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民法・第13

民法(時効:時効総則・取得時効・完成猶予・更新⑨)の問題(15問)

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この章で確認する論点

13章では、民法上の時効の効力・民法上の時効の援用・民法上の時効の利益の放棄・民法上の仮差押え等による時効の完成猶予・民法上の時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年7月時点の法令に準拠
1民法上の時効の効力

時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 時効の効力は、その起算日にさかのぼる。
  • 時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
144条のとおり → 正しい

民法第144条時効の効力は、その起算日にさかのぼるe-Gov原文

正しい
146条のとおり → 正しい

民法第146条時効の利益は、あらかじめ放棄することができないe-Gov原文

ひっかけ時効の効力は『起算日にさかのぼる』(遡及効)。時効の利益は『あらかじめ放棄できない』(債権者による強要防止)(144条・146条)。

解説時効の効力は、その起算日にさかのぼる(144条)。民法上の時効の効力を押さえる。

補足時効の遡及効により、取得時効では起算日から権利を有し、消滅時効では起算日に権利が消滅していたことになる。時効利益の事前放棄は債権者の強要を防ぐため禁止される。

2民法上の時効の援用

時効の援用及び時効の利益の放棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者も援用することができる。
  • 時効の利益は、時効完成前にあらかじめ放棄することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
145条のとおり → 正しい

民法第145条援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができないe-Gov原文

誤り
あらかじめ放棄できない → 『あらかじめ放棄できる』は誤り

民法第146条時効の利益は、あらかじめ放棄することができないe-Gov原文

ひっかけ時効は『援用』しなければ裁判所は裁判できない(保証人・物上保証人等も援用可)。時効の利益は『あらかじめ放棄できない』(145条・146条)。

解説時効は、当事者(消滅時効にあっては、保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む)が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない(145条)。民法上の時効の援用を押さえる。

補足時効の効果は援用によって確定する。貸金債権では保証人・物上保証人等も消滅時効を援用できる。時効完成後の放棄は可能だが、事前放棄は禁止される。

3民法上の時効の利益の放棄

時効の利益の放棄及び時効の援用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。
  • 時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
146条のとおり → 正しい

民法第146条時効の利益は、あらかじめ放棄することができないe-Gov原文

正しい
145条のとおり → 正しい

民法第145条援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができないe-Gov原文

ひっかけ時効の利益は『あらかじめ放棄できない』(完成後は放棄可)。時効は『援用』が必要(146条・145条)。

解説時効の利益は、あらかじめ放棄することができない(146条)。民法上の時効の利益の放棄を押さえる。

補足時効利益の事前放棄を認めると債権者が契約時に放棄を強要するおそれがあるため禁止される。時効完成後の放棄は自由である。時効の効果には援用が必要である。

4民法上の仮差押え等による時効の完成猶予

仮差押え等による時効の完成猶予及び時効の援用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮差押え又は仮処分がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
  • 時効は、当事者が援用しなくても、裁判所が職権でこれによって裁判をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
149条のとおり → 正しい

民法第149条その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しないe-Gov原文

誤り
援用しなければ裁判所は裁判できない → 『職権で裁判できる』は誤り

民法第145条援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができないe-Gov原文

ひっかけ仮差押え・仮処分は事由終了時から『6箇月』完成猶予(更新でなく猶予)。時効は『援用』がなければ裁判所は裁判できない(149条・145条)。

解説仮差押え又は仮処分がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(149条、完成猶予)。仮差押え等による時効の完成猶予を押さえる。

補足仮差押え・仮処分は時効の完成猶予事由であり(更新ではない)、事由終了時から6箇月の猶予にとどまる。時効の効果には援用が必要である。

5民法上の時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲

時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲及び時効の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 裁判上の請求等又は強制執行等の規定による時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。
  • 時効の効力は、その起算日にさかのぼる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
153条1項のとおり → 正しい

民法第153条完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有するe-Gov原文

正しい
144条のとおり → 正しい

民法第144条時効の効力は、その起算日にさかのぼるe-Gov原文

ひっかけ裁判上の請求等・強制執行等による完成猶予更新は『当事者及び承継人の間のみ』効力(相対効)。時効の効力は『起算日にさかのぼる』(153条・144条)。

解説裁判上の請求等(147条)又は強制執行等(148条)による時効の完成猶予又は更新は、完成猶予又は更新の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する(153条1項)。時効の完成猶予又は更新の効力が及ぶ者の範囲を押さえる。

