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民法・第10

債権の回収の問題(19問)

論点 19目安 約38組合せ 19
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この章で扱う論点19論点

債権譲渡の対抗要件連帯債務連帯債務の絶対的効力事由相殺の要件と相殺の禁止受領権者としての外観を有する者に対する弁済第三者の弁済詐害行為取消権消滅時効と時効の援用時効の完成猶予と更新供託連帯債務者間の求償権弁済の充当債権の譲渡の対抗要件相殺の要件相殺禁止特約と相殺適状弁済による代位の要件債権の譲渡性と性質による制限譲渡制限の意思表示と債権譲渡の効力譲渡制限と債務者の履行拒絶

各選択肢に根拠条文(e-Gov法令データ照合済み)と、正誤の理由・覚え方のコツをつけています。

問題と解説を読む19

通読・復習用に、この章の全問題と解説を掲載しています。1問ずつ解きながら進めたい場合は「この章を解く」からどうぞ。

1債権譲渡の対抗要件(債務者対抗要件と第三者対抗要件)

AがBに対して有する売掛金債権をCに譲渡した場合の対抗要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • CがBに対して債権の譲受けを主張する(債務者に対抗する)ためには、AからBへの通知またはBの承諾が、確定日付のある証書によってされていなければならない。
  • Cが、Bへの譲渡の通知より後に同じ債権の譲渡を受けた第三者Dに対して優先を主張する(債務者以外の第三者に対抗する)ためには、AからBへの通知またはBの承諾が、確定日付のある証書によってされていなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
債務者対抗要件 → 通知または承諾 → 確定日付は要らない(根拠:民法第467条第1項
正しい
第三者対抗要件 → 確定日付のある証書 → これがないと第三者に対抗できない(根拠:民法第467条第2項

「確定日付がないと譲渡を主張できない」と一括りにすると、アで誤ります。

債権譲渡は、譲渡人と譲受人の合意だけで効力が生じるが、それを誰に対して主張できるか(対抗要件)は相手によって段階が分かれる。まず債務者本人に対して『自分が新しい債権者だ』と主張するには、譲渡人から債務者への通知、または債務者の承諾があればよい(民法467条1項)。これは二重弁済を避けるため、債務者に『債権者が代わった』と知らせる趣旨で、確定日付までは要らない。これが記述アの局面で、アは『確定日付が必要』としている点が誤り。次に、同じ債権を二重に譲り受けた者など『債務者以外の第三者』との優劣を決める場面では、通知・承諾が確定日付のある証書によってされている必要がある(同条2項)。日付を後からごまかせないようにして、早い者勝ちの基準を客観化する趣旨である。これが記述イの局面で、イは正しい。コツは『誰に対抗するのか』をまず特定すること。債務者本人なら通知・承諾で足り、第三者が絡むと確定日付のある証書が必要になる、と二段で覚える。

2連帯債務(履行の請求・効力)

連帯債務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 連帯債務では、債権者は、連帯債務者の一人に対しては、その負担部分に相当する一部の履行しか請求することができない。
  • 連帯債務者の一人に対する履行の請求は、当然に他の連帯債務者に対してもその効力を生じる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
連帯 → 各人が全部の責任(根拠:民法第436条
誤り
原則相対効 → 請求は他に波及しない(根拠:民法第441条

「請求すれば全員に効く」と考えると、イで誤ります。

連帯債務は、各債務者がそれぞれ全部の給付をする義務を負い、債権者は連帯債務者の一人に対して全部または一部の履行を請求できる(民法436条)。負担部分に縛られない点が『連帯』の強みである。一方、連帯債務者の一人について生じた事由が他の連帯債務者にどう影響するかは、原則として効力を生じない相対的効力が基本で(同441条)、履行の請求もこの原則に従う。例外的に他の連帯債務者にも効力が及ぶ絶対的効力事由は、更改(438条)・相殺(439条1項)・混同(440条)に限られる。原則は相対効、例外が絶対効、と覚える。

3連帯債務の絶対的効力事由(更改・免除)

連帯債務者の一人について生じた事由の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権者が連帯債務者の一人に対して債務を免除したときは、他の連帯債務者の債務も全額消滅する。
  • 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
免除は絶対効事由でない → 他は残る(根拠:民法第441条
正しい
更改 → 絶対的効力(根拠:民法第438条

