問1利子所得と配当所得e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の利子所得及び配当所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額とする。
- イ.配当所得の金額は、その年中の配当等の収入金額とする(元本取得のための負債利子がある場合はこれを控除する)。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 23条2項が利子所得の金額を収入金額とする
所得税法第23条「利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額とする」一次資料を確認
- イ.正しい
- 24条2項が配当所得の金額を定める
所得税法第24条「配当所得の金額は、その年中の配当等の収入金額とする」一次資料を確認
ひっかけ利子所得は収入金額そのまま。配当所得は『負債利子』だけ控除できる。
解説利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額そのものである(23条2項・必要経費の控除なし)。配当所得の金額は、その年中の配当等の収入金額だが、株式等を取得するための負債の利子があるときはこれを控除する(24条2項)。所得の区分(10種類)ごとに金額の計算方法が異なる点を押さえる。
補足必要経費を控除して所得金額を計算するのは、不動産所得・事業所得・雑所得などである。
問2不動産所得と事業所得e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の不動産所得及び事業所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く)をいう。
- イ.事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額とし、必要経費は控除しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 26条1項が不動産所得を定義する
所得税法第26条「不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機」一次資料を確認
- イ.誤り
- 27条2項が事業所得の金額を定める
所得税法第27条「事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする」一次資料を確認
ひっかけ不動産・事業所得は『総収入金額−必要経費』で計算する。
解説不動産所得とは、不動産・不動産の上に存する権利・船舶・航空機の貸付けによる所得(事業所得・譲渡所得を除く)をいう(26条1項)。事業所得とは、農業・漁業・製造業等の事業から生ずる所得(山林所得・譲渡所得を除く)をいう(27条1項)。いずれも金額は総収入金額から必要経費を控除して計算する(26条2項・27条2項)。
補足不動産の貸付けでも、規模が大きく事業的なものでも所得区分は不動産所得である(事業所得ではない)。
問3給与所得と退職所得e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の給与所得及び退職所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額そのものとする。
- イ.退職所得の金額は、原則として、その年中の退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 28条2項が給与所得の金額を定める
所得税法第28条「給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする」一次資料を確認
- イ.正しい
- 30条2項が退職所得の金額を定める
所得税法第30条「退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額」一次資料を確認
ひっかけ給与所得は収入−控除額。退職所得は(収入−控除額)の『2分の1』。
解説給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額である(28条2項)。退職所得の金額は、原則として(退職手当等の収入金額−退職所得控除額)×2分の1で計算される(30条2項本文)。ただし、勤続年数5年以下の特定役員退職手当等などは2分の1課税が適用されない場合がある。
補足退職所得控除額は勤続年数に応じて計算される(20年以下は年40万円、20年超の部分は年70万円)。
問4一時所得と雑所得e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の一時所得及び雑所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得をいう。
- イ.雑所得とは、利子所得から一時所得までの9種類の所得のいずれかに該当する所得のうち、特に定められたものをいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 34条1項が一時所得を定義する
所得税法第34条「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」一次資料を確認
ひっかけ一時所得は『継続的行為以外』の一時の所得。雑所得は『どれにも当たらない』所得。
解説一時所得とは、他の8種類の所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得『以外』の一時の所得で、労務・役務・資産譲渡の対価でないものをいう(34条1項。例:懸賞・福引の賞金、満期保険金等)。雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも該当しない所得をいう(35条1項。例:公的年金等、副業の原稿料)。
補足一時所得の金額は、総収入金額−支出額−特別控除(最高50万円)で計算し、総所得金額には2分の1が算入される。
問5損益通算e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の損益通算に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、政令で定める順序により、これを他の各種所得の金額から控除する。
