問1内航海運業法の目的
内航海運業法の目的及び用語に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航海運業法は、内航運送の円滑かつ適確な運営を確保することにより、輸送の安全を確保するとともに、内航海運業の健全な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを目的とする。
- イ.内航運送とは、一定の船舶による海上における物品の運送であって、船積港及び陸揚港のいずれもが本邦内にあるものをいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 1条のとおり → 正しい
内航海運業法第1条「内航運送の円滑かつ適確な運営を確保することにより、輸送の安全を確保するとともに、内航海運業の健全な発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする」e-Gov原文
- イ.正しい
- 2条1項のとおり → 正しい
内航海運業法第2条「海上における物品の運送であつて、船積港及び陸揚港のいずれもが本邦内にあるものをいう」e-Gov原文
ひっかけ内航海運業法は『国内海上輸送(内航)』の事業法。内航運送は船積港・陸揚港とも本邦内(1条・2条)。
解説内航海運業法は、内航運送の円滑かつ適確な運営を確保することにより、輸送の安全を確保し、内航海運業の健全な発達を図り、公共の福祉を増進することを目的とする(1条)。内航運送とは、一定の船舶による海上における物品の運送で、船積港・陸揚港のいずれもが本邦内にあるものをいう(2条1項)。国際海上輸送ではなく、国内の港と港の間の物品輸送を対象とする点が要点である。
補足海上運送法が旅客運送を含む海上運送事業一般を規律するのに対し、内航海運業法は国内(内航)の物品運送を中心に規律する。両法は対象とする運送の範囲が異なる。
問2内航運送の定義
内航運送の定義及び参入規制に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航運送とは、一定の船舶による海上における物品の運送であって、船積港及び陸揚港のいずれもが本邦内にあるものをいう。
- イ.総トン数100トン未満であって長さ30メートル未満の船舶による内航海運業を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 2条1項のとおり → 正しい
内航海運業法第2条「海上における物品の運送であつて、船積港及び陸揚港のいずれもが本邦内にあるものをいう」e-Gov原文
- イ.誤り
- 小型船の内航海運業は届出 → 『登録』は誤り
内航海運業法第3条「総トン数百トン未満の船舶であつて長さ三十メートル未満のものによる内航海運業を営む者は、事業開始の日から三十日以内に、国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ内航海運業の規制は船の大きさで分かれる。100トン以上又は30m以上は登録、それ未満は届出(2条・3条)。
解説内航運送は、一定の船舶による海上の物品運送で船積港・陸揚港のいずれも本邦内にあるものをいう(2条1項)。これを営む内航海運業の参入規制は、船舶の大きさで分かれる。総トン数100トン以上又は長さ30メートル以上の船舶によるものは登録(3条1項)、総トン数100トン未満かつ長さ30メートル未満の船舶によるものは届出(3条2項)である。登録と届出の境界となる船舶の大きさを押さえる。
補足登録は事前に行政の審査を受ける重い規制、届出は事業開始後30日以内の事後的な手続である。一定規模以上の事業者により重い規制を課す仕組みである。
問3内航海運業の定義
内航海運業の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航海運業には、内航運送をする事業が含まれる。
- イ.内航海運業には、内航運送の用に供される船舶の貸渡しをする事業が含まれる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- イ.正しい
- 2条2項2号のとおり → 正しい
内航海運業法第2条「内航運送の用に供される船舶の貸渡し」e-Gov原文
ひっかけ内航海運業は『自ら運送する事業』だけでなく『運送用の船舶を貸す事業』も含む(2条)。
解説内航海運業には、内航運送をする事業(2条2項1号。ただし海上運送法の旅客定期航路事業・旅客不定期航路事業や港湾運送事業を除く)のほか、内航運送の用に供される船舶の貸渡しをする事業(2号、いわゆるオーナー業)等が含まれる。自ら荷物を運ぶ事業者だけでなく、運送に使う船舶を貸す事業者も内航海運業として規律の対象になる。事業の範囲を押さえる。
補足内航海運では、船舶を所有して貸し渡すオーナーと、船舶を借りて運送を行うオペレーターとに分かれることが多い。内航海運業法は、その両方を内航海運業として規律する。
問4内航海運業の登録
内航海運業の登録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.総トン数100トン以上又は長さ30メートル以上の船舶による内航海運業を営もうとする者は、国土交通大臣に届け出れば足りる。
