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海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律・第10

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の問題(15問)

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問題と解説を読む15問・答え付き

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e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1海洋汚染防止法の目的

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の目的及び用語に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • この法律は、海洋汚染等及び海上災害を防止し、あわせて海洋汚染等及び海上災害の防止に関する国際約束の適確な実施を確保することを目的の一つとする。
  • この法律において油とは、原油、重油、潤滑油、軽油、灯油、揮発油その他の国土交通省令で定める油及びこれらの油を含む油性混合物をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
1条のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第1条海洋汚染等及び海上災害を防止し、あわせて海洋汚染等及び海上災害の防止に関する国際約束の適確な実施を確保しe-Gov原文

正しい
3条2号のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第3条原油、重油、潤滑油、軽油、灯油、揮発油その他の国土交通省令で定める油及びこれらの油を含む油性混合物e-Gov原文

ひっかけこの法律は『海洋汚染・海上災害の防止』と『国際約束の実施』が目的。油は原油・重油等を広く含む(1条・3条)。

解説海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律は、船舶等からの油・有害液体物質等・廃棄物の海洋への排出等を規制し、排出された油等の防除や海上火災の防止のための措置を講ずることにより、海洋汚染等及び海上災害を防止し、あわせてその防止に関する国際約束(MARPOL条約等)の適確な実施を確保することを目的とする(1条)。油は、原油・重油・潤滑油・軽油・灯油・揮発油等及び油性混合物を広く含む(3条2号)。

補足この法律は、海洋環境の保全という国際的な課題に対応する国内法であり、MARPOL条約(船舶による汚染の防止のための国際条約)等の国際約束を国内で実施する役割を担う。

2油・海域の定義

この法律の用語の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • この法律において油とは、原油、重油、潤滑油、軽油、灯油、揮発油その他の国土交通省令で定める油及びこれらの油を含む油性混合物をいう。
  • この法律において船舶の航行する「海域」には、港則法に基づく港の区域は含まれない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
3条2号のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第3条原油、重油、潤滑油、軽油、灯油、揮発油その他の国土交通省令で定める油及びこれらの油を含む油性混合物e-Gov原文

誤り
海域には港の区域を含む → 『含まれない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第3条港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)に基づく港の区域を含むe-Gov原文

ひっかけ油は広く定義される。『海域』には港則法の港の区域も含まれる(3条)。

解説この法律において油は、原油・重油・潤滑油・軽油・灯油・揮発油等及び油性混合物を広く含む(3条2号)。また、船舶の航行する「海域」には、港則法に基づく港の区域が含まれる(3条1号)。港内であっても、油等の排出規制が及ぶ点に注意する。海域の範囲(港の区域を含む)を取り違えないことが要点である。

補足この法律のほか、有害液体物質(油以外の液体物質で海洋環境上有害なもの)、未査定液体物質、廃棄物など、規制対象となる物質が定義されている(3条)。物質ごとに排出規制が定められている。

3船舶からの油の排出の禁止

船舶からの油の排出の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 何人も、海域において、船舶から油を排出してはならない。
  • 船舶の安全を確保し、又は人命を救助するための油の排出は、油の排出禁止の例外とされる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
4条1項のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第4条何人も、海域において、船舶から油を排出してはならないe-Gov原文

正しい
4条1項1号のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第4条船舶の安全を確保し、又は人命を救助するための油の排出e-Gov原文

ひっかけ船舶からの油の排出は原則『禁止』。ただし安全確保・人命救助のための排出は例外(4条)。

解説何人も、海域において、船舶から油を排出してはならない(4条1項本文)。海洋汚染を防ぐための基本的な禁止である。ただし、船舶の安全を確保し又は人命を救助するための油の排出(1号)や、船舶の損傷その他やむを得ない原因により油が排出された場合に引き続く排出を防止するための一切の措置をとったときの排出(2号)は、例外とされる。原則の禁止と、緊急・やむを得ない場合の例外を区別する。

補足ビルジ等の排出のうち油分濃度・排出海域・排出方法が政令の基準に適合するものや、タンカーの貨物油を含む水バラスト等の排出で基準に適合するものも、禁止規定が適用されない(4条2項・3項)。基準に従う排出は許容される。

