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民事保全法・第6

民事保全法の問題(26問)

論点 26目安 約52組合せ 26
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この章で扱う論点26論点

民事保全の機関と疎明仮差押命令の必要性仮処分命令の必要性等民事保全の種類と仮処分解放金保全命令の担保保全異議の申立てと保全執行の正本本案の訴えの不提起等による保全取消し保全執行の期間制限と債務者送達前の執行保全命令事件の管轄と本案の管轄裁判所却下の裁判に対する即時抗告仮差押解放金と仮処分の方法事情の変更による保全取消しと保全抗告の期間仮差押解放金の供託所と保全抗告の事件送付事情の変更の疎明と保全抗告に対する不服不動産に対する仮差押えの執行占有移転禁止の仮処分命令の効力

問題と解説を読む26

e-Gov逐語照合済み2026年6月〜2026年6月時点の法令に準拠
1民事保全の機関と疎明

民事保全法上の保全命令の手続について、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全執行は、申立てにより、裁判所又は執行官が行う。
  • 保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性は、証明しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
保全命令は裁判所・保全執行は裁判所又は執行官

民事保全法第2条裁判所又は執行官が行うe-Gov原文

誤り
「証明」は誤り(疎明)

民事保全法第13条疎明しなければならないe-Gov原文

ひっかけ保全は『疎明』で足りる(証明より緩やか)。迅速性を重視する。

解説保全命令は裁判所が、保全執行は裁判所又は執行官が行う(2条)。保全命令の申立てでは、被保全権利(保全すべき権利・権利関係)と保全の必要性を明らかにし、これらを『疎明』しなければならない(13条)。疎明は証明より緩やかな心証(一応確からしいとの推測)で足りる点が、迅速性を要する保全手続の特徴。

補足保全命令は、口頭弁論を経ないで発することができる(密行性)。

2仮差押命令の必要性

民事保全法上の仮差押命令について、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮差押命令は、金銭の支払を目的とする債権について発することはできず、物の引渡請求権についてのみ発することができる。
  • 仮差押命令は、その被保全債権が条件付又は期限付である場合においても、発することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
金銭債権では発せられないとするのは誤り

民事保全法第20条金銭の支払を目的とする債権についてe-Gov原文

正しい
条件付等でも発令できる

民事保全法第20条条件付又は期限付である場合においても、これを発することができるe-Gov原文

ひっかけ仮差押えは『金銭債権』、係争物仮処分は『特定物の給付請求権』を保全する。

解説仮差押命令は、金銭債権の将来の強制執行を保全するため、強制執行が不能・著しく困難となるおそれがあるときに発する(20条1項)。被保全債権が条件付・期限付でも発令できる(同2項)。物の給付請求権の保全は『係争物に関する仮処分』が担う。

補足仮差押解放金を供託すれば、仮差押えの執行の停止・取消しを得られる。

3仮処分命令の必要性等

民事保全法上の仮処分命令について、次のア・イの記述の正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 係争物に関する仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるため必要があるときに発することができる。
  • 仮の地位を定める仮処分命令は、いかなる場合も、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経ることなく発することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
仮の地位の要件と取り違えており誤り

民事保全法第23条その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるときe-Gov原文

誤り
常に期日不要とするのは誤り

民事保全法第23条口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければe-Gov原文

ひっかけ係争物仮処分と仮の地位仮処分は要件が異なる。後者は原則『審尋の期日』が必要。

解説係争物に関する仮処分は、現状変更により権利の実行が不能・著しく困難となるおそれがあるとき(23条1項)、仮の地位を定める仮処分は、争いある権利関係につき著しい損害・急迫の危険を避けるため必要なときに発する(同2項)。後者は争訟性が高いため、原則として口頭弁論又は審尋の期日を経なければならない(同4項)。

