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海上交通安全法・第6

海上交通安全法の問題(15問)

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1海上交通安全法の目的

海上交通安全法の目的及び用語に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • この法律は、船舶交通がふくそうする海域における船舶交通について、特別の交通方法を定めるとともに、その危険を防止するための規制を行うことにより、船舶交通の安全を図ることを目的とする。
  • この法律において「航路」とは、別表に掲げる海域における船舶の通路として政令で定める海域をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
1条1項のとおり → 正しい

海上交通安全法第1条特別の交通方法を定めるとともに、その危険を防止するための規制を行なうことにより、船舶交通の安全を図ることを目的とするe-Gov原文

正しい
2条1項のとおり → 正しい

海上交通安全法第2条別表に掲げる海域における船舶の通路として政令で定める海域をいいe-Gov原文

ひっかけ海上交通安全法は『ふくそう海域に特別の交通方法を定める』法律。航路は政令で定める海域(1条・2条)。

解説海上交通安全法は、船舶交通がふくそうする海域(東京湾・伊勢湾・瀬戸内海)について、航路の航法その他の特別の交通方法を定め、危険防止の規制を行うことにより船舶交通の安全を図る法律である(1条1項)。航路は、別表に掲げる海域における船舶の通路として政令で定める海域である(2条1項)。一般海域の航法を定める海上衝突予防法、港内の航法を定める港則法と、適用される場所が分かれる。

補足海上衝突予防法(一般海域)・港則法(港内)・海上交通安全法(ふくそう海域)の三法が、それぞれの海域の航法を規律する。海域に応じて適用される法律が異なる点を押さえる。

2適用海域

海上交通安全法の適用海域及び巨大船の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • この法律は、東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海のうち一定の海域以外の海域に適用される。
  • 巨大船とは、長さ100メートル以上の船舶をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
1条2項のとおり → 正しい

海上交通安全法第1条この法律は、東京湾、伊勢湾e-Gov原文

誤り
巨大船は200メートル以上 → 100メートルは誤り

海上交通安全法第2条巨大船長さ二百メートル以上の船舶をいうe-Gov原文

ひっかけ適用海域は『東京湾・伊勢湾・瀬戸内海』。巨大船は『長さ200メートル以上』(1条・2条)。

解説海上交通安全法は、船舶交通がふくそうする東京湾・伊勢湾・瀬戸内海のうち一定の海域以外の海域に適用される(1条2項)。これらの海域に設けられた航路の航法等を規律する。巨大船は長さ200メートル以上の船舶をいい(2条2項2号)、他の船舶が巨大船の進路を避ける義務(3条2項)や航行通報(22条)など特別の規律の対象になる。適用海域と巨大船の数値を押さえる。

補足港則法に基づく港の区域や、漁港の区域等は、海上交通安全法の適用海域から除かれる(1条2項各号)。港内は港則法が、ふくそう海域のうち港以外は海上交通安全法が規律する。

3巨大船・航路の定義

海上交通安全法上の用語の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 巨大船とは、長さ200メートル以上の船舶をいう。
  • 航路とは、別表に掲げる海域における船舶の通路として政令で定める海域をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
2条2項2号のとおり → 正しい

海上交通安全法第2条巨大船長さ二百メートル以上の船舶をいうe-Gov原文

正しい
2条1項のとおり → 正しい

海上交通安全法第2条別表に掲げる海域における船舶の通路として政令で定める海域をいいe-Gov原文

ひっかけ巨大船は『長さ200メートル以上』、航路は『別表の海域の政令で定める通路』(2条)。

解説海上交通安全法は、巨大船を長さ200メートル以上の船舶(2条2項2号)、航路を別表に掲げる海域における船舶の通路として政令で定める海域(2条1項)と定める。航路には浦賀水道航路・中ノ瀬航路・伊良湖水道航路・明石海峡航路・備讃瀬戸航路など複数があり、それぞれに固有の航法が定められている。巨大船は、その大きさゆえに特別の避航・通報の対象になる。

補足「長さ」「漁ろうに従事している船舶」「汽笛」の意義は、海上衝突予防法の定義による(2条3項)。海上交通安全法は海上衝突予防法を基礎としつつ、ふくそう海域の特則を定める法律である。