4油の排出禁止の例外

船舶からの油の排出禁止の例外に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶の損傷その他やむを得ない原因により油が排出された場合において、引き続く油の排出を防止するための可能な一切の措置をとったときの当該油の排出は、排出禁止の例外とされる。
  • 海洋の汚染の防止に関する試験、研究又は調査のためにする船舶からの油の排出は、一切認められない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
4条1項2号のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第4条船舶の損傷その他やむを得ない原因により油が排出された場合において引き続く油の排出を防止するための可能な一切の措置をとつたときの当該油の排出e-Gov原文

誤り
承認を受けた試験研究の排出は適用外 → 『一切認められない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第4条あらかじめ海上保安庁長官の承認を受けてするものについては、適用しないe-Gov原文

ひっかけやむを得ない原因の排出(措置を尽くした場合)は例外。試験研究の排出も『承認』があれば可(4条)。

解説船舶からの油の排出禁止には、いくつかの例外がある。船舶の損傷等やむを得ない原因により油が排出された場合に引き続く排出を防止する一切の措置をとったときの排出(4条1項2号)のほか、海洋汚染の防止に関する試験・研究・調査のためにする排出で、あらかじめ海上保安庁長官の承認を受けてするものも、禁止規定の適用外である(4条4項)。やむを得ない場合と、承認を受けた場合の例外を押さえる。

補足試験研究等のための排出の承認には、海洋汚染の防止のために必要な限度で条件を付すことができる(4条5項)。例外的に認められる排出にも、汚染防止のための制約が課される。

5油による汚染防止の設備

油による海洋の汚染の防止のための設備に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶所有者は、一定の船舶に、ビルジ等排出防止設備を設置しなければならない。
  • タンカーには、水バラスト等排出防止設備を設置しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
5条1項のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第5条ビルジ等排出防止設備e-Gov原文

正しい
5条2項のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第5条水バラスト等排出防止設備e-Gov原文

ひっかけ船舶は『ビルジ等排出防止設備』、タンカーはさらに『水バラスト等排出防止設備』を設置(5条)。

解説船舶所有者は、ビルジ等が生ずることのない船舶を除き、船舶にビルジ等排出防止設備(油の船底への流入の防止やビルジ等の貯蔵・処理のための設備)を設置しなければならない(5条1項)。さらに、タンカーには水バラスト等排出防止設備を設置しなければならず(5条2項)、一定のタンカーには分離バラストタンク又は貨物艙原油洗浄設備の設置も求められる(5条3項)。排出を禁止するだけでなく、排出を防ぐ設備の設置を義務付ける点を押さえる。

補足排出規制(4条)が『排出してはならない』という行為規制であるのに対し、設備規制(5条)は『設備を設置しなければならない』という構造規制である。両者で油による汚染を防いでいる。

6有害液体物質の排出の禁止

船舶からの有害液体物質の排出の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 何人も、海域において、船舶から有害液体物質を排出することは、例外なく禁止される。
  • 何人も、海域において、船舶から有害液体物質を排出してはならない(一定の例外を除く)。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
人命救助等のための排出は例外 → 『例外なく禁止』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第9条の2船舶の安全を確保し、又は人命を救助するための有害液体物質の排出e-Gov原文

正しい
9条の2第1項のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第9条の2何人も、海域において、船舶から有害液体物質を排出してはならないe-Gov原文

ひっかけ有害液体物質の排出も原則禁止。ただし人命救助等の例外がある(9条の2)。

解説何人も、海域において、船舶から有害液体物質を排出してはならない(9条の2第1項本文)。油(4条)と同様の排出禁止である。ただし、船舶の安全を確保し又は人命を救助するための排出(1号)や、損傷等やむを得ない原因による排出で引き続く排出防止の措置をとったときの排出(2号)は例外とされ、また一定の浄化方法による洗浄後の水バラストの排出や、事前処理等が政令の基準に適合する排出も適用外である。油・有害液体物質・廃棄物のいずれも『原則禁止+例外』という構造を押さえる。

補足有害液体物質を政令の基準に従って排出する場合で、特に注意を要するものについては、事前処理が基準に適合することについて海上保安庁長官等の確認を受ける必要がある(9条の2第4項)。物質の有害性に応じた手続が定められている。