補足仮の地位の仮処分でも、期日を経ると目的を達せない事情があれば期日を省略できる。

4民事保全の種類と仮処分解放金

民事保全法に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 民事保全には、仮差押え及び係争物に関する仮処分のほか、仮の地位を定めるための仮処分がある。
  • 裁判所は、保全すべき権利が金銭の支払を受けることでその目的を達することができるものであるときに限り、債務者が供託すべき金銭の額(仮処分解放金)を仮処分命令において定めることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
3類型の総称

民事保全法第1条仮差押え及び係争物に関する仮処分e-Gov原文

正しい
解放金は限定的に認められる

民事保全法第25条債務者が供託すべき金銭の額を仮処分命令において定めることができるe-Gov原文

ひっかけ仮処分解放金は『金銭で目的を達せる場合』に限る。仮差押解放金とは性質が異なる。

解説民事保全は、仮差押え・係争物に関する仮処分・仮の地位を定める仮処分の総称(1条)。仮処分解放金は、被保全権利が金銭の支払で目的を達せられるときに限り、債務者が供託すれば仮処分の執行停止・取消しを得るために定められる(25条)。仮差押解放金(必ず定める)と異なり、限定的に認められる。

補足仮差押解放金は債務者の供託により執行を止めるもので、常に定められる。

5保全命令の担保

民事保全法上の保全命令の担保に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全命令は、担保を立てさせて、又は担保を立てさせないで発することができる。
  • 担保を立てる場合において、遅滞なく所定の供託所に供託することが困難な事由があるときは、裁判所の許可を得て、債権者の住所地等を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
担保の要否は裁判所の裁量

民事保全法第14条保全命令は、担保を立てさせて、若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てさせないで発することができるe-Gov原文

正しい
供託所の特例が認められる

民事保全法第14条裁判所の許可を得て、債権者の住所地又は事務所の所在地その他裁判所が相当と認める地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託することができるe-Gov原文

ひっかけ保全命令の担保は『立てさせる/条件/立てさせない』を選べる。

解説保全命令は密行性・迅速性のため疎明で足りるが、債務者保護のため担保(立担保)を条件とすることができる(14条1項)。担保は原則として発令裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の供託所に供託するが、困難なときは特例がある(14条2項)。

補足担保の額は、不当な保全執行で債務者が被る損害の担保である。

6保全異議の申立てと保全執行の正本

民事保全法上の保全異議及び保全執行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができる。
  • 保全命令に表示された当事者以外の者に対してする保全執行であっても、執行文の付された保全命令の正本を要せず、保全命令の正本のみに基づいて実施することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
債務者は発令裁判所に異議を申し立てる

民事保全法第26条保全命令に対しては、債務者は、その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができるe-Gov原文

誤り
承継等の場合は執行文が要る

民事保全法第43条保全命令に表示された当事者以外の者に対し、又はその者のためにする保全執行は、執行文の付された保全命令の正本に基づいて実施するe-Gov原文

ひっかけ保全異議は『発令裁判所』へ。当事者以外への保全執行は『執行文』が要る。

解説保全異議は、保全命令を発した裁判所に対する不服申立て(26条)で、上級審ではなく同じ裁判所が再審理する。保全執行は原則として保全命令の正本のみで実施できるが、当事者以外(承継人等)に対しては執行文が必要(43条1項)。

補足保全異議とは別に、被保全権利・保全の必要性の消滅等を理由とする保全取消しの制度もある。

7本案の訴えの不提起等による保全取消し

民事保全法上の本案の訴えの不提起等による保全取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 債権者に対し本案の訴えの提起等を命ずる場合、裁判所が定める本案の訴えの提起のための期間は、1週間以上でなければならない。
  • 債権者が定められた期間内に本案の訴えの提起等を証する書面を提出しなかったときは、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
期間は2週間以上で定める

民事保全法第37条前項の期間は、二週間以上でなければならないe-Gov原文

正しい
起訴命令違反は保全取消事由

民事保全法第37条債権者が第一項の規定により定められた期間内に同項の書面を提出しなかったときは、裁判所は、債務者の申立てにより、保全命令を取り消さなければならないe-Gov原文

