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民法(連帯債務・保証・債権者代位・詐害行為取消・時効②)の問題(15問)

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この章で確認する論点

4章では、連帯債務者に対する履行の請求・連帯債務者の一人による相殺等・連帯債務者の一人との間の混同・連帯債務者の一人との間の免除等と求償権・保証人の要件を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年7月時点の法令に準拠
1連帯債務者に対する履行の請求

連帯債務及び弁済の供託に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
  • 弁済者は、弁済の提供をした場合において債権者がその受領を拒んだとき等には、債権者のために弁済の目的物を供託することができ、供託をした時にその債権は消滅する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
436条のとおり → 正しい

民法第436条債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができるe-Gov原文

正しい
494条のとおり → 正しい

民法第494条債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅するe-Gov原文

ひっかけ連帯債務では債権者は『一人に全部』でも『全員に同時・順次』でも履行を請求できる。受領拒否等では供託でき、供託時に債権『消滅』(436条・494条)。

解説数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる(436条)。貸金の連帯保証・連帯債務で頻出。連帯債務者に対する履行の請求を押さえる。

補足連帯債務者各自が全部の履行義務を負い、債権者は誰に対しても全額を請求できる。一人が弁済すれば全員の債務が消滅し、弁済者は他の連帯債務者に負担部分を求償できる。

2連帯債務者の一人による相殺等

連帯債務者の一人による相殺等及び混同に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。
  • 連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときであつても、その連帯債務者は、弁済をしたものとはみなされない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
439条1項のとおり → 正しい

民法第439条その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅するe-Gov原文

誤り
弁済をしたものとみなす → 『みなされない』は誤り

民法第440条その連帯債務者は、弁済をしたものとみなすe-Gov原文

ひっかけ連帯債務者の一人の相殺援用は『全員の利益』のために債権を消滅させる(絶対効)。混同は『弁済をしたものとみなす』(絶対効)(439条・440条)。

解説連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合において、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅する(439条1項)。相殺を援用しない間は、その負担部分の限度で他の連帯債務者は履行を拒める(同条2項)。連帯債務者の一人による相殺等を押さえる。

補足連帯債務では弁済・相殺・更改・混同が絶対効(全員に影響)を持つ。履行の請求・免除・時効等は原則相対効(その者のみ)となった(2020年改正)。

3連帯債務者の一人との間の混同

連帯債務者の一人との間の混同及び強制執行等による時効の完成猶予に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす。
  • 強制執行、担保権の実行等の事由がある場合には、その事由が終了するまでの間は、時効は、完成しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
440条のとおり → 正しい

民法第440条その連帯債務者は、弁済をしたものとみなすe-Gov原文

正しい
148条1項のとおり → 正しい

民法第148条次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了するe-Gov原文

ひっかけ連帯債務者の一人と債権者の混同は『弁済をしたものとみなす』。強制執行等がある間は時効は『完成しない』(完成猶予)(440条・148条)。

解説連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は弁済をしたものとみなす(440条、絶対効)。混同により債権債務が同一人に帰属すると、弁済があったのと同様に扱われる。連帯債務者の一人との間の混同を押さえる。

補足混同(債権者の地位と債務者の地位が同一人に帰する)は原則として債権を消滅させる(520条)。連帯債務では一人につき混同があると、その者が弁済したものとみなされ他の債務者への求償関係に移る。

4連帯債務者の一人との間の免除等と求償権

連帯債務者の一人との間の免除等と求償権及び相殺に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 連帯債務者の一人に対して債務の免除がされ、又は連帯債務者の一人のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、求償権を行使することができる。
  • 相殺の債権を有する連帯債務者が相殺を援用しない間は、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の全額の履行を拒むことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
445条のとおり → 正しい

民法第445条他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、第四百四十二条第一項の求償権を行使することができるe-Gov原文

誤り
負担部分の限度で拒める → 『全額の履行を拒める』は誤り

民法第439条その連帯債務者の負担部分の限度において、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができるe-Gov原文

