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民法・第12

権利関係(売買 予約・売主の義務・代金・買戻し②)の問題(15問)

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12章では、売買・売買の一方の予約・売買契約に関する費用・権利移転の対抗要件に係る売主の義務・他人の権利の売買における売主の義務を中心に15問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

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問題と解説を読む15問・答え付き

答え・解説つきで15問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov逐語照合済み2026年6月時点の法令に準拠
1売買

売買に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
  • 売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
555条のとおり → 正しい

民法第555条売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずるe-Gov原文

正しい
558条のとおり → 正しい

民法第558条売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担するe-Gov原文

ひっかけ売買は『代金を支払う』有償・双務契約。契約費用は『双方が等しい割合』で負担(555条・558条)。

解説売買は、当事者の一方が財産権を移転することを約し、相手方が代金を支払うことを約することによって効力を生ずる諾成・有償・双務契約である(555条)。売買契約に関する費用(契約書作成費用等)は、当事者双方が等しい割合で負担する(558条)。売買の成立と費用負担を押さえる。

補足売買は代金を支払う有償契約で、無償の贈与(549条)と区別される。契約費用は双方折半が原則だが、登記費用等の負担は別途特約で定められることが多い。

2売買の一方の予約

売買の一方の予約及び契約費用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずる。
  • 売買契約に関する費用は、売主が全額を負担する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
556条1項のとおり → 正しい

民法第556条売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずるe-Gov原文

誤り
契約費用は双方が等しい割合で負担 → 『売主が全額負担』は誤り

民法第558条売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担するe-Gov原文

ひっかけ一方の予約は『完結の意思表示の時』から効力。契約費用は『双方が等しい割合』(売主全額ではない)(556条・558条)。

解説売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から売買の効力を生ずる(556条1項、予約完結権の行使)。完結の意思表示について期間を定めなかったときは、予約者は相当の期間を定めて催告でき、確答がなければ予約は効力を失う(同条2項)。また、契約費用は当事者双方が等しい割合で負担する(558条)。予約と費用負担を押さえる。

補足一方の予約は、予約完結権を有する者の一方的な意思表示で本契約(売買)の効力が生じる仕組み。再売買の予約等は担保的に用いられることがある。

3売買契約に関する費用

売買契約の費用及び売主の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担する。
  • 売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
558条のとおり → 正しい

民法第558条売買契約に関する費用は、当事者双方が等しい割合で負担するe-Gov原文

正しい
560条のとおり → 正しい

民法第560条売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負うe-Gov原文

ひっかけ契約費用は『双方が等しい割合』。売主は『対抗要件を備えさせる義務』を負う(558条・560条)。

解説売買契約に関する費用は当事者双方が等しい割合で負担する(558条)。売主は、買主に対し、登記・登録その他権利移転の対抗要件を備えさせる義務を負う(560条)。不動産売買では売主が買主への所有権移転登記に協力する義務を負う。契約費用の負担と売主の義務を押さえる。

補足売主の対抗要件具備義務(560条)は、買主が第三者に権利を対抗できるようにするための義務である。不動産では所有権移転登記の協力義務として現れる。

4権利移転の対抗要件に係る売主の義務

売主の対抗要件具備義務及び売買の予約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負う。
  • 売買の一方の予約は、予約をした時から直ちに売買の効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
560条のとおり → 正しい

民法第560条売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負うe-Gov原文

誤り
予約は完結の意思表示の時から効力を生ずる → 『予約をした時から直ちに』は誤り

民法第556条売買の一方の予約は、相手方が売買を完結する意思を表示した時から、売買の効力を生ずるe-Gov原文

ひっかけ売主は『対抗要件を備えさせる義務』を負う。一方の予約は『完結の意思表示の時』から効力(556条)。

解説売主は、買主に対し、権利移転の対抗要件(不動産の登記等)を備えさせる義務を負う(560条)。また、売買の一方の予約は、相手方が完結の意思を表示した時から効力を生ずる(556条1項)。予約の時点では本契約は成立せず、完結権の行使で売買が成立する。売主の義務と予約完結の効力時を押さえる。

