問1天皇の地位と国民主権
天皇の地位及び国民主権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である。
- イ.天皇の地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 1条のとおり → 正しい
日本国憲法第1条「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて」e-Gov原文
- イ.正しい
- 1条のとおり → 正しい
日本国憲法第1条「この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」e-Gov原文
ひっかけ天皇は『象徴』であり、その地位は『主権の存する国民の総意』に基づく(1条)。
解説天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく(1条)。明治憲法の統治権の総攬者としての天皇から、国民主権のもとでの象徴へと地位が変わった。象徴天皇制と国民主権の関係を押さえる。海事代理士試験の一般法律常識として、憲法の基本原理が問われる。
補足国民主権・基本的人権の尊重・平和主義は日本国憲法の三大原理である。天皇の国事行為には内閣の助言と承認を要し(3条)、天皇は国政に関する権能を有しない(4条)。
問2戦争の放棄
戦争の放棄及び栄典に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.日本国民は、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
- イ.華族その他の貴族の制度は、法律の定めるところにより認められる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 9条1項のとおり → 正しい
日本国憲法第9条「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 華族その他の貴族の制度は認めない → 『認められる』は誤り
日本国憲法第14条「華族その他の貴族の制度は、これを認めない」e-Gov原文
ひっかけ憲法は戦争・武力行使を『永久に放棄』する。華族その他の貴族の制度は『認めない』(9条・14条)。
解説日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する(9条1項、平和主義)。また、法の下の平等を定める14条は、華族その他の貴族の制度を認めない(2項)。平和主義と貴族制度の否認という基本的な定めを押さえる。
補足平和主義は日本国憲法の三大原理の一つである。9条はさらに、戦力の不保持と国の交戦権の否認を定める(2項)。
問3戦力の不保持と交戦権の否認
戦力の不保持及び交戦権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.憲法は、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しないと定める。
- イ.憲法は、国の交戦権は、これを認めないと定める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 9条2項のとおり → 正しい
日本国憲法第9条「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」e-Gov原文
ひっかけ9条2項は『戦力の不保持』と『交戦権の否認』を定める(9条)。
解説9条2項は、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は保持せず、国の交戦権は認めないと定める。1項の戦争・武力行使の放棄に加え、2項で戦力の不保持と交戦権の否認を定める二段の構造になっている。平和主義の具体的な内容(戦争放棄・戦力不保持・交戦権否認)を押さえる。
補足9条をめぐっては自衛権・自衛隊の合憲性等の解釈論があるが、条文上は戦力の不保持と交戦権の否認が明記されている。条文の文言を正確に押さえることが基礎となる。
問4基本的人権の享有
基本的人権の享有に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
- イ.憲法が国民に保障する基本的人権は、法律の定めるところにより制限される一時的な権利である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 11条のとおり → 正しい
日本国憲法第11条「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 侵すことのできない永久の権利 → 『一時的な権利』は誤り
日本国憲法第11条「侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」e-Gov原文
ひっかけ基本的人権は『侵すことのできない永久の権利』。法律で制限される一時的な権利ではない(11条)。
解説国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる(11条)。基本的人権が、法律によって自由に制限できる権利ではなく、憲法によって永久不可侵のものとして保障される点が要点である。基本的人権の尊重は憲法の三大原理の一つである。
補足国民は、基本的人権を濫用してはならず、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う(12条)。永久不可侵の権利であっても、公共の福祉による調整に服する場面がある。
問5個人の尊重と幸福追求権
個人の尊重及び幸福追求権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.すべて国民は、個人として尊重される。
- イ.生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 13条のとおり → 正しい
日本国憲法第13条「すべて国民は、個人として尊重される」e-Gov原文
- イ.正しい
- 13条のとおり → 正しい
日本国憲法第13条「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」e-Gov原文
ひっかけ国民は『個人として尊重』され、幸福追求権は『公共の福祉に反しない限り』最大の尊重を要する(13条)。
解説すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利(幸福追求権)については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする(13条)。個人の尊重を基礎に、幸福追求権という包括的な人権を保障する規定であり、新しい人権(プライバシー権等)の根拠とされる。公共の福祉による限界も明記されている。
補足13条の幸福追求権は、個別の人権規定に列挙されていない権利を導く包括的な根拠規定とされる。個人の尊重(13条前段)は、すべての人権の出発点となる原理である。
問6法の下の平等
法の下の平等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
