問1不可分債権
不可分債権及び不可分債務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債権の規定(一部の規定を除く。)は、債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する。
- イ.連帯債務の規定(一部の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 428条のとおり → 正しい
民法第428条「債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 430条のとおり → 正しい
民法第430条「債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する」e-Gov原文
ひっかけ不可分債権には『連帯債権』、不可分債務には『連帯債務』の規定が準用される(428条・430条)。
解説債権の目的がその性質上不可分で数人の債権者があるときは連帯債権の規定(一部を除く)が、債務の目的が性質上不可分で数人の債務者があるときは連帯債務の規定(一部を除く)が準用される(428条・430条)。不可分債権・不可分債務の規律を押さえる。
補足性質上不可分(建物の引渡し等)の場合に不可分債権・債務となる。可分な金銭債務は原則として分割債務(427条)となる点と区別する。
問2不可分債務
不可分債務及び不可分債権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務の規定(一部の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する。
- イ.連帯債権の規定は、債権の目的がその性質上不可分である場合において数人の債権者があるときには、一切準用されない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 430条のとおり → 正しい
民法第430条「債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 不可分債権には連帯債権の規定が準用される → 『一切準用されない』は誤り
民法第428条「債権の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債権者があるときについて準用する」e-Gov原文
ひっかけ不可分債務には『連帯債務』、不可分債権には『連帯債権』の規定が準用される(430条・428条)。
解説不可分債務には連帯債務の規定(一部を除く)が準用され(430条)、不可分債権には連帯債権の規定(一部を除く)が準用される(428条)。性質上不可分な給付について数人の債権者・債務者がある場合の規律である。不可分債権・債務への準用を押さえる。
補足不可分債権・債務は性質上分けられない給付について生じる。準用される規定から一部(混同等)が除かれている点に注意する。
問3連帯債権者による履行の請求
連帯債権及び免除に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債権の場合、各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる。
- イ.債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 432条のとおり → 正しい
民法第432条「各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ、債務者は、全ての債権者のために各債権者に対して履行をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 519条のとおり → 正しい
民法第519条「債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ連帯債権では各債権者が『全部又は一部』の履行を請求できる。免除は債権者の意思表示で債権が『消滅』(432条・519条)。
解説連帯債権では、各債権者は全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求でき、債務者は各債権者に履行できる(432条)。また、債権者が債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅する(519条、免除は単独行為)。連帯債権と免除を押さえる。
補足免除は債権者の一方的な意思表示(単独行為)で債権を消滅させる。債務者の承諾は不要である。連帯債権では債権者間の分配の問題が別途生じる。
問4連帯債務者間の求償権
連帯債務者間の求償権及び不可分債務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯債務者の一人が弁済をし、その他自己の財産をもって共同の免責を得たときは、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分に応じた額の求償権を有する。
- イ.連帯債務の規定(一部の規定を除く。)は、債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用されることはない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 442条1項のとおり → 正しい
民法第442条「その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し」e-Gov原文
- イ.誤り
- 不可分債務には連帯債務の規定が準用される → 『準用されることはない』は誤り
民法第430条「債務の目的がその性質上不可分である場合において、数人の債務者があるときについて準用する」e-Gov原文
ひっかけ連帯債務者は『負担部分を超えなくても』各自の負担部分に応じ求償できる。不可分債務には連帯債務の規定を『準用』(442条・430条)。