補足予約完結権の行使(完結の意思表示)によって本契約が成立するため、予約段階では売買の効力は生じていない。売主の対抗要件具備義務は買主保護のための基本的義務である。

5他人の権利の売買における売主の義務

他人の権利の売買及び果実の帰属に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
  • まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
561条のとおり → 正しい

民法第561条売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負うe-Gov原文

正しい
575条1項のとおり → 正しい

民法第575条まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属するe-Gov原文

ひっかけ他人物売買でも売主は『権利取得・移転義務』を負う。引渡前の果実は『売主』に帰属(561条・575条)。

解説他人の権利(権利の一部が他人に属する場合を含む)を売買の目的としたときも、売買は有効であり、売主はその権利を取得して買主に移転する義務を負う(561条、他人物売買)。また、まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は売主に帰属する(575条1項)。他人物売買と果実の帰属を押さえる。

補足他人物売買も契約としては有効で、売主は権利取得・移転義務を負う。引渡前の果実は売主に帰属する一方、買主は引渡しの日から代金の利息を支払う(575条2項)という対応関係を押さえる。

6競売における担保責任

競売における担保責任及び売主の義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 競売における買受人は、所定の規定により、債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができる。
  • 売主は、買主に対し、売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負わない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
568条1項のとおり → 正しい

民法第568条債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができるe-Gov原文

誤り
売主は対抗要件を備えさせる義務を負う → 『義務を負わない』は誤り

民法第560条売主は、買主に対し、登記、登録その他の売買の目的である権利の移転についての対抗要件を備えさせる義務を負うe-Gov原文

ひっかけ競売の買受人は債務者に『解除・代金減額』を請求できる。売主は『対抗要件を備えさせる義務』を負う(568条・560条)。

解説競売における買受人は、所定の規定により、債務者に対し契約の解除又は代金の減額を請求できる(568条1項)。債務者が無資力のときは代金配当を受けた債権者に代金返還を請求できる(同条2項)。また、売主は権利移転の対抗要件を備えさせる義務を負う(560条)。競売の担保責任と売主の義務を押さえる。

補足競売では、物の種類・品質に関する不適合についての担保責任は原則として追及できない(568条4項)が、権利の不適合等については解除・代金減額が認められる。

7代金の支払期限

代金の支払期限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 売買の目的物の引渡しについて期限があるときであっても、代金の支払期限は、引渡しの期限とは無関係に定まる。
  • 売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
引渡期限があれば代金支払も同一期限と推定される → 『無関係に定まる』は誤り

民法第573条売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定するe-Gov原文

正しい
573条のとおり → 正しい

民法第573条売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定するe-Gov原文

ひっかけ引渡しに期限があれば、代金支払も『同一の期限』を付したものと推定される(573条)。

解説売買の目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定する(573条)。引渡しと代金支払の時期を一致させるのが当事者の通常の意思だからである。代金支払期限の推定を押さえる。

補足573条は推定規定であり、別段の合意があればそれに従う。引渡しと代金支払を同時履行とする当事者意思を反映した規定である。

8代金の支払場所

代金の支払場所に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときであっても、代金は、売主の現在の住所において支払わなければならない。
  • 売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
引渡しと同時のときは引渡しの場所で支払う → 『売主の住所』は誤り

民法第574条売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において支払わなければならないe-Gov原文

正しい
574条のとおり → 正しい

民法第574条売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において支払わなければならないe-Gov原文

ひっかけ引渡しと同時に支払うべき代金は『引渡しの場所』で支払う(574条)。

解説売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において代金を支払わなければならない(574条)。引渡しと代金支払を同一の場所で行わせ、取引を円滑にする趣旨である。代金の支払場所を押さえる。

補足弁済の場所の一般原則(特定物は債権発生時の所在地、その他は債権者の現在の住所。484条)の特則として、引渡しと同時に支払うべき代金は引渡しの場所で支払う。

9果実の帰属

売買の目的物の果実の帰属に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、買主に帰属する。
  • まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
引渡前の果実は売主に帰属する → 『買主に帰属する』は誤り

