問1抵当不動産の果実への効力
抵当権の効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ。
- イ.同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 371条のとおり → 正しい
民法第371条「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ」e-Gov原文
- イ.正しい
- 373条のとおり → 正しい
民法第373条「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による」e-Gov原文
ひっかけ抵当権は『不履行後』の果実に及ぶ。順位は『登記の前後』による(371条・373条)。
解説抵当権は、被担保債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ(371条)。不履行前は果実に及ばない点に注意する。また、同一不動産上の数個の抵当権の順位は登記の前後による(373条)。抵当権の果実への効力と順位を押さえる。
補足抵当権は使用収益を設定者に委ねるため、平時(不履行前)は果実に及ばないが、不履行後は担保価値を確保するため果実に及ぶ。順位は登記の先後で決まる。
問2抵当権の順位
抵当権の順位及び効力に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による。
- イ.抵当権は、その担保する債権について不履行があったときであっても、抵当不動産の果実には及ばない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 373条のとおり → 正しい
民法第373条「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による」e-Gov原文
- イ.誤り
- 不履行後は果実に及ぶ → 『果実には及ばない』は誤り
民法第371条「抵当権は、その担保する債権について不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ」e-Gov原文
ひっかけ順位は『登記の前後』。抵当権は『不履行後』の果実に及ぶ(373条・371条)。
解説同一不動産上の数個の抵当権の順位は登記の前後による(373条)。先順位の抵当権者が優先弁済を受ける。また、抵当権は被担保債権の不履行があったときは、その後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ(371条)。順位と果実への効力を押さえる。
補足抵当権の順位は登記で決まるため、設定の先後ではなく登記の先後が基準である。不履行前は設定者が果実を取得でき、不履行後に抵当権の効力が果実に及ぶ。
問3抵当権の順位の変更
抵当権の順位の変更及び代価弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない。
- イ.抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 374条1項のとおり → 正しい
民法第374条「抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更することができる。ただし、利害関係を有する者があるときは、その承諾を得なければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 378条のとおり → 正しい
民法第378条「抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する」e-Gov原文
ひっかけ順位の変更は『抵当権者の合意+利害関係人の承諾』。代価弁済は抵当権者の請求に応じた弁済で抵当権が『消滅』(374条・378条)。
解説抵当権の順位は、各抵当権者の合意によって変更でき、利害関係を有する者があるときはその承諾を要する(374条1項)。代価弁済は、抵当不動産の所有権・地上権の買主が抵当権者の請求に応じて代価を弁済すると、抵当権がその第三者のために消滅する制度である(378条)。順位の変更と代価弁済を押さえる。
補足順位の変更は登記をしなければ効力を生じない(374条2項)。代価弁済は『抵当権者からの請求』が起点で、抵当権消滅請求(第三取得者から行う・379条)と起点が逆である点を区別する。
問4抵当権の被担保債権の範囲(利息の制限)
抵当権の被担保債権の範囲及び処分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の2年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。
- イ.抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とすることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 375条1項のとおり → 正しい
民法第375条「その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 抵当権者は抵当権を他の債権の担保とできる(転抵当) → 『できない』は誤り
民法第376条「抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし」e-Gov原文
ひっかけ利息その他の定期金は『最後の2年分』のみ抵当権を行使できる。抵当権は他の債権の担保(転抵当)に『できる』(375条・376条)。
解説抵当権者は、利息その他の定期金については、満期となった最後の2年分についてのみ抵当権を行使できる(375条1項)。後順位者等の利益を保護するための制限である。また、抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし(転抵当)、又は抵当権・順位を譲渡・放棄するなどの処分ができる(376条1項)。被担保債権の範囲と抵当権の処分を押さえる。
