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相続税法・第10

相続・事業承継(相続税法)の問題(20問)

この章を解く(20問)→

この章の概要

相続税と贈与税を定める相続税法をあつかう章です。相続税・贈与税の申告書の提出期限、相続税の連帯納付義務、延納と物納(物納財産と延納の担保)を収録しています。申告・納付の手続と、延納・物納の要件が論点で、各問の根拠は相続税法の条文とe-Govで照合しています。

この章で確認する論点

10章では、相続税の申告書の提出期限・贈与税の申告書の提出期限・相続税の連帯納付義務・相続税の延納・相続税の物納を中心に20問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

相続税法を他資格と横断して確認する場合は、税法を学べる資格と無料問題も使えます。

  • 相続税の申告・納付は『相続開始を知った日の翌日から10月以内』、提出先は『税務署長』。
  • 贈与税の申告は『翌年2月1日〜3月15日』(所得税は2月16日から)。
  • 相続税は『受けた利益の価額』を限度に相続人間で連帯納付。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

相続税法1条の311条12条13条15条16条19条19条の219条の319条の421条の521条の621条の927条28条34条38条41条

問題と解説を読む20問・答え付き

答え・解説つきで20問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年6月〜2026年6月時点の法令に準拠
1相続税の申告書の提出期限e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の相続税の申告書に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続税の申告書は、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に提出しなければならない。
  • 相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡時の住所地を所轄する市町村長である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
27条1項が相続税の申告期限を定める

相続税法第27条「その相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内」一次資料を確認

誤り
27条1項が提出先を所轄税務署長とする

相続税法第27条「申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ相続税の申告・納付は『相続開始を知った日の翌日から10月以内』、提出先は『税務署長』。

解説相続税の申告書は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人の死亡日)の翌日から10月以内に、納税地の所轄税務署長に提出する(27条1項)。納税も原則として同じ申告期限までに金銭で行う(33条)。期限内に遺産分割が調わない場合でも、法定相続分で計算して申告する必要がある。

補足相続税の納税地は、原則として被相続人の死亡時の住所地である。

2贈与税の申告書の提出期限e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の贈与税の申告書に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 贈与税の申告書は、原則として、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに提出しなければならない。
  • 贈与税の申告書も、納税地の所轄税務署長に提出する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
28条1項が贈与税の申告期限を定める

相続税法第28条「その年の翌年二月一日から三月十五日まで」一次資料を確認

正しい
28条1項が提出先を所轄税務署長とする

相続税法第28条「申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ贈与税の申告は『翌年2月1日〜3月15日』(所得税は2月16日から)。

解説贈与税は暦年(1月1日から12月31日)ごとに課税され、その年の贈与について翌年2月1日から3月15日までに申告・納付する(28条1項)。所得税の確定申告期間(2月16日から3月15日)とは開始日が異なる点に注意する。提出先は納税地(原則として受贈者の住所地)の所轄税務署長である。

補足贈与税の納税義務者は、原則として贈与により財産を取得した者(受贈者)である。

3相続税の連帯納付義務e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の連帯納付の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続税については、各相続人が自己の負担分を納付すれば足り、他の相続人の相続税について責任を負うことはない。
  • 同一の被相続人から財産を取得した全ての者は、相続により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の責めに任ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
34条1項が連帯納付義務を定める

相続税法第34条「互いに連帯納付の責めに任ずる」一次資料を確認

正しい
34条1項が連帯納付の限度を定める

相続税法第34条「当該相続又は遺贈により受けた利益の価額に相当する金額を限度として、互いに連帯納付の責めに任ずる」一次資料を確認

ひっかけ相続税は『受けた利益の価額』を限度に相続人間で連帯納付。

解説相続税には連帯納付義務がある。同一の被相続人から財産を取得した相続人等は、各自が受けた利益の価額を限度として、他の相続人の相続税についても連帯して納付する責任を負う(34条1項)。ある相続人が相続税を滞納すると、他の相続人が連帯納付を求められることがあるため、納税資金の確保が重要となる。