「免除すれば全員の債務が消える」と考えると、アで誤ります。

連帯債務では、一人について生じた事由が他に及ぶか(絶対的効力か相対的効力か)が問われる。原則は相対的効力で、一人に生じた事由は他の連帯債務者に効力を生じない(民法441条)。免除はこの原則どおり相対的効力なので、一人を免除しても他の連帯債務者は全額の責任を負い続ける。例外的に全員のために効力が及ぶ絶対的効力事由は、更改(438条)・相殺(439条1項)・混同(440条)に限られ、たとえば一人と債権者の間に更改があれば債権は全員のために消滅する。免除と更改で結論が分かれる点を押さえる。

4相殺の要件と相殺の禁止

相殺に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担し、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によって債務を免れることができる。
  • 悪意による不法行為に基づく損害賠償債務の債務者は、その債務を受働債権として、相殺をもって債権者に対抗することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
相殺適状 → 対当額で消滅(根拠:民法第505条第1項
正しい
現実弁済を確保 → 相殺不可(根拠:民法第509条

相殺できる場面と、政策的に禁止される場面を分けて理解しましょう。

相殺は、互いに同種の目的を有する債務を負担し、双方の債務が弁済期にある(相殺適状)ときに、対当額で簡易に決済できる制度である(民法505条1項)。もっとも、相殺を認めると被害者が現実の支払を受けられず酷な場面がある。そこで、悪意による不法行為に基づく損害賠償債務や、人の生命・身体の侵害による損害賠償債務を受働債権とする相殺は禁止される(同509条)。加害者が『自分の債権と相殺するから払わない』と言えないようにして、被害者への現実の弁済を確保する趣旨である。

5受領権者としての外観を有する者に対する弁済

弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 受領権者としての外観を有する者に対してした弁済は、弁済をした者が善意であれば、過失があったとしても常にその効力を有する。
  • 債務の弁済は、債務者本人でなければすることができず、第三者が弁済をすることは一切認められない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
善意だけでは不足 → 無過失も必要(根拠:民法第478条
誤り
第三者弁済 → 原則可能(根拠:民法第474条第1項

「善意ならOK」「弁済は本人だけ」と覚えると、両方で誤ります。

本来、弁済は受領権限のある者にしなければ効力を生じないが、取引の安全のため、受領権者としての外観を有する者(例:通帳と印鑑を持参した者など)に対する弁済は、弁済をした者が善意でありかつ過失がなかったときに限り有効となる(民法478条)。『善意』だけでなく『無過失』まで要る点が重要。また、弁済は債務者本人でなくてもよく、第三者もすることができる(同474条1項。ただし正当な利益を有しない第三者は債務者の意思に反して弁済できないなどの制限がある)。

6第三者の弁済

第三者の弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 弁済をするについて正当な利益を有しない第三者は、債務者の意思に反する場合であっても、常に有効に弁済をすることができる。
  • 弁済をするについて正当な利益を有する第三者は、債務者の意思に反する場合であっても、弁済をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
意思に反する弁済 → 正当な利益が必要(根拠:民法第474条第2項
正しい
正当な利益 → 意思に反しても弁済可(根拠:民法第474条第2項

第三者なら誰でも自由に弁済できる、と考えると、アで誤ります。

弁済は第三者もできるのが原則だが(民法474条1項)、誰でも無制限にできるわけではない。弁済をするについて正当な利益を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない(同条2項。ただし債務者の意思に反することを債権者が知らなければ有効)。逆に、物上保証人や担保不動産の第三取得者のように弁済について正当な利益を有する第三者は、債務者の意思に反しても弁済でき、弁済による代位で求償を確保できる。『正当な利益』の有無が分かれ目である。

7詐害行為取消権

詐害行為取消権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを、裁判所に請求することができる。
  • 詐害行為取消請求は、財産権を目的としない行為についても、することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
責任財産の保全 → 裁判上の取消し(根拠:民法第424条第1項
誤り
身分行為等 → 取消し不可(根拠:民法第424条第2項

「どんな行為でも取り消せる」と考えると、イで誤ります。

債務者が自分の財産を不当に減らすと、債権者は債権を回収できなくなる。そこで債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為(詐害行為)の取消しを裁判所に請求できる(民法424条1項。受益者が善意なら取り消せないなどの要件がある)。この制度は責任財産を保全するためのものなので、財産権を目的としない行為(身分行為など)には適用されない(同条2項)。あくまで『裁判所に請求して』取り消す点、対象が財産に関する行為に限られる点を押さえる。

8消滅時効と時効の援用

債権の消滅時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
  • 時効は、当事者が援用しなければ、裁判所はこれによって裁判をすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
主観的起算点5年(根拠:民法第166条第1項
正しい
援用主義(根拠:民法第145条

