問1保証債務の範囲
保証債務の範囲及び保証人の負担に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する。
- イ.保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 447条1項のとおり → 正しい
民法第447条「保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 448条1項のとおり → 正しい
民法第448条「保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する」e-Gov原文
ひっかけ保証債務は利息・違約金等『従たるもの全て』を包含。保証人の負担は主債務より『重くならない』(447条・448条)。
解説保証債務は、主たる債務に関する利息・違約金・損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する(447条1項、付従性)。また、保証人の負担が目的・態様において主たる債務より重いときは、主たる債務の限度に減縮される(448条1項)。保証債務の範囲と付従性を押さえる。
補足保証債務は主たる債務に従たる性質(付従性)を有し、主たる債務より重くなることはない。利息・損害賠償等も保証の対象に含まれる。
問2保証人の負担と主たる債務
保証人の負担及び保証債務の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する。
- イ.保証債務は、主たる債務の元本に限られ、利息や違約金は含まない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 448条1項のとおり → 正しい
民法第448条「保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、これを主たる債務の限度に減縮する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 保証債務は利息・違約金等も包含する → 『元本に限られる』は誤り
民法第447条「保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する」e-Gov原文
ひっかけ保証人の負担は主債務より『重くならない』。保証債務は利息・違約金等『従たるもの全て』を包含(448条・447条)。
解説保証人の負担が目的・態様において主たる債務より重いときは、主たる債務の限度に減縮される(448条1項)。また、保証債務は主たる債務に関する利息・違約金・損害賠償その他従たるものすべてを包含する(447条1項)。保証の付従性と保証債務の範囲を押さえる。
補足保証債務は付従性により主たる債務より重くならない一方、利息・損害賠償等の従たる債務も対象に含む。保証人は保証債務についてのみ別途違約金・損害賠償額を約定できる(447条2項)。
問3主たる債務の事後加重と保証人の負担
主たる債務の加重及び主たる債務者について生じた事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない。
- イ.主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 448条2項のとおり → 正しい
民法第448条「主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 457条1項のとおり → 正しい
民法第457条「主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ保証契約後に主債務が加重されても保証人の負担は『加重されない』。主債務者の時効の完成猶予・更新は『保証人にも及ぶ』(448条・457条)。
解説主たる債務の目的・態様が保証契約締結後に加重されても、保証人の負担は加重されない(448条2項)。また、主たる債務者に対する履行の請求その他による時効の完成猶予・更新は、保証人に対しても効力を生ずる(457条1項)。保証の付従性に基づく規律を押さえる。
補足主たる債務者について生じた事由(時効の完成猶予・更新等)は付従性により保証人にも及ぶが、保証人について生じた事由は原則として主たる債務者に影響しない(相対効)。
問4保証人の要件
保証人の要件及び主たる債務の加重に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、行為能力者であること及び弁済をする資力を有することという要件を具備する者でなければならない。
- イ.主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときは、保証人の負担も加重される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 450条1項のとおり → 正しい
民法第450条「債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 保証契約後に主債務が加重されても保証人の負担は加重されない → 『加重される』は誤り
民法第448条「主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されたときであっても、保証人の負担は加重されない」e-Gov原文
ひっかけ債務者が立てる保証人は『行為能力者かつ弁済資力』が必要。保証契約後の主債務加重は保証人の負担を『加重しない』(450条・448条)。
解説債務者が保証人を立てる義務を負う場合、その保証人は行為能力者であり弁済資力を有する者でなければならない(450条1項)。資力要件を欠くに至ったときは、債権者は要件を備える者への交替を請求できる(同条2項)。また、保証契約締結後の主たる債務の加重は保証人の負担を加重しない(448条2項)。保証人の要件と事後加重を押さえる。
