問1航法規定の適用船舶(あらゆる視界)
海上衝突予防法の航法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.海上衝突予防法第2章第1節の規定は、あらゆる視界の状態における船舶について適用する。
- イ.船舶は、視覚、聴覚及びその時の状況に適した他のすべての手段により、常時適切な見張りをしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 4条のとおり → 正しい
海上衝突予防法第4条「この節の規定は、あらゆる視界の状態における船舶について適用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 5条のとおり → 正しい
海上衝突予防法第5条「視覚、聴覚及びその時の状況に適した他のすべての手段により、常時適切な見張りをしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ第1節の航法は『あらゆる視界』に適用。船舶は『常時適切な見張り』をしなければならない(4条・5条)。
解説海上衝突予防法の第2章第1節(あらゆる視界の状態における船舶の航法)の規定は、視界の良否を問わずあらゆる視界の状態の船舶に適用される(4条)。また、船舶は視覚・聴覚その時の状況に適した他のすべての手段により常時適切な見張りをしなければならない(5条)。航法の適用範囲と見張り義務を押さえる。
補足第1節(4条以下)はあらゆる視界に適用、第2節(11条以下)は互いに視野の内にある船舶に適用、第3節(19条)は視界制限状態に適用という構成を押さえる。
問2見張り
見張り及び航法規定の適用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.船舶は、周囲の状況及び他の船舶との衝突のおそれについて十分に判断することができるように、常時適切な見張りをしなければならない。
- イ.海上衝突予防法第2章第1節の規定は、視界が良好な状態にある船舶についてのみ適用する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 5条のとおり → 正しい
海上衝突予防法第5条「常時適切な見張りをしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 第1節はあらゆる視界に適用される → 『視界が良好な船舶にのみ適用』は誤り
海上衝突予防法第4条「この節の規定は、あらゆる視界の状態における船舶について適用する」e-Gov原文
ひっかけ船舶は『常時適切な見張り』をする。第1節の航法は『あらゆる視界』に適用(5条・4条)。
解説船舶は、周囲の状況及び衝突のおそれについて十分に判断できるよう、視覚・聴覚その他の手段により常時適切な見張りをしなければならない(5条)。また、第1節の航法規定はあらゆる視界の状態の船舶に適用される(4条)。見張り義務と航法の適用範囲を押さえる。
補足見張りは衝突予防の基本であり、視覚・聴覚に限らずレーダー等その時の状況に適したすべての手段による。第1節の航法は視界の良否を問わず適用される。
問3安全な速力
安全な速力及び第2節の適用船舶に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.船舶は、他の船舶との衝突を避けるための適切かつ有効な動作をとること又はその時の状況に適した距離で停止することができるように、常時安全な速力で航行しなければならない。
- イ.海上衝突予防法第2章第2節の規定は、互いに他の船舶の視野の内にある船舶について適用する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 6条のとおり → 正しい
海上衝突予防法第6条「常時安全な速力で航行しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 11条のとおり → 正しい
海上衝突予防法第11条「この節の規定は、互いに他の船舶の視野の内にある船舶について適用する」e-Gov原文
ひっかけ船舶は『常時安全な速力』で航行する。第2節は『互いに視野の内』にある船舶に適用(6条・11条)。
解説船舶は、衝突を避けるための適切有効な動作をとり又は適した距離で停止できるよう、常時安全な速力で航行しなければならない(6条。速力の決定には視界の状態・交通のふくそう・操縦性能等を考慮する)。また、第2節(行会い・横切り等)の規定は互いに他の船舶の視野の内にある船舶に適用される(11条)。安全な速力と第2節の適用範囲を押さえる。
補足安全な速力は、視界・交通量・操縦性能・レーダーの有無等を考慮して決まる。第2節の見合い関係の航法は、互いに視認できる船舶どうしに適用される。
問4衝突のおそれの判断
衝突のおそれの判断及び見張りに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.船舶は、他の船舶と衝突するおそれがあるかどうかを判断するため、その時の状況に適したすべての手段を用いなければならない。