ひっかけ起訴命令の期間は『2週間以上』。不提起なら保全取消し。

解説保全命令は本案訴訟の保全が目的なので、債務者は起訴命令の申立てをし、裁判所は債権者に2週間以上の期間を定めて本案の訴えの提起等を命ずる(37条1項・2項)。債権者がこれに従わないと、保全命令は取り消される(37条3項)。

補足調停・労働審判・仲裁手続の申立て等も本案の提起に準じて扱われる。

8保全執行の期間制限と債務者送達前の執行

民事保全法上の保全執行の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全執行は、債権者に対して保全命令が送達された日から1月を経過したときは、これをしてはならない。
  • 保全執行は、保全命令が債務者に送達された後でなければ、これをすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
迅速性のため2週間以内に執行

民事保全法第43条債権者に対して保全命令が送達された日から二週間を経過したときは、これをしてはならないe-Gov原文

誤り
密行性のため送達前執行が許される

民事保全法第43条保全執行は、保全命令が債務者に送達される前であっても、これをすることができるe-Gov原文

ひっかけ保全執行は『送達から2週間以内』『債務者送達前でも可』。

解説保全執行には2つの特徴がある。①迅速性のため、債権者への保全命令送達日から2週間を経過すると執行できない(43条2項)。②密行性のため、債務者への送達前でも執行できる(43条3項)。仮差押え・仮処分の実効性を確保する仕組み。

補足保全執行は、強制執行の例によるが、保全の暫定性に応じた特則がある。

9保全命令事件の管轄と本案の管轄裁判所

民事保全法上の管轄に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
  • 保全命令事件の管轄の基準となる本案の管轄裁判所は、第一審裁判所とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
本案か目的物所在地のいずれかが管轄

民事保全法第12条保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物若しくは係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄するe-Gov原文

正しい
本案の管轄裁判所は第一審裁判所が基準

民事保全法第12条本案の管轄裁判所は、第一審裁判所とするe-Gov原文

ひっかけ保全の管轄は『本案の裁判所か物の所在地』、本案は『第一審(控訴審係属中は控訴審)』。

解説保全命令事件は、本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物・係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する(12条1項)。本案の管轄裁判所は原則として第一審裁判所だが、本案が控訴審に係属しているときは控訴裁判所となる(同3項)。簡易裁判所が本案の管轄でも、保全は地方裁判所が管轄する場合がある点に注意。

補足債権を仮に差し押さえる場合、その債権は第三債務者の普通裁判籍の所在地にあるものとされる(12条4項)。

10却下の裁判に対する即時抗告

民事保全法上の即時抗告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全命令の申立てを却下する裁判に対しては、債権者は、その告知を受けた日から2週間の不変期間内に、即時抗告をすることができる。
  • 保全命令の申立てを却下する裁判に対する即時抗告を却下する裁判に対しては、更に抗告をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
却下されたら2週間内に即時抗告できる

民事保全法第19条保全命令の申立てを却下する裁判に対しては、債権者は、告知を受けた日から二週間の不変期間内に、即時抗告をすることができるe-Gov原文

誤り
再度の抗告は認められない

民事保全法第19条前項の即時抗告を却下する裁判に対しては、更に抗告をすることができないe-Gov原文

ひっかけ申立て却下への不服は『2週間内の即時抗告』、その却下に『再抗告不可』。

解説保全命令の申立てを却下する裁判に不服がある債権者は、告知を受けた日から2週間の不変期間内に即時抗告をすることができる(19条1項)。その即時抗告を却下する裁判に対しては、更に抗告をすることができない(同2項)。保全命令が発令された場合の債務者の不服は、保全異議(26条)による。

補足発令された保全命令に対する債務者の不服申立ては、即時抗告ではなく保全異議による。

11仮差押解放金と仮処分の方法

民事保全法上の仮差押解放金及び仮処分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮差押命令においては、仮差押えの執行の停止又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために、債権者が供託すべき金銭の額を定めなければならない。
  • 裁判所は、仮処分命令の申立ての目的を達するため、債務者に対し一定の行為を命じ、若しくは禁止し、若しくは給付を命じ、又は保管人に目的物を保管させる処分その他の必要な処分をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
解放金を供託するのは債務者

