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所得税法・第3

所得税法の問題(20問)

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この章で確認する論点

3章では、納税義務者・居住者・非永住者の定義・課税所得の範囲・利子所得・配当所得を中心に20問を収録しています。正解番号だけでなく、選択肢ごとの根拠と誤りの理由まで確認します。

所得税法を他資格と横断して確認する場合は、税法を学べる資格と無料問題も使えます。

  • 居住者は所得税の納税義務者。非居住者も『国内源泉所得』があれば納税義務を負う(5条)。
  • 居住者は『住所あり、又は引き続き1年以上居所あり』。期間を6月などにすり替える肢に注意(2条)。
  • 非永住者以外の居住者は『全ての所得』。非永住者の国外源泉所得も『国内払い・国外送金分』は課税される(7条)。

この章で扱う条文

収録問題の解説が根拠として引用している条文の一覧です。リンク先はe-Gov法令検索の原文(解説内では該当箇所を逐語引用しています)。

所得税法2条5条7条23条24条26条27条28条30条32条33条34条35条36条120条

問題と解説を読む20問・答え付き

答え・解説つきで20問を読めます。自分で解いて試すには、上の「この章を解く」からどうぞ。

e-Gov等の一次資料で確認済み2026年6月〜2026年6月時点の法令に準拠
1納税義務者e-Gov等の一次資料で確認済み

所得税の納税義務者に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある。
  • 非居住者は、国内源泉所得を有する場合であっても、所得税を納める義務を負わない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
5条1項は、居住者はこの法律により所得税を納める義務があると定める。記述は条文どおりで正しい(所得税法5条1項)。

所得税法第5条「居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある」一次資料を確認

誤り
国内源泉所得があれば義務を負う → 『負わない』は誤り

所得税法第5条「非居住者は、次に掲げる場合には、この法律により、所得税を納める義務がある」一次資料を確認

ひっかけ居住者は所得税の納税義務者。非居住者も『国内源泉所得』があれば納税義務を負う(5条)。

解説所得税の納税義務者は、まず個人を居住者と非居住者に分ける。居住者は所得税を納める義務があり(5条1項)、非居住者も国内源泉所得を有するとき等には義務を負う(5条2項)。誰が・どの範囲で課税されるかは、この納税義務者の区分と、課税所得の範囲を定める7条がセットで効く。『居住者か非居住者か』『国内源泉か国外源泉か』の二軸で整理する。

補足内国法人・外国法人も、利子・配当等の支払を受けるときなどに所得税(源泉徴収)の納税義務を負う場面がある(5条3項・4項)。所得税の納税義務者は個人に限られない。

2居住者・非永住者の定義e-Gov等の一次資料で確認済み

所得税法上の居住者及び非永住者の定義に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて6月以上居所を有する個人をいう。
  • 非永住者とは、居住者のうち、日本の国籍を有しておらず、かつ、過去10年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文は『一年以上』 → 6月以上は誤り

所得税法第2条「現在まで引き続いて一年以上居所を有する個人をいう」一次資料を確認

正しい
2条1項4号の定義どおり → 正しい

所得税法第2条「過去十年以内において国内に住所又は居所を有していた期間の合計が五年以下である個人をいう」一次資料を確認

ひっかけ居住者は『住所あり、又は引き続き1年以上居所あり』。期間を6月などにすり替える肢に注意(2条)。

解説個人は、住所又は1年以上の居所の有無で居住者と非居住者に分かれる(2条1項3号・5号)。さらに居住者のうち、日本国籍がなく過去10年以内の住所・居所の合計が5年以下の者は非永住者とされ(4号)、課税所得の範囲が一般の居住者より狭くなる(7条1項2号)。住所・居所・国籍・期間という要件の数字を正確に押さえることが、区分判定のひっかけ対策になる。

補足非永住者以外の居住者は全ての所得が課税対象、非永住者は国外源泉所得のうち国内払い・国外送金分等に限り加算される(7条1項1号・2号)。区分が課税範囲に直結する。

