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民法・第18

民法(総則)の問題(15問)

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1権利能力

権利能力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 私権の享有は、出生に始まる。
  • 外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
3条1項のとおり → 正しい

民法第3条私権の享有は、出生に始まるe-Gov原文

正しい
3条2項のとおり → 正しい

民法第3条外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有するe-Gov原文

ひっかけ権利能力(私権の享有)は『出生』に始まる。外国人も原則として私権を享有する(3条)。

解説私権の享有は出生に始まる(3条1項)。すべての自然人は、出生とともに権利義務の主体となる能力(権利能力)を取得する。また、外国人も、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する(3条2項)。権利能力の始期(出生)と、外国人の権利能力を押さえる。海事代理士試験の一般法律常識として民法が問われる。

補足権利能力は、権利義務の主体となり得る地位・資格である。意思能力(事理弁識能力)や行為能力(単独で完全な法律行為をする能力)とは区別される。

2成年

成年及び法律行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 年齢18歳をもって、成年とする。
  • 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為であっても、有効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
4条のとおり → 正しい

民法第4条年齢十八歳をもって、成年とするe-Gov原文

誤り
公序良俗違反は無効 → 『有効』は誤り

民法第90条公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とするe-Gov原文

ひっかけ成年は『18歳』。公序良俗に反する法律行為は『無効』(4条・90条)。

解説年齢18歳をもって成年とする(4条。2022年4月から20歳から18歳に引き下げられた)。成年に達すると単独で完全な法律行為をすることができる。また、公の秩序又は善良の風俗(公序良俗)に反する法律行為は無効である(90条)。成年年齢(18歳)と公序良俗違反の効果(無効)を押さえる。

補足公序良俗に反する法律行為が「無効」であるのに対し、制限行為能力者の行為や詐欺・強迫による意思表示は「取消し」の対象となる。無効(はじめから効力なし)と取消し(取り消されるまで有効)の区別が重要である。

3未成年者の法律行為

未成年者の法律行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 未成年者が法律行為をするには、原則として、その法定代理人の同意を得なければならない。
  • 法定代理人の同意を得ないでした未成年者の法律行為は、取り消すことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
5条1項のとおり → 正しい

民法第5条未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならないe-Gov原文

正しい
5条2項のとおり → 正しい

民法第5条前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができるe-Gov原文

ひっかけ未成年者の法律行為は原則『法定代理人の同意』が必要。同意を欠けば『取消し』可(5条)。

解説未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為についてはこの限りでない(5条1項)。同意を要する規定に反する法律行為は、取り消すことができる(5条2項)。制限行為能力者である未成年者を保護するため、同意のない行為を取消し可能とする仕組みを押さえる。

補足法定代理人が目的を定めて処分を許した財産(小遣い等)は、その目的の範囲内で未成年者が自由に処分できる(5条3項)。同意の例外として、一定の財産の処分が認められている。

4成年被後見人の法律行為

成年被後見人の法律行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。
  • 成年被後見人がした日用品の購入その他日常生活に関する行為も、取り消すことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
9条本文のとおり → 正しい

民法第9条成年被後見人の法律行為は、取り消すことができるe-Gov原文

誤り
日常生活に関する行為は取消しの対象外 → 『取り消すことができる』は誤り

民法第9条日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ成年被後見人の法律行為は取消し可。ただし『日常生活に関する行為』は取り消せない(9条)。

解説成年被後見人(精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で後見開始の審判を受けた者)の法律行為は、取り消すことができる(9条本文)。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については取り消すことができない(ただし書)。本人保護と、日常生活の自律の双方に配慮した規律である。日常生活に関する行為の例外を押さえる。

補足成年被後見人は、同意があってもなお取消しの対象となる点で、保佐・補助とは異なる。事理弁識能力を欠く常況にあるため、同意による有効化が予定されていない。

5被保佐人の同意を要する行為

被保佐人の同意を要する行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 被保佐人が一定の行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。
  • 被保佐人が借財又は保証をするには、その保佐人の同意を得なければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
13条1項のとおり → 正しい

民法第13条被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならないe-Gov原文

正しい
13条1項2号のとおり → 正しい

民法第13条二借財又は保証をすることe-Gov原文

ひっかけ被保佐人は『一定の重要な行為』(借財・保証・不動産取引・訴訟等)に保佐人の同意が必要(13条)。

解説被保佐人(事理を弁識する能力が著しく不十分な者で保佐開始の審判を受けた者)が、元本の領収・利用、借財又は保証、不動産その他重要な財産に関する権利の得喪、訴訟行為、贈与・和解・仲裁合意、相続の承認・放棄・遺産分割等の一定の重要な行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない(13条1項)。被保佐人は重要な行為についてのみ同意を要する点で、原則すべての行為に同意を要する未成年者・成年被後見人と異なる。

補足被保佐人は、13条1項に列挙された重要な行為以外は単独で有効に行うことができる。保護の程度は、未成年者・成年被後見人より緩やかである。制限行為能力者の種類ごとの保護の違いを押さえる。