- イ.船舶は、見張りを行う義務を負わない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 7条1項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第7条「船舶は、他の船舶と衝突するおそれがあるかどうかを判断するため、その時の状況に適したすべての手段を用いなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 船舶は常時適切な見張りをしなければならない → 『見張りを行う義務を負わない』は誤り
海上衝突予防法第5条「常時適切な見張りをしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ衝突のおそれの判断には『すべての手段』を用いる。船舶は『常時適切な見張り』をする(7条・5条)。
解説船舶は、他の船舶と衝突するおそれがあるかどうかを判断するため、その時の状況に適したすべての手段を用いなければならない(7条1項)。レーダーを使用している船舶は長距離レンジによる走査等によりレーダーを適切に用いる(同条2項)。また、船舶は常時適切な見張りをしなければならない(5条)。衝突のおそれの判断と見張りを押さえる。
補足衝突のおそれの判断は、コンパス方位の変化等で行う。不十分なレーダー情報等に基づく判断をしてはならない(7条3項)。見張りと衝突のおそれの判断は衝突予防の前提である。
問5レーダーの使用
レーダーの使用及び遭難信号に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.レーダーを使用している船舶は、他の船舶と衝突するおそれがあることを早期に知るための長距離レーダーレンジによる走査を行わなければならない。
- イ.船舶は、遭難して救助を求める場合は、国土交通省令で定める信号を行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 7条2項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第7条「レーダーを使用している船舶は、他の船舶と衝突するおそれがあることを早期に知るための長距離レーダーレンジによる走査」e-Gov原文
- イ.正しい
- 37条1項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第37条「船舶は、遭難して救助を求める場合は、国土交通省令で定める信号を行わなければならない」e-Gov原文
ひっかけレーダー使用船は『長距離レンジ走査等』で適切に用いる。遭難救助を求める場合は『省令で定める信号』を行う(7条・37条)。
解説レーダーを使用している船舶は、衝突のおそれを早期に知るための長距離レーダーレンジによる走査、探知物件のレーダープロッティング等の系統的観察によりレーダーを適切に用いなければならない(7条2項)。また、船舶は遭難して救助を求める場合は国土交通省令で定める信号を行わなければならない(37条1項)。レーダーの適切な使用と遭難信号を押さえる。
補足レーダーは備えていれば適切に使用する義務があり、不十分な情報による判断は避ける(7条)。遭難信号は省令(海上衝突予防法施行規則)で具体的に定められている。
問6衝突を避けるための動作
衝突を避けるための動作及び安全な速力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.船舶は、他の船舶との衝突を避けるための動作をとる場合は、できる限り、十分に余裕のある時期に、船舶の運用上の適切な慣行に従つてためらわずにその動作をとらなければならない。
- イ.船舶は、安全な速力で航行する義務を負わず、いかなる速力でも航行することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 8条1項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第8条「十分に余裕のある時期に、船舶の運用上の適切な慣行に従つてためらわずにその動作をとらなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 船舶は常時安全な速力で航行しなければならない → 『いかなる速力でも航行できる』は誤り
海上衝突予防法第6条「常時安全な速力で航行しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ避航動作は『十分に余裕のある時期にためらわず』とる。船舶は『常時安全な速力』で航行する(8条・6条)。
解説船舶は、衝突を避けるための動作をとる場合は、できる限り十分に余裕のある時期に、運用上の適切な慣行に従ってためらわずにその動作をとらなければならない(8条1項)。針路・速力の変更は他の船舶が容易に認められるよう大幅に行う(同条2項)。また、船舶は常時安全な速力で航行しなければならない(6条)。避航動作と安全な速力を押さえる。
補足避航動作は早期かつ大幅に行うのが原則で、小刻みな変更は相手に意図が伝わらず危険である。安全な速力での航行は衝突予防の前提となる。
問7針路又は速力の変更
針路又は速力の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.船舶は、他の船舶との衝突を避けるための針路又は速力の変更を行う場合は、他の船舶に認められないよう、できる限り小幅に行わなければならない。