3課税所得の範囲e-Gov等の一次資料で確認済み

所得税の課税所得の範囲に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 非永住者以外の居住者については、国内源泉所得に限り所得税が課される。
  • 非永住者については、国外源泉所得は、国内において支払われ、又は国外から送金された場合であっても、課税されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
条文は『全ての所得』 → 国内源泉所得に限るは誤り

所得税法第7条「非永住者以外の居住者全ての所得」一次資料を確認

誤り
国内払い・国外送金分は課税対象 → 『課税されない』は誤り

所得税法第7条「国外源泉所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの」一次資料を確認

ひっかけ非永住者以外の居住者は『全ての所得』。非永住者の国外源泉所得も『国内払い・国外送金分』は課税される(7条)。

解説課税所得の範囲は納税義務者の区分で段階的に広がる。非永住者以外の居住者は全世界の全ての所得(1号)、非永住者は国外源泉所得以外の所得に加え国外源泉所得のうち国内払い・国外送金分(2号)、非居住者は国内源泉所得(3号)が対象となる。居住者区分が広いほど課税範囲も広い、という対応関係を押さえると、各区分の課税範囲を取り違えにくい。

補足非居住者に対する課税の方法(総合課税か分離課税か等)は、恒久的施設の有無などにより164条で区分される。非居住者の課税は国内源泉所得の種類と恒久的施設で更に細分される。

4利子所得e-Gov等の一次資料で確認済み

利子所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 利子所得とは、公社債及び預貯金の利子のみをいい、合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配は含まれない。
  • 利子所得の金額は、その年中の利子等の収入金額とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
信託の収益の分配も含む → 『含まれない』は誤り

所得税法第23条「合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配」一次資料を確認

正しい
23条2項は、利子所得の金額はその年中の利子等の収入金額とすると定める。必要経費の控除は予定されておらず、記述は条文どおりで正しい(所得税法23条2項)。

所得税法第23条「その年中の利子等の収入金額とする」一次資料を確認

ひっかけ利子所得は『収入金額がそのまま所得金額』(必要経費なし)。範囲には一定の信託の収益分配も入る(23条)。

解説利子所得は、公社債・預貯金の利子と、合同運用信託・公社債投資信託・公募公社債等運用投資信託の収益の分配からなる(23条1項)。所得金額は収入金額そのもので、必要経費の控除がない点が特徴である(2項)。事業所得や不動産所得が『総収入金額−必要経費』で計算されるのと対比すると、所得区分ごとの計算構造の違いが見える。

補足預貯金の利子等は、原則として源泉分離課税の対象となり、源泉徴収だけで課税関係が完結する場合が多い。所得区分の定義と、実際の課税方法(総合・分離)は別の論点である。

5配当所得e-Gov等の一次資料で確認済み

配当所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 配当所得とは、法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配等に係る所得をいう。
  • 配当所得の金額は、原則として、その年中の配当等の収入金額とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
24条1項は、配当所得を法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配等に係る所得と定義する。記述は正しい(所得税法24条1項)。

所得税法第24条「配当所得とは、法人」一次資料を確認

正しい
24条2項本文は、配当所得の金額をその年中の配当等の収入金額とすると定める。記述は原則を述べており正しい(所得税法24条2項)。

所得税法第24条「配当所得の金額は、その年中の配当等の収入金額とする」一次資料を確認

ひっかけ配当所得の金額は『原則、収入金額』。ただし元本取得のための負債利子がある場合はその控除がある(24条)。

解説配当所得は、法人から受ける剰余金の配当・利益の配当・剰余金の分配等に係る所得である(24条1項)。所得金額は原則として配当等の収入金額だが、配当所得を生ずべき元本を取得するために要した負債の利子があるときは、その額を控除する(2項ただし書)。利子所得が収入金額そのままで負債利子の控除を予定しないのと異なり、配当所得には負債利子の控除がある点が対比のポイントになる。

