問1利子所得と配当所得
所得税法上の利子所得及び配当所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額とする。
- イ.配当所得の金額は、その年中の配当等の収入金額とする(元本取得のための負債利子がある場合はこれを控除する)。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 23条2項が利子所得の金額を収入金額とする
所得税法第23条「利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 24条2項が配当所得の金額を定める
所得税法第24条「配当所得の金額は、その年中の配当等の収入金額とする」e-Gov原文
ひっかけ利子所得は収入金額そのまま。配当所得は『負債利子』だけ控除できる。
解説利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額そのものである(23条2項・必要経費の控除なし)。配当所得の金額は、その年中の配当等の収入金額だが、株式等を取得するための負債の利子があるときはこれを控除する(24条2項)。所得の区分(10種類)ごとに金額の計算方法が異なる点を押さえる。
補足必要経費を控除して所得金額を計算するのは、不動産所得・事業所得・雑所得などである。
問2不動産所得と事業所得
所得税法上の不動産所得及び事業所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得(事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く)をいう。
- イ.事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額とし、必要経費は控除しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 26条1項が不動産所得を定義する
所得税法第26条「不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機」e-Gov原文
- イ.誤り
- 27条2項が事業所得の金額を定める
所得税法第27条「事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする」e-Gov原文
ひっかけ不動産・事業所得は『総収入金額−必要経費』で計算する。
解説不動産所得とは、不動産・不動産の上に存する権利・船舶・航空機の貸付けによる所得(事業所得・譲渡所得を除く)をいう(26条1項)。事業所得とは、農業・漁業・製造業等の事業から生ずる所得(山林所得・譲渡所得を除く)をいう(27条1項)。いずれも金額は総収入金額から必要経費を控除して計算する(26条2項・27条2項)。
補足不動産の貸付けでも、規模が大きく事業的なものでも所得区分は不動産所得である(事業所得ではない)。
問3給与所得と退職所得
所得税法上の給与所得及び退職所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額そのものとする。
- イ.退職所得の金額は、原則として、その年中の退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 28条2項が給与所得の金額を定める
所得税法第28条「給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 30条2項が退職所得の金額を定める
所得税法第30条「退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額」e-Gov原文
ひっかけ給与所得は収入−控除額。退職所得は(収入−控除額)の『2分の1』。
解説給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額である(28条2項)。退職所得の金額は、原則として(退職手当等の収入金額−退職所得控除額)×2分の1で計算される(30条2項本文)。ただし、勤続年数5年以下の特定役員退職手当等などは2分の1課税が適用されない場合がある。
補足退職所得控除額は勤続年数に応じて計算される(20年以下は年40万円、20年超の部分は年70万円)。
問4一時所得と雑所得
所得税法上の一時所得及び雑所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得をいう。
- イ.雑所得とは、利子所得から一時所得までの9種類の所得のいずれかに該当する所得のうち、特に定められたものをいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 34条1項が一時所得を定義する
所得税法第34条「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」e-Gov原文
ひっかけ一時所得は『継続的行為以外』の一時の所得。雑所得は『どれにも当たらない』所得。
解説一時所得とは、他の8種類の所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得『以外』の一時の所得で、労務・役務・資産譲渡の対価でないものをいう(34条1項。例:懸賞・福引の賞金、満期保険金等)。雑所得とは、他の9種類の所得のいずれにも該当しない所得をいう(35条1項。例:公的年金等、副業の原稿料)。
補足一時所得の金額は、総収入金額−支出額−特別控除(最高50万円)で計算し、総所得金額には2分の1が算入される。
問5損益通算
所得税法上の損益通算に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、政令で定める順序により、これを他の各種所得の金額から控除する。
