場面を扱っている。
解説取引慣習により承諾通知が不要な場合は、承諾の意思を客観的に示す事実があった時に契約が成立する。通知到達ではなく、商品の発送など承諾相当の行為の時点を見る。
補足通知不要となる取引慣習があるか、どの行為が承諾の意思表示と認められるか、その事実がいつ生じたかを順に確認する。
問31条件付き承諾の法的扱いe-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.申込みに条件を付けた承諾は、元の申込みの拒絶と新たな申込みをしたものとみなされる。
- イ.申込みに内容変更を加えても、常に元の申込みどおり契約が成立する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法528条は、申込みに条件を付けるなど変更を加えた承諾を、元の申込みの拒絶と同時に新たな申込みをしたものとみなすため。
民法第528条「その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 変更付きの回答は元の申込みへの無条件の承諾ではなく、相手方が新条件を承諾するまでは元の内容どおり契約が成立しないため。
民法第528条「承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす。」一次資料を確認
ひっかけ承諾という名称だけで成立と判断しない。
解説鏡像的な承諾か変更付きかを確認する。
補足528条を確認する。
問32懸賞広告を知らない行為者の報酬請求e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.懸賞広告の行為をした者は、広告を知らなかった場合でも報酬を受け得る。
- イ.広告を知らずに行為をした者には、懸賞広告者は報酬義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法529条は、指定された行為をした者が懸賞広告を知っていたかどうかにかかわらず、広告者が報酬を与える義務を負うと定めるため。
民法第529条「その行為をした者がその広告を知っていたかどうかにかかわらず、その者に対してその報酬を与える義務を負う。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 同条は広告を知っていたことを報酬請求の要件としておらず、知らずに指定行為をした者も一律に除外されるわけではないため。
民法第529条「その広告を知っていたかどうかにかかわらず」一次資料を確認
ひっかけ広告を見て動いた人だけが報酬を請求できると考えるのがひっかけ。民法529条は認識の有無にかかわらないことを明示している。
解説懸賞広告では、指定行為を完成した者が広告を認識していたか否かは報酬義務を左右しない。通常の申込みへの承諾という発想と区別する。
補足広告が指定した行為と報酬条件を確認し、行為の完成者を特定したうえで、広告を知った時期を不要な要件として加えない。
問33異なる方法による懸賞広告の撤回e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.懸賞広告は、前の広告と異なる方法によっても撤回できる。
- イ.異なる方法による撤回は、撤回を知った者に対してのみ効力を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 懸賞広告の撤回は、前の広告と異なる方法でもできる(民法530条2項本文)。例えば、新聞に懸賞広告を出した後、ウェブサイトで撤回を告知することも、方法としては認められる。
民法第530条「広告の撤回は、前の広告と異なる方法によっても、することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 異なる方法による撤回は、これを知った者に対してのみ効力を有する(同項ただし書)。例えば、ウェブサイトで撤回しても、それを見ていない人は撤回を知らないので、その人に対しては報酬を与える義務が残る。
民法第530条「ただし、その撤回は、これを知った者に対してのみ、その効力を有する。」一次資料を確認
ひっかけ撤回の方法が前の広告と同じか違うかで、効力の及ぶ範囲が変わる。同じ方法なら撤回を知らない者にも効力があり、違う方法なら知った者にしか効力がない。
解説前の広告と同一の方法による広告の撤回は、これを知らない者に対しても、その効力を有する(民法530条1項)。前の広告と異なる方法による撤回もできるが、その撤回は、これを知った者に対してのみ、その効力を有する(同条2項)。
補足懸賞広告者は、ある行為をした者がその広告を知っていたかどうかにかかわらず、その者に対して報酬を与える義務を負う(民法529条)。
問34懸賞広告の同時達成者e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人が同時に広告所定の行為をした場合、原則として各自が等しい割合で報酬を受ける。
- イ.報酬が分割に適しない場合でも、必ず物理的に等分しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法531条2項は、数人が同時に懸賞広告所定の行為を完成した場合、原則として各自が等しい割合で報酬を受けると定めているため。
民法第531条「数人が同時に前項の行為をした場合には、各自が等しい割合で報酬を受ける権利を有する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 報酬が性質上分割に適さない場合は抽選で受領者を定める例外があり、必ず現物を物理的に等分するわけではないため。
民法第531条「ただし、報酬がその性質上分割に適しないとき、又は広告において一人のみがこれを受けるものとしたときは、抽選でこれを受ける者を定める。」一次資料を確認
ひっかけ同時達成なら必ず現物を切り分けると考えるのがひっかけ。報酬の性質と、広告で別の方法を定めていないかを確認する。
解説懸賞広告の所定行為を数人が同時に完成した場合は、各自が等しい割合で報酬を受けるのが原則である。ただし、報酬が分割に適さなければ抽選で受領者を定める。
補足同時達成者の有無、報酬の分割可能性、広告上の別段の定めを順に確認し、原則等分か抽選かを判断する。
問35第三者のためにする契約の第三者未特定e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者のためにする契約は、成立時に第三者が現存しなくても、その効力を妨げられない。
- イ.成立時に第三者が特定していなければ、契約は当然無効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法537条2項は、第三者のためにする契約について、契約成立時に第三者が現存または特定していなくても契約の効力を妨げないと定めるため。
民法第537条「その成立の時に第三者が現に存しない場合又は第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 第三者未特定は契約そのものを当然無効にせず、契約成立と第三者が受益意思表示により権利を取得する段階は区別されるため。
民法第537条「第三者が特定していない場合であっても、そのためにその効力を妨げられない。」一次資料を確認
ひっかけ受益者がその場で氏名まで決まっていなければ契約無効と考えるのがひっかけ。将来生まれる者や後に特定される者を対象にできる。
解説第三者のためにする契約は、成立時に受益者がまだ存在せず、または特定していなくても有効に成立し得る。契約の効力と第三者の権利取得を分ける。
補足まず要約者と諾約者の契約成立を確認し、その後に第三者の特定と受益意思表示による権利取得を検討する。
問36第三者の権利発生時期e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者のためにする契約では、第三者が債務者へ利益享受の意思を表示した時に第三者の権利が発生する。
- イ.第三者の権利は、契約当事者が合意した瞬間に例外なく発生し、第三者の意思表示を要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法537条3項は、第三者が債務者へ契約利益を享受する意思を表示した時に、その第三者の権利が発生すると定めるため。
民法第537条「第三者の権利は、その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要約者と諾約者の契約成立だけでは第三者の権利発生時期にならず、第三者から債務者への受益意思表示を要するため。
