問1任意適用事業所の認可
健康保険法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる。
- イ.保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によって消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 31条1項のとおり → 正しい
健康保険法第31条「厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 193条1項のとおり → 正しい
健康保険法第193条「これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によって消滅する」e-Gov原文
ひっかけ適用事業所以外は『厚生労働大臣の認可』で任意適用事業所にできる。保険料等・保険給付の権利は『2年』で時効消滅(31条・193条)。
解説適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて当該事業所を適用事業所(任意適用事業所)とすることができる(31条1項)。また、保険料等の徴収・還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、行使できる時から2年を経過したときは時効によって消滅する(193条1項)。任意適用事業所と時効を押さえる。
補足健康保険の保険料・保険給付の権利の消滅時効は2年である。任意適用は厚生労働大臣の認可によって行われる。
問2任意適用事業所の認可の申請
任意適用事業所の認可の申請に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.任意適用の認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される被保険者となるべき者の二分の一以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。
- イ.適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けることなく、当該事業所を適用事業所とすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 31条2項のとおり → 正しい
健康保険法第31条「二分の一以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 厚生労働大臣の認可を受けて適用事業所とできる → 『認可を受けることなくできる』は誤り
健康保険法第31条「厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる」e-Gov原文
ひっかけ任意適用の認可申請には被保険者となるべき者の『2分の1以上の同意』が必要。任意適用には『厚生労働大臣の認可』が必要(31条)。
解説任意適用の認可を受けようとするときは、事業主は当該事業所に使用される被保険者となるべき者の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない(31条2項)。任意適用事業所とするには厚生労働大臣の認可を要する(31条1項)。任意適用事業所の認可の申請を押さえる。
補足任意適用は被保険者となるべき者の2分の1以上の同意を得て申請する。認可後は被保険者全員が当然に被保険者となる。
問3標準賞与額の決定
標準賞与額の決定及び資格喪失後の出産育児一時金に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保険者等は、被保険者が賞与を受けた月において、その月に当該被保険者が受けた賞与額に基づき、これに千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する。
- イ.一年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後六月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 45条のとおり → 正しい
健康保険法第45条「これに千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 106条のとおり → 正しい
健康保険法第106条「一年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後六月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる」e-Gov原文
ひっかけ標準賞与額は賞与額の『千円未満を切り捨て』。1年以上被保険者で資格喪失後『6月以内』の出産は出産育児一時金を支給(45条・106条)。
解説保険者等は、被保険者が賞与を受けた月に、その賞与額の千円未満の端数を切り捨ててその月の標準賞与額を決定する(45条。年度累計573万円が上限)。また、1年以上被保険者であった者が資格喪失日後6月以内に出産したときは、資格喪失後の出産育児一時金を最後の保険者から受けられる(106条)。標準賞与額と資格喪失後の出産育児一時金を押さえる。
補足標準賞与額は千円未満切り捨て、年度累計573万円が上限である。資格喪失後の出産育児一時金は1年以上の被保険者期間・6月以内の出産が要件である。
問4入院時食事療養費
入院時食事療養費及び療養費に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.被保険者が、所定の病院又は診療所のうち自己の選定するものから、療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、入院時食事療養費を支給する。
- イ.保険者は、療養の給付等を行うことが困難であると認めるときであっても、療養の給付等に代えて療養費を支給することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 85条1項のとおり → 正しい
健康保険法第85条「療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、入院時食事療養費を支給する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 療養の給付等に代えて療養費を支給できる → 『支給することはできない』は誤り