補足450条の保証人の要件(行為能力者・弁済資力)は、債務者が保証人を立てる義務を負う場合の要件である。債権者が保証人を指名した場合は適用されない(450条3項)。
問5催告の抗弁
催告の抗弁及び検索の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。
- イ.債権者が主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 452条のとおり → 正しい
民法第452条「債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 453条のとおり → 正しい
民法第453条「債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ保証人は『催告の抗弁』(まず主債務者に催告せよ)と『検索の抗弁』(まず主債務者の財産に執行せよ)を有する(452条・453条)。
解説債権者が保証人に履行を請求したときは、保証人はまず主たる債務者に催告すべき旨を請求できる(452条、催告の抗弁。主債務者が破産・行方不明のときを除く)。また、催告後でも保証人が主たる債務者の弁済資力と執行の容易性を証明すれば、債権者はまず主たる債務者の財産に執行しなければならない(453条、検索の抗弁)。保証人の2つの抗弁を押さえる。
補足催告の抗弁・検索の抗弁は、保証人の補充性に基づく。連帯保証人はこれらの抗弁を有しない(454条)点が頻出の対比である。
問6検索の抗弁
検索の抗弁及び催告の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権者が主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
- イ.債権者が保証人に債務の履行を請求したときであっても、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 453条のとおり → 正しい
民法第453条「債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 保証人は催告の抗弁を有する → 『請求することはできない』は誤り
民法第452条「保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる」e-Gov原文
ひっかけ保証人は『検索の抗弁』も『催告の抗弁』も有する(452条・453条)。
解説保証人は、主たる債務者に弁済資力があり執行が容易であることを証明すれば、債権者にまず主たる債務者の財産に執行させることができる(453条、検索の抗弁)。また、債権者が保証人に履行を請求したときは、まず主たる債務者に催告すべき旨を請求できる(452条、催告の抗弁)。保証人の補充性に基づく抗弁を押さえる。
補足催告の抗弁・検索の抗弁は通常の保証人に認められる。連帯保証人にはこれらの抗弁がない(454条)点が頻出。
問7連帯保証人について生じた事由の効力
連帯保証人について生じた事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.連帯保証人について生じた事由には、連帯債務に関する規定の準用はなく、いかなる事由も主たる債務者に影響しない。
- イ.連帯保証人について生じた事由には、連帯債務に関する一定の規定(更改・相殺・混同等)が準用される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 連帯保証人に生じた事由には連帯債務の規定が準用される → 『一切準用がなく影響しない』は誤り
民法第458条「主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 458条のとおり → 正しい
民法第458条「主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する」e-Gov原文
ひっかけ連帯保証人について生じた事由には、連帯債務の一定の規定(更改・相殺・混同等)が『準用』される(458条)。
解説連帯保証人について生じた事由には、連帯債務に関する438条(更改)・439条1項(相殺)・440条(混同)・441条の規定が準用される(458条)。したがって、連帯保証人について更改・相殺・混同等が生じると、その限度で主たる債務者にも効力(絶対効)が及ぶ。連帯保証人に生じた事由の効力を押さえる。
補足連帯保証人について生じた事由のうち、更改・相殺・混同は主たる債務者にも効力が及ぶ(絶対効)。履行の請求等は相対効である点に注意する。
問8主たる債務者について生じた事由の効力
主たる債務者について生じた事由に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しては、その効力を生じない。
- イ.主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 主債務者の時効の完成猶予・更新は保証人にも及ぶ → 『効力を生じない』は誤り
民法第457条「主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 457条1項のとおり → 正しい
民法第457条「主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずる」e-Gov原文
ひっかけ主債務者に対する時効の完成猶予・更新は『保証人にも及ぶ』(457条1項)。
解説主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予・更新は、保証人に対してもその効力を生ずる(457条1項)。保証債務の付従性の表れである。主たる債務者について生じた事由の効力を押さえる。
補足主たる債務者について生じた事由(時効の完成猶予・更新等)は付従性により保証人に及ぶ。逆に、保証人について生じた事由は原則として主たる債務者に影響しない(相対効)。
問9主たる債務者の抗弁の援用