- イ.給与所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額から控除することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 69条1項が損益通算の対象と効果を定める
所得税法第69条「これを他の各種所得の金額から控除する」一次資料を確認
- イ.誤り
- 69条1項が損益通算の対象を限定列挙する
所得税法第69条「不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額」一次資料を確認
ひっかけ損益通算は『不・事・山・譲』の損失だけ。給与・雑などは対象外。
解説損益通算の対象となる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つに限られる(69条1項。頭文字で『富士山上=不・事・山・譲』)。利子所得・配当所得・給与所得・退職所得・一時所得・雑所得の損失は損益通算できない。なお不動産所得・譲渡所得には、損益通算が制限される損失(土地取得の負債利子、生活に通常必要でない資産の損失等)もある。
補足生活に通常必要でない資産(別荘等)の災害損失等は、他の所得から控除できない(69条2項)。
問6所得税の課税標準と総所得金額e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の課税標準及び総所得金額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.居住者に対して課する所得税の課税標準は、総所得金額のみである。
- イ.総所得金額の計算上、総合課税の対象となる長期譲渡所得の金額及び一時所得の金額は、その2分の1に相当する金額が合計される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 22条1項が課税標準を定める
所得税法第22条「総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする」一次資料を確認
ひっかけ課税標準は3区分。総合長期譲渡・一時所得は『2分の1』だけ総所得に入る。
解説居住者の所得税の課税標準は、総所得金額・退職所得金額・山林所得金額の3つに分かれる(22条1項)。総所得金額の計算上、総合課税の長期譲渡所得と一時所得は、その合計額の2分の1のみが算入される(22条2項2号)。退職所得・山林所得は分離して課税標準が計算される。
補足土地建物等の譲渡所得や株式の譲渡所得は、申告分離課税とされ総所得金額には算入されない。
問7青色申告の対象と承認e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の青色申告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.青色申告は、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う居住者が、納税地の所轄税務署長の承認を受けて行うことができる。
- イ.給与所得のみを有する居住者も、税務署長の承認を受ければ青色申告書を提出することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 143条が青色申告の対象所得と承認制を定める
所得税法第143条「不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行なう居住者は、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には」一次資料を確認
- イ.誤り
- 143条が青色申告の対象を不動産・事業・山林所得の業務者に限定する
所得税法第143条「不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行なう居住者は」一次資料を確認
ひっかけ青色申告ができるのは『不動産・事業・山林』所得の業務者。給与のみは不可。
解説青色申告は、不動産所得・事業所得・山林所得(いわゆる『不事山』)を生ずべき業務を行う居住者が、納税地の所轄税務署長の承認を受けて行う制度である(143条)。給与所得・配当所得・雑所得のみの者は青色申告の対象とならない。青色申告には、青色申告特別控除や純損失の繰越控除などの特典がある。
補足青色申告の特典には、純損失の繰越控除(70条)や青色事業専従者給与の必要経費算入などがある。
問8青色申告の承認申請の手続e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の青色申告の承認申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.その年分から青色申告の承認を受けようとする居住者は、その年の12月31日までに承認申請書を提出すればよい。
- イ.青色申告の承認申請書は、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 144条が承認申請の期限を原則3月15日とする
所得税法第144条「前条の承認を受けようとする居住者は、その年三月十五日まで」一次資料を確認
- イ.正しい
- 144条が申請書の提出先を税務署長とする
所得税法第144条「納税地の所轄税務署長に提出しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ青色申告の承認申請は原則『3月15日』まで、提出先は『税務署長』。
解説青色申告の承認を受けようとする居住者は、原則としてその年の3月15日までに、納税地の所轄税務署長へ承認申請書を提出する(144条)。ただし、その年の1月16日以後に新たに業務を開始した場合は、業務開始日から2月以内に提出すればよい。期限までに却下の通知がなければ承認があったものとみなされる。
補足1月16日以後に新規開業した場合は、開業日から2月以内が申請期限となる。
問9純損失の繰越控除e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の純損失の繰越控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.青色申告書を提出している年に生じた純損失の金額は、一定の要件のもと、翌年以後3年内の各年の総所得金額等の計算上控除することができる。