民法第537条「その第三者が債務者に対して同項の契約の利益を享受する意思を表示した時に発生する。」一次資料を確認
ひっかけ契約当事者が合意した瞬間に、第三者の意思に関係なく権利が発生すると考えるのがひっかけ。意思表示の相手方も確認する。
解説第三者のためにする契約では、当事者間の契約成立と第三者の権利発生を分ける。第三者が債務者へ受益意思を表示した時に権利を取得する。
補足要約者・諾約者・第三者を特定し、契約成立後に第三者が諾約者へ受益意思を表示したか、その時点を確認する。
問37第三者の権利発生後の変更禁止e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の成立・解除等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者の権利が発生した後、契約当事者はその権利を変更・消滅させることができない。
- イ.第三者の権利発生後も、契約当事者だけの合意で自由に消滅させられる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法538条は、第三者の権利が発生した後は、契約当事者がその権利を変更または消滅させることができないと明記しているため。
民法第538条「前条の規定により第三者の権利が発生した後は、当事者は、これを変更し、又は消滅させることができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 第三者が取得した権利は契約当事者だけの合意では消滅させられず、受益者を除外して自由に処分できるという扱いは同条に反するため。
民法第538条「当事者は、これを変更し、又は消滅させることができない。」一次資料を確認
ひっかけ契約を結んだのは当事者二人だから、後でも二人の合意だけで第三者の権利を動かせると考えるのがひっかけである。
解説第三者のためにする契約では、第三者の権利発生前後を分ける。権利発生後は、要約者と諾約者だけでその権利を変更・消滅できない。
補足第三者の受益意思表示と権利発生時点を確認し、その後の変更合意が誰の権利へ影響するか、第三者を含めて検討する。
問38優等懸賞広告の応募期間要件e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.優等者だけに報酬を与える懸賞広告は、応募期間を定めた場合に限り効力を有する。
- イ.優等懸賞広告は応募期間を定めなくても常に有効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 応募期間の設定が効力要件である。
民法第532条「その広告は、応募の期間を定めたときに限り、その効力を有する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 期間なしでも常に有効ではない。
民法第532条「その広告は、応募の期間を定めたときに限り、その効力を有する。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説応募期間の設定が効力要件である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問39優等懸賞広告の判定者e-Gov等の一次資料で確認済み
優等懸賞広告(応募者のうち優等者にだけ報酬を与える懸賞広告)の判定に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.広告で判定をする者を定めなかった場合は、応募者全員の全会一致で優等者を判定する。
- イ.優等者の判定者を広告で定めなかったときは、懸賞広告者が判定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 応募者の全会一致を要しない。
民法第532条「広告中に判定をする者を定めなかったときは懸賞広告者が判定する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 判定者未指定時は広告者が判定する。
民法第532条「広告中に判定をする者を定めなかったときは懸賞広告者が判定する。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説判定者未指定時は広告者が判定する。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問40優等懸賞広告の判定への異議e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.応募者は、優等者についての判定に異議を述べることができない。
- イ.応募者は、理由を示さずいつでも判定を取り消せる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 優等者の判定に対して、応募者は異議を述べることができない(民法532条3項)。例えば、作品コンテストで審査員が決めた入賞者の判定に、応募者は異議を申し立てられない。
民法第532条「応募者は、前項の判定に対して異議を述べることができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 応募者に判定を取り消す権利を認める規定はない(同項)。応募者が、理由を示せばいつでも判定を取り消せるわけではない。例えば、入賞できなかった応募者が、判定の取消しを一方的に求めることはできない。
民法第532条「応募者は、前項の判定に対して異議を述べることができない。」一次資料を確認
ひっかけ判定を争えるのは誰か、が論点。応募者は判定に異議を述べられず、取り消すこともできない。
解説広告に定めた行為をした者が数人ある場合に、優等者のみに報酬を与えるべきときは、その広告は、応募の期間を定めたときに限り、効力を有する(民法532条1項)。優等かどうかは、広告中に定めた者が判定し、定めがなければ懸賞広告者が判定する(同条2項)。応募者は、この判定に対して異議を述べることができない(同条3項)。
補足優等者のみに報酬を与える懸賞広告は、応募の期間を定めたときに限り効力を有する(民法532条1項)。応募の期間の定めがなければ、そもそも広告が効力を有しない。
問41第三者権利発生後の契約解除e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.第三者の権利発生後も、契約相手方は第三者に知らせず自由に解除できる。
- イ.第三者の権利発生後に債務者が履行しない場合、契約相手方は第三者の承諾なく解除できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 当事者だけで自由に解除できない。
民法第538条「その第三者の承諾を得なければ、契約を解除することができない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 第三者の承諾が解除に必要である。
民法第538条「その第三者の承諾を得なければ、契約を解除することができない。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説第三者の承諾が解除に必要である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問42第三者契約における債務者の抗弁e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者は、契約に基づく抗弁を受益第三者に対抗できる。
- イ.受益第三者には、元の契約に基づく抗弁を一切対抗できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 契約に基づく抗弁の対抗が認められる。
民法第539条「債務者は、第五百三十七条第一項の契約に基づく抗弁をもって、その契約の利益を受ける第三者に対抗することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 第三者だけが常に無条件で保護されるわけではない。
