問1贈与
贈与及び和解に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
- イ.和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 549条のとおり → 正しい
民法第549条「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 695条のとおり → 正しい
民法第695条「和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ贈与は『無償で与える意思+受諾』で成立(諾成)。和解は『互いに譲歩』して争いをやめる契約(549条・695条)。
解説贈与は、当事者の一方が財産を無償で与える意思を表示し、相手方が受諾することによって効力を生ずる諾成・無償・片務契約である(549条)。和解は、当事者が互いに譲歩(互譲)してその間の争いをやめることを約する契約である(695条)。典型契約の成立要件を押さえる。
補足贈与は受諾を要する諾成契約であり、口頭でも成立する。ただし書面によらない贈与は各当事者が解除できる(550条)。和解は互譲が要件であり、一方のみの譲歩では和解にならない。
問2書面によらない贈与の解除
贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
- イ.贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示すれば、相手方の受諾がなくても、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 550条のとおり → 正しい
民法第550条「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 贈与は相手方の受諾によって効力を生ずる → 『受諾がなくても効力を生ずる』は誤り
民法第549条「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ書面によらない贈与は『解除できる』(履行済み部分を除く)。贈与は相手方の『受諾』で効力(550条・549条)。
解説書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分についてはこの限りでない(550条)。軽率な贈与から贈与者を保護する趣旨である。また、贈与は相手方の受諾によって効力を生ずる諾成契約である(549条)。書面によらない贈与の解除と贈与の成立を押さえる。
補足書面による贈与は解除できない(拘束力が強い)。書面によらない贈与でも、引渡し等の履行が終わった部分は解除できない。動産は引渡し、不動産は引渡し又は登記で履行が終わったと扱われる。
問3負担付贈与
負担付贈与及び消費貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する。
- イ.消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 553条のとおり → 正しい
民法第553条「負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 587条のとおり → 正しい
民法第587条「消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ負担付贈与には『双務契約の規定』を準用。消費貸借は物を『受け取って』効力(要物)(553条・587条)。
解説負担付贈与については、その性質に反しない限り双務契約に関する規定が準用される(553条)。受贈者が負担を履行しないときは贈与者が解除できる等、双務契約に近い扱いとなる。また、消費貸借は、同種・同等・同量の物を返還することを約して相手方から物を受け取ることによって効力を生ずる要物契約である(587条)。負担付贈与と消費貸借を押さえる。
補足負担付贈与では、贈与者は負担の限度で売主と同じく担保責任を負う(551条2項)。消費貸借は原則として要物契約だが、書面でする消費貸借は合意のみで成立する諾成契約である(587条の2)。
問4消費貸借
消費貸借及び利息に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
- イ.消費貸借の貸主は、特約がなくても、借主に対して当然に利息を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 587条のとおり → 正しい
民法第587条「消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 利息は特約がなければ請求できない → 『特約がなくても当然に請求できる』は誤り
民法第589条「貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない」e-Gov原文
ひっかけ消費貸借は物を『受け取って』効力(要物)。利息は『特約がなければ』請求できない(587条・589条)。
解説消費貸借は、同種・同等・同量の物の返還を約して相手方から物を受け取ることによって効力を生ずる要物契約である(587条)。貸主は、特約がなければ借主に対して利息を請求することができない(589条1項、消費貸借は原則として無利息)。特約があれば、借主が物を受け取った日以後の利息を請求できる(同条2項)。消費貸借の成立と利息を押さえる。
補足民法上の消費貸借は原則無利息であり、利息を取るには特約が必要である(商人間の金銭消費貸借は商法513条で当然に利息が生じる点と区別)。要物契約だが、書面でする消費貸借(587条の2)は諾成契約となる。
問5利息