解説連帯債務者の一人が弁済等で共同の免責を得たときは、その額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し各自の負担部分に応じた額の求償権を有する(442条1項)。負担部分を超えなくても求償できる点が改正で明確化された。また、不可分債務には連帯債務の規定が準用される(430条)。求償権と不可分債務を押さえる。
補足求償の範囲には、免責があった日以後の法定利息及び避けられなかった費用等も含まれる(442条2項)。負担部分を超えるまで求償できないわけではない点が要点である。
問5併存的債務引受
併存的債務引受及び混同に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する。
- イ.債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 470条1項のとおり → 正しい
民法第470条「併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 520条のとおり → 正しい
民法第520条「債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する。ただし、その債権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけ併存的債務引受は引受人が『債務者と連帯』して負担(債務者は残る)。債権債務が同一人に帰属すると『混同』で消滅(470条・520条)。
解説併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一内容の債務を負担する(470条1項)。債務者は債務を免れず、引受人と連帯債務関係になる。また、債権及び債務が同一人に帰属したときは混同により債権が消滅する(520条。第三者の権利の目的であるときを除く)。併存的債務引受と混同を押さえる。
補足併存的債務引受(債務者は残る・引受人と連帯)と免責的債務引受(債務者は免れる)の違いが頻出。混同による消滅には例外(第三者の権利の目的であるとき)がある点も押さえる。
問6免責的債務引受
免責的債務引受及び併存的債務引受に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.免責的債務引受の引受人は、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。
- イ.併存的債務引受がされた場合、引受人が債務者に代わって債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 472条1項のとおり → 正しい
民法第472条「免責的債務引受の引受人は債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 併存的債務引受では債務者は連帯して残る → 『債務者は自己の債務を免れる』は誤り(それは免責的)
民法第470条「併存的債務引受の引受人は、債務者と連帯して、債務者が債権者に対して負担する債務と同一の内容の債務を負担する」e-Gov原文
ひっかけ免責的債務引受は債務者が『免れる』。併存的債務引受は債務者が『連帯して残る』(472条・470条)。
解説免責的債務引受の引受人は債務者と同一内容の債務を負担し、債務者は自己の債務を免れる(472条1項)。これに対し、併存的債務引受では引受人が債務者と連帯して債務を負担し、債務者は免れない(470条1項)。両者の違い(債務者が免れるか否か)を押さえる。
補足免責的債務引受は債権者と引受人の契約、又は債務者と引受人の契約に債権者が承諾する方法でできる(472条)。債務者が免れる点で、債務者が残る併存的債務引受と区別される。
問7代物弁済
代物弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済者が債権者との間で本来の給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をしたときは、その契約をした時点で当然に債務が消滅する。
- イ.弁済者が債権者との間で本来の給付に代えて他の給付をする旨の契約をし、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 他の給付を現実にしたときに弁済の効力を生ずる → 『契約時点で当然に消滅』は誤り
民法第482条「その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 482条のとおり → 正しい
民法第482条「その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する」e-Gov原文
ひっかけ代物弁済は、他の給付を『現実にしたとき』に弁済と同一の効力を生ずる(契約だけでは消滅しない)(482条)。
解説代物弁済は、弁済者が債権者との間で本来の給付に代えて他の給付をすることにより債務を消滅させる旨の契約をし、その弁済者が実際に当該他の給付をしたときに、弁済と同一の効力を有する(482条)。契約だけでは足りず、現実の給付が必要である。代物弁済の成立を押さえる。
補足代物弁済は、当事者の合意(諾成的代物弁済契約)に加え、現実の給付があって弁済の効力が生じる。不動産の代物弁済では所有権移転の効果と登記の関係が問題となることがある。
問8弁済の充当
弁済の充当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.元本のほか利息及び費用を支払うべき場合において、その全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、まず元本に充当しなければならない。
- イ.元本のほか利息及び費用を支払うべき場合において、その全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 充当は費用→利息→元本の順 → 『まず元本に充当』は誤り
民法第489条「これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 489条1項のとおり → 正しい
