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民法・第8

権利関係(相続・遺言・遺留分②)の問題(15問)

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この章で確認する論点

8章では、子の相続権・代襲相続・直系尊属及び兄弟姉妹の相続権・配偶者の相続権・相続人の欠格事由を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1子の相続権

相続人に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 被相続人の子は、相続人となる。
  • 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
887条1項のとおり → 正しい

民法第887条被相続人の子は、相続人となるe-Gov原文

正しい
890条のとおり → 正しい

民法第890条被相続人の配偶者は、常に相続人となるe-Gov原文

ひっかけ被相続人の子は相続人。配偶者は『常に』相続人(887条・890条)。

解説被相続人の子は相続人となる(887条1項、第1順位)。被相続人の配偶者は常に相続人となり、子等の血族相続人があるときはこれと同順位となる(890条)。相続人の範囲(配偶者は常に、血族は子→直系尊属→兄弟姉妹の順位)を押さえる。

補足配偶者は常に相続人となるが、内縁の配偶者には相続権がない。血族相続人は、子(887条)、直系尊属、兄弟姉妹(889条)の順で、先順位者があれば後順位者は相続人とならない。

2代襲相続

代襲相続及び配偶者の相続権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は相続人の欠格事由に該当し、若しくは廃除によってその相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
  • 被相続人の配偶者は、被相続人に子があるときは、相続人とならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
887条2項のとおり → 正しい

民法第887条その者の子がこれを代襲して相続人となるe-Gov原文

誤り
配偶者は常に相続人となる → 『子があるときは相続人とならない』は誤り

民法第890条被相続人の配偶者は、常に相続人となるe-Gov原文

ひっかけ子の死亡・欠格・廃除で孫が『代襲』相続。配偶者は子があっても『常に』相続人(887条・890条)。

解説被相続人の子が相続開始以前に死亡したとき、相続欠格に該当したとき、又は廃除によって相続権を失ったときは、その者の子(孫)が代襲して相続人となる(887条2項)。代襲原因は死亡・欠格・廃除であり、相続放棄は代襲原因にならない点に注意する。また、配偶者は子があっても常に相続人となる(890条)。代襲相続と配偶者の相続権を押さえる。

補足代襲原因は『死亡・欠格・廃除』の3つで、相続放棄は含まれない(放棄した者の子は代襲しない)。子の代襲者(孫)が死亡等の場合は、さらにその子(ひ孫)が再代襲する(887条3項)。

3直系尊属及び兄弟姉妹の相続権

相続人の順位及び遺言の撤回に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 被相続人の直系尊属及び兄弟姉妹は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合に、所定の順位に従って相続人となる。
  • 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
889条1項のとおり → 正しい

民法第889条次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となるe-Gov原文

正しい
1022条のとおり → 正しい

民法第1022条遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができるe-Gov原文

ひっかけ子等がなければ『直系尊属→兄弟姉妹』の順で相続。遺言者はいつでも遺言を『撤回』できる(889条・1022条)。

解説子(及びその代襲者)がない場合には、第2順位として直系尊属、第3順位として兄弟姉妹が相続人となる(889条1項)。直系尊属では親等の近い者が先になる。また、遺言者はいつでも遺言の方式に従って遺言の全部又は一部を撤回できる(1022条)。相続人の順位と遺言撤回の自由を押さえる。

補足兄弟姉妹も代襲相続が認められる(889条2項が887条2項を準用)が、再代襲はない(甥姪までで止まる)。遺言の撤回権は放棄できない(1026条)。

4配偶者の相続権

配偶者の相続権及び子の相続権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。
  • 被相続人の子は、相続人とならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
890条のとおり → 正しい

民法第890条被相続人の配偶者は、常に相続人となるe-Gov原文

誤り
被相続人の子は相続人となる → 『相続人とならない』は誤り

民法第887条被相続人の子は、相続人となるe-Gov原文

ひっかけ配偶者は『常に』相続人。被相続人の子は『相続人となる』(第1順位)(890条・887条)。

解説被相続人の配偶者は常に相続人となる(890条)。配偶者は血族相続人(子・直系尊属・兄弟姉妹)と並んで相続人となり、血族相続人があるときはこれと同順位となる。被相続人の子は第1順位の相続人である(887条1項)。配偶者と子の相続権を押さえる。