4避航等

航路における避航に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 航路外から航路に入り、航路から航路外に出、若しくは航路を横断しようとし、又は航路をこれに沿わないで航行している船舶(漁ろう船等を除く)は、航路をこれに沿って航行している他の船舶と衝突するおそれがあるときは、当該他の船舶の進路を避けなければならない。
  • 航路をこれに沿って航行している船舶が、航路に入ろうとする船舶の進路を避けなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
3条1項のとおり → 正しい

海上交通安全法第3条航路をこれに沿つて航行している他の船舶と衝突するおそれがあるときは、当該他の船舶の進路を避けなければならないe-Gov原文

誤り
出入りする船舶が避ける → 『航路航行船が避ける』は誤り

海上交通安全法第3条当該他の船舶の進路を避けなければならないe-Gov原文

ひっかけ航路に出入り・横断する船が『航路航行船を避ける』。避ける側を取り違えない(3条)。

解説航路外から航路に入り、航路から出、横断しようとし、又は航路をこれに沿わないで航行している船舶(漁ろう船等を除く)は、航路をこれに沿って航行している他の船舶と衝突するおそれがあるときは、その進路を避けなければならない(3条1項)。航路を直進する船を優先し、出入り・横断する船が避けるのが原則である。港則法(13条1項)と同じ考え方で、航路航行船が優先される。

補足漁ろう船等や航路で停留している船舶は、航路をこれに沿って航行している巨大船と衝突するおそれがあるときは、当該巨大船の進路を避けなければならない(3条2項)。巨大船は特に優先される。

5航路航行義務と速力の制限

航路航行義務及び速力の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 長さが国土交通省令で定める長さ以上である船舶は、航路の附近にある二の地点の間を航行しようとするときは、当該航路又はその区間をこれに沿って航行しなければならない。
  • 国土交通省令で定める航路の区間においては、船舶は、当該航路を横断する場合を除き、国土交通省令で定める速力を超える速力で航行してはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
4条のとおり → 正しい

海上交通安全法第4条当該航路又はその区間をこれに沿つて航行しなければならないe-Gov原文

正しい
5条のとおり → 正しい

海上交通安全法第5条当該航路を横断する場合を除き、当該区間ごとに国土交通省令で定める速力(対水速力をいう。以下同じ。)を超える速力で航行してはならないe-Gov原文

ひっかけ大きい船は『航路をこれに沿って航行』する義務。一定の区間では『速力制限』もある(4条・5条)。

解説長さが国土交通省令で定める長さ以上の船舶は、航路の附近の二の地点の間を航行しようとするときは、当該航路又はその区間をこれに沿って航行しなければならない(4条、航路航行義務)。また、国土交通省令で定める航路の区間では、横断する場合を除き、制限速力を超える速力で航行してはならない(5条)。大きい船を航路に集約し、速力を抑えることで、ふくそう海域の安全を確保する。

補足航路航行義務・速力制限とも、海難を避けるため又は人命・他の船舶を救助するためやむを得ない事由があるときは、この限りでない(4条・5条のただし書)。緊急時の例外がある。

6追越しの禁止

航路における追越しの禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶は、すべての航路において、他の船舶を追い越してはならない。
  • 国土交通省令で定める航路の区間をこれに沿って航行している船舶は、当該区間をこれに沿って航行している他の船舶(一定のものを除く)を追い越してはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
禁止は一定の区間 → 『すべての航路』は誤り

海上交通安全法第6条の2国土交通省令で定める航路の区間をこれに沿つて航行している船舶は、当該区間をこれに沿つて航行している他の船舶e-Gov原文

正しい
6条の2のとおり → 正しい

海上交通安全法第6条の2当該区間をこれに沿つて航行している他の船舶e-Gov原文

ひっかけ追越し禁止は『省令で定める航路の区間』。すべての航路で一律禁止ではない(6条の2)。

解説国土交通省令で定める航路の区間をこれに沿って航行している船舶は、当該区間を航行している他の船舶(漁ろう船等その他著しく遅い速力で航行している船舶を除く)を追い越してはならない(6条の2)。追越しの危険が特に高い区間に限って禁止する規制である。なお、追越しが許される航路でも、追越し船は信号を行わなければならない(6条)。区間限定の追越し禁止と、追越し時の信号を区別する。

補足港則法では航路内の追越しが一律に禁止される(港則法13条4項)のに対し、海上交通安全法では省令で定める区間に限って禁止される。法律により規制の及ぶ範囲が異なる。