消費貸借の利息及び組合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.消費貸借の貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない。
- イ.組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 589条1項のとおり → 正しい
民法第589条「貸主は、特約がなければ、借主に対して利息を請求することができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 667条1項のとおり → 正しい
民法第667条「組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ消費貸借の利息は『特約』が必要。組合契約は『出資+共同事業』の約束で成立(589条・667条)。
解説消費貸借の貸主は、特約がなければ利息を請求できない(589条1項、原則無利息)。組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって効力を生ずる(667条1項)。出資は金銭に限らず労務をその目的とすることもできる(同条2項)。消費貸借の利息と組合契約の成立を押さえる。
補足組合は各組合員の出資により共同事業を営む団体で、出資には労務も含まれる(667条2項)。組合財産は総組合員の共有に属する。
問6使用貸借
使用貸借及び寄託に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。
- イ.寄託は、受寄者が物を受け取らなければ、その効力を生じない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 593条のとおり → 正しい
民法第593条「使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 寄託は承諾によって効力を生ずる諾成契約 → 『受け取らなければ効力を生じない』は誤り
民法第657条「寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ使用貸借は『無償』で使用収益し返還する契約。寄託は『承諾』で効力(諾成・受取り不要)(593条・657条)。
解説使用貸借は、当事者の一方が物を引き渡すことを約し、相手方が無償で使用収益して契約終了時に返還することを約することによって効力を生ずる無償契約である(593条)。寄託は、物の保管の委託と相手方の承諾によって効力を生ずる諾成契約である(657条、2017年改正で要物から諾成へ)。使用貸借と寄託の成立を押さえる。
補足使用貸借は『無償』である点で賃貸借(有償)と区別される。寄託は改正により諾成契約となったため、物の受取り前でも契約は成立する(ただし受取り前は一定の解除権がある。657条の2)。
問7使用貸借の終了
使用貸借の終了に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.使用貸借は、借主が死亡しても終了せず、その地位は借主の相続人に承継される。
- イ.使用貸借は、借主の死亡によって終了する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 使用貸借は借主の死亡で終了する → 『死亡しても終了せず相続人に承継』は誤り
民法第597条「使用貸借は、借主の死亡によって終了する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 597条3項のとおり → 正しい
民法第597条「使用貸借は、借主の死亡によって終了する」e-Gov原文
ひっかけ使用貸借は『借主の死亡』で終了する(相続されない)(597条3項)。
解説使用貸借は、期間を定めたときはその満了で終了し(597条1項)、期間を定めず使用収益の目的を定めたときはその目的に従い使用収益を終えることで終了する(同条2項)。そして、使用貸借は借主の死亡によって終了する(同条3項)。無償で借主個人を信頼して貸すものだからである。賃貸借が相続されるのと対照的である点を押さえる。
補足使用貸借は借主の死亡で終了する(597条3項)が、賃貸借は借主が死亡しても終了せず相続人に承継される。無償(使用貸借)か有償(賃貸借)かによる扱いの違いが頻出である。
問8借主による収去等
使用貸借の借主の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合であっても、使用貸借が終了したときに、その附属させた物を収去する義務を負わない。
- イ.借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、使用貸借が終了したときは、その附属させた物を収去する義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 借主は附属させた物の収去義務を負う → 『収去する義務を負わない』は誤り
民法第599条「借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、使用貸借が終了したときは、その附属させた物を収去する義務を負う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 599条1項のとおり → 正しい
民法第599条「借主は、借用物を受け取った後にこれに附属させた物がある場合において、使用貸借が終了したときは、その附属させた物を収去する義務を負う」e-Gov原文
ひっかけ使用貸借の借主は、附属させた物の『収去義務』を負う(599条1項)。
解説使用貸借の借主は、借用物に附属させた物がある場合、使用貸借が終了したときはその附属物を収去する義務を負う(599条1項本文。分離できない物や分離に過分の費用を要する物は除く)。借主は附属物を収去する権利も有し(同条2項)、借用物に生じた損傷は原状回復義務を負う(同条3項)。使用貸借の借主の収去・原状回復義務を押さえる。