民法第539条「債務者は、第五百三十七条第一項の契約に基づく抗弁をもって、その契約の利益を受ける第三者に対抗することができる。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説契約に基づく抗弁の対抗が認められる。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問43解除権行使の方法e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.解除権は、裁判所の確定判決がなければ一切行使できない。
- イ.解除権は、相手方への意思表示によって行使する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 確定判決を必須としていない。
民法第540条「その解除は、相手方に対する意思表示によってする。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 相手方への意思表示が行使方法である。
民法第540条「その解除は、相手方に対する意思表示によってする。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説相手方への意思表示が行使方法である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問44解除意思表示の撤回禁止e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相手方にした解除の意思表示は撤回できない。
- イ.解除の意思表示は、相手方の承諾なしにいつでも撤回できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 解除の意思表示は、撤回できない(民法540条2項)。例えば、売主に「契約を解除する」と通知した後で、やはり契約を続けたくなっても、その通知を一方的に取り消すことはできない。
民法第540条「前項の意思表示は、撤回することができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 相手方の承諾がなくても、いつでも撤回できるわけではない(同項)。気が変わっただけでは、解除の効力を戻せない。契約を続けたいときは、改めて相手方と合意することになる。
民法第540条「前項の意思表示は、撤回することができない。」一次資料を確認
ひっかけ解除の通知を出した後に気が変わっても、通知は撤回できない。契約を続けるなら、改めて合意が必要になる。
解説解除権の行使は、相手方に対する意思表示によってする(民法540条1項)。この意思表示は、撤回することができない(同条2項)。
補足解除の意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる(民法97条1項)。
問45全部履行不能時の無催告解除e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務全部が履行不能でも、必ず相当期間の催告をしなければ解除できない。
- イ.債務全部の履行が不能なら、債権者は催告なく直ちに解除できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 民法542条1項1号は債務全部の履行不能を無催告解除事由とするため、必ず相当期間を定めて催告しなければならないという記述は誤りであるため。
- イ.正しい
- 債務全部が履行不能なら、催告しても履行される余地がないため、債権者は相当期間の催告を経ず直ちに契約を解除できるため。
ひっかけ解除なら常に催告が必要、または履行が少し遅れただけでも全部履行不能と同じと考えるのがひっかけである。
解説解除は催告解除が原則だが、債務全部の履行不能では催告を要しない。履行を促す意味が残るかどうかで制度趣旨を理解する。
補足不能の対象が債務の全部か一部か、客観的に履行可能性が残るかを確認し、542条のどの無催告事由に当たるかを特定する。
問46全部履行拒絶時の無催告解除e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者が全部履行を拒絶する意思を明確に示したときは、催告なく解除できる。
- イ.履行拒絶が明確でも、無催告解除は一切認められない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 明確な全部拒絶は無催告解除事由である。
民法第542条「債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 無催告解除を否定できない。
民法第542条「債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説明確な全部拒絶は無催告解除事由である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問47定期行為の時期経過と無催告解除e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.履行時期が契約目的に不可欠でも、時期経過後に必ず再度同じ履行を待たなければならない。
- イ.特定時期の履行が契約目的に不可欠で、その時期を過ぎた場合は催告なく解除できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 時期を過ぎた後の再履行待ちは必須でない。
民法第542条「特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 定期行為の時期経過は無催告解除事由である。
民法第542条「特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、債務者が履行をしないでその時期を経過したとき。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説定期行為の時期経過は無催告解除事由である。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問48債権者帰責事由と解除制限e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるとき、債権者は解除できない。
- イ.不履行を債権者自身が生じさせても、債権者は常に解除できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 債権者帰責の場合は解除が制限される。
民法第543条「債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 自己の帰責事由を無視して解除できない。
民法第543条「債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説債権者帰責の場合は解除が制限される。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問49解除権の不可分的行使e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が数人でも、一人だけが一人だけに対して自由に契約全部を解除できる。
- イ.当事者の一方が数人なら、解除はその全員から又は全員に対して行う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 一部当事者間だけの全部解除としない。
民法第544条「契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみ、することができる。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 解除権は原則不可分的に行使する。
民法第544条「契約の解除は、その全員から又はその全員に対してのみ、することができる。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説解除権は原則不可分的に行使する。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問50解除後の金銭返還と利息e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.解除後に金銭を返還するときは、受領時から利息を付す。
- イ.解除後の金銭返還には、受領時から返還時まで一切利息を付さない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法545条2項は、解除に伴って金銭を返還するとき、受領した時から利息を付さなければならないと明記しているため。