補足申告期限から5年を経過しても税務署長が連帯納付の通知を発していない場合など、一定の場合には連帯納付義務が解除される。

4相続税の延納e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の延納に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 税務署長は、納付すべき相続税額が10万円を超え、かつ、納期限までに金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税義務者の申請により、年賦延納の許可をすることができる。
  • 相続税の延納は、税務署長が職権で行うものであり、納税義務者の申請を要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
38条1項が延納の要件を定める

相続税法第38条「金銭で納付することを困難とする事由がある場合においては、納税義務者の申請により」一次資料を確認

誤り
38条1項が延納を申請に基づくものとする

相続税法第38条「納税義務者の申請により」一次資料を確認

ひっかけ延納は『金銭納付が困難』なときに『申請』により認められる(職権ではない)。

解説延納は、相続税を金銭で一時に納付することが困難な場合に、年賦(分割)で納付することを認める制度である(38条1項)。①相続税額が10万円を超えること、②金銭納付を困難とする事由があること、③納税義務者の申請があること、④担保を提供すること(一定の少額・短期の場合を除く)が要件となる。

補足延納する税額が一定額を超える場合などには、延納税額に相当する担保の提供が必要である(38条4項)。

5相続税の物納e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の物納に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 物納は、納税義務者が相続税を金銭で納付することが困難であれば、延納によって納付することができる場合であっても認められる。
  • 物納は、納付すべき相続税額を延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合に、納税義務者の申請により認められる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
41条1項が延納の困難を物納の要件とする

相続税法第41条「延納によつても金銭で納付することを困難とする事由がある場合」一次資料を確認

正しい
41条1項が物納を申請に基づくものとする

相続税法第41条「納税義務者の申請により、その納付を困難とする金額として政令で定める額を限度として、物納の許可をすることができる」一次資料を確認

ひっかけ納付は『金銭一時→延納→物納』の順。物納は延納でも困難な場合に限る。

解説物納は、相続税を金銭で納付することが困難で、かつ延納によっても金銭で納付することが困難な場合に、相続財産そのもの(不動産・国債など)で納付することを認める制度である(41条1項)。納付方法の順序は、金銭一時納付が原則で、それが困難なら延納、延納でも困難なら物納、という優先順位になっている。

補足物納は納税義務者の申請により、税務署長の許可を受けて行う。

6物納財産と延納の担保e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の物納財産及び延納の担保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 物納に充てることができる財産には、この法律の施行地(国内)にない国外財産も含まれる。
  • 相続税の延納の許可を受ける場合、延納税額がいくらであっても、担保を提供する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
41条2項が物納財産を国内の一定財産に限定する

相続税法第41条「この法律の施行地にあるもののうち次に掲げるもの」一次資料を確認

誤り
38条4項が延納の担保提供を原則とする

相続税法第38条「その延納税額に相当する担保を徴さなければならない」一次資料を確認

ひっかけ物納財産は『国内の一定財産』に限る。延納は原則『担保』が必要。

解説物納に充てられる財産は、課税価格計算の基礎となった国内財産のうち、不動産・船舶・国債・上場株式など、一定の種類・順位のものに限られる(41条2項)。延納の場合は、原則として延納税額に相当する担保の提供が必要である(38条4項。延納税額100万円以下かつ期間3年以下の場合を除く)。いずれも納税資金が不足する場合の救済手段である。

補足物納財産には、不動産・国債・上場株式などの優先順位があり、後順位の財産は先順位のものがない場合に充てられる。

7相続税の納税義務者e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の相続税の納税義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続又は遺贈により財産を取得した個人で、財産を取得した時にこの法律の施行地(日本国内)に住所を有する者は、原則として相続税を納める義務がある。
  • 相続税の納税義務者は、財産を取得した時にこの法律の施行地(日本国内)に住所を有する個人に限られ、住所を有しない者が納税義務を負うことはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
1条の3第1項1号が国内に住所を有する者を納税義務者とする

相続税法第1条の3「当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの」一次資料を確認

誤り
1条の3第1項2号・4号が住所を有しない者も納税義務者とする→『限られる』は誤り

相続税法第1条の3「当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの」一次資料を確認

ひっかけ『国内に住所がある人だけが納税義務者』は誤り。住所がない人も一定要件で課税される。

解説相続税の納税義務者は、財産取得時に国内(この法律の施行地)に住所があるかどうかで居住無制限・非居住など複数の区分に分かれる(1条の3)。住所を有する者だけでなく、日本国籍の有無や過去10年以内の住所の有無により、住所を有しない者も納税義務を負う場合がある。