- イ.純損失の繰越控除の適用を受けるには、純損失が生じた年分のみ確定申告書を提出すれば足り、その後の年分は申告書を提出しなくてもよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 70条1項が純損失の繰越控除を3年内とする
- イ.誤り
- 70条4項が連続した申告書提出を適用要件とする
所得税法第70条「その後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する」一次資料を確認
ひっかけ純損失の繰越は『3年』、適用には『連続した確定申告』が必要。
解説青色申告書を提出した年に生じた純損失(赤字)は、翌年以後3年内の各年に繰り越し、各年の総所得金額等から控除できる(純損失の繰越控除・70条)。この適用を受けるには、純損失が生じた年分の確定申告書を提出し、その後も連続して確定申告書を提出していることが要件となる(同条4項)。
補足白色申告でも、変動所得・被災事業用資産の損失に係る純損失は繰越控除の対象となる(70条2項)。
問10確定所得申告の手続e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の確定所得申告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.確定所得申告に該当する居住者は、税務署を経由せず、住所地の市町村長に対して申告書を提出しなければならない。
- イ.不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う居住者が青色申告書以外の確定申告書を提出する場合には、これらの所得に係る総収入金額及び必要経費の内容を記載した書類を添付しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 120条1項が申告書の提出先を税務署長とする
所得税法第120条「税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない」一次資料を確認
- イ.正しい
- 120条6項が総収入金額・必要経費の内容を記載した書類の添付を求める
所得税法第120条「これらの所得に係るその年中の総収入金額及び必要経費の内容を記載した書類を当該申告書に添付しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ確定申告書の提出先は『税務署長』。白色申告でも収支内訳書の添付が必要。
解説確定所得申告に該当する居住者は、原則として翌年2月16日から3月15日までの間に、税務署長に対して確定申告書を提出する(120条1項)。不動産・事業・山林所得を生ずべき業務を行う者が白色申告(青色申告書以外)をする場合は、総収入金額と必要経費の内容を記載した収支内訳書を添付する(同条6項)。
補足確定申告の提出期間は、原則としてその年の翌年2月16日から3月15日までである。
問11還付を受けるための申告e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の還付を受けるための申告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.確定所得申告の義務がない居住者であっても、控除しきれなかった源泉徴収税額がある場合には、その還付を受けるための申告書を提出することができる。
- イ.控除しきれなかった外国税額控除の額がある場合にも、還付を受けるための申告書を提出することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 122条1項が源泉徴収税額の還付を受けるための申告を認める
所得税法第122条「控除しきれなかつた同号に規定する源泉徴収税額がある場合には、その控除しきれなかつた金額」一次資料を確認
- イ.正しい
- 122条1項が外国税額控除の還付を受けるための申告を認める
所得税法第122条「控除しきれなかつた外国税額控除の額がある場合には、その控除しきれなかつた金額」一次資料を確認
ひっかけ納め過ぎの源泉徴収税額等は『還付申告』で取り戻せる。
解説確定所得申告(120条)の義務がない居住者でも、控除しきれなかった源泉徴収税額・予納税額・外国税額控除の額がある場合には、その還付を受けるための申告書(還付申告)を提出できる(122条)。給与から源泉徴収された者が医療費控除や寄附金控除により納め過ぎとなった税の還付を受ける場面が典型である。
補足還付申告書は、その年の翌年1月1日から5年間提出することができる。
問12給与の源泉徴収義務e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の給与等の源泉徴収義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.居住者に対して国内で給与等の支払をする者は、その支払の際に所得税を徴収する義務はなく、受給者が自ら全額を確定申告で納付する。
- イ.源泉徴収した所得税は、その徴収の日の属する月の翌々月10日までに国に納付すればよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 183条1項が支払者の源泉徴収義務を定める
所得税法第183条「その支払の際、その給与等について所得税を徴収し」一次資料を確認
- イ.誤り
- 183条1項が納付期限を翌月10日とする
所得税法第183条「その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない」一次資料を確認
ひっかけ源泉徴収義務は『支払者』、納付期限は『翌月10日』。
解説居住者に給与等を支払う者は、その支払の際に所得税を源泉徴収し(183条1項)、徴収した税額をその徴収の日の属する月の翌月10日までに国に納付しなければならない。給与所得者の所得税は、原則としてこの源泉徴収と年末調整で精算されるため、多くの場合は確定申告が不要となる。
補足常時10人未満の事業所は、申請により納期の特例(年2回納付)を受けることができる。
問13山林所得と譲渡所得e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の山林所得及び譲渡所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいう。ただし、たな卸資産の譲渡その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得は、譲渡所得に含まれない。