ひっかけ免除・時効完成があっても他の連帯債務者は『求償権』を行使できる。相殺未援用の間は『負担部分の限度』で履行を拒める(445条・439条)。

解説連帯債務者の一人に対して債務の免除がされ、又は連帯債務者の一人のために時効が完成した場合においても、他の連帯債務者は、その一人の連帯債務者に対し、442条1項の求償権を行使することができる(445条)。免除・時効完成は相対効となったが、内部の求償関係は維持される。連帯債務者の一人との間の免除等と求償権を押さえる。

補足2020年改正で免除・時効完成は相対効となったが、445条により求償関係は残る。免除を受けた連帯債務者も他の債務者から負担部分の求償を受けうる。

5保証人の要件

保証人の要件及び詐害行為取消請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、行為能力者であること及び弁済をする資力を有することの要件を具備する者でなければならない。
  • 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる(受益者が行為の時に善意であつたときを除く)。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
450条1項のとおり → 正しい

民法第450条その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならないe-Gov原文

正しい
424条1項のとおり → 正しい

民法第424条債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができるe-Gov原文

ひっかけ債務者が立てる保証人は『行為能力者』かつ『弁済資力』を要する。詐害行為取消しは『裁判所に請求』(受益者善意を除く)(450条・424条)。

解説債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、行為能力者であること及び弁済をする資力を有することの要件を具備する者でなければならない(450条1項)。ただし債権者が保証人を指名した場合には適用しない(同条3項)。保証人の要件を押さえる。

補足450条の要件は債務者が保証人を立てる義務を負う場合のもの。債権者が特定の者を保証人として指名したときはこの要件は適用されない。

6委託を受けた保証人の事前の求償権

委託を受けた保証人の事前の求償権及び保証人の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、債務が弁済期にあるとき等の一定の場合には、主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができる。
  • 債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、弁済をする資力を有していれば足り、行為能力者であることを要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
460条のとおり → 正しい

民法第460条主たる債務者に対して、あらかじめ、求償権を行使することができるe-Gov原文

誤り
行為能力者かつ弁済資力を要する → 『行為能力者であることを要しない』は誤り

民法第450条その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならないe-Gov原文

ひっかけ『委託を受けた』保証人は弁済期到来等で『事前求償権』を行使できる。債務者が立てる保証人は『行為能力者』かつ『弁済資力』を要する(460条・450条)。

解説保証人は、主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けかつ債権者が配当に加入しないとき、債務が弁済期にあるとき等には、主たる債務者に対してあらかじめ求償権を行使することができる(460条、事前求償権)。委託を受けた保証人の事前の求償権を押さえる。

補足事前求償権は委託を受けた保証人にのみ認められる(460条)。委託を受けない保証人には事前求償権はない。物上保証人にも事前求償権は認められない(判例)。

7委託を受けない保証人の求償権

委託を受けない保証人の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けているか否かにかかわらず、保証をした債務の全額について求償権を有する。
  • 主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
現に利益を受けている限度でのみ → 『全額について求償権を有する』は誤り

民法第462条主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有するe-Gov原文

正しい
462条2項のとおり → 正しい

民法第462条主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有するe-Gov原文

ひっかけ『主債務者の意思に反して』保証をした者は、主債務者が『現に利益を受けている限度』でのみ求償できる(462条)。

解説主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が債務の消滅行為をした場合には459条の2第1項が準用され、主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する(462条2項)。委託を受けない保証人の求償権を押さえる。

補足求償権の範囲は保証の態様で異なる。委託を受けた保証人は原則全額、委託を受けないが意思に反しない保証人は保証当時の利益の限度、意思に反する保証人は現存利益の限度で求償できる。

8連帯保証人について生じた事由の効力

連帯保証人について生じた事由の効力及び債権者代位権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 連帯保証人について生じた事由の効力について、連帯債務における更改・相殺・混同等の絶対的効力に関する規定は準用されない。
  • 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(被代位権利)を行使することができる(一身専属権及び差押えを禁じられた権利を除く)。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
連帯保証人に準用される → 『準用されない』は誤り

民法第458条主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用するe-Gov原文

正しい
423条1項のとおり → 正しい

民法第423条債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利e-Gov原文

ひっかけ連帯保証人には連帯債務の更改・相殺・混同等の絶対効の規定が『準用』される。債権者代位権は『債権保全に必要』なとき行使できる(458条・423条)。

解説438条(更改)・439条1項(相殺)・440条(混同)・441条(相対効の原則)の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人(連帯保証人)について生じた事由について準用する(458条)。連帯保証人について生じた事由の効力を押さえる。

