問1物権変動の対抗要件(不動産・動産)e-Gov等の一次資料で確認済み
Aが自己の財産を他人に譲渡した場合の対抗要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.Aが所有する土地をBに売却した場合、Bは登記をしなければ、その土地の所有権の取得を第三者に対抗することができない。
- イ.Aが所有する機械(動産)をCに譲渡した場合、引渡しがなくても、Cはその所有権の取得を第三者に対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 不動産の対抗要件は登記 → 登記なし → 第三者に対抗不可
民法第177条「その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 動産の対抗要件は引渡し → 引渡しなし → 対抗不可(記述は誤り)
民法第178条「動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。」一次資料を確認
ひっかけ契約で所有権が移っても、第三者に主張するには対抗要件が要る。動産なら引渡しが必要。
解説契約で当事者間の所有権が移っても、それを契約当事者以外の第三者に主張するには対抗要件が要る。対抗要件は対象で異なり、不動産は登記(民法177条)、動産は引渡し(民法178条)である。アの土地は不動産だから、買主Bは登記を備えなければ、たとえば同じ土地を二重に買った別の第三者に所有権を対抗できない。これは正しい。イの機械は動産だから対抗要件は引渡しで、引渡しがなければ第三者に対抗できない。「引渡しがなくても対抗できる」とする点が誤り。横から現れた第三者に勝てるかは、登記か引渡しかという対抗要件の有無で決まる。
補足動産でも、自動車・船舶・建設機械など登録制度のあるものは登記・登録が対抗要件になり、178条の「引渡し」は適用されない。
問2即時取得e-Gov等の一次資料で確認済み
動産の即時取得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.即時取得の制度は、動産だけでなく、不動産の取引についても適用される。
- イ.取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 即時取得の対象は動産のみ → 不動産には適用されない
- イ.正しい
- 192条の要件をすべて満たす → 即時に権利を取得する(正しい)
民法第192条「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。」一次資料を確認
ひっかけ即時取得が守るのは取引で動産を手に入れた人だけで、不動産には出てこない。
解説即時取得(善意取得)は、本当は無権利者から動産を買ってしまった人でも、取引の安全のために保護する制度である。要件は民法192条のとおり、(1)取引行為によること、(2)平穏かつ公然と、(3)動産の占有を始めたこと、(4)善意、(5)無過失で、これらをすべて満たすと即時にその動産について権利を取得する。イは192条の要件をそのまま述べており正しい。核心は対象が動産に限られる点で、不動産は登記を見れば権利者が分かり占有を信頼した人を特別に保護する必要がない。だからアの「不動産にも適用」は誤りで、不動産が出てきたら即時取得ではなく登記(177条)で考える。
補足ただし占有物が盗品・遺失物のときは例外で、被害者・遺失者は盗難・遺失の時から2年間、占有者に回復を請求できる(193条)。
問3留置権e-Gov等の一次資料で確認済み
留置権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。
- イ.占有が不法行為によって始まった場合であっても、占有者はその物について留置権を行使することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 留置権の原則(295条1項本文)どおり → 正しい
民法第295条第1項「他人の物の占有者は、その物に関して生じた債権を有するときは、その債権の弁済を受けるまで、その物を留置することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 295条2項で適用除外 → 留置権を行使できない(記述は誤り)
民法第295条第2項「占有が不法行為によって始まった場合には、適用しない。」一次資料を確認
ひっかけ未払いの債権があって物を持っていても、その占有が盗品のように不法行為で始まっていれば留置権は使えない。
解説他人の物を占有している人が、その物に関して生じた債権を持っているとき、支払を受けるまでその物を手元に留めておける。これが留置権で(民法295条1項)、修理した時計を修理代の支払があるまで返さない、という場面が典型である。手元に物を置くこと自体が、相手に支払を促す圧力になる。ただし占有の始まりが不法行為による場合には留置権は認められない(同条2項)。盗んだ物のように、保護に値しない占有まで強い権利で守る理由はないからである。本問のアは295条1項本文そのままで正しい。イは『不法行為で始まった占有でも行使できる』とするが、これは2項が真正面から否定する場面なので誤り。占有が始まった経緯が正当か否かが、アとイの分かれ目になっている。
補足留置権は債権の一部弁済では消えない。残債が少しでもあれば留置物の全部について行使できる(不可分性。民法296条)。
問4質権e-Gov等の一次資料で確認済み
質権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.質権者は、質物を占有していても、その質物について他の債権者に優先して自己の債権の弁済を受ける権利を有しない。
- イ.質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 342条は優先弁済権を認めている → 『有しない』は誤り
民法第342条「その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 344条のとおり質権は要物契約 → 引渡しで成立(正しい)
民法第344条「質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる。」一次資料を確認
ひっかけ質権者は質物を占有しているだけでなく、その物から他の債権者に先んじて回収できる。優先弁済権を否定するアが誤り。
解説借金の担保として受け取った物を債権者(質権者)が占有し、弁済がなければその物から他の債権者に優先して回収できる。これが質権で、優先弁済権を定めるのが民法342条である。質屋に品物を預けて金を借りる場面が典型で、債権者が現物を手元に置く点が、占有を移さない抵当権と異なる。もう一つの柱が成立要件で、質権の設定は目的物を実際に引き渡して初めて効力を生じる要物契約である(344条)。合意だけでは足りず、引渡しが要る。本問のアは優先弁済権を『有しない』とする点が342条に反して誤り。イは引渡しで効力を生じるという344条どおりで正しい。アの誤りは、質権の存在意義そのものである優先弁済権を否定している点にある。
補足質権者が弁済期前にあらかじめ『払えなければ質物の所有権をもらう』と約す流質契約は禁止されている(民法349条)。
問5抵当権の内容e-Gov等の一次資料で確認済み
抵当権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
- イ.地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 369条1項どおり抵当権は非占有担保+優先弁済権 → 正しい
民法第369条第1項「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 369条2項で明文上認められている → 正しい
民法第369条第2項「地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。」一次資料を確認
ひっかけ抵当権は占有を移さない非占有担保で、対象は不動産だけでなく地上権・永小作権にも及ぶ。アもイも条文どおり。
解説不動産などを担保にしつつ、その占有を債権者に移さない。これが抵当権の特徴で、民法369条1項が定める。住宅ローンで自宅に抵当権を設定しても債務者はその家に住み続けられ、返済が滞ったときに抵当権者が競売で換価し、他の債権者に優先して回収する(優先弁済権)。占有を移さないこの点が、現物を預ける質権との最大の違いになる。対象は不動産が中心だが、地上権・永小作権も抵当権の目的にできる(同条2項)。本問はアが369条1項、イが同条2項のとおりで、いずれも正しい。組合せ問題では『両方正しい』もあり得るので、一方が正しいと分かっても他方を反射的に逆にせず、イも2項に当てて確認することになる。
補足建物への抵当権は土地に当然には及ばず、土地・建物は別々の不動産として別個に抵当権を設定する扱いになる。
問6法定地上権e-Gov等の一次資料で確認済み
法定地上権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法定地上権が成立するためには、抵当権の設定時において、土地とその上の建物の所有者が互いに異なっていることが必要である。
- イ.法定地上権が成立する場合の地代は、常に当事者間の合意のみによって定められ、裁判所がこれを定めることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 法定地上権は、抵当権の設定時に、土地とその上の建物が同一の所有者に属していることが要件である(民法388条)。所有者が別々の場合ではない。例えば、Aが自分の土地に自分の建物を建てて土地に抵当権を設定し、競売で土地を他人が買った場合に、建物のために地上権が設定されたものとみなされる。
民法第388条「土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において」一次資料を確認
- イ.誤り
- 法定地上権の地代は、当事者の請求により、裁判所が定める(同条後段)。当事者の合意だけで決まるとは限らない。例えば、土地の買受人と建物の所有者が地代で折り合わないときは、当事者の請求で裁判所が定める。
民法第388条「地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。」一次資料を確認
ひっかけ成立の出発点は『設定時に土地と建物が同一所有者』であること。所有者が別人だと要件を逆にしてしまう。
解説自分の土地に自分の建物が建っている状態で、その土地か建物に抵当権が設定され、競売で土地と建物の持ち主が別々になると、建物は敷地を使う権利を失い、本来なら取り壊さざるを得なくなる。これを避けるのが法定地上権である。抵当権設定時に土地と建物が同一の所有者に属していたことを前提に、競売で所有者が分かれたとき、建物のために地上権が設定されたものとみなす(民法388条)。本問のアは『所有者が異なっていることが必要』とするが、要件は逆で、設定時に同一所有者でなければならないから誤り。イの地代は、当事者の合意で決まらない場合でも当事者の請求により裁判所が定めるとされており(388条後段)、『裁判所が関与することはない』は誤り。設定時に同じ人のものだったか、という出発点を取り違えると、アで足をすくわれる。
補足更地に抵当権を設定した後に建物を建てても、設定時は建物が存在しないため法定地上権は成立しない。
問7所有権の取得時効e-Gov等の一次資料で確認済み
所有権の取得時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
- イ.占有の開始時に善意かつ無過失であった場合でも、所有権を時効取得するには常に20年間の占有を要する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 20年の長期取得時効は、所有の意思、平穏公然の占有、20年の継続が核。善意無過失は10年時効の要件であり、20年時効には不要。
民法第162条第1項「二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 占有開始時に善意無過失なら10年で足りる。出題文の「常に20年」は、162条2項の短期取得時効を消しているため誤り。
民法第162条第2項「十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。」一次資料を確認
ひっかけイの誤りは『常に20年』の一語。善意無過失なら、そこは10年に縮む。
解説所有の意思をもって、平穏かつ公然と他人の物を占有した者は、その所有権を時効取得する。期間は占有開始時の主観で2段階に分かれ、原則は20年(民法162条1項)、占有を始めた時に善意であり、かつ過失がなかったときは10年に短縮される(同条2項)。アは20年の原則をそのまま述べており、1項のとおり正しい。イは『善意かつ無過失でも常に20年を要する』とするが、その場合こそ10年で足りるので誤り。期間を分けるのは占有開始時点の善意・無過失の有無であって、途中で悪意に変わっても、起算点の主観で決まった期間は動かない。