補足配偶者がいる場合の法定相続分は、相手の血族相続人の順位によって異なる(子と2分の1ずつ、直系尊属となら3分の2、兄弟姉妹となら4分の3)。配偶者は常に相続人となる点をまず押さえる。

5相続人の欠格事由

相続人の欠格及び限定承認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために刑に処せられた者は、相続人となることができない。
  • 限定承認とは、相続人が、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることをいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
891条のとおり → 正しい

民法第891条次に掲げる者は、相続人となることができないe-Gov原文

正しい
922条のとおり → 正しい

民法第922条相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができるe-Gov原文

ひっかけ故意に被相続人等を死亡させ刑に処せられた者は『欠格』。限定承認は『得た財産の限度』で弁済を留保する承認(891条・922条)。

解説故意に被相続人又は先順位・同順位の相続人を死亡させ又は死亡させようとして刑に処せられた者、詐欺・強迫で遺言を妨げ又はさせた者、遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した者等は、相続欠格として相続人となることができない(891条)。欠格は法律上当然に生じる。また、限定承認は、相続で得た財産の限度でのみ債務・遺贈を弁済すれば足りる承認である(922条)。欠格と限定承認を押さえる。

補足相続欠格(891条)は一定の重大な非行があれば法律上当然に相続資格を失うもので、被相続人の意思や手続を要しない。これに対し廃除(892条)は被相続人が家庭裁判所に請求して認められる。

6推定相続人の廃除

推定相続人の廃除及び限定承認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 遺留分を有する推定相続人が被相続人に対して虐待をし、若しくは重大な侮辱を加えたとき、又はその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。
  • 限定承認とは、相続人が被相続人の債務を無限に承継して弁済する責任を負う承認である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
892条のとおり → 正しい

民法第892条被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができるe-Gov原文

誤り
限定承認は得た財産の限度で弁済を留保 → 『債務を無限に承継』は誤り

民法第922条相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができるe-Gov原文

ひっかけ虐待・侮辱・著しい非行があれば被相続人が『廃除』を家裁に請求。限定承認は『得た財産の限度』(892条・922条)。

解説遺留分を有する推定相続人が被相続人に対して虐待・重大な侮辱を加え、又はその他の著しい非行があったときは、被相続人はその推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求できる(892条)。廃除は被相続人の意思に基づく。限定承認は相続で得た財産の限度でのみ債務・遺贈を弁済すべきことを留保してする承認である(922条)。廃除と限定承認を押さえる。

補足廃除の対象は『遺留分を有する推定相続人』に限られる(遺留分のない兄弟姉妹は廃除でなく遺言で相続させないことが可能)。廃除は遺言でもでき、その場合は遺言執行者が家庭裁判所に請求する。

7特別受益者の相続分

特別受益に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 共同相続人中に、被相続人から生計の資本として贈与を受けた者があっても、その贈与は相続分の算定に影響しない。
  • 共同相続人中に、被相続人から遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、その価額を相続財産に加えたものを相続財産とみなして相続分を算定する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
特別受益は持ち戻して相続分を算定する → 『影響しない』は誤り

民法第903条共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときe-Gov原文

正しい
903条1項のとおり → 正しい

民法第903条共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときe-Gov原文

ひっかけ特別受益(遺贈・婚姻養子縁組・生計の資本の贈与)は相続財産に『持ち戻して』相続分を算定(903条)。

解説共同相続人中に、被相続人から遺贈を受け、又は婚姻・養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者(特別受益者)があるときは、その価額を相続財産に加えたものを相続財産とみなし、各自の相続分から特別受益分を控除して具体的相続分を算定する(903条1項、特別受益の持戻し)。相続人間の公平を図る制度である。

補足被相続人は、特別受益の持戻しを免除する意思表示(持戻し免除)をすることができる(903条3項)。なお、婚姻期間20年以上の夫婦間の居住用不動産の遺贈・贈与は、持戻し免除の意思表示があったものと推定される。

8相続の承認又は放棄をすべき期間

相続の承認・放棄の期間に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から1年以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。
  • 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
承認放棄は知った時から3か月以内 → 『1年以内』は誤り

民法第915条自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならないe-Gov原文

正しい
915条1項のとおり → 正しい

民法第915条自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならないe-Gov原文

ひっかけ相続の承認・放棄は『相続開始を知った時から3か月以内』(915条)。

解説相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(熟慮期間)に、相続について単純承認・限定承認・放棄のいずれかをしなければならない(915条1項)。この期間は利害関係人又は検察官の請求により家庭裁判所が伸長できる。期間(3か月)と起算点(相続開始を知った時)を押さえる。

