問1港湾運送事業法の目的
港湾運送事業法の目的及び用語に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.港湾運送事業法は、港湾運送に関する秩序を確立し、港湾運送事業の健全な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを目的とする。
- イ.この法律で港湾運送とは、他人の需要に応じて行う行為であって、一定の港湾における貨物の積卸し・運送・検数等をいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 1条のとおり → 正しい
港湾運送事業法第1条「港湾運送に関する秩序を確立し、港湾運送事業の健全な発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 2条1項のとおり → 正しい
港湾運送事業法第2条「この法律で「港湾運送」とは、他人の需要に応じて行う行為であつて次に掲げるものをいう」e-Gov原文
ひっかけ港湾運送事業法は『港湾運送の秩序と事業の健全な発達』のための事業法。港湾運送は他人の需要に応じた行為(1条・2条)。
解説港湾運送事業法は、港湾運送に関する秩序を確立し、港湾運送事業の健全な発達を図り、公共の福祉を増進することを目的とする(1条)。港湾運送は、他人の需要に応じて行う行為であって、船舶への貨物の積込・取卸、はしけ運送・いかだ運送、荷さばき場への搬入等、検数・鑑定・検量等をいう(2条1項)。港湾における貨物の取扱いという業務を規律する事業法である。
補足港湾運送事業法は海事代理士試験の筆記科目の一つである。船舶による運送そのものではなく、港湾における貨物の積卸し・荷さばき・検数等の業務を許可制等で規律する点が特徴である。
問2港湾運送の定義
港湾運送の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.港湾運送とは、他人の需要に応じて行う行為であって、港湾においてする船舶への貨物の積込又は船舶からの貨物の取卸等をいう。
- イ.港湾運送に関する規定にいう旅客船とは、旅客定員が20人以上の船舶をいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 2条1項のとおり → 正しい
港湾運送事業法第2条「この法律で「港湾運送」とは、他人の需要に応じて行う行為であつて次に掲げるものをいう」e-Gov原文
- イ.誤り
- 旅客船は13人以上 → 20人以上は誤り
港湾運送事業法第2条「旅客船(十三人以上の旅客定員を有する船舶をいう。)」e-Gov原文
ひっかけ港湾運送は積込・取卸・はしけ運送・検数等。旅客船は『13人以上』の旅客定員(2条)。
解説港湾運送は、他人の需要に応じて行う行為であって、(1)一貫した港湾運送、(2)船舶への積込・取卸、(3)はしけ運送・いかだ運送等、(4)荷さばき場への搬入等、(6)検数、(7)鑑定、(8)検量等をいう(2条1項)。これらの定義のうち、はしけ運送の例外に関連して旅客船(13人以上の旅客定員を有する船舶)が定義される(2条1項3号)。旅客船の定義(13人以上)は海上運送法・船舶安全法とも整合する。
補足港湾運送の各号に掲げる行為が、それぞれ港湾運送事業の種類(一般港湾運送事業・港湾荷役事業・はしけ運送事業・いかだ運送事業・検数事業・鑑定事業・検量事業)に対応する(3条)。
問3港湾運送事業の種類
港湾運送事業の種類に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.港湾運送事業の種類には、一般港湾運送事業、港湾荷役事業、はしけ運送事業、いかだ運送事業がある。
- イ.港湾運送事業の種類には、検数事業、鑑定事業、検量事業がある。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 3条のとおり → 正しい
港湾運送事業法第3条「一一般港湾運送事業(前条第一項第一号に掲げる行為を行う事業)」e-Gov原文
- イ.正しい
- 3条のとおり → 正しい
港湾運送事業法第3条「五検数事業(前条第一項第六号に掲げる行為を行う事業)六鑑定事業」e-Gov原文
ひっかけ港湾運送事業は7種類(一般港湾運送・港湾荷役・はしけ運送・いかだ運送・検数・鑑定・検量)(3条)。
解説港湾運送事業の種類は、一般港湾運送事業・港湾荷役事業・はしけ運送事業・いかだ運送事業・検数事業・鑑定事業・検量事業の7種類である(3条)。一般港湾運送事業(2条1項1号の一貫した港湾運送を行う事業)を中心に、貨物の積卸し(港湾荷役)、運送(はしけ・いかだ)、検数・鑑定・検量という専門業務に分かれる。7種類の事業の区分を押さえる。
補足一般港湾運送事業・港湾荷役事業・はしけ運送事業・いかだ運送事業は「一般港湾運送事業等」、検数事業・鑑定事業・検量事業は「検数事業等」と総称され、許可の単位(4条)が異なる。
問4一般港湾運送事業等の許可
港湾運送事業の許可の単位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.一般港湾運送事業等を営もうとする者は、港湾運送事業の種類及び港湾ごとに、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