補足連帯保証は補充性(催告・検索の抗弁)がない点で普通保証と異なる。連帯保証人に生じた更改・相殺・混同は主債務者にも効力が及ぶ(458条)。

9債権者代位権の要件

債権者代位権の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権者は、その債権の期限が到来しない間であつても、保存行為でない被代位権利を自由に行使することができる。
  • 債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利及び差押えを禁じられた権利は、この限りでない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
期限到来前は保存行為を除き行使できない → 『自由に行使できる』は誤り

民法第423条債権者は、その債権の期限が到来しない間は、被代位権利を行使することができないe-Gov原文

正しい
423条1項のとおり → 正しい

民法第423条債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利e-Gov原文

ひっかけ債権者代位権は『債権保全に必要』なとき行使でき、期限到来前は『保存行為を除き』行使できない(423条)。

解説債権者は、自己の債権を保全するため必要があるときは、債務者に属する権利(被代位権利)を行使できる(423条1項本文。一身専属権・差押禁止権利を除く)。債権の期限が到来しない間は、保存行為を除き被代位権利を行使できない(同条2項)。債権者代位権の要件を押さえる。

補足債権者代位権は、債務者が自ら権利を行使しない場合に債権者が債務者に代わって行使する制度。原則として債権が弁済期にあることを要するが、保存行為(時効の完成猶予等)は期限前でもできる。

10債権者代位権の代位行使の範囲

債権者代位権の代位行使の範囲及び連帯債務者への履行の請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利の目的が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができる。
  • 数人が連帯して債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
423条の2のとおり → 正しい

民法第423条の2自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができるe-Gov原文

正しい
436条のとおり → 正しい

民法第436条債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ債権者代位権は、被代位権利が可分なら『自己の債権の額の限度』でのみ行使できる(423条の2)。

解説債権者は、被代位権利を行使する場合において、被代位権利の目的が可分であるときは、自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができる(423条の2)。過剰な代位行使を防ぐ趣旨である。債権者代位権の代位行使の範囲を押さえる。

補足被保全債権を超える代位行使は認められない(423条の2)。金銭債権のように可分な被代位権利では自己の債権額が上限となる。

11詐害行為取消請求

詐害行為取消請求及び債権者代位権の代位行使の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、受益者が行為の時において債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
  • 債権者は、被代位権利の目的が可分であるときであつても、自己の債権の額を超えて被代位権利の全部を行使することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
424条1項のとおり → 正しい

民法第424条債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができるe-Gov原文

誤り
自己の債権の額の限度でのみ → 『額を超えて全部を行使できる』は誤り

民法第423条の2自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができるe-Gov原文

ひっかけ詐害行為取消しは『裁判所に請求』(受益者善意を除く)。債権者代位は『自己の債権の額の限度』(424条・423条の2)。

解説債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為(詐害行為)の取消しを裁判所に請求することができる(424条1項本文)。ただし受益者が行為の時に詐害の事実を知らなかった(善意)ときは請求できない(同項ただし書)。財産権を目的としない行為には適用しない(同条2項)。詐害行為取消請求を押さえる。

補足詐害行為取消権は必ず裁判所への請求(訴え)による点で、裁判外でも行使できる債権者代位権と異なる。被保全債権は詐害行為の前の原因に基づいて生じたものに限る。

12詐害行為取消権の期間の制限

詐害行為取消権の期間の制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から五年を経過したときは、提起することができない。
  • 詐害行為取消請求に係る訴えは、行為の時から十年を経過したときは、提起することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
詐害を知った時から2年 → 『五年を経過したときは提起できない』は誤り

民法第426条債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から二年を経過したときは、提起することができないe-Gov原文

正しい
426条のとおり → 正しい

民法第426条行為の時から十年を経過したときも、同様とするe-Gov原文

ひっかけ詐害行為取消しの訴えは、詐害を知った時から『2年』・行為の時から『10年』で提起できない(426条)。

解説詐害行為取消請求に係る訴えは、債務者が債権者を害することを知って行為をしたことを債権者が知った時から2年を経過したときは提起できない。行為の時から10年を経過したときも同様である(426条)。詐害行為取消権の期間の制限を押さえる。