- イ.山林所得とは、山林の伐採又は譲渡による所得をいう。山林をその取得の日以後5年以内に伐採し又は譲渡することによる所得も、山林所得に含まれる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 33条1項が定義→2項1号が営利目的・継続的な資産譲渡を除外
所得税法第33条第1項「譲渡所得とは、資産の譲渡」一次資料を確認
所得税法第33条第2項「営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得」一次資料を確認
- イ.誤り
- 32条1項が定義→2項が取得後5年以内のものを除外(『含まれる』は誤り)
所得税法第32条第1項「山林所得とは、山林の伐採又は譲渡による所得をいう」一次資料を確認
所得税法第32条第2項「山林をその取得の日以後五年以内に伐採し又は譲渡することによる所得は、山林所得に含まれないものとする」一次資料を確認
ひっかけ山林は取得後5年以内に伐採・譲渡すると山林所得から外れる(事業所得・雑所得になる)。
解説譲渡所得は資産の譲渡による所得だが、たな卸資産の譲渡や営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡は譲渡所得に含まれず、事業所得や雑所得となる(33条1項・2項)。山林所得は山林の伐採又は譲渡による所得をいうが、取得の日以後5年以内に伐採・譲渡したものは山林所得に含まれない(32条1項・2項)。保有期間や反復継続性で所得区分が変わる点を押さえる。
補足山林を取得後5年を超えて保有してから伐採・譲渡した場合は山林所得となる。
問14納税義務者(居住者・非居住者)と課税所得の範囲e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の納税義務者及び課税所得の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう。
- イ.非永住者以外の居住者は、その全ての所得について所得税が課される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 2条1項3号が居住者を定義
所得税法第2条第1項第3号「国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう」一次資料を確認
- イ.正しい
- 7条1項1号が課税所得の範囲を『全ての所得』と定める
所得税法第7条第1項第1号「非永住者以外の居住者全ての所得」一次資料を確認
ひっかけ居住者は『住所』または『1年以上の居所』。非永住者以外の居住者は全ての所得が課税対象。
解説居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう(2条1項3号)。居住者のうち非永住者以外の者は、全ての所得について所得税が課される(7条1項1号)。一方、非居住者は国内源泉所得に限り課税される(同項3号)。住所・居所の有無と、課税が及ぶ所得の範囲をセットで押さえる。
補足非永住者は、国外源泉所得のうち国内で支払われ、又は国外から送金されたものなどが課税対象となる(7条1項2号)。
問15所得控除(社会保険料控除・医療費控除)e-Gov等の一次資料で確認済み
所得税法上の所得控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.社会保険料控除は、居住者が自己の負担すべき社会保険料を支払った場合に限られ、その者と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合は、控除の対象とならない。
- イ.医療費控除は、居住者が自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合に適用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 74条1項が『自己又は…親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合』を対象とする(自己分限定は誤り)
所得税法第74条第1項「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合」一次資料を確認
- イ.正しい
- 73条1項が『自己又は…親族に係る医療費を支払つた場合』を対象とする
所得税法第73条第1項「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払つた場合」一次資料を確認
ひっかけ社会保険料控除も医療費控除も、『生計を一にする親族』の分を支払えば対象になる。
解説社会保険料控除・医療費控除はいずれも、居住者が自己の分だけでなく、自己と生計を一にする配偶者その他の親族の分(社会保険料の支払・負担、医療費の支払)をした場合にも適用される(74条1項・73条1項)。『自己の分に限る』という限定は条文にない。誰のための支出が控除の対象になるかを条文の文言で確認する。
補足社会保険料控除は、支払った又は給与から控除された全額が控除対象となる点も特徴である(74条1項)。
問16基礎控除の所得制限e-Gov等の一次資料で確認済み
基礎控除の所得制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.基礎控除は、合計所得金額が2,500万円以下である居住者について適用される。
- イ.基礎控除は、合計所得金額が2,500万円を超える居住者にも同額で適用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 所得税法第86条第1項の「合計所得金額が二千五百万円以下である居住者」と一致するため正しい。
所得税法第86条第1項「合計所得金額が二千五百万円以下である居住者」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件または効果の入替え
所得税法第86条第1項「合計所得金額が二千五百万円以下である居住者」一次資料を確認
ひっかけ基礎控除は誰でも無条件、と考えるとイを正しいと誤る。合計所得金額2,500万円以下の居住者に限られ、超えると適用がない。
