問1国税優先の原則
国税徴収法上の国税優先の原則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国税は、納税者の総財産について、原則として、すべての公課その他の債権に先だって徴収する。
- イ.国税は、いかなる場合も、質権又は抵当権により担保される債権に優先して徴収される。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 8条の原則どおり → 正しい
国税徴収法第8条「すべての公課その他の債権に先だつて徴収する」e-Gov原文
- イ.誤り
- 『いかなる場合も優先』は例外を無視 → 誤り
ひっかけ国税優先は『原則』。別段の定め(担保債権との調整)という例外を切り捨てる肢に注意(8条)。
解説8条は徴収の基本原則で、国税は納税者の総財産について公課その他の債権に先立って徴収される。ただし『この章に別段の定めがある場合を除き』とされ、第2章(国税と他の債権との調整)で、法定納期限等以前に設定された質権・抵当権で担保される債権が国税に優先する場面などが定められている。原則(国税優先)と例外(担保債権との調整)をセットで押さえ、『絶対優先』と短絡しないことが要点。
補足国税相互間や、強制換価手続の費用・直接の滞納処分費などにも優先順位の定めがあり、8条の原則は個別の調整規定によって修正される。
問2定義(公課・附帯税)
国税徴収法における用語の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.「公課」とは、滞納処分の例により徴収することができる債権のうち、国税及び地方税を含むすべてのものをいう。
- イ.「附帯税」とは、国税のうち延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 国税・地方税は公課から除かれる → 含むは誤り
国税徴収法第2条「滞納処分の例により徴収することができる債権のうち国税」e-Gov原文
- イ.正しい
- 2条4号の定義どおり → 正しい
国税徴収法第2条「延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税及び重加算税をいう」e-Gov原文
ひっかけ公課は国税・地方税『以外』。附帯税は本税に附帯する延滞税・利子税・各種加算税(2条)。
解説2条は徴収手続全体の用語の土台。『公課』は滞納処分の例により徴収できる債権のうち国税・地方税以外のもの(5号)で、社会保険料など国税・地方税以外の強制徴収公債権を指す。『附帯税』は国税のうち延滞税・利子税・過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税・重加算税(4号)で、本税に附帯して課される。8条の国税優先や配当の場面で、何が国税・地方税・公課に当たるかが効いてくるため、定義段階で区別を固めておく。
補足国税徴収法上の『国税』は、関税・とん税・特別とん税・森林環境税・特別法人事業税以外のものをいう(2条1号)。これらは別の徴収の仕組みが置かれている。
問3差押えの要件
滞納処分による差押えの要件に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.滞納者が督促を受け、その督促に係る国税を、督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは、徴収職員はその財産を差し押えなければならない。
- イ.国税の納期限後、督促を受けた滞納者につき繰上請求の事由が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 47条1項1号の要件どおり → 正しい
国税徴収法第47条「その督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき」e-Gov原文
- イ.正しい
- 47条2項が即時差押えを認める → 正しい
国税徴収法第47条「直ちにその財産を差し押えることができる」e-Gov原文
ひっかけ原則は『督促→10日経過』で差押え。繰上請求事由があれば10日を待たず直ちに差押え可(47条)。
解説差押えは滞納処分の入口で、47条が要件を定める。原則は、督促を受けた滞納者がその国税を督促状発付の日から10日を経過した日までに完納しないこと(1項1号)。例外として、納期限後その10日を経過する日までに繰上請求事由(財産の隠匿のおそれ等)が生じたときは、10日を待たずに直ちに差し押えることができる(2項)。なお第二次納税義務者・保証人に適用する場合は『督促状』を『納付催告書』と読み替える(3項)。原則と例外(即時差押え)を区別して押さえる。
補足差押えは『しなければならない』(1項)とされ、要件を満たせば徴収職員に義務付けられる。即時差押え(2項)は『できる』とされ、事由が生じた場合の手段として認められる。
問4超過差押え及び無益な差押えの禁止
差押えの制限に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国税を徴収するために必要な財産であっても、滞納者の同意がなければ、これを差し押えることができない。