- イ.検数事業等を営もうとする者は、港湾運送事業の種類及び港湾ごとに、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 4条のとおり → 正しい
港湾運送事業法第4条「港湾運送事業の種類及び港湾ごとに」e-Gov原文
- イ.誤り
- 検数事業等は種類ごとに許可 → 『種類及び港湾ごと』は誤り
港湾運送事業法第4条「港湾運送事業の種類ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない」e-Gov原文
ひっかけ一般港湾運送事業等は『種類+港湾ごと』、検数事業等は『種類ごと』に許可。単位が違う(4条)。
解説港湾運送事業を営もうとする者は国土交通大臣の許可を受けなければならない(4条)。許可の単位は事業の区分により異なり、一般港湾運送事業等(一般港湾運送事業・港湾荷役事業・はしけ運送事業・いかだ運送事業)は港湾運送事業の種類及び港湾ごとに、検数事業等(検数事業・鑑定事業・検量事業)は港湾運送事業の種類ごとに許可を受ける。港湾ごとの許可が必要かどうかという単位の違いを押さえる。
補足一般港湾運送事業・はしけ運送事業・いかだ運送事業の許可を受けた者は、その許可に係る港湾を起点又は終点とする指定区間においても、当該事業を営むことができる(4条後段)。
問5検数事業等の許可
検数事業等の許可及び許可の申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.検数事業等を営もうとする者は、港湾運送事業の種類ごとに、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
- イ.港湾運送事業の許可を受けようとする者は、所定の事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 4条のとおり → 正しい
港湾運送事業法第4条「港湾運送事業の種類ごとに国土交通大臣の許可を受けなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 5条1項のとおり → 正しい
港湾運送事業法第5条「港湾運送事業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ検数事業等は『種類ごと』に許可(港湾を問わない)。許可は申請書の提出から始まる(4条・5条)。
解説検数事業・鑑定事業・検量事業(検数事業等)は、貨物の数量の計算・証明(検数)、貨物の積付け等の証明(鑑定)、貨物の容積又は重量の計算・証明(検量)という専門業務であり、港湾運送事業の種類ごとに許可を受ける(4条。港湾ごとではない)。許可を受けようとする者は、氏名・住所、事業の種類、事業計画等を記載した申請書(資金計画等を添付)を国土交通大臣に提出する(5条)。
補足検数・鑑定・検量は、貨物の数量・状態を公正に証明する業務であり、港湾を問わず全国的に行われ得る。そのため港湾ごとではなく種類ごとの許可とされている。
問6許可基準
港湾運送事業の許可基準に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国土交通大臣は、一般港湾運送事業等の許可をしようとするときは、港湾運送事業の種類及び港湾ごとに国土交通省令で定める施設及び労働者を有すること等の基準に適合するかを審査する。
- イ.港湾運送事業の許可基準には、当該事業の経理的基礎が確実性を有することは含まれない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 6条1項のとおり → 正しい
港湾運送事業法第6条「港湾運送事業の種類及び港湾ごとに国土交通省令で定める施設及び労働者を有するものであること」e-Gov原文
- イ.誤り
- 経理的基礎の確実性は許可基準 → 『含まれない』は誤り
港湾運送事業法第6条「当該事業の経理的基礎が確実性を有すること」e-Gov原文
ひっかけ許可基準は『施設・労働者の保有』『遂行上適切な計画』『経営形態』『経理的基礎の確実性』等(6条)。
解説国土交通大臣は、港湾運送事業の許可をしようとするときは、(1)一般港湾運送事業等にあっては施設及び労働者を有すること(6条1項1号)、(3)事業の遂行上適切な計画を有すること、(4)責任の範囲が明確な経営形態であること、(5)経理的基礎が確実性を有すること等の基準に適合するかを審査する。施設・労働力や経理的基礎といった、事業を適正に遂行する能力が審査される。許可基準の内容を押さえる。
補足検数事業等については、検数事業等の公正かつ適正な実施を確保するため必要な体制が整備されていることが許可基準となる(6条1項2号)。事業の区分により審査される基準が異なる。
問7許可義務と欠格事由
港湾運送事業の許可及び欠格事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国土交通大臣は、申請が許可基準に適合していると認めたときは、申請者が欠格事由に該当する場合を除いて、港湾運送事業の許可をしなければならない。
- イ.拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり等した日から5年を経過しない者は、欠格事由に該当する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 6条2項のとおり → 正しい