補足配当所得は、確定申告において配当控除(税額控除)の対象となる場合がある。所得金額の計算(24条)と税額計算段階の配当控除は、別の段階の話である。

6不動産所得e-Gov等の一次資料で確認済み

不動産所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 不動産所得とは、不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得をいう。
  • 不動産等の貸付けによる所得であっても、事業所得又は譲渡所得に該当するものは、不動産所得から除かれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
26条1項は、不動産所得を不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機の貸付けによる所得と定義する。記述は正しい(所得税法26条1項)。

所得税法第26条「不動産、不動産の上に存する権利、船舶又は航空機」一次資料を確認

正しい
26条1項が除外を定める → 正しい

所得税法第26条「事業所得又は譲渡所得に該当するものを除く」一次資料を確認

ひっかけ船舶・航空機の貸付けも不動産所得。ただし事業所得・譲渡所得に当たるものは除かれる(26条)。

解説不動産所得は、不動産だけでなく、不動産の上に存する権利(地上権等)や船舶・航空機の貸付けによる所得も含む(26条1項)。一方で、貸付けが事業所得や譲渡所得に該当するものは不動産所得から除かれる。各所得区分の定義には『他の区分に該当するものを除く』という調整が置かれ、所得の重複区分を避けている。どの区分が優先するかを定義の除外規定で押さえる。

補足不動産の貸付けが事業的規模かどうかは、青色申告特別控除の額などに影響するが、事業的規模であっても貸付けによる所得は原則として不動産所得に区分される。

7事業所得e-Gov等の一次資料で確認済み

事業所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得をいう。
  • 山林所得又は譲渡所得に該当する所得であっても、事業から生じたものであれば事業所得に含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
27条1項は、事業所得を農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得と定義する。記述は正しい(所得税法27条1項)。

所得税法第27条「農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるもの」一次資料を確認

誤り
これらは除かれる → 『含まれる』は誤り

所得税法第27条「山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く」一次資料を確認

ひっかけ事業から生じても、山林所得・譲渡所得に該当するものは事業所得ではない(27条の除外)。

解説事業所得は、農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業その他政令で定める事業から生ずる所得である(27条1項)。ただし、その事業に関連して生じても、山林の伐採・譲渡による所得は山林所得(32条)、資産の譲渡による所得は譲渡所得(33条)に区分され、事業所得からは除かれる。所得区分は、生じた活動だけでなく、各区分の除外規定で最終的に振り分けられる。

補足事業所得の金額は総収入金額から必要経費を控除して計算する(27条2項)。必要経費の範囲は37条が定め、収入金額(36条)と対になって所得金額が算定される。

8給与所得e-Gov等の一次資料で確認済み

給与所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。
  • 給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
28条1項は、給与所得を俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得と定義する。記述は正しい(所得税法28条1項)。

所得税法第28条「俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与」一次資料を確認

正しい
28条2項は、給与所得の金額をその年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とすると定める。記述は正しい(所得税法28条2項)。

所得税法第28条「給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする」一次資料を確認

ひっかけ給与所得は『収入金額−給与所得控除額』。必要経費の実額ではなく定型の控除で計算する(28条)。

解説給与所得は、俸給・給料・賃金・歳費・賞与等に係る所得である(28条1項)。所得金額は、収入金額から給与所得控除額を控除した残額で計算する(2項)。給与所得控除額は収入金額に応じて定まる定型の概算控除で、事業所得のように実額の必要経費を積み上げる方式とは異なる。所得区分ごとに、収入から差し引く控除の性質(実額か概算か)が違う点を押さえる。

補足一定の特定支出の合計額が給与所得控除額の一定割合を超える場合は、その超える部分を追加で控除できる特定支出控除の仕組みもある。原則の概算控除に対する例外として位置づけられる。