補足収去義務の例外として、借用物から分離できない物や分離に過分の費用を要する物は収去しなくてよい(599条1項ただし書)。借主は通常の必要費を負担する(595条)点もあわせて押さえる。
問9寄託者による返還請求
寄託に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が寄託物の返還の時期を定めたときは、寄託者は、その時期が到来するまで、寄託物の返還を請求することができない。
- イ.当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 寄託者はいつでも返還を請求できる → 『時期到来まで請求できない』は誤り
民法第662条「当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 662条1項のとおり → 正しい
民法第662条「当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者は、いつでもその返還を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ寄託者は、返還時期を定めていても『いつでも』返還を請求できる(662条1項)。
解説当事者が寄託物の返還の時期を定めたときであっても、寄託者はいつでもその返還を請求できる(662条1項)。寄託は寄託者の利益のための契約だからである。ただし、受寄者は、寄託者が期限前に返還を請求したことによって損害を受けたときは、その賠償を請求できる(同条2項)。寄託者の返還請求権を押さえる。
補足寄託者はいつでも返還請求できる一方、受寄者の側からの返還は、返還時期の定めがあるときはやむを得ない事由がなければ期限前に返還できない(663条2項)。寄託者と受寄者で扱いが異なる点に注意する。
問10寄託
寄託及び組合に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。
- イ.当事者が組合員の損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員の出資の価額に応じて定める。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 657条のとおり → 正しい
民法第657条「寄託は、当事者の一方がある物を保管することを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 674条1項のとおり → 正しい
民法第674条「当事者が損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員の出資の価額に応じて定める」e-Gov原文
ひっかけ寄託は『承諾』で効力(諾成)。組合の損益分配は定めがなければ『出資の価額』に応じる(657条・674条)。
解説寄託は、物の保管の委託と相手方の承諾によって効力を生ずる諾成契約である(657条)。組合員の損益分配の割合は、当事者が定めなかったときは各組合員の出資の価額に応じて定める(674条1項)。利益又は損失のいずれか一方についてのみ割合を定めたときは、その割合は利益・損失に共通であると推定される(同条2項)。寄託と組合の損益分配を押さえる。
補足損益分配は出資の価額に応じるのが原則だが、組合契約で別段の定めをすることもできる。出資には労務も含まれる(667条2項)ため、労務出資者の評価額に応じた分配となる。
問11組合契約
組合契約及び使用貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
- イ.使用貸借は、借主が貸主に対価を支払って、その物を使用及び収益をする契約である。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 667条1項のとおり → 正しい
民法第667条「組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 使用貸借は無償で使用収益する → 『対価を支払って使用収益する』は誤り(それは賃貸借)
ひっかけ組合契約は『出資+共同事業』で成立。使用貸借は『無償』(対価を払うのは賃貸借)(667条・593条)。
解説組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって効力を生ずる(667条1項)。使用貸借は、無償で物を使用収益して返還する契約である(593条)。対価を支払って使用収益するのは賃貸借(601条)であり、使用貸借とは区別される。組合契約の成立と、使用貸借(無償)・賃貸借(有償)の違いを押さえる。
補足使用貸借(無償)と賃貸借(有償)は、対価の有無で区別される。借主の死亡で終了する(使用貸借)か相続される(賃貸借)か、対抗力の有無など、効果に多くの違いがある。
問12組合の業務の決定及び執行
組合の業務執行に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.組合の業務は、総組合員の一致によらなければ、決定することができない。
- イ.組合の業務は、組合員の過半数をもって決定し、各組合員がこれを執行する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 組合の業務は組合員の過半数で決定する → 『総組合員の一致』は誤り
民法第670条「組合の業務は、組合員の過半数をもって決定し、各組合員がこれを執行する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 670条1項のとおり → 正しい
民法第670条「組合の業務は、組合員の過半数をもって決定し、各組合員がこれを執行する」e-Gov原文