- イ.給与所得の金額の計算上生じた損失の金額は、他の各種所得の金額から控除することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 69条1項が損益通算の対象と効果を定める
所得税法第69条「これを他の各種所得の金額から控除する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 69条1項が損益通算の対象を限定列挙する
所得税法第69条「不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額」e-Gov原文
ひっかけ損益通算は『不・事・山・譲』の損失だけ。給与・雑などは対象外。
解説損益通算の対象となる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の4つに限られる(69条1項。頭文字で『富士山上=不・事・山・譲』)。利子所得・配当所得・給与所得・退職所得・一時所得・雑所得の損失は損益通算できない。なお不動産所得・譲渡所得には、損益通算が制限される損失(土地取得の負債利子、生活に通常必要でない資産の損失等)もある。
補足生活に通常必要でない資産(別荘等)の災害損失等は、他の所得から控除できない(69条2項)。
問6所得税の課税標準と総所得金額
所得税法上の課税標準及び総所得金額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.居住者に対して課する所得税の課税標準は、総所得金額のみである。
- イ.総所得金額の計算上、総合課税の対象となる長期譲渡所得の金額及び一時所得の金額は、その2分の1に相当する金額が合計される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 22条1項が課税標準を定める
所得税法第22条「総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする」e-Gov原文
ひっかけ課税標準は3区分。総合長期譲渡・一時所得は『2分の1』だけ総所得に入る。
解説居住者の所得税の課税標準は、総所得金額・退職所得金額・山林所得金額の3つに分かれる(22条1項)。総所得金額の計算上、総合課税の長期譲渡所得と一時所得は、その合計額の2分の1のみが算入される(22条2項2号)。退職所得・山林所得は分離して課税標準が計算される。
補足土地建物等の譲渡所得や株式の譲渡所得は、申告分離課税とされ総所得金額には算入されない。
問7青色申告の対象と承認
所得税法上の青色申告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.青色申告は、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う居住者が、納税地の所轄税務署長の承認を受けて行うことができる。
- イ.給与所得のみを有する居住者も、税務署長の承認を受ければ青色申告書を提出することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 143条が青色申告の対象所得と承認制を定める
所得税法第143条「不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行なう居住者は、納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合には」e-Gov原文
- イ.誤り
- 143条が青色申告の対象を不動産・事業・山林所得の業務者に限定する
所得税法第143条「不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行なう居住者は」e-Gov原文
ひっかけ青色申告ができるのは『不動産・事業・山林』所得の業務者。給与のみは不可。
解説青色申告は、不動産所得・事業所得・山林所得(いわゆる『不事山』)を生ずべき業務を行う居住者が、納税地の所轄税務署長の承認を受けて行う制度である(143条)。給与所得・配当所得・雑所得のみの者は青色申告の対象とならない。青色申告には、青色申告特別控除や純損失の繰越控除などの特典がある。
補足青色申告の特典には、純損失の繰越控除(70条)や青色事業専従者給与の必要経費算入などがある。
問8青色申告の承認申請の手続
所得税法上の青色申告の承認申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.その年分から青色申告の承認を受けようとする居住者は、その年の12月31日までに承認申請書を提出すればよい。
- イ.青色申告の承認申請書は、納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 144条が承認申請の期限を原則3月15日とする
所得税法第144条「前条の承認を受けようとする居住者は、その年三月十五日まで」e-Gov原文
- イ.正しい
- 144条が申請書の提出先を税務署長とする
所得税法第144条「納税地の所轄税務署長に提出しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ青色申告の承認申請は原則『3月15日』まで、提出先は『税務署長』。
解説青色申告の承認を受けようとする居住者は、原則としてその年の3月15日までに、納税地の所轄税務署長へ承認申請書を提出する(144条)。ただし、その年の1月16日以後に新たに業務を開始した場合は、業務開始日から2月以内に提出すればよい。期限までに却下の通知がなければ承認があったものとみなされる。
補足1月16日以後に新規開業した場合は、開業日から2月以内が申請期限となる。
問9純損失の繰越控除