民法第545条「金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 解除による原状回復は受領額だけの無利息返還ではなく、受領時からの利息も付すため、一切利息不要という記述は誤りとなるため。
民法第545条「金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説受領時から利息を付す必要がある。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問51解除と損害賠償請求の併存e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.契約を解除すると、損害賠償請求権は必ず消滅する。
- イ.解除権を行使しても、損害賠償請求は妨げられない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 解除だけで賠償請求が消滅するわけではない。
民法第545条「解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 解除と損害賠償請求は併存し得る。
民法第545条「解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説解除と損害賠償請求は併存し得る。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問52解除確答催告と解除権消滅e-Gov等の一次資料で確認済み
契約の解除・贈与等に関する次のア・イの正誤の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.解除権行使期間の定めがない場合、確答催告の期間内に解除通知がなければ解除権は消滅する。
- イ.確答催告を受けても回答しなければ、解除権は永久に存続する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 期間内に解除通知がなければ権利は消滅する。
民法第547条「その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 無回答で永久存続とはならない。
民法第547条「その期間内に解除の通知を受けないときは、解除権は、消滅する。」一次資料を確認
ひっかけ原則と例外、権利発生の前後を区別する。
解説期間内に解除通知がなければ権利は消滅する。
補足条文の主体・時点・効果を確認する。
問53不動産賃貸借の対抗力と賃貸人の修繕義務e-Gov等の一次資料で確認済み
賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.民法上、不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。
- イ.賃貸人は、賃借人の責めに帰すべき事由によって修繕が必要になった場合でも、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 賃借権は債権にすぎず、放っておくと不動産を買った新所有者に主張できない。登記をすれば、その後に物権を取得した者などの第三者にも対抗できる。
民法第605条「不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 修繕義務が生じるのは、修繕が必要になった原因が賃借人側にないとき。賃借人が壊した物の修理まで賃貸人に負担させる仕組みにはなっていない。
民法第606条「ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ賃貸人の修繕義務には、賃借人の帰責事由による例外がある。
解説賃貸人が負う修繕義務(民法606条1項本文)は、修繕が必要になった原因が賃借人の責めに帰すべき事由にあるときは生じない(同項ただし書)。借主が過失で壊した設備の修理費まで貸主が持つ、という結論にはならない。
補足民法605条の対抗要件は登記だが、建物の賃貸借には借地借家法31条の特則があり、登記がなくても建物の引渡しがあれば、その後に建物の物権を取得した者に対抗できる。
問54敷金の債務への充当と返還e-Gov等の一次資料で確認済み
敷金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借人は、賃料を支払わないまま賃貸借の期間中に、賃貸人に対し、預けている敷金をその賃料債務の弁済に充てるよう請求することができる。
- イ.賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 敷金は賃借人の債務を担保するために預けた金銭で、充当するかどうかは賃貸人の判断に委ねられている。賃借人が担保をあてに滞納を続ける形を認めないための規律。
民法第622条の2「この場合において、賃借人は、賃貸人に対し、敷金をその債務の弁済に充てることを請求することができない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 敷金の目的は賃借人の金銭債務の担保にあるため、賃料などの不払いがあれば、賃貸人は返還前でも敷金から回収できる。
民法第622条の2「賃貸人は、賃借人が賃貸借に基づいて生じた金銭の給付を目的とする債務を履行しないときは、敷金をその債務の弁済に充てることができる」一次資料を確認
ひっかけ充当できるのは賃貸人だけで、賃借人からは請求できない。
解説賃貸人は、賃借人が金銭債務を履行しないとき、敷金をその弁済に充てることができる(民法622条の2第2項前段)。賃借人が「敷金があるから今月分はそこから引いてほしい」と請求することはできない(同項後段)。
補足敷金の返還義務が生じるのは、賃貸借が終了し賃貸物の返還を受けたときと、賃借人が適法に賃借権を譲り渡したときの2つ(同条1項各号)。返す額は、受け取った敷金から賃借人の債務額を差し引いた残額。
問55請負の注文者による解除と担保責任の期間制限e-Gov等の一次資料で確認済み
請負契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。
- イ.注文者が仕事の目的物の種類又は品質に関する不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、請負人が引渡し時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかった場合を除き、注文者は、その不適合を理由として契約の解除をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる(民法641条)。例えば、家の建築の途中で注文者が事情により工事が不要になったときは、請負人の損害を賠償して契約を解除できる。仕事が完成した後は、この解除はできない。
民法第641条「請負人が仕事を完成しない間は、注文者は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 注文者が仕事の目的物の種類又は品質に関する不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない(民法637条1項)。起算点は、引渡しの時ではなく、不適合を知った時である。ただし、請負人が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この制限は適用されない(同条2項)。
民法第637条第1項「注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないときは、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない」一次資料を確認
民法第637条第2項「請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、適用しない」一次資料を確認
ひっかけ通知期間の起算点は「不適合を知った時」で、引渡し時ではない。
解説請負の担保責任の期間制限は、売買(民法566条)と同じく「知った時から1年以内の通知」という形をとる(637条1項)。請負人が引渡し時に不適合を知り、又は重大な過失で知らなかったときは、この期間制限は適用されない(同条2項)。