解説基礎控除は、合計所得金額が2,500万円以下である居住者について、その合計所得金額の区分に応じた金額を総所得金額等から控除する制度である(所得税法86条1項)。アはこのとおり正しい。2,500万円を超える居住者には適用されないから、「同額で適用される」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。
補足控除額は一律ではなく、合計所得金額2,350万円以下は58万円、それを超えると48万円・32万円・16万円と段階的に縮小する(86条1項各号)。「高所得者は縮小→消失」という設計が問われる。
問17扶養控除の対象と控除額e-Gov等の一次資料で確認済み
扶養控除の対象と控除額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.居住者が控除対象扶養親族を有する場合、原則として1人につき38万円を控除する。
- イ.扶養控除は、控除対象扶養親族の人数にかかわらず一律38万円だけ控除する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 所得税法第84条第1項の「控除対象扶養親族一人につき三十八万円」と一致するため正しい。
所得税法第84条第1項「控除対象扶養親族一人につき三十八万円」一次資料を確認
- イ.誤り
- 要件または効果の入替え
所得税法第84条第1項「控除対象扶養親族一人につき三十八万円」一次資料を確認
ひっかけ扶養控除は世帯でひとまとめ、と考えるとイを正しいと誤る。控除は「控除対象扶養親族一人につき」で計算する。
解説居住者が控除対象扶養親族を有する場合には、その控除対象扶養親族一人につき38万円(特定扶養親族は63万円、老人扶養親族は48万円)を総所得金額等から控除する(所得税法84条1項)。アはこのとおり正しく、「人数にかかわらず一律38万円」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。
補足金額は属性で変わる:一般38万円・特定扶養親族63万円・老人扶養親族48万円(84条1項括弧書き)。「一人につき」なので対象者が増えれば控除も増える。
問18配偶者控除の要件e-Gov等の一次資料で確認済み
配偶者控除の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.配偶者控除は、居住者が控除対象配偶者を有する場合に問題となる。
- イ.配偶者控除は、控除対象配偶者を有しない場合でも必ず適用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 所得税法第83条第1項の「控除対象配偶者を有する場合」と一致するため正しい。
ひっかけ配偶者がいれば自動的に控除、と考えるとイを正しいと誤る。配偶者控除は「控除対象配偶者を有する場合」に限って適用される。
解説配偶者控除は、居住者が控除対象配偶者を有する場合に、その居住者の合計所得金額の区分に応じた金額(900万円以下なら38万円、老人控除対象配偶者は48万円など)を控除する制度である(所得税法83条1項)。アはこのとおり正しく、「有しない場合でも必ず適用される」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。
補足控除額は本人の合計所得金額で段階的に縮小し(900万円以下38万円→950万円以下26万円→1,000万円以下13万円)、1,000万円を超えると適用がない。配偶者側だけでなく本人側の所得も要件になる点が軸。
問19寄附金控除の対象e-Gov等の一次資料で確認済み
寄附金控除の対象に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.寄附金控除は、居住者が特定寄附金を支出した場合に適用される。
- イ.寄附金控除は、相手方や性質を問わずすべての寄附に適用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 所得税法第78条第1項の「特定寄附金を支出した場合」と一致するため正しい。
ひっかけ寄附なら何でも控除になる、と考えるとイを正しいと誤る。寄附金控除の対象は「特定寄附金」に限られる。
解説寄附金控除は、居住者が各年において特定寄附金を支出した場合に適用される(所得税法78条1項)。特定寄附金とは、国又は地方公共団体に対する寄附金や、公益社団法人・公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人等に対する一定の寄附金をいい、学校の入学に関してするものは除かれる(同条2項)。アは正しく、「すべての寄附に適用される」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。
補足控除額は「その年中の特定寄附金の合計額(総所得金額等の40%が上限)−2,000円」(78条1項)。相手先の限定・入学寄附の除外・2,000円の足切りの三点が問われやすい。
問20地震保険料控除e-Gov等の一次資料で確認済み
地震保険料控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地震保険料控除では、その年中に支払った地震保険料の金額の合計額が基礎となる。
- イ.地震保険料控除は、支払った生命保険料の金額を基礎として計算する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 所得税法第77条第1項の「地震保険料の金額の合計額」と一致するため正しい。
ひっかけ保険料ならまとめて同じ控除、と考えるとイを誤る。地震保険料控除の基礎になるのは地震保険料であり、生命保険料は別の控除(生命保険料控除)の対象である。
解説地震保険料控除は、居住者が、自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の有する常時居住の用に供する家屋や一定の生活用資産を保険の目的とし、地震・噴火又はこれらによる津波を原因とする火災・損壊等による損害をてん補する損害保険契約等の地震等損害部分の保険料(地震保険料)を支払った場合に、その年中に支払った地震保険料の金額の合計額を基礎として計算する(所得税法77条1項)。アは正しく、生命保険料を基礎とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。
補足対象は「居住用の家屋・生活用の資産」×「地震・噴火・津波を原因とする損害をてん補する部分の保険料」。同じ損害保険でも火災のみを対象とする部分の保険料は対象にならない。