補足利息の『最後の2年分』の制限は、後順位抵当権者や一般債権者がいる場合に意味を持つ。抵当権の処分(転抵当・順位譲渡・順位放棄等)は、抵当権の交換価値を活用する制度である。
問5抵当権の処分
抵当権の処分及び共同抵当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
- イ.債権者が同一の債権の担保として数個の不動産につき抵当権を有する場合において、同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 376条1項のとおり → 正しい
民法第376条「抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 392条1項のとおり → 正しい
民法第392条「同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する」e-Gov原文
ひっかけ抵当権者は転抵当・譲渡・放棄等の『処分』ができる。共同抵当の同時配当は各不動産の『価額に応じて按分』(376条・392条)。
解説抵当権者は、転抵当、抵当権の譲渡・放棄、抵当権の順位の譲渡・放棄など、抵当権を処分できる(376条1項)。また、共同抵当(同一債権の担保として数個の不動産に抵当権を有する場合)で同時に代価を配当すべきときは、各不動産の価額に応じて債権の負担を按分する(392条1項、同時配当)。抵当権の処分と共同抵当の同時配当を押さえる。
補足抵当権の処分の利益を受ける者の順位は、抵当権登記にした付記の前後による(376条2項)。共同抵当の同時配当では各不動産が価額に応じて負担を分担するため、後順位者の保護が図られる。
問6代価弁済
代価弁済及び抵当権消滅請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。
- イ.抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 378条のとおり → 正しい
民法第378条「抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 第三取得者は抵当権消滅請求ができる → 『できない』は誤り
民法第379条「抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ代価弁済は抵当権者の請求に応じた弁済で抵当権が『消滅』。第三取得者は抵当権消滅請求が『できる』(378条・379条)。
解説代価弁済は、抵当不動産の所有権・地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じて代価を弁済すると、抵当権がその第三者のために消滅する制度である(378条)。一方、抵当不動産の第三取得者は、自ら抵当権消滅請求をすることができる(379条)。代価弁済(抵当権者起点)と抵当権消滅請求(第三取得者起点)を区別して押さえる。
補足代価弁済は抵当権者が請求し、第三者が代価を支払う制度。抵当権消滅請求は第三取得者が一定額を提供して抵当権の消滅を求める制度で、主体が逆である点が頻出の区別ポイントである。
問7抵当権消滅請求
抵当権消滅請求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人も、抵当権消滅請求をすることができる。
- イ.抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 主たる債務者・保証人等は抵当権消滅請求ができない → 『することができる』は誤り
民法第380条「主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 379条のとおり → 正しい
民法第379条「抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ抵当権消滅請求は『第三取得者』ができる。『主たる債務者・保証人等』はできない(379条・380条)。
解説抵当不動産の第三取得者は、383条の定めるところにより抵当権消滅請求をすることができる(379条)。一方、主たる債務者・保証人及びこれらの者の承継人は、債務を全額弁済すべき立場にあるため、抵当権消滅請求をすることができない(380条)。抵当権消滅請求の主体と、できない者を押さえる。
補足抵当権消滅請求ができるのは『第三取得者』に限られる。主たる債務者・保証人等は本来全額弁済すべき立場なので、一部の金額提供で抵当権を消滅させる消滅請求は認められない。
問8抵当権消滅請求をすることができない者
抵当権消滅請求の主体に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をすることができない。
- イ.主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 第三取得者は抵当権消滅請求ができる → 『することができない』は誤り
民法第379条「抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 380条のとおり → 正しい
民法第380条「主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない」e-Gov原文
ひっかけ『第三取得者』は抵当権消滅請求ができ、『主たる債務者・保証人・その承継人』はできない(379条・380条)。
解説抵当不動産の第三取得者は抵当権消滅請求ができる(379条)が、主たる債務者・保証人及びこれらの者の承継人は抵当権消滅請求をすることができない(380条)。債務を全額弁済すべき者に、一部金額の提供で抵当権を消滅させることを認めるのは不当だからである。請求できる者・できない者を押さえる。
補足第三取得者でも、停止条件付第三取得者でその条件成否未定の間は抵当権消滅請求ができない(381条)。主体の区別が繰り返し問われる論点である。