補足完成猶予・更新の効力は原則として事由が生じた当事者間の相対効である。主債務者に対する時効の完成猶予・更新が保証人に及ぶか等が問題となる。

6民法上の時効の完成猶予又は更新の手続に係る通知

時効の完成猶予又は更新の手続に係る通知及び時効の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 強制執行等又は仮差押え等に係る手続は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、時効の完成猶予又は更新の効力を生じない。
  • 時効の効力は、時効が完成した時から将来に向かって生じ、その起算日にさかのぼることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
154条のとおり → 正しい

民法第154条時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければe-Gov原文

誤り
起算日にさかのぼる → 『将来に向かって生じさかのぼらない』は誤り

民法第144条時効の効力は、その起算日にさかのぼるe-Gov原文

ひっかけ強制執行等を時効の利益を受ける者『以外』にするときは、その者への『通知』後でなければ完成猶予更新の効力を生じない。時効の効力は『起算日にさかのぼる』(154条・144条)。

解説強制執行等(148条1項各号)又は仮差押え等(149条各号)に掲げる事由に係る手続は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、時効の完成猶予又は更新の効力を生じない(154条)。時効の完成猶予又は更新の手続に係る通知を押さえる。

補足物上保証人の財産への強制執行等が主債務者の時効に影響する場合、主債務者への通知が完成猶予・更新の効力発生の要件となる。時効の効力は起算日に遡及する。

7民法上の未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予

未成年者等と時効の完成猶予及び時効の利益の放棄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 時効の利益は、時効完成前にあらかじめ放棄することができる。
  • 時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その者が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
あらかじめ放棄できない → 『あらかじめ放棄できる』は誤り

民法第146条時効の利益は、あらかじめ放棄することができないe-Gov原文

正しい
158条1項のとおり → 正しい

民法第158条時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときはe-Gov原文

ひっかけ時効の利益は『あらかじめ放棄できない』。満了前6箇月以内に未成年者等に法定代理人がないときは能力者となった時等から『6箇月』完成猶予(146条・158条)。

解説時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(158条1項)。未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予を押さえる。

補足制限行為能力者が時効の完成間際に法定代理人を欠く場合、権利行使ができないため時効の完成が猶予される。制限行為能力者の保護を図る規定である。

8民法上の夫婦間の権利の時効の完成猶予

夫婦間の権利の時効の完成猶予及び相続財産に関する時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間であっても、時効の完成は猶予されない。
  • 夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
相続人確定時等から6箇月は完成しない → 『完成は猶予されない』は誤り

民法第160条相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しないe-Gov原文

正しい
159条のとおり → 正しい

民法第159条婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しないe-Gov原文

ひっかけ夫婦間の権利は『婚姻解消時から6箇月』完成猶予。相続財産は『相続人確定時等から6箇月』完成猶予(159条・160条)。

解説夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(159条)。夫婦間の権利の時効の完成猶予を押さえる。

補足夫婦間や相続財産をめぐる権利は、婚姻中や相続人未確定の間は権利行使が困難なため、婚姻解消時・相続人確定時等から6箇月の完成猶予が認められる。

9民法上の相続財産に関する時効の完成猶予

相続財産に関する時効の完成猶予及び天災等による時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため所定の手続を行うことができないときであっても、時効の完成は猶予されない。
  • 相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
障害消滅時から3箇月は完成しない → 『完成は猶予されない』は誤り

民法第161条その障害が消滅した時から三箇月を経過するまでの間はe-Gov原文

正しい
160条のとおり → 正しい

民法第160条相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しないe-Gov原文

ひっかけ天災等で手続を行えないときは『障害消滅時から3箇月』完成猶予。相続財産は『相続人確定時等から6箇月』完成猶予(161条・160条)。

解説相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(160条)。相続財産に関する時効の完成猶予を押さえる。

補足相続人が未確定の間は権利行使が困難なため完成猶予が認められる。天災等による完成猶予は障害消滅時から3箇月と、他の完成猶予(6箇月)より短い点に注意する。

10民法上の天災等による時効の完成猶予

天災等による時効の完成猶予及び仮差押え等による完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため所定の手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から三箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
  • 仮差押え又は仮処分がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
161条のとおり → 正しい

民法第161条その障害が消滅した時から三箇月を経過するまでの間はe-Gov原文

正しい
149条のとおり → 正しい

民法第149条その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しないe-Gov原文

ひっかけ天災等は『障害消滅時から3箇月』完成猶予。仮差押え・仮処分は『事由終了時から6箇月』完成猶予(161条・149条)。

解説時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため所定の手続を行うことができないときは、その障害が消滅した時から三箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない(161条)。天災等による時効の完成猶予を押さえる。