ひっかけ組合の業務は『組合員の過半数』で決定(全員一致ではない)(670条1項)。
解説組合の業務は、組合員の過半数をもって決定し、各組合員がこれを執行する(670条1項)。業務の決定・執行は組合契約で1人又は数人の組合員又は第三者(業務執行者)に委任することもできる(同条2項)。業務執行者が数人あるときは、その過半数で決定する(同条3項)。組合の業務執行の方法を押さえる。
補足組合の業務は『過半数』が原則で、組合契約の変更等の重要事項は全員一致を要する場合がある。常務(日常的な業務)は各組合員が単独で行える(670条5項)。
問13組合員の損益分配の割合
組合の損益分配及び負担付贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員に平等に分配されるものとする。
- イ.負担付贈与については、双務契約に関する規定が準用されることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 損益分配は出資の価額に応じる → 『各組合員に平等』は誤り
民法第674条「当事者が損益分配の割合を定めなかったときは、その割合は、各組合員の出資の価額に応じて定める」e-Gov原文
- イ.誤り
- 負担付贈与には双務契約の規定を準用する → 『準用されることはない』は誤り
民法第553条「負担付贈与については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定を準用する」e-Gov原文
ひっかけ損益分配は『出資の価額』に応じる(平等ではない)。負担付贈与には双務契約の規定を『準用』する(674条・553条)。
解説組合員の損益分配の割合は、当事者が定めなかったときは各組合員の出資の価額に応じて定める(674条1項)。出資額の多い者がより多くの損益を分配されるのが原則である。また、負担付贈与には、その性質に反しない限り双務契約に関する規定が準用される(553条)。損益分配と負担付贈与を押さえる。
補足損益分配は出資の価額に応じるのが原則で、平等分配ではない。利益又は損失の一方のみ割合を定めたときは、利益・損失に共通と推定される(674条2項)。
問14和解
和解及び書面によらない贈与に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.和解は、当事者の一方のみが譲歩をして、その間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
- イ.書面によらない贈与であっても、各当事者は、これを解除することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 和解は互いに譲歩して成立する → 『一方のみが譲歩』は誤り
民法第695条「和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 書面によらない贈与は各当事者が解除できる → 『解除することができない』は誤り
民法第550条「書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる」e-Gov原文
ひっかけ和解は『互いに譲歩』して成立(一方のみは不可)。書面によらない贈与は『解除できる』(695条・550条)。
解説和解は、当事者が互いに譲歩(互譲)してその間の争いをやめることを約することによって効力を生ずる(695条)。一方のみの譲歩では和解にならない。また、書面によらない贈与は、各当事者が解除できる(550条本文。履行の終わった部分を除く)。和解の互譲の要件と書面によらない贈与の解除を押さえる。
補足和解の要件は『争いの存在』『互譲』『争いをやめる合意』である。互譲がない場合は和解とは認められない。書面による贈与は解除できないが、書面によらない贈与は履行前なら解除できる。
問15和解の効力
和解の効力及び消費貸借に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.和解によって当事者の一方が権利を有するものと認められた後に、その者が従来その権利を有していなかった旨の確証が得られたときは、和解の効力は失われ、その権利は移転しなかったものとされる。
- イ.消費貸借は、当事者の合意のみによって成立し、物の引渡しを要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 和解後に確証が得られても権利は和解により移転・消滅したものとされる → 『効力が失われ移転しなかった』は誤り
民法第696条「その権利は、和解によってその当事者の一方に移転し、又は消滅したものとする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 消費貸借(587条)は物を受け取ることで効力を生ずる要物契約 → 『合意のみで成立し引渡しを要しない』は誤り
民法第587条「相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ和解後に確証が得られても、権利は『和解により移転・消滅したもの』とされる(覆らない)。消費貸借(587条)は『要物』(696条・587条)。
解説和解によって当事者の一方が権利を有する(又は有しない)ものと認められた場合に、後に従来そうでなかった旨の確証が得られたときでも、その権利は和解によって移転し又は消滅したものとされる(696条、和解の確定効)。和解の蒸し返しを防ぐ趣旨である。また、消費貸借(587条)は物を受け取って効力を生ずる要物契約である。和解の効力と消費貸借の成立を押さえる。
補足和解には確定効があり、後で真実と異なることが判明しても原則として覆せない。なお消費貸借も、書面でする場合は合意のみで成立する諾成契約となる(587条の2)。587条の原則(要物)と例外(書面なら諾成)を区別する。