港湾運送事業法第6条「申請者が次の各号のいずれかに該当する場合を除いて、港湾運送事業の許可をしなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 6条2項1号のとおり → 正しい
港湾運送事業法第6条「拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者」e-Gov原文
ひっかけ基準に適合し欠格事由がなければ『許可しなければならない』。欠格の期間は『5年』(6条)。
解説国土交通大臣は、申請が許可基準に適合していると認めたときは、申請者が欠格事由に該当する場合を除いて、港湾運送事業の許可をしなければならない(6条2項。覊束的な許可)。欠格事由には、拘禁刑以上の刑に処せられ執行終了等から5年を経過しない者(1号)、一定の法令違反で罰金刑に処せられ5年を経過しない者(2号)、許可を取り消され取消しの日から5年を経過しない者(3号)等がある。許可の覊束性と欠格の期間(5年)を押さえる。
補足基準に適合し欠格事由がなければ許可しなければならない点は、行政の裁量を限定するものである。許可制でありながら、基準を満たす者の参入を保障する仕組みになっている。
問8運賃及び料金の届出
港湾運送事業者の運賃及び料金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.港湾運送事業者は、運賃及び料金を定めたときは、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
- イ.港湾運送事業者は、運賃及び料金を定め、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 運賃料金はあらかじめ届出 → 『許可』は誤り
港湾運送事業法第9条「運賃及び料金を定め、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 9条1項のとおり → 正しい
港湾運送事業法第9条「運賃及び料金を定め、あらかじめ、国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ運賃及び料金は『あらかじめ届出』(許可ではない)。変更時も同様(9条)。
解説港湾運送事業者は、運賃及び料金を定め、あらかじめ国土交通大臣に届け出なければならず、これを変更しようとするときも同様である(9条1項。事前届出)。参入規制(許可)とは異なり、運賃・料金は届出制である。事前届出という性質を押さえる。
補足国土交通大臣は、届け出られた運賃又は料金が、特定の利用者に対し不当な差別的取扱いをするものであるときや、他の港湾運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるときは、期限を定めてその変更を命ずることができる(9条2項)。届出制を補う事後の監督がある。
問9運賃料金の変更命令
運賃又は料金の変更命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国土交通大臣は、運賃又は料金が特定の利用者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき等は、期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命ずることができる。
- イ.国土交通大臣は、運賃又は料金が他の港湾運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであっても、その変更を命ずることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 9条2項のとおり → 正しい
港湾運送事業法第9条「期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命ずることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 不当な競争のおそれも変更命令の対象 → 『命じられない』は誤り
港湾運送事業法第9条「他の港湾運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがあるものであるとき」e-Gov原文
ひっかけ運賃料金が『不当な差別的取扱い』『不当な競争のおそれ』のときは変更命令の対象(9条)。
解説国土交通大臣は、届け出られた運賃又は料金が、(1)特定の利用者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき、又は(2)他の港湾運送事業者との間に不当な競争を引き起こすこととなるおそれがあるものであるときは、期限を定めてその運賃又は料金を変更すべきことを命ずることができる(9条2項)。届出制のもとでも、不当な運賃・料金については行政が是正できる。変更命令の対象を押さえる。
補足運賃・料金の変更命令は、利用者間の公平(差別の防止)と事業者間の公正な競争秩序の維持という二つの観点から行われる。届出制と事後の変更命令を組み合わせて運賃の適正が図られる。
問10下請の制限
一般港湾運送事業者の下請の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.一般港湾運送事業者は、各月中に引き受けた港湾運送について、そのすべてを他の港湾運送事業者に下請させることができる。