- イ.総トン数100トン以上又は長さ30メートル以上の船舶による内航海運業を営もうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 登録が必要 → 『届出で足りる』は誤り
内航海運業法第3条「総トン数百トン以上又は長さ三十メートル以上の船舶による内航海運業を営もうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 3条1項のとおり → 正しい
内航海運業法第3条「総トン数百トン以上又は長さ三十メートル以上の船舶による内航海運業を営もうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならない」e-Gov原文
ひっかけ100トン以上『又は』30m以上なら登録。いずれか一方を満たせば登録対象(3条)。
解説総トン数100トン以上又は長さ30メートル以上の船舶による内航海運業を営もうとする者は、国土交通大臣の行う登録を受けなければならない(3条1項)。「100トン以上又は30メートル以上」であり、いずれか一方を満たせば登録の対象になる。逆に届出で足りるのは、総トン数100トン未満かつ長さ30メートル未満という、両方の要件を満たす小型船による場合だけである。『又は』『かつ』の関係を正確に押さえる。
補足登録制と届出制の境界は、トン数と長さの組合せで決まる。100トン以上又は30メートル以上の船を1隻でも使えば登録が必要になるため、事業の規模に応じた規制となっている。
問5内航海運業の届出
内航海運業の届出及び内航運送約款に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.総トン数100トン未満であって長さ30メートル未満の船舶による内航海運業を営む者は、事業開始の日から30日以内に、国土交通大臣に届け出なければならない。
- イ.内航運送をする内航海運業者は、内航運送約款を定めたときは、その実施後に国土交通大臣に届け出れば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 3条2項のとおり → 正しい
内航海運業法第3条「事業開始の日から三十日以内に、国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 実施前に届出 → 『実施後で足りる』は誤り
内航海運業法第8条「内航運送約款を定め、その実施前に、国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ小型船の内航海運業は『事業開始から30日以内に届出』。内航運送約款は『実施前に届出』(3条・8条)。
解説総トン数100トン未満かつ長さ30メートル未満の船舶による内航海運業を営む者は、事業開始の日から30日以内に国土交通大臣に届け出なければならない(3条2項。事後の届出)。一方、内航運送をする内航海運業者が内航運送約款を定めるときは、その実施前に国土交通大臣に届け出なければならない(8条1項。事前の届出)。届出の時期(事業開始後30日以内か、実施前か)を区別する。
補足届出には事前・事後の別がある。事業の参入(小型船)は事業開始後の届出で足りるが、運送約款は利用者に直接関わるため実施前の届出が求められる。
問6登録の申請と登録簿の縦覧
内航海運業の登録の申請及び登録簿に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航海運業の登録を受けようとする者は、所定の事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
- イ.国土交通大臣は、内航海運業者の登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 4条1項のとおり → 正しい
内航海運業法第4条「次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 5条3項のとおり → 正しい
内航海運業法第5条「国土交通大臣は、登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ登録は『申請書の提出』を経て登録簿に登録され、登録簿は『公衆の縦覧』に供される(4条・5条)。
解説内航海運業の登録を受けようとする者は、氏名・住所、営業所、使用船舶等の所定事項を記載した申請書(資金計画・船員配乗計画等を含む事業計画を添付)を国土交通大臣に提出する(4条)。国土交通大臣は、登録を拒否する場合を除き、申請事項を内航海運業者登録簿に登録し(5条1項)、その登録簿を公衆の縦覧に供しなければならない(5条3項)。誰がどのような内航海運業を営んでいるかを公示する仕組みである。
補足登録簿の公衆縦覧は、取引の相手方や利用者が事業者の登録状況を確認できるようにするためのものである。登録制は、参入規制であると同時に情報公開の機能も持つ。
問7登録の拒否
内航海運業の登録の拒否及び変更登録に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国土交通大臣は、申請者がこの法律の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり等した日から1年を経過しない者であるときは、登録を拒否しなければならない。