7航路の横断の方法

航路の横断の方法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 航路を横断する船舶は、当該航路に対しできる限り直角に近い角度で、すみやかに横断しなければならない。
  • 航路を横断する船舶は、当該航路に対しできる限り平行に近い角度で横断しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
8条1項のとおり → 正しい

海上交通安全法第8条当該航路に対しできる限り直角に近い角度で、すみやかに横断しなければならないe-Gov原文

誤り
直角に近い角度 → 『平行に近い角度』は誤り

海上交通安全法第8条当該航路に対しできる限り直角に近い角度で、すみやかに横断しなければならないe-Gov原文

ひっかけ航路の横断は『直角に近い角度で速やかに』。平行に近い角度ではない(8条)。

解説航路を横断する船舶は、当該航路に対しできる限り直角に近い角度で、すみやかに横断しなければならない(8条1項)。航路を斜めに長く横切ると、航路を直進する船との交差時間が長くなり危険であるため、できるだけ短時間で航路を横切るよう求めるものである。直角・速やかという横断の方法を押さえる。

補足航路をこれに沿って航行している船舶が、交差する別の航路を横断することとなる場合には、この直角横断の規定は適用されない(8条2項)。航路に沿った航行が優先される。

8びょう泊の禁止

航路におけるびょう泊の禁止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶は、航路においては、いかなる場合もびょう泊をしてはならない。
  • 船舶は、航路においては、原則としてびょう泊をしてはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
やむを得ない事由のときは可 → 『いかなる場合も禁止』は誤り

海上交通安全法第10条海難を避けるため又は人命若しくは他の船舶を救助するためやむを得ない事由があるときは、この限りでないe-Gov原文

正しい
10条のとおり → 正しい

海上交通安全法第10条船舶は、航路においては、びよう泊(びよう泊をしている船舶にする係留を含む。以下同じ。)をしてはならないe-Gov原文

ひっかけ航路は原則『びょう泊禁止』。ただし海難回避・救助等のやむを得ない事由は例外(10条)。

解説船舶は、航路においては、びょう泊(びょう泊をしている船舶への係留を含む)をしてはならない(10条)。航路上に停泊する船があると、航路を直進する船の妨げとなり危険であるためである。ただし、海難を避けるため又は人命・他の船舶を救助するためやむを得ない事由があるときは、この限りでない(ただし書)。原則の禁止と、緊急時の例外を区別する。

補足航路でやむを得ずびょう泊した場合等には、海上保安庁長官への通報等が求められることがある。緊急時の例外的なびょう泊にも、事後の手続が伴う場合がある。

9浦賀水道航路の航法

浦賀水道航路の航法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶は、浦賀水道航路をこれに沿って航行するときは、同航路の中央から左の部分を航行しなければならない。
  • 船舶は、浦賀水道航路をこれに沿って航行するときは、同航路の中央から右の部分を航行しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
中央から右の部分 → 左は誤り

海上交通安全法第11条浦賀水道航路をこれに沿つて航行するときは、同航路の中央から右の部分を航行しなければならないe-Gov原文

正しい
11条1項のとおり → 正しい

海上交通安全法第11条浦賀水道航路をこれに沿つて航行するときは、同航路の中央から右の部分を航行しなければならないe-Gov原文

ひっかけ浦賀水道航路は『中央から右の部分』を航行。左右を取り違える肢に注意(11条)。

解説船舶は、浦賀水道航路をこれに沿って航行するときは、同航路の中央から右の部分を航行しなければならない(11条1項)。東京湾の入口に位置する浦賀水道航路では、対面通航の安全のため右側通行が義務付けられている。航路ごとに固有の航法が定められており、浦賀水道航路は右側航行という基本ルールを押さえる。

補足浦賀水道航路に接続する中ノ瀬航路は北の方向にのみ航行する一方通行とされている(11条2項)。東京湾の航路は、浦賀水道航路(右側通行)と中ノ瀬航路(北航)が組み合わさって交通を整理している。

10中ノ瀬航路の航法

中ノ瀬航路の航法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶は、中ノ瀬航路をこれに沿って航行するときは、北の方向に航行しなければならない。
  • 船舶は、中ノ瀬航路をこれに沿って航行するときは、南の方向に航行しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
11条2項のとおり → 正しい