- イ.一般港湾運送事業者は、各月中に引き受けた港湾運送について、行為の種別ごとに一定の貨物量に係る行為を自ら行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 一定割合を自ら行わなければならない → 『すべて下請できる』は誤り
港湾運送事業法第16条「当該種別の行為を自ら行なわなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 16条1項のとおり → 正しい
港湾運送事業法第16条「当該種別の行為を自ら行なわなければならない」e-Gov原文
ひっかけ一般港湾運送事業者は引き受けた運送の『一定割合を自ら行う』義務(自家取扱原則)。丸投げは不可(16条)。
解説一般港湾運送事業者は、各月中に引き受けた港湾運送について、行為の種別ごとに、引き受けた貨物量に国土交通省令で定める率を乗じて得た貨物量の貨物に係る行為を自ら行わなければならない(16条1項。自家取扱原則・下請制限)。引き受けた港湾運送をすべて下請に出すこと(いわゆる名義貸し・丸投げ)を防ぎ、元請業者が一定の実務を担うことで責任体制を確保する趣旨である。
補足一定の密接な関係を有する港湾運送事業者に下請させた場合等には、自ら行った行為とみなされる(16条2項)。下請制限は、実体のない元請による港湾運送秩序の乱れを防ぐためのものである。
問11事業の休廃止の届出
港湾運送事業の休廃止の届出に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.港湾運送事業者は、その事業を廃止しようとするときは、廃止の後、遅滞なく国土交通大臣に届け出れば足りる。
- イ.港湾運送事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、休止又は廃止の日の30日前までに、国土交通大臣に届け出なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 30日前までに届出 → 『廃止後の届出で足りる』は誤り
港湾運送事業法第20条「休止又は廃止の日の三十日前までに、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 20条のとおり → 正しい
港湾運送事業法第20条「休止又は廃止の日の三十日前までに、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ事業の休廃止は『休止・廃止の日の30日前まで』に届出。事後ではない(20条)。
解説港湾運送事業者は、その事業を休止し、又は廃止しようとするときは、休止又は廃止の日の30日前までに、国土交通大臣に届け出なければならない(20条。事前届出)。港湾運送は港湾物流を支える公共性の高い業務であるため、事業の休廃止が利用者や港湾機能に与える影響を考慮し、事前の届出を求めている。事前(30日前まで)という時期を押さえる。
補足参入時は許可(4条)、運賃・料金は事前届出(9条)、休廃止も事前届出(20条)と、港湾運送事業は参入から退出まで行政の把握下に置かれる。公共性の高い事業に対する規制の体系を理解する。
問12事業改善命令
港湾運送事業者に対する事業改善命令に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国土交通大臣は、港湾運送事業者の事業について公共の利益を阻害している事実があると認めても、事業の運営を改善するための措置を命ずることはできない。
- イ.国土交通大臣は、港湾運送事業者の事業について利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 改善措置を命ずることができる → 『命ずることはできない』は誤り
港湾運送事業法第21条「事業計画の変更その他の事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 21条のとおり → 正しい
港湾運送事業法第21条「利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、当該港湾運送事業者に対し、事業計画の変更その他の事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる」e-Gov原文
ひっかけ公共の利益を阻害する事実があれば、国土交通大臣は『事業改善命令』を出せる(21条)。
解説国土交通大臣は、港湾運送事業者の事業について利用者の利便その他公共の利益を阻害している事実があると認めるときは、当該港湾運送事業者に対し、事業計画の変更その他の事業の運営を改善するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる(21条、事業改善命令)。許可(4条)という参入規制を補う事後の監督手段であり、公共の利益の観点から事業の運営を是正させるものである。
補足事業改善命令(21条)は事業の運営の是正を求めるもの、運賃料金の変更命令(9条2項)は運賃・料金の是正を求めるものである。事後の監督として、対象に応じた複数の命令権が定められている。
問13事業の停止及び許可の取消し