- イ.内航海運業者は、登録を受けた事項を変更しようとするときは、事後に国土交通大臣に届け出れば足りる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 6条1項1号のとおり → 正しい
内航海運業法第6条「この法律の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から一年を経過しない者であるとき」e-Gov原文
- イ.誤り
- 原則として変更登録が必要 → 『事後の届出で足りる』は誤り
内航海運業法第7条「第四条第一項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、国土交通大臣の行う変更登録を受けなければならない」e-Gov原文
ひっかけ登録拒否の期間は『1年』。登録事項の変更は原則『変更登録』(6条・7条)。
解説国土交通大臣は、申請者がこの法律違反で刑に処せられ執行終了等から1年を経過しない者(6条1項1号)や、登録を取り消され取消しの日から1年を経過しない者(2号)等であるときは、登録を拒否しなければならない。また、内航海運業者が登録事項を変更しようとするときは、原則として変更登録を受けなければならない(7条1項。軽微な変更は届出)。欠格の期間(1年)と変更時の手続(変更登録)を押さえる。
補足海上運送法の許可の欠格事由が『5年』であるのに対し、内航海運業法の登録拒否事由は『1年』と短い。登録制(基準を満たせば原則登録)と許可制(裁量的判断)の違いが、欠格期間にも表れている。
問8変更登録
内航海運業者の変更登録等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航海運業者は、登録を受けた事項を変更しようとするときは、原則として、国土交通大臣の行う変更登録を受けなければならない。
- イ.内航海運業者は、登録事項のうち軽微な変更をしたときは、その日から30日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 7条1項のとおり → 正しい
内航海運業法第7条「第四条第一項各号に掲げる事項を変更しようとするときは、国土交通大臣の行う変更登録を受けなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 7条3項のとおり → 正しい
内航海運業法第7条「内航海運業者は、第一項ただし書の軽微な変更をしたときは、その日から三十日以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ登録事項の変更は原則『変更登録』。ただし軽微な変更は『30日以内の届出』で足りる(7条)。
解説内航海運業者は、登録を受けた事項を変更しようとするときは、原則として国土交通大臣の行う変更登録を受けなければならない(7条1項)。ただし、営業所の名称の変更その他の軽微な変更については変更登録は不要で、変更をした日から30日以内にその旨を届け出れば足りる(7条3項)。重要な事項は事前の変更登録、軽微な事項は事後の届出という使い分けを押さえる。
補足事業開始後に届出をした小規模事業者も、その届出事項を変更したときは30日以内に届け出なければならない(7条5項)。登録事業者・届出事業者のいずれも、変更時の手続が課されている。
問9内航運送約款
内航運送約款に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航運送をする内航海運業者は、一定の場合に内航運送約款を定めたときは、その実施後に国土交通大臣に届け出れば足りる。
- イ.内航運送をする内航海運業者は、一定の場合に内航運送約款を定め、その実施前に、国土交通大臣に届け出なければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 実施前に届出 → 『実施後で足りる』は誤り
内航海運業法第8条「内航運送約款を定め、その実施前に、国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 8条1項のとおり → 正しい
内航海運業法第8条「内航運送約款を定め、その実施前に、国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ内航運送約款は『実施前に届出』。事後ではない(8条)。
解説内航運送をする内航海運業者は、不特定多数の荷主に係る物品の運送に従事する一定の船舶により内航運送をする事業を行おうとするときは、内航運送約款を定め、その実施前に国土交通大臣に届け出なければならない(8条1項。変更も同様)。荷主が運送の条件を事前に確認できるようにする趣旨である。国土交通大臣が定めた標準内航運送約款と同一の約款を定めたときは、届出をしたものとみなされる(8条3項)。
補足国土交通大臣は、内航運送約款が荷主の正当な利益を害するおそれがあると認めるときは、期限を定めて約款を変更すべきことを命ずることができる(8条2項)。約款を通じた荷主保護の仕組みである。
問10安全管理規程
内航海運業者の安全管理規程及び輸送の安全に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航運送をする内航海運業者は、安全管理規程を定め、国土交通大臣に届け出なければならない。