9退職所得e-Gov等の一次資料で確認済み

退職所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 退職所得の金額は、原則として、その年中の退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額(2分の1を乗じない金額)とする。
  • 退職所得とは、退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与に係る所得をいう。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
原則は残額の2分の1 → 『2分の1を乗じない』は誤り

所得税法第30条「退職所得控除額を控除した残額の二分の一に相当する金額」一次資料を確認

正しい
30条1項は、退職所得を退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与及びこれらの性質を有する給与に係る所得と定義する。記述は正しい(所得税法30条1項)。

所得税法第30条「退職手当、一時恩給その他の退職により一時に受ける給与」一次資料を確認

ひっかけ退職所得は原則『(収入金額−退職所得控除額)×2分の1』。2分の1を落とす肢に注意(30条)。

解説退職所得は、退職により一時に受ける給与等に係る所得である(30条1項)。所得金額は、収入金額から退職所得控除額を控除した残額に原則2分の1を乗じて計算する(2項)。長年の勤務に対する一時の所得という性質に配慮した計算構造で、退職所得控除額と2分の1課税の二段で税負担を軽くしている。ただし勤続年数が短い特定の退職手当等では2分の1課税が制限される例外もある点に注意する。

補足退職所得は原則として他の所得と分離して課税され(分離課税)、退職時に支払者が源泉徴収を行う。所得区分の計算(30条)と課税方式(分離課税)は別の論点である。

10山林所得e-Gov等の一次資料で確認済み

山林所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 山林所得の金額の計算上、山林所得の特別控除額は控除されない。
  • 山林をその取得の日以後5年以内に伐採し又は譲渡することによる所得も、山林所得に含まれる。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
特別控除額を控除する → 『控除されない』は誤り

所得税法第32条「山林所得の特別控除額を控除した金額とする」一次資料を確認

誤り
5年以内は山林所得から除外 → 『含まれる』は誤り

所得税法第32条「山林所得に含まれないものとする」一次資料を確認

ひっかけ山林所得には『特別控除』がある。取得後『5年以内』の伐採・譲渡は山林所得ではない(32条)。

解説山林所得は、山林の伐採又は譲渡による所得である(32条1項)。ただし、取得の日以後5年以内に伐採・譲渡したものは山林所得に含まれず、事業所得又は雑所得になる(2項)。所得金額は総収入金額から必要経費を控除し、さらに山林所得の特別控除額を控除して計算する(3項)。長期保有の山林に対する優遇という性質から、保有期間(5年)の要件と特別控除がセットになっている点を押さえる。

補足山林所得は、いわゆる5分5乗方式により税額を計算し、他の所得と分離して課税される。所得区分の計算(32条)と、税額計算段階の5分5乗は別の段階である。

11譲渡所得e-Gov等の一次資料で確認済み

譲渡所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 譲渡所得とは、資産の譲渡による所得をいう。
  • たな卸資産の譲渡その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得は、譲渡所得に含まれない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:1(アー正、イー正)

正しい
33条1項は、譲渡所得を資産の譲渡による所得と定義する。記述は正しい(所得税法33条1項)。

所得税法第33条「譲渡所得とは、資産の譲渡」一次資料を確認

正しい
33条2項1号は、たな卸資産の譲渡その他営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得を譲渡所得に含まれないものとする(これらは事業所得又は雑所得となる)。記述は正しい(所得税法33条2項1号)。

所得税法第33条「営利を目的として継続的に行なわれる資産の譲渡による所得」一次資料を確認

ひっかけ『資産の譲渡』でも、たな卸資産や継続的・営利目的の譲渡は譲渡所得ではない(33条2項)。

解説譲渡所得は、資産の譲渡による所得である(33条1項)。ただし、たな卸資産の譲渡や、営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡による所得は譲渡所得に含まれず、事業所得又は雑所得になる(2項1号)。また山林の伐採・譲渡による所得も譲渡所得から除かれる(2項2号)。譲渡所得は、資産の値上がり益を一時に清算する所得という性質を持つため、棚卸資産の売却益のような反復継続的な所得とは区別される。