時効は『期間の経過』だけでは完成しません。

債権の消滅時効は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間(主観的起算点)、または権利を行使することができる時から10年間(客観的起算点)行使しないときに完成する(民法166条1項)。もっとも、時効期間が経過しても自動的に効果が確定するわけではなく、時効は当事者(消滅時効では保証人・物上保証人等を含む)が援用しなければ、裁判所はこれによって裁判をすることができない(同145条)。時効の利益を受けるには援用が必要、という点が重要である。

9時効の完成猶予と更新

時効の完成猶予・更新に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 裁判上の請求をしても、確定判決等によって権利が確定すれば、時効は更新されず、従前の時効がそのまま進行する。
  • 裁判上の請求等がある場合には、その事由が終了するまでの間は、時効は完成しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
リセットされる(根拠:民法第147条第2項
正しい
完成猶予(根拠:民法第147条第1項

「請求してもそのまま時効が進む」と考えると、アで誤ります。

時効の進行を止める仕組みには、完成猶予と更新がある。裁判上の請求、支払督促、調停、破産手続参加等の事由がある場合には、その事由が終了するまでの間は時効が完成しない(完成猶予。民法147条1項)。そして、確定判決または確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効はその事由が終了した時から新たにその進行を始める(更新。同条2項)。完成猶予は『一時停止』、更新は『リセット』とイメージすると区別しやすい。

10供託

供託に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 弁済の提供をした場合において債権者がその受領を拒んだときであっても、弁済者は弁済の目的物を供託することができない。
  • 弁済者が弁済の目的物を供託したときは、その供託をした時に、その債権は消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
供託の可否(根拠:民法第494条第1項
正しい
供託の効果(根拠:民法第494条第1項

受け取ってもらえないときは、供託で債務を消せます。

弁済者は、(1) 弁済の提供をしたが債権者が受領を拒んだとき、(2) 債権者が受領できないとき、(3) 弁済者が過失なく債権者を確知できないときは、債権者のために弁済の目的物を供託することができる(民法494条)。そして、供託をした時に、その債権は消滅する。受領してもらえない、あるいは誰に弁済すべきか分からない場合でも、供託によって債務を確定的に免れることができる制度である。

11連帯債務者間の求償権

連帯債務者間の求償に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 連帯債務者の一人が弁済等で共同の免責を得たとき、その免責を得た額が自己の負担部分を超えなければ、他の連帯債務者に対して求償することは一切できない。
  • 連帯債務者間の求償は、他の連帯債務者の負担部分にかかわらず、免責を得た全額について行うことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
求償の要件(根拠:民法第442条第1項
誤り
負担部分に応じる(根拠:民法第442条第1項

求償は『自分の負担を超えなくても』『負担部分に応じて』できます。

連帯債務者の一人が弁済その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分に応じた額の求償権を有する(民法442条1項)。すなわち、一部弁済でも負担部分に応じて求償でき、求償できるのは各連帯債務者の負担部分に応じた額である。さらに法定利息等も求償に含まれる(同条2項)。

12弁済の充当

弁済の充当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務がある場合に、弁済が全ての債務を消滅させるのに足りないときでも、弁済をする者が充当すべき債務を指定することはできない。
  • 当事者のいずれも充当の指定をしないときは、弁済はどの債務にも充当されず、その効力を生じない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
指定充当(根拠:民法第488条第1項
誤り
法定充当(根拠:民法第488条第4項

複数の借金がある場合、どれに充てるかは原則弁済者が決められます。

同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担し、弁済が全債務を消滅させるのに足りないときは、まず弁済をする者が、給付の時に充当すべき債務を指定できる(指定充当。民法488条1項)。弁済者が指定しないときは弁済受領者が指定でき(同条2項)、いずれも指定しないときは、弁済期の到来・弁済の利益・弁済期の先後等に従って法定の順序で充当される(法定充当。同条4項)。弁済が無効になるのではなく、必ずいずれかの債務に充当される。

13債権の譲渡の対抗要件

債権の譲渡の対抗要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなくても、債務者その他の第三者に対抗することができる。
  • 債権譲渡を債務者以外の第三者に対抗するためには、確定日付のある証書による通知又は承諾が必要である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
対抗要件(根拠:民法第467条第1項
正しい
確定日付(根拠:民法第467条第2項