民法第489条「これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ充当は『費用→利息→元本』の順(まず元本ではない)(489条1項)。
解説元本のほか利息及び費用を支払うべき場合に、全部を消滅させるのに足りない給付をしたときは、これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない(489条1項)。債権者の利益を保護するため、費用・利息を先に充当する。弁済の充当の順序を押さえる。
補足費用→利息→元本の順は当事者の合意で変更できる(490条の合意充当が優先)。法定の充当順序を押さえつつ、合意充当が優先される点も理解する。
問9弁済の提供の効果
弁済の提供に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者は、弁済の提供をしても、現実に弁済を完了するまでは、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れない。
- イ.債務者は、弁済の提供の時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 弁済の提供の時から責任を免れる → 『完了するまで免れない』は誤り
民法第492条「債務者は、弁済の提供の時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 492条のとおり → 正しい
民法第492条「債務者は、弁済の提供の時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任を免れる」e-Gov原文
ひっかけ債務者は『弁済の提供の時から』債務不履行責任を免れる(492条)。
解説債務者は、弁済の提供の時から、債務を履行しないことによって生ずべき責任(履行遅滞による損害賠償・解除等)を免れる(492条)。債権者が受領しなくても、適法な提供があれば債務者は不履行責任を負わない。弁済の提供の効果を押さえる。
補足弁済の提供は、原則として債務の本旨に従って現実にする(現実の提供)が、債権者があらかじめ受領を拒む等のときは口頭の提供で足りる(493条)。提供により受領遅滞(413条)も生じる。
問10弁済の提供の方法
弁済の提供の方法及び代物弁済に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済の提供は、原則として債務の本旨に従って現実にしなければならないが、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。
- イ.弁済者が本来の給付に代えて他の給付をする旨の契約をし、その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 493条のとおり → 正しい
民法第493条「弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 482条のとおり → 正しい
民法第482条「その弁済者が当該他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有する」e-Gov原文
ひっかけ提供は原則『現実の提供』、受領拒絶等なら『口頭の提供』で足りる。代物弁済は他の給付を『現実にしたとき』に弁済の効力(493条・482条)。
解説弁済の提供は債務の本旨に従って現実にするのが原則だが、債権者があらかじめ受領を拒み、又は債務の履行に債権者の行為を要するときは、弁済の準備を通知して受領を催告すれば足りる(493条、口頭の提供)。また、代物弁済は他の給付を現実にしたときに弁済と同一の効力を有する(482条)。提供の方法と代物弁済を押さえる。
補足現実の提供が原則だが、債権者の受領拒絶が明確なとき等は口頭の提供(準備の通知+受領催告)で足りる。提供により債務不履行責任を免れる(492条)。
問11供託
供託及び免責的債務引受に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済者は、弁済の提供をした場合において債権者がその受領を拒んだとき等は、債権者のために弁済の目的物を供託することができ、供託をした時に、その債権は消滅する。
- イ.免責的債務引受がされても、債務者は自己の債務を免れない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 494条1項のとおり → 正しい
民法第494条「弁済者は、次に掲げる場合には、債権者のために弁済の目的物を供託することができる。この場合においては、弁済者が供託をした時に、その債権は、消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 免責的債務引受で債務者は債務を免れる → 『免れない』は誤り
ひっかけ受領拒否等で『供託』でき、供託の時に債権が消滅。免責的債務引受で債務者は『免れる』(494条・472条)。
解説弁済者は、弁済の提供をしたのに債権者が受領を拒んだとき、債権者が受領できないとき等は、弁済の目的物を供託でき、供託をした時に債権が消滅する(494条1項)。債権者を確知できないときも供託できる(同条2項)。また、免責的債務引受により債務者は自己の債務を免れる(472条1項)。供託と免責的債務引受を押さえる。
補足供託により債務者は債務を免れる(弁済と同様の効果)。供託原因は受領拒否・受領不能・債権者不確知(過失なき場合)である。
問12更改
更改に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.当事者が従前の債務に代えて新たな債務を発生させる契約をしても、従前の債務は消滅しない。
- イ.当事者が従前の債務に代えて、従前の給付の内容について重要な変更をするもの等、新たな債務を発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によって消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 更改により従前の債務は消滅する → 『消滅しない』は誤り