民事保全法第22条仮差押えの執行の停止を得るため、又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならないe-Gov原文

正しい
目的に応じ多様な処分ができる

民事保全法第24条債務者に対し一定の行為を命じ、若しくは禁止し、若しくは給付を命じ、又は保管人に目的物を保管させる処分その他の必要な処分をすることができるe-Gov原文

ひっかけ仮差押解放金は『債務者が供託』(担保は債権者)、仮処分の方法は『柔軟』。

解説仮差押解放金は、仮差押えの執行の停止・取消しを得るために債務者が供託する金銭で、仮差押命令でその額を定める(22条)。担保(債権者が立てる)とは供託する主体が異なる点に注意。仮処分の方法は、目的を達するため作為・不作為の命令、給付命令、目的物の保管等、裁判所が柔軟に定めることができる(24条)。

補足仮差押解放金が供託されると、債権者はその供託金還付請求権の上に権利を有することになる。

12事情の変更による保全取消しと保全抗告の期間

民事保全法上の保全取消し及び保全抗告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全すべき権利若しくは権利関係又は保全の必要性の消滅その他の事情の変更があるときは、保全命令を発した裁判所又は本案の裁判所は、債権者の申立てにより、保全命令を取り消すことができる。
  • 保全異議又は保全取消しの申立てについての裁判に対しては、その送達を受けた日から1週間の不変期間内に、保全抗告をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
保全取消しを求めるのは債務者

民事保全法第38条債務者の申立てにより、保全命令を取り消すことができるe-Gov原文

誤り
保全抗告の期間は送達から2週間

民事保全法第41条その送達を受けた日から二週間の不変期間内に、保全抗告をすることができるe-Gov原文

ひっかけ事情変更の保全取消しは『債務者の申立て』、保全抗告は『送達から2週間』。

解説保全すべき権利・保全の必要性の消滅その他の事情の変更があるときは、債務者の申立てにより保全命令を取り消すことができる(38条、事情の変更による保全取消し。事情変更は疎明を要する)。保全異議・保全取消しの申立てについての裁判に不服がある者は、送達を受けた日から2週間の不変期間内に保全抗告をすることができる(41条)。

補足保全命令の発令時に主張できた事情ではなく、その後に生じた事情の変更が必要である。

13仮差押解放金の供託所と保全抗告の事件送付

民事保全法上の仮差押解放金の供託及び保全抗告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮差押解放金の供託は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならない。
  • 原裁判所は、保全抗告を受けた場合には、保全抗告の理由の有無について判断した上で、事件を抗告裁判所に送付しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
供託先の供託所が法定されている

民事保全法第22条仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所にしなければならないe-Gov原文

誤り
原裁判所の再度の考案はできない

民事保全法第41条保全抗告の理由の有無につき判断しないで、事件を抗告裁判所に送付しなければならないe-Gov原文

ひっかけ解放金の供託所は『法定』、保全抗告は原裁判所が『理由判断せず送付』。

解説仮差押解放金は、仮差押命令を発した裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託する(22条2項)。保全抗告を受けた原裁判所は、自ら理由の有無を判断(再度の考案)せず、事件を抗告裁判所に送付しなければならない(41条2項。執行抗告等と異なる)。

補足通常の抗告では原裁判所による再度の考案が認められるが、保全抗告では認められない。

14事情の変更の疎明と保全抗告に対する不服

民事保全法上の保全取消し及び保全抗告の終局性に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事情の変更による保全取消しを求める場合、その事情の変更は証明しなければならない。
  • 保全抗告についての裁判に対しては、更に抗告をすることができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
保全手続は疎明で足りる