港湾運送事業の停止及び許可の取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国土交通大臣は、港湾運送事業者がこの法律に違反したときであっても、当該事業の停止を命ずることはできない。
- イ.国土交通大臣が港湾運送事業者に命ずる事業の停止は、6月以内において期間を定めて行われる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 事業の停止を命じ又は許可を取り消せる → 『命ずることはできない』は誤り
港湾運送事業法第22条「三月以内において期間を定めて当該事業の停止を命じ、又は当該港湾運送事業の許可を取り消すことができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 事業の停止は3月以内 → 『6月以内』は誤り
港湾運送事業法第22条「三月以内において期間を定めて当該事業の停止を命じ、又は当該港湾運送事業の許可を取り消すことができる」e-Gov原文
ひっかけ法令違反等には『3月以内の事業停止』又は『許可取消し』。停止の期間は3月以内(22条)。
解説国土交通大臣は、港湾運送事業者が、(1)この法律又はこれに基づく処分に違反したとき、(2)正当な理由がないのに認可を受けた事項を実施しないとき、(3)一定の欠格事由に該当するに至ったときは、3月以内において期間を定めて当該事業の停止を命じ、又は当該港湾運送事業の許可を取り消すことができる(22条)。事業停止の上限(3月以内)と、停止・許可取消しという監督処分を押さえる。
補足事業改善命令(21条)が事業の是正を求めるのに対し、事業の停止・許可の取消し(22条)はより重い監督処分である。違反の程度に応じて、改善命令から停止・取消しへと段階的に対応される。
問14報告徴収・立入検査
港湾運送事業法に基づく報告徴収及び立入検査に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.港湾運送事業者の事業場等に立ち入って検査をする職員は、その身分を示す証票を携帯する必要はない。
- イ.この法律に基づく立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 身分証票を携帯し呈示しなければならない → 『携帯する必要はない』は誤り
港湾運送事業法第33条「その身分を示す証票を携帯し、関係人に呈示しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 犯罪捜査のためと解釈してはならない → 『解釈される』は誤り
港湾運送事業法第33条「検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」e-Gov原文
ひっかけ立入検査の職員は『身分証票を携帯・呈示』。検査権限は『犯罪捜査のためではない』(33条)。
解説国土交通大臣は、この法律の施行を確保するため必要があると認めるときは、港湾運送事業者等に報告をさせ、又は職員に事務所・事業場・はしけ等に立ち入り帳簿書類等を検査させることができる(33条1項・2項)。立入検査をする職員は身分を示す証票を携帯し関係人に呈示しなければならず(3項)、この検査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない(4項)。行政上の検査と犯罪捜査の区別という基本を押さえる。
補足立入検査の権限を犯罪捜査に用いてはならない旨の規定は、内航海運業法・トン数測度法など多くの行政法規に共通する。行政調査を口実とした令状なしの捜査を防ぐためのものである。
問15許可の単位と欠格事由
港湾運送事業の許可の単位及び欠格事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.一般港湾運送事業を営もうとする者は、港湾の別にかかわらず、全国一括して一つの許可を受ければよい。
- イ.港湾運送事業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者であっても、許可基準に適合すれば港湾運送事業の許可を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 種類及び港湾ごとに許可 → 『全国一括して一つの許可』は誤り
港湾運送事業法第4条「港湾運送事業の種類及び港湾ごとに」e-Gov原文
- イ.誤り
- 許可取消から5年未経過は欠格 → 『許可を受けられる』は誤り
港湾運送事業法第6条「港湾運送事業の許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者」e-Gov原文
ひっかけ一般港湾運送事業は『港湾ごと』に許可。許可取消から5年未経過の者は欠格(4条・6条)。
解説一般港湾運送事業等は港湾運送事業の種類及び港湾ごとに許可を受ける必要があり、全国一括の許可ではない(4条)。また、港湾運送事業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者は欠格事由に該当し、許可基準に適合していても許可を受けられない(6条2項3号)。許可の単位(港湾ごと)と、欠格事由(取消しから5年)を押さえる。
補足許可が港湾ごとに必要なのは、港湾運送が各港湾の施設・労働力を前提とする業務であり、港湾ごとに事業遂行能力を審査する必要があるためである。一方、検数事業等は港湾を問わない専門業務のため種類ごとの許可とされる。