債権譲渡は『通知・承諾』、二重譲渡対策は『確定日付』が要点です。

債権の譲渡(将来債権の譲渡を含む)は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない(民法467条1項。権利行使要件・対抗要件)。さらに、債務者以外の第三者(二重譲受人等)に対抗するためには、その通知又は承諾が確定日付のある証書(内容証明郵便等)によってされる必要がある(同条2項)。債権の流動化・資金調達の場面で重要な規律である。

14相殺の要件

相殺に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担し、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。
  • 相殺は、債務の性質がこれを許さない場合であっても、することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
相殺(根拠:民法第505条第1項
誤り
相殺の制限(根拠:民法第505条第1項

同種・弁済期到来の債権どうしは、相殺で簡単に決済できます。

二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるとき(相殺適状)は、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる(民法505条1項本文)。ただし、債務の性質がこれを許さないときは相殺できない(同項ただし書)。当事者が相殺を禁止・制限する意思表示をした場合、それを善意・無重過失の第三者に対抗することはできない(同条2項)。相殺は簡易な決済・担保的機能を果たす制度である。

15相殺禁止特約と相殺適状

相殺に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 当事者が相殺を禁止する旨の意思表示をした場合、その意思表示は、第三者がこれを知っていたか否かにかかわらず、常に第三者に対抗することができる。
  • 相殺は、双方の債務の弁済期が到来していなくても、当然にすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
相殺禁止特約(根拠:民法第505条第2項
誤り
相殺適状(根拠:民法第505条第1項

「特約は常に第三者に対抗できる」「弁済期前でも相殺できる」はどちらも誤りです。

当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる(民法505条2項)。すなわち善意・無重過失の第三者には対抗できない。また、相殺をするには双方の債務が弁済期にあること(相殺適状)が原則必要である(同条1項。ただし自働債権が弁済期にあれば、受働債権の期限の利益を放棄して相殺できる)。

16弁済による代位の要件

弁済による代位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する。
  • 債務者のために弁済をした者であっても、債権者には代位しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
代位の基本効果を確認(根拠:民法第499条
誤り
代位の効果を真逆にする(根拠:民法第499条

弁済しても代位しないと誤りやすい

債務者のために弁済をした者は、求償権を確保するため債権者に代位します。これにより、弁済者は債権者が有していた権利(担保権など)を行使できるようになります。条文の効果をそのまま反転させた選択肢が誤りになるので、基本効果を確実に覚えましょう。

17債権の譲渡性と性質による制限

債権の譲渡性に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権は、その性質がこれを許さないときは、譲り渡すことができない。
  • 債権は、その性質のいかんを問わず、いかなる場合でも譲り渡すことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
譲渡性の例外を確認(根拠:民法第466条第1項
誤り
ただし書の例外を無視させる(根拠:民法第466条第1項

どんな債権でも譲渡できると誤りやすい

債権は財産として原則自由に譲渡できます。ただし、給付の内容が債権者個人に着目したものなど、その性質が譲渡を許さない債権は例外的に譲渡できません。原則(譲渡自由)とただし書(性質による制限)をセットで理解しましょう。

18譲渡制限の意思表示と債権譲渡の効力

譲渡制限の意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても、債権の譲渡はその効力を妨げられない。
  • 譲渡制限の意思表示がされたときは、債権の譲渡はその効力を生じず無効となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
譲渡の効力が維持される点を確認(根拠:民法第466条第2項
誤り
効力維持を真逆にする(根拠:民法第466条第2項

譲渡制限があれば譲渡は無効と誤りやすい

改正民法では、当事者が譲渡制限の意思表示をしても、債権譲渡そのものの効力は妨げられません。資金調達などのため債権の流通性を確保する趣旨です。譲渡が「無効になる」という古い理解が誤りのひっかけになるので注意しましょう。

19譲渡制限と債務者の履行拒絶

譲渡制限の意思表示と債務者の対抗に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 譲渡制限の意思表示がされたことを軽過失で知らなかった譲受人に対しても、債務者はその債務の履行を拒むことができる。
  • 譲渡制限の意思表示がされたことを知っていた譲受人に対しては、債務者はその債務の履行を拒むことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
重過失要件を軽過失にすり替える(根拠:民法第466条第3項
正しい
悪意者への対抗を確認(根拠:民法第466条第3項

軽過失でも履行を拒めると誤りやすい

譲渡制限があっても譲渡は有効ですが、譲受人が制限を知り(悪意)又は重大な過失で知らなかった場合には、債務者はその者への履行を拒み、譲渡人への弁済を対抗できます。基準は「悪意・重過失」であって、軽過失は含まれない点がひっかけになります。