補足注文者の解除権(641条)は仕事の完成前に限られる。完成前に解除された場合、請負人が既にした仕事の可分な部分の給付で注文者が利益を受けるときは、その割合に応じた報酬を請求できる(634条2号)。
問56委任の解除と受任者の報酬請求e-Gov等の一次資料で確認済み
委任契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.委任は、やむを得ない事由があるときに限り、各当事者がその解除をすることができる。
- イ.受任者は、報酬を支払う旨の特約がなくても、委任者に対して報酬を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 委任の解除に「やむを得ない事由」は要らず、各当事者がいつでも解除できる(民法651条1項)。例えば、顧問を頼んだ相手の対応に不満があれば、理由を告げずに解除してかまわない。「やむを得ない事由」が出てくるのは、相手に不利な時期に解除したときの損害賠償を免れる事情としてである(同条2項)。
民法第651条第1項「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 受任者は、報酬の特約がなければ報酬を請求できない(民法648条1項)。例えば、知人に不動産売却の手続を頼み、報酬の約束をしなかったときは、知人は報酬を請求できない。受任者が商人で営業の範囲内で行為したときは、商法512条により相当な報酬を請求できる。
民法第648条第1項「受任者は、特約がなければ、委任者に対して報酬を請求することができない」一次資料を確認
ひっかけ「やむを得ない事由」は解除の条件ではなく、不利な時期の解除でも賠償を免れる事情。報酬は特約がなければもらえない。
解説委任は各当事者がいつでも解除でき(民法651条1項)、受任者が報酬を請求できるのは特約があるときに限られる(648条1項)。請負は仕事の結果に対して報酬を支払う約束が契約の中身そのものである(632条)のに対し、委任は法律行為をすることの委託(643条)で、報酬は特約があって初めて生じる。なお、委任でも事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払う特約を結ぶことはでき、成果の引渡しを要するときは引渡しと同時に支払う(648条の2第1項)。
補足いつでも解除できるといっても、相手方に不利な時期に解除したときは、やむを得ない事由がある場合を除き、相手方の損害を賠償しなければならない(651条2項1号)。また、商人がその営業の範囲内で他人のために行為をしたときは、特約がなくても相当な報酬を請求できる(商法512条)。ここでは民法上の委任の原則を問うているので、イは誤りとなる。
問57書面でする消費貸借の成立と借主の解除e-Gov等の一次資料で確認済み
金銭の消費貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。
- イ.書面でする消費貸借であっても、借主が貸主から金銭を受け取ったときに初めて、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約を解除できる(民法587条の2第2項)。例えば、借りる約束を書面でしたあと、お金が不要になった借主は、受け取る前なら契約をやめられる。
民法第587条の2第2項「書面でする消費貸借の借主は、貸主から金銭その他の物を受け取るまで、契約の解除をすることができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 受取りによって効力が生ずるのは、書面によらない消費貸借である(同法587条)。書面でする消費貸借は、金銭を渡す約束と、同じ種類・品質・数量の物を返す約束の合意によって効力が生ずる(587条の2第1項)。
民法第587条の2第1項「書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる」一次資料を確認
ひっかけ成立に受取りが要るのは、書面によらない消費貸借の場合。
解説消費貸借は、原則として借主が金銭その他の物を受け取ることで効力を生ずる(民法587条)。これに対し、書面でする消費貸借は、金銭を渡す約束と返す約束の合意だけで効力を生ずる(587条の2第1項)。
補足書面でする消費貸借は、その内容を記録した電磁的記録によってされた場合も、書面によってされたものとみなされる(587条の2第4項)。金銭を受け取る前に当事者の一方が破産手続開始の決定を受けたときは、契約は効力を失う(同条3項)。
問58定型約款の合意のみなしと不当条項の除外e-Gov等の一次資料で確認済み
定型約款に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.定型取引を行うことの合意をした者は、定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたときは、定型約款の個別の条項についても合意をしたものとみなされる。
- イ.定型約款の条項は、相手方の利益を一方的に害するものであっても、定型取引の合意をした以上、その全部について合意をしたものとみなされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 利用者が約款の全条項を読んでいなくても、定型約款を契約内容とする合意があれば、個々の条項に合意したものとして扱われる。大量の取引を画一的に処理できるようにするための規律。
民法第548条の2第1項「個別の条項についても合意をしたものとみなす」一次資料を確認
民法第548条の2第1項第1号「定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき」一次資料を確認
- イ.誤り
- みなし合意には歯止めがある。約款を作った側に一方的に有利な条項まで、読まれないまま契約内容になることを防ぐため、信義則に反する不当条項は合意の対象から外される。
民法第548条の2第2項「相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって、その定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念に照らして第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす」一次資料を確認
ひっかけみなし合意には例外がある。一方的に不利益な条項は対象外。
解説定型取引の合意をした者は、定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき等には、個別の条項についても合意をしたものとみなされる(民法548条の2第1項)。ただし、相手方の権利を制限し又は義務を加重する条項で、信義則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものは、合意をしなかったものとみなされる(同条2項)。
補足定型約款準備者があらかじめ定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたときも、みなし合意が成立する(548条の2第1項2号)。相手方が約款の内容に個別に同意しなくても、この表示があれば要件を満たす。
問59損害賠償の範囲(特別事情)と違約金の推定e-Gov等の一次資料で確認済み
債務不履行による損害賠償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特別の事情によって生じた損害は、当事者がその事情を予見すべきであったかどうかにかかわらず、債権者は、その賠償を請求することができる。
- イ.違約金は、賠償額の予定と推定される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 損害賠償の原則は、通常生ずべき損害の賠償(416条1項)。特別の事情によって生じた損害は、当事者がその事情を予見すべきであったことが、賠償を請求できる要件になる。
民法第416条第2項「特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 契約書に「違約金」と書かれていれば、原則として損害賠償の額をあらかじめ決めたものとして扱われる。実際の損害額を別に立証して請求する扱いにはならない。
民法第420条第3項「違約金は、賠償額の予定と推定する」一次資料を確認
ひっかけ特別損害の賠償には「予見すべきであった」という条件がある。