健康保険法第87条「療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる」e-Gov原文
ひっかけ療養の給付と併せて受けた食事療養に『入院時食事療養費』を支給。療養の給付等が困難なとき等は『療養費』を支給できる(85条・87条)。
解説被保険者が所定の病院等から療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について、入院時食事療養費を支給する(85条1項。額は厚生労働大臣が定める基準により算定)。また、保険者は療養の給付等を行うことが困難であると認めるとき等は、療養の給付等に代えて療養費を支給できる(87条1項)。入院時食事療養費と療養費を押さえる。
補足入院時食事療養費は現物給付的に支給され、被保険者は標準負担額を支払う。療養費は現物給付が困難な場合等の例外的な現金給付である。
問5入院時生活療養費
入院時生活療養費及び保険料の源泉控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.特定長期入院被保険者が、所定の病院又は診療所のうち自己の選定するものから、療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用について、入院時生活療養費を支給する。
- イ.事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 85条の2第1項のとおり → 正しい
健康保険法第85条の2「療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用について、入院時生活療養費を支給する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 167条1項のとおり → 正しい
健康保険法第167条「事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては」e-Gov原文
ひっかけ特定長期入院被保険者の生活療養に『入院時生活療養費』を支給。事業主は報酬支払時に『前月の保険料』を源泉控除できる(85条の2・167条)。
解説特定長期入院被保険者が所定の病院等から療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用について、入院時生活療養費を支給する(85条の2第1項)。また、事業主は被保険者に通貨で報酬を支払う場合に、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除できる(167条1項)。入院時生活療養費と保険料の源泉控除を押さえる。
補足入院時生活療養費は65歳以上の長期入院者の生活療養(食事・温度等)の費用を支給する。保険料の源泉控除は前月分が原則である。
問6健康保険の療養費
療養費及び入院時食事療養費に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保険者は、療養の給付等を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の者から診療等を受けた場合においてやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。
- イ.被保険者が療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用については、入院時食事療養費は支給されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 87条1項のとおり → 正しい
健康保険法第87条「療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 入院時食事療養費を支給する → 『支給されない』は誤り
ひっかけ療養の給付等が困難なとき等は『療養費』を支給。食事療養には『入院時食事療養費』を支給(87条・85条)。
解説保険者は、療養の給付等を行うことが困難であると認めるとき、又は被保険者が保険医療機関等以外の者から診療等を受けた場合でやむを得ないと認めるときは、療養の給付等に代えて療養費を支給できる(87条1項)。また、療養の給付と併せて受けた食事療養には入院時食事療養費を支給する(85条1項)。療養費と入院時食事療養費を押さえる。
補足療養費は現物給付(療養の給付)が困難な場合の例外的な現金給付である。海外療養費・治療用装具等が典型例である。
問7傷病手当金と報酬等との調整
傷病手当金と報酬等との調整に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.疾病にかかり、又は負傷した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間も、傷病手当金を全額支給する。
- イ.疾病にかかり、又は負傷した場合において報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は、傷病手当金を支給しない。ただし、その受けることができる報酬の額が所定の額より少ないときは、その差額を支給する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 報酬を受けられる期間は傷病手当金を支給しない → 『全額支給する』は誤り
健康保険法第108条「これを受けることができる期間は、傷病手当金を支給しない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 108条1項のとおり → 正しい
健康保険法第108条「これを受けることができる期間は、傷病手当金を支給しない」e-Gov原文
ひっかけ報酬を受けられる期間は傷病手当金を『支給しない』(報酬が所定額より少なければ差額を支給)(108条1項)。
解説疾病・負傷の場合に報酬の全部又は一部を受けることができる者に対しては、これを受けることができる期間は傷病手当金を支給しない(108条1項本文)。ただし、その受けることができる報酬の額が傷病手当金の額より少ないときは、その差額を支給する(同項ただし書)。傷病手当金と報酬等との調整を押さえる。
補足傷病手当金は労務不能による所得保障であるため、報酬を受けられる間は支給されない。報酬が傷病手当金より少なければ差額が支給される。
問8資格喪失後の死亡に関する給付
資格喪失後の死亡に関する給付に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後三月以内に死亡したときであっても、埋葬を行う者は、埋葬料の支給を受けることができない。