補足譲渡所得の金額は、総収入金額から取得費及び譲渡費用を控除し、さらに譲渡所得の特別控除額を控除して計算する(33条3項)。保有期間により長期・短期に分かれ、税負担が異なる。

12一時所得e-Gov等の一次資料で確認済み

一時所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 一時所得とは、利子所得から譲渡所得までの各種所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
  • 一時所得の特別控除額は、100万円とする。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
34条1項は、一時所得を、他の8種類の所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものと定義する。記述は正しい(所得税法34条1項)。

所得税法第34条「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」一次資料を確認

誤り
条文は五十万円 → 100万円は誤り

所得税法第34条「一時所得の特別控除額は、五十万円」一次資料を確認

ひっかけ一時所得の特別控除額は『50万円』。100万円などにすり替える肢に注意(34条)。

解説一時所得は、他の8種類の所得に当たらない所得のうち、継続的行為から生じたものを除く一時の所得で、労務・役務・資産譲渡の対価性がないものである(34条1項)。懸賞金や生命保険の満期返戻金などが典型である。所得金額は、総収入金額からその収入を得るために支出した金額を控除し、さらに特別控除額(五十万円)を控除して計算する(2項・3項)。さらに総所得金額に算入する際は2分の1とされ、対価性のない臨時の所得への負担調整がなされる。

補足一時所得を総所得金額に算入する段階で2分の1を乗じる扱いは、22条(課税標準)の総所得金額の計算で定められている。所得区分の計算(34条)と総所得金額への算入(22条)は段階が異なる。

13雑所得e-Gov等の一次資料で確認済み

雑所得に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 雑所得とは、給与所得及び事業所得を除く全ての所得をいう。
  • 公的年金等に係る所得は、一時所得として課税される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:4(アー誤、イー誤)

誤り
他の9種に該当しないものが雑所得 → 『給与・事業を除く全て』は誤り

所得税法第35条「いずれにも該当しない所得をいう」一次資料を確認

誤り
公的年金等は雑所得 → 『一時所得』は誤り

所得税法第35条「公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した残額」一次資料を確認

ひっかけ雑所得は『他の9種類のいずれにも当たらない所得』。公的年金等は雑所得(一時所得ではない)(35条)。

解説雑所得は、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡・一時の9種類のいずれにも該当しない所得という、受け皿的な区分である(35条1項)。公的年金等に係る所得もこの雑所得に含まれ、公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除して計算する(2項1号・3項)。雑所得は『他に当たらないもの』という消去法の定義である点が、積極的に定義される他の区分と異なる。

補足公的年金等以外の雑所得(副業による所得など)は、総収入金額から必要経費を控除して計算する(35条2項2号)。同じ雑所得でも、公的年金等か否かで計算方法が分かれる。

14収入金額e-Gov等の一次資料で確認済み

所得の金額の計算上の収入金額に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額とする。
  • 金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもって収入する場合には、その利益は収入金額に算入されない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
36条1項は、収入金額とすべき金額を、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額とすると定める(権利確定主義)。記述は正しい(所得税法36条1項)。

所得税法第36条「その年において収入すべき金額」一次資料を確認

誤り
経済的利益も価額で算入 → 『算入されない』は誤り

所得税法第36条「金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合」一次資料を確認

ひっかけ収入金額は『収入すべき金額』(現実の入金前でも権利確定で計上)。現物・経済的利益も価額で算入(36条)。

解説収入金額は、別段の定めを除き、その年において収入すべき金額とする(36条1項)。実際に金銭を受け取った時ではなく、収入する権利が確定した時に計上するのが原則(権利確定主義)である。また、金銭以外の物・権利・経済的な利益で収入する場合も、その価額(取得・享受時の価額)を収入金額に算入する(1項・2項)。現金以外の経済的利益も課税対象になる点が要点である。