補足詐害行為取消権の期間制限は主観的起算点(詐害を知った時)から2年、客観的起算点(行為の時)から10年である。いずれも出訴期間(除斥期間)であり、訴えの提起が必要である。

13協議を行う旨の合意による時効の完成猶予

協議を行う旨の合意による時効の完成猶予及び連帯債務者の一人との間の混同に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 権利についての協議を行う旨の合意は、口頭でされた場合であつても、時効の完成猶予の効力を生ずる。
  • 連帯債務者の一人と債権者との間に混同があったときは、その連帯債務者は弁済をしたものとはみなされず、他の連帯債務者が全額を弁済しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
書面でされたとき効力を生ずる → 『口頭でも効力を生ずる』は誤り

民法第151条権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときはe-Gov原文

誤り
弁済をしたものとみなす → 『みなされず全額を弁済しなければならない』は誤り

民法第440条その連帯債務者は、弁済をしたものとみなすe-Gov原文

ひっかけ協議を行う旨の合意による時効の完成猶予は『書面』を要する。連帯債務者の混同は『弁済をしたものとみなす』(151条・440条)。

解説権利についての協議を行う旨の合意が書面でされたときは、合意時から1年、当事者の定めた協議期間(1年未満)、又は協議続行拒絶の通知から6箇月のいずれか早い時までの間は、時効は完成しない(151条1項)。協議を行う旨の合意による時効の完成猶予を押さえる。

補足協議による完成猶予(151条)は書面でされることが要件である。当事者間の交渉中に時効が完成する不都合を防ぐため2020年改正で新設された。再度の合意による猶予も可能だが通算5年が上限である。

14強制執行等による時効の完成猶予及び更新

強制執行等による時効の完成猶予及び弁済の供託に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 強制執行、担保権の実行等の事由がある場合であつても、これによって時効の完成が猶予されることはない。
  • 弁済者は、債権者が弁済の受領を拒んだときであつても、弁済の目的物を供託することはできない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
これらの事由がある間は完成猶予される → 『猶予されることはない』は誤り

民法第148条次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了するe-Gov原文

誤り
供託できる → 『供託することはできない』は誤り

民法第494条債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅するe-Gov原文

ひっかけ強制執行・担保権の実行等がある間は時効は『完成しない』(完成猶予)、事由終了時から『更新』。受領拒否では『供託』できる(148条・494条)。

解説強制執行・担保権の実行・財産開示手続等の事由がある場合には、その事由が終了するまでの間は時効は完成しない(148条1項、完成猶予)。原則としてその事由が終了した時から時効は新たに進行を始める(同条2項、更新)。強制執行等による時効の完成猶予及び更新を押さえる。

補足強制執行等は完成猶予(事由の間は完成しない)と更新(事由終了時から再スタート)の両効果を持つ。ただし申立ての取下げ等で終了した場合は更新の効果がなく、終了時から6箇月の完成猶予にとどまる。

15弁済の供託

弁済の供託及び債権者代位権の代位行使の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 弁済者が弁済の目的物を供託しても、債権者が供託物を受け取るまでは、その債権は消滅しない。
  • 債権者は、被代位権利の目的が可分であるときであつても、自己の債権の額を超えて被代位権利の全部を行使することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
供託をした時に消滅する → 『受け取るまで消滅しない』は誤り

民法第494条弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅するe-Gov原文

誤り
自己の債権の額の限度でのみ → 『額を超えて全部を行使できる』は誤り

民法第423条の2自己の債権の額の限度においてのみ、被代位権利を行使することができるe-Gov原文

ひっかけ弁済供託は『供託をした時』に債権が消滅する(受領時ではない)。債権者代位は『自己の債権の額の限度』(494条・423条の2)。

解説弁済者は、弁済の提供をしたのに債権者が受領を拒んだとき、債権者が受領できないとき等には、債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合、弁済者が供託をした時にその債権は消滅する(494条1項)。弁済の供託を押さえる。

補足弁済供託は供託の時点で債権消滅の効果が生じ、債権者が供託物を受け取るかどうかは問わない。受領遅滞・受領不能・債権者不確知の場合に弁済者を保護する制度である。