- イ.船舶は、他の船舶との衝突を避けるための針路又は速力の変更を行う場合は、できる限り、その変更を他の船舶が容易に認めることができるように大幅に行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 変更は他船が容易に認められるよう大幅に行う → 『小幅に行う』は誤り
海上衝突予防法第8条「その変更を他の船舶が容易に認めることができるように大幅に行わなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 8条2項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第8条「その変更を他の船舶が容易に認めることができるように大幅に行わなければならない」e-Gov原文
ひっかけ衝突回避の針路・速力変更は、他船が容易に認められるよう『大幅に』行う(小幅ではない)(8条2項)。
解説船舶は、衝突を避けるための針路又は速力の変更を行う場合は、できる限り、他の船舶が容易に認めることができるように大幅に行わなければならない(8条2項)。小刻みな変更では相手に意図が伝わらず、かえって危険となるからである。避航動作の明確化を押さえる。
補足針路・速力の変更を大幅に行うのは、相手船に自船の意図を明確に伝えるためである。レーダーのみで監視している相手にも認識されるよう、連続した小幅の変更は避ける。
問8分離通航方式
分離通航方式に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.船舶は、分離通航帯を航行する場合であっても、定められた通航路の進行方向に従う必要はない。
- イ.船舶は、分離通航帯を航行する場合は、この法律の他の規定に定めるもののほか、所定の各号に定めるところにより、航行しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 分離通航帯では定められた進行方向等に従い航行する → 『従う必要はない』は誤り
海上衝突予防法第10条「次の各号に定めるところにより、航行しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 10条2項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第10条「次の各号に定めるところにより、航行しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ分離通航帯では、定められた進行方向に従う等の『所定の各号に従い航行』しなければならない(10条2項)。
解説船舶は、分離通航帯を航行する場合は、この法律の他の規定のほか、通航路を定められた進行方向に従って航行すること等の所定の各号に定めるところにより航行しなければならない(10条2項)。分離通航方式は、交通のふくそうする海域で船舶の流れを整理し衝突を防ぐ仕組みである。分離通航方式の航法を押さえる。
補足分離通航方式は国際海事機関(IMO)が採択したもので、通航路ごとに進行方向が定められる。原則として分離帯や分離線を横断してはならない等の規律がある。
問9視界制限状態における動力船の措置
視界制限状態における航法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.動力船は、視界制限状態においても、機関を直ちに操作することができるようにしておく必要はない。
- イ.動力船は、視界制限状態においては、機関を直ちに操作することができるようにしておかなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 視界制限状態では機関を直ちに操作できるようにしておく → 『必要はない』は誤り
海上衝突予防法第19条「動力船は、視界制限状態においては、機関を直ちに操作することができるようにしておかなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 19条2項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第19条「動力船は、視界制限状態においては、機関を直ちに操作することができるようにしておかなければならない」e-Gov原文
ひっかけ視界制限状態の動力船は『機関を直ちに操作できるようにしておく』(19条2項)。
解説第19条は、視界制限状態にある水域又はその付近を航行する船舶(互いに視野の内にあるものを除く)に適用される。動力船は視界制限状態においては機関を直ちに操作できるようにしておかなければならない(19条2項)。また、レーダーのみで他船を探知した船舶は著しい接近・衝突のおそれを判断し、十分余裕のある時期に避航動作をとる。視界制限状態の航法を押さえる。
補足視界制限状態(霧・降雪等で視界が制限される状態)では、互いに視認できないため第2節の見合い関係の航法は適用されず、第19条の特別な航法による。機関を直ちに操作できる準備が求められる。
問10操船信号