補足天災等による完成猶予は障害消滅時から3箇月と短い。仮差押え・仮処分は完成猶予事由(更新ではない)で6箇月の猶予にとどまる。

11民法上の所有権の取得時効

所有権の取得時効及び夫婦間の権利の時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
  • 夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻中であっても、時効の完成猶予は一切認められない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
162条1項のとおり → 正しい

民法第162条二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得するe-Gov原文

誤り
婚姻解消時から6箇月は完成しない → 『完成猶予は一切認められない』は誤り

民法第159条婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しないe-Gov原文

ひっかけ所有権の取得時効は『20年』(悪意等)、善意無過失なら『10年』。夫婦間の権利は婚姻解消時から6箇月完成猶予(162条・159条)。

解説二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。占有開始時に善意無過失であったときは十年で取得する(162条)。所有権の取得時効を押さえる。

補足所有権の取得時効は原則20年、占有開始時に善意無過失なら10年である。所有の意思・平穏・公然の占有が要件である。

12民法上の所有権以外の財産権の取得時効

所有権以外の財産権の取得時効及び占有の中止等による取得時効の中断に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 所有権の取得時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときであっても、中断することはない。
  • 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
占有中止等で取得時効は中断する → 『中断することはない』は誤り

民法第164条占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断するe-Gov原文

正しい
163条のとおり → 正しい

民法第163条前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得するe-Gov原文

ひっかけ占有を中止・喪失すると取得時効は『中断』。所有権以外の財産権も自己のためにする意思で行使すれば『20年又は10年』で取得(164条・163条)。

解説所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する(163条)。所有権以外の財産権の取得時効を押さえる。

補足地上権・地役権等の所有権以外の財産権も取得時効の対象となる。占有の中止・喪失により取得時効は中断する(消滅時効の完成猶予・更新とは別の中断概念)。

13民法上の占有の中止等による取得時効の中断

占有の中止等による取得時効の中断及び所有権の取得時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 所有権の取得時効は、占有者が任意にその占有を中止したときであっても、中断することはない。
  • 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、占有の開始の時に悪意であっても、その所有権を取得する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
占有中止で取得時効は中断する → 『中断することはない』は誤り

民法第164条占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断するe-Gov原文

誤り
10年取得時効は占有開始時の善意無過失が要件(悪意は20年) → 『悪意でも10年で取得』は誤り

民法第162条二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得するe-Gov原文

ひっかけ占有の中止・喪失で取得時効は『中断』。10年の取得時効は占有開始時の『善意無過失』が要件(悪意等は20年)(164条・162条)。

解説第百六十二条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する(164条)。占有の中止等による取得時効の中断を押さえる。

補足取得時効は占有の継続が要件のため、占有の中止・喪失で中断する。10年の短期取得時効は占有開始時に善意かつ無過失であることを要する。

14民法上の定期金債権の消滅時効

定期金債権の消滅時効及び時効の援用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 定期金の債権は、いかなる場合であっても、時効によって消滅することはない。
  • 時効は、当事者が援用しなくても、当然にその効果が生じ、裁判所は職権で時効による裁判をしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
定期金の債権は所定の場合に時効消滅する → 『いかなる場合も消滅しない』は誤り

民法第168条定期金の債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅するe-Gov原文

誤り
援用しなければ裁判所は裁判できない → 『援用不要で職権で裁判する』は誤り

民法第145条援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができないe-Gov原文

ひっかけ定期金の債権も所定の場合に『時効消滅』する。時効は『援用』がなければ裁判所は裁判できない(職権では不可)(168条・145条)。

解説定期金の債権は、債権者が各債権を行使できることを知った時から十年間、又は各債権を行使できる時から二十年間行使しないとき等に、時効によって消滅する(168条1項)。定期金債権の消滅時効を押さえる。

補足定期金債権(年金等の基本権)も消滅時効の対象である。時効の効果には当事者の援用が必要で、裁判所が職権で時効を適用することはできない。

15民法上の判決で確定した権利の消滅時効

判決で確定した権利の消滅時効及び所有権以外の財産権の取得時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、五年とする。
  • 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使しても、取得時効によってその権利を取得することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
時効期間は10年 → 『五年とする』は誤り

民法第169条十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とするe-Gov原文

誤り
取得時効により20年又は10年で取得できる → 『取得できない』は誤り

民法第163条前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得するe-Gov原文

ひっかけ確定判決等で確定した権利の時効期間は、短い定めがあっても『10年』に延長。所有権以外の財産権も取得時効で取得できる(169条・163条)。

解説確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする(169条1項)。判決で確定した権利の消滅時効を押さえる。

補足短期消滅時効の債権でも、確定判決等で確定すると時効期間が10年に延長される(ただし確定時に弁済期未到来の債権を除く)。地上権等の財産権も取得時効の対象である。

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