民事保全法第38条前項の事情の変更は、疎明しなければならないe-Gov原文

正しい
保全抗告の裁判で確定する

民事保全法第41条保全抗告についての裁判に対しては、更に抗告をすることができないe-Gov原文

ひっかけ保全は『疎明で足りる』、保全抗告の裁判は『更に抗告不可(終局)』。

解説保全手続は迅速性を重視するため、事実の認定は証明より緩やかな疎明で足りる。事情の変更による保全取消しでも、事情の変更は疎明しなければならない(38条2項)。保全異議・保全取消しの裁判に対する保全抗告は認められるが、保全抗告についての裁判に対しては更に抗告をすることができず、そこで確定する(41条3項)。

補足疎明は、裁判官が一応確からしいとの心証を得る程度の立証で足りる。

15不動産に対する仮差押えの執行

民事保全法上の不動産に対する仮差押えの執行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不動産に対する仮差押えの執行は、仮差押えの登記をする方法又は強制管理の方法により行い、これらの方法は併用することができる。
  • 不動産に対する仮差押えの登記は、債権者の申請によって行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
47条1項が執行方法と併用を定める

民事保全法第47条仮差押えの登記をする方法又は強制管理の方法により行う。これらの方法は、併用することができるe-Gov原文

誤り
47条3項が書記官の嘱託を定める

民事保全法第47条仮差押えの登記は、裁判所書記官が嘱託するe-Gov原文

ひっかけ不動産仮差押えは『登記又は強制管理』。登記は書記官の嘱託。

解説不動産に対する仮差押えの執行は、仮差押えの登記をする方法又は強制管理の方法により行い、両者は併用できる(47条1項)。登記をする方法では仮差押命令を発した裁判所が保全執行裁判所として管轄し(同条2項)、仮差押えの登記は裁判所書記官が嘱託する(同条3項)。

補足登記をする方法による執行では、仮差押命令を発した裁判所が保全執行裁判所として管轄する(47条2項)。

16占有移転禁止の仮処分命令の効力

民事保全法上の占有移転禁止の仮処分命令の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、債権者は、本案の債務名義に基づき、その執行がされたことを知って係争物を占有した者に対し、係争物の引渡し又は明渡しの強制執行をすることができる。
  • 占有移転禁止の仮処分命令の執行後に当該係争物を占有した者は、その執行がされたことを知って占有したものと推定される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
62条1項が当事者恒定効を定める

民事保全法第62条係争物の引渡し又は明渡しの強制執行をすることができるe-Gov原文

正しい
62条2項が悪意の推定を定める

民事保全法第62条その執行がされたことを知って占有したものと推定するe-Gov原文

ひっかけ占有移転禁止の仮処分は『当事者恒定』。執行後の占有者は悪意推定。

解説占有移転禁止の仮処分(係争物に関する仮処分)は、係争物の占有者を固定する効力をもつ(当事者恒定効)。執行後は、債権者は本案の債務名義に基づき、執行を知って占有した者・善意で債務者の占有を承継した者に対しても引渡し等の強制執行ができる(62条1項)。執行後の占有者は執行を知って占有したものと推定される(同条2項)。

補足善意かつ債務者の占有を承継していない者には効力が及ばない(62条1項の反対解釈)。

17不動産の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の効力

民事保全法上の不動産の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 処分禁止の登記の後にされた登記に係る権利の取得は、仮処分の債権者が保全すべき登記請求権に係る登記をする場合であっても、常にその債権者に対抗することができる。
  • 不動産の登記請求権を保全する処分禁止の仮処分の債権者は、保全すべき登記請求権に係る登記をする場合、処分禁止の登記に後れる登記を抹消することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
58条1項が処分禁止の仮処分の対抗力を定める