補足期間は占有開始時の主観で固定される。始めに善意無過失なら、途中で他人の物と知っても10年のままで、20年に延びはしない。
問8共有物の使用と管理e-Gov等の一次資料で確認済み
共有に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.共有物の管理に関する事項は、共有者全員の同意がなければ決することができない。
- イ.各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 共有物の管理に関する事項は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する(民法252条1項)。全員の同意は要らない。例えば、持分の3分の2を持つ共有者が賛成すれば、他の共有者が反対しても、管理に関する事項は決まる。
民法第252条第1項「各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる(同法249条1項)。例えば、持分が2分の1の共有者も、共有する建物の全体を使える。ただし、持分を超える使用の対価は、別段の合意がなければ他の共有者に償還する(同条2項)。
民法第249条第1項「各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。」一次資料を確認
ひっかけアは管理に『全員同意』を求める。だが管理は過半数で決まる。
解説共有物の管理に関する事項は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する(民法252条1項)。アは『全員の同意がなければ決することができない』とするが、管理は過半数で足りるので誤り。一方、各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる(249条1項)。持分が3分の1でも物の全部を使える建付けで、イはこの249条1項のとおり正しい。共有物をめぐる意思決定は一律ではなく、変更は全員、管理は過半数、保存は単独と段階が分かれる。アが取り違えたのは、この真ん中の管理の段階である。
補足共有物の全部を使えるといっても、自己の持分を超える使用分は、別段の合意がなければ他の共有者に対価を償還する義務がある(249条2項)。
問9共有物の変更と保存行為e-Gov等の一次資料で確認済み
共有物に対する各共有者の行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物にその形状又は効用の著しい変更を伴う変更を加えることができない。
- イ.各共有者は、他の共有者の同意がなければ、共有物の保存行為をすることもできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 251条1項どおり変更行為は同意が必要 → 正しい
民法第251条第1項「他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更」一次資料を確認
- イ.誤り
- 252条5項で保存行為は単独でできる → 同意不要
民法第252条第5項「各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。」一次資料を確認
ひっかけイが扱うのは保存行為。修繕のような現状維持は、ひとりでできる。
解説共有物に対する行為は、影響の大きさで必要な合意が変わる。形状又は効用の著しい変更を伴う変更行為は、他の共有者の同意がなければできない(民法251条1項)。アはこの変更行為の同意要件をそのまま述べており正しい。これに対し、共有物の現状を維持する保存行為(建物の修繕、不法占拠者への明渡し請求など)は、各共有者が他の共有者の同意を得ずに単独でできる(252条5項)。保存行為は共有者全員の利益になり害がないからである。イは保存行為にも同意がいるとするが、単独でできるので誤り。アの変更とイの保存は、同意の要否が正反対に出る場面である。
補足変更行為のうち、形状・効用を『著しく』変えない軽微な変更は、変更でなく管理として持分の過半数で決められる(252条1項括弧書)。
問10抵当権の効力範囲と付合e-Gov等の一次資料で確認済み
物の付合及び抵当権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権の効力は、抵当不動産に付加して一体となっている物には及ばない。
- イ.不動産に従として付合した物について、その不動産の所有者がその物の所有権を取得することはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 370条本文で付加一体物に及ぶ → 記述は誤り
- イ.誤り
- 242条本文で付合物の所有権を取得する → 記述は誤り
民法第242条「不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得する。」一次資料を確認
ひっかけアもイも『及ばない/取得しない』と方向を逆に振っている。条文はどちらも肯定形。
解説抵当権の効力は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ(民法370条本文)。アは『付加して一体となっている物には及ばない』とするが、原則は及ぶので誤り。これと表裏で、不動産に従として付合した物は、その不動産の所有者がその所有権を取得する(242条本文。建物に組み込まれた増築部分など)。イは『所有権を取得することはない』とするが、取得するので誤り。よって両方誤りで『アー誤、イー誤』。設定後に付合した物にも効力が及ぶことで、抵当不動産の担保価値が保たれる仕組みになっている。
補足370条が及ぶのはあくまで不動産に付加一体となった物で、抵当地の上に立つ建物は除かれる。土地と建物は別個の不動産だからである。
問11保証債務の付従性e-Gov等の一次資料で確認済み
保証債務の付従性に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。
- イ.主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担もこれに応じて加重される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 保証は主たる債務に付従 → 主たる債務より重くできない → 主たる債務の限度に減縮(正しい)
民法第448条「主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 保証契約後の主債務の加重 → 保証人の負担は加重されない(448条2項) → 記述は誤り
ひっかけ保証は主たる債務に「くっついて」存在する。だから主たる債務より重くなることはなく、後から勝手に膨らむこともない。
解説保証債務は主たる債務を担保するために存在するので、主たる債務に付き従う(付従性)。その表れとして、保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する(民法448条1項)。アはこの規定どおりで正しい。さらに、主たる債務の目的・態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない(同条2項)。保証人は契約時の内容を前提に責任を引き受けたのだから、後から主たる債務者と債権者の間で重くされても巻き込まれないという趣旨である。イは「保証人の負担も加重される」とするので誤り。よってアは正しく、イは誤り。
補足減縮されるのは「重いとき」だけで、保証人の負担が主たる債務より軽い分には問題ない。なお主たる債務が消滅すれば保証債務も消滅するのも付従性の表れ。
問12債権譲渡(譲渡制限の意思表示)e-Gov等の一次資料で確認済み
債権の譲渡性及び譲渡制限の意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(譲渡制限の意思表示)をしたときは、これに反してされた債権の譲渡は無効となる。
- イ.譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 譲渡制限の意思表示があっても、債権の譲渡はその効力を妨げられない(民法466条2項)。例えば、「この代金債権は譲渡しない」と契約していても、債権者がその債権を第三者に譲れば、譲渡は有効である。
民法第466条「債権の譲渡は、その効力を妨げられない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 譲渡制限の意思表示を知り、又は重大な過失で知らなかった譲受人には、債務者は履行を拒むことができる(同条3項)。例えば、譲渡制限があることを知りながら債権を譲り受けた者が支払を求めても、債務者は拒める。
民法第466条「知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ」一次資料を確認
ひっかけ2020年施行の改正で『特約に反する譲渡=無効』ではなくなった。譲渡は有効、ただし債務者は悪意・重過失の相手に支払いを拒める、という二段構えで考える。
解説債権は原則として自由に譲り渡すことができる(民法466条1項)。かつては譲渡禁止特約に反する譲渡は無効と扱われたが、現行法では当事者が譲渡制限の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡はその効力を妨げられない(同条2項)。アは『無効となる』とするので誤り。もっとも、債務者は誰に弁済すべきか混乱しないよう保護されており、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者はその債務の履行を拒むことができる(同条3項)。イはこの規定どおりで正しい。よってアは誤りで、イは正しい。譲渡の有効性と債務者の履行拒絶を切り離して理解するのがポイント。
補足債務者が履行を拒める相手は、譲渡制限を知っていた(悪意)か重大な過失で知らなかった譲受人に限られる。善意無重過失の譲受人には支払いを拒めない。
問13債務引受(併存的・免責的)e-Gov等の一次資料で確認済み
債務引受に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。
- イ.免責的債務引受の引受人は、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 併存的=従来の債務者も残る → 引受人は連帯して同一内容の債務を負担(正しい)
民法第470条「債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 免責的=従来の債務者が抜ける → 引受人が同一内容の債務を負担し債務者は免責(正しい)
ひっかけ『併存』は並び立つ、『免責』は責任を免れる、と言葉どおり。従来の債務者が残るか抜けるかで2つを区別する。
解説債務引受には、従来の債務者がそのまま残る『併存的債務引受』と、従来の債務者が抜ける『免責的債務引受』がある。併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する(民法470条1項)。アはこのとおりで正しい。これに対し免責的債務引受の引受人は、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる(同472条1項)。イもこのとおりで正しい。両者の核心の違いは、従来の債務者が連帯して残る(併存的)か、債務を免れて抜ける(免責的)かにある。よってアもイも正しい。
補足免責的債務引受は、債権者と引受人の契約でもできるが、その場合は債権者が債務者に通知した時に効力が生じる(472条2項)。
問14弁済の充当e-Gov等の一次資料で確認済み
弁済の充当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同種の給付を目的とする数個の債務があり、弁済として提供した給付が全ての債務を消滅させるのに足りないときは、充当すべき債務を指定できるのは弁済を受領する者だけであり、弁済をする者は指定することができない。
- イ.一個又は数個の債務について元本のほか利息及び費用を支払うべき場合に、全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、まず元本に充当し、次いで利息、費用の順に充当しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 弁済をする者は、給付の時に、弁済を充当すべき債務を指定できる(民法488条1項)。指定できるのはまず弁済をする側で、受領する者だけではない。例えば、債務者が2つの借金を負っていて一部しか払えないとき、払う側がどちらの借金の返済に当てるかを決められる。