- イ.差し押えることができる財産の価額が、その差押えに係る滞納処分費及び優先する他の債権の金額の合計額を超える見込みがないときは、その財産は差し押えることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 条文は超過差押えを禁ずるのみ。必要財産の差押えに同意は要件でない → 誤り
国税徴収法第48条「国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押えることができない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 48条2項が無益差押えを禁ずる → 正しい
国税徴収法第48条「その財産は、差し押えることができない」e-Gov原文
ひっかけ48条は『超過差押え』(必要以上)と『無益な差押え』(取り分なし)の二つの禁止。同意は要件ではない。
解説48条は差押えの量的・実質的な限界を画す。1項は超過差押えの禁止で、徴収に必要な範囲を超える財産は差し押えられない。2項は無益な差押えの禁止で、財産の価額が滞納処分費や先順位の債権の合計を超える見込みがない(換価しても国税に充てる取り分が残らない)財産は差し押えられない。いずれも徴収職員の判断を縛る規定であり、滞納者の同意の有無とは関係しない点に注意する。
補足差押えの対象選択には、第三者の権利を害することが少ない財産から差し押えるなどの配慮義務(49条)もあり、48条と併せて差押えの適正を担保している。
問5債権の差押えの手続及び効力発生時期
債権の差押えに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権の差押えは、その債権の債務者である滞納者本人に対する債権差押通知書の送達により行う。
- イ.債権の差押えの効力は、債権差押通知書が第三債務者に送達された時に生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 送達先は第三債務者であり滞納者本人ではない → 誤り
国税徴収法第62条「第三債務者に対する債権差押通知書の送達により行う」e-Gov原文
- イ.正しい
- 62条3項が効力発生時期を定める → 正しい
国税徴収法第62条「債権差押通知書が第三債務者に送達された時に生ずる」e-Gov原文
ひっかけ債権差押えは『第三債務者』への送達が手続であり効力発生時点。滞納者本人ではない(62条)。
解説債権(滞納者が第三者に対して持つ債権)の差押えは、滞納者の債務者である第三債務者に対して債権差押通知書を送達して行い(1項)、徴収職員は第三債務者に履行を、滞納者に取立てその他の処分を禁ずる(2項)。効力は通知書が第三債務者に送達された時に生じる(3項)。動産の差押え(占有)や不動産の差押え(登記)と異なり、債権では『第三債務者への送達』が手続の中心になる点が要点。
補足差し押えた債権については、徴収職員が取立てをすることができる(67条1項)。差押えで滞納者の取立てを禁じ、徴収職員が代わって取り立てる構造になっている。
問6差し押えた債権の取立て
差し押えた債権の取立てに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.徴収職員は、差し押えた債権の取立てをすることができる。
- イ.徴収職員が差し押えた債権につき金銭を取り立てたときは、その限度において、滞納者から差押えに係る国税を徴収したものとみなす。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 67条1項のとおり → 正しい
国税徴収法第67条「差し押えた債権の取立をすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 67条3項のとおり → 正しい
国税徴収法第67条「その限度において、滞納者から差押に係る国税を徴収したものとみなす」e-Gov原文
ひっかけ債権は『取立て』で金銭化し、取り立てた限度で国税を徴収したものとみなす(67条)。公売は要らない。
解説金銭債権は、動産や不動産のように公売で換価するのではなく、徴収職員が第三債務者から直接取り立てて金銭化する(67条1項)。取り立てた金銭は、その限度で滞納者から国税を徴収したものとみなされ(3項)、配当の対象となる。取り立てたものが金銭以外のとき(代物弁済等)はそれを更に差し押える(2項)。債権=取立て、動産・不動産=公売、という換価方法の違いを押さえる。
補足差し押える債権の全部又は一部の弁済期限が取立て時から6月以内に到来しないものなどは、換価の手続によることもできる(89条2項)。取立てが困難な債権は公売的な換価に回す道もある。
問7一般の差押禁止財産
一般の差押禁止財産に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.滞納者及びその者と生計を一にする親族の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具は、差し押えることができない。