民事保全法第58条その登記に係る権利の取得又は消滅と抵触する限度において、その債権者に対抗することができないe-Gov原文

正しい
58条2項が後れる登記の抹消権を定める

民事保全法第58条同条第一項の処分禁止の登記に後れる登記を抹消することができるe-Gov原文

ひっかけ処分禁止の仮処分後の登記は『抵触する限度』で対抗不可。後れる登記は単独抹消できる。

解説不動産の登記請求権を保全する処分禁止の仮処分の登記がされると、その後の登記に係る権利取得は、債権者が保全すべき登記をする場合、抵触する限度で債権者に対抗できない(58条1項)。債権者は、保全すべき登記をする際、処分禁止の登記に後れる登記を単独で抹消できる(同条2項)。所有権以外の登記請求権の保全には保全仮登記が併用される(同条3項)。

補足所有権以外の権利の保存・設定・変更の登記請求権を保全するときは、保全仮登記に基づく本登記の方法による(58条3項)。

18動産・債権に対する仮差押えの執行

民事保全法上の仮差押えの執行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 動産に対する仮差押えの執行は、仮差押えの登記をする方法により行う。
  • 債権に対する仮差押えの執行は、執行官が第三債務者に対し債務者への弁済を禁止する命令を発する方法により行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
49条1項が動産仮差押えの執行方法を定める

民事保全法第49条動産に対する仮差押えの執行は、執行官が目的物を占有する方法により行うe-Gov原文

誤り
50条1項が債権仮差押えの執行方法を定める

民事保全法第50条保全執行裁判所が第三債務者に対し債務者への弁済を禁止する命令を発する方法により行うe-Gov原文

ひっかけ動産は『執行官の占有』、債権は『保全執行裁判所の弁済禁止命令』。

解説仮差押えの執行は目的物の種類で方法が異なる。①不動産=仮差押えの登記又は強制管理(47条)、②動産=執行官が目的物を占有する方法(49条1項)、③債権=保全執行裁判所が第三債務者に弁済禁止命令を発する方法(50条1項)。債権の第三債務者が供託すれば、債務者が仮差押解放金を供託したものとみなされる(同条3項)。

補足債権仮差押えで第三債務者が債権額相当を供託すると、債務者が仮差押解放金を供託したものとみなされる(50条3項)。

19法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登記の嘱託

民事保全法上の法人の代表者の職務執行停止の仮処分等の登記に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 法人を代表する者について、その職務の執行を停止し、又はその職務を代行する者を選任する仮処分命令がされた場合には、裁判所書記官が、その登記を嘱託しなければならない。
  • この職務執行停止の仮処分の登記は、仮処分の債権者の申請によって行う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
56条が書記官の嘱託を定める

民事保全法第56条裁判所書記官は、法人の本店又は主たる事務所の所在地e-Gov原文

誤り
56条が書記官の嘱託を定める

民事保全法第56条裁判所書記官は、法人の本店又は主たる事務所の所在地e-Gov原文

ひっかけ職務執行停止等の仮処分の登記は『書記官の嘱託』。当事者申請ではない。

解説法人の代表者等について職務執行を停止し、又は職務代行者を選任する仮処分命令(及びその変更・取消しの決定)がされた場合には、裁判所書記官が、法人の本店等の所在地を管轄する登記所にその登記を嘱託する(56条)。当事者の申請ではなく、書記官の職権による嘱託登記である。

補足これらの事項が登記すべきものでないときは、嘱託を要しない(56条ただし書)。

20建物収去土地明渡請求権を保全するための処分禁止の仮処分の効力

民事保全法上の建物収去土地明渡請求権を保全するための建物の処分禁止の仮処分の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 建物の処分禁止の登記がされた場合、債権者は、本案の債務名義に基づき、その登記がされる前に建物を譲り受けた者に対しても、建物の収去及びその敷地の明渡しの強制執行をすることができる。
  • 仮処分の執行については、民事保全法のこの節に定めるもののほか、仮差押えの執行又は強制執行の例による。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
64条が登記後の譲受人への執行を定める