民法第488条「弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 元本のほか利息及び費用を支払うべき場合に、全部に足りない給付をしたときは、費用、利息、元本の順に充当する(同法489条1項)。元本が先ではない。例えば、元本100万円、利息5万円、費用1万円の債務に3万円を払ったなら、まず費用1万円、次に利息2万円に充当される。
民法第489条「これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。」一次資料を確認
ひっかけ充当は『誰が決めるか』と『どの順で当てるか』の2点が問われる。指定はまず払う側、元本利息費用は費用から、と押さえる。
解説弁済の充当には2つの論点がある。第一に、同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務があり、給付が全ての債務を消滅させるのに足りないとき、弁済をする者は、給付の時に、その弁済を充当すべき債務を指定することができる(民法488条1項)。指定権はまず弁済をする者にあり、アの『受領する者だけ』は誤り。第二に、元本のほか利息及び費用を支払うべき場合に給付が不足するときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない(同489条1項)。順序は費用→利息→元本であって、イの『まず元本』は誤り。よってアもイも誤り。
補足当事者間で充当の順序について合意があるときは、その合意が優先する(490条)。488条・489条は合意がない場合のルール。
問15物上保証人の求償権e-Gov等の一次資料で確認済み
物上保証人の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他人の債務を担保するため自己の不動産に抵当権を設定した物上保証人は、その債務を弁済しても、債務者に対して求償権を行使することはできない。
- イ.他人の債務を担保するため質権を設定した者は、その債務を弁済し、又は質権の実行によって質物の所有権を失ったときは、債務者に対して求償権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 351条の求償権が372条で抵当権に準用 → 抵当権の物上保証人も求償できる → 記述は誤り
民法第372条「第三百五十一条の規定は、抵当権について準用する。」一次資料を確認
民法第351条「保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 351条で質権の物上保証人は弁済・質物喪失時に債務者へ求償権を有する → 記述は正しい
民法第351条「保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有する。」一次資料を確認
ひっかけ物上保証人は債務を負わず財産を差し出すだけだが、肩代わりで損をしたら債務者に取り戻せる。質権の規定(351条)が抵当権にも準用される点がカギ。
解説物上保証人とは、他人の債務を担保するために自分の財産に担保権を設定した人をいう。民法351条は、他人の債務を担保するため質権を設定した者が、その債務を弁済し、又は質権の実行によって質物の所有権を失ったときは、保証債務に関する規定に従い、債務者に対して求償権を有すると定める。イはこの条文どおりで正しい。そしてこの351条は、抵当権についても準用される(民法372条)。したがって抵当権を設定した物上保証人も、債務を弁済すれば債務者に対して求償できる。アは『求償権を行使することはできない』とするので誤り。物上保証人は自ら債務を負うわけではないが、担保の実行や弁済で損失を被ったときは債務者に取り戻せる、という結論を質権・抵当権いずれでも押さえる。よってアは誤りで、イは正しい。
補足求償権は『保証債務に関する規定に従い』認められるため、委託の有無などに応じて保証人の求償の規定(459条以下)が基準になる。
問16占有権の取得e-Gov等の一次資料で確認済み
占有権の取得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。
- イ.占有権は、必ず登記をしなければ取得できない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法第180条の「自己のためにする意思をもって物を所持すること」と一致するため正しい。
民法第180条「自己のためにする意思をもって物を所持すること」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
民法第180条「自己のためにする意思をもって物を所持すること」一次資料を確認
ひっかけ占有権も登記しないと取得できない、と考えるとイを正しいと誤る。占有権は物を所持することで取得する。
解説占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する(民法180条)。ここでいう所持とは物を事実上支配している状態をいい、占有権はその事実状態そのものを保護する権利である。だから真の所有者かどうかや登記の有無とは関係なく成立する。アは180条の要件(意思+所持)をそのまま述べており正しい。イは『必ず登記をしなければ取得できない』とするが、登記は不動産の物権変動を第三者に対抗するための要件であって、占有権を取得するための条件ではないため誤り。『権利には登記が要る』という発想を占有権にまで広げない点がポイントである。
補足占有権は、実際に物を支配している事実を保護する権利であり、その物の真の所有者かどうかとは別に成立する。占有が侵害されたときは、占有回収の訴えなどの占有訴権で保護される(197条以下)。
問17所有権の内容e-Gov等の一次資料で確認済み
所有権の内容に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所有者は、法令の制限内で所有物を使用・収益・処分する権利を有する。
- イ.所有者であっても、所有物を収益する権利は一切ない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法第206条の「自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利」と一致するため正しい。
民法第206条「自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
民法第206条「自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利」一次資料を確認
ひっかけ所有権でも収益はできない、と取り違えるとイを正しいと誤る。所有権は使用・収益・処分の権利を含む。
解説所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する(民法206条)。使用は自ら使うこと、収益は貸して賃料を得るなど物から利益を上げること、処分は売却や廃棄などをいう。アはこの三つの権能を正しく述べており正しい。イは所有者でも収益する権利は一切ないとするが、206条が明文で収益を認めているため誤り。所有権が物に対する最も全面的な権利であることを押さえる。
補足所有権の行使も、法令による制限(建築規制や土地利用規制など)や、権利濫用の禁止・信義則といった一般原則の枠内で認められる。無制限ではない。
問18共有物の変更e-Gov等の一次資料で確認済み
共有物の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物にその形状又は効用の著しい変更を伴う変更を加えることができない。
- イ.共有者の一人は、他の共有者の同意なく共有物にその形状又は効用の著しい変更を伴う変更を加えることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 251条1項は、形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除き、共有物の変更には他の共有者の同意が必要とする。
民法第251条第1項「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 251条1項により、形状又は効用の著しい変更を伴う変更は、他の共有者の同意なしに単独ではできない。
民法第251条第1項「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。」一次資料を確認
ひっかけ共有物は自分の持分だから自由に変えてよい、と考えるとイを正しいと誤る。共有物への著しい変更には他の共有者の同意が必要。
解説民法251条1項は、各共有者が他の共有者の同意なしに共有物へ変更を加えることを制限する一方、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものをこの規律から除いている。アは著しい変更に同意が必要とするため正しい。イは著しい変更まで一人でできるとするため誤り。通常の管理や著しい変更を伴わない変更は持分価格の過半数で決するのに対し(252条1項)、著しい変更には他の共有者の同意が必要という境界を確認する。
補足令和3年の改正で、変更のうち「その形状または効用の著しい変更を伴わないもの」(軽微な変更)は、全員同意ではなく持分価格の過半数で決められることになった(251条1項かっこ書・252条1項)。
問19共有物の管理e-Gov等の一次資料で確認済み
共有物の管理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.共有物の管理に関する事項は、原則として各共有者の持分価格の過半数で決する。
- イ.共有物の管理は、常に全共有者の同意がなければ決められない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 共有物の管理は、保存行為や変更行為と区別される。通常の管理事項は、各共有者の人数ではなく持分価格の過半数で決する。
民法第252条第1項「各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 全員同意が問題になりやすいのは共有物の変更などであり、管理事項は持分過半数が原則。すべて全員同意とすると管理と変更の区別を失う。
民法第252条第1項「各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する」一次資料を確認
ひっかけ共有物のことは何でも全員一致でないと決められない、と考えるとイを正しいと誤る。管理は持分価格の過半数で決する。
解説共有物の管理に関する事項は、原則として各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する(民法252条1項)。頭数ではなく持分の価格が基準になる点に注意する。アはこのとおりで正しい。イは常に全共有者の同意が必要とするが、管理は過半数で足りるため誤り。共有物に変更を加えるには他の共有者の同意が要る(251条1項)のに対し、通常の管理は過半数で決するという段階の違いを押さえる。
補足共有物をめぐる行為は、変更(著しい変更)=全員の同意(251条)、管理=持分の過半数(252条)、保存(現状維持)=各共有者が単独ででき(252条)、と決定に必要な範囲が段階的に分かれている。
問20混同による物権消滅e-Gov等の一次資料で確認済み
混同による物権消滅に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一物について所有権と他の物権が同一人に帰属したとき、その物権は原則として消滅する。
- イ.所有権と他の物権が同一人に帰属しても、他の物権は常に存続する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 民法第179条第1項の「所有権及び他の物権が同一人に帰属したとき」と一致するため正しい。
民法第179条第1項「所有権及び他の物権が同一人に帰属したとき」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件・効果のすり替え
民法第179条第1項「所有権及び他の物権が同一人に帰属したとき」一次資料を確認
ひっかけ権利が同一人に集まっても物権は残る、と考えるとイを正しいと誤る。所有権と他の物権が同一人に帰属すると、その物権は原則として消滅する。
解説同一物について所有権と他の物権(抵当権や地上権など)が同一人に帰属したときは、その他の物権は原則として消滅する(民法179条1項)。これを混同という。たとえば自分の土地に付いていた抵当権を自分が取得すれば、その抵当権を存続させる意味がなくなるため消える。アはこのとおりで正しい。イは常に存続するとするが、179条1項の原則に反し誤り。ただし、その物権を存続させる必要がある場合には例外的に消滅しないこともある。