補足起算点は『自己のために相続の開始があったことを知った時』であり、被相続人の死亡時とは限らない。熟慮期間内に限定承認・放棄をしないと、単純承認をしたものとみなされる(921条2号)。

9相続の承認及び放棄の撤回禁止

相続の承認・放棄の撤回に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続の承認及び放棄は、第915条第1項の期間内であれば、撤回することができる。
  • 相続の承認及び放棄は、第915条第1項の期間内でも、撤回することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
承認・放棄は期間内でも撤回できない → 『撤回することができる』は誤り

民法第919条相続の承認及び放棄は、第九百十五条第一項の期間内でも、撤回することができないe-Gov原文

正しい
919条1項のとおり → 正しい

民法第919条相続の承認及び放棄は、第九百十五条第一項の期間内でも、撤回することができないe-Gov原文

ひっかけ相続の承認・放棄は、熟慮期間内であっても『撤回できない』(919条)。

解説相続の承認及び放棄は、915条1項の熟慮期間内であっても撤回することができない(919条1項)。いったんした承認・放棄を翻意で覆すことを認めると、利害関係人の地位が不安定になるからである。ただし、詐欺・強迫等を理由とする取消し(総則・親族編の規定による取消し)は妨げられない(919条2項)。撤回禁止と取消しの区別を押さえる。

補足『撤回できない』とは、理由なく翻意することができないという意味である。詐欺・強迫や錯誤などの取消事由があれば取り消すことができ、その取消権は追認できる時から6か月・承認放棄の時から10年で時効消滅する(919条3項)。

10法定単純承認

法定単純承認及び自筆証書遺言に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは、原則として、単純承認をしたものとみなされる。
  • 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
921条のとおり → 正しい

民法第921条次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなすe-Gov原文

民法第921条相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときe-Gov原文

正しい
968条1項のとおり → 正しい

民法第968条自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないe-Gov原文

ひっかけ相続財産を処分すると『法定単純承認』とみなす。自筆証書遺言は全文・日付・氏名を『自書』し押印(921条・968条)。

解説相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき、熟慮期間内に限定承認・放棄をしなかったとき、限定承認・放棄後に相続財産を隠匿・消費等したときは、単純承認をしたものとみなされる(921条、法定単純承認)。また、自筆証書遺言は、遺言者が全文・日付・氏名を自書し押印して作成する(968条1項)。法定単純承認と自筆証書遺言の方式を押さえる。

補足相続財産の『保存行為』や短期賃貸は処分に当たらず、法定単純承認とはならない(921条1号ただし書)。自筆証書遺言に添付する財産目録は、各葉に署名押印すれば自書でなくてよい(968条2項)。

11限定承認

限定承認及び相続人の欠格に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。
  • 故意に被相続人を死亡するに至らせたために刑に処せられた者であっても、相続人となることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
922条のとおり → 正しい

民法第922条相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができるe-Gov原文

誤り
故意に被相続人を死亡させ刑に処せられた者は欠格 → 『相続人となることができる』は誤り

民法第891条次に掲げる者は、相続人となることができないe-Gov原文

ひっかけ限定承認は『得た財産の限度』で弁済を留保。故意に被相続人を殺害し刑に処せられた者は『欠格』(922条・891条)。

解説限定承認は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務・遺贈を弁済すべきことを留保してする承認である(922条)。プラス財産の範囲でしか責任を負わない。また、故意に被相続人又は先順位・同順位の相続人を死亡させ刑に処せられた者は、相続欠格として相続人となることができない(891条)。限定承認と欠格を押さえる。

補足限定承認は、共同相続人全員が共同してのみすることができる(923条)。相続放棄は各相続人が単独でできるのに対し、限定承認は全員一致を要する点が異なる。

12自筆証書遺言

自筆証書遺言に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名をパソコン等で入力して作成し、これに印を押せば足りる。
  • 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
全文・日付・氏名を自書する必要 → 『パソコンで入力して作成すれば足りる』は誤り

