問1適合性の原則(金融商品取引法)
金融商品取引法上の適合性の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.金融商品取引業者等は、顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けることのないように、その業務を行わなければならない。
- イ.適合性の原則は、顧客の知識や経験のみを考慮すれば足り、財産の状況や契約を締結する目的を考慮する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 40条1号が適合性の原則を定める
金融商品取引法第40条「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘」e-Gov原文
- イ.誤り
- 40条1号が財産状況・契約目的も考慮要素とする
金融商品取引法第40条「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして」e-Gov原文
ひっかけ適合性は『知識・経験・財産・目的』の4要素で判断する。
解説適合性の原則は、金融商品取引業者等が、顧客の知識・経験・財産の状況・契約を締結する目的に照らして不適当な勧誘を行ってはならないという投資者保護のルールである(40条1号)。顧客の属性に適合しない勧誘を禁止するものであり、FPが顧客に金融商品を提案する際にも踏まえるべき基本原則である。
補足金融商品取引業者等は、虚偽告知・断定的判断の提供・損失補塡等も禁止される(38条・39条)。
問2金融商品取引業者等の禁止行為
金融商品取引法上の金融商品取引業者等の禁止行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.金融商品取引業者等は、金融商品取引契約の締結又はその勧誘に関して、顧客に対し虚偽のことを告げる行為をしてはならない。
- イ.金融商品取引業者等は、顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供して金融商品取引契約の締結の勧誘をする行為をしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 38条1号が虚偽告知を禁止する
金融商品取引法第38条「顧客に対し虚偽のことを告げる行為」e-Gov原文
- イ.正しい
- 38条2号が断定的判断の提供を禁止する
金融商品取引法第38条「不確実な事項について断定的判断を提供し」e-Gov原文
ひっかけ虚偽告知・断定的判断の提供・不招請勧誘・再勧誘はいずれも禁止。
解説金融商品取引業者等の禁止行為(38条)には、①虚偽告知(1号)、②不確実な事項についての断定的判断の提供等による勧誘(2号)、③勧誘を要請していない顧客への訪問・電話勧誘(4号=不招請勧誘の禁止、一定の取引)、④勧誘を断った顧客への再勧誘(6号)などがある。投資者保護のための行為規制である。
補足断定的判断の提供は、金融サービス提供法でも禁止される(同法5条)。
問3損失補塡等の禁止
金融商品取引法上の損失補塡等の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.金融商品取引業者等は、顧客に損失が生じた場合に、事故による損失の補塡であるかどうかを問わず、いかなる場合も損失を補塡することはできない。
- イ.金融商品取引業者等は、有価証券の売買等につき、顧客に損失が生ずることとなった場合に自己又は第三者がその全部又は一部を補塡する旨を、顧客に対し申し込み、又は約束する行為をしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 39条3項が事故による損失の補塡を適用除外とする
金融商品取引法第39条「による損失の全部又は一部を補塡するために行うものである場合には、適用しない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 39条1項が損失補塡等を禁止する
金融商品取引法第39条「自己又は第三者がその全部又は一部を補塡し、又は補足するため当該顧客又は第三者に財産上の利益を提供する旨」e-Gov原文
ひっかけ損失補塡は原則禁止。ただし『事故』による損失の補塡は例外。
解説金融商品取引業者等は、損失保証・損失補塡(損失が生じた場合や定めた利益が生じない場合に補塡する旨の約束・提供)が禁止される(39条1項)。顧客側からこれらを要求する行為も禁止される(同条2項)。ただし、業者等の違法・不当な行為(事故)による損失を補塡する場合は、所定の手続(内閣総理大臣の確認等)を経れば例外として許される(同条3項)。
補足損失補塡は、業者だけでなく顧客側が要求・受領する行為も禁止される(39条2項)。
問4金融サービス提供法の説明義務