補足ただし、その物または他の物権が第三者の権利の目的であるときは、第三者を害さないよう、混同が生じても物権は消滅しない(179条1項ただし書)。例外がある点は、債権の混同(520条)と同じ考え方である。
問21不動産物権変動の対抗要件e-Gov等の一次資料で確認済み
不動産に関する物権変動と登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産の売買による所有権移転は、登記をしなければ、売主・買主の当事者間でも効力を生じない。
- イ.不動産に関する物権の得喪・変更は、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 登記は対抗要件で効力要件ではない
民法第177条「その登記をしなければ、第三者に対抗することができない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 177条:対抗要件
民法第177条「その登記をしなければ、第三者に対抗することができない」一次資料を確認
ひっかけ登記は『第三者に勝つための切符』。当事者間の効力には要らない。
解説不動産の物権変動は、当事者の意思表示によって生じる(意思主義・176条)。だから登記をしなくても当事者間では所有権は移っており、『当事者間でも効力を生じない』とするアは誤り。一方、その物権変動を当事者以外の第三者に主張するには登記が必要である(177条・対抗要件)。だからイは正しい。登記は『効力要件』ではなく『対抗要件』、という整理がポイント。結論はアー誤、イー正。
補足登記の欠缺を主張する正当な利益のない者(背信的悪意者など)は、177条の『第三者』に当たらない(最判昭43.8.2)。
問22即時取得e-Gov等の一次資料で確認済み
動産の即時取得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.取引行為によって、平穏・公然・善意・無過失で動産の占有を始めた者は、即時にその動産について行使する権利を取得する。
- イ.即時取得は動産について認められる制度であり、不動産には適用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 192条:動産取引の安全保護
民法第192条「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 条文が『動産』に限定
民法第192条「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は…即時にその動産について行使する権利を取得する。」一次資料を確認
ひっかけ即時取得は『動産』限定。不動産は登記で守る世界。
解説即時取得は、無権利者から動産を取引で取得した者でも、平穏・公然・善意・無過失であれば、その動産の権利を取得できる制度である(民法192条)。動産取引の安全を図るためで、アは正しい。そしてこの制度は『動産』に限られる。不動産は登記によって権利関係が公示されるため、見た目を信じた者を保護する公信の原則は働かない。だからイも正しい。結論はアー正、イー正。
補足盗品・遺失物には特則があり、被害者・遺失者は一定期間内に回復を請求できる(193条)。
問23共有物の軽微な変更e-Gov等の一次資料で確認済み
共有物への変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.共有物の形状又は効用の著しい変更を伴う変更は、原則として、他の共有者の同意を得なければ加えることができない。
- イ.共有物の形状又は効用の著しい変更を伴わない変更であっても、常に共有者全員の同意が必要である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 251条1項は、形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除き、共有物への変更に他の共有者の同意を求めている。
民法第251条第1項「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。」一次資料を確認
- イ.誤り
- 著しい変更を伴わない変更は251条1項の全員同意の対象から除かれ、252条1項の持分価格の過半数で決する。
民法第251条第1項「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。」一次資料を確認
民法第252条第1項「共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。」一次資料を確認
ひっかけ『変更はすべて全員同意』ではない。形状又は効用の著しい変更を伴うかを確認する。
解説共有物への変更は一律に全員同意ではない。民法251条1項が他の共有者の同意を求める変更から、形状又は効用の著しい変更を伴わないものは除かれている。著しい変更には他の共有者の同意が必要だが、著しい変更を伴わない変更は252条1項により持分価格の過半数で決する。この境界を落とさないことが重要である。
補足令和3年民法改正により、形状又は効用の著しい変更を伴わない変更は持分価格の過半数で決められることが明確化された。
問24共有物の管理と保存の事例判断e-Gov等の一次資料で確認済み
A、B、Cが、ある建物をそれぞれ5分の3、5分の1、5分の1の持分で共有している。共有物の管理及び保存に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.共有建物の通常の管理に関する事項は、持分価格が5分の3であるAが単独で賛成すれば決することができる。
- イ.共有建物の保存行為は、持分割合にかかわらず、B又はCも単独ですることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 管理事項は持分価格の過半数で決し、Aの5分の3は2分の1を超える。
民法第252条第1項「共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 保存行為は各共有者が単独ででき、持分割合の大小は問われない。
民法第252条第5項「各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。」一次資料を確認
ひっかけ共有者の人数ではなく持分価格を合計し、2分の1を超えるか確認する。
解説管理事項の決定では共有者の人数ではなく持分価格を見る。Aの5分の3は2分の1を超えるため、Aだけの賛成でも過半数に達する。一方、保存行為は持分割合の大小にかかわらず各共有者が単独でできる。
補足同じ一人の賛成でも、持分2分の1なら不足し、5分の3なら過半数に達する。
問25物権変動の対抗要件(不動産・動産)と即時取得の横断確認e-Gov等の一次資料で確認済み
物権変動の対抗要件(不動産・動産)と即時取得を横断して確認する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.Aが所有する土地をBに売却した場合、Bは登記をしなければ、その土地の所有権の取得を第三者に対抗することができない。
- イ.取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 不動産に関する物権の得喪及び変更は、その登記をしなければ第三者に対抗することができない(民法177条)。
民法第177条「その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。」一次資料を確認
- イ.正しい
- 192条の要件をすべて満たす → 即時に権利を取得する(正しい)
民法第192条「取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。」一次資料を確認
ひっかけ異なる制度の要件や法律効果を一つのルールとして混同しない。
解説物権変動の対抗要件(不動産・動産)と即時取得は、根拠条文と法律効果を分けて整理する。
補足各記述に付したe-Gov根拠を個別に確認する。
問26著作権の発生(無方式主義)と保護期間e-Gov等の一次資料で確認済み
著作権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作権及び著作者人格権は、文化庁への登録などの方式を履行しなくても、享有することができる。
- イ.著作権の存続期間は、原則として、著作者の死後50年を経過するまでの間である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 特許権や商標権は登録して初めて生じるが、著作権は創作した時点で自然に発生する。文化庁への登録は権利発生の要件ではない。
著作権法第17条第2項「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 条文が定める原則の期間は、著作者の死後70年を経過するまで。50年という数字は、条文の期間と一致しない。
著作権法第51条第2項「著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)七十年を経過するまでの間、存続する」一次資料を確認
ひっかけ登録は要らず、期間は死後70年。
解説著作権は、著作物を創作した時に発生し、登録などの方式を必要としない(著作権法17条2項)。存続期間は、原則として著作者の死後70年を経過するまで(51条2項)で、特許権のように出願日や登録日から数える仕組みではない。
補足共同著作物は、最終に死亡した著作者の死後70年で数える(51条2項かっこ書)。著作権の存続期間の始まりは、著作物の創作の時である(同条1項)。
問27職務著作の要件と著作者人格権の一身専属性e-Gov等の一次資料で確認済み
従業員が職務上作成した著作物に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.法人等の発意に基づき、その業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムを除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、作成時の契約や勤務規則に別段の定めがない限り、その法人等となる。
- イ.著作者人格権は、著作者の一身に専属し、他人に譲渡することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 従業員が書いた著作物でも、会社の発意で職務として作成され、会社名義で公表されるものは、契約などで別に定めない限り、会社が著作者になる。
著作権法第15条第1項「その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする」一次資料を確認
- イ.正しい
- 著作者人格権は著作者の人格的な利益を守る権利のため、財産権である著作権と異なり、契約で他人に譲ることができない。
著作権法第59条「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない」一次資料を確認
ひっかけ職務著作には要件があり、著作者人格権は譲渡できない。
解説従業員が職務上作成した著作物でも、著作者は当然には会社にならない。法人等の発意、業務に従事する者による職務上の作成、法人等の名義での公表(プログラムを除く)の要件を満たし、別段の定めがないときに、法人等が著作者となる(著作権法15条1項)。
補足プログラムの著作物は、名義での公表が要件に含まれない。法人等の発意に基づき職務上作成され、別段の定めがなければ、法人等が著作者となる(15条2項)。
問28特許の先願主義と特許権の存続期間e-Gov等の一次資料で確認済み
特許に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一の発明について同日に2以上の特許出願があったときは、先に発明をした者のみが、その発明について特許を受けることができる。
- イ.特許権の存続期間は、原則として、特許出願の日から20年をもって終了する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 同一の発明について同日に2以上の特許出願があったときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる(特許法39条2項)。先に発明した者が優先されるのではなく、先に出願した者が優先される(先願主義)。例えば、AとBが同じ日に同じ発明を出願したら、AとBの協議で一人を決める。協議が成立しないときは、いずれも特許を受けられない。