補足財産取得時に国内に住所を有する個人は、取得した全ての財産(国内外を問わず)が課税対象となるのが原則である。

8遺産に係る基礎控除e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の遺産に係る基礎控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 遺産に係る基礎控除額の計算上の相続人の数は、相続の放棄があった場合には、その放棄を反映した後(放棄者を除いた後)の相続人の数による。
  • 遺産に係る基礎控除額は、3,000万円と、600万円に被相続人の相続人の数を乗じて算出した金額との合計額である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
15条2項が放棄を無視して相続人の数を計算する→『放棄後の数』は誤り

相続税法第15条「相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした場合における相続人の数とする」一次資料を確認

正しい
15条1項が基礎控除額の算式を定める

相続税法第15条「三千万円と六百万円に当該被相続人の相続人の数を乗じて算出した金額との合計額」一次資料を確認

ひっかけ基礎控除の人数は『放棄はなかったものとして』数える。養子の算入数にも上限がある。

解説遺産に係る基礎控除額は『3,000万円+600万円×法定相続人の数』で求める(15条1項)。この相続人の数は、相続放棄があってもなかったものとして数え(15条2項)、養子は実子がいれば1人まで・実子がいなければ2人までしか算入できない(同項各号)。

補足養子の数は、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人を上限として相続人の数に算入する(15条2項各号)。

9配偶者に対する相続税額の軽減e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の配偶者に対する相続税額の軽減に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 配偶者が取得した財産のうち、配偶者の法定相続分相当額と1億6,000万円とのいずれか多い金額までに対応する部分については、配偶者の納付すべき相続税額が軽減される。
  • 配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けるには、相続税の申告書に、この規定の適用を受ける旨や金額計算の明細を記載した書類等を添付して提出する必要がある。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
19条の2第1項2号が1.6億円の最低保障を定める→いずれか多い金額まで軽減

相続税法第19条の2「当該金額が一億六千万円に満たない場合には、一億六千万円」一次資料を確認

正しい
19条の2第3項が書類添付を適用要件とする

相続税法第19条の2「書類の添付がある場合に限り、適用する」一次資料を確認

ひっかけ軽減枠は『法定相続分か1.6億円の多い方』。税額0でも申告書の提出と書類添付が要る。

解説配偶者の税額軽減は、配偶者が取得した遺産のうち『法定相続分相当額』または『1億6,000万円』のいずれか多い金額までに対応する相続税額を軽減する制度(19条の2第1項)。適用には相続税の申告書に所定の明細書類を添付する必要があり(同条3項)、納付税額が0でも申告は必要となる。

補足未分割の財産は原則として税額軽減の対象に含まれないが、申告期限から3年以内に分割されれば対象にできる(19条の2第2項)。

10贈与税の配偶者控除e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の贈与税の配偶者控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 贈与税の配偶者控除は、婚姻期間が10年以上である配偶者から居住用不動産またはその取得のための金銭の贈与を受けた場合に適用される。
  • 贈与税の配偶者控除は、同一の配偶者からの贈与について、要件を満たせば毎年繰り返して適用を受けることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
21条の6第1項が婚姻期間二十年以上を要件とする→『10年以上』は誤り

相続税法第21条の6「その者との婚姻期間が二十年以上である配偶者から」一次資料を確認

誤り
21条の6第1項が過去に適用を受けた者を除外する→『毎年繰り返し』は誤り

相続税法第21条の6「贈与により当該配偶者から取得した財産に係る贈与税につきこの条の規定の適用を受けた者を除く」一次資料を確認

ひっかけ婚姻期間は『20年以上』、適用は同一配偶者間で『一度だけ』。

解説贈与税の配偶者控除は、婚姻期間20年以上の配偶者から居住用不動産またはその取得用の金銭の贈与を受けた場合に、課税価格から最高2,000万円を控除できる制度(21条の6第1項)。過去に同一配偶者からの贈与でこの控除を受けた者は対象外で、同一夫婦間では一生に一度しか使えない。