海上交通安全法第11条中ノ瀬航路をこれに沿つて航行するときは、北の方向に航行しなければならないe-Gov原文

誤り
北の方向 → 南は誤り

海上交通安全法第11条中ノ瀬航路をこれに沿つて航行するときは、北の方向に航行しなければならないe-Gov原文

ひっかけ中ノ瀬航路は『北の方向』のみの一方通行。南航は不可(11条)。

解説船舶は、中ノ瀬航路をこれに沿って航行するときは、北の方向に航行しなければならない(11条2項)。中ノ瀬航路は北行きの一方通行とされ、南下する船舶は浦賀水道航路を航行するなど、東京湾内の交通の流れが整理されている。浦賀水道航路(中央から右側通行)と中ノ瀬航路(北航のみ)の違いを押さえる。

補足伊良湖水道航路(伊勢湾)では、できる限り中央から右の部分を航行することとされる(13条)。航路ごとに、右側航行・一方通行などの航法が個別に定められている。

11巨大船等の航行に関する通報

巨大船等の航行に関する通報に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 巨大船等が航路を航行しようとするときは、船長は、あらかじめ、当該船舶の名称、総トン数及び長さ、当該航路の航行予定時刻等を海上保安庁長官に通報しなければならない。
  • 通報を要する船舶には、巨大船が含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
22条のとおり → 正しい

海上交通安全法第22条船長は、あらかじめ、当該船舶の名称、総トン数及び長さ、当該航路の航行予定時刻e-Gov原文

正しい
22条1号のとおり → 正しい

海上交通安全法第22条一巨大船e-Gov原文

ひっかけ巨大船等が航路を通るときは、船長が『あらかじめ海上保安庁長官に通報』(22条)。

解説巨大船、一定の長さ以上の船舶、危険物積載船、長大な引き船・押し船等が航路を航行しようとするときは、船長は、あらかじめ、船舶の名称・総トン数及び長さ・航行予定時刻・連絡手段等を海上保安庁長官に通報しなければならない(22条)。海上保安庁が大型船等の動静を事前に把握し、航路の安全管理(航行管制等)を行うための通報制度である。通報を要する船舶の種類を押さえる。

補足海上保安庁長官は、通報を受けた巨大船等に対し、航行予定時刻の変更や進路を警戒する船舶の配備等を指示することができる場合がある(18条等)。通報は事前の安全管理の前提になる。

12進路を知らせるための措置

航路への出入り等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 船舶(一定のものを除く)は、航路外から航路に入り、航路から航路外に出、又は航路を横断しようとするときであっても、進路を他の船舶に知らせる措置を講ずる必要はない。
  • 長さが国土交通省令で定める長さ以上の船舶であっても、航路の附近の二の地点の間を航行するときに、当該航路を航行する義務はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
進路を知らせる措置が必要 → 『必要はない』は誤り

海上交通安全法第7条進路を他の船舶に知らせるため、国土交通省令で定めるところにより、信号による表示その他国土交通省令で定める措置を講じなければならないe-Gov原文

誤り
航路航行義務がある → 『義務はない』は誤り

海上交通安全法第4条当該航路又はその区間をこれに沿つて航行しなければならないe-Gov原文

ひっかけ航路に出入り・横断する船は『進路を知らせる措置』が必要。大きい船は『航路航行義務』もある(4条・7条)。

解説船舶(汽笛を備えていない船舶等を除く)は、航路に出入り・横断しようとするときは、進路を他の船舶に知らせるため、信号による表示その他の措置を講じなければならない(7条)。これは、自船がこれから航路に出入り・横断することを周囲に予告し、衝突を防ぐためである。また、一定の長さ以上の船舶には航路航行義務がある(4条)。ふくそう海域では、自船の動きを周囲に知らせ、定められた航路を通ることが求められる。

補足進路を知らせる信号は、どの方向へ進むか(航路に入る・出る・横断する等)を周囲に示すもので、ふくそう海域での予測可能な航行に資する。海上衝突予防法の操船信号とあわせて運用される。

13速力の制限の例外

航路の速力の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 速力の制限がある航路の区間では、海難を避けるためやむを得ない事由があるときであっても、制限速力を超えて航行してはならない。
  • 国土交通省令で定める航路の区間では、船舶は、航路を横断する場合を除き、国土交通省令で定める速力を超える速力で航行してはならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
やむを得ない事由のときは制限の例外 → 『超えてはならない』は誤り