特許法第39条第2項「同一の発明について同日に二以上の特許出願があつたときは、特許出願人の協議により定めた一の特許出願人のみがその発明について特許を受けることができる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 特許権の存続期間は、特許出願の日から20年をもって終了する(同法67条1項)。起算点は、登録の日ではなく出願の日である。例えば、審査に時間がかかって登録が出願から5年後になった場合、登録後に使える期間は15年ほどになる。なお、医薬品などで、法令に基づく処分を受けるまで特許発明を実施できなかった期間があるときは、5年を限度に延長登録ができる(同条2項)。
特許法第67条第1項「特許権の存続期間は、特許出願の日から二十年をもつて終了する」一次資料を確認
ひっかけ先に発明した者が勝つわけではない。基準は出願。
解説同一の発明について異なる日に2以上の出願があれば、最先の出願人のみが特許を受けられる(特許法39条1項)。同日の出願は、出願人の協議で一の出願人を定め、協議が成立しないときは、いずれも特許を受けることができない(同条2項)。
補足特許権の設定の登録が、出願の日から5年を経過した日又は出願審査の請求から3年を経過した日のいずれか遅い日以後にされたときは、延長登録の出願により存続期間を延長できる(67条2項)。
問29商標権の存続期間と更新登録の申請期間e-Gov等の一次資料で確認済み
商標権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.商標権の存続期間は、商標登録出願の日から10年をもって終了する。
- イ.商標権の存続期間の更新登録の申請は、存続期間の満了前1年から満了の日までの間にしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 商標権の存続期間は、出願の日ではなく、設定の登録の日から10年である(商標法19条1項)。例えば、出願から登録まで1年かかった場合でも、10年の数え始めは出願の日ではなく登録の日。特許権は出願の日から20年で、起算点も期間も違う。
商標法第19条第1項「商標権の存続期間は、設定の登録の日から十年をもつて終了する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 更新登録の申請ができるのは、存続期間の満了前6か月から満了の日までの間である(同法20条2項)。例えば、満了日が12月31日なら、申請できるのはその6か月前から満了の日までで、1年前の1月には申請できない。
商標法第20条第2項「更新登録の申請は、商標権の存続期間の満了前六月から満了の日までの間にしなければならない」一次資料を確認
ひっかけ商標権の起点は設定登録の日。更新の申請は満了前6か月から。
解説商標権の存続期間は設定の登録の日から10年で(商標法19条1項)、更新登録の申請により更新できる(同条2項)。更新の回数に条文上の制限はなく、期間が出願の日から20年で終わる特許権とは仕組みが異なる。
補足更新登録の申請は満了前6月から満了の日までが原則。この期間内に申請できないときは、経済産業省令で定める期間内であれば期間経過後でも申請できる(20条3項)。それもしないと、存続期間の満了の時にさかのぼって消滅したものとみなされる(同条4項)。
問30隣地の竹木の枝の切除と根の切取りe-Gov等の一次資料で確認済み
隣地から境界線を越えてきた竹木に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、土地の所有者は、その根を切り取ることができる。
- イ.隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、どのような場合でも、土地の所有者は、竹木の所有者に催告することなく、直ちにその枝を切り取ることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 根については、枝のように竹木の所有者に切除させる手順や催告を条文が置いていない。境界線を越える根は、土地の所有者が切り取ることができる。
民法第233条第4項「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 枝は根と異なり、竹木の所有者が自分で切除するのが原則。土地の所有者が直接切り取れるのは、催告後の不履行、所有者不明、急迫の事情という限られた場合に限られる。
民法第233条第1項「土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」一次資料を確認
民法第233条第3項第1号「竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき」一次資料を確認
ひっかけ根と枝で扱いが違う。枝は、まず所有者に切除させる。
解説越境した根は、土地の所有者が切り取れる(民法233条4項)。越境した枝は、原則として竹木の所有者に切除させる(同条1項)。自ら切り取れるのは、催告しても相当の期間内に切除しないとき、竹木の所有者やその所在を知ることができないとき、急迫の事情があるときに限られる(同条3項)。
補足竹木が数人の共有に属するときは、各共有者が、その枝を切り取ることができる(233条2項)。この場合は、催告や相当の期間の経過を待つ必要がない。
問31職務発明と自由発明の予約承継の禁止e-Gov等の一次資料で確認済み
従業員がした発明に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.従業者等がした発明が職務発明でない場合であっても、あらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めた勤務規則の条項は、有効である。
- イ.従業者等は、契約や勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等に特許を受ける権利を取得させたときは、相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 従業者等がした発明について、その発明が職務発明である場合を除き、あらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させる等を定めた契約、勤務規則その他の定めの条項は、無効とされる(特許法35条2項)。例えば、入社時の勤務規則に「社員のした発明はすべて会社のものとする」と書いてあっても、業務に関係しない社員個人の発明にまでは及ばない。有効とする点が誤りである。
特許法第35条第2項「従業者等がした発明については、その発明が職務発明である場合を除き、あらかじめ、使用者等に特許を受ける権利を取得させ、使用者等に特許権を承継させ、又は使用者等のため仮専用実施権若しくは専用実施権を設定することを定めた契約、勤務規則その他の定めの条項は、無効とする」一次資料を確認
- イ.正しい
- 従業者等は、契約、勤務規則その他の定めにより職務発明について使用者等に特許を受ける権利を取得させたときは、相当の金銭その他の経済上の利益(相当の利益)を受ける権利を有する(同条4項)。例えば、会社が職務発明の権利を取得する代わりに、発明した社員は、報奨金などを受けられる。
特許法第35条第4項「相当の金銭その他の経済上の利益(次項及び第七項において「相当の利益」という。)を受ける権利を有する」一次資料を確認
ひっかけ事前に権利を会社に取得させる定めが有効なのは、職務発明だけ。
解説職務発明について特許を受けたとき、使用者等はその特許権について通常実施権を有する(特許法35条1項)。契約や勤務規則で、あらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させると定めたときは、その権利は発生した時から使用者等に帰属し(同条3項)、従業者等は相当の利益を受ける権利を有する(同条4項)。職務発明でない発明に同様の定めを置いても、その条項は無効である(同条2項)。
補足相当の利益について定める場合は、基準の策定に際しての協議の状況、基準の開示の状況、従業者等からの意見聴取の状況などを考慮して、不合理と認められるものであってはならない(35条5項)。
問32意匠権と実用新案権の存続期間e-Gov等の一次資料で確認済み
産業財産権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.意匠権(関連意匠の意匠権を除く。)の存続期間は、意匠登録出願の日から25年をもって終了する。
- イ.実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から20年をもって終了する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 意匠権(関連意匠を除く)の存続期間は、意匠登録出願の日から25年である(意匠法21条1項)。起算点は登録の日ではなく出願の日で、特許権の20年より長い。
意匠法第21条第1項「意匠権(関連意匠の意匠権を除く。)の存続期間は、意匠登録出願の日から二十五年をもつて終了する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から10年である(実用新案法15条)。20年は特許権の存続期間で、実用新案権はそれより短い。
実用新案法第15条「実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から十年をもつて終了する」一次資料を確認
ひっかけ権利ごとに、起算点と期間が違う。
解説特許権は出願の日から20年(特許法67条1項)、実用新案権は出願の日から10年(実用新案法15条)、意匠権は出願の日から25年(意匠法21条1項)、商標権は設定の登録の日から10年(商標法19条1項)で終了する。商標権だけが登録の日から数える。
補足関連意匠の意匠権の存続期間は、その基礎意匠の意匠登録出願の日から25年をもって終了する(意匠法21条2項)。
問33著作物の定義と引用の要件(公表された著作物)e-Gov等の一次資料で確認済み
著作物に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
- イ.未公表の著作物であっても、その引用が公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲内で行われるものであれば、引用して利用することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう(著作権法2条1項1号)。例えば、単なる事実やデータそのものは、創作的な表現とはいえないため、有用な情報でも著作物にあたらない場合がある。
著作権法第2条第1項第1号「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」一次資料を確認
- イ.誤り
- 公表された著作物は、引用して利用することができる。その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われなければならない(同法32条1項)。引用が認められるのは、公表された著作物である。したがって、未公表の著作物であっても引用できる、とする点が誤りである。
著作権法第32条第1項「公表された著作物は、引用して利用することができる」一次資料を確認
ひっかけ引用の対象は「公表された」著作物だけ。
解説公表された著作物は、引用して利用できる。その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない(著作権法32条1項)。
補足国等の周知目的資料は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載できる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は転載できない(32条2項)。
問34占有回収の訴えの内容と特定承継人への提起e-Gov等の一次資料で確認済み
占有回収の訴えに関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還を請求することはできるが、損害の賠償を請求することはできない。
- イ.占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対しては、その承継人が侵奪の事実を知っていたときであっても、提起することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 条文は、物の返還「及び」損害の賠償を並べている。返還だけでなく、奪われたことによる損害の賠償も、この訴えで請求できる。
民法第200条第1項「占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 事情を知らずに物を譲り受けた者まで訴えの相手にするのは酷だが、侵奪の事実を知っていた承継人は保護する必要がないため、例外的に提起が認められる。