補足各所得区分の必要経費は37条が定め、収入金額(36条)から必要経費を控除して所得金額を計算する。収入の計上時期と必要経費の対応が、所得金額の算定の基礎になる。

15確定所得申告e-Gov等の一次資料で確認済み

居住者の確定所得申告に関する次のア・イの記述について、その正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 確定所得申告書は、その年の翌年1月1日から3月15日までの期間において提出しなければならない。
  • 確定所得申告書は、税務署長に対して提出しなければならない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:3(アー誤、イー正)

誤り
条文は2月16日から → 1月1日からは誤り

所得税法第120条「その年の翌年二月十六日から三月十五日までの期間」一次資料を確認

正しい
120条1項のとおり提出先は税務署長 → 正しい

所得税法第120条「税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ確定申告の期間は『翌年2月16日から3月15日まで』。開始日を1月1日などにずらす肢に注意(120条)。

解説居住者は、その年分の所得につき計算した所得税額が一定額を超えるときは、原則として翌年2月16日から3月15日までの期間(第三期)に、税務署長に対し確定所得申告書を提出しなければならない(120条1項)。提出の期間と提出先(税務署長)が条文に明記されており、期限内申告の基準となる。納付も原則としてこの申告期限までに行う。

補足確定所得申告を要しない給与所得者の特例(121条)など、一定の場合には申告義務が免除される。120条の原則と、申告を要しない場合の例外を分けて押さえる。

16居住者と非居住者の納税義務e-Gov等の一次資料で確認済み

居住者と非居住者の納税義務に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある。
  • 非居住者は、国内源泉所得がなくても常に所得税を納める義務がある。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
所得税法第5条の文言どおりである。 根拠は所得税法第5条であり、記述は正しい。

所得税法第5条「居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある」一次資料を確認

誤り
所得税法第5条の文言に反する。 根拠は所得税法第5条であり、記述は誤り。

所得税法第5条「非居住者は、次に掲げる場合には、この法律により、所得税を納める義務がある」一次資料を確認

ひっかけ非居住者も日本の税務署に関わる以上すべて課税、と考えるとイを正しいと誤る。非居住者が納税義務を負うのは、国内源泉所得を有するときなど条文に掲げる場合に限られる。

解説居住者は、この法律により、所得税を納める義務がある(所得税法5条1項)。アはこのとおり正しい。これに対し非居住者は、国内源泉所得を有するときなど「次に掲げる場合には」納める義務があるとされており(同条2項)、国内源泉所得がなくても常に義務を負うわけではない。イは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足納税義務者は「居住者=無条件」「非居住者=国内源泉所得を有するとき等に限る」という構造。課税される所得の範囲(7条)とセットで、人的区分ごとに課税の広さが変わることを押さえる。

17非永住者の課税所得の範囲e-Gov等の一次資料で確認済み

非永住者の課税所得の範囲に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 国外源泉所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの。
  • 非永住者は、国外源泉所得について国内支払・国内送金の有無にかかわらず常に全額課税される。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
所得税法第7条の文言どおりである。 根拠は所得税法第7条であり、記述は正しい。

所得税法第7条「国外源泉所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの」一次資料を確認

誤り
所得税法第7条の文言に反する。 根拠は所得税法第7条であり、記述は誤り。

所得税法第7条「国外源泉所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたもの」一次資料を確認

ひっかけ非永住者も居住者だから全世界所得に課税、と考えるとイを正しいと誤る。国外源泉所得は、国内で支払われ又は国外から送金されたものに限って課税対象になる。

解説非永住者については、国外源泉所得以外の所得、及び国外源泉所得で国内において支払われ、又は国外から送金されたものについて所得税を課する(所得税法7条1項2号)。アはこの後段のとおり正しい。国外源泉所得の全額が常に課税されるわけではなく、国内払い・国内送金という接点があるものに限られるから、イは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足課税所得の範囲は「非永住者以外の居住者=全ての所得」「非永住者=国外源泉所得は国内払い・国内送金分のみ」「非居住者=国内源泉所得のみ」と三段階で狭くなる(7条1項1〜3号)。