- イ.滞納者及びその者と生計を一にする親族の生活に必要な6月間の食料及び燃料は、差し押えることができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 75条1項1号の列挙どおり → 正しい
国税徴収法第75条「生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具」e-Gov原文
ひっかけ食料・燃料の差押禁止は『三月間』。期間の数字を6月などにすり替える肢に注意(75条)。
解説75条は滞納者の最低限の生活等を守るため、一般の差押禁止財産を列挙する。生活に欠くことができない衣服・寝具・家具等(1号)、生活に必要な三月間の食料及び燃料(2号)、自己の労力による農業・漁業に欠かせない器具等(3号・4号)、職業に欠かせない器具その他の物(5号、商品を除く)、実印(6号)、仏像・位牌等(7号)などである。条文に明記された期間(三月間)や除外(商品を除く)を正確に押さえることが、ひっかけ対策になる。
補足給与等は別に差押禁止の範囲が定められ(76条)、その金額の計算には政令の基準が用いられる。75条の列挙財産とは別の枠組みである。
問8換価・公売の方法
差押財産の換価に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税務署長は、差押財産を換価するときは、随意契約による売却の方法のみによってこれを行わなければならない。
- イ.公売は、入札又は競り売りの方法により行わなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:3(アー誤、イー正)
- ア.誤り
- 条文は公売を原則とする → 随意契約のみは誤り
- イ.正しい
- 94条2項のとおり → 正しい
国税徴収法第94条「入札又は競り売りの方法により行わなければならない」e-Gov原文
ひっかけ換価の原則は『公売』、その方法は『入札又は競り売り』。随意契約は例外(94条)。
解説差押財産のうち金銭・債権・取立てをする有価証券を除くものは、原則として換価(金銭化)しなければならない(89条1項)。換価は公売が原則で(94条1項)、公売は入札又は競り売りの方法による(同条2項)。随意契約による売却は、公売に付しても買受人がない場合や法令で価額が定まっている場合など、法定の例外的場面に限られる。『換価=原則公売/公売=入札・競り売り』の二段を押さえる。
補足果実は成熟した後、蚕は繭となった後でなければ換価できない(90条1項)など、財産の性質に応じた換価の制限もある。換価の時期・方法は財産ごとに調整される。
問9第二次納税義務の通則
第二次納税義務の通則に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税務署長は、納税者の国税を第二次納税義務者から徴収しようとするときは、その者に対し、納付通知書により告知しなければならない。
- イ.第二次納税義務者の財産の換価は、その財産の価額が著しく減少するおそれがあるときを除き、本来の納税者の財産を換価に付した後でなければ行うことができない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 32条1項のとおり → 正しい
国税徴収法第32条「納付通知書により告知しなければならない」e-Gov原文
- イ.正しい
- 32条4項が補充性を定める → 正しい
国税徴収法第32条「第一項の納税者の財産を換価に付した後でなければ、行うことができない」e-Gov原文
ひっかけ第二次納税義務は『補充的』。本来の納税者の財産を換価した後でないと第二次納税義務者の財産は換価できない(32条)。
解説第二次納税義務は、本来の納税者から徴収しきれないときに、一定の関係者に補充的に負わせる義務である。徴収は納付通知書による告知で始まり(1項)、期限までに完納しないときは納付催告書で督促する(2項)。換価は、財産の価額が著しく減少するおそれがあるときを除き、本来の納税者の財産を換価に付した後でなければできない(4項)。この補充性が、第二次納税義務が本来の納税義務に対して二次的であることの核心である。
補足第二次納税義務者は、告知や督促、これらに係る滞納処分について訴えを提起でき、その訴訟係属中は当該国税についての換価が制限される(90条3項)。補充性に加えて争う機会も保障されている。
問10合名会社等の社員の第二次納税義務
合名会社等の社員の第二次納税義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.合名会社が国税を滞納し、その財産につき滞納処分を執行してもなお徴収すべき額に不足すると認められるとき、その社員は、その出資の価額を限度として第二次納税義務を負う。
- イ.合資会社が国税を滞納した場合、その有限責任社員も、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 条文に出資価額限度の定めはない → 誤り