解説債務不履行に対する損害賠償は、通常生ずべき損害の賠償が目的(民法416条1項)。特別の事情によって生じた損害は、当事者がその事情を予見すべきであったときに、債権者が賠償を請求できる(同条2項)。当事者はあらかじめ損害賠償の額を予定でき(420条1項)、違約金は賠償額の予定と推定される(同条3項)。
補足賠償額の予定は、履行の請求や解除権の行使を妨げない(420条2項)。予定されるのは賠償の額であり、債務の履行を求める権利や契約を解除する権利は残る。
問60金銭債務の不履行の特則(損害の証明・不可抗力)e-Gov等の一次資料で確認済み
金銭の支払債務の不履行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.金銭の給付を目的とする債務の不履行による損害賠償について、債権者は、損害の証明をすることを要しない。
- イ.金銭の給付を目的とする債務の不履行による損害賠償について、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 金銭債務の不履行による損害賠償では、債権者は損害の証明を要しない(民法419条2項)。例えば、代金の支払が遅れたとき、債権者は、遅れた期間の遅延損害金を、損害を証明しなくても請求できる。
民法第419条第2項「前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 金銭債務の不履行では、債務者は不可抗力を抗弁にできない(同条3項)。例えば、天災で振込みが遅れた場合でも、支払が遅れた責任を免れない。
民法第419条第3項「第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない」一次資料を確認
ひっかけ金銭債務には、損害の証明も不可抗力の抗弁も要らない特則がある。
解説金銭の給付を目的とする債務の不履行では、損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率で定める(民法419条1項本文)。債権者は損害の証明が不要で(同条2項)、債務者は不可抗力を抗弁にできない(同条3項)。
補足約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による(419条1項ただし書)。遅延損害金の利率を契約で定めておけば、それが法定利率より高い限り、その利率が適用される。
問61不法行為による損害賠償請求権の消滅時効e-Gov等の一次資料で確認済み
不法行為による損害賠償請求権の消滅時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。人の生命又は身体を害する不法行為による場合は、この3年間が5年間となる。
- イ.不法行為の時から20年間行使しないときは時効によって消滅するが、被害者が損害及び加害者を知らなかった場合には、この20年の期間は適用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する(民法724条1号)。人の生命又は身体を害する不法行為では、この3年間が5年間となる(民法724条の2)。例えば、交通事故でけがをした被害者が、加害者を知った時から数えて、5年間請求しなければ、請求権は消滅する。
民法第724条第1号「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき」一次資料を確認
民法第724条の2「同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする」一次資料を確認
- イ.誤り
- 不法行為の時から20年間行使しないときも、時効によって消滅する(民法724条2号)。この20年は、不法行為の時から進み、被害者が損害や加害者を知っていたかどうかを要件にしていない。したがって、知らなかった場合にはこの20年の期間が適用されない、とする点が誤りである。
民法第724条第2号「不法行為の時から二十年間行使しないとき」一次資料を確認
ひっかけ3年は「知った時」から、20年は「不法行為の時」から数える。
解説不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間、又は不法行為の時から20年間行使しないと、時効によって消滅する(民法724条)。人の生命又は身体を害する不法行為では、前者が5年間になる(724条の2)。
補足債権の消滅時効の一般ルールは、民法166条1項に定められている(債権者が権利を行使することができることを知った時から5年、権利を行使することができる時から10年)。不法行為の時効は、この一般ルールとは別に、724条が定める。
問62共同不法行為者の連帯責任と教唆・幇助e-Gov等の一次資料で確認済み
共同不法行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行為者を教唆した者及び幇助した者は、共同行為者とはみなされないので、共同不法行為による損害賠償責任を負わない。
- イ.数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えた場合、共同行為者のうち、いずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 実行した者だけでなく、そそのかした者や手助けした者も、損害の発生に関与している。そのため共同行為者とみなして、連帯して責任を負わせる。
民法第719条第2項「共同行為者とみなして、前項の規定を適用する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 被害者が、誰の行為で損害が生じたかを立証できなくても救済されるようにするための規定。共同行為者の全員が連帯して責任を負う。
民法第719条第1項「数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。共同行為者のうちいずれの者がその損害を加えたかを知ることができないときも、同様とする」一次資料を確認
ひっかけ加害者が特定できなくても連帯責任。教唆・幇助した者も含まれる。
解説数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯して損害を賠償する責任を負う。いずれの者が損害を加えたかを知ることができないときも同様である(民法719条1項)。行為者を教唆した者や幇助した者も、共同行為者とみなされる(同条2項)。
補足各自が連帯して責任を負うため、被害者は、共同行為者の一人に対して、損害の全部又は一部の賠償を請求できる(連帯債務に関する民法436条)。
問63電子署名が行われた電磁的記録の真正な成立の推定e-Gov等の一次資料で確認済み
電子署名法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.電磁的記録であって情報を表すために作成されたものは、その記録された情報について、本人だけが行うことができる電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定される。
- イ.電子署名が行われている電磁的記録は、真正に成立したものと推定されるだけでなく、その記録された内容が真実であることまで推定される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く)は、その情報について、本人だけが行うことができる電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定される(電子署名法3条)。紙の文書で、本人の署名や押印があるときに真正な成立が推定されることに対応する規定である。
電子署名法第3条「が行われているときは、真正に成立したものと推定する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 推定されるのは、記録が真正に成立したこと(本人の意思に基づいて作成されたこと)であり、記録された内容が真実であることまでは推定されない。例えば、電子署名のある契約書データでも、記載された金額や事実が実際に正しいかどうかは、別に判断される。
電子署名法第3条「が行われているときは、真正に成立したものと推定する」一次資料を確認
ひっかけ推定されるのは「成立の真正」だけで、内容の真実性ではない。