- イ.栄典の授与は、現にこれを有する者の子孫に永久に世襲される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 14条1項のとおり → 正しい
日本国憲法第14条「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 栄典の効力は一代に限る → 『子孫に永久世襲』は誤り
日本国憲法第14条「将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する」e-Gov原文
ひっかけ法の下に平等で人種・信条・性別等の差別を禁止。栄典の効力は『一代限り』(14条)。
解説すべて国民は、法の下に平等であって、人種・信条・性別・社会的身分又は門地により、政治的・経済的又は社会的関係において差別されない(14条1項、法の下の平等)。また、栄典の授与はいかなる特権も伴わず、その効力は現にこれを有し又は将来これを受ける者の一代に限る(14条3項)。平等原則と、栄典の一代限りの効力を押さえる。
補足14条1項の差別禁止事由(人種・信条・性別・社会的身分・門地)は例示と解されており、これら以外の不合理な差別も禁止されると理解されている。
問7表現の自由と検閲の禁止
表現の自由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
- イ.検閲は、これをしてはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 21条1項のとおり → 正しい
日本国憲法第21条「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」e-Gov原文
ひっかけ21条は『一切の表現の自由』を保障し、『検閲』を禁止する(21条)。
解説集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する(21条1項)。さらに、検閲をしてはならず、通信の秘密を侵してはならない(21条2項)。表現の自由は民主主義社会の基礎をなす重要な権利であり、検閲の絶対的禁止という強い保障が与えられている。表現の自由・検閲の禁止・通信の秘密という21条の内容を押さえる。
補足検閲の禁止は、公権力が表現物の発表前にその内容を審査し不適当なものの発表を禁止することを絶対的に禁ずるものと解されている。表現の自由の保障を実効的にするための規定である。
問8通信の秘密
通信の秘密に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.通信の秘密は、公共の福祉のために必要な場合には、法律によらずに侵すことができる。
- イ.通信の秘密は、これを侵してはならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 通信の秘密は侵してはならない → 『侵すことができる』は誤り
日本国憲法第21条「通信の秘密は、これを侵してはならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 21条2項のとおり → 正しい
日本国憲法第21条「通信の秘密は、これを侵してはならない」e-Gov原文
ひっかけ通信の秘密は『侵してはならない』。表現の自由(21条)の一内容として保障される(21条)。
解説通信の秘密は、これを侵してはならない(21条2項後段)。手紙・電話・電子メール等の通信の内容や存在が公権力等によって把握されないことを保障するもので、表現の自由を定める21条に位置づけられている。検閲の禁止とともに、表現・コミュニケーションの自由を実質的に支える保障である。
補足通信の秘密は絶対的に無制限ではなく、犯罪捜査における通信傍受等、法律に基づく例外がある。ただし、その制約は厳格な要件・手続のもとでのみ許容される。
問9生存権
生存権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
- イ.国は、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努める必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 25条1項のとおり → 正しい
日本国憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 国はこれらの向上増進に努めなければならない → 『努める必要はない』は誤り
日本国憲法第25条「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」e-Gov原文
ひっかけ国民は『健康で文化的な最低限度の生活を営む権利』を持ち、国は社会福祉等の向上増進に『努める』(25条)。
解説すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する(25条1項、生存権)。国は、すべての生活部面について、社会福祉・社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない(25条2項)。生存権は、国に対して一定の生活保障を求める社会権の中心的な権利である。国民の権利(1項)と国の責務(2項)を押さえる。
補足生存権は社会権(国家による自由)の代表例である。自由権(国家からの自由)と異なり、国の積極的な施策(社会保障制度等)によって実現される。
問10法定手続の保障
法定手続の保障に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.何人も、法律の定める手続によらなくても、その生命若しくは自由を奪われることがある。
- イ.何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 法律の定める手続によらなければ奪われない → 『よらなくても奪われる』は誤り
日本国憲法第31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 31条のとおり → 正しい
日本国憲法第31条「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」e-Gov原文
ひっかけ『法律の定める手続』によらなければ、生命・自由を奪われず刑罰も科されない(適正手続)(31条)。
解説何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない(31条、法定手続の保障)。刑罰を科すには、あらかじめ法律で定められた手続によらなければならないとするもので、適正手続(デュー・プロセス)の保障の基礎となる。手続の法定だけでなく、手続・実体の適正までを要求すると解されている。
補足31条は、続く32条以下の刑事手続上の権利(裁判を受ける権利、令状主義、黙秘権等)の総則的規定とされる。罪刑法定主義の手続的側面を支える重要な規定である。
問11国会の地位
国会の地位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国会は、国権の最高機関であるが、内閣も立法機関として法律を制定することができる。