民法第200条第2項「占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない」一次資料を確認
ひっかけ請求できるのは返還「及び」損害賠償。悪意の承継人は相手にできる。
解説占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求できる(民法200条1項)。この訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起できないが、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは提起できる(同条2項)。
補足占有者は、198条から202条までの規定に従い、占有の訴えを提起できる(197条)。占有回収の訴えは、その一つにあたる。
問35公道に通じない土地の所有者の通行権(囲繞地通行権)e-Gov等の一次資料で確認済み
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者の通行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
- イ.この通行権を有する者が通行する場所及び方法は、通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 公道に出られない土地は利用できない。そこで、囲んでいる他の土地を通行する権利が、法律上当然に認められる。
民法第210条第1項「他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 通行される土地の所有者の負担を抑えるための制約。通行権者に便利な経路を自由に選べるわけではない。
民法第211条第1項「通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない」一次資料を確認
ひっかけ通行権は認められるが、通行の場所と方法には制約がある。
解説他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行できる(民法210条1項)。通行の場所及び方法は、通行権者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ぶ(211条1項)。
補足池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、同様に通行権が認められる(210条2項)。通行権者は、必要があるときは、通路を開設できる(211条2項)。
問36借地権の存続期間(30年)e-Gov等の一次資料で確認済み
借地権の存続期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借地権の存続期間は、30年とされる。
- イ.契約で借地権の存続期間を30年より長い期間と定めたときは、その期間が存続期間となる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 借地権の存続期間は、まず30年と定められている。これが基本の数字になる。
- イ.正しい
- ただし書は、30年より長い期間を契約で定めることを認めている。短い期間を定めたときにその期間になる、という規定は置かれていない。
借地借家法第3条「ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする」一次資料を確認
ひっかけ30年が基本。契約で変えられるのは、長くする方向。
解説借地権の存続期間は30年とされる。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間となる(借地借家法3条)。
補足建物の賃貸借は、借地権とは別に、26条以下に更新や期間の規定がある。期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる(29条1項)。
問37建物賃貸借の法定更新と1年未満の期間e-Gov等の一次資料で確認済み
建物の賃貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.期間を1年未満とする建物の賃貸借は、その定めた期間の賃貸借として有効になる。
- イ.期間の定めがある建物の賃貸借で、当事者が期間の満了の1年前から6か月前までの間に更新をしない旨の通知等をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。ただし、その期間は、定めがないものとなる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなされる(借地借家法29条1項)。定めた期間どおりの賃貸借になるわけではない。例えば、「6か月間」と定めて建物を貸しても、期間の定めがない賃貸借として扱われる。
借地借家法第29条第1項「期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす」一次資料を確認
- イ.正しい
- 期間の定めがある建物の賃貸借で、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に、相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。ただし、その期間は、定めがないものとなる(同法26条1項)。例えば、通知の時期を逃すと、期間の定めのない賃貸借として続くことになる。
借地借家法第26条第1項「当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす」一次資料を確認
借地借家法第26条第1項ただし書「ただし、その期間は、定めがないものとする」一次資料を確認
ひっかけ通知期間は満了の1年前から6か月前。逃すと、期間の定めのない契約として更新される。
解説期間の定めがある建物の賃貸借は、当事者が期間の満了の1年前から6月前までの間に更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で更新されたものとみなされ、更新後の期間は定めがないものとなる(借地借家法26条1項)。期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない賃貸借とみなされる(29条1項)。
補足更新をしない旨の通知をした場合でも、期間の満了後に賃借人が使用を継続し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときは、同様に更新したものとみなされる(26条2項)。
問38建物賃貸借の更新拒絶等に必要な正当の事由e-Gov等の一次資料で確認済み
建物の賃貸人による更新拒絶等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.建物の賃貸人が更新をしない旨の通知又は解約の申入れをするには、正当の事由があると認められる場合でなければならない。
- イ.賃貸人が、建物の明渡しの条件として、賃借人に財産上の給付をする旨の申出をしたとしても、その申出は、正当の事由の判断において考慮されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 賃貸人は、自由に更新を拒んだり解約を申し入れたりできるわけではない。正当の事由があると認められることが、通知や申入れをするための要件になる。
借地借家法第28条「正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 28条は、双方が建物の使用を必要とする事情、従前の経過、利用状況などに加えて、財産上の給付の申出も考慮して、正当の事由の有無を判断すると定めている。
借地借家法第28条「建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して」一次資料を確認
ひっかけ更新拒絶には正当の事由が要る。財産上の給付の申出も判断材料になる。
解説建物の賃貸人による更新をしない旨の通知や解約の申入れは、賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び現況、明渡しの条件として又は明渡しと引換えにする財産上の給付の申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない(借地借家法28条)。
補足民法604条の規定は、建物の賃貸借には適用されない(借地借家法29条2項)。
問39抵当権の順位と質権における流質契約の禁止e-Gov等の一次資料で確認済み
担保物権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、抵当権設定契約の前後による。
- イ.質権設定者は、債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させることを約することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 抵当権の順位は、設定契約の前後ではなく、登記の前後で決まる(民法373条)。例えば、先に契約したAより、後に契約したBが先に登記をすると、Bの抵当権が1番になる。
民法第373条「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による」一次資料を確認
- イ.誤り
- 弁済期の前に「返せなければ質物は質権者のものにする」と約束することは、認められない(民法349条)。例えば、時計を質に入れて借金をするとき、返済の期限が来る前に「返せなければ時計はそちらのもの」と決めておくことはできない。
民法第349条「質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができない」一次資料を確認
ひっかけ順位は契約ではなく登記の前後。流質契約は禁止。
解説同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その順位は登記の前後による(民法373条)。質権設定者は、設定行為又は債務の弁済期前の契約において、質権者に弁済として質物の所有権を取得させ、その他法律に定める方法によらないで質物を処分させることを約することができない(349条)。
補足質権は、元本、利息、違約金、質権の実行の費用、質物の保存の費用及び債務の不履行又は質物の隠れた瑕疵によって生じた損害の賠償を担保する。ただし、設定行為に別段の定めがあるときは、この限りでない(346条)。
問40商標登録の要件と普通名称のみからなる商標e-Gov等の一次資料で確認済み
商標登録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、一定の商標を除き、商標登録を受けることができる。
- イ.商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標は、使用の結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できるようになったときは、商標登録を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 商標登録を受けられるのは、自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標で、3条1項の各号に掲げる商標は除かれる(商標法3条1項)。登録の前提は「自分の業務で使う商標であること」と、各号に当たらないことの2つである。
商標法第3条第1項「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標については、次に掲げる商標を除き、商標登録を受けることができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 使用の結果、需要者が何人かの業務に係る商品と認識できるようになった商標を登録できるのは、1項3号から5号に当たる商標だけである(同条2項)。商品の普通名称のみからなる商標は1号なので、使用の結果を理由にしても登録を受けられない。例えば、りんごに「りんご」という商標を使い続けて有名になっても、登録は受けられない。
商標法第3条第2項「前項第三号から第五号までに該当する商標であつても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」一次資料を確認
ひっかけ使用の結果で救われるのは3号から5号の商標だけ。普通名称は救われない。