補足控除額は最高2,000万円で、贈与を受けた居住用不動産等の価額がこれに満たない場合はその価額が限度となる(21条の6第1項)。

11相続時精算課税の選択e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の相続時精算課税に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続時精算課税は、贈与をした者がその年1月1日において60歳以上であり、財産を取得した者がその贈与者の直系卑属である推定相続人で、同日において18歳以上である場合に選択できる。
  • 相続時精算課税の選択届出書は、提出した後であっても、贈与者の生存中であれば撤回することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
21条の9第1項が贈与者60歳以上・受贈者18歳以上を要件とする

相続税法第21条の9「その贈与をした者が同日において六十歳以上の者である場合」一次資料を確認

相続税法第21条の9「その年一月一日において十八歳以上であるものに限る」一次資料を確認

誤り
21条の9第6項が届出書の撤回を禁止する→『撤回できる』は誤り

相続税法第21条の9「相続時精算課税適用者は、第二項の届出書を撤回することができない」一次資料を確認

ひっかけ精算課税は『60歳以上→18歳以上の推定相続人』。一度選ぶと撤回不可。

解説相続時精算課税は、原則として60歳以上の贈与者から18歳以上の推定相続人(直系卑属)への贈与について選択できる制度で、選択には届出書を納税地の所轄税務署長に提出する(21条の9第1項・2項)。いったん選択すると撤回できず、その贈与者からの贈与はその後すべて精算課税の対象となる(同条6項)。

補足相続時精算課税を選択する旨の届出書は、贈与税の申告期間内に納税地の所轄税務署長へ提出する(21条の9第2項)。

12相続税の債務控除e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の債務控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続又は遺贈により財産を取得した一定の者については、被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む。)のうち、その者の負担に属する部分の金額を、課税価格に算入すべき価額から控除する。
  • 被相続人に係る葬式費用のうち、その者の負担に属する部分の金額は、課税価格に算入すべき価額から控除する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
13条1項1号が控除対象の債務を定める

相続税法第13条「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」一次資料を確認

正しい
13条1項2号が葬式費用を控除対象に列挙

相続税法第13条「被相続人に係る葬式費用」一次資料を確認

ひっかけ債務控除の対象は『現に存する債務(公租公課含む)』と『葬式費用』。ただし債務は確実なものに限る(14条)。

解説債務控除では、被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を含む)と、被相続人に係る葬式費用を、相続人等の負担に属する部分について課税価格から控除する(13条1項1号・2号)。ただし控除すべき債務は『確実と認められるもの』に限られ(14条1項)、成立が不確実な保証債務などは原則として控除できない。葬式費用は被相続人の債務そのものではないが、政策的に控除が認められている点も押さえておく。

補足墓地・墓石など非課税財産の取得・維持のための債務は、債務控除の対象とならない。

13相続税の未成年者控除e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の未成年者控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続人に該当し、かつ、18歳未満の者については、算出した金額から、10万円にその者が18歳に達するまでの年数を乗じて計算した金額を控除する。
  • 未成年者控除額が、その控除を受ける者について算出した相続税額を超える場合、その超える部分の金額は切り捨てられ、他の者の相続税額から控除することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
19条の3第1項が控除額を定める

相続税法第19条の3「十万円にその者が十八歳に達するまでの年数」一次資料を確認

誤り
19条の3第2項が控除しきれない額を扶養義務者から控除すると定める

相続税法第19条の3「その控除を受ける者の扶養義務者」一次資料を確認

ひっかけ未成年者控除は18歳までの年数×10万円。控除しきれない分は扶養義務者から控除できる(切捨てではない)。

解説未成年者控除は、18歳未満の相続人について、10万円に18歳に達するまでの年数(1年未満は切上げ)を乗じた額を相続税額から控除する(19条の3第1項)。控除額が本人の相続税額を超えて控除しきれない場合は、その超過分を扶養義務者の相続税額から控除できる(同条2項)。成年年齢の引下げに伴い、基準年齢は20歳から18歳に変更されている点に注意する。