国税徴収法第33条「その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 有限責任社員は対象外 → 誤り
国税徴収法第33条「合資会社及び監査法人にあつては、無限責任社員」e-Gov原文
ひっかけ合名会社の社員は限度なく連帯責任。合資会社は『無限責任社員』だけが第二次納税義務を負う(33条)。
解説33条は、社員が会社債務につき無限・連帯の責任を負う持分会社の性質を徴収にも及ぼす規定である。合名会社の社員、合資会社・監査法人の無限責任社員などが、会社の滞納国税につき第二次納税義務を負い、連帯して責めに任ずる。事業譲受人(38条)や無償譲受人(39条)の第二次納税義務が『譲受財産の価額』『受けた利益が現存する限度』のように責任に限度を設けるのと異なり、社員の責任には条文上の額の限度がない点が対比のポイントになる。
補足合資会社・監査法人で対象が無限責任社員に限られるのは、有限責任社員が出資の限度でしか会社債務を負わないという会社法上の責任構造に対応している。
問11事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務
事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.納税者と特殊な関係のある者が事業を譲り受け、同一又は類似の事業を営む場合において、その納税者が当該事業に係る国税を滞納し滞納処分をしてもなお不足するときは、その譲受人は、譲受財産の価額の限度において第二次納税義務を負う。
- イ.事業の譲渡が、滞納に係る国税の法定納期限より1年以上前にされている場合であっても、その譲受人は第二次納税義務を負う。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 38条のとおり責任は譲受財産の価額が限度 → 正しい
- イ.誤り
- ただし書で除外される → 負うは誤り
国税徴収法第38条「その譲渡が滞納に係る国税の法定納期限より一年以上前にされている場合は、この限りでない」e-Gov原文
ひっかけ事業譲受人の責任は『譲受財産の価額の限度』。法定納期限の1年以上前の譲渡はただし書で除外(38条)。
解説38条は、滞納者と生計を一にする親族など特殊関係者に事業を譲渡し、譲受人が同一・類似の事業を営む場合に、譲受人へ補充的に負わせる第二次納税義務である。責任は譲受財産の価額を限度とし(無限ではない)、譲渡が滞納国税の法定納期限より1年以上前であればただし書で除外される。社員の第二次納税義務(33条、限度なし・連帯)と異なり、ここでは『価額の限度』『1年以上前の除外』という枠が付く点を対比で押さえる。
補足無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務(39条)は、受けた利益が現に存する限度とされる。誰に・いくらまで及ぶかは類型ごとに条文で異なる。
問12交付要求
交付要求に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.滞納者の財産につき強制換価手続が行われた場合、税務署長は、執行機関に対し、参加差押書により交付要求をしなければならない。
- イ.税務署長は、交付要求をしたときであっても、その旨を滞納者に通知することを要しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- ア.誤り
- 交付要求の書面は交付要求書 → 参加差押書は誤り
国税徴収法第82条「交付要求書により交付要求をしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 82条2項は通知を義務付ける → 『要しない』は誤り
国税徴収法第82条「その旨を滞納者に通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ交付要求は『交付要求書』。既に他の差押えがある財産への上乗せは『参加差押え(参加差押書)』(82条・86条)。
解説交付要求は、滞納者の財産につき他の機関による強制換価手続(民事執行・破産等)が行われている場合に、その手続の中で国税への配当を求める手続で、執行機関に交付要求書を交付して行う(82条1項)。これに対し、既に滞納処分による差押えがある財産につき配当を確保するのが参加差押えで、交付要求書に代えて参加差押書を交付する(86条)。どちらも『他の手続に乗って配当を取りに行く』点は共通だが、用いる書面と前提が異なる点を区別する。
補足交付要求をしたときは、質権者等にも通知が必要になる場合がある(82条3項が55条を準用)。利害関係人への手続保障が図られている。
問13参加差押え
参加差押えに関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.差押えをすることができる場合において、滞納者の一定の財産につき既に滞納処分による差押えがされているときは、交付要求書に代えて参加差押書を、滞納処分をした行政機関等に交付して参加差押えをすることができる。