7廃棄物の排出の禁止

船舶からの廃棄物の排出の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 何人も、海域において、船舶から廃棄物を排出してはならない。
  • 船舶内の者の日常生活に伴い生ずるふん尿若しくは汚水又はこれらに類する廃棄物の排出は、いかなる場合も認められない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
10条1項のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第10条何人も、海域において、船舶から廃棄物を排出してはならないe-Gov原文

誤り
基準に従うふん尿等の排出は適用外 → 『いかなる場合も認められない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第10条日常生活に伴い生ずるふん尿若しくは汚水又はこれらに類する廃棄物e-Gov原文

ひっかけ廃棄物の排出も原則禁止。ただし日常生活のふん尿等は一定の基準に従えば排出できる(10条)。

解説何人も、海域において、船舶から廃棄物を排出してはならない(10条1項本文)。ただし、船員等の日常生活に伴い生ずるふん尿等の排出(一定規模以上の船舶からは政令の基準に従うものに限る)や、日常生活に伴うごみの一定の排出、船舶の通常の活動に伴い生ずる一定の廃棄物の排出等は、排出禁止の適用外とされる(10条2項)。生活由来の廃棄物について、基準に従う排出を許容している点を押さえる。

補足油・有害液体物質・廃棄物のいずれについても『原則禁止+例外(人命救助・やむを得ない原因・基準に従う排出等)』という共通の構造がとられている。物質ごとに例外の内容は異なる。

8海洋施設・航空機からの排出の禁止

海洋施設・航空機からの排出及び法の目的に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 何人も、海域において、海洋施設又は航空機から油、有害液体物質又は廃棄物を排出してはならない。
  • この法律は、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する国際約束の適確な実施を確保することを目的の一つとする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
18条1項のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第18条何人も、海域において、海洋施設又は航空機から油、有害液体物質又は廃棄物e-Gov原文

正しい
1条のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第1条海洋汚染等及び海上災害を防止し、あわせて海洋汚染等及び海上災害の防止に関する国際約束の適確な実施を確保しe-Gov原文

ひっかけ排出規制は船舶だけでなく『海洋施設・航空機』にも及ぶ(18条)。

解説排出規制は船舶(4条・9条の2・10条)だけでなく、海洋施設又は航空機にも及ぶ。何人も、海域において、海洋施設又は航空機から油・有害液体物質又は廃棄物(油等)を排出してはならない(18条1項本文。安全確保・人命救助等の例外あり)。排出源を船舶に限らず広く規制することで、海洋環境の保全という国際約束の適確な実施(1条)を確保している。規制対象が船舶以外にも及ぶ点を押さえる。

補足海洋施設とは、海洋の開発・利用に係る施設で海洋に物が流出するおそれのあるもの等をいう。石油掘削施設や海上の構造物等が含まれ、これらからの排出も規制される。

9油等の排出の通報

油等の排出があった場合の通報に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶から一定の油等の排出があった場合でも、当該船舶の船長は、海上保安機関に通報する必要はない。
  • 船舶から一定の油等の排出があった場合には、当該船舶の船長は、排出の日時及び場所等を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
船長は通報しなければならない → 『必要はない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第38条当該排出があつた日時及び場所、排出の状況、海洋の汚染の防止のために講じた措置その他の事項を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならないe-Gov原文

正しい
38条1項のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第38条当該排出があつた日時及び場所、排出の状況、海洋の汚染の防止のために講じた措置その他の事項を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならないe-Gov原文

ひっかけ船舶から一定の油等の排出があれば、船長は『直ちに』海上保安機関に通報(38条)。

解説船舶から特定油や一定基準以上の油・有害液体物質等の排出があった場合には、当該船舶の船長は、排出の日時・場所、排出の状況、汚染防止のために講じた措置等を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない(38条1項。排出された油等が一定の範囲を超えて広がるおそれがないと認められるときを除く)。排出を早期に把握し、防除につなげるための通報義務である。『直ちに』通報する点を押さえる。

補足排出後の通報(38条1項)に加え、海難により油等の排出のおそれがあるときも通報義務がある(38条2項)。事故が起きた段階・排出のおそれがある段階の双方で、海上保安機関への通報が求められる。

10大量排出時の防除措置

大量の油又は有害液体物質の排出があった場合の防除措置に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 大量の油又は有害液体物質の排出があったときは、一定の者は、直ちに、排出油等の防除のための応急措置を講じなければならない。
  • 大量の油の排出があったときでも、排出油等の防除のため必要な措置を講ずる義務を負う者はいない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
39条1項のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第39条大量の油又は有害液体物質の排出があつたときは、次に掲げる者は、直ちにe-Gov原文