民法第968条自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないe-Gov原文

正しい
968条1項のとおり → 正しい

民法第968条自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないe-Gov原文

ひっかけ自筆証書遺言は全文・日付・氏名を『自書』し押印(パソコン入力は不可)(968条)。

解説自筆証書遺言は、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押して作成する(968条1項)。本文をパソコンで作成したものは自筆証書遺言として無効である。日付は年月日が特定できる必要があり、押印も要件である。自筆証書遺言の方式を正確に押さえる。

補足本文は自書が必要だが、相続財産の目録を添付する場合、その目録は自書でなくてよい(各葉に署名押印すれば足りる。968条2項)。公正証書遺言(969条)は証人2人以上の立会いと公証人の関与による点で異なる。

13公正証書遺言

公正証書遺言及び代襲相続に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 公正証書によって遺言をするには、証人1人以上の立会いがあれば足りる。
  • 被相続人の子が相続の開始以前に死亡したときであっても、その者の子が代襲して相続人となることはない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
公正証書遺言は証人2人以上の立会いを要する → 『1人以上で足りる』は誤り

民法第969条証人二人以上の立会いがあることe-Gov原文

誤り
子が相続開始以前に死亡すれば孫が代襲する → 『代襲して相続人となることはない』は誤り

民法第887条その者の子がこれを代襲して相続人となるe-Gov原文

ひっかけ公正証書遺言は証人『2人以上』の立会い。子が相続開始前に死亡すれば孫が『代襲』(969条・887条)。

解説公正証書遺言は、証人2人以上の立会いの下、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人が筆記する等の方式による(969条)。また、被相続人の子が相続開始以前に死亡したとき等は、その者の子(孫)が代襲して相続人となる(887条2項)。公正証書遺言の方式と代襲相続を押さえる。

補足公正証書遺言は公証人が関与するため方式不備による無効が起こりにくく、家庭裁判所の検認も不要である。証人になれない者(推定相続人・受遺者やその配偶者・直系血族等)がいる点にも注意する。

14遺言の撤回

遺言の撤回及び法定単純承認に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 遺言者は、いったん遺言をした以上、その遺言を撤回することはできない。
  • 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときであっても、単純承認をしたものとはみなされない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
遺言者はいつでも遺言を撤回できる → 『撤回することはできない』は誤り

民法第1022条遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができるe-Gov原文

誤り
相続財産の処分は法定単純承認とみなされる → 『みなされない』は誤り

民法第921条次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなすe-Gov原文

ひっかけ遺言者は『いつでも』遺言を撤回できる。相続財産の処分は『法定単純承認』とみなす(1022条・921条)。

解説遺言者は、いつでも遺言の方式に従って遺言の全部又は一部を撤回できる(1022条)。遺言の自由(撤回の自由)の表れである。また、相続人が相続財産の全部又は一部を処分したときは、単純承認をしたものとみなされる(921条1号、法定単純承認)。遺言撤回の自由と法定単純承認を押さえる。

補足前の遺言と抵触する後の遺言をしたときは、その抵触部分について前の遺言を撤回したものとみなされる(1023条)。遺言の撤回権は放棄できない(1026条)。

15遺留分の帰属及びその割合

遺留分に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 被相続人の兄弟姉妹も、遺留分を有する。
  • 遺留分権利者は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分を侵害する目的物そのものの返還を請求することができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
遺留分を有するのは兄弟姉妹以外の相続人 → 『兄弟姉妹も遺留分を有する』は誤り

民法第1042条兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分としてe-Gov原文

誤り
遺留分侵害額請求は金銭の支払請求 → 『目的物そのものの返還を請求できる』は誤り

民法第1046条遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ遺留分を有するのは『兄弟姉妹以外』の相続人。遺留分侵害額請求は『金銭の支払』請求(物の返還ではない)(1042条・1046条)。

解説遺留分を有するのは兄弟姉妹以外の相続人(配偶者・子・直系尊属)であり、直系尊属のみが相続人である場合は3分の1、その他の場合は2分の1の割合による(1042条1項)。兄弟姉妹に遺留分はない。また、遺留分を侵害された者は、受遺者・受贈者に対し遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求できる(1046条1項、2019年改正で金銭債権化)。遺留分の帰属と侵害額請求の性質を押さえる。

補足2019年施行の改正で、遺留分減殺請求(目的物の返還・現物返還が原則)から遺留分侵害額請求(金銭債権)へ変わった。兄弟姉妹に遺留分がない点も頻出である。