解説電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く)は、その情報について、本人だけが行うことができる電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定される(電子署名法3条)。
補足この規定の対象になるのは、本人による電子署名のうち、必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限られる(3条かっこ書)。
問64贈与の成立と書面によらない贈与の解除e-Gov等の一次資料で確認済み
贈与契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
- イ.書面によらない贈与は、履行の終わった部分についても、各当事者が解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 贈与は、財産を渡す前の、与える意思の表示と受諾の合意だけで成立する。財産の引渡しは成立の要件になっていない。
民法第549条「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 書面によらない贈与は、原則として各当事者が解除できる。ただし、すでに履行が終わった部分については、解除することができない。
民法第550条「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ書面によらない贈与は解除できるが、履行済みの部分は別。
解説贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって、その効力を生ずる(民法549条)。書面によらない贈与は、各当事者が解除できるが、履行の終わった部分については解除できない(550条)。
補足贈与は無償の契約なので、書面で贈与を約束した場合と、書面によらない場合とで、解除できるかどうかが分かれる。
問65使用貸借の無償性と借主の死亡による終了e-Gov等の一次資料で確認済み
使用貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用貸借は、借主が貸主に賃料を支払うことを約して、物を使用及び収益することによって成立する契約である。
- イ.使用貸借は、借主の死亡によって終了する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 賃料を支払う約束で物を使わせる契約は賃貸借である。使用貸借は、無償で使用・収益し、契約が終わったら返す契約(民法593条)。例えば、友人から無料で自転車を借りるのが使用貸借、毎月の賃料を払って部屋を借りるのが賃貸借。
民法第593条「相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 使用貸借は、借主の死亡によって終了する(民法597条3項)。例えば、友人から無料で車を借りていた借主が死亡すると、契約は終わり、借主の地位は相続人に引き継がれない。
民法第597条第3項「使用貸借は、借主の死亡によって終了する」一次資料を確認
ひっかけ使用貸借は無償。賃貸借とは違い、借主の死亡で終わる。
解説使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして、契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる(民法593条)。当事者が期間を定めたときは、その期間の満了によって終了し、使用及び収益の目的を定めたときは、目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。借主の死亡によっても終了する(597条)。
補足賃貸借は、賃料の支払を約して成立する(民法601条)。使用貸借と賃貸借は、賃料の有無で区別される。
問66買主の代金減額請求権e-Gov等の一次資料で確認済み
買主の代金減額請求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
- イ.履行の追完が不能であるときは、買主は、履行の追完の催告をしなければ、代金の減額を請求することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 代金減額請求は、原則として追完の催告が前提になる。
民法第563条第1項「買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 追完不能、売主の拒絶、定期行為、追完の見込みがないことが明らかなときは、催告が要らない。
民法第563条第2項第1号「履行の追完が不能であるとき」一次資料を確認
ひっかけ代金減額請求は「まず催告」が原則。ただし追完が不能なら催告は不要になる。
解説買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる(民法563条1項)。履行の追完が不能であるとき、売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したときなどは、催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる(同条2項)。
補足契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は代金の減額を請求することができない(民法563条3項)。
問67契約不適合責任の通知期間e-Gov等の一次資料で確認済み
契約不適合責任の通知期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.売主が引渡しの時に目的物の種類又は品質の不適合を知っていたときであっても、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、買主は、不適合を理由とする請求をすることができない。
- イ.買主が種類又は品質に関する不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 通知期間の制限は、不適合を知っていた売主までは守らない。
民法第566条ただし書「売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 制限されるのは4つの権利すべて。「1年以内に訴える」のではなく「1年以内に通知する」。
民法第566条「買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない」一次資料を確認
ひっかけ1年の通知期間は、売主が不適合を知っていた(重過失を含む)場合には使えない。
解説売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない(民法566条)。
補足この期間制限は、種類又は品質に関する不適合だけを対象にしている。数量や権利の不適合には、この条文の1年の通知期間は適用されない。
問68賃借権の譲渡・転貸の制限e-Gov等の一次資料で確認済み
賃借権の譲渡・転貸の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
- イ.賃借人が賃貸人の承諾を得ないで第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 賃貸人の承諾がない譲渡・転貸は、原則として認められない。
民法第612条第1項「賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 解除できるのは「第三者に使用又は収益をさせたとき」で、承諾を得ていない契約を結んだだけでは足りない。
民法第612条第2項「賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる」一次資料を確認
ひっかけ承諾のない譲渡・転貸で解除できるのは、第三者に実際に使用・収益をさせたときから。
解説賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない(民法612条1項)。賃借人がこれに違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる(同条2項)。
補足賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は、賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負う(民法613条1項)。