操船信号及び注意喚起信号に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.航行中の動力船は、互いに他の船舶の視野の内にある場合において針路を右に転じているときは短音を一回、針路を左に転じているときは短音を二回、機関を後進にかけているときは短音を三回鳴らす汽笛信号を行わなければならない。
- イ.船舶は、他の船舶の注意を喚起するために必要があると認める場合は、この法律に規定する信号と誤認されることのない発光信号又は音響による信号を行うことができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 34条1項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第34条「針路を右に転じている場合は、短音を一回鳴らすこと」e-Gov原文
- イ.正しい
- 36条1項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第36条「この法律に規定する信号と誤認されることのない発光信号又は音響による信号を行い」e-Gov原文
ひっかけ操船信号は『右転=短音1回/左転=2回/後進=3回』。注意喚起は誤認されない発光・音響信号を行える(34条・36条)。
解説航行中の動力船は、互いに視野の内にある場合に、針路を右に転じるとき短音1回、左に転じるとき短音2回、機関を後進にかけるとき短音3回の汽笛信号を行わなければならない(34条1項、操船信号)。また、船舶は注意喚起のため、この法律の信号と誤認されない発光信号又は音響信号を行うことができる(36条1項)。操船信号と注意喚起信号を押さえる。
補足操船信号は『右1・左2・後進3』の短音で覚える。注意喚起信号は法定信号と紛らわしくないものとし、航行援助施設の灯火と誤認されるものやストロボ等の点滅・回転する強力な灯火は使用できない(36条2項)。
問11視界制限状態における音響信号
視界制限状態における音響信号及び衝突のおそれの判断に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.視界制限状態にある水域又はその付近を航行中の動力船は、対水速力を有する場合は、二分を超えない間隔で長音を一回鳴らすことにより汽笛信号を行わなければならない。
- イ.船舶は、他の船舶と衝突するおそれがあるかどうかを判断するため、特別な手段を用いる必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 35条2項のとおり → 正しい
海上衝突予防法第35条「対水速力を有する場合は、二分を超えない間隔で長音を一回鳴らすことにより汽笛信号を行わなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 衝突のおそれの判断にすべての手段を用いる → 『特別な手段を用いる必要はない』は誤り
海上衝突予防法第7条「その時の状況に適したすべての手段を用いなければならない」e-Gov原文
ひっかけ視界制限・対水速力ありの動力船は『2分を超えない間隔で長音1回』。衝突のおそれの判断には『すべての手段』を用いる(35条・7条)。
解説視界制限状態の水域等を航行中の動力船は、対水速力を有する場合は2分を超えない間隔で長音1回の汽笛信号を行い、対水速力を有しない場合は約2秒の間隔の長音2回を2分を超えない間隔で行う(35条)。また、衝突のおそれの判断にはその時の状況に適したすべての手段を用いる(7条1項)。視界制限状態の音響信号を押さえる。
補足視界制限状態の音響信号は、対水速力の有無で長音1回/長音2回と異なる。互いに視認できない状態で自船の存在・状態を音で知らせる重要な信号である。
問12第2節の航法規定の適用船舶
第2節の航法規定の適用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.海上衝突予防法第2章第2節の規定は、視界制限状態において互いに視認することができない船舶についても適用する。
- イ.海上衝突予防法第2章第2節の規定は、互いに他の船舶の視野の内にある船舶について適用する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 第2節は互いに視野の内にある船舶に適用 → 『視認できない船舶にも適用』は誤り
海上衝突予防法第11条「この節の規定は、互いに他の船舶の視野の内にある船舶について適用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 11条のとおり → 正しい
海上衝突予防法第11条「この節の規定は、互いに他の船舶の視野の内にある船舶について適用する」e-Gov原文
ひっかけ第2節(見合い関係の航法)は『互いに視野の内』にある船舶に適用(視認できない船舶には適用されない)(11条)。
解説第2章第2節(行会い船・横切り船・追越し船等の見合い関係の航法)の規定は、互いに他の船舶の視野の内にある船舶について適用される(11条)。互いに視認できない視界制限状態では、第2節ではなく第19条(視界制限状態の航法)が適用される。第2節の適用範囲を押さえる。
補足第1節(4条以下)はあらゆる視界、第2節(11条以下)は互いに視野の内、第3節(19条)は視界制限状態という適用区分を整理する。互いに視認できるかどうかで適用される航法が異なる。
問13注意喚起信号