民事保全法第64条その登記がされた後に建物を譲り受けた者に対し、建物の収去及びその敷地の明渡しの強制執行をすることができるe-Gov原文

正しい
52条1項が仮処分執行の準拠を定める

民事保全法第52条仮処分の執行については、この節に定めるもののほか、仮差押えの執行又は強制執行の例によるe-Gov原文

ひっかけ効力が及ぶのは『登記後』の建物譲受人。登記前の譲受人には及ばない。

解説建物収去土地明渡請求権を保全するための建物の処分禁止の仮処分の登記がされると、債権者は本案の債務名義に基づき、その登記後に建物を譲り受けた者に対して、建物の収去・敷地の明渡しの強制執行ができる(64条)。仮処分の執行は、この節の特則のほか仮差押えの執行又は強制執行の例による(52条1項)。

補足物の給付や作為・不作為を命ずる仮処分の執行については、仮処分命令を債務名義とみなす(52条2項)。

21保全命令の担保の提供方法

民事保全法上の担保の提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 民事保全法の規定により担保を立てるには、原則として、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に、金銭又は有価証券を供託する方法によらなければならない。
  • 担保は、債権者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に供託しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
4条1項が担保提供の方法を定める

民事保全法第4条担保を立てるべきことを命じた裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭e-Gov原文

誤り
4条1項が裁判所の所在地を基準とする

民事保全法第4条担保を立てるべきことを命じた裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に金銭e-Gov原文

ひっかけ担保の供託所は『裁判所の所在地を管轄する地裁の区域内』(債権者の住所地ではない)。

解説保全命令は債権者に担保を立てさせて発するのが通常で(14条)、担保は、担保を命じた裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所に、金銭又は裁判所が相当と認める有価証券を供託する方法等による(4条1項)。当事者が特別の契約をしたときはその契約による(同項ただし書)。

補足担保について、債権者は供託物還付請求権の上に質権者と同一の権利を有する者として扱われる(民訴法の準用)。

22保全命令の送達

民事保全法上の保全命令の送達に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 保全命令は、当事者に送達しなければならない。
  • 保全命令の送達の対象となる当事者には、債権者のほか債務者も含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
17条が保全命令の送達を定める

民事保全法第17条保全命令は、当事者に送達しなければならないe-Gov原文

正しい
17条の「当事者」は債権者・債務者を指す

民事保全法第17条保全命令は、当事者に送達しなければならないe-Gov原文

ひっかけ保全命令は債権者・債務者の『双方』に送達する。ただし送達前でも執行できる。

解説保全命令は当事者(債権者及び債務者)に送達しなければならない(17条)。もっとも、保全執行は、密行性を確保するため、債務者に保全命令が送達される前であってもすることができる(43条3項)。送達は必要だが、送達前の執行が認められている点が特徴である。

補足保全執行は、債権者に保全命令が送達された日から2週間を経過したときはできない(43条2項)。

23原状回復の裁判

民事保全法上の原状回復の裁判に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮処分命令を取り消す場合、裁判所は、職権で、債権者に対し原状回復を命じなければならない。
  • 仮処分命令に基づき債権者が物の引渡しを受けているとき、裁判所は、債務者の申立てにより、仮処分命令を取り消す決定において、その物の返還を命ずることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
33条が債務者の申立てを要件とする

民事保全法第33条債務者の申立てにより、前条第一項の規定により仮処分命令を取り消す決定において、債権者に対しe-Gov原文

正しい
33条が原状回復の裁判を定める

民事保全法第33条仮処分命令に基づき、債権者が物の引渡し若しくは明渡し若しくは金銭の支払を受けe-Gov原文

ひっかけ原状回復は『債務者の申立て』により取消決定の中で命じうる(職権ではない)。

解説仮処分命令の執行によって債権者が物の引渡しを受けたり金銭の支払を受けたりした後、その仮処分命令が取り消される場合には、別訴を要せず、債務者の申立てにより、取消決定の中で原状回復(物や金銭の返還)を命ずることができる(33条)。簡易迅速な原状回復を可能にする規定である。