- イ.被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後三月以内に死亡したときは、被保険者であった者により生計を維持していた者であって埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 資格喪失後3月以内の死亡は埋葬料を受けられる → 『受けることができない』は誤り
健康保険法第105条「その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 105条1項のとおり → 正しい
健康保険法第105条「その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる」e-Gov原文
ひっかけ被保険者であった者が資格喪失後『3月以内』に死亡したときは、生計維持者で埋葬を行う者が『埋葬料』を受けられる(105条1項)。
解説被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後3月以内に死亡したとき等は、被保険者であった者により生計を維持していた者であって埋葬を行う者は、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けられる(105条1項)。資格喪失後の死亡に関する給付を押さえる。
補足資格喪失後の継続給付を受けていた者の死亡や、資格喪失後3月以内の死亡について、埋葬料が支給される。資格喪失後の保険給付の一つである。
問9育児休業等期間中の保険料の免除
育児休業等期間中の保険料の免除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.育児休業等をしている被保険者について、その事業主が保険者等に申出をしても、その育児休業等の期間に係る保険料は免除されず、徴収される。
- イ.育児休業等をしている被保険者について、その事業主が厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、所定の月の当該被保険者に関する保険料は、徴収しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 申出により保険料を徴収しない → 『徴収される』は誤り
ひっかけ育児休業等中は事業主の申出により所定の月の保険料を『徴収しない』(免除)(159条1項)。
解説育児休業等をしている被保険者について、その事業主が厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、所定の月の当該被保険者に関する保険料は徴収しない(159条1項、育児休業等期間中の保険料免除)。育児休業等期間中の保険料の免除を押さえる。
補足育児休業等期間中の保険料は事業主・被保険者の負担分ともに免除される。免除期間も被保険者期間に算入され、保険給付・年金額に影響しない。
問10産前産後休業期間中の保険料の免除
産前産後休業期間中の保険料の免除及び賞与に係る保険料の源泉控除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.産前産後休業をしている被保険者について、その事業主が厚生労働省令で定めるところにより保険者等に申出をしたときは、その産前産後休業を開始した日の属する月からその産前産後休業が終了する日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者に関する保険料を徴収しない。
- イ.事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 159条の3のとおり → 正しい
健康保険法第159条の3「当該被保険者に関する保険料を徴収しない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 167条2項のとおり → 正しい
健康保険法第167条「被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる」e-Gov原文
ひっかけ産前産後休業中は事業主の申出により所定期間の保険料を『徴収しない』。賞与支払時は『標準賞与額に係る保険料相当額』を控除できる(159条の3・167条2項)。
解説産前産後休業をしている被保険者について事業主が保険者等に申出をしたときは、産前産後休業開始月から終了日の翌日が属する月の前月までの期間、当該被保険者の保険料を徴収しない(159条の3)。また、事業主は賞与支払時に標準賞与額に係る保険料相当額を賞与から控除できる(167条2項)。産前産後休業中の保険料免除と賞与の源泉控除を押さえる。
補足産前産後休業中の保険料も事業主・被保険者の負担分ともに免除される。賞与に係る保険料はその月の標準賞与額から算定され源泉控除される。
問11報酬に係る保険料の源泉控除
報酬に係る保険料の源泉控除及び産前産後休業期間中の保険料の免除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除することができる。
- イ.産前産後休業をしている被保険者について、その事業主が保険者等に申出をしても、その期間に係る保険料は徴収される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 167条1項のとおり → 正しい
健康保険法第167条「事業主は、被保険者に対して通貨をもって報酬を支払う場合においては」e-Gov原文
- イ.誤り
- 申出により保険料を徴収しない → 『徴収される』は誤り
健康保険法第159条の3「当該被保険者に関する保険料を徴収しない」e-Gov原文
ひっかけ事業主は報酬支払時に『前月の保険料』を源泉控除できる。産前産後休業中は申出により所定期間の保険料を『徴収しない』(167条・159条の3)。
解説事業主は、被保険者に通貨で報酬を支払う場合に、被保険者の負担すべき前月の標準報酬月額に係る保険料を報酬から控除できる(167条1項。資格喪失月は前月及びその月分)。また、産前産後休業中は事業主の申出により所定期間の保険料を徴収しない(159条の3)。報酬の源泉控除と産前産後休業中の保険料免除を押さえる。
補足保険料の源泉控除は前月分が原則だが、月末退職等で資格喪失する月は前月及びその月の2か月分を控除できる。
問12健康保険の時効
健康保険の時効に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保険給付を受ける権利は、これを行使することができる時から五年を経過しなければ、時効によって消滅しない。