保証人による主たる債務者の抗弁の援用に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することはできない。
- イ.保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 保証人は主債務者の抗弁を援用できる → 『対抗することはできない』は誤り
民法第457条「保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 457条2項のとおり → 正しい
民法第457条「保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができる」e-Gov原文
ひっかけ保証人は『主たる債務者の抗弁』をもって債権者に対抗できる(457条2項)。
解説保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁(弁済・同時履行・消滅時効の援用等)をもって債権者に対抗できる(457条2項)。保証債務の付従性に基づき、主たる債務者の防御方法を保証人も利用できる。主たる債務者の抗弁の援用を押さえる。
補足保証人は主たる債務者の抗弁を援用でき、さらに主たる債務者が相殺権・取消権・解除権を有するときは、その限度で履行を拒める(457条3項)。
問10主たる債務者の相殺権等による履行拒絶
主たる債務者の相殺権等及び委託を受けた保証人の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者が債権者に対して相殺権、取消権又は解除権を有するときは、これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる。
- イ.保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し求償権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 457条3項のとおり → 正しい
民法第457条「保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 459条1項のとおり → 正しい
民法第459条「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為」e-Gov原文
ひっかけ主債務者が相殺権・取消権・解除権を有する限度で保証人は『履行を拒める』。委託を受けた保証人は弁済等で『求償権』を有する(457条・459条)。
解説主たる債務者が債権者に対し相殺権・取消権・解除権を有するときは、これらの行使で主たる債務者が債務を免れるべき限度で、保証人は履行を拒める(457条3項)。また、委託を受けた保証人が主たる債務者に代わって債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者に対し求償権を有する(459条1項)。保証人の履行拒絶と求償権を押さえる。
補足457条3項は『履行拒絶』にとどまり、保証人が主たる債務者の取消権等を自ら行使できるわけではない。委託を受けた保証人の求償の範囲には法定利息等も含まれる(459条2項・442条2項準用)。
問11委託を受けた保証人の求償権
委託を受けた保証人の求償権及び主たる債務者の相殺権等に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって自己の財産をもって債務を消滅させる行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対し求償権を有する。
- イ.主たる債務者が債権者に対して相殺権を有するときであっても、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 459条1項のとおり → 正しい
民法第459条「保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、主たる債務者に代わって弁済その他自己の財産をもって債務を消滅させる行為」e-Gov原文
- イ.誤り
- 主債務者が相殺権を有する限度で保証人は履行を拒める → 『拒むことはできない』は誤り
民法第457条「保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる」e-Gov原文
ひっかけ委託を受けた保証人は弁済等で『求償権』を有する。主債務者が相殺権等を有する限度で保証人は『履行を拒める』(459条・457条)。
解説委託を受けた保証人が主たる債務者に代わって債務の消滅行為(弁済等)をしたときは、主たる債務者に対し求償権を有する(459条1項)。また、主たる債務者が相殺権・取消権・解除権を有するときは、その限度で保証人は履行を拒める(457条3項)。求償権と履行拒絶権を押さえる。
補足委託を受けた保証人の求償は弁済等の支出額に及ぶ。委託を受けない保証人の求償(462条)は範囲が制限される点と区別する。
問12委託を受けない保証人の求償権
委託を受けない保証人の求償権に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けているかどうかにかかわらず、支出した全額について求償権を有する。
- イ.主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 意思に反する保証人は現に利益を受けている限度のみ求償できる → 『全額求償できる』は誤り
民法第462条「主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する」e-Gov原文
- イ.正しい
- 462条2項のとおり → 正しい
民法第462条「主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する」e-Gov原文
ひっかけ主債務者の意思に反して保証をした者は、主債務者が『現に利益を受けている限度』でのみ求償できる(462条2項)。