- イ.国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 国会は国の唯一の立法機関 → 『内閣も立法機関』は誤り
日本国憲法第41条「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」e-Gov原文
- イ.正しい
- 41条のとおり → 正しい
日本国憲法第41条「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である」e-Gov原文
ひっかけ国会は『国権の最高機関』かつ『国の唯一の立法機関』。立法は国会が独占(41条)。
解説国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である(41条)。国民を代表する国会が立法権を独占することを定めるもので(国会中心立法の原則)、内閣等の他の機関は原則として立法を行えない。国会の地位(国権の最高機関・唯一の立法機関)を押さえる。三権分立における立法権の所在を理解する。
補足「国権の最高機関」は、国民を代表する国会の地位を強調する政治的美称と解する説が有力である。一方、「唯一の立法機関」は、立法権が国会に属することを法的に定めるものである。
問12行政権と内閣
行政権の帰属に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行政権は、国会に属する。
- イ.行政権は、内閣に属する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 行政権は内閣に属する → 『国会に属する』は誤り
ひっかけ立法権は国会、行政権は『内閣』、司法権は裁判所。三権分立(65条)。
解説行政権は、内閣に属する(65条)。立法権を国会(41条)、行政権を内閣(65条)、司法権を裁判所(76条)に分属させる三権分立の構造の一部である。行政権の帰属(内閣)を押さえる。三権の所在(国会・内閣・裁判所)を取り違えないことが基礎である。
補足内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う(66条3項、議院内閣制)。内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名される(67条)など、内閣と国会は密接に関係する。
問13司法権と裁判官の独立
司法権及び裁判所に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.行政機関も、終審として裁判を行うことができる。
- イ.特別裁判所は、法律の定めるところにより設置することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 行政機関は終審として裁判を行えない → 『行うことができる』は誤り
日本国憲法第76条「行政機関は、終審として裁判を行ふことができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 特別裁判所は設置できない → 『設置することができる』は誤り
日本国憲法第76条「特別裁判所は、これを設置することができない」e-Gov原文
ひっかけ司法権は裁判所に属し、『特別裁判所の設置』も『行政機関の終審裁判』も禁止(76条)。
解説すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する(76条1項)。特別裁判所は設置することができず、行政機関は終審として裁判を行うことができない(76条2項)。また、すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される(76条3項、裁判官の独立)。司法権の所在と特別裁判所の禁止を押さえる。
補足特別裁判所の禁止は、明治憲法下の軍法会議・行政裁判所のような通常の裁判所系列から独立した裁判機関を認めない趣旨である。司法権の統一と裁判を受ける権利を保障する。
問14地方公共団体の権能と条例
地方公共団体の権能に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.地方公共団体は、法律の範囲を超えて条例を制定することができる。
- イ.地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 条例は法律の範囲内で制定 → 『範囲を超えて』は誤り
日本国憲法第94条「法律の範囲内で条例を制定することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- これらの権能を有する → 『有しない』は誤り
日本国憲法第94条「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し」e-Gov原文
ひっかけ地方公共団体は財産管理・事務処理・行政執行の権能を有し、条例は『法律の範囲内』で制定できる(94条)。
解説地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる(94条)。地方自治の本旨に基づき、地方公共団体に自治権(行政執行権・条例制定権)を保障する規定である。条例制定権が「法律の範囲内」に限られる点を押さえる。地方自治は憲法の保障する統治の仕組みである。
補足条例は法律の範囲内で制定できるが、法律と条例の関係(上乗せ・横出し条例の許否等)は解釈上の論点となる。地方自治は、住民自治と団体自治を内容とする地方自治の本旨(92条)に基づく。
問15憲法改正の手続
憲法改正の手続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.この憲法の改正は、各議院の総議員の過半数の賛成で、国会がこれを発議する。
- イ.憲法改正の国民の承認には、国民投票等において3分の2以上の賛成を必要とする。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 発議は3分の2以上の賛成 → 『過半数』は誤り
日本国憲法第96条「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し」e-Gov原文
- イ.誤り
- 国民の承認は過半数の賛成 → 『3分の2以上』は誤り
ひっかけ憲法改正の発議は各議院の総議員の『3分の2以上』、国民の承認は『過半数』(96条)。
解説この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会がこれを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない(96条1項前段、発議の要件)。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする(後段、承認の要件)。発議(3分の2以上)と国民の承認(過半数)の要件を取り違えないことが要点である。
補足通常の法律改正より厳格な要件を課す硬性憲法の特徴が、96条の改正手続に表れている。発議と国民投票という二段階を経て、最終的に主権者である国民が承認する仕組みである。