海上交通安全法第5条海難を避けるため又は人命若しくは他の船舶を救助するためやむを得ない事由があるときは、この限りでないe-Gov原文

正しい
5条のとおり → 正しい

海上交通安全法第5条当該航路を横断する場合を除き、当該区間ごとに国土交通省令で定める速力(対水速力をいう。以下同じ。)を超える速力で航行してはならないe-Gov原文

ひっかけ航路の速力制限にも『海難回避・救助のやむを得ない事由』という例外がある(5条)。

解説国土交通省令で定める航路の区間では、船舶は、横断する場合を除き、制限速力を超える速力で航行してはならない(5条本文)。ただし、海難を避けるため又は人命・他の船舶を救助するためやむを得ない事由があるときは、この限りでない(ただし書)。航路航行義務(4条)・追越し禁止(6条の2)・びょう泊禁止(10条)などと同じく、緊急時のやむを得ない事由が例外として共通して置かれている。

補足海上交通安全法の多くの規制には「海難を避けるため又は人命若しくは他の船舶を救助するためやむを得ない事由があるとき」という共通の例外がある。安全のための規制が、より大きな危険の回避を妨げないよう配慮されている。

14巨大船に対する避航

巨大船に対する避航に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 航路で停留している船舶は、航路をこれに沿って航行している巨大船と衝突するおそれがあるときであっても、当該巨大船の進路を避ける必要はない。
  • 航路をこれに沿わないで航行している漁ろう船等は、航路をこれに沿って航行している巨大船と衝突するおそれがあるときであっても、当該巨大船の進路を避ける必要はない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
巨大船の進路を避けなければならない → 『必要はない』は誤り

海上交通安全法第3条航路をこれに沿つて航行している巨大船と衝突するおそれがあるときは、当該巨大船の進路を避けなければならないe-Gov原文

誤り
巨大船の進路を避けなければならない → 『必要はない』は誤り

海上交通安全法第3条航路をこれに沿つて航行している巨大船と衝突するおそれがあるときは、当該巨大船の進路を避けなければならないe-Gov原文

ひっかけ停留船も漁ろう船等も、航路を航行する『巨大船』の進路は避けなければならない(3条2項)。

解説通常は航路航行船が優先され漁ろう船等は避航義務を免れることがあるが、海上交通安全法では、航路で停留している船舶や航路をこれに沿わないで航行している漁ろう船等であっても、航路をこれに沿って航行している巨大船と衝突するおそれがあるときは、当該巨大船の進路を避けなければならない(3条2項)。巨大船は操縦性能が低く避航が困難なため、特に優先される。漁ろう船等であっても巨大船は避ける点を押さえる。

補足通常の航法(海上衝突予防法)では漁ろう中の船舶が優先されることが多いが、ふくそう海域の航路を航行する巨大船との関係では、安全のため巨大船が優先される特則が置かれている。

15適用海域と適用除外

海上交通安全法の適用海域に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • この法律は、日本のすべての沿岸海域に適用される。
  • 港則法に基づく港の区域にも、この法律が適用される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
適用海域は限定 → 『すべての沿岸海域』は誤り

海上交通安全法第1条この法律は、東京湾、伊勢湾e-Gov原文

誤り
港の区域は適用海域から除かれる → 『適用される』は誤り

海上交通安全法第1条港則法(昭和二十三年法律第百七十四号)に基づく港の区域e-Gov原文

ひっかけ適用は『東京湾・伊勢湾・瀬戸内海の一定海域』のみ。港の区域は適用除外(港則法が規律)(1条)。

解説海上交通安全法は、東京湾・伊勢湾・瀬戸内海のうち一定の海域以外の海域に適用される(1条2項)。日本のすべての沿岸海域に適用されるわけではない。また、港則法に基づく港の区域、港湾区域、漁港の区域等は適用海域から除かれる(1条2項各号)。港内は港則法が、ふくそう海域のうち港以外は海上交通安全法が、その他の一般海域は海上衝突予防法が規律する、という役割分担を押さえる。

補足三法(海上衝突予防法・港則法・海上交通安全法)の適用関係は海事法令の基本である。どの海域にどの法律が適用されるかを取り違えると、適用される航法を誤ることになる。

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