民法第575条まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属するe-Gov原文

正しい
575条1項のとおり → 正しい

民法第575条まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は、売主に帰属するe-Gov原文

ひっかけ引渡前の目的物の果実は『売主』に帰属する(575条1項)。

解説まだ引き渡されていない売買の目的物が果実を生じたときは、その果実は売主に帰属する(575条1項)。引渡しまでは売主が果実を取得する一方、買主は引渡しを受けるまで代金の利息を支払う必要がない(575条2項)。果実の帰属と代金利息の関係(引渡しを基準とする)を押さえる。

補足引渡前の果実は売主、引渡し後は買主に帰属する。これと対応して、買主の代金利息の支払義務も引渡しの日から生じる(575条2項)。引渡しを基準に果実と利息のバランスがとられている。

10代金の利息の支払

代金の利息及び買戻しに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。
  • 不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)

正しい
575条2項のとおり → 正しい

民法第575条買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負うe-Gov原文

正しい
579条のとおり → 正しい

民法第579条不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約によりe-Gov原文

ひっかけ買主は『引渡しの日から』代金の利息を支払う。不動産の売主は『買戻し特約』で代金等を返還して解除できる(575条・579条)。

解説買主は引渡しの日から代金の利息を支払う義務を負う(575条2項。代金支払に期限があるときはその到来まで不要)。また、不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金(別段の合意があればその額)及び契約費用を返還して売買を解除できる(579条)。代金利息と買戻しを押さえる。

補足代金利息は引渡しの日から発生し、引渡前の果実(売主帰属)とバランスがとられる。買戻しは不動産売買で『契約と同時に』特約する必要がある点が要件である。

11権利を取得することができないおそれがある場合の代金支払拒絶

買主による代金支払の拒絶及び代金の利息に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 売買の目的について権利を主張する者があること等により、買主がその買い受けた権利の全部又は一部を取得できず、又は失うおそれがあるときは、買主は、その危険の程度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができる。
  • 買主は、売買の目的物の引渡しを受ける前から、代金の利息を支払う義務を負う。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)

正しい
576条のとおり → 正しい

民法第576条買主は、その危険の程度に応じて、代金の全部又は一部の支払を拒むことができるe-Gov原文

誤り
代金の利息は引渡しの日から発生する → 『引渡しを受ける前から』は誤り

民法第575条買主は、引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負うe-Gov原文

ひっかけ権利を失うおそれがあれば買主は『代金支払を拒める』。代金の利息は『引渡しの日から』(576条・575条)。

解説売買の目的について権利を主張する者がある等により、買主が買い受けた権利の全部・一部を取得できず又は失うおそれがあるときは、買主はその危険の程度に応じて代金の支払を拒める(576条。売主が相当の担保を供したときを除く)。また、代金の利息は引渡しの日から発生する(575条2項)。代金支払拒絶権と代金利息の起算点を押さえる。

補足576条は、代金を支払っても権利を失う危険がある買主を保護する規定。売主が相当の担保を供せば買主は支払を拒めなくなる。

12抵当権等の登記がある場合の代金支払拒絶

抵当権等の登記がある場合の代金支払拒絶に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 買い受けた不動産について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときであっても、買主は、その代金の支払を拒むことはできない。
  • 買い受けた不動産について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときは、買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)

誤り
抵当権消滅請求の手続が終わるまで代金支払を拒める → 『拒むことはできない』は誤り

民法第577条買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができるe-Gov原文

正しい
577条1項のとおり → 正しい

民法第577条買主は、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、その代金の支払を拒むことができるe-Gov原文

ひっかけ契約不適合の抵当権登記があれば、買主は抵当権消滅請求の手続が終わるまで『代金支払を拒める』(577条1項)。

解説買い受けた不動産について契約の内容に適合しない抵当権の登記があるときは、買主は抵当権消滅請求の手続が終わるまで代金の支払を拒める(577条1項)。この場合、売主は買主に対し遅滞なく抵当権消滅請求をすべき旨を請求できる。先取特権・質権の登記がある場合も同様である(同条2項)。代金支払拒絶権を押さえる。