6公序良俗

公序良俗に反する法律行為に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、取り消すことができる。
  • 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
公序良俗違反は無効 → 『取り消すことができる』は誤り(無効と取消しは別)

民法第90条公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とするe-Gov原文

正しい
90条のとおり → 正しい

民法第90条公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とするe-Gov原文

ひっかけ公序良俗に反する法律行為は『無効』。取消しではない(90条)。

解説公の秩序又は善良の風俗(公序良俗)に反する法律行為は、無効とする(90条)。反社会的・反道徳的な内容の契約等は、当事者の意思にかかわらず初めから効力を生じない。無効は、誰でも主張でき、追認によっても有効とならない点で、取消し(取消権者が取り消すまで有効)と異なる。無効と取消しの違いを押さえる。

補足公序良俗違反の例として、賭博契約、人身売買、著しく不当な暴利行為等がある。90条は、契約自由の原則に対する一般的な限界を定める重要な規定である。

7心裡留保

心裡留保及び虚偽表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
  • 相手方と通じてした虚偽の意思表示であっても、有効である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
93条1項のとおり → 正しい

民法第93条意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられないe-Gov原文

誤り
通謀虚偽表示は無効 → 『有効』は誤り

民法第94条相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とするe-Gov原文

ひっかけ心裡留保は『原則有効』(相手方が悪意・有過失なら無効)。通謀虚偽表示は『無効』(93条・94条)。

解説意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってした(心裡留保)ときであっても、そのためにその効力を妨げられない(93条1項本文。原則有効)。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは無効となる(同項ただし書)。これに対し、相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)は無効である(94条1項)。心裡留保(原則有効)と虚偽表示(無効)の違いを押さえる。

補足心裡留保の無効も、通謀虚偽表示の無効も、善意の第三者には対抗できない(93条2項・94条2項)。真意でない意思表示を信頼した第三者を保護する仕組みが共通して置かれている。

8虚偽表示

通謀虚偽表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
  • 通謀虚偽表示による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
94条1項のとおり → 正しい

民法第94条相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とするe-Gov原文

正しい
94条2項のとおり → 正しい

民法第94条前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができないe-Gov原文

ひっかけ通謀虚偽表示は『無効』だが、その無効は『善意の第三者』に対抗できない(94条)。

解説相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)は無効である(94条1項)。もっとも、その無効は善意の第三者に対抗することができない(94条2項)。当事者間では無効でも、その外形を信頼して取引に入った善意の第三者は保護される。当事者間の無効と、第三者保護(善意の第三者には無効を主張できない)の関係を押さえる。

補足94条2項の第三者保護は『善意』のみを要件とし、無過失までは要求しない(虚偽表示は当事者の帰責性が大きいため)。これに対し、錯誤・詐欺の取消しは『善意でかつ過失がない』第三者を保護する点で要件が異なる。

9錯誤

錯誤による意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 意思表示は、一定の錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
  • 錯誤による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対しても対抗することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
95条1項のとおり → 正しい

民法第95条その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができるe-Gov原文

誤り
善意無過失の第三者に対抗できない → 『対抗することができる』は誤り

民法第95条第一項の規定による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができないe-Gov原文

ひっかけ錯誤は『重要なもの』なら取消し可。その取消しは『善意無過失の第三者』に対抗できない(95条)。

解説意思表示は、表示に対応する意思を欠く錯誤や、表意者が法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反する錯誤(基礎事情の錯誤)に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる(95条1項)。この取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない(95条4項)。重要性の要件と、第三者保護(善意無過失)を押さえる。

補足錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、原則として取消しができない(95条3項)。表意者自身の落ち度が大きい場合に取消しを制限し、相手方を保護する趣旨である。

10詐欺又は強迫

詐欺又は強迫による意思表示に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 詐欺又は強迫による意思表示は、無効とする。
  • 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
詐欺・強迫は取り消すことができる → 『無効』は誤り(無効と取消しは別)

民法第96条詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができるe-Gov原文

正しい
96条1項のとおり → 正しい

民法第96条詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができるe-Gov原文

ひっかけ詐欺・強迫による意思表示は『取消し』可(無効ではない)(96条)。

解説詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる(96条1項)。だまされたり脅されたりして行った意思表示は、初めから無効なのではなく、表意者が取り消すことによって遡って無効となる(取消し)。公序良俗違反(90条)や通謀虚偽表示(94条)の無効と、詐欺・強迫の取消しを取り違えないことが要点である。

補足詐欺と強迫では第三者保護の扱いが異なる。詐欺による取消しは善意でかつ過失がない第三者に対抗できないが(96条3項)、強迫による取消しにはこのような第三者保護の規定がなく、第三者にも対抗できる(強迫は表意者の帰責性がより小さいため)。

11代理行為の要件及び効果

代理行為の要件及び効果に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 代理人がその権限内において本人のためにすることを示さずにした意思表示は、常に本人に対して直接その効力を生ずる。
  • 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
顕名してした意思表示が本人に効力を生ずる → 『示さずにした意思表示が常に本人に効力を生ずる』は誤り

