問1意思表示(心裡留保)
心裡留保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.表意者が真意ではないことを知ってした意思表示は、原則としてその効力を妨げられない。
- イ.相手方が、その意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときであっても、その意思表示は有効である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
心裡留保は、原則そのまま有効です。
心裡留保とは、表意者がわざと本心と違う表示をすること(冗談など)。表示を信頼した相手方を守るため、心裡留保は原則として有効とされる(民法93条1項本文)。例外として、相手方が「本心ではない」と知っていたか、知ることができた(悪意・有過失)ときは、保護に値しないので無効となる(同項ただし書)。さらにその無効は善意の第三者には対抗できない(同条2項)。「原則有効/相手が見抜けたときだけ無効」が核心。
問2意思表示(虚偽表示)
通謀虚偽表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効である。
- イ.通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対しても対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
無効でも、善意の第三者には主張できません。
虚偽表示は、相手方と通謀してわざと虚偽の外観を作ること(仮装売買など)。当事者間には本心がないので無効(民法94条1項)。しかしその外観を信頼して取引に入った善意の第三者を保護するため、無効を善意の第三者に対抗できない(同条2項)。つまり当事者間では無効でも、善意の第三者との関係では有効として扱われうる。「当事者間=無効/善意の第三者には対抗不可」の二段構えで理解する。
問3意思表示(錯誤)
錯誤による意思表示に関する次のアからエまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.錯誤による意思表示は、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
- イ.錯誤による意思表示は、現行民法のもとでも当然に無効である。
- ウ.錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合、いかなる場合でも取り消すことができる。
- エ.錯誤が重要なものでなくても、表意者はいつでも取り消すことができる。
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正解:ア
錯誤は今は「無効」ではなく「取消し」です。
錯誤は、表示に対応する意思を欠く(言い間違い等)か、前提事情の認識が真実に反する(動機の錯誤)こと。2020年施行の改正で、錯誤の効果は「無効」から「取り消すことができる」に変わった。取消しの要件は、その錯誤が法律行為の目的・取引通念に照らして「重要」であること(民法95条1項)。ただし表意者に重大な過失があるときは原則取り消せない(同条3項。相手方が悪意・重過失のとき等の例外あり)。「今は取消し/重要性が要件/重過失は原則不可」を押さえる。
問4意思表示(詐欺・強迫)
詐欺又は強迫による意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
- イ.強迫による意思表示の取消しも、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
詐欺は第三者に弱く、強迫は第三者に強い。
だまされた(詐欺)・脅された(強迫)意思表示は取り消せる(民法96条1項)。両者の差は第三者保護に表れる。詐欺取消しは、善意でかつ過失がない第三者には対抗できない(同条3項)。だまされた側にも不注意があるからだ。これに対し強迫取消しは、善意無過失の第三者にも対抗できる。脅された被害者にはそこまでの落ち度がなく、より手厚く保護されるためである。「詐欺は第三者に弱く、強迫は第三者に強い」と覚える。
問5代理(無権代理)
無権代理に関する次のアからエまでの記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理権を有しない者が本人の代理人としてした契約は、本人が追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
- イ.無権代理行為は、本人が追認をしても、本人に対して効力を生じることはない。
- ウ.無権代理行為は、本人の追認がなくても、当然に本人に効力が帰属する。
- エ.本人の追認は、相手方に対してしなければ、相手方がその事実を知った場合であっても一切対抗することができない。
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正解:ア
無権代理も、本人が追認すれば有効になります。
代理権のない者がした代理行為(無権代理)は、本人が追認しなければ本人に効力を生じない(民法113条1項)。逆に本人が追認すれば、はじめから代理権があったのと同様に効果が本人に帰属する。「常に無効・効力ゼロ」ではなく、効力は本人の追認しだいで宙ぶらりんという点が要。追認・追認拒絶は相手方にしなければ相手方に対抗できないが、相手方がその事実を知ったときは対抗できる(同条2項)。
問6意思表示の効力発生時期(到達主義)
意思表示の効力発生時期について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生ずる。
- イ.表意者が通知を発した後に死亡した場合、その意思表示は当然に効力を失う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 発信後の死亡でも効力は妨げられない(97条3項)(根拠:民法97条3項)
意思表示は届いた時に効力。発信後に死亡しても効力は残ります。
隔地者間の意思表示は、相手方に到達した時に効力を生じる(到達主義。民法97条1項)。発信した時ではない点に注意。相手が正当な理由なく到達を妨げたときは、通常到達すべきであった時に到達したものとみなされる(同条2項)。また、表意者が発信後に死亡し、意思能力を失い、または行為能力の制限を受けても、意思表示の効力は妨げられない(同条3項)。「到達で効力/発信後の死亡等でも効力は残る」を押さえる。
問7同時履行の抗弁権
同時履行の抗弁権について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。
- イ.相手方の債務が弁済期にないときであっても、同時履行の抗弁権を行使できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 相手方の債務が弁済期にないときは行使できない(533条ただし書)(根拠:民法533条ただし書)