- イ.税務署長は、参加差押えをしたときは、参加差押通知書により滞納者に通知しなければならない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:1(アー正、イー正)
- ア.正しい
- 86条1項のとおり → 正しい
国税徴収法第86条「参加差押書を滞納処分をした行政機関等に交付してすることができる」e-Gov原文
- イ.正しい
- 86条2項のとおり → 正しい
国税徴収法第86条「参加差押通知書により滞納者に通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ参加差押えは『既に滞納処分の差押えがある財産』への交付要求の特則。書面は参加差押書(86条)。
解説参加差押えは交付要求の一種で、対象財産(動産・有価証券、不動産・船舶等、電話加入権)に既に滞納処分による差押えがされている場合に、交付要求書に代えて参加差押書を交付して行う(86条1項)。先行の差押えが解除されたときに参加差押えが差押えの効力を持つなど、単なる交付要求より進んだ地位が与えられる。通常の交付要求(82条、強制換価手続一般に乗る)と、参加差押え(先行の滞納処分の差押えに乗る)を区別して押さえる。
補足参加差押えをした財産が不動産等のときは、参加差押えの登記を関係機関に嘱託する(86条3項)。先行差押えとの優劣や効力の引継ぎのため、公示が図られる。
問14滞納処分に関する質問及び検査
徴収職員の質問及び検査に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.徴収職員が質問及び検査をすることができる相手方は、滞納者本人に限られる。
- イ.徴収職員は、滞納処分のためであるか否かを問わず、滞納者の財産を一般的に調査するために質問及び検査をすることができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:4(アー誤、イー誤)
- イ.誤り
- 目的・範囲の限定を無視 → 誤り
国税徴収法第141条「滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるとき」e-Gov原文
ひっかけ質問検査の相手は滞納者だけではない(占有第三者等も)。ただし『滞納処分のため必要な範囲』に限られる(141条)。
解説141条は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときに、徴収職員が質問・検査・物件の提示提出要求をできるとする。相手方は、滞納者本人だけでなく、滞納者の財産を占有する第三者、滞納者と債権債務関係がある者、滞納者が株主・出資者である法人などにも及ぶ。一方で、行使は『滞納処分のため』『必要と認められる範囲内』に限られ、一般的・無限定な調査権ではない。誰に対して・どの範囲でという二つの限定を押さえる。
補足質問検査の範囲を超える捜索は、別に要件と手続が定められている(142条等)。質問検査(141条)と捜索(142条)は権限の強さが異なる別の手続である。
問15滞納処分の停止
滞納処分の停止に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税務署長は、滞納者につき滞納処分の執行をすることができる財産がないと認めるときは、滞納処分の執行を停止することができる。
- イ.滞納処分の執行を停止した国税を納付する義務は、その執行の停止が5年間継続したときに消滅する。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 153条1項のとおり → 正しい
国税徴収法第153条「滞納処分の執行を停止することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 条文は三年間 → 5年間は誤り
国税徴収法第153条「その執行の停止が三年間継続したときは、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ滞納処分の停止が『3年間』継続すると納税義務が消滅。期間を5年などにすり替える肢に注意(153条)。
解説153条は、徴収の見込みがない滞納者を救済し徴収手続を整理するための滞納処分の停止を定める。停止できるのは、執行できる財産がないとき(1号)、執行により生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき(2号)、所在及び財産がともに不明のとき(3号)である。停止が3年間継続すると納税義務は消滅し(4項)、財産がない場合等で徴収できないことが明らかなときは直ちに消滅させることもできる(5項)。要件(3類型)と効果(3年継続で消滅)を分けて押さえる。
補足2号(生活の窮迫)で停止した場合に差し押さえた財産があるときは、その差押えを解除しなければならない(153条3項)。停止の類型によって付随する措置が異なる。
問16差押えの時期