民法第99条代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずるe-Gov原文

正しい
99条1項のとおり → 正しい

民法第99条代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずるe-Gov原文

ひっかけ代理の効果が本人に帰属するには『本人のためにすることを示す(顕名)』ことが必要(99条)。

解説代理人がその権限内において本人のためにすることを示して(顕名して)した意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる(99条1項)。代理行為の効果が本人に帰属するためには、代理権の存在・権限内の行為・顕名という要件が必要である。顕名がない場合は、原則として代理人自身がその意思表示をしたものとみなされる(100条)。顕名の要件を押さえる。

補足代理人に対して第三者がした意思表示(受働代理)についても、本人に効力を生ずる(99条2項)。代理人を通じて本人が意思表示を受領できる。

12自己契約及び双方代理

自己契約及び双方代理に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 同一の法律行為について当事者双方の代理人としてした行為は、本人があらかじめ許諾していなくても、常に有効である。
  • 自己契約又は双方代理に当たる行為であっても、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、無権代理とはみなされない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
原則として無権代理とみなす → 『常に有効』は誤り

民法第108条同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなすe-Gov原文

正しい
108条1項ただし書のとおり → 正しい

民法第108条債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでないe-Gov原文

ひっかけ自己契約・双方代理は原則『無権代理とみなす』。債務の履行・本人の許諾があれば例外(108条)。

解説同一の法律行為について、相手方の代理人として(自己契約)、又は当事者双方の代理人として(双方代理)した行為は、代理権を有しない者がした行為(無権代理)とみなされる(108条1項本文)。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない(同項ただし書)。本人と代理人・双方の本人の利益が相反するおそれがあるため原則として無権代理とみなしつつ、利益相反のおそれがない場合を例外とする。

補足自己契約・双方代理のほか、代理人と本人との利益が相反する行為も、原則として無権代理とみなされる(108条2項)。利益相反のおそれのある代理行為を広く制限し、本人を保護する趣旨である。

13所有権の取得時効

所有権の取得時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 10年間、所有の意思をもって平穏かつ公然と他人の物を占有した者は、占有の開始時に善意無過失であったか否かにかかわらず、その所有権を取得する。
  • 20年間他人の物を占有した者は、所有の意思がなくても、その所有権を取得する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
善意無過失でなければ20年の占有が必要 → 『善意無過失を問わず10年』は誤り

民法第162条二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得するe-Gov原文

誤り
所有の意思をもって占有することが必要 → 『所有の意思がなくても』は誤り

民法第162条二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得するe-Gov原文

ひっかけ取得時効は『所有の意思・平穏・公然』で原則20年。占有開始時に善意無過失なら10年(162条)。

解説20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する(162条1項)。占有の開始の時に善意であり、かつ過失がなかったときは、10年間で取得する(162条2項)。所有の意思・平穏・公然という要件と、原則20年・善意無過失なら10年という期間を押さえる。所有の意思のない占有(賃借人等)では取得時効は成立しない。

補足取得時効は、一定期間継続した占有という事実状態を尊重し、これに権利を与える制度である。消滅時効(権利の不行使による権利の消滅)とともに、時効制度を構成する。

14債権の消滅時効

債権の消滅時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。
  • 債権は、権利を行使することができる時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
知った時から5年で消滅 → 『10年間』は誤り

民法第166条債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないときe-Gov原文

誤り
行使できる時から10年で消滅 → 『5年間』は誤り

民法第166条権利を行使することができる時から十年間行使しないときe-Gov原文

ひっかけ債権の消滅時効は『知った時から5年』又は『行使できる時から10年』のいずれか早い方(166条)。

解説債権は、(1)債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき(166条1項1号、主観的起算点)、又は(2)権利を行使することができる時から10年間行使しないとき(2号、客観的起算点)に、時効によって消滅する。主観的起算点(知った時から5年)と客観的起算点(行使できる時から10年)の二つの期間を取り違えないことが要点である。

補足債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときに時効消滅する(166条2項)。所有権は消滅時効にかからない。権利の種類により消滅時効の期間が異なる。

15詐欺と第三者保護

詐欺による意思表示と第三者の保護に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合、相手方がその事実を知らず、知ることもできなかったときであっても、その意思表示を取り消すことができる。
  • 詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対しても対抗することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
相手方が知り又は知ることができたときに限り取り消せる → 『知らず知ることもできなくても取り消せる』は誤り

民法第96条相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができるe-Gov原文

誤り
善意無過失の第三者に対抗できない → 『対抗することができる』は誤り

民法第96条詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができないe-Gov原文

ひっかけ第三者詐欺は相手方が悪意・有過失のときだけ取消し可。詐欺の取消しは善意無過失の第三者に対抗できない(96条)。

解説相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合(第三者詐欺)には、相手方がその事実を知り又は知ることができたときに限り、取り消すことができる(96条2項)。また、詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない(96条3項)。第三者詐欺の制限(相手方の主観)と、取消し後の第三者保護(善意無過失)を押さえる。

補足強迫の場合には、第三者強迫の制限(96条2項)も第三者保護(96条3項)も適用されない。強迫を受けた表意者は帰責性が小さいため、第三者の善意悪意を問わず取り消すことができる。詐欺と強迫の保護の差を理解する。

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