- イ.内航運送をする内航海運業者は、輸送の安全の確保よりも輸送の効率を優先しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 11条1項のとおり → 正しい
内航海運業法第11条「内航運送をする内航海運業者は、安全管理規程を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 輸送の安全の確保が最も重要 → 『効率を優先』は誤り
内航海運業法第10条「輸送の安全の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない」e-Gov原文
ひっかけ内航運送をする内航海運業者は『安全管理規程を届出』。輸送の安全の確保が最も重要(10条・11条)。
解説内航運送をする内航海運業者は、輸送の安全の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない(10条)。その具体策として、安全管理規程(輸送の安全を確保するための運営方針・体制・方法、安全統括管理者・運航管理者の選任等を定めたもの)を定め、国土交通大臣に届け出なければならない(11条1項)。安全を最優先する基本理念と、それを担保する安全管理規程を押さえる。
補足安全管理規程では、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある安全統括管理者や、船舶の運航管理を行う運航管理者の選任を定める(11条2項)。組織として安全を確保する体制が求められる。
問11船員の過労の防止
船員の過労の防止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航運送をする内航海運業者は、船員の労働時間を考慮する必要はなく、運航計画を作成すれば足りる。
- イ.内航運送をする内航海運業者は、船員の過労を防止するために必要な措置を講じなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 労働時間を考慮した運航計画が必要 → 『考慮する必要はない』は誤り
内航海運業法第12条「船員の労働時間を考慮した適切な運航計画」e-Gov原文
- イ.正しい
- 12条1項のとおり → 正しい
内航海運業法第12条「船員の過労を防止するために必要な措置を講じなければならない」e-Gov原文
ひっかけ内航運送をする内航海運業者は『船員の労働時間を考慮』し『過労防止の措置』を講じる(12条)。
解説内航運送をする内航海運業者は、船員の労働時間を考慮した適切な運航計画の作成その他の船員の過労を防止するために必要な措置を講じなければならない(12条1項)。船員の過労は海難につながるため、輸送の安全確保の一環として過労防止が義務付けられている。措置を講ずるに当たっては、船員法に基づく船舶所有者の意見を尊重しなければならない(12条2項)。
補足船員の過労防止は、船員法の労働時間規制と連携する。内航海運業法は事業者に対し、運航計画の面から船員の過重労働を防ぐことを求めている。
問12登録の拒否事由
内航海運業の登録の拒否事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国土交通大臣は、申請者がこの法律の規定に違反して刑に処せられその執行を終わった者であっても、執行を終わった日から6月を経過すれば、登録を拒否することはできない。
- イ.国土交通大臣は、申請者が内航海運業の登録を取り消され、その取消しの日から1年を経過しない者であるときは、登録を拒否しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 1年を経過しない者は拒否 → 『6月の経過で拒否できない』は誤り
内航海運業法第6条「この法律の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から一年を経過しない者であるとき」e-Gov原文
- イ.正しい
- 6条1項2号のとおり → 正しい
内航海運業法第6条「その取消しの日から一年を経過しない者」e-Gov原文
ひっかけ登録拒否の基準期間は『1年』。法違反の刑も登録取消も、執行終了・取消しから1年未経過なら拒否(6条)。
解説国土交通大臣は、申請者がこの法律違反で刑に処せられ執行終了等から1年を経過しない者(6条1項1号)、内航海運業の登録を取り消され取消しの日から1年を経過しない者(2号)、申請前1年以内に内航海運業に関し不正な行為をした者(3号)等であるときは、登録を拒否しなければならない。これらの欠格事由の基準期間は、いずれも1年である。
補足法人の場合、登録取消しに係る聴聞の通知前60日以内に役員であった者で、取消しの日から1年を経過しないものも欠格となる(6条1項2号)。名義変更による潜脱を防ぐ趣旨である。
問13報告及び立入検査
内航海運業法に基づく報告及び立入検査に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航海運業法に基づく立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解される。