金融サービスの提供に関する法律(金融サービス提供法)上の説明義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.金融商品販売業者等は、金融商品の販売後遅滞なく、顧客に対し重要事項を説明すればよい。
- イ.説明すべき重要事項には、相場の変動を直接の原因として元本欠損が生ずるおそれがある旨は含まれない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 4条1項が説明の時期を販売前とする
金融サービスの提供に関する法律第4条「金融商品の販売が行われるまでの間に、顧客に対し」e-Gov原文
- イ.誤り
- 4条1項1号が元本欠損のおそれを重要事項とする
金融サービスの提供に関する法律第4条「元本欠損が生ずるおそれがある旨」e-Gov原文
ひっかけ重要事項の説明は『販売前』。元本欠損のおそれは重要事項に含まれる。
解説金融サービス提供法(旧 金融商品販売法)は、金融商品販売業者等に対し、金融商品の販売が行われるまでの間に、顧客に重要事項を説明する義務を課す(4条1項)。重要事項には、相場変動や業者等の信用状況の変化を直接の原因とする元本欠損・元本超過損が生ずるおそれがある旨やその仕組みなどが含まれる。説明は顧客の知識・経験等に照らして必要な方法・程度によらなければならない(同条2項)。
補足顧客が特定顧客(プロ)である場合や、顧客が説明不要の意思を表明した場合は、説明義務が適用されない(4条7項)。
問5金融サービス提供法の断定的判断の提供等の禁止
金融サービス提供法上の断定的判断の提供等の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.金融商品販売業者等は、金融商品の販売等を業として行うときは、顧客に対し、不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げる行為をしてはならない。
- イ.断定的判断の提供等の禁止に違反しても、金融商品販売業者等が損害賠償責任を負うことはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 5条が断定的判断の提供等を禁止する
金融サービスの提供に関する法律第5条「不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げる行為」e-Gov原文
- イ.誤り
- 6条が断定的判断の提供等違反の損害賠償責任を定める
金融サービスの提供に関する法律第6条「前条の規定に違反して断定的判断の提供等を行ったときは、これによって生じた当該顧客の損害を賠償する責めに任ずる」e-Gov原文
ひっかけ断定的判断の提供等は禁止。違反すれば『損害賠償責任』を負う。
解説金融サービス提供法は、金融商品販売業者等に対し、断定的判断の提供等(不確実な事項について断定的判断を提供し、又は確実であると誤認させるおそれのあることを告げる行為)を禁止する(5条)。これに違反したとき、又は重要事項の説明をしなかったときは、これによって生じた顧客の損害を賠償する責めに任ずる(6条=無過失責任に近い民事責任)。
補足説明義務違反・断定的判断の提供等による損害については、元本欠損額が損害額と推定される(7条)。
問6金融サービス提供法の損害賠償責任と損害額の推定
金融サービス提供法上の損害賠償責任及び損害額の推定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかった場合でも、顧客は損害賠償を請求することはできない。
- イ.顧客が損害賠償を請求する場合には、元本欠損額が、説明義務違反等によって顧客に生じた損害の額と推定される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 6条が説明義務違反の損害賠償責任を定める
金融サービスの提供に関する法律第6条「重要事項について説明をしなかったとき」e-Gov原文
- イ.正しい
- 7条1項が元本欠損額を損害額と推定する
金融サービスの提供に関する法律第7条「元本欠損額は、金融商品販売業者等が重要事項について説明をしなかったこと又は断定的判断の提供等を行ったことによって当該顧客に生じた損害の額と推定する」e-Gov原文
ひっかけ説明義務違反は損害賠償責任を生じ、『元本欠損額=損害額』と推定される。
解説金融サービス提供法では、金融商品販売業者等が重要事項の説明をしなかったとき、又は断定的判断の提供等を行ったときは、これによって生じた顧客の損害を賠償する責めに任ずる(6条)。さらに、損害賠償請求において元本欠損額が損害の額と推定されるため(7条)、顧客は損害額の立証負担が軽減される。民法の不法行為責任よりも顧客が請求しやすい仕組みである。
補足金融サービス提供法の損害賠償責任は、民法の不法行為(709条)とは別に、顧客保護のため特別に設けられたものである。