解説自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標は、商標法3条1項各号に掲げる商標を除き、登録を受けることができる。1号(普通名称)、2号(慣用商標)、6号(識別できない商標)は、使用の結果による例外の対象にならない。3号(産地・品質等)、4号(ありふれた氏又は名称)、5号(極めて簡単でありふれた標章)は、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識できるようになったものについて、登録を受けられる(同条2項)。
補足前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標は、登録を受けられない(3条1項6号)。この号も、使用の結果による例外の対象にならない。
問41地上権の内容と地役権の付従性e-Gov等の一次資料で確認済み
用益物権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する。
- イ.地役権は、要役地の所有権とは別に、単独で第三者に譲り渡すことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 地上権は、土地の所有者ではない者が、他人の土地の上に建物などの工作物や竹木を所有するために、その土地を使用する物権である。
民法第265条「地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 地役権は、要役地の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転する(281条1項)。要役地と切り離して、地役権だけを譲渡することはできない。
民法第281条第2項「地役権は、要役地から分離して譲り渡し、又は他の権利の目的とすることができない」一次資料を確認
ひっかけ地役権は要役地の所有権に従たるもの。単独では譲渡できない。
解説地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する(民法265条)。地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する(280条)。地役権は、要役地の所有権に従たるものとして、その所有権とともに移転し(281条1項)、要役地から分離して譲り渡すことはできない(同条2項)。
補足要役地とは、地役権者の土地であって、他人の土地から便益を受けるものをいう(281条1項かっこ書)。便益を提供する側の土地は承役地と呼ばれる。
問42著作者人格権(公表権・氏名表示権)e-Gov等の一次資料で確認済み
著作者人格権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作者は、その著作物でまだ公表されていないものを公衆に提供し、又は提示する権利を有しない。
- イ.著作者は、その著作物の公衆への提供又は提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- まだ公表されていない著作物を、公衆に提供し又は提示するかどうかは、著作者が決める。この権利が公表権である。
著作権法第18条第1項「を公衆に提供し、又は提示する権利を有する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 氏名表示権は、実名や変名を表示する権利だけでなく、著作者名を表示しないこととする権利も含む。
著作権法第19条第1項「その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する」一次資料を確認
ひっかけ公表権は未公表の著作物について、氏名表示権は表示しない権利も含む。
解説著作者は、まだ公表されていない著作物を公衆に提供し又は提示する権利(公表権、著作権法18条1項)、著作者名の表示について決める権利(氏名表示権、19条1項)、著作物及びその題号の同一性を保持し、その意に反して変更、切除その他の改変を受けない権利(同一性保持権、20条1項)を有する。
補足著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない(59条)。著作権と異なり、契約で他人に移転することはできない。
問43専用実施権の専有と移転の制限e-Gov等の一次資料で確認済み
特許権の専用実施権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する。
- イ.専用実施権は、実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 専用実施権を設定した範囲では、専用実施権者が特許発明の実施を専有する。その範囲には、特許権者の専有は及ばない(特許法68条ただし書)。
特許法第77条第2項「専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 専用実施権者が自由に第三者へ譲渡できるわけではない。実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合に限られる。
特許法第77条第3項「専用実施権は、実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる」一次資料を確認
ひっかけ専用実施権は「専有」。移転できる場合は限られる。
解説特許権者は、その特許権について専用実施権を設定できる(特許法77条1項)。専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を専有する(同条2項)。専用実施権は、実施の事業とともにする場合、特許権者の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合に限り、移転できる(同条3項)。
補足通常実施権は、特許権者が他人に許諾するもので(78条1項)、業として特許発明の実施をする権利を与える(同条2項)。専用実施権と違い、権利を専有する効力はない。
問44根抵当権の極度額と担保すべき債権の範囲e-Gov等の一次資料で確認済み
根抵当権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.根抵当権は、極度額を定めずに、一定の範囲に属する不特定の債権を担保するために設定することができる。
- イ.根抵当権の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 根抵当権は、一定の範囲の不特定の債権を担保できる代わりに、担保される額に極度額という上限がある。
民法第398条の2第1項「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる」一次資料を確認
- イ.正しい
- 債務者との一切の債権を無限定に担保することはできない。特定の継続的取引契約や、一定の種類の取引から生ずるものに限定する必要がある。
民法第398条の2第2項「債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない」一次資料を確認
ひっかけ根抵当権には極度額があり、担保される債権の範囲は限定して定める。
解説抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定できる(民法398条の2第1項)。この根抵当権の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない(同条2項)。
補足特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権、手形上若しくは小切手上の請求権又は電子記録債権は、2項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる(398条の2第3項)。
問45先取特権の優先弁済と抵当権消滅請求e-Gov等の一次資料で確認済み
担保物権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.先取特権者は、その債務者の財産について、他の債権者と平等に、自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
- イ.抵当権消滅請求をすることができるのは、抵当不動産の債務者に限られる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する(民法303条)。他の債権者と平等に扱われるのではない。例えば、従業員の給料債権を持つ者が、一般の債権者より先に、債務者の財産から弁済を受けられる場合がある。
民法第303条「先取特権者は、この法律その他の法律の規定に従い、その債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 抵当不動産の第三取得者は、民法383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる(民法379条)。債務者そのものではなく、抵当不動産を買い受けた第三取得者が請求する制度である。例えば、抵当権の付いた建物を買った人が、一定の金額を提供して、抵当権の消滅を請求できる。
民法第379条「抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる」一次資料を確認
ひっかけ先取特権は「先立って」弁済を受ける。抵当権消滅請求は第三取得者の権利。
解説先取特権者は、法律の規定に従い、債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する(民法303条)。抵当不動産の第三取得者は、383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる(379条)。
補足同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その順位は登記の前後による(373条)。
問46占有の態様の推定と占有の承継e-Gov等の一次資料で確認済み
占有の態様の推定と占有の承継に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定される。
- イ.占有者の承継人が前の占有者の占有を併せて主張する場合であっても、前の占有者の占有の瑕疵は承継しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 推定なので、争う側が反対の事実を立証すれば覆る。
民法第186条第1項「占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 自己の占有だけを主張する場合は、前の占有者の瑕疵を引き継がない(187条1項)。
民法第187条第2項「前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する」一次資料を確認
ひっかけ前の占有者の占有を「併せて主張する」ときは、有利な期間だけでなく不利な瑕疵も付いてくる。
解説占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する(民法186条1項)。占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する(同法187条)。
補足他人の物を所有の意思をもって平穏に、かつ、公然と20年間占有した者は、その所有権を取得する。10年間の占有で足りるのは、占有の開始の時に善意であり、かつ、過失がなかったときである(民法162条)。
問47善意の占有者の果実の取得e-Gov等の一次資料で確認済み
善意の占有者の果実の取得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。
- イ.善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなされる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 悪意の占有者には、果実の取得を認める規定がない。
民法第189条第1項「善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 訴えの提起の時にさかのぼるため、その後に得た果実は返還の対象になる。
民法第189条第2項「善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす」一次資料を確認
ひっかけ悪意とみなされる起点は「判決確定時」ではなく「訴えの提起の時」。
解説善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす(民法189条)。
補足占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、悪意の占有者は損害の全部を賠償し、善意の占有者は現に利益を受けている限度で賠償する(民法191条本文)。
問48無主物の帰属e-Gov等の一次資料で確認済み