相手が先に履行すべき(弁済期前)の場合は、同時履行の抗弁を使えません。
売買のような双務契約では当事者は対等で、自分だけ先に履行させられるのは不公平。そこで相手が履行を提供するまで自分の履行を拒める同時履行の抗弁権が認められる(民法533条本文)。これは履行を拒める「抗弁」であって、契約を消す効果はない。ただし、相手の債務がまだ弁済期にない(自分が先に履行すべき関係にある)場合は使えない(同条ただし書)。「双務契約で、互いの債務が同時に履行されるべき関係」が前提。
問8危険負担
危険負担について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者双方の責めに帰することができない事由で債務を履行できなくなったとき、債権者は反対給付の履行を拒むことができる。
- イ.債権者の責めに帰すべき事由で債務を履行できなくなったときも、債権者は反対給付の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 債権者の帰責事由のときは拒めない(536条2項)(根拠:民法536条2項)
履行不能が債権者のせいのときは、反対給付(代金など)を拒めません。
契約成立後に、双方の責めでない事由で一方の債務が履行不能になったとき、誰がその損失を負うか(危険負担)の問題。改正民法は、債権者は反対給付(代金など)の履行を拒める(民法536条1項)として処理する。例外として、履行不能が債権者自身の責めによるときは反対給付を拒めない(同条2項。ただし債務者は免れた利益を償還する)。「双方無責なら反対給付を拒める/債権者の責めなら拒めない」が軸。
問9債務不履行による損害賠償
債務不履行による損害賠償について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者が債務の本旨に従った履行をしないとき、債権者はこれによって生じた損害の賠償を請求できる。
- イ.債務不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであっても、債権者は損害賠償を請求できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
債務者に責めがない事由のときは、損害賠償を請求できません。
債務者が本旨に従った履行をしない(履行遅滞・不完全履行・履行不能)とき、債権者はこれによって生じた損害の賠償を請求できる(民法415条1項本文)。ただし、その不履行が契約や取引通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるときは請求できない(同項ただし書)。つまり帰責事由が要件。さらに履行不能や履行拒絶など一定の場合には、本来の履行に代わる損害賠償(填補賠償)も請求できる(同条2項)。「不履行+帰責事由で損害賠償」が基本形。
問10契約の解除(催告による解除)
催告による契約の解除について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方が債務を履行しない場合、相手方が相当の期間を定めて催告し、その期間内に履行がないときは、契約を解除できる。
- イ.催告期間を経過した時の債務の不履行が軽微であっても、相手方は契約を解除できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
不履行が軽微なときは、催告しても解除できません。
相手が債務を履行しないとき、いきなり解除はできず、まず相当の期間を定めて履行を催告し、それでも履行がなければ契約を解除できる(催告解除。民法541条本文)。相手に最後の機会を与える趣旨である。ただし、その期間が経過した時の不履行が契約・取引通念に照らして「軽微」であれば、解除という重い効果は認められない(同条ただし書)。「催告→なお不履行→解除/ただし軽微なら不可」という流れを押さえる。
問11解除の効果(原状回復義務)
契約解除の効果について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者の一方が解除権を行使したときは、各当事者はその相手方を原状に復させる義務を負う。
- イ.解除による原状回復は、解除前に現れた第三者の権利を害してでも主張できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
原状回復は、解除前に現れた第三者の権利を害せません。
契約が解除されると、各当事者は相手を契約前の状態に戻す原状回復義務を負う(民法545条1項本文。受領した物・金銭は利息や果実を付して返す)。ただし、解除前に現れた第三者の権利を害することはできない(同項ただし書)。解除を前提としない第三者を保護するためである。また、解除をしても損害賠償の請求は妨げられない(同条4項)。「原状回復/第三者は害せない/賠償は別に請求可」の3点で整理する。
問12手付(解約手付)
手付による解除について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.買主が手付を交付したとき、相手方が契約の履行に着手する前であれば、買主は手付を放棄して契約を解除できる。
- イ.相手方が契約の履行に着手した後でも、手付による解除をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
相手が履行に着手した後は、手付による解除はできません。
売買で買主が交付する手付には、特約がなくても解約手付の性質が推定される。すなわち、相手が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄し、売主は手付の倍額を現実に提供して、契約を解除できる(民法557条1項本文)。相手が履行に着手した後は、その期待を保護するため手付解除はできない(同項ただし書)。「相手の着手前なら手付で解除/着手後は不可」が要点。
問13売買の契約不適合責任(追完請求)
売買の契約不適合責任について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しないとき、買主は履行の追完を請求できる。
- イ.契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであっても、買主は履行の追完を請求できる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 買主の帰責事由のときは追完請求できない(562条2項)(根拠:民法562条2項)
不適合が買主のせいのときは、追完を請求できません。
引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約の内容に適合しないとき(契約不適合)、買主はまず履行の追完(修補・代替物の引渡し・不足分の引渡し)を請求できる(民法562条1項本文)。これは旧法の瑕疵担保責任を、債務不履行責任の枠組みに整理し直したもの。ただし、その不適合が買主自身の責めによるときは追完請求できない(同条2項)。追完のほか代金減額・損害賠償・解除も問題となるが、まず追完が原則的な救済手段である。