- イ.正しい
- 513条のとおり → 正しい
民法第513条「当事者が従前の債務に代えて、新たな債務であって次に掲げるものを発生させる契約をしたときは、従前の債務は、更改によって消滅する」e-Gov原文
ひっかけ更改により『従前の債務は消滅』する(513条)。
解説当事者が従前の債務に代えて、給付内容の重要な変更・債務者の交替・債権者の交替のいずれかをする新たな債務を発生させる契約をしたときは、従前の債務は更改によって消滅する(513条)。新債務の成立と引換えに旧債務が消滅する点が更改の特徴である。更改による債務消滅を押さえる。
補足更改は旧債務を消滅させ新債務を成立させるため、旧債務の担保・抗弁は原則として新債務に引き継がれない。債務引受(債務者が交替するが債務の同一性は維持)と区別される。
問13免除
免除及び連帯債権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときであっても、債務者の承諾がなければ、その債権は消滅しない。
- イ.連帯債権の場合、各債権者は、自己の分についてのみ履行を請求することができ、全部の履行を請求することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 免除は債権者の意思表示で債権が消滅する → 『債務者の承諾が必要』は誤り
民法第519条「債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 各債権者は全部又は一部の履行を請求できる → 『自己の分のみ』は誤り
民法第432条「各債権者は、全ての債権者のために全部又は一部の履行を請求することができ」e-Gov原文
ひっかけ免除は債権者の一方的な意思表示で債権が消滅(承諾不要・単独行為)。連帯債権では各債権者が『全部又は一部』を請求できる(519条・432条)。
解説債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅する(519条)。免除は債権者の一方的な意思表示(単独行為)であり、債務者の承諾を要しない。また、連帯債権では各債権者が全部又は一部の履行を請求できる(432条)。免除の性質と連帯債権を押さえる。
補足免除は単独行為であり、債務者の承諾は不要である。なお、免除は債権の処分なので、債権者が処分権限を有することが前提となる。
問14混同
混同及び弁済の充当に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権及び債務が同一人に帰属したときであっても、その債権は消滅しない。
- イ.元本のほか利息及び費用を支払うべき場合に足りない給付をしたときは、債務者が指定した順序に従い、費用・利息・元本に充当する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 債権債務が同一人に帰属すると混同で消滅する → 『消滅しない』は誤り
民法第520条「債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は、消滅する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 充当は法定の順序(費用→利息→元本)による → 『債務者が指定した順序』は誤り
民法第489条「これを順次に費用、利息及び元本に充当しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ債権債務が同一人に帰属すると『混同』で消滅。元本・利息・費用の充当は『費用→利息→元本』の法定順(520条・489条)。
解説債権及び債務が同一人に帰属したときは、その債権は混同により消滅する(520条。第三者の権利の目的であるときを除く)。また、元本のほか利息・費用を支払うべき場合に足りない給付をしたときは、費用・利息・元本の順に充当しなければならない(489条1項)。混同と弁済の充当の順序を押さえる。
補足混同には例外があり、その債権が第三者の権利の目的であるとき等は消滅しない(520条ただし書)。費用・利息・元本の充当順序は、債務者が一方的に指定して変更することはできない。
問15債権者を確知することができない場合の供託
供託及び連帯債務者間の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.弁済者は、過失なく債権者を確知することができない場合であっても、弁済の目的物を供託することはできない。
- イ.連帯債務者の一人が共同の免責を得ても、その免責を得た額が自己の負担部分を超えない限り、他の連帯債務者に対して求償することができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 債権者を確知できないときも供託できる(過失なき場合)→ 『供託することはできない』は誤り
民法第494条「弁済者が債権者を確知することができないときも、前項と同様とする」e-Gov原文
- イ.誤り
- 負担部分を超えるかどうかにかかわらず求償できる → 『超えない限り求償できない』は誤り
民法第442条「その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず」e-Gov原文
ひっかけ過失なく債権者を確知できないときも『供託できる』。連帯債務者は負担部分を『超えなくても』求償できる(494条・442条)。
解説弁済者は、過失なく債権者を確知することができないときも、弁済の目的物を供託できる(494条2項。弁済者に過失があるときを除く)。また、連帯債務者の一人が共同の免責を得たときは、自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、各自の負担部分に応じた求償権を有する(442条1項)。供託原因と求償権を押さえる。
補足供託原因のうち債権者不確知は、弁済者に過失がないことが要件である。連帯債務者間の求償は、改正により負担部分を超えなくても可能であることが明確化された。