注意喚起信号及び操船信号に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.船舶は、他の船舶の注意を喚起する必要があると認める場合であっても、この法律に規定する信号以外の信号を行うことはできない。
- イ.航行中の動力船は、互いに視野の内にある場合に針路を右に転じているときは、汽笛で短音を二回鳴らさなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 注意喚起のため誤認されない発光・音響信号を行える → 『法律の信号以外を行えない』は誤り
海上衝突予防法第36条「この法律に規定する信号と誤認されることのない発光信号又は音響による信号を行い」e-Gov原文
- イ.誤り
- 右転は短音1回 → 『短音2回』は誤り(2回は左転)
海上衝突予防法第34条「針路を右に転じている場合は、短音を一回鳴らすこと」e-Gov原文
ひっかけ注意喚起のため『誤認されない発光・音響信号』を行える。操船信号は右転=短音『1回』(2回ではない)(36条・34条)。
解説船舶は、他の船舶の注意を喚起する必要があると認める場合は、この法律に規定する信号と誤認されない発光信号又は音響信号を行うことができる(36条1項)。また、操船信号は針路を右に転じるとき短音1回、左に転じるとき短音2回、後進3回である(34条1項)。注意喚起信号と操船信号を押さえる。
補足注意喚起信号は法定信号と紛らわしくない信号で行う。操船信号の『右1・左2・後進3』は頻出で、右転と左転の回数を取り違えないこと。
問14遭難信号
遭難信号及び衝突を避けるための動作に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.船舶は、遭難して救助を求める場合であっても、信号を行ってはならない。
- イ.船舶は、他の船舶との衝突を避けるための動作をとる場合は、できる限り遅い時期に動作をとればよい。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 遭難救助を求める場合は所定の信号を行わなければならない → 『信号を行ってはならない』は誤り
海上衝突予防法第37条「船舶は、遭難して救助を求める場合は、国土交通省令で定める信号を行わなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 避航動作は十分に余裕のある時期にとる → 『できる限り遅い時期でよい』は誤り
海上衝突予防法第8条「十分に余裕のある時期に、船舶の運用上の適切な慣行に従つてためらわずにその動作をとらなければならない」e-Gov原文
ひっかけ遭難して救助を求める場合は『所定の信号を行わなければならない』。避航動作は『十分に余裕のある時期』にとる(37条・8条)。
解説船舶は、遭難して救助を求める場合は、国土交通省令で定める信号を行わなければならない(37条1項)。救助目的以外でこの信号やこれと紛らわしい信号を行ってはならない(同条2項)。また、衝突を避けるための動作は、できる限り十分に余裕のある時期にためらわずとらなければならない(8条1項)。遭難信号と避航動作を押さえる。
補足遭難信号は救助を求める意思を示す重要な信号で、目的外使用や紛らわしい信号は禁止される。避航動作は早期・大幅に行うのが原則で、ぎりぎりまで遅らせてはならない。
問15他の法令による航法等への適用
他の法令による航法等への適用及び見張りに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.海上衝突予防法の避航船・保持船等の規定は、他の法令において定められた航法、灯火若しくは形象物の表示又は信号その他運航に関する事項については、一切適用されない。
- イ.船舶は、見張りについては視覚による見張りを行えば足り、聴覚による見張りを行う必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 一部規定は他の法令の航法等にも適用がある → 『一切適用されない』は誤り
海上衝突予防法第40条「他の法令において定められた航法、灯火又は形象物の表示、信号その他運航に関する事項についても適用があるものとし」e-Gov原文
- イ.誤り
- 見張りは視覚・聴覚その他すべての手段で行う → 『聴覚は不要』は誤り
海上衝突予防法第5条「視覚、聴覚及びその時の状況に適した他のすべての手段により、常時適切な見張りをしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ一部の規定(避航・保持船等)は『他の法令の航法等にも適用』。見張りは視覚・聴覚『その他すべての手段』で行う(40条・5条)。
解説海上衝突予防法の一部の規定(16条避航船・17条保持船・36条注意喚起信号等)は、他の法令(港則法・海上交通安全法等)において定められた航法・灯火・信号その他運航に関する事項についても適用がある(40条)。また、見張りは視覚・聴覚その時の状況に適した他のすべての手段により行う(5条)。他法令への適用と見張りを押さえる。
補足港則法・海上交通安全法は海上衝突予防法の特別法だが、避航・保持船の関係や注意喚起信号等の一般原則は他法令の適用海域でも及ぶ(40条)。見張りは視覚だけでなく聴覚・レーダー等あらゆる手段で行う。