誤り
船舶所有者等が必要な措置を講じる → 『義務を負う者はいない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第39条排出油等の防除のため必要な措置を講じなければならないe-Gov原文

ひっかけ大量排出時は、船長等が『応急措置』、船舶所有者等が『必要な措置』を講じる(39条)。

解説大量の油又は有害液体物質の排出があったときは、排出された油等が積載されていた船舶の船長や施設の管理者等は、直ちに排出油等の防除(広がりの防止・引き続く排出の防止・除去)のための応急措置を講じなければならない(39条1項)。さらに、当該船舶の船舶所有者や施設の設置者等は、直ちに排出油等の防除のため必要な措置を講じなければならない(39条2項)。現場の応急措置と、所有者等による防除措置の双方が求められる点を押さえる。

補足39条2項の者が必要な措置を講じていないと認められるときは、海上保安庁長官がこれらの者に対し措置を命ずることができる(39条3項)。私人による防除を基本としつつ、行政が補完する仕組みである。

11窒素酸化物の放出基準

船舶からの窒素酸化物の放出基準に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶に設置される原動機から発生する窒素酸化物の放出量に係る放出基準は、原動機の種類等にかかわらず、すべての海域で一律に定められる。
  • 船舶に設置される原動機から発生する窒素酸化物の放出量に係る放出基準は、放出海域並びに原動機の種類、能力及び用途に応じて、政令で定める。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
放出海域・原動機の種類等に応じて定める → 『一律』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第19条の3窒素酸化物の放出量に係る放出基準は、放出海域並びに原動機の種類、能力及び用途に応じて、政令で定めるe-Gov原文

正しい
19条の3のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第19条の3窒素酸化物の放出量に係る放出基準は、放出海域並びに原動機の種類、能力及び用途に応じて、政令で定めるe-Gov原文

ひっかけ窒素酸化物の放出基準は『放出海域・原動機の種類・能力・用途に応じて』政令で定める。一律ではない(19条の3)。

解説船舶に設置される原動機から発生する窒素酸化物の放出量に係る放出基準は、放出海域並びに原動機の種類・能力及び用途に応じて、政令で定められる(19条の3)。この法律は、油・有害液体物質・廃棄物といった海洋への排出だけでなく、船舶から大気中に放出される排出ガス(窒素酸化物等)も規制する。規制対象が大気汚染にも及ぶ点と、基準が海域・原動機に応じて定められる点を押さえる。

補足船舶からの大気汚染の規制は、MARPOL条約附属書VIに基づくものである。海洋環境の保全は、海への排出だけでなく、船舶からの大気への放出の規制も含む広がりを持つ。

12海難時の通報

海難時の通報に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶の衝突等の海難が発生し、船舶から一定の油等の排出のおそれがあるときでも、当該船舶の船長は、海上保安機関に通報する必要はない。
  • 船舶の衝突、乗揚げ、機関の故障その他の海難が発生した場合において、船舶から一定の油等の排出のおそれがあるときは、当該船舶の船長は、直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
排出のおそれがあるときも通報義務 → 『必要はない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第38条船舶の衝突、乗揚げ、機関の故障その他の海難が発生した場合において、船舶から前項各号に掲げる油等の排出のおそれがあるときe-Gov原文

正しい
38条2項のとおり → 正しい

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第38条船舶の衝突、乗揚げ、機関の故障その他の海難が発生した場合において、船舶から前項各号に掲げる油等の排出のおそれがあるときe-Gov原文

ひっかけ海難で油等の排出のおそれがあれば、実際に排出していなくても船長は通報(38条2項)。

解説船舶の衝突・乗揚げ・機関の故障その他の海難が発生した場合において、船舶から一定の油等の排出のおそれがあるときは、当該船舶の船長は、海難の日時・場所、海難の状況、講じようとする措置等を直ちに最寄りの海上保安機関に通報しなければならない(38条2項)。実際に排出した場合の通報(38条1項)だけでなく、海難により排出のおそれがある段階でも通報義務がある点を押さえる。