所得税法上の純損失の繰越控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.青色申告書を提出している年に生じた純損失の金額は、一定の要件のもと、翌年以後3年内の各年の総所得金額等の計算上控除することができる。
- イ.純損失の繰越控除の適用を受けるには、純損失が生じた年分のみ確定申告書を提出すれば足り、その後の年分は申告書を提出しなくてもよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 70条1項が純損失の繰越控除を3年内とする
- イ.誤り
- 70条4項が連続した申告書提出を適用要件とする
所得税法第70条「その後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する」e-Gov原文
ひっかけ純損失の繰越は『3年』、適用には『連続した確定申告』が必要。
解説青色申告書を提出した年に生じた純損失(赤字)は、翌年以後3年内の各年に繰り越し、各年の総所得金額等から控除できる(純損失の繰越控除・70条)。この適用を受けるには、純損失が生じた年分の確定申告書を提出し、その後も連続して確定申告書を提出していることが要件となる(同条4項)。
補足白色申告でも、変動所得・被災事業用資産の損失に係る純損失は繰越控除の対象となる(70条2項)。
問10確定所得申告の手続
所得税法上の確定所得申告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.確定所得申告に該当する居住者は、税務署を経由せず、住所地の市町村長に対して申告書を提出しなければならない。
- イ.不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う居住者が青色申告書以外の確定申告書を提出する場合には、これらの所得に係る総収入金額及び必要経費の内容を記載した書類を添付しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 120条1項が申告書の提出先を税務署長とする
所得税法第120条「税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 120条6項が総収入金額・必要経費の内容を記載した書類の添付を求める
所得税法第120条「これらの所得に係るその年中の総収入金額及び必要経費の内容を記載した書類を当該申告書に添付しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ確定申告書の提出先は『税務署長』。白色申告でも収支内訳書の添付が必要。
解説確定所得申告に該当する居住者は、原則として翌年2月16日から3月15日までの間に、税務署長に対して確定申告書を提出する(120条1項)。不動産・事業・山林所得を生ずべき業務を行う者が白色申告(青色申告書以外)をする場合は、総収入金額と必要経費の内容を記載した収支内訳書を添付する(同条6項)。
補足確定申告の提出期間は、原則としてその年の翌年2月16日から3月15日までである。
問11還付を受けるための申告
所得税法上の還付を受けるための申告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.確定所得申告の義務がない居住者であっても、控除しきれなかった源泉徴収税額がある場合には、その還付を受けるための申告書を提出することができる。
- イ.控除しきれなかった外国税額控除の額がある場合にも、還付を受けるための申告書を提出することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 122条1項が源泉徴収税額の還付を受けるための申告を認める
所得税法第122条「控除しきれなかつた同号に規定する源泉徴収税額がある場合には、その控除しきれなかつた金額」e-Gov原文
- イ.正しい
- 122条1項が外国税額控除の還付を受けるための申告を認める
所得税法第122条「控除しきれなかつた外国税額控除の額がある場合には、その控除しきれなかつた金額」e-Gov原文
ひっかけ納め過ぎの源泉徴収税額等は『還付申告』で取り戻せる。
解説確定所得申告(120条)の義務がない居住者でも、控除しきれなかった源泉徴収税額・予納税額・外国税額控除の額がある場合には、その還付を受けるための申告書(還付申告)を提出できる(122条)。給与から源泉徴収された者が医療費控除や寄附金控除により納め過ぎとなった税の還付を受ける場面が典型である。
補足還付申告書は、その年の翌年1月1日から5年間提出することができる。
問12給与の源泉徴収義務
所得税法上の給与等の源泉徴収義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.居住者に対して国内で給与等の支払をする者は、その支払の際に所得税を徴収する義務はなく、受給者が自ら全額を確定申告で納付する。
- イ.源泉徴収した所得税は、その徴収の日の属する月の翌々月10日までに国に納付すればよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 183条1項が支払者の源泉徴収義務を定める
所得税法第183条「その支払の際、その給与等について所得税を徴収し」e-Gov原文
- イ.誤り
- 183条1項が納付期限を翌月10日とする
所得税法第183条「その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ源泉徴収義務は『支払者』、納付期限は『翌月10日』。
解説居住者に給与等を支払う者は、その支払の際に所得税を源泉徴収し(183条1項)、徴収した税額をその徴収の日の属する月の翌月10日までに国に納付しなければならない。給与所得者の所得税は、原則としてこの源泉徴収と年末調整で精算されるため、多くの場合は確定申告が不要となる。
補足常時10人未満の事業所は、申請により納期の特例(年2回納付)を受けることができる。