解説主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する(462条2項)。委託を受けた保証人(459条)に比べて求償の範囲が制限される。委託の有無・意思に反するか否かによる求償範囲の違いを押さえる。
補足委託を受けた保証人(支出額全額の求償)、委託を受けないが意思に反しない保証人(債務消滅当時の利益)、意思に反する保証人(現存利益)の順で求償範囲が狭くなる。
問13個人根保証契約の保証人の責任
個人根保証契約及び保証債務の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人根保証契約の保証人は、極度額の定めの有無にかかわらず、主たる債務の全額について無制限に履行をする責任を負う。
- イ.保証債務は、主たる債務の元本のみを対象とし、利息及び損害賠償は含まない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 個人根保証人は極度額を限度として責任を負う → 『無制限に責任を負う』は誤り
民法第465条の2「その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 保証債務は利息・損害賠償等も包含する → 『元本のみ』は誤り
民法第447条「保証債務は、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する」e-Gov原文
ひっかけ個人根保証人は『極度額を限度』として責任を負う(無制限ではない)。保証債務は利息・損害賠償等も『包含』(465条の2・447条)。
解説個人根保証契約(一定範囲の不特定の債務を主たる債務とする保証で保証人が法人でないもの)の保証人は、主たる債務の元本・利息・違約金・損害賠償等及び保証債務の違約金等の全部について、極度額を限度として履行責任を負う(465条の2第1項)。個人保証人を過大な責任から保護する趣旨である。個人根保証の極度額制限を押さえる。
補足個人根保証では極度額を定めないと契約が無効となる(465条の2第2項)。保証人を保護するため、法人でない保証人について責任の上限(極度額)を定めることが求められる。
問14個人根保証契約の極度額
個人根保証契約の極度額及び検索の抗弁に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.個人根保証契約は、極度額を定めなくても、その効力を生ずる。
- イ.保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明しても、検索の抗弁を主張することはできない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 個人根保証は極度額を定めなければ効力を生じない → 『定めなくても効力を生ずる』は誤り
民法第465条の2「個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 資力・執行容易を証明すれば検索の抗弁を主張できる → 『主張することはできない』は誤り
民法第453条「債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない」e-Gov原文
ひっかけ個人根保証は『極度額を定めなければ無効』。資力・執行容易を証明すれば『検索の抗弁』を主張できる(465条の2・453条)。
解説個人根保証契約は、極度額を定めなければその効力を生じない(465条の2第2項)。極度額の定めは個人保証人保護のための効力要件である。また、保証人が主たる債務者の弁済資力と執行の容易性を証明したときは、検索の抗弁を主張できる(453条)。個人根保証の極度額と検索の抗弁を押さえる。
補足個人根保証の極度額は書面(又は電磁的記録)で定める必要がある。極度額の定めを欠く個人根保証契約は無効となる点が重要である。
問15数人の保証人がある場合
数人の保証人がある場合及び保証人の要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.数人の保証人がある場合には、各保証人は、債務の全額について保証の責任を負い、分別の利益を有しない。
- イ.債務者が保証人を立てる義務を負う場合、その保証人は、弁済をする資力を有していれば足り、行為能力者であることは要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
解答・解説を見る
正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 数人の保証人がある場合は427条が適用され分別の利益がある → 『全額負担で分別の利益なし』は誤り(連帯保証を除く)
民法第456条「数人の保証人がある場合には、それらの保証人が各別の行為により債務を負担したときであっても、第四百二十七条の規定を適用する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 保証人の要件は行為能力者かつ弁済資力 → 『行為能力者であることを要しない』は誤り
民法第450条「債務者が保証人を立てる義務を負う場合には、その保証人は、次に掲げる要件を具備する者でなければならない」e-Gov原文
ひっかけ数人の(単純)保証人には『分別の利益』がある。債務者が立てる保証人は『行為能力者かつ弁済資力』が必要(456条・450条)。
解説数人の保証人がある場合には、各別の行為で債務を負担したときでも427条(分割債権債務)が適用され、各保証人は平等の割合で分割した額についてのみ責任を負う(456条、分別の利益)。また、債務者が保証人を立てる義務を負う場合の保証人は、行為能力者かつ弁済資力を有する者でなければならない(450条1項)。分別の利益と保証人の要件を押さえる。
補足分別の利益は通常の共同保証人にある。連帯保証人や保証連帯の特約がある場合には分別の利益がなく、各自が全額の責任を負う点が頻出の対比である。