- イ.内航海運業法に基づく立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 犯罪捜査のためと解してはならない → 『解される』は誤り
内航海運業法第25条「犯罪捜査のために認められたものと解してはならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 身分証明書を携帯・提示しなければならない → 『携帯する必要はない』は誤り
内航海運業法第25条「立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人にこれを提示しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ立入検査は『犯罪捜査のためではない』。職員は『身分証明書を携帯・提示』する(25条)。
解説国土交通大臣は、この法律の施行に必要な限度において、内航海運業者等に報告をさせ、又は職員に営業所・船舶等に立ち入り帳簿書類等を検査させることができる(25条1項)。立入検査をする職員は身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならず(2項)、この立入検査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならない(3項)。行政上の検査と犯罪捜査の区別、職員の身分証明という基本を押さえる。
補足立入検査の権限を犯罪捜査に用いてはならないのは、行政調査を口実とした令状なしの捜査を防ぐためである。多くの行政法規に共通して置かれる規定である。
問14輸送の安全の確保に関する命令
輸送の安全の確保に関する命令等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国土交通大臣は、内航海運業者がその事業について輸送の安全を阻害している事実があると認めても、必要な措置を命ずることはできない。
- イ.内航運送をする内航海運業者は、安全管理規程を定めても、これを国土交通大臣に届け出る必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 必要な措置を命ずることができる → 『命ずることはできない』は誤り
内航海運業法第20条「輸送の安全を確保するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 安全管理規程を届け出なければならない → 『届け出る必要はない』は誤り
内航海運業法第11条「内航運送をする内航海運業者は、安全管理規程を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に届け出なければならない」e-Gov原文
ひっかけ輸送の安全を阻害する事実があれば『改善命令』。安全管理規程は『届出』が必要(20条・11条)。
解説国土交通大臣は、内航海運業者等が安全管理規程等を遵守していないこと等により輸送の安全を阻害している事実があると認めるときは、運航計画の改善・輸送施設の改善・安全管理規程の遵守その他の輸送の安全を確保するため必要な措置をとるべきことを命ずることができる(20条1項)。安全管理規程の届出(11条)等の事前規制と、改善命令(20条)等の事後監督が組み合わさって、輸送の安全が確保される。
補足国土交通大臣は、内航海運業の健全な発達のため必要があるときは、業務運営の改善・船質の改善等につき勧告することもできる(20条2項)。安全確保のための命令と、事業の合理化のための勧告がある。
問15書面の交付
内航海運業者の書面の交付及び内航運送の意義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.内航海運業者は、内航海運業に係る業務に関し契約を締結しても、契約の相手方に対して書面を交付する必要はない。
- イ.内航運送には、船積港が本邦内にあれば、陸揚港が本邦外にあるものも含まれる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 書面を交付しなければならない → 『交付する必要はない』は誤り
内航海運業法第9条「当該契約の相手方に対し、提供する役務の対価その他の国土交通省令で定める事項を記載した書面を交付しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- いずれも本邦内 → 『陸揚港が本邦外を含む』は誤り
内航海運業法第2条「海上における物品の運送であつて、船積港及び陸揚港のいずれもが本邦内にあるものをいう」e-Gov原文
ひっかけ契約時は相手方に『書面を交付』。内航運送は船積港・陸揚港とも本邦内(9条・2条)。
解説内航海運業者は、内航海運業に係る業務に関し契約を締結したときは、一定の場合を除き、遅滞なく契約の相手方に対し、提供する役務の対価その他の所定事項を記載した書面を交付しなければならない(9条1項。相手方の承諾を得て電磁的方法によることも可)。また、内航運送は、船積港・陸揚港のいずれもが本邦内にある物品の海上運送をいい(2条1項)、一方が本邦外にあるもの(国際海上運送)は含まれない。書面交付義務と内航運送の範囲を押さえる。
補足書面交付義務は、運送・貸渡し等の契約条件を明確にし、取引の相手方を保護するためのものである。内航海運の取引の透明性を高める規定といえる。