問69受任者の注意義務と費用の償還請求e-Gov等の一次資料で確認済み
受任者の注意義務と費用の償還請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
- イ.無償の委任の受任者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、委任事務を処理すれば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 報酬の有無にかかわらず、条文は受任者に善管注意義務を課している。
民法第644条「受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」一次資料を確認
- イ.誤り
- 「自己の財産に対するのと同一の注意」で足りるのは、無償の寄託の受寄者など別の場面(民法659条)。
民法第644条「善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」一次資料を確認
ひっかけ委任の注意義務は、無償でも軽くならない。
解説受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う(民法644条)。無償の委任でも、この義務は変わらない。なお、受任者が委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者に対し、その費用及び支出の日以後におけるその利息の償還を請求することができる(同法650条1項)。
補足無償の寄託の受寄者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって寄託物を保管する義務を負う(民法659条)。委任と混同しやすい。
問70財産以外の損害の賠償と責任無能力者の監督義務者e-Gov等の一次資料で確認済み
財産以外の損害の賠償と責任無能力者の監督義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の財産権を侵害した場合には、不法行為による損害賠償の責任を負う者であっても、財産以外の損害に対する賠償はしなくてよい。
- イ.責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その義務を怠らなかったときは、責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 710条は、侵害された対象が何かによって財産以外の損害の賠償を区別していない。
民法第710条「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 責任無能力者本人が責任を負わない場合に、監督義務者が代わって責任を負う仕組み。
民法第714条第1項「監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ精神的損害の賠償は、侵害された対象が身体か財産かで区別されない。
解説他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない(民法710条)。責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、監督義務を怠らなかったときなどを除き、責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う(同法714条1項)。
補足未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない(民法712条)。
問71土地の工作物責任(占有者と所有者)e-Gov等の一次資料で確認済み
土地の工作物責任(占有者と所有者)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の所有者が、占有者より先に、被害者に対して損害を賠償する責任を負う。
- イ.土地の工作物の所有者は、損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、その損害を賠償する責任を免れる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 占有者が必要な注意をしたときに、はじめて所有者が責任を負う。
民法第717条第1項「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う」一次資料を確認
- イ.誤り
- 免責されうるのは占有者だけ。占有者が免責されると、所有者が責任を負う。
民法第717条第1項ただし書「占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ工作物責任の順番は「占有者が先、所有者は後」。免責できるのは占有者だけ。
解説土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない(民法717条1項)。
補足損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる(民法717条3項)。
問72事務管理の管理方法と悪意の受益者の返還義務e-Gov等の一次資料で確認済み
事務管理の管理方法と悪意の受益者の返還義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理をしなければならない。
- イ.悪意の受益者は、法律上の原因なく受けた利益のうち、現に利益の存する限度においてのみ、これを返還すれば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 本人の意思を知っているか推知できるときは、その意思に従う(697条2項)。
民法第697条第1項「義務なく他人のために事務の管理を始めた者」一次資料を確認
- イ.誤り
- 善意の受益者は「利益の存する限度」、悪意の受益者は「受けた利益+利息+損害賠償」と整理する。
民法第704条「悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ不当利得の返還の範囲は、善意なら「利益の存する限度」、悪意ならそれより重くなる。
解説義務なく他人のために事務の管理を始めた者は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理をしなければならない(民法697条1項)。法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(受益者)は、その利益の存する限度において返還する義務を負う(同法703条)。悪意の受益者は、その受けた利益に利息を付して返還しなければならない(同法704条)。
補足事務管理と不当利得は、契約によらずに生じる債権債務(法定債権)の一種で、不法行為とあわせて民法の第3編第3章から第5章に置かれている。
問73賃借人の原状回復義務e-Gov等の一次資料で確認済み
賃借人の原状回復義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。
- イ.賃借物に生じた損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃借人は、その損傷を原状に復する義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 原状回復の対象は「損傷」で、通常損耗と経年変化は含まれない。
民法第621条「賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷」一次資料を確認
- イ.正しい
- 地震や火災などで賃借人に落ち度なく生じた損傷が典型例。
民法第621条ただし書「その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ原状回復義務の範囲は「損傷」に限られ、通常損耗・経年変化と帰責事由のない損傷は外れる。
解説賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない(民法621条)。
補足賃貸借が終了し、賃貸借の目的物の返還を受けたときは、賃貸人は、敷金から賃借人の債務の額を控除した残額を返還しなければならない(民法622条の2第1項1号)。