補足577条は、抵当権の実行で買主が所有権を失う危険を避けるための代金支払拒絶権である。売主が代金供託を請求できる(578条)点もあわせて整理する。

13買戻しの特約

買戻しの特約に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約により、買主が支払った代金及び契約の費用を返還して、売買の解除をすることができる。
  • 売買は、当事者の一方がある財産権を無償で相手方に移転することを約することによって、その効力を生ずる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
買戻しの特約は不動産の売主の制度 → 『動産の売主』は誤り

民法第579条不動産の売主は、売買契約と同時にした買戻しの特約によりe-Gov原文

誤り
売買は代金を支払う有償契約 → 『無償で移転』は誤り(無償は贈与)

民法第555条相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによってe-Gov原文

ひっかけ買戻しの特約は『不動産』の売主の制度(動産ではない)。売買は『代金を支払う』有償契約(579条・555条)。

解説買戻しの特約は、不動産の売主が売買契約と同時にした特約により、代金及び契約費用を返還して売買を解除できる制度である(579条)。動産の売買ではなく不動産の売買についての制度である。また、売買は代金を支払う有償契約であり(555条)、無償の贈与とは区別される。買戻しの対象と売買の有償性を押さえる。

補足買戻しは『不動産』について『契約と同時に』特約する必要がある。担保目的で用いられることがあり、登記すれば第三者に対抗できる(581条)。

14買戻しの期間

買戻しの期間及び代金の支払場所に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 買戻しの期間は、特約により20年まで定めることができる。
  • 売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、買主の住所において代金を支払わなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
買戻しの期間は10年を超えられない → 『20年まで』は誤り

民法第580条買戻しの期間は、十年を超えることができない。特約でこれより長い期間を定めたときは、その期間は、十年とするe-Gov原文

誤り
引渡しと同時のときは引渡しの場所で支払う → 『買主の住所』は誤り

民法第574条売買の目的物の引渡しと同時に代金を支払うべきときは、その引渡しの場所において支払わなければならないe-Gov原文

ひっかけ買戻しの期間は『10年』を超えられない。引渡しと同時の代金は『引渡しの場所』で支払う(580条・574条)。

解説買戻しの期間は10年を超えることができず、特約でこれより長い期間を定めても10年となる(580条1項)。買戻し期間は後で伸長できず(同条2項)、定めなかったときは5年以内に買戻しをしなければならない(同条3項)。また、引渡しと同時に支払うべき代金は引渡しの場所で支払う(574条)。買戻しの期間と代金支払場所を押さえる。

補足買戻し期間は最長10年で、後から伸長できない。期間を定めなかったときは5年以内という点もあわせて押さえる。

15買戻しの特約の対抗力

買戻しの特約の対抗力及び競売における担保責任に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときであっても、買戻しは、第三者に対抗することができない。
  • 競売における買受人は、いかなる場合も、債務者に対して契約の解除や代金の減額を請求することができない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
買戻し特約を登記すれば第三者に対抗できる → 『対抗することができない』は誤り

民法第581条売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しは、第三者に対抗することができるe-Gov原文

誤り
競売の買受人は所定の場合に解除・代金減額を請求できる → 『いかなる場合も請求できない』は誤り

民法第568条債務者に対し、契約の解除をし、又は代金の減額を請求することができるe-Gov原文

ひっかけ買戻しの特約は『登記』すれば第三者に対抗できる。競売の買受人も所定の場合に『解除・代金減額』を請求できる(581条・568条)。

解説売買契約と同時に買戻しの特約を登記したときは、買戻しを第三者に対抗できる(581条1項)。また、競売における買受人も、所定の規定により債務者に対し契約の解除又は代金の減額を請求できる(568条1項)。買戻しの対抗力と競売の担保責任を押さえる。

補足買戻しの特約は登記により対抗力を備える。登記後に対抗要件を備えた賃借人の権利は、残存期間中1年を超えない範囲で売主に対抗できる(581条2項)。