問9同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力
抵当権と賃貸借及び抵当地上の建物の競売に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権の設定後に抵当地に建物が築造された場合であっても、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することはできない。
- イ.登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 抵当権者は土地とともに建物を一括競売できる → 『できない』は誤り
民法第389条「抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 387条1項のとおり → 正しい
民法第387条「登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる」e-Gov原文
ひっかけ抵当地に後から築造された建物は『土地とともに一括競売』できる。登記賃貸借は『全先順位抵当権者の同意登記』で対抗できる(389条・387条)。
解説抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は土地とともにその建物を競売できる(389条1項、一括競売。ただし優先権は土地の代価のみ)。また、登記をした賃貸借は、その登記前に登記したすべての抵当権者が同意し、その同意の登記があれば、同意した抵当権者に対抗できる(387条1項)。一括競売と同意登記による賃貸借の対抗を押さえる。
補足一括競売は更地に抵当権を設定した後に建物が建てられた場合の制度で、優先弁済は土地の代価についてのみ及ぶ。賃貸借が抵当権に対抗するには、原則として全先順位抵当権者の同意とその登記が必要である。
問10抵当地の上の建物の競売
抵当地上の建物の競売及び順位の変更に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
- イ.抵当権の順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 389条1項のとおり → 正しい
民法第389条「抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 374条2項のとおり → 正しい
民法第374条「前項の規定による順位の変更は、その登記をしなければ、その効力を生じない」e-Gov原文
ひっかけ一括競売はできるが優先権は『土地の代価』のみ。順位の変更は『登記』が効力要件(389条・374条)。
解説抵当権設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は土地とともに建物を競売できるが、優先弁済を受けられるのは土地の代価についてのみである(389条1項、一括競売)。また、抵当権の順位の変更は、その登記をしなければ効力を生じない(374条2項、登記が効力要件)。一括競売の範囲と順位変更の登記を押さえる。
補足一括競売では建物も競売できるが、抵当権者は土地の代価からしか優先弁済を受けられない。抵当権の順位の変更は、対抗要件ではなく『効力要件』としての登記である点に注意する。
問11第三取得者による費用の償還
抵当不動産の第三取得者による費用償還及び被担保債権の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当不動産の第三取得者は、抵当不動産について必要費又は有益費を支出したときは、所定の区別に従い、抵当不動産の代価から、他の債権者より先にその償還を受けることができる。
- イ.抵当権者は、利息その他の定期金については、満期となった全期間分について、その抵当権を行使することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 391条のとおり → 正しい
民法第391条「抵当不動産の代価から、他の債権者より先にその償還を受けることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 利息は最後の2年分のみ行使できる → 『全期間分』は誤り
民法第375条「その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる」e-Gov原文
ひっかけ第三取得者は支出した費用を代価から『優先償還』できる。利息は『最後の2年分』のみ(391条・375条)。
解説抵当不動産の第三取得者は、その不動産に必要費・有益費を支出したときは、所定の区別(196条)に従い、抵当不動産の代価から他の債権者より先に償還を受けられる(391条)。また、抵当権者は利息その他の定期金については満期となった最後の2年分についてのみ抵当権を行使できる(375条1項)。第三取得者の費用償還と被担保債権の範囲を押さえる。
補足第三取得者の費用償還は、抵当不動産の価値維持・増加に寄与した費用を保護するもの。利息の『最後の2年分』制限とあわせて、抵当権の優先弁済の範囲を整理する。
問12共同抵当における同時配当
共同抵当及び抵当不動産以外の財産からの弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分があっても、他の財産から弁済を受けることはできない。
- イ.共同抵当において、同時にその代価を配当すべきときは、各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 不足部分は他の財産から弁済を受けられる → 『受けることはできない』は誤り
民法第394条「抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 392条1項のとおり → 正しい
民法第392条「同時にその代価を配当すべきときは、その各不動産の価額に応じて、その債権の負担を按分する」e-Gov原文
ひっかけ抵当権者は『不足する部分のみ』他の財産から弁済を受けられる。共同抵当の同時配当は『価額に応じて按分』(394条・392条)。