補足障害者控除でも同様に、控除しきれない金額は扶養義務者の相続税額から控除できる(19条の4第3項による準用)。

14相続税の障害者控除e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の障害者控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 障害者控除では、その者が特別障害者である場合であっても、控除額の計算に用いる金額は一般障害者と同じく1年につき10万円である。
  • 障害者控除は、相続人に該当する障害者について、算出した金額から、所定の金額にその者が85歳に達するまでの年数を乗じて計算した金額を控除するものである。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
19条の4第1項が特別障害者は20万円と定める

相続税法第19条の4「その者が特別障害者である場合には、二十万円」一次資料を確認

正しい
19条の4第1項が85歳までの年数を乗じると定める

相続税法第19条の4「八十五歳に達するまでの年数」一次資料を確認

ひっかけ障害者控除は『85歳まで』の年数×(一般10万円/特別障害者20万円)。

解説障害者控除は、相続人である障害者について、85歳に達するまでの年数(1年未満は切上げ)に、一般障害者は10万円、特別障害者は20万円を乗じた額を相続税額から控除する(19条の4第1項)。未成年者控除が『18歳まで』を基準とするのに対し、障害者控除は『85歳まで』を基準とする点を取り違えないこと。控除しきれない額を扶養義務者から控除できる点は未成年者控除と同じ(同条3項による準用)。

補足未成年者控除と障害者控除はいずれも相続人であることが要件で、相続を放棄しても放棄がなかったものとして相続人に該当すれば適用できる。

15相続税の総額の計算e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税法上の相続税の総額の計算に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続税の総額は、課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除額を控除した残額を、各相続人が実際の遺産分割の割合に応じて取得したものとして計算する。
  • 相続税の総額の計算に用いる税率は、各取得金額の大小にかかわらず一律10%の比例税率である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
16条が法定相続分に応じて取得したものとした場合の金額で計算すると定める

相続税法第16条「相続分に応じて取得したものとした場合」一次資料を確認

誤り
16条の表が金額区分ごとに異なる税率を定める

相続税法第16条「千万円を超え三千万円以下の金額百分の十五」一次資料を確認

ひっかけ相続税の総額は『法定相続分で按分』して『超過累進税率』を適用する。実際の分割割合や一律税率ではない。

解説相続税の総額は、(1)課税価格の合計額から基礎控除額を引いた課税遺産総額を、(2)各相続人が法定相続分(民法900条・901条)に応じて取得したものと仮定して按分し、(3)各取得金額に10〜55%の超過累進税率を適用して算出した税額を合計して求める(16条)。実際にどう分割したかにかかわらず、いったん法定相続分で按分して総額を出すのが特徴で、その後に各人の実際の取得割合で総額を割り振る。『法定相続分で総額を出す→実際の取得分で按分』の2段階を取り違えないこと。

補足課税遺産総額の按分や税率適用の段階では実際の分割内容は問わない。各人の納付税額の段階で実際の取得割合に応じて割り振る。

16相続税の課税価格e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税の課税価格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続税は、相続税法の定めるところにより、課税価格や相続税額を計算して課される。
  • 相続税は、民法だけに基づいて課税価格を計算し、相続税法の規定は用いない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
相続税法第11条の「相続税は、この節及び第三節に定めるところにより」と一致するため正しい。

相続税法第11条「相続税は、この節及び第三節に定めるところにより」一次資料を確認

誤り
要件または効果の入替え

相続税法第11条「相続税は、この節及び第三節に定めるところにより」一次資料を確認

ひっかけ相続のルールは民法だけ、と考えるとイを正しいと誤る。課税価格や税額の計算は相続税法の定めるところによる。

解説相続税は、相続税法の定めるところにより、相続又は遺贈により財産を取得したすべての者に係る相続税の総額を計算し、その総額を基礎として各取得者の相続税額として計算した金額により課される(相続税法11条)。アはこのとおり正しく、「民法だけに基づいて計算し、相続税法の規定は用いない」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足民法は誰が相続人か・法定相続分はいくらかを定め、相続税法はそれを前提に課税価格・相続税の総額・各人の税額の計算方法を定める。二つの法律の役割分担として覚える。

17相続税の非課税財産e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税の非課税財産に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 墓所、霊びょう、祭具等の価額は、相続税の課税価格に算入しない財産に含まれる。
  • 墓所や祭具の価額は、常に相続税の課税価格に算入される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
相続税法第12条第1項第2号の「墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」と一致するため正しい。