補足原状回復の裁判は、本案訴訟を提起しなくても仮処分の取消しに伴って利用できる点に意義がある。

24特別の事情による保全取消し

民事保全法上の特別の事情による保全取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 仮処分命令により償うことができない損害を生ずるおそれがあるときその他の特別の事情があるときは、債務者は、担保を立てることを条件として仮処分命令の取消しを求めることができる。
  • 特別の事情による保全取消しにおいて、特別の事情は疎明することを要しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
39条1項が特別事情による保全取消しを定める

民事保全法第39条仮処分命令により償うことができない損害を生ずるおそれがあるときその他の特別の事情があるときは、仮処分命令を発した裁判所又は本案の裁判所は、債務者の申立てにより、担保を立てることを条件として仮処分命令を取り消すことができるe-Gov原文

誤り
39条2項が疎明を要求する

民事保全法第39条前項の特別の事情は、疎明しなければならないe-Gov原文

ひっかけ特別事情取消しは『仮処分』に特有。特別の事情は『疎明』が必要。

解説仮処分命令は、被保全権利が認められても、それにより債務者に償えない損害が生じるおそれがあるなどの特別の事情があるときは、債務者の申立てにより、担保を立てることを条件として取り消すことができる(特別の事情による保全取消し・39条1項)。この特別の事情は疎明しなければならない(同条2項)。仮処分に特有の取消事由である。

補足本案不提起による取消し(37条)や事情変更による取消し(38条)とは別個の取消事由である。

25第三者異議の訴えの管轄裁判所の特例

民事保全法上の第三者異議の訴えの管轄裁判所の特例に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 高等裁判所が保全執行裁判所としてした保全執行に対する第三者異議の訴えは、その高等裁判所が管轄する。
  • 高等裁判所が保全執行裁判所としてした保全執行に対する第三者異議の訴えは、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
45条が地方裁判所の管轄を定める

民事保全法第45条仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄するe-Gov原文

正しい
45条が管轄裁判所の特例を定める

民事保全法第45条高等裁判所が保全執行裁判所としてした保全執行に対する第三者異議の訴えは、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄するe-Gov原文

ひっかけ高裁が保全執行裁判所でも、第三者異議の訴えは『物等の所在地の地裁』が管轄。

解説第三者異議の訴えは執行裁判所が管轄するのが原則だが、高等裁判所が保全執行裁判所として執行をした場合は、高裁を第一審とすると審級の利益を欠くため、特例として、仮に差し押さえるべき物又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する(45条)。当事者の審級の利益を確保する趣旨である。

補足第三者異議の訴えは、保全執行の目的物について所有権その他目的物の譲渡・引渡しを妨げる権利を有する第三者が提起する。

26追加担保を提供しないことによる保全執行の取消し

民事保全法上の追加担保を提供しないことによる保全執行の取消しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 担保を立てることを保全執行の続行の条件とする裁判があった場合、債権者が期間内に担保を立てなくても、保全執行裁判所は職権で執行処分を取り消さなければならない。
  • 債権者が担保を立てたことを証する書面を提出しない場合でも、債務者が裁判の正本を提出したかどうかにかかわらず、執行処分が取り消されることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
44条2項が債務者の正本提出を要件とする

民事保全法第44条債務者が同項の裁判の正本を提出したときは、保全執行裁判所又は執行官は、既にした執行処分を取り消さなければならないe-Gov原文

誤り
44条2項が執行処分の取消しを定める

民事保全法第44条債務者が同項の裁判の正本を提出したときは、保全執行裁判所又は執行官は、既にした執行処分を取り消さなければならないe-Gov原文

ひっかけ追加担保不提供による執行取消しは『債務者の裁判正本提出』が引き金(当然取消しではない)。

解説保全異議や保全取消しの審理で、担保を立てることを保全執行の続行の条件とする裁判がされた場合、債権者は期間内に担保を立てた証明書面を提出しなければならない(44条1項)。債権者がこれを提出せず、債務者がその裁判の正本を提出したときは、保全執行裁判所又は執行官は既にした執行処分を取り消す(同条2項)。当然取消しではなく、債務者の正本提出が引き金となる。

補足債権者が期間内に担保を立てれば、保全執行はそのまま続行される。

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