解説抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産(一般財産)から弁済を受けられる(394条1項)。まず抵当不動産から優先弁済を受け、不足分のみ一般財産にかかる。また、共同抵当で同時に代価を配当すべきときは、各不動産の価額に応じて債権の負担を按分する(392条1項、同時配当)。抵当権者の一般財産への弁済と共同抵当の同時配当を押さえる。
補足394条は、抵当権者がまず抵当不動産から優先弁済を受け、一般債権者の引当てとなる一般財産への食い込みを抑える趣旨。共同抵当の同時配当は各不動産の価額に比例して負担を分ける。
問13抵当不動産以外の財産からの弁済
抵当不動産以外の財産からの弁済及び第三取得者の費用償還に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受ける前であっても、他の財産から自由に債権全額の弁済を受けることができる。
- イ.抵当不動産の第三取得者は、抵当不動産について必要費又は有益費を支出しても、他の債権者に優先してその償還を受けることはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 不足する部分のみ他の財産から弁済を受けられる → 『自由に全額の弁済を受けられる』は誤り
民法第394条「抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 第三取得者は費用を他の債権者より先に償還を受けられる → 『優先して受けられない』は誤り
民法第391条「抵当不動産の代価から、他の債権者より先にその償還を受けることができる」e-Gov原文
ひっかけ抵当権者は『不足部分のみ』他の財産から弁済。第三取得者は支出費用を『優先償還』できる(394条・391条)。
解説抵当権者は、抵当不動産の代価から弁済を受けない債権の部分についてのみ、他の財産から弁済を受けられる(394条1項)。まず抵当不動産から優先弁済を受けるのが原則である。また、抵当不動産の第三取得者は、支出した必要費・有益費を抵当不動産の代価から他の債権者に優先して償還を受けられる(391条)。抵当権者の一般財産への弁済と第三取得者の費用償還を押さえる。
補足394条は一般債権者を保護する趣旨で、抵当権者にまず抵当不動産からの回収を求める。ただし、抵当不動産より先に他の財産が配当される場合には適用されない(394条2項)。
問14抵当権の被担保債権の範囲(遅延損害金の制限)
抵当権の被担保債権の範囲及び代価弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.抵当権者は、債務の不履行によって生じた損害の賠償(遅延損害金)については、年数の制限なく、その全額について抵当権を行使することができる。
- イ.抵当不動産について所有権を買い受けた第三者が抵当権者にその代価を弁済しても、抵当権は消滅しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 遅延損害金も最後の2年分に制限される → 『年数の制限なく全額』は誤り
民法第375条「抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 代価弁済により抵当権は消滅する → 『消滅しない』は誤り
ひっかけ遅延損害金も『最後の2年分』に制限(利息と通算で2年分超えない)。代価弁済で抵当権は『消滅』(375条・378条)。
解説抵当権者は、債務不履行による損害賠償(遅延損害金)についても、最後の2年分に限り抵当権を行使でき、利息その他の定期金と通算して2年分を超えることはできない(375条2項)。また、代価弁済により抵当権は買主のために消滅する(378条)。被担保債権の範囲の制限と代価弁済の効果を押さえる。
補足利息と遅延損害金は通算して『2年分』が抵当権の被担保債権の範囲の上限となる(後順位者・一般債権者保護)。元本は全額が担保される点と区別する。
問15共同抵当における異時配当
共同抵当の異時配当及び抵当権の順位に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.共同抵当において、ある不動産の代価のみを配当すべきときであっても、抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることはできない。
- イ.同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、設定契約の前後による。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 異時配当では抵当権者はその代価から債権全部の弁済を受けられる → 『受けることはできない』は誤り
民法第392条「抵当権者は、その代価から債権の全部の弁済を受けることができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 抵当権の順位は登記の前後による → 『設定契約の前後による』は誤り
民法第373条「同一の不動産について数個の抵当権が設定されたときは、その抵当権の順位は、登記の前後による」e-Gov原文
ひっかけ異時配当ではその不動産の代価から『債権の全部』の弁済を受けられる。順位は『登記の前後』(設定契約の前後ではない)(392条・373条)。
解説共同抵当において、ある不動産の代価のみを配当すべきとき(異時配当)は、抵当権者はその代価から債権の全部の弁済を受けられる(392条2項)。この場合、次順位抵当権者は一定の範囲で先順位者に代位できる。また、抵当権の順位は登記の前後による(373条、設定契約の前後ではない)。共同抵当の異時配当と抵当権の順位を押さえる。
補足異時配当で先順位の共同抵当権者が一方の不動産から全額回収すると、その不動産の後順位抵当権者は、同時配当であれば先順位者が他の不動産から受けられたはずの額について先順位者に代位する(392条2項後段)。順位は登記が基準である。