- イ.保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によって消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 行使できる時から2年で時効消滅する → 『5年を経過しなければ消滅しない』は誤り
健康保険法第193条「これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によって消滅する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 193条1項のとおり → 正しい
健康保険法第193条「これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によって消滅する」e-Gov原文
ひっかけ保険料等・保険給付を受ける権利は行使できる時から『2年』で時効消滅(193条1項)。
解説保険料等を徴収し、又はその還付を受ける権利及び保険給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から2年を経過したときは時効によって消滅する(193条1項)。健康保険の権利の消滅時効は2年である。健康保険の時効を押さえる。
補足健康保険の保険料・保険給付の権利の消滅時効は2年である(厚生年金・国民年金の保険給付の時効5年と区別する)。
問13健康保険の時効の更新
健康保険の時効の更新及び任意適用事業所の認可に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保険料等の納入の告知又は督促は、時効の更新の効力を有しない。
- イ.適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けても、当該事業所を適用事業所とすることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 時効の更新の効力を有する → 『有しない』は誤り
健康保険法第193条「保険料等の納入の告知又は督促は、時効の更新の効力を有する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 認可を受けて適用事業所とできる → 『することはできない』は誤り
健康保険法第31条「厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる」e-Gov原文
ひっかけ保険料等の納入の告知・督促は『時効の更新の効力を有する』。任意適用は『厚生労働大臣の認可』でできる(193条2項・31条1項)。
解説保険料等の納入の告知又は督促は、時効の更新の効力を有する(193条2項)。また、適用事業所以外の事業所の事業主は厚生労働大臣の認可を受けて任意適用事業所とできる(31条1項)。時効の更新と任意適用事業所を押さえる。
補足保険料等の納入の告知・督促は、民法の催告と異なり時効の更新(中断)の効力を有する。任意適用は厚生労働大臣の認可による。
問14賞与に係る保険料の源泉控除
賞与に係る保険料の源泉控除及び標準賞与額の決定に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合であっても、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することはできない。
- イ.標準賞与額は、被保険者が賞与を受けた月において、その賞与額の千円未満の端数を切り上げて決定する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 賞与から保険料相当額を控除できる → 『控除することはできない』は誤り
健康保険法第167条「被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 千円未満を切り捨てて決定する → 『切り上げて決定する』は誤り
健康保険法第45条「千円未満の端数を生じたときは、これを切り捨てて、その月における標準賞与額を決定する」e-Gov原文
ひっかけ事業主は賞与支払時に『標準賞与額に係る保険料相当額』を控除できる。標準賞与額は千円未満を『切り捨て』(167条2項・45条)。
解説事業主は、被保険者に通貨で賞与を支払う場合に、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を賞与から控除できる(167条2項)。また、標準賞与額は賞与額の千円未満の端数を切り捨てて決定する(45条)。賞与の源泉控除と標準賞与額の決定を押さえる。
補足賞与に係る保険料は当月控除である(報酬の前月控除と異なる)。標準賞与額は千円未満切り捨て、年度累計573万円が上限である。
問15資格喪失後の出産育児一時金の給付
資格喪失後の出産育児一時金の給付及び入院時生活療養費に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.一年以上被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後六月以内に出産したときであっても、出産育児一時金の支給を受けることはできない。
- イ.特定長期入院被保険者が療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用については、入院時生活療養費は支給されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 資格喪失後6月以内の出産は出産育児一時金を受けられる → 『受けることはできない』は誤り
健康保険法第106条「被保険者として受けることができるはずであった出産育児一時金の支給を最後の保険者から受けることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 入院時生活療養費を支給する → 『支給されない』は誤り
ひっかけ1年以上被保険者で資格喪失後『6月以内』の出産は出産育児一時金を支給。特定長期入院の生活療養には『入院時生活療養費』を支給(106条・85条の2)。
解説1年以上被保険者であった者が資格喪失日後6月以内に出産したときは、資格喪失後の出産育児一時金を最後の保険者から受けられる(106条)。また、特定長期入院被保険者が療養の給付と併せて受けた生活療養には入院時生活療養費を支給する(85条の2第1項)。資格喪失後の出産育児一時金と入院時生活療養費を押さえる。
補足資格喪失後の出産育児一時金は1年以上の被保険者期間・6月以内の出産が要件である。資格喪失後の継続的な保護の一つである。