無主物の帰属に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.所有者のない不動産は、所有の意思をもって占有した者が、その所有権を取得する。
- イ.所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、占有した者がその所有権を取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 無主物先占で所有権を取得できるのは動産だけ。
民法第239条第2項「所有者のない不動産は、国庫に帰属する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 野生動物や海に落ちている貝殻のように、誰のものでもない動産が典型例。
民法第239条第1項「所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する」一次資料を確認
ひっかけ無主物のうち、占有で取得できるのは動産だけ。不動産は国のものになる。
解説所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。所有者のない不動産は、国庫に帰属する(民法239条)。
補足遺失物や埋蔵物は無主物ではなく、所有者がいる可能性があるため、公告などの手続を経たうえで拾得者・発見者が所有権を取得する(民法240条・241条)。
問49遺失物の拾得と埋蔵物の発見e-Gov等の一次資料で確認済み
遺失物の拾得と埋蔵物の発見に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.遺失物は、公告をした後6箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する。
- イ.他人の所有する物の中から発見された埋蔵物は、これを発見した者が、その所有権の全部を取得する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 遺失物は3箇月、埋蔵物は6箇月と、期間が違う。
民法第240条「公告をした後三箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 他人の物の中から発見されたのでない埋蔵物は、公告後6箇月で発見者が取得する。
民法第241条ただし書「他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する」一次資料を確認
ひっかけ遺失物は3箇月、埋蔵物は6箇月。他人の物の中から出た埋蔵物は、発見者と他人で等分。
解説遺失物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後3箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する(民法240条)。埋蔵物は、公告をした後6箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを発見した者がその所有権を取得する。ただし、他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する(同法241条)。
補足遺失物も埋蔵物も、取得の前提は「遺失物法の定めるところに従い公告をした後」に一定期間内に所有者が判明しないことである(民法240条・241条)。
問50共有物の分割請求と不分割の契約e-Gov等の一次資料で確認済み
共有物の分割請求と不分割の契約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができるが、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
- イ.共有物を分割しない旨の契約は、更新することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 分割請求権が共有の原則的な解消手段。
民法第256条第1項「各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない」一次資料を確認
- イ.誤り
- 更新のたびに5年を上限とすることで、永続的な不分割を防いでいる。
民法第256条第2項「前項ただし書の契約は、更新することができる」一次資料を確認
ひっかけ不分割の契約は5年が上限。更新はできるが、更新後も5年を超えられない。
解説各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、5年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。この契約は、更新することができるが、その期間は、更新の時から5年を超えることができない(民法256条)。
補足共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、裁判所に分割を請求できる(民法258条1項)。
問51共有持分の放棄と相続人のない共有者の死亡e-Gov等の一次資料で確認済み
共有持分の放棄と相続人のない共有者の死亡に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.共有者の一人が持分を放棄したときは、その持分は国庫に帰属する。
- イ.共有者の一人が死亡して相続人がないときは、その持分は他の共有者に帰属する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 共有は持分が弾力的に増減する性質(共有の弾力性)を持つ。
民法第255条「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する」一次資料を確認
- イ.正しい
- 放棄と相続人不存在のどちらも、他の共有者に帰属する点で共通する。
民法第255条「共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する」一次資料を確認
ひっかけ持分の行き先は、放棄でも相続人不存在でも「他の共有者」。国庫ではない。
解説共有者の一人が、その持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は、他の共有者に帰属する(民法255条)。
補足各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる(民法249条1項)。
問52隣地の使用と通知e-Gov等の一次資料で確認済み
隣地の使用と通知に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.土地の所有者は、境界標の調査又は境界に関する測量のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。
- イ.隣地を使用する者は、あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければならないが、あらかじめ通知することが困難なときは、使用を開始した後、遅滞なく通知すれば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 使用できる目的は、工作物の築造・修繕、境界標の調査・測量、枝の切取りの3つ。
民法第209条第1項第2号「土地の所有者は、次に掲げる目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる」一次資料を確認
民法第209条第1項第2号「境界標の調査又は境界に関する測量」一次資料を確認
- イ.正しい
- 住家については、居住者の承諾がなければ立ち入ることができない(209条1項ただし書)。
民法第209条第3項「あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければならない」一次資料を確認
民法第209条第3項「あらかじめ通知することが困難なときは、使用を開始した後、遅滞なく、通知することをもって足りる」一次資料を確認
ひっかけ隣地使用の通知は事前が原則。困難なときだけ、事後の遅滞ない通知で足りる。
解説土地の所有者は、境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕、境界標の調査又は境界に関する測量、枝の切取りのため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない。隣地を使用する者は、あらかじめ、目的、日時、場所及び方法を通知しなければならない(民法209条)。
補足隣地の所有者又は隣地使用者が損害を受けたときは、その償金を請求することができる(民法209条4項)。
問53特許の要件(新規性)e-Gov等の一次資料で確認済み
特許の要件(新規性)に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特許出願前に外国において公然知られた発明であっても、日本国内で公然知られていなければ、新規性を失わず、特許を受けることができる。
- イ.特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明は、特許を受けることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 日本の特許でも、世界のどこかで出願前に公然知られていれば新規性がない。
特許法第29条第1項第1号「特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明」一次資料を確認
- イ.正しい
- 公然知られた発明(1号)・公然実施をされた発明(2号)・刊行物に記載された発明(3号)が新規性を失う3類型。
特許法第29条第1項第3号「特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明」一次資料を確認
ひっかけ新規性の判断は世界基準。外国で公然知られた発明も、日本の特許は受けられない。
解説産業上利用することができる発明をした者は、特許出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明、公然実施をされた発明、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた発明を除き、その発明について特許を受けることができる(特許法29条1項)。
補足特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたときは、特許を受けることができない(特許法29条2項、進歩性)。
問54私的使用のための複製e-Gov等の一次資料で確認済み
私的使用のための複製に関する次のア・イの記述について、その正誤の組合せとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするときは、その使用する者が複製することができる。
- イ.私的使用を目的とするのであれば、技術的保護手段の回避により可能となった複製を、その事実を知りながら行う場合であっても、その使用する者が複製することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 例えば、家庭で見るために放送番組を録画することなど。
著作権法第30条第1項「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること」一次資料を確認
著作権法第30条第1項「その使用する者が複製することができる」一次資料を確認
- イ.誤り
- 私的使用の複製が認められる場合から除かれる行為が、30条1項各号に列挙されている。
著作権法第30条第1項第2号「技術的保護手段の回避」一次資料を確認
著作権法第30条第1項第2号「により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合」一次資料を確認
ひっかけ私的使用の複製には、技術的保護手段(コピーガード等)の回避を知りながら行う場合など、例外から除かれるものがある。
解説著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用することを目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。技術的保護手段の回避により可能となった複製を、その事実を知りながら行う場合は、除かれる(著作権法30条1項2号)。
補足私的使用を目的として、政令で定めるデジタル方式の録音又は録画の機器・記録媒体で録音又は録画を行う者は、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない(著作権法30条3項)。