相続税法第12条第1項第2号「墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」一次資料を確認

誤り
要件または効果の入替え

相続税法第12条第1項第2号「墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」一次資料を確認

ひっかけ財産なら何でも課税、と考えるとイを正しいと誤る。墓所・霊びょう・祭具等は課税価格に算入しない非課税財産である。

解説墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるものの価額は、相続税の課税価格に算入しない(相続税法12条1項2号=相続税の非課税財産)。アはこのとおり正しく、「常に課税価格に算入される」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足12条の非課税財産には、ほかに公益事業を行う者が取得し公益事業の用に供することが確実な財産などが列挙されている。祖先祭祀・公益性への配慮という趣旨から出題される。

18相続開始前贈与の加算期間e-Gov等の一次資料で確認済み

相続開始前贈与の加算期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続開始前7年以内の一定の贈与財産は、相続税の課税価格への加算が問題となる。
  • 相続開始前の贈与は、何年前のものでも一切相続税の課税価格に加算されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
相続税法第19条第1項の「当該相続の開始前七年以内」と一致するため正しい。

相続税法第19条第1項「当該相続の開始前七年以内」一次資料を確認

誤り
要件または効果の入替え

相続税法第19条第1項「当該相続の開始前七年以内」一次資料を確認

ひっかけ生前に贈与してしまえば相続税と無関係、と考えるとイを正しいと誤る。相続開始前7年以内の贈与財産は課税価格への加算の対象になる。

解説相続又は遺贈により財産を取得した者が、相続開始前7年以内に被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合には、その贈与財産(加算対象贈与財産)の価額を相続税の課税価格に加算した価額を課税価格とみなして相続税を計算する(相続税法19条1項)。アはこのとおり正しく、「何年前のものでも一切加算されない」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足加算対象贈与財産のうち相続開始前3年以内に取得した財産以外のもの(3年超7年以内の分)については、その合計額から100万円を控除した残額を加算する(19条1項括弧書き)。加算期間は改正で3年から7年に延長された。

19贈与税の基礎控除e-Gov等の一次資料で確認済み

贈与税の基礎控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 贈与税については、課税価格から基礎控除額を控除する規定がある。
  • 贈与税には、課税価格から控除する基礎控除の規定は存在しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
相続税法第21条の5の「課税価格から六十万円を控除する」と一致するため正しい。

相続税法第21条の5「課税価格から六十万円を控除する」一次資料を確認

誤り
要件または効果の入替え

相続税法第21条の5「課税価格から六十万円を控除する」一次資料を確認

ひっかけ贈与税に基礎控除はない、と考えるとイを誤る。相続税法は課税価格から基礎控除額を控除する規定を置いている。

解説贈与税については、課税価格から基礎控除額を控除する(相続税法21条の5)。アはこのとおり正しく、「基礎控除の規定は存在しない」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足相続税法本則の基礎控除額は60万円だが(21条の5)、租税特別措置法の特例により、課税価格からは60万円に代えて110万円が控除される。よく知られた110万円は特例の数字で、本則は60万円という関係を押さえる。

20相続税の申告期限e-Gov等の一次資料で確認済み

相続税の申告期限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続税の申告は、原則として相続開始を知った日の翌日から10月以内に行う。
  • 相続税の申告期限は、相続開始を知った日の翌日から2月以内である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
相続税法第27条第1項の「相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内」と一致するため正しい。

相続税法第27条第1項「相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内」一次資料を確認

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相続税法第27条第1項「相続の開始があつたことを知つた日の翌日から十月以内」一次資料を確認

ひっかけ申告期限を消費税の「2月」と混ぜるとイを正しいと誤る。相続税の申告は相続開始を知った日の翌日から10月以内である。

解説相続又は遺贈により財産を取得した者等は、課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合には、その相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内に、申告書を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない(相続税法27条1項)。アはこのとおり正しく、「2月以内」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足申告義務が生じるのは「課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合」で、起算点は「相続の開始があったことを知った日の翌日」。期限の数字(10月)と併せて、この二つの前提条件も問われる。

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