問14不法行為による損害賠償
一般の不法行為について、次のアからエまでのうち最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
- イ.不法行為が成立するには加害者の故意が必要で、過失だけでは責任を負わない。
- ウ.現実に損害が発生していなくても、権利侵害があれば不法行為が成立する。
- エ.権利侵害がなければ、法律上保護される利益の侵害があっても不法行為は成立しない。
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正解:ア
- ウ.誤り
- 「これによって生じた損害」=損害の発生が要件(根拠:民法709条)
- エ.誤り
- 「権利又は法律上保護される利益」=利益侵害でも成立(根拠:民法709条)
不法行為は「過失」でも成立し、損害の発生が必要です。
故意または過失によって他人の権利・法律上保護される利益を侵害し、損害を生じさせた者は、その損害を賠償する責任を負う(民法709条)。要件は、①故意または過失、②権利・利益の侵害、③損害の発生、④因果関係の4つ。過失でも足り、保護の対象は「権利」に限らず法律上保護される利益も含む点に注意。損害が現実に発生していることも必要。各要件を一つずつ確認するのが判断のコツ。
問15使用者責任
使用者責任について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
- イ.使用者は、被用者の選任及び事業の監督について相当の注意をしたことを証明しても、使用者責任を免れない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
使用者は、選任・監督に相当の注意をしたことを証明すれば免責されます。
被用者が事業の執行について第三者に損害を加えたとき、被害者保護と報償責任(利益を得る者が損失も負うべき)の趣旨から、使用者も賠償責任を負う(民法715条1項本文)。ただし、使用者が選任・監督について相当の注意をしたとき、または相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは免責される(同項ただし書。もっとも実務上、免責はそう簡単には認められない)。なお使用者は被用者に求償できる(同条3項)。「原則責任/相当の注意で免責の余地」を押さえる。
問16代理行為の効力(顕名)
代理について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
- イ.代理人は本人のためにすることを示す必要はなく、権限内であれば当然に本人に効力が生じる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 顕名による効果帰属(民法99条1項)(根拠:民法99条1項)
- イ.誤り
- 本人に効力が及ぶには顕名が必要(99条1項)(根拠:民法99条1項)
代理の効果が本人に及ぶには「顕名」が必要です。
代理の効果が本人に帰属するには、代理人が「本人のためにすること」を示して意思表示すること(顕名)が必要(民法99条1項)。顕名があってはじめて、相手方は本人と取引していると認識できる。顕名がない場合は、原則として代理人自身がした行為とみなされる。代理権の範囲内であることも前提となる。「権限内+顕名→本人に直接効力」が基本形。
問17代理人の行為能力
代理人の行為能力について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。
- イ.制限行為能力者は代理人になることができず、その代理行為はすべて取り消すことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- イ.誤り
- 制限行為能力者も代理人になれ、行為能力の制限では取り消せない(102条)(根拠:民法102条本文)
制限行為能力者でも代理人になれ、その行為は取り消せません。
代理人がした行為の効果は本人に帰属し、代理人自身が不利益を負うわけではない。そのため代理人に行為能力は不要で、制限行為能力者が代理人としてした行為も、行為能力の制限を理由には取り消せない(民法102条本文)。能力に不安のある者をあえて代理人に選んだ以上、そのリスクは本人が負うべきという趣旨である。ただし制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為は例外(同条ただし書)。
問18自己契約・双方代理
自己契約・双方代理について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一の法律行為について当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなされる。
- イ.債務の履行や本人があらかじめ許諾した行為であっても、双方代理は無権代理とみなされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
債務の履行や本人の許諾があれば、双方代理でも無権代理になりません。
同一の取引で、相手方の代理人になったり(自己契約)、当事者双方の代理人を兼ねたり(双方代理)すると、一方に有利・他方に不利という利益相反が生じうる。そこでこれらは原則として無権代理(代理権を有しない者がした行為)とみなされる(民法108条1項本文)。ただし、すでに内容の確定した債務の履行や、本人があらかじめ許諾した行為は利益相反のおそれがないため例外(同項ただし書)。利益相反行為一般も無権代理とみなされる(同条2項)。
問19表見代理
表見代理について、次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.代理人が権限外の行為をした場合に、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、表見代理が成立する。
- イ.代理権の消滅後にその範囲内でした行為について、第三者が過失によって消滅の事実を知らなかったときでも、本人は責任を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 権限外の行為の表見代理(民法110条)(根拠:民法110条)
表見代理でも、第三者に過失があれば本人は責任を負いません。
無権代理でも、本人に帰責性があり、相手方が代理権を信じてもやむを得ない外観があるときは、取引の安全のため本人に効果を帰属させる(表見代理)。本問は二類型を扱う。代理人が権限外の行為をしても、第三者に代理人の権限があると信ずべき正当な理由があれば成立する(民法110条)。代理権の消滅後の行為では、消滅を知らなかった第三者を保護するが、第三者が過失によって消滅を知らなかったときは保護されない(民法112条1項ただし書)。「本人の帰責+相手方の正当な信頼」が表見代理に共通する柱。