補足排出のおそれの段階で通報を求めるのは、被害が拡大する前に海上保安機関が防除態勢を整えられるようにするためである。早期通報が大規模な海洋汚染の防止につながる。

13廃棄物の排出禁止の例外

廃棄物の排出禁止の例外及び排出源に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶内の者の日常生活に伴い生ずるふん尿等は、いかなる基準にもよらず自由に海域に排出することができる。
  • 海洋施設又は航空機からの油等の排出は認められており、船舶からの油の排出のみが禁止されている。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
基準に従う排出に限り適用外 → 『いかなる基準にもよらず自由に』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第10条日常生活に伴い生ずるふん尿若しくは汚水又はこれらに類する廃棄物e-Gov原文

誤り
海洋施設・航空機からの排出も禁止 → 『認められている』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第18条何人も、海域において、海洋施設又は航空機から油、有害液体物質又は廃棄物e-Gov原文

ひっかけふん尿等も『基準に従う排出』に限り許容。海洋施設・航空機からの油等も排出禁止(10条・18条)。

解説船舶からの廃棄物の排出禁止の例外として日常生活に伴うふん尿等の排出があるが、一定規模以上の船舶からの政令で定めるふん尿等の排出は、排出海域・排出方法に関し政令で定める基準に従う排出に限り適用外とされる(10条2項1号)。自由に排出できるわけではない。また、排出禁止は船舶だけでなく海洋施設・航空機にも及ぶ(18条1項)。例外の限界(基準に従う排出に限る)と規制対象の広さを押さえる。

補足生活由来の廃棄物の排出を一定の基準のもとで許容するのは、船舶等での生活を不可能にしないためである。ただし無制限ではなく、海域・方法の基準による制約がかかる。

14油の排出例外とタンカーの設備

油の排出禁止の例外及びタンカーの設備に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶の安全を確保し、又は人命を救助するための油の排出も、油の排出禁止の例外とはされない。
  • タンカーには、水バラスト等排出防止設備を設置する必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
これは排出禁止の例外 → 『例外とはされない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第4条船舶の安全を確保し、又は人命を救助するための油の排出e-Gov原文

誤り
タンカーは水バラスト等排出防止設備を設置しなければならない → 『必要はない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第5条水バラスト等排出防止設備e-Gov原文

ひっかけ安全確保・人命救助のための油の排出は『例外』。タンカーは『水バラスト等排出防止設備』を設置(4条・5条)。

解説船舶からの油の排出は原則禁止だが、船舶の安全を確保し又は人命を救助するための油の排出は例外とされる(4条1項1号)。また、油による海洋汚染を防ぐ設備として、船舶にはビルジ等排出防止設備(5条1項)、タンカーにはさらに水バラスト等排出防止設備(5条2項)の設置が義務付けられる。排出規制の例外と、設備設置義務の双方を取り違えないことが要点である。

補足人命救助等のための排出を例外とするのは、人命や船舶の安全という、より大きな法益を優先するためである。緊急時のやむを得ない排出は、汚染防止の例外として広く認められている。

15法の目的と保護法益

この法律の目的及び保護法益に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • この法律の目的には、海洋環境の保全は含まれるが、人の生命・身体・財産の保護は含まれない。
  • この法律は、廃油の適正な処理の確保を目的とはしていない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
目的に人の生命・身体・財産の保護も含む → 『含まれない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第1条もつて海洋環境の保全等並びに人の生命及び身体並びに財産の保護に資することを目的とするe-Gov原文

誤り
廃油の適正な処理の確保も目的 → 『目的としていない』は誤り

海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第1条廃油の適正な処理を確保するとともにe-Gov原文

ひっかけこの法律の目的は『海洋環境の保全』に加え『人の生命・身体・財産の保護』『廃油の適正処理』も含む(1条)。

解説この法律は、船舶等からの油等の排出の規制や、廃油の適正な処理の確保、排出された油等の防除・海上火災の防止のための措置を講ずることにより、海洋汚染等及び海上災害を防止し、国際約束の適確な実施を確保し、もって海洋環境の保全等並びに人の生命及び身体並びに財産の保護に資することを目的とする(1条)。海洋環境の保全だけでなく、人の生命・身体・財産の保護や廃油の適正処理も目的に含まれる点を押さえる。

補足この法律は、油等の排出規制(海洋汚染の防止)と、海上火災・海上災害の防止という二つの大きな柱からなる。海洋環境の保全と人命・財産の保護の双方を図る総合的な法律である。

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