18給与所得の範囲と金額e-Gov等の一次資料で確認済み

給与所得の範囲と金額に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与。
  • 給与所得の金額は、給与等の収入金額の全額であり、給与所得控除額は控除しない。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
所得税法第28条の「俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与」と一致するため正しい。

所得税法第28条「俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与」一次資料を確認

誤り
所得税法第28条の文言に反する。 根拠は所得税法第28条であり、記述は誤り。

所得税法第28条「給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とする」一次資料を確認

ひっかけ給与は受け取った額がそのまま所得、と考えるとイを正しいと誤る。給与所得の金額は、収入金額から給与所得控除額を控除した残額である。

解説給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る所得をいう(所得税法28条1項)。アはこのとおり正しい。給与所得の金額は、その年中の給与等の収入金額から給与所得控除額を控除した残額とされているから(同条2項)、「収入金額の全額であり控除しない」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足給与所得控除額は収入金額に応じた段階制で、収入190万円以下は65万円、収入850万円超は195万円が上限とされている(28条3項)。「範囲(1項)→金額(2項)→控除額(3項)」の順に条文が並ぶ。

19一時所得の特別控除e-Gov等の一次資料で確認済み

一時所得の特別控除に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • 営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得。
  • 一時所得の特別控除額は、常に五百万円である。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
所得税法第34条の「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」と一致するため正しい。

所得税法第34条「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得」一次資料を確認

誤り
所得税法第34条の文言に反する。 根拠は所得税法第34条であり、記述は誤り。

所得税法第34条「一時所得の特別控除額は、五十万円」一次資料を確認

ひっかけ特別控除の額を大きく入れ替えられるとイを正しいと誤る。一時所得の特別控除額は50万円(残額が50万円に満たない場合はその残額)である。

解説一時所得とは、利子・配当・不動産・事業・給与・退職・山林・譲渡の各所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう(所得税法34条1項)。アはこのとおり正しい。特別控除額は50万円(残額が50万円に満たない場合には当該残額)とされているから(同条3項)、「常に500万円」とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足一時所得の金額は「総収入金額−収入を得るために支出した金額(直接要したものに限る)−特別控除額(最高50万円)」の順で計算する(34条2項・3項)。定義の三要件(非継続・非対価・8種以外)も出題の軸。

20確定所得申告の期間e-Gov等の一次資料で確認済み

確定所得申告の期間に関する次のア・イの正誤の組み合わせとして最も適切なものを1つ選びなさい。

  • その年の翌年二月十六日から三月十五日までの期間。
  • 確定所得申告書は、税務署長ではなく市町村長に提出する。
  1. アー正、イー正
  2. アー正、イー誤
  3. アー誤、イー正
  4. アー誤、イー誤
解答・解説を見る

正解:2(アー正、イー誤)

正しい
所得税法第120条の「その年の翌年二月十六日から三月十五日までの期間」と一致するため正しい。

所得税法第120条「その年の翌年二月十六日から三月十五日までの期間」一次資料を確認

誤り
所得税法第120条の文言に反する。 根拠は所得税法第120条であり、記述は誤り。

所得税法第120条「税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない」一次資料を確認

ひっかけ住民税と混同して提出先を市町村と考えるとイを誤る。確定所得申告書の提出先は税務署長である。

解説居住者は、一定の場合には、第三期(その年の翌年2月16日から3月15日までの期間)において、税務署長に対し、所定の事項を記載した申告書を提出しなければならない(所得税法120条1項)。申告期間を挙げるアは正しく、提出先を市町村長とするイは誤り。よって「アー正、イー誤」。

補足条文上、2月16日〜3月15日の期間は「第三期」と呼ばれる。国税である所得税の申告先は税務署長で、市町村は個人住民税の側の窓口という区別を確実にする。

読み終えたら、解いて採点

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