差押えの時期に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.督促状を発した日から十日を経過した日までに完納しないときは、滞納者の財産を差し押さえることができる。
- イ.督促状を発した場合、納期限到来前でも常に直ちに差押えができる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 差押要件
国税徴収法第47条「その督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき」e-Gov原文
- イ.誤り
- 常にではない
国税徴収法第47条「直ちにその財産を差し押えることができる」e-Gov原文
ひっかけ期限・主体・対象・例外の入れ替えに注意する。
解説差押えの時期は、条文上の主体・期限・例外を一語ずつ確認する。税法は数字や提出先の入れ替えで誤答を作りやすいため、条文の効果までセットで押さえる。
補足条文引用はe-Gov法令APIで照合する。
問17超過差押えの禁止
超過差押えの禁止に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押さえることができない。
- イ.滞納処分では、換価見込みがない財産であっても差押えが義務付けられる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 48条
国税徴収法第48条「国税を徴収するために必要な財産以外の財産は、差し押えることができない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 義務ではない
国税徴収法第48条「その財産は、差し押えることができない」e-Gov原文
ひっかけ期限・主体・対象・例外の入れ替えに注意する。
解説超過差押えの禁止は、条文上の主体・期限・例外を一語ずつ確認する。税法は数字や提出先の入れ替えで誤答を作りやすいため、条文の効果までセットで押さえる。
補足条文引用はe-Gov法令APIで照合する。
問18債権差押えの効力発生時期
債権差押えの効力発生時期に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.債権差押えは、第三債務者に対する債権差押通知書の送達により行う。
- イ.債権差押えの効力は、滞納者に通知書が到達した時に生ずる。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 債権差押え
国税徴収法第62条「第三債務者に対する債権差押通知書の送達により行う」e-Gov原文
- イ.誤り
- 滞納者到達時ではない
国税徴収法第62条「債権差押通知書が第三債務者に送達された時に生ずる」e-Gov原文
ひっかけ期限・主体・対象・例外の入れ替えに注意する。
解説債権差押えの効力発生時期は、条文上の主体・期限・例外を一語ずつ確認する。税法は数字や提出先の入れ替えで誤答を作りやすいため、条文の効果までセットで押さえる。
補足条文引用はe-Gov法令APIで照合する。
問19交付要求と滞納者通知
交付要求と滞納者通知に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税務署長は、交付要求書により交付要求をしなければならない。
- イ.交付要求をした場合でも、その旨を滞納者に通知する必要はない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 82条
国税徴収法第82条「交付要求書により交付要求をしなければならない」e-Gov原文
- イ.誤り
- 通知不要ではない
国税徴収法第82条「その旨を滞納者に通知しなければならない」e-Gov原文
ひっかけ期限・主体・対象・例外の入れ替えに注意する。
解説交付要求と滞納者通知は、条文上の主体・期限・例外を一語ずつ確認する。税法は数字や提出先の入れ替えで誤答を作りやすいため、条文の効果までセットで押さえる。
補足条文引用はe-Gov法令APIで照合する。
問20滞納処分の停止と消滅
滞納処分の停止と消滅に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア.税務署長は、一定の場合に滞納処分の執行を停止することができる。
- イ.滞納処分の執行停止が三年間継続しても、納税義務は当然には消滅しない。
- アー正、イー正
- アー正、イー誤
- アー誤、イー正
- アー誤、イー誤
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正解:2(アー正、イー誤)
- ア.正しい
- 153条
国税徴収法第153条「滞納処分の執行を停止することができる」e-Gov原文
- イ.誤り
- 当然消滅しないは誤り
国税徴収法第153条「その執行の停止が三年間継続したときは、消滅する」e-Gov原文
ひっかけ期限・主体・対象・例外の入れ替えに注意する。
解説滞納処分の停止と消滅は、条文上の主体・期限・例外を一語ずつ確認する。税法は数字や提出先の入れ替えで誤答を作りやすいため、条文の効果までセットで押さえる。
補足条文引用はe-Gov法令APIで照合する。